JP5719768B2 - 生体関連物質測定用チューブおよび定量システム - Google Patents

生体関連物質測定用チューブおよび定量システム Download PDF

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Description

本発明は、生体関連物質を測定するためのチューブ、およびこのチューブを利用した定量システムに関するものである。
医療分野における検査等で被験者から採取した血清サンプル等の検体から特定成分の濃度を測定する検査がよく行われている。近年、このような検査において血清サンプルから特定成分の濃度を自動的に算出する装置の使用が普及し、検査にかかる時間や労力などが減らされつつある。このような装置を使用する場合でも、検体中の目的物質の定量を確実に行うには、使用される試薬の性能、ロット、特徴、などを各種テストで確認することが求められる。
検体中の目的物質について定量するとき、従来はネガティブコントロール、ポジティブコントロール、測定値補正、などを別々に実行してから、目的物質から取得した測定値と比較して正確な値の把握をしてきた。このために迅速に目的物質の定量を行うことが困難な場合や正確性が低い場合があった。また、測定精度を保つため測定前に検量線の作成を行ってから検体中の成分の測定を行うことがあり、目的の成分の定量に時間がかかり作業効率を高めることが難しいことがあった。さらに、多項目にのぼる目的の生体関連物質を定量しようとした場合に時間や手間を要してしまうことが多かった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、より簡便な取り扱いでより正確な生体関連物質の定量を実現することにある。また、より正確に目的の生体関連物質の定量を行うことができる定量システムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明者らは1つの生体関連物質測定チューブに、目的の生体関連物質の測定用の粒子と、測定値の正確性を高めるための補正用粒子とを備えることで、目的の生体関連物質をより正確に定量することができることを見出した。
即ち、本発明は、測定目的の生体関連物質と結合することができる物質が固定された第1のマイクロ粒子と、前記生体関連物質が所定量で固定された第2のマイクロ粒子と、ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子とをチューブ内に配列することを特徴とする生体関連物質測定チューブである。ここで、ネガティブコントロール用のマイクロ粒子とは、目的の生体関連物質と結合しない粒子を意味する。このようなネガティブコントロール用のマイクロ粒子として、例えば、検体から目的の生体関連物質を除去した検体ブランクを用いることができる。
本発明の生体関連物質測定用チューブにおいて、前記第2のマイクロ粒子は、生体関連物質の測定データの補正用マイクロ粒子であり、段階的に異なる量の生体関連物質が固定された複数のマイクロ粒子であることが好ましい。このマイクロ粒子は、検量線作成用に使用される。さらに、本発明においては、前記第1〜第3のマイクロ粒子間に、さらに遮光性を有する部材を備えることができる。
生体関連物質の定量には検量線を使用することが望ましく、この検量線は生体関連物質の定量時に作成する、あるいは生体関連物質の定量実行前に予め作成しておくことが望ましい。
目的の生体関連物質を定量する場合は、目的の生体関連物質と結合可能な物質が固定されたマイクロ粒子とともに、ポジティブコントロール用のマイクロ粒子とネガティブコントロール用のマイクロ粒子とを用いて定量の確度を確認する。
また、本発明の定量システムは、上記のチューブと、前記チューブ内のマイクロ粒子から発するシグナルを検出する検出部と、前記検出されたシグナルに基づき検量線を作成する検量線作成部と、前記作成された検量線を参照して生体関連物質を定量する演算部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の定量システムは、
目的の生体関連物質と結合可能な第1のマイクロ粒子、所定量の目的の生体関連物質が予め結合しポジティブコントロールとして機能する第2のマイクロ粒子、および、ネガティブコントロールとして機能する第3のマイクロ粒子に蛍光標識を付与し蛍光標識が付与されたこれら第1〜第3のマイクロ粒子に励起光を照射して蛍光強度を演算する蛍光強度演算手段と、
蛍光強度演算手段から送出される蛍光強度信号を受けて第1のマイクロ粒子に結合した前記生体関連物質を定量する演算手段と、を備える。
第2のマイクロ粒子は、第1のマイクロ粒子に結合した目的の生体関連物質を定量するための検量線を作成するために、段階的に異なる量の生体関連物質が予め結合していてもよいし、あるいは第2のマイクロ粒子は、第1のマイクロ粒子の発光強度を補正するために、既知量の生体関連物質が結合していてもよい。第1〜第3のマイクロ粒子はチューブ内に一列に予め配列固定させておいてもよいし、生体関連物質の測定時に一列に配列形成してもよい。第1〜第3のマイクロ粒子を配列するチューブは着脱自在とすることが好ましい。
さらに、本発明は、前記チューブに検体を接触させ、検体中の目的生体関連物質を測定することを特徴とする生体関連物質の測定方法である。本発明において、測定は、目的生体関連物質の定性的検出及び定量を同時に行なうことができる。
本発明の生体関連物質測定用チューブによれば、生体関連物質の測定に関して補正を行うことができ、生体関連物質をより正確に定量することができる。
また、ポジティブコントロール用の第2ビーズ、ネガティブコントロール用の第3ビーズ、補正用の第4ビーズを用いることにより、測定用チューブのロット番号や製造番号、定量システムの形式や型番、定量時に使用される試薬などが異なる場合でも、システムの較正にかかる手間を省きながらより正確に目的の生体関連物質を定量することができる。
このように、本発明のチューブおよびシステムを用いることで、目的生体関連物質の有無を定性的に検出できるだけでなく、目的生体関連物質の量を定量することが可能となり、より利便性の高い定量システムを提供することができる。このことは、イムノクロマトグラフィ等で行なわれていた定性反応を確認することができると同時に、反応結果物の量を定量することができるため、イムノクロマトグラフィーに変わる測定系として有用であることを意味する。
従って、本名発明の測定用チューブおよび定量システムを用いることで、より利便性の高い定量システムを提供することができる。さらに、本発明の測定用チューブやこの測定用チューブを用いる定量システムでは、システムの保守やメンテナンスにかかる手間を省くことができ、患者の近傍で検査を実行して迅速に診断するポイント・オブ・ケアの実行に十分に対応することができる。
目的物質捕捉ビーズ、ネガティブコントロールビーズ、補正ビーズを配列した本発明の生体関連物質測定用チューブを概略的に示した概略図である。 補正ビーズの発光強度および濃度を用いて測定値を補正する手法について概略的に説明するための説明図である。 第1のマイクロ粒子、および複数の第2のマイクロ粒子を配列した本発明の生体関連物質測定用チューブを概略的に示した概略図である。 異なる量の抗体が固定された複数のビーズの各発光強度および既知濃度を基にして検量線を作成して目的物質の濃度を定量することを概略的に説明する説明図である。 遮光ビーズを設けた生体関連物質測定用チューブの概略図である。 発光強度を補正する本発明の定量システムの機能ブロック図である。 生体関連物質測定用チューブ内に配列された各ビーズから発光強度を読み取るための測定機構について示した斜視図である。 目的物質捕捉ビーズに結合した目的物質について定量するための手順を示したフローチャートである。 本発明の作用について、抗原―抗体反応を例示して概略的に説明する説明図である。 検量線を作成するために、異なる量の抗体が固定された複数のビーズを備えた生体関連物質測定用チューブの概略図である。 異なる量の抗体が固定された複数のビーズを備えた生体関連物質測定用チューブを用いて目的物質の定量を行う定量システムの機能ブロック図である。 遮光性フィルタを各ビーズ間に設けた生体関連物質測定用チューブの概要を説明する概略図である。 第2のマイクロビーズとして、測定用チューブのロット差や製造番号の差異による測定誤差や、定量システムの形式や型番の差異による誤差、定量時に使用される試薬の差異による誤差などを補正するためのマイクロ粒子と、ポジティブコントロール用のマイクロ粒子とを備えた測定用チューブの概略図である。 第2のマイクロビーズとして、測定用チューブのロット差や製造番号の差異による測定誤差や、定量システムの形式や型番の差異による誤差、定量時に使用される試薬の差異による誤差などを補正するためのマイクロ粒子と、ポジティブコントロール用のマイクロ粒子とを備えた測定用チューブを用いて、目的の生体関連物質を定量する定量システムの機能ブロック図である。 2つの測定系を用いて複数項目の生体関連物質について定量する態様について説明する説明図である。 第1〜3のマイクロ粒子に照射光を照射し各マイクロ粒子からの蛍光に基づき目的の生体関連物質を定量するシステムの概略を示す説明図である。 第1〜3のマイクロ粒子に照射光を照射し各マイクロ粒子からの蛍光に基づき目的の生体関連物質を定量するシステムの機能ブロック図である。 遮光ビーズを介してNP−HSAが固定されたビーズと抗OVA抗体が固定されたビーズとが配列されたチューブの概略を示す説明図である。 抗OVA抗体が固定されたビーズが配列されたチューブを用いて取得されOVAに付与された標識の発光強度を示すグラフである。 OVAの発光強度に基づいてOVAを定量するための検量線のグラフである。
1.発明の概要
本発明の生体関連物質測定用チューブは、測定目的の生体関連物質と結合することができる物質が固定された第1のマイクロ粒子と、前記生体関連物質が所定量で固定された第2のマイクロ粒子と、ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子と、をチューブ内に配列したことを特徴とするものである。本発明の生体関連物質測定用チューブを使用することで、生体関連物質に関して2つの異なる定量手法を実践することができる。即ち、第1の定量手法(i)は、既に作成された検量線を利用して目的の生体関連物質の測定値を補正してより正確な定量を行うものであり、第2の定量手法(ii)は、検量線の作成と目的の生体関連物質の定量とを同時に実行してより正確な定量を行うものである。第1の定量手法(i)では、測定目的の生体関連物質の量が予め規定されているときのシグナル曲線を検量線として使用し、この検量線上のいずれかの位置に該当する量の生体関連物質をマイクロ粒子に固定した場合を考えており、このマイクロ粒子は測定値補正用として使用される。また、第2の定量手法(ii)では、異なる量の生体関連物質が複数のマイクロ粒子に固定された場合を考えており、それぞれ異なる量の生体関連物質が固定されたマイクロ粒子が検量線作成用として使用される。
上述したように、第1の定量手法(i)では、第2のマイクロ粒子は、第1のマイクロ粒子によって捕捉される生体関連物質の測定値の補正に用いられる。本発明の生体関連物質測定用チューブに関する第1の態様は、第2のマイクロ粒子を、第1のマイクロ粒子によって捕捉される生体関連物質の測定値の補正に用いるものであり、例えば、図1に示された生体関連物質測定用チューブが挙げられる。図1に示される生体関連物質測定用チューブ2は、第1のマイクロ粒子である目的物質捕捉ビーズ3と、予め所定量の生体関連物質が固定された第2のマイクロ粒子である補正ビーズ4と、ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子であるネガティブコントロールビーズ5とを備える。
