JP5717014B1 - 交流電位治療器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 交流電位治療器の昇圧トランスに入力する60Hz〜200Hz程度の正弦波交流をブリッジ回路を用いずに効率よく発生させること。【解決手段】 正弦波電圧でパルス幅変調した幅変調済高周波パルスにより、前記電圧よりも充分高い正電圧電源に接続した単一のスイッチング素子をスイッチング制御することで、そのパルス出力端から前記正電圧程度の幅変調済増幅パルス出力を取り出し、このパルス出力をチョークコイルとダイオードとコンデンサとを有する復調回路で、逆向き負パルスを除去しつつ復調した復調済正弦波脈流から、コンデンサにより直流カットして得た正弦波交流を昇圧トランスの1次コイルに供給することで、トランス2次コイルに発生した高圧正弦波交流を正電圧ブリーダ回路により、正電圧と負電圧との波高値比率が1対3の生体印加交流となした。【選択図】図1

Description

本発明は、交流電位治療器に係り、特に昇圧トランスに入力する正弦波交流の発生手段の改良に関する。
従来の交流電位治療器としては、例えば特許第2609574号公報(特許文献1)に記載のような商用交流昇圧トランスの2次コイルに設けた正電圧ブリーダ回路により、生体印加交流の正電圧と負電圧との波高値比率を1対3に設定した交流電位治療器が周知であるし、実開昭61−118346号公報(特許文献2)・特開2006−239032号公報(特許文献3)のような、矩形波発振回路の増幅出力を昇圧トランスの1次コイルに供給し、このトランスの高圧2次コイルにダイオードと抵抗を接続して矩形波高電圧を得る電位治療器が周知である。
前記特許文献1(特許第2609574号公報)は、交流高電圧を生体に印加して治療を実行する際に、交流正電圧と負電圧との波高値比率を1対3に設定した交流電位治療器であり、健康な人体内におけるイオンの理想的な存在比率に等しい割合で生体に交流電位を印加できるが、この特許文献1は、その段落0009における唯一の実施例記載のように、商用電源による交流を昇圧トランスの入力としているので、生体印加交流としても、我が国では50Hzまたは60Hz限定となる。
近年、国内において、上記特許文献1の交流電位治療器による電位治療を実行している多数患者の中には、富士川と糸魚川を境として西の60Hz地域における複数患者から、「東の50Hz地域での電位治療よりも、こちらの方が治療効果の有効性と速効性に優れているようだ」という声がチラホラ聞こえつつ有るし、50Hz地域の複数患者のなかには、「今一つ物足りない」という声も多少出始めている。
一方、前記実開昭61−118346号公報および特開2006−239032号公報(特許文献2・3)は、共に発振回路を有する電位治療器だから、生体印加交流は電源周波数に限定されない反面、これら各文献は、それぞれ唯一の実施例記載のように、矩形波発振回路で得た矩形波信号をそのまま出力増幅して昇圧トランスの1次コイルに入力し、その2次コイルに生じた矩形波の高圧出力電圧から公報第2図のような矩形波に近い波形の生体印加交流電圧を得ている。
したがって、上記文献2・3における矩形波出力増幅回路にB級ブッシュプル増幅回路を用いたとしても、効率が最大で50%以下の低効率であるという本質的な問題点が有るし、各文献2・3の入・出力は、共に矩形波電圧だから、商用電源に対応した心材と捲線で作った現用一般安価な昇圧トランスを用いると、トランスに無用な唸り音が生じ易いし、トランスが過熱し易いという本質的な大きい問題点が有る。
さらに、上記各特許文献2・3の高圧矩形波出力による生体印加交流には、有害無用なリンギングとか、オーバーシュートやプリシュートが生じ易いので、滑らかに変化する正弦波を用いた生体印加交流による電位治療に比して、特許文献2・3は、電位治療後に湯当たりのような不快感が残り易いし、電位治療効果の有効性と速効性に乏しく、生体拒否反応も生じるという根源的で切実な問題点が有る。
各特許文献1〜3による従来例の他に、特開2009−279024号公報(特許文献4)のように、スイッチングインバータにより高周波成分を含む交流波形を生成し、この交流出力をフィルタ回路を経て昇圧トランスの1次コイルに供給するとした電位治療器とか、特開2011−24859号公報(特許文献5)のように、高周波パルスを2個の昇圧用パルストランスに各別入力し、各パルストランスの高圧2次コイルにそれぞれダイオードと平滑コンデンサと生体用電極とを接続した電位治療器も周知である。
