JP5719623B2 - リチウムイオン電池の回復方法及び電源システム - Google Patents

リチウムイオン電池の回復方法及び電源システム Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン電池を搭載した電源システムに関する。
リチウムイオン電池は、充電状態が高い状態で、50℃以上の高温で貯蔵すると、抵抗の上昇が生じる。従来、高温貯蔵時の抵抗上昇抑制策として、ビニレンカーボネート等の化合物を電解液に添加する対策が提案されている。例えば、LiPF6,エチレンカーボネート、及びジメチルカーボネートから構成される電解液に、ビニレンカーボネートを2wt%添加することで、60℃貯蔵時の劣化を抑制できる電池が、非特許文献1に提案されている。ビニレンカーボネート添加により、リチウムイオン電池の負極に析出する被膜の成長等による性能劣化、特に抵抗上昇による出力低下を抑制できる。
Journal of The Electrochemical Society, 151(10)A1659-A1669(2004)
しかしながら、長期間の電池使用には更なる出力低下抑制技術が必要になる。例えば、ビニレンカーボネート等の添加量を増加させると、高充電状態でも高温貯蔵時の劣化を抑制できる可能性がある。しかしながら、ビニレンカーボネート等の添加量の増加は、電池の出力を損なう場合がある。
従って本発明の目的は、出力の低下を伴うことなくリチウムイオン電池の劣化を抑制し、長寿命化を達成することにある。
本発明は、劣化したリチウムイオン電池を回復させる方法を提供するものである。正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータと、電解液とを有するリチウムイオン電池の回復方法であって、負極の電位を正極よりも上昇させ、その後、負極の電位を正極よりも低下させる工程を少なくとも1サイクル以上実施することを特徴とする。
また、リチウムイオン電池を搭載した電源システムであって、低下した性能を回復させる手段を有するものである。具体的には、リチウムイオン電池と、リチウムイオン電池の正極及び負極に電位を与えるための電源と、該電源を制御し、リチウムイオン電池の負極の電位を正極の電位よりも上昇させた後、負極の電位を正極の電位よりも低下させる電源制御装置を備えるものである。
上記構成によれば、劣化した電池の性能を回復させ、電池を長期間の使用に供することが可能となる。
第一の実施形態の電源システムの概略構成を示すブロック図である。 第二の実施形態の電源システムの概略構成を示すブロック図である。 添加剤保持部を有するリチウムイオン電池の断面図である。
環境保護,省エネルギーの観点から、エンジンとモーターとを動力源として併用したハイブリッド自動車が開発,製品化されている。また、将来的には、燃料電池をエンジンの代わりに用いる燃料電池ハイブリッド自動車の開発も盛んになっている。このハイブリッド自動車のエネルギー源として電気を繰返し充電放電可能な二次電池は必須の技術である。なかでも、リチウムイオン電池は、その動作電圧が高く、高い出力を得やすい高エネルギー密度の特徴を有する電池であり、今後、ハイブリッド自動車の電源として益々重要性が増している。
リチウムイオン電池は使用や長期保存等により性能劣化し、特に50℃以上の高温・高充電貯蔵時には劣化が進行しやすい。劣化抑制の技術について多々検討がなされているものの、出力特性などに影響がある可能性がある。劣化を抑制するとともに、劣化したリチウムイオン電池の性能を回復させる方法、及び電池性能の回復手段を備える電源システムによれば、低下した電池性能の回復を図り、長期の電池使用が可能となる。
そこで、本発明は電池性能を回復させる方法、及び電池性能の回復手段を備える電源システムであり、負極の電位を正極よりも上昇させた後、電位を低下させることにより、劣化したリチウムイオン電池の性能を回復させることができる。また、本発明の電源システムによれば、リチウムイオン電池の性能が劣化した場合に適宜回復させられるので、長期間の使用に供することが可能となる。