第2のマイクロ粒子を第1のマイクロ粒子によって捕捉される生体関連物質の測定値の補正に用いる場合、例えばチューブに検体を入れてマイクロ粒子と検体とを接触させ、第2のマイクロ粒子に固定された生体関連物質についてシグナル(例えば、発光強度)を測定したとき、発光強度が第2のマイクロ粒子の生体関連物質の固定量から予め予測される値(検量線上の値)からからずれるときがある。このようなとき、検量線からのずれ量Δ(デルタ)を算出し、このずれ量Δを目的物質捕捉ビーズの測定データに反映させ生体関連物質の定量値を取得する。このような手順に従って生体関連物質を定量することにより、目的とする生体関連物質の定量における誤差をより小さくすることができ、より正確な定量を実行することができる。例えば、図2に示すように、第2のマイクロ粒子には予め定められた量(検量線上のいずれかの位置に対応する量)の生体関連物質が固定されており、第2のマイクロ粒子に関する発光強度は、例えば濃度Aに対して検量線上の位置点Pにプロットされることが期待される。しかしながら、発光強度の実測値が検量線の上側に外れた位置Qにプロットされる場合、この点Pと点Qとの発光強度のずれ量Δが存在する。このずれ量Δを発光強度の補正パラメータとして用いることができる。このずれ量Δを、測定目的の生体関連物質と結合することができる物質が固定された第1のマイクロ粒子に関する発光強度の実測値に、例えば減算して発光強度を補正する。第1のマイクロ粒子の発光強度がβであった場合、このβからずれ量Δを減算した値γに対応する濃度Bがより正確な定量値として求められる。この減算処理された発光強度に対応する濃度を、検量線を介して求めることにより、第1のマイクロ粒子に結合した生体関連物質の定量をより高精度に実行することができる。また、濃度Aに対する第2のマイクロ粒子の発光強度が検量線の下側にプロットされる場合は、そのずれ量Δを第1のマイクロ粒子に関する発光強度の実測値に加算して発光強度を補正する。この加算処理された発光強度に対応する濃度を、検量線を介して求めることにより、第1のマイクロ粒子に結合した生体関連物質の定量を高精度に実行できる。なお、このような発光強度の補正の考え方は上記の発光強度に対してだけでなく吸光度など他の測定量に対しても適用することができ、定量システムの構成に合わせて適宜変更して用いることができる。
また、第2の定量手法(ii)では、検量線の作成と、この検量線に基づく目的の生体関連物質の定量とをほぼ同時に実行することができる。検量線の作成と目的の生体関連物質の定量とを同時に実行可能な生体関連物質測定用チューブの態様としては、例えば図3に示されるものがあげられる。図3に示すように、生体関連物質測定用チューブ11は、測定目的の生体関連物質と結合することができる物質が固定された第1のマイクロ粒子7と、異なる量の前記生体関連物質が予め固定された複数のマイクロ粒子(第2のマイクロ粒子)8、9と、ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子であるネガティブコントロールビーズ19とを備える。この異なる量の生体関連物質が固定された複数のマイクロ粒子は、図に示すように例えば2つであり、この2つのマイクロ粒子8、9に予め固定された生体関連物質の量をそれぞれ測定してグラフ上にプロットすることによって検量線を作成することができる。なお、異なる量の生体関連物質が予め固定されたマイクロ粒子の個数として2つを例示したが、このマイクロ粒子の個数は2つに限らず3つ、4つなど2つ以上でもよい。異なる量の生体関連物質が予め固定されたマイクロ粒子の個数を増やすに従って検量線の作成における分散値を減らしてより確かな検量線を作成することができる。
目的の生体関連物質と結合可な物質が固定された第1のマイクロ粒子7と、異なる量の前記生体関連物質が予め固定された複数のマイクロ粒子8、9を備えることにより、検量線の作成と目的の生体関連物質の定量とを同時に実行して、より測定誤差の少ない条件下で測定を行うことができる。このような態様では、例えば図4に示すように、マイクロ粒子8の発光強度R1および既知濃度からグラフ上の点Xがプロットされ、同様にマイクロ粒子9の発光強度および既知濃度からグラフ上の点Yがプロットされる。これら点X、Yから検量線を作成することができ、作成された検量線を用いて測定対象物質の濃度を定量することが可能となる。即ち、マイクロ粒子と検体とを接触させ、マイクロ粒子7の発光強度R3に基づき、検量線を介して濃度Eを求めることができる。以上のように、検量線の作成および目的である生体関連物質の定量を同時に実行することで精度の高い定量を行うことができる。
以上のような定量を実行することにより、生体関連物質の測定に関して補正を行うことができ、生体関連物質をより正確に定量することができる。
また、生体関連物質を捕捉する第1のマイクロ粒子、所定量の生体関連物質が予め固定された第2のマイクロ粒子、およびネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子を用いることにより、測定用チューブのロット番号や製造番号、定量システムの形式や型番、定量時に使用される試薬、などが異なる場合でも、システムの較正にかかる手間を省きながらより正確に目的の生体関連物質を定量することができる。このように、本名発明の測定用チューブおよび定量システムを用いることで、より利便性の高い定量システムを提供することができる。
さらに、本発明の測定用チューブやこの測定用チューブを用いる定量システムでは、システムの保守やメンテナンスにかかる手間を省くことができ、患者の近傍で検査を実行して迅速に診断するポイント・オブ・ケアの実行に十分に対応することができる。
ここで、マイクロ粒子は略球形に形成され、粒径は0.05〜10.0mmが好ましく、0.1〜5.0mmがより好ましい。マイクロ粒子の材質としては、例えば、窒化珪素、シリカ、ガラス、マグネタイト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアクリルアミド、デキストラン、アミロース、アガロース、天然および修飾セルロース、活性炭、などがあげられる。
測定方法としては、例えば化学発光を用いた測定、生物発光を用いた測定、蛍光を用いた測定などがある。
化学発光を用いて生体関連物質を定量する場合では、化学反応により励起された化学発光物質が基底状態に移行するときに外部に電磁波を放出する。タンパク質を定量する場合において、このような現象を発生させる発光系の代表的な例としては、ルミノールを用いるものと、ジオキセタンを用いるものとがある。
ルミノール応用化学発光において、ルミノールは過酸化水素の存在下で分解することにより発光するものであり、ペルオキシダーゼを触媒とすることでより強く発光させることができる。さらに、ヨードフェノール化合物を添加することにより発光強度を略1000倍に強めることができ、このようなエンハンサーを利用することで発光強度の増強だけでなく発光時間も長くすることができる。このように発光させる市販品としては、例えば、ピアスケミカル(Pierce Chemical)社のスーパーシグナル(登録商標)シリーズ、和光純薬工業社のImmunoStar Kit、ロシュ・ダイアグノスティック社のBMケミルミネッセンスなどがある。
ジオキセタン応用化学発光においては、化学発光物質(例えば、AMPPD(登録商標))がアルカリ性フォスファターゼと反応して中間体が生成され、この中間体が自然に開裂してアダマンタノンと励起状態の発光物質が生成されてこの発光物質が基底状態に移行するまで発光する。このように発光を実行するための市販品としては、例えば、バイオ・ラッドラボラトリーズ社のイミュンスターキット、New England Bio Labs社のPhototope(登録商標)などがある。
他方、蛍光を用いて目的の生体関連物質を定量する場合では、目的の生体関連物質に蛍光標識を付与し、この付与された蛍光標識に特定波長の励起光を照射して蛍光標識を蛍光させる。このため、上記の化学発光を用いた測定装置とは必要な構成が異なってくる。一般に蛍光を利用する場合、生体関連物質を多重に染色できることや、所望するときにいつでも蛍光させられることなどの特徴により、種類の異なる複数の生体関連物質について同時に検出することができる。この蛍光を用いた測定装置の詳細については後述する。
このようにして、本発明では目的の生体関連物質を定性的に検出するだけでなく、同時に定量することが可能となる。

2.生体関連物質
本発明において「生体関連物質」とは、試料中に含まれる定量又は検出の対象となる物質であり、微生物(細菌)、ウイルス、寄生生物、細胞、核酸、多糖、タンパク質(ペプチド、ホルモン、レセプター、酵素)、抗原、抗体、毒素、病原体、低分子などのあらゆる生体物質を意味する。

微生物には真菌及び真正細菌及び古細菌が含まれる。真菌としては、例えば、サッカロマイセス属、アスペルギルス属、カンジダ属などが挙げられる。真正細菌としては、例えば、マイコバクテリウム属、エッシェリヒア属、バチルス属、リステリア属、ビブリオ属、サルモネラ属、シュードモナス属、スタフィロコッカス属、マイコプラズマ属、リケッチア属、クラミジア属などに属する微生物が挙げられる。古細菌としては、例えば、サーモプラズマ属、ハロバクテリウム属、メタノバクテリウム属などが挙げられる。具体的には、サッカロマイセス・セレビシエ種、アスペルギルス・ニデュランス種、カンジダ・アルビカンス種、マイコバクテリウム・ツベルクローシス種、マイコバクテリウム・アビウム種、マイコバクテリウム・イントラセルラー種、マイコバクテリウム・カンサシー種、エッシェリヒア・コリ種 、バチルス・セレウス種、バチルス・アンスラシス種、リステリア・モノサイトゲネス種、ビブリオ・パラヘモリティカス種、ビブリオ・コレラ種、サルモネラ・チフス種、シュードモナス・エレギノーサ種、スタフィロコッカス・アウレウス属、マイコプラズマ・ニューモニア種、リケッチア・プロワツェキイ種、クラミジア・トラコマチス種などを例示し得る。
ウイルスとしては、例えば、アデノウイルス科、バクテリオファージ科、レトロウイルス科などが挙げられる。具体的には、アデノウイルス、T7様ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ノロウイルス、ヒトロタウイルス、インフルエンザウイルスなどを例示し得る。
また、細胞は動物細胞、植物細胞、昆虫細胞のいずれも含まれる。
核酸としては、DNA、RNA、人工核酸などが挙げられる。
多糖としては、デンプン、グリコーゲン、キチン、カラギーナンなどが挙げられる。
タンパク質としては、抗原、抗体、酵素、色素タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ホルモン、レセプター、アレルゲンなどが挙げられる。
低分子としては、ヌクレオチド三リン酸又はデオキシヌクレオチド三リン酸などのヌクレオチド、グルコース又はガラクトースなどの糖、グルタミン酸又はリジンなどのアミノ酸、フルオロセイン又はエチジウムブロマイドなどの色素、エピネフリン又はペプチドホルモン又はステロイドなどのホルモンが挙げられる。
但し、上記生体関連物質は例示であり、これらの物質に限定されるものではない。
3.測定チューブ(1)
既に述べたとおり、本発明の生体関連物質測定用チューブは、測定目的の生体関連物質と結合することができる物質が固定された第1のマイクロ粒子と、前記生体関連物質が所定量で固定された第2のマイクロ粒子と、ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子とをチューブ内に備えており、これにより、目的の生体関連物質の測定と、この測定値の補正とを同時にかつ一貫して行うことができ、さらにより正確な定量を簡便に行うことを可能とするものである。このような本発明の生体関連物質測定用チューブに関する第3の態様として、遮光性を有するビーズをさらに設けた生体関連物質測定用チューブを図5に示す。
生体関連物質測定用チューブ13は、その内腔に、検体中に含まれる例えばタンパクなどの目的とする生体関連物質を検出し定量するための目的物質捕捉ビーズ(第1のマイクロ粒子)14、ネガティブコントロールビーズ(第3のマイクロ粒子)15、補正ビーズ(第2のマイクロ粒子)16、遮光ビーズ17の間に光を透過しない遮光ビーズ17を備える。目的物質捕捉ビーズ14、ネガティブコントロールビーズ15、補正ビーズ16のそれぞれの間に遮光性を有する遮光ビーズ17を備えることで自己発光するビーズの測定・定量を、隣設ビーズの発光に干渉されず、効率よくかつ正確に実行することができる。