前記特開2009−279024号公報(特許文献4)は、出願人が直接出願の公開特許公報であり、周知事項や願望事項を手書きマンガ図面と共に断片的に羅列しているだけで、この文献4の意図する処は、結局、その段落0011の記載から、昇圧トランスの1次コイルに加える交流出力回路として、パルス幅変調による現用一般のD級オーディオアンプを用いた電位治療器であると読み取れるが、肝心な具体回路に関する記載が一切無いから、これでは当業者がこの特開公報を見ても、上記電位治療器を作れず、実施できないという本質的な大きい問題点が有る。
周知の通り、D級オーディオアンプには、直列2個のパワーMOS・FETやバイポーラトランジスタ等のスイッチング素子を2列用いたフルブリッジ回路構成のD級アンプと、直列2個のスイッチング素子を1列用いたハーフブリッジ回路構成のD級アンプが存在し、上記ハーフブリッジ構成のD級オーディオアンプは、部品点数少なく安価に使用できる反面、スイッチング素子から復調用チョークコイルの入力側に幅変調済正パルスを加えると、パルスの消滅毎にコイルの自己誘導作用で、コイル入力側に接地電位よりも著しく低いピーク値の逆向き負パルス(バックパルスや微分パルス)が発生する事実は、上記特許文献4には全く記載が無く、示唆すらも無いのである。
具体的には、周波数が例えば60Hz〜200Hz程度・振幅が5V程度の正弦波電圧で幅変調した、繰り返し周波数が100KHz程度の高周波パルスにより、270V程度の正電圧電源に接続したスイッチング素子をスイッチング制御し、上記正電圧程度の幅変調済正電圧パルス出力を得た後、このパルス出力を復調して負荷をドライブする際には、上記パルス出力消滅部分毎にコイルの自己誘導作用で、チョークコイルの入力側にピーク値が接地電位レベルよりも、かなり低い例えば尖頭値がマイナス600〜700V程度で、上記パルス出力幅よりも著しく狭い幅の多数の逆向き負パルスが生じるので、各スイッチング素子の両端には、270V+600〜700V=870〜970V程度の高電圧が加わる結果となる。
したがって、上記各スイッチング素子には、最大許容電圧が上記870〜970V程度以上の高圧高周波用で高価な素子が必要となり、著しくコスト高になると共に、上記逆向き負パルス等のコイル自己誘導電流による「バス・ポンピング」(Bass・Pumping)現象に基づく電源電圧変動が大きくなり、負荷ドライブが著しく不安定になるという根源的な問題点が有ることも、上記特許文献4には全く記載が無いのである。
現用一般的なハーフブリッジ構成のD級オーディオアンプは、負荷(スピーカや昇圧トランス)を200Hz以下の低域周波数でバスドライブ(Bass・Drive)する時には、前記「バス・ポンピング」現象による電源電圧の変動も大きくなり、その程度は、上記周波数が低い程・負荷インピーダンスが小さい程・直流電源の出力電圧変動防止コンデンサや負荷に接続した復調コンデンサの値がそれぞれ小さい程・デューティ比が25%の時と75%の時に、それぞれ前記有害無用な「バス・ポンピング」現象による電源電圧の変動が増大し、電位治療器の動作が著しく不安定になる。
現用一般的なハーフブリッジD級オーディオアンプで、上記「バス・ポンピング」現象を軽減させるには、直流電源電圧の変動防止用コンデンサの静電容量を著しく大容量にしたり、復調ローパスフィルタ用チョークコイルのインダクタンスを著しく大きくしたり、コンデンサの静電容量を大容量にすること等の姑息的で非効率な手段で電源電圧の変動を極力小さくしていた。
ただし、寄生ダイオードを有するパワーMOS・FET等を用いた一般的なフルブリッジ回路構成のD級オーディオアンプでは、前記逆向き負パルスやコイル自己誘導電流を休止中のスイッチング素子の上記寄生ダイオードにより、ある程度吸収して抑制できるが、この寄生ダイオードは、一般的に高周波特性が悪く、逆回復時間が長いので、復調用チョークコイルの入力側に生じた前記逆向き負パルスや自己誘導電流を確実には除去できず、特に負荷を60〜200Hz程度の低域周波数でバスドライブする時は、前記段落0013で述べたように、「バス・ポンピング」現象による電源電圧の変動を完全には払拭できないという根源的で切実な問題点が有ることも、上記特許文献4には記載が全く無い。