以下、図面を参照して、電源システムについて説明する。図1は、第一の実施形態の電源システムの概略構成例を示すブロック図である。電源システムはリチウムイオン電池50と、リチウムイオン電池50に接続された電源装置100を備える。電源装置100は、外部電源20,電源制御装置30,状態検知部40を有する。リチウムイオン電池50は、少なくともリチウムイオンを吸蔵放出可能な正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータと、電解液とを有する。電源装置100では、リチウムイオン電池50の負極の電位を上昇後、電位を低下させる工程を少なくとも1サイクル以上実施する。再生の作用機構としては、再生操作による電気分解で、負極表面上のSEI(solid electrolyte interface)被膜中の成分がガス化や低分子化することで、被膜が除去され負極表面が再生されることにある。電源システムは、電源装置100とリチウムイオン電池50とが一体となっているものでも良いし、電源装置100が別体の電池の再生装置として構成されているものでも良い。
外部電源20は、電位調整手段として、リチウムイオン電池50に電圧を印加することにより、リチウムイオン電池50の負極の電位を上昇させるものである。外部電源20は、直流電源および可変抵抗器を含む可変電源、またはパルス電圧を印加するパルス電源を有し、電源制御装置30により制御される。状態検知部40は、リチウムイオン電池50の電圧,温度を検出する。電源制御装置30は、制御手段として、状態検知部40によって検出される信号を処理し、外部電源20を制御するものである。電源制御装置30は、たとえば一般的な汎用のコンピュータであって、CPU31およびメモリ32を有する。CPU31は、外部電源20を制御する制御部として機能する。メモリ32は、状態検知部40から送られた信号を格納している。
電源制御装置による制御方法としては、リチウムイオン電池内負極の電位を上昇後、電位を低下させる手段を少なくとも1サイクル以上実施する。負極の電位を0.1V以上2V以下の範囲で正極よりも高くすることが好ましい。また、その後電位を低くした際には、負極の電位を正極の電位よりも0.1V以上5V以下の範囲で低くすることが好ましい。負極電位は、状態検知部40でモニタリングをし、正極電位に対し少なくとも0.1V以上、最大で2V以上となるよう外部電源20より制御する。電位上昇時間は少なくとも0.1秒以上で最大でも30秒以下である。さらに、電位上昇後、正極電位に対し少なくとも0.1V以下、最大で5V以下となるよう外部電源20よりパルス的に逆電位制御する。本パルス逆電位制御により、溶解した銅イオンを銅箔上に析出することが可能であり、短絡抑制の観点より好ましい。また、銅箔上の窒化膜による溶解防止技術に比べ、窒化膜による高抵抗化を抑制できる観点から好ましい。
負極電位を上昇させる再生操作を行うタイミングは特に問わない。例えば自動的に負極電位を上昇される機構を電源制御装置に具備させる回路を組み込み、電池使用開始から一定期間経過後や、電池抵抗値が所定の値を超えたときに自動的に再生操作を行っても良い。手動操作でも構わない。また、携帯電話やハイブリッド自動車等の使用済み電池を回収し、負極電位を上昇させ再生操作を行っても良い。
再生操作回数は特に問わない。操作回数は、少なくとも1サイクル以上であるが、10サイクル未満、好ましくは1サイクルである。サイクル数が多いと、銅の溶解析出回数が増加し、デンドライト析出による短絡の可能性があるため好ましくない。
再生操作頻度は特に問わない。例えば、状態検知部の情報を下に、電池抵抗が20%程度増加する度に、再生操作を実施しても良い。電池抵抗が初期値に比して20%以上増加となった場合、フッ化リチウム等の再生不可なSEI被膜成分比率が高い場合があり、再生しにくくなるため、20%以下の基準で再生操作を実施することが好ましい。また、再生頻度が多過ぎると、銅の溶解析出回数が増加し、デンドライト析出による短絡の可能性があるため好ましくない。
負極表面上のSEI被膜の再生作用としては、再生操作による電気分解で、負極表面上のSEI被膜中成分がガス化や低分子化することで、被膜が除去され負極表面が再生されることにある。劣化した被膜が除去された後、新しいSEIを形成するための電解液添加剤を追加投入し、SEIを再形成することが好ましい。
図2は、第二の実施形態の電源システムの例を示すブロック図である。本例に記載されている電源システムは、リチウムイオン電池50の内部に格納された電解液に添加剤を添加する機能を備えるものである。本例の電源システムは、外部電源20,電源制御装置30,状態検知部40及びアクチュエーター60からなる電源装置200と、リチウムイオン電池70よりなる。リチウムイオン電池70は、電解液添加剤保持部16を有する。