図5に示した生体関連物質測定用チューブ13は上記4種類のビーズを備えたチューブの一態様であり、中空円筒状に形成され、一方の端部に向かって細く窄まって形成された開口18aを有し、他方の端部にマウント部12に取り付け自在な取り付け部18bを備えることもできる。この場合、マウント部12にはポンプ制御部によって駆動が制御されたポンプと連通したノズル(図示省略)が備えられ、このノズルと内腔が連通するようにマウント部12にマウントされた生体関連物質測定用チューブ13は、チューブ内に液体を吸込み、吸い込んだ液体をチューブ外に排出することができる。
4.定量システム(1)
次に、上記に説明した本発明の生体関連物質測定用チューブ13を備えた定量システム(化学発光強度補正型の測定用チューブを用いる定量システム)について説明する。本発明の定量システムは、上記の生体関連物質測定チューブ13のほか、このチューブ13内の各ビーズ(マイクロ粒子)から発するシグナルを検出する検出部と、予め作成された検量線を参照して前記検出されたシグナルのデータを補正する補正部と、この補正されたデータに基づき生体関連物質を定量する演算部とを有することを特徴とする。以下にその一つの形態について説明する。
本発明の定量システムは、例えば、検体に含まれる目的とする生体関連物質の定量までを自動的に実行する。上記定量チューブを備えた定量システムの概略的な機能ブロック図を図6に示す。
定量システム30は、中央制御部32、チップ位置制御部34、チップマウント制御部36、温度制御部40、ポンピング制御部42、RAM46、ROM48、表示パネル50、操作インターフェース52、信号処理回路54、発光強度演算部56、補正定量演算部58、計時部(図示省略)などを有し、目的の生体関連物質を検出し定量するための上記生体関連物質測定用チューブ2を着脱自在に備える。
チップ位置制御部34は、互いに直行したXYZ軸を備え、ステッピングモータやサーボモータによってノズルの位置を制御する。X軸およびY軸はウェルプレートと略平行であって互いに直行し、Z軸はウェルプレートと略垂直をなしている。ノズルの移動に際しては、例えば、ウェルプレートと略平行なこれらX軸上およびY軸上での移動と、ウェルプレートと略垂直なZ軸上での移動との2段階でノズルが動かされる。
ROM48には各種制御プログラムが格納されている。ユーザが操作インターフェース52を通して選択した作動モードに応じてRO48から制御プログラムがRAM46に展開され、中央制御部32はこのRAM46に展開された制御プログラムを基にして定量システム30の各部をコントロールしている。
表示パネル50はユーザに対して提示する必要のある項目を表示する。例えば、サンプル(検体)の前処理時のポンピング回数、ポンピング時の流速の緩急、吸込量および排出量、生体関連物質測定用チューブ2の移動速度の緩急などは表示パネル50に表示でき、ユーザはこの表示を介して確認することができる。もし各種設定内容を変更したい場合は、操作インターフェース52の操作を通して変更することができる。
図示しない計時部は、ROM48から読み出されたプログラムに応じて時間のカウントを行う。時間のカウントは、例えば、インキュベートを行うときやポンピングを行うときなどに行われ、これにより各工程が正確に実行される。
温度制御部40はヒータ60、サーマルセンサ62などを備え、生体関連物質測定用チューブに収容された液体の温度を管理する。ヒータ62は温度制御部40からの供給電力によって発熱し、サーマルセンサ62は生体関連物質測定用チューブ2内に収容された液体の温度に応じて温度制御部40に温度信号を送出する。温度制御部40はサーマルセンサ62からの温度信号を基にして温度を検知してヒータ60への供給電力を調節する。
チップマウント制御部36は、マウント部12への生体関連物質測定用チューブ13の装着、およびマウント部12からの生体関連物質測定用チューブ13の脱着を行う。チップマウント制御部36は、検体が収容されるウェルが配列されたウェルプレートからある程度離れた場所に設けられ、万が一生体関連物質測定用チューブ2交換時に生体関連物質測定用チューブ13から液体が飛散した場合にコンタミネーションが発生しないようにされている。チップマウント制御部36は、例えば生体関連物質測定用チューブ2を把持する把持部と、別の新たな生体関連物質測定用チューブ13を準備するチップ準備部とを備える。把持部が生体関連物質測定用チューブ13を把持しながらノズルがZ軸に沿って上昇するとノズルから生体関連物質測定用チューブ13が脱着される。次いで、むき出しになったノズルがX軸およびY軸上で移動して新たな生体関連物質測定用チューブ13の上方に移動する。チップ準備部では新たな生体関連物質測定用チューブ13がマウント部を上側に先端部を下側にした状態で姿勢が保持されており、ノズルがZ軸に沿って下降することでノズルに新たな生体関連物質測定用チューブ13のマウント部が装着される。
ポンピング制御部42は、ポンプ20および圧力センサ70を備え、ノズルおよびこのノズルに装着された生体関連物質測定用チューブ13を介して行われる検体の吸込と排出とを制御する。ポンプ20は、例えばシリンダ状に形成されたハウジングとこのハウジングに移動自在に嵌合されるピストン、このピストンを駆動させるモータとを備え、ハウジング内はノズルの開口と連通している。ピストンの動きは、例えばサーボモータによって制御され、サーボモータの駆動はポンピング制御部42からの駆動制御信号によって制御されている。ピストンが作動するとノズルの開口を通して液体の吸込または排出が可能となる。
ノズルの開口内には圧力を検知する圧力センサ70が設けられ、圧力センサ70はポンピング制御部42に圧力信号を送出する。ポンピング制御部42はこの圧力センサ70からの圧力信号を基にして圧力をモニタリングしている。このような構成により、例えば、生体関連物質測定用チューブ13の先端部がウェル内のサンプルに浸漬した際、ポンピング制御部42によって検知された圧力が予め定められた閾値を上回り、これに応じてサーボモータに駆動制御信号が送出される。検体の吸込時および排出時も圧力センサ70からは常時、ポンピング制御部42に圧力信号が送出され、これによりポンピング制御部42は高い精度でサーボモータの駆動をコントロールすることができ、検体の吸圧や排圧が低すぎたり高すぎたりしないかをモニタリングし、これにより予め定められた範囲内で吸込、および排出が実行されているか管理することができる。
信号処理回路54は受光部76からの受光信号を処理して例えば二値化された受光データを形成する。受光部76は、例えばPMT(光電子増倍管)あるいはCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサといったイメージセンサを備えることができる。受光部76にPMTを用いる場合の構成の一例を図7に示す。図7に示すように、発光強度の測定機構79は、PMT80、POF(プラスチック光ファイバ)82、リング部材84などを備える。各ビーズからの光(シグナル)はPOF82を導光され、POF82からの光を受けたPMT80は受光信号を出力する。PMT80、POF82、リング部材84は生体関連物質測定用チューブ13の長手方向に沿って移動し、PMT80は各ビーズの発光強度に応答して受光信号を出力する。
信号処理回路54は、図示しないサンプリング回路、増幅器、A/D変換回路などを備え、受光部76から送出される受光信号を増幅しデジタル化して受光データを形成する。形成された受光データは信号処理回路54から発光強度演算部56に送られる。測定用チューブ13の、例えば開口側から取り付け部側に発光強度の読み取りを実行したとき、ネガティブコントロールビーズ15、目的物質捕捉ビーズ14、補正ビーズ16からの光に対応して形成された受光データが受光部76から送出される。
発光強度演算部56は、例えばRAM46に格納された発光強度算出プログラムを読み出し、この読み出されたプログラムに従って、信号処理回路54からの受光データに基づき発光強度を算出する。例えば、生体関連物質測定用チューブ2に配列されたネガティブコントロールビーズ16、目的物質捕捉ビーズ14、および補正ビーズ16からの光に対応した受光データを信号処理回路54から受信して発光強度を算出する。補正ビーズ16からの光に対応して算出された発光強度データ、目的物質捕捉ビーズ14からの光に対応して算出された発光強度データは補正定量演算部58に送出され、ネガティブコントロールビーズ16からの光に対応した発光強度データは中央制御部32に送出され検定される。この検定では、例えばネガティブコントロールビーズ16からの光に対応した発光強度が目的物質捕捉ビーズ14からの光に対応して算出された発光強度よりも小さいか否かなどが判定され、その判定の結果、異常と判定された場合には表示パネル50に警告表示される。
補正定量演算部58は、目的物質捕捉ビーズ14からの光に対応した発光強度データと、補正ビーズ16からの光に対応した発光強度データとに基づいて、目的である生体関連物質を定量する。生体関連物質の定量に際して、まず、目的である生体関連物質の定量手順は図8に示すように、(1)補正ビーズ16に予め固定された生体関連物質から予測される発光強度からの実測値のずれ量Δを算出する。(2)算出されたずれ量Δを、目的物質捕捉ビーズ14の発光強度データに反映する。(3)再演算された発光強度データに対応する濃度を、検量線を利用して読み出す。以上の手順を実行することによって、目的物質捕捉ビーズ14に捕獲された生体関連物質の定量値をより正確にすることができる。
次に本発明の作用について、抗体―抗原反応を基に抗原を測定する例をあげて説明する。図9に示すように、管状に形成された透明な生体関連物質測定用チューブ13は、抗原に対する抗体が予め固定された目的物質捕捉ビーズ14と、補正ビーズ15と、ネガティブコントロールビーズ16とを備える。目的物質捕捉ビーズ14と、ネガティブコントロールビーズ15と、補正ビーズ16との間には遮光ビーズ17が配置され、各ビーズ15〜17は生体関連物質測定用チューブ13の延出方向に沿って一列に配置されている。
図9(a)に示すように、生体関連物質測定用チューブ13の開口18aがサンプル溶液を収容したウェル100に浸漬され、ウェル100内のサンプル溶液が生体関連物質測定用チューブ13内に吸い込まれると、目的物質捕捉ビーズ14に固定された抗体にそれぞれ対応する抗原が結合して目的物質捕捉ビーズ14に捕捉される。検体の吸引および排出を所定回数繰り返すことで目的物質捕捉ビーズ14の抗体に抗原をより確実に結合させることができる。
図9(b)に示すように、検体をポンピングした後、別のウェル104の洗浄液を吸い込み目的物質捕捉ビーズ14を洗浄する。洗浄により抗原―抗体反応により結合した抗原以外の検体成分を除去する。図9(c)に示すように、目的物質捕捉ビーズ14の洗浄後、別のウェル106内に収容された酵素標識抗体液に生体関連物質測定用チューブ13の開口18aを浸漬し、酵素標識抗体液を生体関連物質測定用チューブ13内に吸い込む。図9(d)に示すように、酵素標識抗体液のポンピングが所定回数実行されると、別のウェル108に収容された洗浄液のポンピングが行われて過剰の酵素標識抗体液が流し出され、抗原および酵素標識抗体が結合した目的物質捕捉ビーズ14の洗浄が行われる。図9(e)に示すように、洗浄後、発光反応用の基質液を収容したウェル110に生体関連物質測定用チューブ13が移動制御され検出工程が開始される。
発光反応用の基質液が収容されたウェル110に生体関連物質測定用チューブ13の開口18aが浸漬され、基質液が生体関連物質測定用チューブ13内に吸い込まれる。基質液のポンピングを所定回数実行し十分に反応させる。