一方、特開2011−24859号公報(特許文献5)は、その段落0020と0022に記載のように、高周波スイッチングパルスをそれぞれ2個の昇圧用高周波パルストランスに各別入力し、一方のパルストランスの高圧2次コイルに接続したダイオードおよび抵抗と平滑コンデンサとの並列回路で正の高圧パルス電圧を得ると共に、他方のパルストランスの高圧2次コイルに接続したダイオードおよび抵抗と平滑コンデンサとの並列回路で負の高圧パルス電圧を得た後、高圧パルス電圧を二つの電極にそれぞれ保護抵抗を経て各別供給する電位治療器である。
したがって、この特許文献5は、単一電極では生体に対して高圧交流を印加できないという根源的で切実な問題点が有るし、滑らかに変化する正弦波を用いた生体印加交流による電位治療に比して、この特許文献5は、電位治療後に湯当たりのような不快感が残り易いという本質的な大きい問題点が有る。
また、上記特許文献5では、単一電極の電位治療器に比して、パルス昇圧トランスを初めとして、その高圧2次コイルに接続したダイオード・平滑コンデンサとか、生体保護用ハイメグ抵抗や電極などの高価な高圧用電気部品をそれぞれ2倍数ずつ必要とするので、特許文献5は、加工性悪く高価になるという根源的な大きい問題点が有る。
特許第2609574号公報 実開昭61−118346号公報 特開2006−239032号公報 特開2009−279024号公報 特開2011−24859号公報
本発明の目的は、交流電位治療器の昇圧トランスに入力する60Hz〜200Hz程度の正弦波交流をブリッジ回路を用いずに効率よく発生させることに有る。
交流高電圧を生体に印加して治療を実行する電位治療器を構成するに当たり、先ず、周波数が60Hz〜200Hz程度の正弦波電圧でパルス幅変調した幅変調済高周波パルスにより、前記電圧よりも充分大きい電圧の直流電源に接続したスイッチング素子をスイッチング制御することで、そのパルス出力端から上記直流電源電圧程度の幅変調済増幅パルス出力を取り出せる。
次いで、このパルス出力の復調回路として、前記出力端に1端接地の負荷コイルとアノ
ード接地の第1ダイオードのカソードを接続すると共に、前記出力端にアノードを接続し
た第2ダイオードのカソードにチョークコイルを接続して、その出力端に1端接地のコン
デンサの他端を接続した復調回路を構成し、この復調回路により前記パルス出力を復調す
ることで、その復調出力端から正弦波脈流出力を取り出し、この脈流出力を直列の直流阻
止コンデンサを経て昇圧トランスの1次コイルに正弦波交流として供給することで、トラ
ンス2次コイルに発生した高圧正弦波交流を正電圧ブリーダ回路により、正電圧と負電圧
との波高値比率が1対3の生体印加交流となしたことで達成できた。
本発明によれば、正弦波電圧でパルス幅変調した単一系統の幅変調済高周波パルスにより、+270V程度の正電圧を入力側に印加した単一のスイッチング素子をドライブすることで、そのパルス出力端から波高値が前記正電圧程度の幅変調済増幅パルス出力を95%以上の高効率で取り出せると共に、このパルス出力を復調した復調済正弦波脈流出力から直流阻止コンデンサにより、直流成分をカットして除去した正弦波交流つまり、最大値が135V(実効値が95〜100V)程度で、周波数が60Hz〜200Hz程度の正弦波交流により、入力電源周波数に関係なく、既存の商用電源用昇圧トランスをブリッジ回路無しでドライブできるから、本発明には、製造コスト削減等の経済効果や省エネ効果が有るし、交流電位治療器としての使用可能地域が広がるという優れた効果が有る。
また、本発明によれば、スイッチング素子のパルス出力端から、負荷コイルの入力側に
加えた正パルス出力の消滅毎にコイル入力側に生じる接地電位よりも著しく低いピーク値
の逆向き負パルスは、アノード接地の第1ダイオードの順方向導通作用で除去できるし、
スイッチング素子からチョークコイルの入力側に第2ダイオードを経て加えた正パルス出
力の消滅毎に上記入力側に生じる逆向き負パルスは、第1ダイオードと第2ダイオードと
の直列順方向導通作用で除去できる一方、復調出力端に生じた復調済正弦低周波出力は、