外部電源20は、電位調整手段として、リチウムイオン電池70に電圧を印加することにより、リチウムイオン電池70の負極の電位を上昇させる。リチウムイオン電池70内負極の電位を正極よりも上昇させた後、電位を低下させる手段を少なくとも1サイクル以上実施した後、リチウムイオン二次電池内に電解液添加剤を追加する。電源制御装置30に接続されたアクチュエーター60は、リチウムイオン電池70内電解液添加剤保持部16に対し応力をかけることでリチウムイオン電池70内に添加剤を放出せしめる機能を有する。電解液添加剤保持部16には夫々所定量の電解液添加剤が電解液から隔絶された状態で収納されている。電解液添加剤を電解液中に放出するには、収納部に内在するT字型治具等により電解液添加剤含有カプセルを破り、添加剤を電解液中に押し出す。負極被膜除去後、再度添加剤による高耐久なSEI形成を行うため、添加剤の放出なしの場合に比べ、再生後の劣化抑制が可能となるため好ましい。
図3は、電解液の添加剤の保持部を備える円筒型リチウムイオン電池の例を説明する断面図である。正極集電体1に形成された正極合剤層2は、電解液を含むセパレータ7を介し、負極集電体3に形成された負極合剤層4と対向している。捲回、または積層された正負極よりなる電極群が負極電池缶13に挿入されており、ニッケル製の負極リード9の一端を負極集電体3に溶接し、負極リード9の他端は負極電池缶13に溶接されている。また、正極の集電をとるためにアルミニウム製の正極リード10の一端は正極集電体1に溶接されており、正極集電体1の他端を電流遮断弁8に溶接し、さらにこの電流遮断弁8を介して正極電池蓋15と電気的に接続されている。なお、図において、11は正極インシュレータ、12は負極インシュレータ、14はガスケット、15は正極電池蓋である。
図3では、電解液添加剤保持部16は電池の蓋部に設けられている。電解液添加剤の収納方法は、電解液に難溶解性のポリエチレン,ポリプロピレン,フッ素系樹脂等のプラスチックからなるカプセルに保持する事が好適であり、前記カプセルをリチウムイオン電池の缶上部の蓋内、あるいは注液口のキャップ内などに設ける。
電解液添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC),メチルビニレンカーボネート(MVC),ジメチルビニレンカーボネート(DMVC),エチルビニレンカーボネート(EVC),ジエチルビニレンカーボネート(DEVC),ジメタリルカーボネート(DMAC)等を用いることができる。特に、VCは、分子量が小さく、緻密な電極被膜を形成すると考えられるため好ましい。VCにアルキル基を置換したMVC,DMVC,EVC,DEVC等は、アルキル鎖の大きさに従い、密度の低い電極被膜を形成すると考えられ、低温特性向上には有効に作用するものと考えられる。
リチウムイオン電池の正極は、正極活物質,電子導電性材料及びバインダから構成される正極合剤層が集電体であるアルミニウム箔上に塗布されることにより形成される。また、電子抵抗の低減のため更に正極合剤層に導電剤を加えても良い。正極活物質は、組成式LiαMnxM1yM2z2(式中、M1は、Co,Niから選ばれる少なくとも1種、M2は、Co,Ni,Al,B,Fe,Mg,Crから選ばれる少なくとも1種であり、x+y+z=1,0<α<1.2,0.2≦x≦0.6,0.2≦y≦0.4,0.05≦z≦0.4)で表されるリチウム複合酸化物が好ましい。また、その中でも、M1がNi又はCoであって、M2がCo又はNiであることがより好ましい。LiMn1/3Ni1/3Co1/32であればさらに好ましい。組成中、Niを多くすると容量が大きく取れ、Coを多くすると低温での出力が向上でき、Mnを多くすると材料コストを抑制できる。また、添加元素は、サイクル特性を安定させるのに効果がある。他に、一般式LiMxPO4(M:Fe又はMn、0.01≦X≦0.4)やLiMn1-xxPO4(M:Mn以外の2価のカチオン、0.01≦X≦0.4)である空間群Pmnbの対称性を有する斜方晶のリン酸化合物でも良い。特に、LiMn1/3Ni1/3Co1/32は、低温特性とサイクル安定性とが高く、ハイブリット自動車(HEV)用リチウム電池材料として好適である。
バインダは、正極を構成する材料と正極用集電体を密着させるものであればよく、例えば、フッ化ビニリデン,四フッ化エチレン,アクリロニトリル,エチレンオキシドなどの単独重合体又は共重合体,スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。導電剤は、例えば、カーボンブラック,グラファイト,カーボンファイバー及び金属炭化物などのカーボン材料であり、それぞれ単独でも混合して用いても良い。