図示しない光照射部および受光部76は各ビーズを介して対向するように移動制御され、光照射部からの光束は生体関連物質測定用チューブ13の各ビーズを介して受光部76によって受光される。受光部76から送出される受光信号を基にして、信号処理回路54は受光部76からの受光信号に基づく受光データを発光強度演算部56に送出する。発光強度演算部56は受信した受光データに基づき発光強度を算出して補正定量演算部58に発光強度データを送出する。補正定量演算部58は、目的物質捕捉ビーズ14の発光強度について補正ビーズ15の発光強度データを基にして補正する。なお、発光反応を利用して目的の生体関連物質を定量する場合は遮光ビーズを用いることが好ましい。
以上のように、本発明の生体関連物質測定用チューブおよび定量システムを用いることにより1つのシステム内で目的の生体関連物質の定量を行うことができ同一環境で測定値の補正を実行することができる。また、生体関連物質測定用チューブとウェル間のポンピング条件を統一し、撹拌条件、反応条件、洗浄時の条件、測定条件などを同一にでき、偏りが少ない測定を行うことができる。また、1本の生体関連物質測定用チューブに目的物質捕捉ビーズ、補正ビーズ、ネガティブコントロールビーズを配列したことにより同時に複数の反応を実行することができ、利便性の高い定量システムを提供することができる。
なお、上記の実施形態では目的物質捕捉ビーズ、補正ビーズ、ネガティブコントロールビーズをそれぞれ1個ずつにしたがそれぞれのビーズを複数にしてもよい。それぞれのビーズを複数にして測定平均を用いて目的物質等の定量を実行することで、測定平均を用いることにより確実性の高い定量の実行が期待できる。
5.測定用チューブ(2)
本発明の生体関連物質測定用チューブは、検量線の作成と目的物質の定量とを同時に実行することができる。検量線の作成および目的生体関連物質の定量を同時に実行することで定量時の条件をさらに好ましいものとすることができる。以下に、検量線を作成するとともに目的の生体関連物質の定量を行う定量手法(ii)を用いて生体関連物質を定量する第2実施形態について説明する。
検量線の作成と目的の生体関連物質の定量とを一括して実行するための測定用チューブの一例を図10に示す。
検量線を作成するために生体関連物質測定用チューブは、異なる量の生体関連物質が固定された複数のマイクロ粒子を備えており、これら異なる量の生体関連物質が予め固定された複数の第2のマイクロ粒子の発光強度データに基づき検量線が作成される。図10に示すように、生体関連物質測定用チューブ160は、タンパク等の目的物質と結合可能な目的物質捕捉ビーズ(第1のマイクロ粒子)163、異なる量の目的物質予めが固定された第1、第2標準ビーズ(第2のマイクロ粒子)165、167、ブランクビーズ(第3のマイクロ粒子)171を有し、これら目的物質捕捉ビーズ163、第1、第2標準ビーズ165、167、ブランクビーズ171は遮光ビーズ169を介して一列に配列されている。この第1、第2標準ビーズ165、167の発光強度および生体関連物質の固定量から検量線を作成することができる。作成された検量線を用いて、目的物質捕捉ビーズ163の発光強度に基づき目的の生体関連物質の量を算出することができる。なお、標準ビーズの個数は2つに限らず3つ以上でもよい。
6.定量システム(2)
上記の生体関連物質測定用チューブ160を備えた定量システムについて概略的に説明する。本発明の第2の定量システムは、生体関連物質測定用チューブと、このチューブ内のマイクロ粒子から発するシグナルを検出する検出部と、検出されたシグナルに基づき検量線を作成する検量線作成部と、作成された検量線を参照して生体関連物質を定量する演算部と、を有することを特徴とする。このような定量システムの機能ブロック図を図11に示す。なお、図6のブロック図と同じ構成部分については図6における説明と同様であり同じ符号を付して説明を省略する。
定量システム175は、検量線作成部178、定量演算部179を備える。発光強度演算部56は、第1、第2標準ビーズ165、167からの受光信号に基づき形成された第1、第2発光強度データを検量線作成部178に送出する。検量線作成178は第1、第2発光強度データに基づき検量線を演算作成し、RAM46に格納する。定量演算部179は、目的物質捕捉ビーズ163の発光強度を基に、RAM46に格納された検量線を参照して対応する濃度値を算出する。
このように、定量システム175は、第1標準ビーズ165の発光強度および既知濃度からグラフ上の点Xをプロットし(図4参照)、同様に第2標準ビーズ167の発光強度および既知濃度からグラフ上の点Yをプロットし、検量線を作成する。そしてこの作成された検量線を用いて目的の生体関連物質の濃度Eを定量する。本発明の定量システムは一貫してこれらをほぼ同時に実行するものであり、高精度な定量を行うことができる。
なお、上記の第1、第2実施形態では球形状の遮光ビーズを配置したが、各ビーズ間に介挿する遮光体は遮光ビーズに限らず遮光機能を有するものであればよい。例えば図12に示すように、遮光性のフィルタ202を各ビーズ201間に介装してもよい。
また、マイクロ粒子として、複数のビーズセットを用いることで複数の生体関連物質を同時に補正し定量することができる。例えば、第1の目的物質を捕捉するための目的物質捕捉ビーズ、補正ビーズ、およびネガティブコントロールビーズを有する第1のビーズセットと、第2の目的物質を捕捉するための目的物質結合ビーズ、補正ビーズ、およびネガティブコントロールビーズを有する第2のビーズセットとを用意する。これら第1、第2のビーズセットを、例えばビーズに着色するなどして生体関連物質測定用チューブ内に位置決めして測定を実行し、それぞれのビーズセットに関して測定データの形成、補正、定量値の算出などを行うことができる。このように、それぞれの目的生体関連物質に唯一のビーズを対応させその位置を認識することで、それぞれのビーズについて測定・定量を行うことができる。これにより、複数の生体関連物質の測定値について同時に補正・定量することが可能となり、より利便性の高い生体関連物質測定用チューブ、定量システムを提供することができる。
本発明においては、生体関連物質捕捉用の第1のマイクロ粒子と検量線作成用の第2のマイクロ粒子とネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子とを備えた測定用チューブを用いた定量システム(例えば図10、11)のほかに、測定用チューブに、第2のマイクロ粒子として、測定用チューブのロット差や製造番号の差異による測定誤差や、定量システムの形式や型番の差異による誤差、定量時に使用される試薬の差異による誤差などを補正するためのマイクロ粒子を備えた測定チューブによる測定システムを提供することができる。このような測定用チューブを用いることにより、目的の生体関連物質を定量するシステムにおける定量精度を更に高められることが期待できる。以下にこのような測定用チューブを用いたシステムの一例について図13、14を用いて説明する。なお、上記の第1実施形態と同様な部分については同一の符号を付しその詳細な説明については省略する。
第2のマイクロ粒子として、ポジティブコントロール用のマイクロ粒子と、補正用のマイクロ粒子とを備えた測定用チューブの一例を図13に示す。測定用チューブ260は目的生体関連物質を捕捉するための第1ビーズ(第1のマイクロ粒子)262、ポジティブコントロール用の第2ビーズ(第2のマイクロ粒子)263、ネガティブコントロール用の第3ビーズ(第3のマイクロ粒子)264、発光強度補正用の第4ビーズ(第2のマイクロ粒子)265を備える。これらの第1〜第4ビーズ262〜265の間には、遮光性を有するビーズ269を、測定用チューブ260の内腔にライン状に配列させることが好ましい。
このようなマイクロ粒子を用いた定量システムとして、例えば、定量システム275(図14参照)に装着された測定用チューブ260に検体を導入した後、標識液を測定用チューブ260内に導入する。標識液が導入された測定用チューブ260内にさらに基質液が導入され、化学発光が引き起こされる。
各ビーズ262〜265からの発光は例えばPMTなどの受光部76で受光され、受光部76は受光信号を出力する。発光強度演算部56は信号処理回路54からの受光データに基づき各ビーズ262〜265の発光強度を演算する。
精度管理部280は、ポジティブコントロール用の第2ビーズ263とネガティブコントロール用の第3ビーズ264との発光強度差を演算する。
また、ROM278には精度管理用の基準発光強度が記憶されており、精度管理部280は、発光強度演算部56で算出された第4ビーズ265の発光強度とROM278に記憶された基準発光強度とを比較し例えばその発光強度差を演算する。
補正定量演算部282は、例えば、上記の第2ビーズ263と第3ビーズ264との発光強度差、および基準発光強度と第4ビーズ265の発光強度差との差に基づき、ROM278に記憶された複数の補正プログラムの中から適切な補正プログラムを選択して読み出す。
補正定量演算部282は、読み出された補正プログラムに基づき、第1ビーズ262の発光強度を補正し、補正された発光強度値を検量線に照らし合わせて目的の生体関連物質を定量する。
以上のように、ポジティブコントロール用の第2ビーズ、ネガティブコントロール用の第3ビーズ、補正用の第4ビーズを用いることにより、測定用チューブのロット番号や製造番号、定量システムの形式や型番、定量時に使用される試薬、などが異なる場合でも、システムの較正にかかる手間を省きながらより正確に目的の生体関連物質を定量することができる。このように、本発明の測定用チューブおよび定量システムを用いることで、目的生体関連物質の有無を定性的に検出できるだけでなく、目的生体関連物質の量を定量することが可能となり、より利便性の高い定量システムを提供することができる。
また、本発明においては、システムの保守やメンテナンスにかかる手間を省くことができ、患者の近傍で検査を実行して迅速に診断するポイント・オブ・ケアの実行に十分に対応することができる。
7.複数項目の生体関連物質の定量
上記では単項目の生体関連物質について定量する測定用チューブおよび定量システムを示したが、複数項目の生体関連物質を定量できるように測定用チューブおよび定量システムを構成してもよい。
以下に、第1〜第3のマイクロ粒子からの化学発光に基づき多項目の生体関連物質を定量する測定用チューブおよび定量システムについて説明する。複数項目の生体関連物質について定量する1つの方法として、ここでは第1測定系と第2測定系との2つの測定系を用いる。それぞれ独立した第1、第2の2つの測定系を用いて複数項目の生体関連物質について定量する場合、第1、第2測定系を関連付けるための基準となる手段が必要となる。この基準としては、例えば、第1、第2測定系で共通して使用されるマイクロ粒子をあげることができる。この基準として用いられるマイクロ粒子としては、例えば、既知濃度の物質が結合した基準マイクロ粒子を使用することができ、この基準マイクロ粒子を測定用チューブに備えることにより、第1、第2測定系の両系で測定された発光強度を関連付けることができる。
基準マイクロ粒子を備えた測定用チューブの一例を図15に示す。図15(a)に示すように、第1測定系に用いられる測定用チューブは、ビーズ番号1、3、5、7に代表される基準ビーズ(基準マイクロ粒子)と、目的の生体関連物質を測定するための複数の第1ビーズ(第1のマイクロ粒子;ビーズ番号11、13、15、17)とを備える。基準マイクロ粒子としては、例えば、例えばビオチン化タンパクタンパク質コートビーズがあげられ、基準マイクロ粒子には、例えば、段階的に濃度の異なる既知の物質を予め結合させる。複数項目の生体関連物質を捕捉するための第1ビーズとしては、例えば抗アレルゲン抗体コートビーズが挙げられる。第1ビーズは図中に4個示し、これにより4項目の生体関連物質について定量可能としている。但し、第1ビーズの個数は4つに限らず4つ未満でも5つ以上でもよい。
図15(b)に示すように、第2測定系に用いられる測定用チューブは、第1測定系で用いられたものと同じ基準ビーズ(ビーズ番号1、3、5、7)と、第1測定系で定量項目とされた4つの生体関連物質に関するポジティブコントロール用の第2ビーズ(第2のマイクロ粒子;ビーズ番号11、13、15、17)とを備える。