上記正パルス出力の有無に拘わらず、上記第2ダイオードの逆流防止作用により、低周波
に対するインピーダンスが著しく小さい負荷コイルへの逆流による不動作事故や回路部品
の過熱等の不具合を阻止できる優れた効果が有る。
さらに、本発明では、前記周波数範囲と電圧の復調済正弦波脈流から直流阻止コンデンサにより、直流成分をカットして得た正弦波交流で昇圧トランスをドライブする場合には、商用電源周波数(50または60Hzの正弦波)と電圧(実効値が100V)に対応した現用一般の珪素鋼板コア材と巻き線とを用いた既存安価な商用電源用昇圧トランスを改変せずにそのまま採用でき、オーディオ周波数専用の少量高価な珪素鋼板コア材が不要だから、交流電位治療器としての製造コストをさらに削減できた。
また本発明では、60Hz〜200Hz程度の周波数、例えば70〜120Hz程度の周波数で滑らかに変化する高電圧の正弦波交流から、健康な人体内におけるイオンの理想的な存在比率に等しい割合の正電圧と負電圧との波高値比率が1対3の生体印加交流を得て、この交流電圧を生体に印加できるので、前記のように入力電源周波数に関係なく、何処でも常に、治療効果の有効性と速効性に優れた交流電位治療が実行できると共に、生体拒否反応も著減できたという優れた効果も有る。
本発明による交流電位治療器の一例を示す系統回路図 図1の回路動作説明に供する波形図 図1の回路動作説明に供する波形図
次に、本発明を実施するための形態例を図面と共に説明すると、本発明の交流電位治療器は、図1に示す系統回路図のように、例えば現用一般の直流電源DCから得た12V程度の正電圧+Bで動作するC・R発振回路・正帰還発振回路などを用いた正弦低周波発生回路1の出力端Aから得た周波数が60Hz〜200Hz程度で実効値が5V程度の図2のAのような正弦波交流自体または、この交流を図1のようにコンデンサCaおよび直流分圧抵抗Ra・Rbを介し、図2のBのような正弦波脈流電圧に変換し、この脈流電圧を上記電圧+Bで動作する現用一般のパルス幅変調回路2の入力端Bに入力する。
一方、前記正電圧+Bで動作する繰り返し周波数が100KHz程度の三角波発振器等による現用一般的な高周波パルス発生回路3から振幅が5V程度の高周波パルスを得ると共に、この高周波パルスを図1に示す前記パルス幅変調回路2に入力し、この入力高周波パルスを前記正弦波交流または正弦波脈流によりパルス幅変調することで、図2のCのような振幅が5V程度の幅変調済高周波パルスを取り出せる。
その後、上記パルスを図1のようにパルストランスPTまたは現用一般的なゲートドライブICを経て、パワーMOS・FETやバイポーラトランジスタ等のスイッチング素子Qのゲートやベース等の制御電極Cとソース(エミッタ)との間に供給する。
なお、上記ゲートドライブICとしては、米国フェアーチャイルド社製のIC・FAN7382N等が有り、これらのゲートドライブICをその接続仕様に基づき前記パルストランスPTの代わりに使用してもよい。
次いで、スイッチング素子Qのドレイン(コレクタ)には、例えば実効値が100Vの商用電源電圧を倍電圧整流して得た+270V程度の正電圧+Vを印加すると共に、前記パルストランスPTを経て図1のように素子Qの制御電極Cとソース(エミッタ)との間に加えた図2のCのような幅変調済高周波パルスにより、上記直流電圧+Vをスイッチング素子Qでスイッチング制御することで、図1のように上記素子Qのパルス出力端Dに接続した1端接地の負荷コイルL0のホット側、すなわち、上記出力端Dから繰り返し周波数が100KHz程度・波高値が上記正電圧+V程度の図2のDのような幅変調済増幅パルス出力を取り出せる。
上記幅変調済増幅パルス出力の復調回路としては、図1における前記パルス出力端Dに
アノード接地の第1ダイオードD1のカソードを接続すると共に、上記出力端Dにアノー
を接続した第2ダイオードD2のカソードにチョークコイルL1を接続して、その復調
出力端Eに1端接地のコンデンサC1の他端を接続した復調回路4を構成する。
上記復調回路4におけるチョークコイルL1とコンデンサC1とのローパス・フィルタで、前記幅変調済増幅パルス出力を復調することで、その復調出力端Eから図3のEのような波高値が前記正電圧+V程度の正弦波脈流出力を取り出せると共に、この脈流出力から直流阻止コンデンサC0を経て直流成分をカットすることで、昇圧トランスTにおける1端接地の1次コイルt1 のホット側Fに、図3のFのような実効値が100V程度の正弦波交流を供給できるから、トランス2次コイルt2 のホット側Gには、図4のGのような7〜10キロボルト程度の高圧正弦波交流が発生する。