負極としては、負極活物質、及びバインダから構成される負極合剤層が集電体である銅箔上に塗布されることにより形成される。また、電子抵抗の低減のため更に負極合剤層に導電剤を加えても良い。前記負極活物質は、負極活物質として用いる材料には、天然黒鉛、天然黒鉛に乾式のCVD(Chemical Vapor Deposition)法や湿式のスプレイ法で形成される被膜を形成した複合炭素質材料,エポキシやフェノール等の樹脂原料若しくは石油や石炭から得られるピッチ系材料を原料として焼成して造られる人造黒鉛,非晶質炭素材料などの炭素質材料、又は、リチウムと化合物を形成することでリチウムを吸蔵放出できるリチウム金属,リチウムと化合物を形成し、結晶間隙に挿入されることでリチウムを吸蔵放出できる珪素,ゲルマニウム,錫など第四族元素の酸化物若しくは窒化物を用いることができる。なお、これらを一般的に負極活物質と称する場合がある。特に、炭素質材料は、導電性が高く、低温特性,サイクル安定性の面から優れた材料である。炭素質材料の中では、炭素網面層間(d002)の広い材料が急速充放電や低温特性に優れ、好適である。しかし、d002が広い材料は、充電の初期での容量低下や充放電効率が低いことがあるので、d002は0.390nm以下が好ましく、このような炭素質材料を、擬似異方性炭素と称する場合がある。更に、電極を構成するには黒鉛質,非晶質,活性炭などの導電性の高い炭素質材料を混合しても良い。または、黒鉛質材料として、以下(1)〜(3)に示す特徴を有する材料を用いても良い。
(1)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm-1の範囲にあるピーク強
度(ID)とラマン分光スペクトルで測定される1580〜1620cm-1の範囲にあるピーク強度(IG)との強度比であるR値(ID/IG)が、0.20以上0.40以下
(2)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm-1の範囲にあるピークの
半値幅Δ値が、40cm-1以上100cm-1以下
(3)X線回折における(110)面のピーク強度(I(110))と(004)面のピーク強度(I(004))との強度比X値(I(110)/I(004))が0.10以上0.45以下
バインダとしては、負極を構成する材料と負極用集電体を密着させるものであればよく、例えば、フッ化ビニリデン,四フッ化エチレン,アクリロニトリル,エチレンオキシドなどの単独重合体又は共重合体、スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。導電剤は、例えば、カーボンブラック,グラファイト,カーボンファイバー及び金属炭化物などのカーボン材料であり、それぞれ単独でも混合して用いても良い。
電解液としては、極性の高い(高極性)溶媒と極性の低い(低極性)溶媒及び前記電解液添加剤の混合溶媒とリチウム塩を用いる。高極性溶媒は、プロピレンカーボネート(PC),エチレンカーボネート(EC),トリフロロプロピレンカーボネート(TFPC),クロロエチレンカーボネート(ClEC),フルオロエチレンカーボネート(FEC),トリフロロエチレンカーボネート(TFEC),ジフロロエチレンカーボネート(DFEC),ビニルエチレンカーボネート(VEC)等を用いることができる。特に、負極電極上の被膜形成の観点からECを用いることが好ましい。また、少量(2vol%以下)のClECやFECやTFECやVECの添加も、電極被膜形成に関与し、良好なサイクル特性を提供する。更には、TFPCやDFECは、正極電極上の被膜形成の観点から、少量(2vol%以下)添加して用いても良い。低極性溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC),エチルメチルカーボネート(EMC),ジエチルカーボネート(DEC),メチルプロピルカーボネート(MPC),エチルプロピルカーボネート(EPC),トリフロロメチルエチルカーボネート(TFMEC)、1,1,1−トリフロロエチルメチルカーボネート(TFEMC)等を用いることができる。DMCは、相溶性の高い溶媒であり、EC等と混合して用いるのに好適である。DECは、DMCよりも融点が低く、低温(−30℃)特性には好適である。EMCは、分子構造が非対称であり、融点も低いので低温特性には好適である。EPC,TFMECは、プロピレン側鎖を有し、非対称な分子構造であるので、低温特性の調整溶媒として好適である。TFEMCは、分子の一部をフッ素化し、双極子モーメントが大きくなっており、低温でのリチウム塩の解離性を維持するに好適であり、低温特性に好適がある。電解液の混合比率は、高極性溶媒の組成比率が18.0〜30.0vol%であり、低極性溶媒の組成比率が74.0〜81.8vol%であり、電解液添加剤の組成比率が0.1〜1.0vol%である。ここで電解液添加剤の組成比率が1.0vol%以上となると、電池の内部抵抗が上昇し、電池の出力低下を招くため好ましくない。