第2ビーズには、例えば、既知濃度の目的生体関連物質を結合させ、これにより第2ビーズは第1ビーズで捕捉された目的の生体関連物質に関するポジティブコントロールとして機能する。ビーズ番号9は第3のマイクロ粒子であるブランクビーズとすることができ、図中の偶数番号のビーズは遮光性を備えたマイクロ粒子を示す。
このように、第1測定系と第2測定系とで使用する測定用チューブは、共通の基準となるビーズを備え、この基準となるビーズの発光強度に基づき第1測定系での発光強度と第2測定系での発光強度とを関連付けることができる。これにより基準ビーズの発光強度が第1、第2測定系で等しい場合は、発光強度値を補正することなく定量値を算出することができる。
発光強度に基づき各生体関連物質を定量する場合は、単項目の生体関連物質の定量時と同様に、例えば、メモリから読み出されたそれぞれの生体関連物質に対応する検量線に照らし合わせて各生体関連物質について定量する。
以上のように複数の測定系を用いて複数項目の生体関連物質について定量してもよい。
上記の実施形態では定量目的の生体関連物質として、タンパクや抗原を例示したが、生体関連物質はこれに限らず、前記の通り、例えば、ペプチド、ホルモン、レセプター、核酸、多糖、酵素、毒素、病原体、細胞、細菌、ウイルス、微生物、アレルゲン、寄生生物などでもよい。
8.蛍光を用いた定量システム
本発明においては、目的の生体関連物質を第1のマイクロ粒子であるサンプル捕獲ビーズで捕獲し、発光試薬を含有した基質液にサンプル捕獲ビーズを浸してサンプル捕獲ビーズに付与された標識を発光させ、この発光の強度を測定して目的生体関連物質の定量を行うことができるが、この化学発光を利用する定量システムのほかに、本発明においては各マイクロ粒子からの蛍光を検出して目的の生体関連物質を定量することもできる。
以下に、蛍光を利用して目的の生体関連物質を定量する本発明の形態について説明する。
本発明においては、目的の生体関連物質に直接的又は間接的に蛍光色素を結合させ、この蛍光色素に特定波長の励起光を照射することにより、目的の生体関連物質を蛍光させることができる。このような蛍光色素を利用した生体関連物質の定量システムとしては、例えば、
目的の生体関連物質と結合可能な第1のマイクロ粒子、
所定量の目的の生体関連物質が結合した第2のマイクロ粒子、
および、ネガティブコントロールとして機能する第3のマイクロ粒子、
に蛍光標識を付与する標識化手段と、
蛍光標識が付与された第1〜第3のマイクロ粒子に励起光を照射して蛍光強度を検出する蛍光強度検出手段と、
蛍光強度検出手段によって検出された蛍光強度を、蛍光強度に対して生体関連物質量を割り出すための検量線に照らし合わせて目的の生体関連物質を定量する演算手段と、
を備えた定量システムがあげられる。
この定量システムでは、第1のマイクロ粒子に結合した生体関連物質を定量する際は検量線に基づき目的の生体関連物質を定量するが、この検量線は生体関連物質の測定前に予め作成するかあるいは目的の生体関連物質の測定時に作成することが好ましい。
従って、蛍光強度に基づき生体関連物質量を割り出すための検量線は、第1のマイクロ粒子に結合した生体関連物質の定量前に予め作成してメモリなどの記憶素子に記憶しておいてもよいし、第1のマイクロ粒子に結合した生体関連物質の測定時に、生体関連物質の結合量が異なる複数の第2のマイクロ粒子の蛍光強度を測定して作成して用いてもよい。
第1のマイクロ粒子に結合した生体関連物質の定量前に検量線を予め作成して記憶素子に記憶する場合には、第2、第3のマイクロ粒子の蛍光強度値に基づき第1のマイクロ粒子の蛍光強度を較正することが好ましく、また、第1のマイクロ粒子に結合した生体関連物質の測定時に生体関連物質の結合量が異なる複数の第2のマイクロ粒子の蛍光強度を用いて検量線を作成する場合には、第3のマイクロ粒子の蛍光強度値も参照した上で検量線を作成することが好ましい。
ネガティブコントロールとして機能する第3のマイクロ粒子としては、例えば目的の生体関連物質が結合していないマイクロ粒子(ブランク粒子)が挙げられる。このような粒子を用いることで目的の生体関連物質の測定時のバックグランドノイズなどを検知して測定強度の補正、予め作成された検量線の較正、あるいは検量線を作成することが可能となる。
本システムでは、測定用チューブ内で一列に配列された第1〜第3のマイクロ粒子に励起光が照射されて蛍光強度が検出される。測定用チューブは、単数あるいは複数を同時に使用してもよい。また、本定量システムは測定用チューブを装着するためのノズルを備えており、複数の検体について生体関連物質を定量する場合には、検体ごとに測定用チューブを付け替えて実行することが好ましい。
以下に本発明の定量システムについて具体的に説明する。
図16、17に示すように、定量システム200は、透明な筒状に形成された測定用チューブ202、第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204c、測定用チューブ202内の第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cに励起光を照射して目的の生体関連物質を検出する検出装置206、検出装置206からの検出信号に基づき生体関連物質の定量を行う後述する演算部などを備える。
第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cは、ラテックス、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ラテックスなどの有機材料、鉄、Fe304、γ−Fe203、水酸化鉄、酸化鉄水和物、酸化鉄、混合酸化鉄などの無機磁性材料、高分子材料とフェライトとの複合材料など、で形成することができる。
第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cの形状およびサイズは、例えば直径0.05mm〜10.0mmの球状であり、好ましくは0.1mm〜5.0mmの直径を有する球状に形成するとよい。また、各マイクロ粒子は、直径0.01μm〜300μmの球状、好ましくは0.1μm〜50μmの直径を有する球状に形成してもよい。
第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cはそれぞれを識別するために周知の方法によって染色または着色されている。各マイクロ粒子204a〜204cの調製方法としては、一般に、マイクロ粒子の重合中に蛍光染料を混合させる、形成されたマイクロ粒子表面に蛍光色素を共重合させる、マイクロ粒子を染色するなどといった方法が知られている。マイクロ粒子の蛍光着色料のスペクトル特性は、マイクロ粒子に付される蛍光標識の蛍光色素のスペクトル特性にある程度似ていることが要求される。
マイクロ粒子の着色態様としては、例えば、第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cに、階調が異なるカラー系(例えば、段階的に彩度の異なる赤色系)の蛍光着色料を混合あるいは表面結合させる、または、階調の異なる第1カラー系とこの第1カラー系とは別系統の階調の異なる第2カラー系とを混ぜて形成される混合カラー系の蛍光着色料を混合あるいは表面結合させることもできる。
第1〜第3のマイクロ粒子の合計が数十個など多数になる場合は、上記に示した混合カラー系を用いてそれぞれのマイクロ粒子で明度、色相、彩度を相違させることにより各マイクロ粒子を識別することができる。また、第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cのサイズは同径でも異径でもよいが、第1〜第3のマイクロ粒子を、蛍光時の明度、色相、彩度についてだけでなくその粒子サイズについても相違させ、各マイクロ粒子の粒子サイズを判別することで各マイクロ粒子のより確実な識別が可能となる。
第1のマイクロ粒子204aの表面には、目的の生体関連物質と特異的に結合することができる物質が結合される。例えば抗原を目的の生体関連物質とした場合には、第1のマイクロ粒子表面にはこの抗原と特異的に結合する抗体(一次抗体)が固定される。また、マイクロ粒子の表面に固定されるものはこれに限らず適宜変更することができる。例えば、抗原、レセプター、DNAプローブ、アミノ酸などをマイクロ粒子表面に固定することにより、抗体、リガンド、相補鎖DNA、酵素などを捕捉することができる。
目的の生体関連物質が第1のマイクロ粒子に捕捉された後、目的の生体関連物質と特異的に結合する蛍光標識を結合させる。
例えば上記のように目的の生体関連物質として抗原を定めた場合では、目的の生体関連物質である抗原が第1のマイクロ粒子に結合した後、この抗原と特異的に結合可能であってかつ蛍光色素が付された抗体(二次抗体)を抗原に結合させる。
蛍光標識用の蛍光色素としては、例えば、FITC(フルオレセイン)、PE(登録商標)、PreCP(登録商標)、PE−Texas Red(商標)、PE−Cy5(商標)、PE−Cy5.5、PE−Cy7、PreCP−Cy5.5、APC−Cy7、AMCA(登録商標)、Cascade Blue(登録商標)、TRITC、Cy3、Texas Red(登録商標)、Cy5、Cy5.5、APC、Marina Blue(登録商標)、Cascade Yellow(商標)、ローダミン、シアニンなどがある。
図16は蛍光を用いた生体関連物質の定量システムの一態様を示す図である。図16に示すように、生体関連物質の定量システム200は分注ノズル220を備え、この分注ノズル220に生体関連物質測定用チューブ202が装着される。測定用チューブ202の先端は開口し、分注ノズル220に装着された測定用チューブ202はこの開口(図示省略)から液体の吸い込み、および吐き出しが可能となる。測定用チューブ202は略管状に形成され、この管内に形成された開口の延伸方向に沿って第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cが配列されている。なお、測定チューブ202の配置姿勢は適宜に定めてよく、例えば、チューブの延伸方向が鉛直方向を向くように配置してもよいし、チューブの延伸方向が水平方向となるように配置してもよい。
検出装置206と測定用チューブ202とは、測定用チューブ202の延伸方向に沿って、測定用チューブ202に対して相対移動可能に構成されている。従って、測定用チューブ202を固定して検出装置206を移動させてもよいし、検出装置206を固定して測定用チューブ202を移動させてもよい。第1〜第3のいずれかのマイクロ粒子にレーザを照射してマイクロ粒子からの蛍光を受光するため、検出装置206は測定用チューブ202に対して正確に位置決めされる。
検出装置206は、励起光を発生する励起光発生部、励起光と蛍光とを分光する第1分光機構、蛍光を波長ごとに分光する第2分光機構、分光機構からの光を受光する蛍光検出器などを備える。このような検出器の具体例としては、例えば、微小物体の測定が可能なように共焦点光学系を搭載した検出器があげられ、共焦点光学系を備えた検出器は、例えば、励起光発生部として波長の異なる複数の励起光を発振するレーザ光源230を備え、蛍光検出器としてフォトダイオードおよび光電子増倍管(以降、PMTという)等を備える。励起光を発生する光源は蛍光色素を励起させるに十分な光強度と波長とを出力し、このような機能を有する光源としてはレーザ以外にも、例えば水銀ランプやキセノン、LEDといった光源などを用いることができる。受光素子についても上記のフォトダイオード232やPMT234に限らず適宜他のセンサ類を用いてよい。
測定用チューブ202内に配列されたマイクロ粒子204a〜204cを蛍光させる場合には、まず検出装置206が測定対象のマイクロ粒子204a〜204cに対して位置決めされた後にマイクロ粒子204a〜204cに励起光が照射される。励起光を受けたマイクロ粒子204a〜204cは、前方散乱光、側方散乱光、および蛍光を発する。前方散乱光は前方散乱光検出器232、側方散乱光は側方散乱光検出器233、そして蛍光は第1〜第3蛍光検出器234でそれぞれ検出される。前方散乱光検出器232としては例えばフォトダイオードが用いられ、側方散乱光検出器233および第1〜第3蛍光検出器234a〜cとしては例えばPMTが用いられ、フォトダイオードやPMTでは光電変換によってアナログな電気信号が形成される。