具体的には、前記負荷コイルL0に5mH程度の高周波コイルを用い、チョークコイルL1に200μH程度の高周波コイルを用いると共に、前記コンデンサC1には、0.1μF程度のセラミックコンデンサを用い、前記幅変調済増幅パルス出力の復調済正弦波脈流出力を耐電圧が前記正電圧+Vよりも若干大きく、静電容量が500μF程度の直流阻止コンデンサC0を経て、インダクタンスが27mH程度で直流抵抗値が26Ω程度の昇圧トランス1次コイルt1に正弦波交流として供給できる。
因みに、前記5mH程度の負荷コイルL0の100kHzに対するインピーダンスは、約3.14kΩ・同じく70Hzに対するインピーダンスは、2.2Ωであり、また200μH程度のチョークコイルL1の100kHzに対するインピーダンスは、約126Ω・同じく70Hzに対するインピーダンスは、0.088Ωであり、さらに前記0.1μF程度のコンデンサC1の100kHzに対するインピーダンスは、約16Ω・同じく70Hzに対するインピーダンスは、約23kΩであり、さらに500μF程度の直流阻止コンデンサC0の70Hzに対するインピーダンスは、約4.5Ωである。
本発明によれば、スイッチング素子Qから負荷コイルL0の入力側に加えた前記正電圧
+V程度の正パルス出力の消滅毎に上記入力側に生じる接地電位よりも著しく低いピーク
値の逆向き負パルスは、アノード接地の前記第1ダイオードD1の順方向導通作用で除去
できるし、スイッチング素子QからチョークコイルL1の入力側に第2ダイオードD2を
経て加えた正パルス出力の消滅毎に上記入力側に生じる逆向き負パルスは、上記第1ダイ
オードD1と第2ダイオードD2との直列順方向導通作用で除去できたので、スイッチン
グ素子Qには、最大耐電圧が前記正電圧+V程度の素子を使用できると共に、上記逆向き
負パルス等のコイル自己誘導電流による「バス・ポンピング」現象も著減し、電源電圧変
動が小さくなった。
また、復調出力端Eに生じた波高値が前記正電圧+V程度で、図3のEのような復調済正弦波脈流出力は、前記パルス出力端Dにおける正パルス出力の有無に拘わらず、例えば70Hzで2.2Ω程度の低インピーダンスの負荷コイルL0への逆流を第2ダイオードD2の逆流防止作用により阻止でき、過大電流による不具合を厳重に防止できる。
本発明では、前記スイッチング素子Qから第2ダイオードD2を経てチョークコイルL1の入力側に加えた前記パルス出力の一部をチョークコイルL1に蓄積しつつ、その出力端への供給を抑え、上記素子Qのスイッチングオフ毎に各コイルL0・L1の入力側における接地電位よりも著しく低いピーク値の前記逆向き負パルスは、ダイオードD1・D2の順方向導通作用で、ダイオードの順方向電圧降下(ダイオード1個当たり約0.7V)のレベルまで低減できた。
さらに、上記チョークコイルL1とコンデンサC1は、幅変調済増幅パルス出力の方形波の変化分、つまり高域の交流成分を小さくするローパスフィルターとして動作するから、周波数が60Hz〜200Hz程度で滑らかに変化する復調済正弦波脈流から直流阻止コンデンサC0により、直流成分をカットして得た正弦波交流を復調効率約95%以上の高い効率でブリッジ回路を用いずに昇圧トランスTの1次コイルt1に供給できる。
この昇圧トランスTにおける2次コイルt2 の1端は、アース取りハイメグ抵抗R0・(5MΩ程度)を経て、前記直流電源DCにおける現用一般の接地点に接続すると共に、上記2次コイルt2 の両端には、5〜10MΩ・10W程度の大型ハイメグ抵抗によるブリーダ抵抗R1と高圧用ダイオードD3との並列回路と、この並列回路に対して直列の大型ハイメグ抵抗によるブリーダ抵抗R2と高圧用ダイオードD4用いた正電圧ブリーダ回路5を接続すると共に、その相互接続部Hに図3のHのように生じた正電圧と負電圧との波高値比率が1対3の生体印加交流を大地と生体に対して厳重に絶縁して配置した導電マットmに電流制限ハイメグ抵抗R3を経て供給する。