電解液に用いる前記リチウム塩としては、特に限定はないが、無機リチウム塩では、LiPF6,LiBF4,LiClO4,LiI,LiCl,LiBr等、また、有機リチウム塩では、LiB[OCOCF3]4,LiB[OCOCF2CF3]4,LiPF4(CF3)2,LiN(SO2CF3)2,LiN(SO2CF2CF3)2等を用いることができる。特に、民生用電池で多く用いられているLiPF6は、品質の安定性から好適な材料である。また、LiB[OCOCF3]4は、解離性,溶解性が良好で、低い濃度で高い導電率を示すので有効な材料である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的な実施例によって説明する。
電池容量が800mAhの劣化したリチウムイオン電池の直流抵抗を測定した。直流抵抗は、以下の手法を用いて測定した。電池を定電流0.7Aで4.1Vまで充電し、定電圧4.1Vで電流値が20mAになるまで充電し、30分の運転休止の後、0.7Aで2.7Vまで放電した。この操作を3回繰返した。次に、電池を3.8Vまで定電流0.7Aで充電し、10Aで10s放電し、再度3.8Vまで定電流で充電し、20Aで10s放電し、再度3.8Vまで充電し、30Aで10s放電した。この際のI−V特性から、電池の直流抵抗を評価した。評価結果は65Ωであった。測定時温度は25℃である。
上記の劣化したリチウムイオン電池を用い、外部電源及び電源制御装置と接続し電源システムを作製した。電源制御装置30により、リチウムイオン電池内負極端子に対し、正極端子よりも1V高い電圧を10秒印加した。さらに、1秒休止後、正極端子よりも2V低い電圧を10秒印加する制御を行った。
上記の再生操作後、直流抵抗評価を実施した。その結果、抵抗が20%低減したことを確認した。従って、上記のように負極の電圧を印加して負極の電位を正極よりも上昇させ、その後、負極の電位を正極よりも低下させることで、劣化により高くなった抵抗を低下させ、電池が再生することを確認した。
さらに本リチウムイオン電池を電池電圧4.1Vまで充電後、50℃にて1か月放置し直流抵抗を評価した。その結果、抵抗は5%増加していた。
本実施例では、電池内に添加剤保持部を有するリチウムイオン電池を用いて電池システムを作製した。電池容量が800mAhで、劣化したリチウムイオン電池の直流抵抗を実施例1と同様の方法により測定した。評価結果は64Ωであった。
直流抵抗測定済みのリチウムイオン電池を用い、外部電源,電源制御装置,アクチュエーターと接続し、電源システムを作製した。実施例1と同様に、電源制御装置により、リチウムイオン電池内負極端子に対し、正極端子よりも1V高い電圧を10秒印加した。さらに、1秒休止後、正極端子よりも2V低い電圧を10秒印加した。その後、アクチュエーター60により電解液添加剤保持部16に応力を与え添加剤としてビニレンカーボネート0wt%含むジメチルカーボネート溶液を電池内に放出させた。
上記の再生操作後、直流抵抗評価を実施した。その結果、20%抵抗低減を確認した。
さらに本リチウムイオン電池を電池電圧4.1Vまで充電後、50℃にて1か月放置し直流抵抗を評価した。その結果、抵抗は4%増加していた。
本実施例では、電池内に添加剤保持部を有するリチウムイオン電池を用いて電池システムを作製した。電池容量が800mAhで、劣化したリチウムイオン電池の直流抵抗を実施例1と同様の方法により測定した。評価結果は64Ωであった。
直流抵抗測定済みのリチウムイオン電池を用い、外部電源,電源制御装置,アクチュエーターと接続し、電源システムを作製した。実施例1と同様に、電源制御装置により、リチウムイオン電池内負極端子に対し、正極端子よりも1V高い電圧を10秒印加した。さらに、1秒休止後、正極端子よりも2V低い電圧を10秒印加した。その後、アクチュエーター60により電解液添加剤保持部16に応力を与え添加剤としてビニレンカーボネート10wt%含むジメチルカーボネート溶液を電池内に放出させた。
上記の再生操作後、直流抵抗評価を実施した。その結果、20%抵抗低減を確認した。