レーザ230が照射する励起光の波長は、例えば、488nm、532nm、633nmなど様々であり、第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cを蛍光標識化する際に使用する蛍光色素の特性に合わせて使用する光源を決定するとよい。特に、複数の蛍光色素を使用できるように、光源は複数のレーザ光を出力できるものを搭載するとよい。
第1〜第3のマイクロ粒子の蛍光着色料として混合カラー系を用いた場合には各蛍光色素の蛍光色に対応する第1〜第3蛍光検出器234a〜cで受光する。また、第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cの蛍光着色料として段階的に彩度の異なる単一のカラー系を用いた場合には対応する1つの蛍光検出器234aで受光する。
上記のように複数の蛍光色素を用いる場合、分光機構で蛍光を各成分光に分離し、この各成分光をそれぞれの成分光に対応して設けられた蛍光検出器234a〜cに入射させる。分光機構235はダイクロイックミラー240やレンズ、ピンホール、ミラー242などを備え、測定用チューブ202に対する検出装置206の位置が最適なものとなるように相互の配置が決められる。なお、分光用の光学部材として上記ではダイクロイックミラー240を例示したが、分光用の光学部材はこれに限らず、より低コストな偏光ビームスプリッタなどに適宜変更してもよい。
側方散乱光検出器233および第1〜第3蛍光検出器234a〜cは受光強度に応じた電圧レベルに基づくアナログな受光信号を後述のアンプ241に送出する。側方散乱光検出器233および第1〜第3蛍光検出器234a〜cからの受光信号がアンプ241で増幅された後にA/D変換器243でデジタル化されて蛍光強度データが形成される。形成された蛍光強度データは蛍光強度演算部245に送出される。
蛍光照度演算部245は、A/D変換器243からの各蛍光強度データを基にして第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cの蛍光強度を算出する。
識別部253は、前方散乱光検出部232からの検知信号に基づき第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cを識別する。
定量演算部247は、検量線に蛍光強度を照らし合わせて目的の生体関連物質を定量する。
RAM250に予め記憶された検量線を用いて生体関連物質を定量する場合は、第2、第3のマイクロ粒子204b、204cの蛍光強度を基にして第1のマイクロ粒子の蛍光強度を較正する。
また、検量線を作成して生体関連物質を定量する場合は、予め結合された生体関連物質の量が段階的に異なる複数の第2のマイクロ粒子204bの蛍光強度を用い、この第2、第3のマイクロ粒子204b、204cの蛍光強度を基にして目的の生体関連物質の定量時に検量線を作成する。
検量線の形成後、定量演算部247は蛍光強度演算部245で算出された第1のマイクロ粒子204aの蛍光強度を検量線に照らし合わせて目的の生体関連物質の濃度を定量する。
なお、マイクロ粒子204a〜204cの蛍光スペクトルと二次抗体の蛍光色素の蛍光スペクトルとが重複して抗原の定量に影響することを防ぐため、定量演算部247はコンペンセーション(蛍光補正)してそれぞれの蛍光スペクトルの相互作用分を修正して抗原量を算出する。
次に本発明の作用について説明する。なお、以下では、一例として抗原を定量することを目的とした態様を示すが、定量目的の生体関連物質は抗原に限らず、抗体、レセプター、核酸といった生体関連物質を定量することも十分に可能である。また、以下では定量目的となる複数の生体関連物質として第1、第2の2つの抗原を示すが、目的の生体関連物質の種類数は2つに限らず、1つでも3つ以上でもよい。
分注ノズル220に装着された測定用チューブ202の先端が検体を収容した容器に浸漬され、測定用チューブ202内に検体が吸い込まれる。第1のマイクロ粒子204aとしては、例えば、表面に第1抗原と結合可能な一次抗体が固定されたもの、第2抗原と結合可能な一次抗体が固定されたもの、などが測定用チューブ202内に設けられている。
一次抗体に抗原が結合するのに十分な時間の経過後、蛍光標識用二次抗体を含有した標識液が測定用チューブ202内に吸い込まれる。第1、第2抗原に結合可能な二次抗体の蛍光色素は蛍光色や励起波長などが異なり、これにより、区別して定量することが可能となる。
一次抗体が固定されたマイクロ粒子、抗原、および蛍光標識用二次抗体によるサンドイッチ複合体の形成後、検出装置206が測定用チューブ202に対して位置決めされ第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cに励起光が順次照射される。
第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cからの前方散乱光を受けた前方散乱光検出器232から検出信号が識別部に送出され、識別部253は前方散乱光検出器232からの検出信号を基に各マイクロ粒子204a〜cを識別する。
第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cからの蛍光を受けた蛍光検出器234a〜cは受光した蛍光に応じて受光信号をアンプ241に送出し、A/D変換等を経て形成された受光強度データは蛍光強度演算部245に入力される。
蛍光強度演算部245は、第1のマイクロ粒子204aに結合した二次抗体の蛍光色素の蛍光強度データに基づき蛍光強度を算出する。
予め作成された検量線がRAM250に記憶されている場合は、第2、第3のマイクロ粒子204b、204cの蛍光強度を基にして第1のマイクロ粒子204aの蛍光強度を較正して生体関連物質を定量する。
また、目的の生体関連物質の定量時に、予め結合された生体関連物質の量が段階的に異なる複数の第2のマイクロ粒子204bの蛍光強度を用いて検量線を作成する場合では、第2、第3のマイクロ粒子204b、204cの蛍光強度を基にして検量線を作成し、第1のマイクロ粒子204aの蛍光強度を作成された検量線に照らし合せて目的の生体関連物質の定量を行う。
以上のように、本発明の定量システム200では、生体関連物質測定用チューブ202が、目的の生体関連物質と結合可能な第1のマイクロ粒子204aとともに、所定量の目的物質が予め結合した第2のマイクロ粒子204bとネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子204cとを有するため、複数の生体関連物質に関する検量線の較正または検量線の作成と、それら生体関連物質の定量とを一括して実行することができ、複数の生体関連物質について定量精度を高めつつ利便性の高い定量システムを提供することができる。
また、同様の機能を有するフローサイトメトリ(サイトメトリックビーズアッセイ)と比較して、個々の粒子を移動させる一定で乱れのないラミナーフローを形成する必要がないため装置構成の簡略化が期待できる。
また、生体関連物質測定用チューブ202が分注ノズル220に着脱自在に装着されるため、検体ごとに測定用チューブ202を交換することができる。これにより、マイクロ粒子を流し送るためのシース液の流路や送液機構のメンテナンスを行う必要がなく、より利便性の高い定量システムを提供することができる。
また、検量線の補正または作成と、複数項目の生体関連物質の定量とを同時に一括して実行することができるため、実験精度の向上とともに利便性を高めることができる。
また、上記の第2実施形態では、第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cに光を照射して前方散乱光および側方散乱光を検出して目的の生体関連物質を定量したが、定量にかかる手法はこれに限らず適宜他の方法を用いてよい。この蛍光標識を用いた生体関連物質の定量では、生体関連物質に結合した蛍光標識の蛍光現象を観測できればよく、蛍光現象を観測できるような光学系、光学系からの被写体光を受ける受光部、受光部からの電気信号に基づき蛍光強度を演算する電子回路などの演算部などは、適宜変更することが可能である。例えば、上記の実施形態では前方/側方散乱光を利用する光学系を例示したが、光学系は反射光をメインに利用するものでもよい。また、受光部はPMTではなく高感度CCDセンサを用いてもよく、具体的な設計目的に応じて本システムの構成を適宜変更することができる。
また、上記の蛍光測定法では、第1〜第3のマイクロ粒子204a〜204cが保持された測定用チューブ202を例示したが、各マイクロ粒子を一列にして吸い上げられる内腔を有するキャピラリ型の測定用チューブを用いて第1〜第3のマイクロ粒子の蛍光を測定してもよい。
このような測定用チューブとしては、例えば、粒径数μm〜数十μmのマイクロ粒子の使用に対応して1つのマイクロ粒子が流通可能な孔径数μm〜数十μmの細長い内腔を有するものがあげられる。測定用チューブを形成する材料としては、例えば、石英ガラスなどのガラス材料、プラスチックなどの高分子材料があげられる。
ノズルに装着された測定用チューブの先端から第1〜第3のマイクロ粒子を測定用チューブの内腔に吸い上げ内腔内で一列に配列保持し、この配列された第1〜第3のマイクロ粒子に励起光を照射して蛍光測定する。
このような態様によっても測定システムは第1〜第3のマイクロ粒子を予め保持した測定用チューブを用いて第1〜第3のマイクロ粒子を用いた場合と同等の機能を達成することができ、目的の生体関連物質の定量を実行することができる。
なお、上記では第1〜第3のマイクロ粒子を測定用チューブの内腔内に保持して励起光を照射したが、蛍光強度データのばらつき低減のために第1〜第3のマイクロ粒子を吸い上げながらあるいは一旦吸い上げた第1〜第3のマイクロ粒子を吐き出しながら各マイクロ粒子に励起光を照射してもよい。このような態様で各マイクロ粒子の蛍光強度を測定することにより、蛍光強度データのばらつきの低減が期待できる。
次に、第1実施形態で例示した化学発光を用いて単項目の生体関連物質を定量する手順に関する実施例を示す。
[実施例1]
上記の定量システム30に基づき、以下の手順を実行した。
(a) 測定目的の生体関連物質と結合することができる物質が固定された第1のマイクロ粒子と、前記生体関連物質が所定量で固定された第2のマイクロ粒子と、ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子が内腔に導入された光透過性を有する測定用チューブに、検体を導入する工程、
(b) 検体が導入された測定用チューブ内に標識液を導入して各マイクロ粒子に標識を付与する工程、
(c) 標識を発光させる基質液を測定用チューブ内に導入して第1〜第3のマイクロ粒子を発光させる工程、および
(d) 第1〜第3のマイクロ粒子の発光強度を基にして生体関連物質を定量する工程。
以上の工程に基づき、例えば卵白リゾチーム(抗原)を定量した。以下に詳述する。
生体関連物質として卵白リゾチーム(HEL)を定量する場合、測定対象抗原に対する抗体として例えば、抗卵白リゾチームモノクローナル抗体1(以降、HELmAB1という)を用い、酵素標識として例えば、抗卵白リゾチームモノクローナル抗体2(抗HELmAB2)を用いた。
上記に例示した定量システム30を用いて卵白リゾチームを定量するために、測定用チューブ13の内腔に保持される第1〜第3のマイクロ粒子14〜16(図5参照)を調製した。
第1〜第3のマイクロ粒子14〜16の調製を以下のとおり行った。なお、以下に示す説明は一例であり、本発明を以下の内容に限定するものではない。
1.第1〜第3のマイクロ粒子の作製
(1) ビーズ洗浄