本発明による上記生体印加交流は、周波数が60Hz〜200Hz程度で滑らかに変化する高電圧の正弦波交流を前記ブリーダ抵抗R1とR2との抵抗値比率を2対1に設定することで、波高値比率が1対3の生体印加交流となしたので、健康な人体内におけるイオンの理想的な存在比率に等しい割合の正電圧と負電圧との波高値比率が1対3の生体印加交流を生体に対し絶縁状態で接近させた前記導電マットmに電流制限ハイメグ抵抗R3を経て供給印加でき、入力電源周波数に関係なく、何処でも常に、上記周波数で滑らかに変化する生体印加交流で、常時治療効果の有効性と速効性とを大幅に促進でき、しかも生体拒否反応の発生を確実に防止できた。
また、本発明によれば、単一のパルス幅変調回路2から得た幅変調済高周波パルスで、単一のスイッチング素子Qをドライブすることで、そのパルス出力端Dから波高値が前記270Vの正電圧+V程度の幅変調済増幅パルス出力を95%以上の高効率で取り出せると共に、このパルス出力を復調した正弦波脈流出力から直流阻止コンデンサC0により、直流成分をカット除去した正弦波交流つまり、最大値が135V(実効値が95〜100V)程度で、周波数が60Hz〜200Hz程度の正弦波交流により、入力電源周波数に関係なく、既存の商用電源用昇圧トランスTをブリッジ回路無しでドライブできる。
本発明による交流電位治療器は、前記導電マットmを用いる代わりに、生体患部に対して通電導子により接触加電する交流電位治療器としても、当然に利用できる。
1…正弦低周波発生回路 Ca・C0…直流阻止コンデンサ
2…パルス幅変調回路 C1…復調用コンデンサ
3…高周波パルス発生回路 Q…スイッチング素子
4…復調回路 D1〜D4…ダイオード
5…正電圧ブリーダ回路 R0・R1〜R3…ハイメグ抵抗
PT…パルストランス T…昇圧トランス
R・Ra・Rb…抵抗 t1 …昇圧トランスの1次コイル
L0…負荷コイル t2 …昇圧トランスの2次コイル
L1…チョークコイル m…絶縁被覆の導電マット

Claims (2)

  1. 交流高電圧を生体に印加して治療を実行する電位治療器において、周波数が60Hz〜
    200Hz程度の正弦波電圧でパルス幅変調した幅変調済高周波パルスにより、前記電圧
    よりも充分大きい電圧の直流電源に接続したスイッチング素子をスイッチング制御するこ
    とで、そのパルス出力端から前記直流電源電圧程度の幅変調済増幅パルス出力を得る一方
    、前記パルス出力端に1端接地の負荷コイルとアノード接地の第1ダイオードのカソード
    を接続すると共に、前記出力端にアノードを接続した第2ダイオードのカソードにチョー
    クコイルを接続し、このコイルの出力端に1端接地のコンデンサの他端を接続した復調出
    力端から得た正弦波出力を昇圧トランスの1次コイルに正弦波交流として供給することで
    、トランス2次コイルに発生した高圧正弦波交流を正電圧ブリーダ回路により、正電圧と
    負電圧との波高値比率が1対3の生体印加交流となした交流電位治療器。
  2. 交流高電圧を生体に印加して治療を実行する電位治療器において、周波数が60Hz〜
    200Hz程度の正弦波脈流電圧で、パルス幅変調した幅変調済高周波パルスにより、前
    記脈流電圧よりも充分大きい電圧の直流電源に接続したスイッチング素子をスイッチング
    制御することで、そのパルス出力端から前記直流電源電圧程度の幅変調済増幅パルス出力
    を得る一方、このパルス出力の復調回路として、前記出力端に1端接地の負荷コイルと
    ノード接地の第1ダイオードのカソードを接続すると共に、前記出力端にアノードを接続
    した第2ダイオードのカソードにチョークコイルを接続して、このコイルの出力端に1端
    接地のコンデンサの他端を接続した復調回路を構成し、この復調回路により前記パルス出
    力を復調することで、その復調出力端から正弦波脈流出力を取り出すと共に、この脈流出
    力を直列の直流阻止コンデンサを経て昇圧トランスの1次コイルに正弦波交流として供給
    することで、トランス2次コイルに発生した高圧正弦波交流を正電圧ブリーダ回路により
    、正電圧と負電圧との波高値比率が1対3の生体印加交流となした交流電位治療器。
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