さらに本リチウムイオン電池を電池電圧4.1Vまで充電後、50℃にて1か月放置し直流抵抗を評価した。その結果、抵抗は1%増加していた。従って、電解液に添加剤を追加することにより、実施例2に比して50℃放置後の性能劣化抑制が可能であった。添加後の4.1V充電時に、添加剤を電気化学的に還元分解することにより劣化しにくいSEI形成が起こり、再生後の劣化を抑制していると考える。
〔比較例1〕
実施例1,2と同様に電池容量が800mAhの劣化したリチウムイオン電池の直流抵抗を測定した後、リチウムイオン電池内負極端子に対し、正極端子よりも1V高い電圧を10秒印加した。本操作後、直流抵抗評価を実施した。その結果、内部短絡が発生し、電池機能が損なわれるに至り、劣化電池の性能回復には至らなかった。電池解体の結果、短絡理由は負極表面に析出した銅由来であることが明らかとなった。
以上の検討より明らかな通り、リチウムイオン電池に対し、負極の電位を正極よりも上昇させた後、電位を低下させる工程を少なくとも1サイクル以上実施することで、抵抗が低減し、電池を再生する効果が確認できた。さらに、上記の工程とともに電解液中に電解液添加剤を加えることで、再生後の更なる劣化を抑制する効果が得られた。負極被膜除去後、再度添加剤による高耐久なSEI形成を行うため、添加剤の放出なしの場合比べ、再生後の劣化抑制が可能となるため好ましい。
また、単に電位を上昇させ、電位を低下させる工程を行わない場合、電池の性能の回復は確認できなかった。
1 正極集電体
2 正極合剤層
3 負極集電体
4 負極合剤層
7 セパレータ
8 電流遮断弁
9 負極リード
10 正極リード
11 正極インシュレータ
12 負極インシュレータ
13 負極電池缶
14 ガスケット
15 正極電池蓋
16 電解液添加剤保持部
20 外部電源
30 電源制御装置
31 CPU
32 メモリ
40 状態検知部
50,70 リチウムイオン電池
60 アクチュエーター
100,200 電源装置

Claims (7)

  1. リチウムイオン電池と、前記リチウムイオン二次電池に電位を付与し、負極の電位が正極の電位よりも高い状態とする外部電源と、前記外部電源を制御する電源制御装置と、前記リチウムイオン電池の状態を検知する状態検知部と、前記リチウムイオン電池の電解液に追加する添加剤を保持する添加剤保持部と、前記添加剤保持部に保持された添加剤を電解液内に放出させるアクチュエーターとを備え、
    前記状態検知部の情報に基づいて前記電源制御装置が、前記負極の電位を前記正極よりも上昇させた後、電位を低下させる工程を少なくとも1サイクル実施し、
    前記工程の後、前記アクチュエーターが前記添加剤保持部に保持された前記添加剤を電解液内に放出させることを特徴とする電源システム。
  2. 請求項に記載された電源システムであって、
    前記添加剤はビニレンカーボネート,メチルビニレンカーボネート,ジメチルビニレンカーボネート,エチルビニレンカーボネート,ジエチルビニレンカーボネート,ジメタリルカーボネートの少なくともいずれかを含むことを特徴とする電源システム。
  3. 請求項に記載された電源システムであって、
    前記添加剤保持部は前記リチウムイオン電池の内部に設けられていることを特徴とする電源システム。
  4. 請求項に記載された電源システムであって、
    前記電源制御装置は、前記負極の電位を前記正極の電位に対し0.1V以上2V以下の範囲で高い状態とした後、前記負極の電位を前記正極の電位に対し0.1V以上5V以下の範囲で低い状態とすることを特徴とする電源システム。
  5. 請求項1に記載された電源システムであって、
    前記電源制御装置は、0.1〜30秒の間、前記負極の電位を前記正極の電位に対し高い状態とすることを特徴とする電源システム。
  6. リチウムイオン電池の性能を向上させる電池の再生方法であって、
    前記リチウムイオン電池の負極を正極よりも高い電位とした後に、前記負極の電位を正極よりも低い電位とする電位制御工程を少なくとも1サイクル実施し、
    前記電位制御工程の後に、リチウムイオン二次電池内に電解液添加剤を追加する工程を有することを特徴とする再生方法。
  7. 請求項に記載されたリチウムイオン電池の再生方法であって、
    電池使用開始から一定期間経過後、または所定の電池抵抗値となったときに前記電位制御工程を行うことを特徴とする再生方法。
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