定量に必要な粗研磨窒化ビーズを1.5ml容量の試験管に移しアセトンで洗浄した後、1mlの0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で3回洗浄した。
(2) ビーズの固定化
卵白リゾチーム測定用ビーズ(第1のマイクロ粒子):原料ビーズを収容した試験管に0.05%アジ化ナトリウム含有緩衝液で10μg/mlに希釈した1mlの抗HEL C1mAB 溶液を加えて4℃で一晩静置した(固定化)。また、必要に応じてビーズおよびアジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液を収容した試験管をボルテックスミキサーで撹拌した。
内部標準用ビーズ1(発光強度補正用の第2のマイクロ粒子):原料ビーズを収容した試験管に0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で0.6ng/mlに調製した精製HELタンパク質(抗原)溶液を加えて4℃で一晩静置した(固定化)。また、必要に応じてビーズおよびアジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液を収容した試験管をボルテックスミキサーで撹拌した。
内部標準用ビーズ2(発光強度補正用の第2のマイクロ粒子):原料ビーズを収容した試験管に0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で10.0ng/mlに調製した精製HELタンパク質(抗原)溶液を加えて4℃で一晩静置した(固定化)。また、必要に応じてビーズおよびアジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液を収容した試験管をボルテックスミキサーで撹拌した。
検体ブランク用ビーズ(ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子):原料ビーズを収容した試験管に0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液1mlを加えて4℃で一晩静置した(固定化)。また、必要に応じてビーズおよびアジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液を収容した試験管をボルテックスミキサーで撹拌した。
(3) 固定化した3種類のビーズは、0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で複数回洗浄後、1%BSA(ウシ血清アルブミン)含有リン酸緩衝液200μlで室温に静置してブロッキングした。
次に、調製された各ビーズを測定用チューブに導入して測定用チューブの内腔に保持させた。このとき各ビーズ間には遮光性を有するビーズを介挿した。
上記の3種類のビーズは、洗浄液(0.05%Tween20含有緩衝液)で2回洗浄後、内部標準用ビーズ、遮光ビーズ、卵白リゾチーム測定用ビーズ、遮光ビーズ、検体ブランク用ビーズ、遮光ビーズ、の順に測定用チューブに挿入しチューブ内腔に固定した。
作製された測定用チューブを定量システムに備えられたノズルに装着し、ノズルへの測定用チューブの装着後、以下のように測定用チューブ内へ検体を導入した。これは例えば定量システムのオートメーションプログラムに従って実行した。
検体が導入された測定用チューブ内へ標識液を導入する。例えば、定量システムのオートメーションプログラムに従い、1μg/mlに希釈したビオチン化―抗HEL C2mAB と1時間反応させて洗浄液で洗浄した後、5000倍に希釈したストレプトアビジン−HRPと30分間反応させた。
標識液の測定用チューブ内への導入後、化学発光用基質(例えば、Super Signal West Femto Maximum Sensitivity Substrate (Thermo scientific製))を測定用チューブ内に導入し各ビーズを化学発光させて発光強度を測定し、目的物質の卵白リゾチームを定量した。
なお、上記では第2のマイクロ粒子は2種用意したが、1種でも3種以上でもよい。
[実施例2]
上記の定量システム175に基づき、以下の手順を実行した。
(a) 測定目的の生体関連物質と結合することができる物質が固定された第1のマイクロ粒子と、前記生体関連物質が異なる量で固定された複数の第2のマイクロ粒子と、ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子が内腔に導入された光透過性を有する測定用チューブに、検体を導入する工程、
(b) 検体が導入された測定用チューブ内に標識液を導入して各マイクロ粒子に標識を付与する工程、
(c) 標識を発光させる基質液を測定用チューブ内に導入して第1〜第3のマイクロ粒子を発光させる工程、および
(d) 第1〜第3のマイクロ粒子の発光強度を基にして生体関連物質を定量する工程。
なお、チューブ内への第1〜第3のマイクロ粒子の配列態様は、例えば第1〜第3のマイクロ粒子を1つのチューブ内に配列してもよいし、複数のチューブに分けて配列してもよい。定量精度を高めるため、第1〜第3のマイクロ粒子の発光測定は同時かあるいは連続的に行うことが望ましい。
このような工程に基づき、例えば卵白リゾチーム(抗原)を定量した。以下に詳しく説明する。
測定対象抗原として、卵白リゾチーム(以降、HELという)を定量する場合、測定対象抗原に対する抗体に抗卵白リゾチームモノクローナル抗体1(以降、HELmAB1という)を用い、酵素標識として抗HELmAB2を用いた。なお、ここで示す詳しい説明はあくまでも一例であり本発明の内容を限定するものではない。
まず、以下のように卵白リゾチーム定量時に利用する検量線を作成するための第2のマイクロ粒子を作製した。
(1) 例えば、粗研磨窒化ビーズ50個を1.5ml容量の試験管に収容し、アセトンで洗浄した後、1mlの0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で3回洗浄した。
(2) 次に、0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で20ng/mlから倍々希釈して調製した濃度の異なる複数の精製HELタンパク質(抗原)溶液を各100μlずつ小型試験管に分注し、各濃度のアジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液を収容した試験管にアセトン洗浄済みの粗研磨窒化ビーズを適量混合し、4℃を維持しつつ一晩静置した(固定化)。また、必要に応じてビーズおよびアジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液を収容した試験管をボルテックスミキサーで撹拌した。
(3) 一晩静置後、0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で洗浄し、さらに1%BSA(ウシ血清アルブミン)含有リン酸緩衝液200μlでブロッキングした。
(4) 洗浄液(0.05%Tween20含有リン酸緩衝液)で2回洗浄した後、ビーズを測定用チューブに導入した。なお、各ビーズ間には遮光性を有するビーズを介挿した。
次に、目的生体関連物質捕捉用の第1のマイクロ粒子、ポジティブコントロール用の第2のマイクロ粒子、ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子を作製した。
(1) ビーズ洗浄
定量に必要な粗研磨窒化ビーズを1.5ml容量の試験管に移しアセトンで洗浄した後、1mlの0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で複数回洗浄した。
(2) ビーズ固定化
卵白リゾチーム測定用ビーズ(第1のマイクロ粒子):原料ビーズを入れた試験管に0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で2.5ng/mlに調製した精製HELタンパク質(抗原)溶液を加えて4℃を維持しつつ一晩静置した(固定化)。また、必要に応じてビーズおよびアジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液を収容した試験管をボルテックスミキサーで撹拌した。
ポジティブコントロール用ビーズ(第2のマイクロ粒子):原料ビーズを収容した試験管に0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で2.5ng/mlに調製した精製HELタンパク質(抗原)溶液を加えて4℃で一晩静置した(固定化)。また、必要に応じてビーズおよびアジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液を収容した試験管をボルテックスミキサーで撹拌した。
ネガティブコントロール用ブランクビーズ(第3のマイクロ粒子):原料ビーズを収容した試験管に0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液1mlを加えて4℃で一晩静置した(固定化)。また、必要に応じてビーズおよびアジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液を収容した試験管をボルテックスミキサーで撹拌した。
(3) 各ビーズは、0.05%アジ化ナトリウム含有リン酸緩衝液で2回洗浄後、1%BSA(ウシ血清アルブミン)含有リン酸緩衝液200μlで、室温に静置してブロッキングした。
作製された卵白リゾチーム測定用ビーズ、ポジティブコントロール用ビーズ、ブランクビーズを、検量線作製用のビーズが既に導入された測定用チューブ内へ導入した。このとき、各ビーズ間には、遮光性を有するビーズを適宜介挿した。例えば、上記のビーズを、洗浄液(0.05%tween20含有リン酸緩衝液)で例えば2回洗浄後、ポジティブコントロール用ビーズ、遮光ビーズ、卵白リゾチーム測定用ビーズ、遮光ビーズ、ブランクビーズ、遮光ビーズ、の順に測定用チューブに挿入し、この測定用チューブを定量システムのノズルに装着した。
定量システムへの測定用チューブの装着後、測定用チューブに検体を導入した。これは、例えば、測定用チューブに、希釈検体溶液または非希釈検体溶液を満たし、定量システムのオートメーションプログラムに従って実行した。
検体が導入された測定用チューブ内へ標識液を導入した。例えば、定量システムのオートメーションプログラムに従って、洗浄液で1μg/mlに希釈したビオチン化―抗HEL C2mAB と1時間反応させ、洗浄液で洗浄した後、5000倍に希釈したストレプトアビジン−HRP(horse radish peroxidase)と30分間反応させた。
標識液が導入された測定用チューブに化学発光用基質液(例えば、Super Signal West Femto Maximum Sensitivity Substrate (Thermo scientific製))を導入して各ビーズを化学発光させ発光強度を測定した。
[実施例3]
次に、第1〜第3のマイクロ粒子からの化学発光に基づき多項目の生体関連物質を定量する測定用チューブおよび定量システムの実施例について説明する。
複数項目の生体関連物質について定量する1つの方法として、ここでは第1測定系と第2測定系との2つの測定系を用い、目的の生体関連物質として抗原を選択した。
[概要]
図15(a)に示すように、第1測定系に用いられる測定用チューブは、ビーズ番号1、3、5、7に代表される基準ビーズ(基準マイクロ粒子)と、未知の生体関連物質を測定するための複数の第1ビーズ(ビーズ番号11、13、15、17)とを備える。
さらに、図15(b)に示すように、第2測定系に用いられる測定用チューブは、ビーズ番号1、3、5、7に代表される基準ビーズ(基準マイクロ粒子)と、第1測定系で定量項目とされた4つの生体関連物質に関するポジティブコントロール用の第2ビーズ(ビーズ番号11、13、15、17)とを備える。
[第1測定系]
1.第1ビーズ(第1のマイクロ粒子)の作製
目的の生体関連物質が例えば複数の抗原である場合には、それぞれの抗原と特異的に反応する複数の抗体をそれぞれ別個に窒化珪素ビーズに固定した。
2.第2ビーズ(第2のマイクロ粒子)の作製
(1)ビーズの洗浄
例えば、第2ビーズのベースとなる窒化珪素ビーズ(例えばツバキ・ナカシマ製)を洗浄した。この洗浄は、例えばPBS中で10分間超音波洗浄して実行した。
(2)ビーズの固定
洗浄された窒化珪素ビーズにタンパク質を固定した。タンパク質としては、例えばハプテンである4-hydroxy-3-nitrophenylacetyl(以降、NPという)にHuman Serum Albumin(以降、HSAという)を結合させたものを用いた。このNP−HSAを窒化珪素ビーズに固定した。
NP−HSA溶液は段階的に異なる複数の濃度で調製してもよく、例えば、10、5、2.5、1.2、0.6、0.3、0.1μg/mlの7つを用いた。
なお、ネガティブコントロール用の第3ビーズ(第3のマイクロ粒子)としては、目的の生体関連物質が反応しないものであればよく、例えば目的の生体関連物質が結合不能に処理されたブランクビーズを用いた。
3.測定用チューブへの第1〜第3ビーズの充填
第1〜第3ビーズを、遮光用炭化珪素ビーズを介して配列した。
例えば、測定用チューブの内腔に、NP−HSA濃度10μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ、同様に5μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ、同様に2.5μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ、同様に1.2μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ、同様に0.6μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ、同様に0.3μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ、同様に0.1μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ、ブランクビーズ、及び第1ビーズの順に配列し、各ビーズ間には遮光ビーズを介挿し固定した。
4.第1の測定
複数項目の生体関連物質の定量と同時に各生体関連物質を定量するための検量線を作成して定量システムのメモリに記憶した。
各ビーズを備えた測定用チューブを定量システムのノズルにセットした後、以下のように測定チューブ内への検体、標識抗体、基質液の導入を行った。まず濃度未知検体の反応を行い、次いで標識液(Biotin標識抗NP抗体及びBiotin標識抗検体抗体の混合液)との反応、最後に基質液を測定用チューブ内に吸い込み発光させた。各ビーズからの化学発光は光ファイバなどの伝達光学系を介して検出器に検出され、検出器からの出力信号に基づいて発光強度を算出した。
[第2測定系]
第1の測定終了後、既知量の上記複数の抗原が固定された複数の第2ビーズが導入された測定用チューブを定量システムにセットして各ビーズの発光強度を測定した。
このとき、上記の第1測定系で使用された測定用チューブに所定の処理を施して使用した。第1測定系で使用した測定用チューブを再び使用するため、測定用チューブに酸性溶液を吸引し、各ビーズを酸性溶液に接触させて第1の測定時にビーズ上に捕獲された抗原、標識抗体などを除去した。測定用チューブ再生後、各生体関連物質を定量するためのビーズに濃度既知の生体関連物質(精製抗原コントロール)を捕獲させることで、そのビーズが正常に定量的に機能していることを確認するための第2の測定を実施した。一度検体中の生体関連物質の測定に使用した複数の窒化珪素ビーズを再生し、濃度既知の抗原と反応させることで、ポジティブコントロールとして機能させた。このように、第1測定系で使用した測定用チューブに所定の処理を施して第2測定系で再使用した。
基準ビーズの発光強度に基づき第1測定系と第2測定系との相関を確認するとともに、ポジティブコントロール用の第2ビーズおよびネガティブコントロール用の第3ビーズの発光強度差から測定系が適切であると判断した。
第1、第2測定系で検出された各生体関連物質の発光強度を、メモリから読み出されたそれぞれ物質に対応する検量線に照らし合わせ各生体関連物質について定量した。以上のように複数項目の生体関連物質について定量を行った。
[実施例4]
[概要]
窒化珪素ビーズに4-hydroxy-3-nitrophenylacety(NP)-Human Serum Albumin(HSA)の濃度を変えて固定し補正ビーズとして使用した。目的物質捕捉ビーズは、抗オボアルブミン(OVA)抗体を固定化したものを使用し、抗原としてOVAを検出できるものとした。
[実験で使用した主な材料]
窒化珪素ビーズ(ツバキ・ナカシマ製):補正ビーズおよびOVA検出用ビーズに使用
炭化珪素ビーズ(ツバキ・ナカシマ製):遮光ビーズとして使用
NP-HSA
OVA
Biotin標識抗NP抗体
Biotin標識抗OVA抗体(検出用)、抗OVA抗体(ビーズ固定用)
Avidin-HRP
Lumi-Light (Roche社製 発光基質)
[第2ビーズの作製]
(1) 窒化珪素ビーズの洗浄:PBS(バッファー)中で10分間超音波洗浄した。
(2) タンパク質(NP−HSA)の固定:NP6−HSAを10、5、2.5、1.2、0.6、0.3、0.1μg/mlの濃度で200μlずつ準備した。
(3) チューブにNP-HSAを200μl入れ、洗浄済みビーズを10個ずつ加え、一晩振とうして固定した。
(4) PBSで2回洗浄後、1%BSA入りPBSで2時間振とうしながらブロッキングした。
[OVA捕捉用の第1ビーズの作製]
(1) 1.64mg/mlの濃度で準備した抗OVA抗体液200μlに、洗浄済みビーズを10個加え、一晩振とうして固定した。
(2) PBSで2回洗浄後、1%BSA入りPBSで1時間振とうしながらブロッキングした。
バッファー除去後、OVA1μg/ml溶液200μlを加え、反応させた。
[測定用チューブへの充填]
第1のマイクロ粒子であるOVA捕捉用第1ビーズと、7つの第2ビーズとを、遮光用炭化珪素ビーズを介して配列した。
図18に示すように、測定用チューブ180の内腔に、NP−HSA濃度10μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ181、同様に5μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ182、同様に2.5μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ183、同様に1.2μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ184、同様に0.6μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ185、同様に0.3μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ186、同様に0.1μg/ml溶液に浸漬して調製された第2ビーズ187、OVA捕捉用第1ビーズ190、ブランクビーズ195の順に、各粒子間に2個の遮光ビーズ192を介して装填した。
[自動化装置を用いた反応]
Biotin標識抗NP抗体(5μg/ml)、Biotin標識抗OVA抗体(0.5μg/ml)を100μlずつ用意し、試薬カートリッジに入れて、GEヘルスケア社製のクロマトグラフ装置(Purelumn(登録商標))にセットして、チューブの洗浄工程、ビオチン化抗体、StreptAvidin-HRPの反応工程を自動で行った。
[専用検出器による測定]
自動反応後のチューブに発光基質(Lumi-Light)を吸引し専用の検出器(プレシジョン・システム・サイエンス社製 BISTnner(登録商標))で測定した。
[測定結果]
図19に示すように、左からNP−HSAの濃度10μg/ml、5μg/ml、2.5μg/ml、1.2μg/ml、0.6μg/ml、0.3μg/ml、0.1μg/mlを有するNP−HSA固定ビーズの発光シグナル、および第1ビーズの発光シグナルを得た。
[結論]
予め取得しておいたOVA定量用のグラフ(図20参照)に基づき、OVA捕捉用の第1ビーズの蛍光強度が、OVA濃度が1μg/mlの発光シグナルに相当すると判断できる。
2 生体関連物質測定用チューブ(生体関連物質測定用チューブ)
3 第1のマイクロ粒子
4 第2のマイクロ粒子
5 第3のマイクロ粒子
10 チューブチップ本体
12 マウント部
13 生体関連物質測定チューブ
14 目的物質捕捉ビーズ(第1のマイクロ粒子)
15 ネガティブコントロールビーズ(第3のマイクロ粒子)
16 補正ビーズ(第2のマイクロ粒子)
17 遮光ビーズ
30 定量システム
32 中央制御部
34 チップ位置制御部
36 受光部
46 RAM
48 ROM
54 信号処理回路
56 発光強度演算部
58 補正定量演算部
160 生体関連物質測定チューブ
163 目的物質捕捉ビーズ
165 第1標準ビーズ
167 第2標準ビーズ
175 定量システム
178 検量線作成部
179 定量演算部
200 定量システム
202 生体関連物質測定用チューブ
204 マイクロ粒子
206 検出装置
220 分注ノズル
228 中央演算部
230 レーザ光原
234 蛍光検出器
235 分光機構
240 ダイクロイックミラー
247 定量演算部

Claims (9)

  1. 生体関連物質測定用チューブであって、
    測定目的の生体関連物質と結合することができる物質が固定された第1のマイクロ粒子と、
    前記生体関連物質が所定量で固定された第2のマイクロ粒子と、
    前記生体関連物質が結合不能に処理された、ネガティブコントロール用の第3のマイクロ粒子と、
    をチューブ内に1個ずつ並べて一列に配列したことを特徴とする前記チューブ。
  2. 前記第2のマイクロ粒子が生体関連物質の測定データの補正用マイクロ粒子である請求項1に記載のチューブ。
  3. 前記第2のマイクロ粒子が、異なる量の生体関連物質が固定された複数のマイクロ粒子である請求項1に記載のチューブ。
  4. 前記複数のマイクロ粒子が検量線の作成用マイクロ粒子である請求項3に記載のチューブ。
  5. 前記第1〜第3のマイクロ粒子間に、さらに遮光性を有する部材を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のチューブ。
  6. 生体関連物質の定量システムであって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のチューブと、
    前記チューブ内のマイクロ粒子から発するシグナルを検出する検出部と、
    予め作成された検量線を参照して前記検出されたシグナルのデータを補正する補正部と、
    前記補正されたデータに基づき生体関連物質を定量する演算部と、
    を有することを特徴とする前記システム。
  7. 生体関連物質の定量システムであって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のチューブと、
    前記チューブ内のマイクロ粒子から発するシグナルを検出する検出部と、
    前記検出されたシグナルに基づき検量線を作成する検量線作成部と、
    前記作成された検量線を参照して生体関連物質を定量する演算部と、
    を有することを特徴とする前記システム。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のチューブに検体を接触させ、検体中の目的生体関連物質を測定することを特徴とする生体関連物質の測定方法。
  9. 測定は、目的生体関連物質の定性的検出及び定量を同時に行なうものである請求項8に記載の方法。
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