JP5716950B2 - 過熱水蒸気含有ガスの製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Description
しかし、過熱水蒸気の高温での利用分野は広がっており、500℃以上の過熱水蒸気の製造方法が待望されている状況である。
本発明では発想を変え、主として水素と酸素からなる燃焼法を使用して、燃焼ガスそのものが過熱水蒸気として使用出来る方法を開発した。通常の燃焼では空気を使うため、窒素が多くなるので、酸素又は酸素リッチのガスを使い、燃焼物も炭素少なく、水素リッチな燃料を使用する。
[1](1)炉内に、バーナにより燃料と酸素含有ガスを導入・燃焼して、炉内温度を高温にする第1工程と、(2)次いで前記高温炉内に水又は水蒸気あるいは使用済み過熱水蒸気を分散・供給して導入する第2工程と、(3)前記第2工程で得られた大量の過熱水蒸気含有ガスを炉外に導出する第3工程と、(4)炉に隣接して設けられた過熱水蒸気含有ガスの温度又は水蒸気含有量の調整装置内に前記第3工程で炉外に導出された大量の過熱水蒸気含有ガスを導入する第4工程と、(5)前記第4工程で調整装置内に導入された大量の過熱水蒸気含有ガスに、水又は水蒸気を分散・供給して、水蒸気含有ガスの温度又は水蒸気含有量を調整する第5工程とからなることを特徴とする過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
[2] 第1工程が、(1)炉内に、バーナにより液体燃料と酸素含有ガスを導入・燃焼して、炉内温度を700℃以上の高温にする第1工程であり、第2工程が、(2)次いで前記高温炉内に水又は水蒸気を分散・供給して導入する第2工程であることを特徴とする前記[1]記載の過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
[3] 第1工程が、(1)炉内に、バーナにより液体燃料と酸素含有ガスを導入・燃焼して、炉内温度を700℃以上の高温にする第1工程であり、第2工程が、(2)次いで前記高温炉内にアルコール含有水を噴射・導入する第2工程であることを特徴とする前記[1]記載の過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
[4] 第2工程において、水又は水蒸気あるいはアルコール含有水の導入量を加減することによって、第3工程で炉外へ導出される過熱水蒸気含有ガスの温度を調整することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
[5] 第2工程において、水又は水蒸気あるいはアルコール含有水の導入量を加減することによって、第3工程で炉外へ導出される過熱水蒸気含有ガス中の過熱水蒸気含有量を調整することを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
[7] 前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の過熱水蒸気含有ガスを製造する装置であって、炉と、炉内に先端部が挿着された燃料と酸素含有ガスを供給するためのバーナと、炉内に水又は水蒸気を分散・供給するための水分散・供給装置と、過熱水蒸気含有ガス取り出し装置と、炉に隣接して設けられ、前記過熱水蒸気含有ガス取り出し装置に連接された過熱水蒸気含有ガスの温度又は水蒸気含有量の調整装置とからなることを特徴とする過熱水蒸気含有ガスの製造装置。
本発明では燃焼ガスそのものを過熱水蒸気として取出し、用途により適温に下げる方法とした。この方法によれば、設備費も安く、製造コストも従来の方法に比べて大幅にコストダウンする。
さらに従来難とされた高温過熱水蒸気も安価に供給出来る様になり、ダイオキシンを含む有害物の分解、殺菌処理、食品残滓処理、廃棄物の安全処理、悪臭ガスの分解等様々な用途が開けてくる。
(1)水電解ガス(例えばブラウンガス、オーマサガス等)の燃焼、
(2)酸水素ガス燃焼(水素を酸素で燃焼させる)があるが、これらは燃焼ガス自体が過熱水蒸気であるので、そのまま使えば良い。
燃焼温度は3,000℃とも云われているので、燃焼温度を下げる方法が必要となる。
下げる方法としては水蒸気を水電解ガスに混ぜて燃焼するか、アルコールを通してアルコール蒸気で燃焼を緩和させる。
(3)プロパン酸素バーナーで炉体を加熱し、800℃に達した後アルコール水溶液(例えばメタノール水溶液)を噴霧すると温度は200℃上がり、1,000℃の加熱水蒸気が得られる。この過熱水蒸気に水を適当量噴霧すると水の蒸発熱539kcal/kgと適温の水蒸気に温度を上げる熱量に使われ、その熱量分加熱水蒸気温度が下げられる。
この様にして適温に下げられた過熱水蒸気に噴霧した水が過熱水蒸気として加えられて、使用される。
普通プロパン酸素バーナーでは酸素リッチで燃焼させるが、噴霧するアルコール水溶液には特に酸素は供給せず、プロパンの酸化に使われて残った酸素がアルコールの酸化に使用される。この時、残存酸素量がアルコールの酸化に不足の場合アルコールは熱分解し、例えばCH3OH→CO+2H2となり、生成したCOは更に圧倒的多量の過熱水蒸気の中で水性ガスシフト反応を起こし、
CO+H2O→CO2+H2
となり、還元性の過熱水蒸気となる。そして65〜75%過熱水蒸気が得られる。
(4)酸素・灯油(重油)バーナー+アルコール水溶液
前記(3)の酸素プロパンバーナー+アルコールと同様に1,000℃の過熱水蒸気が得られる。それから、温度を下げて適温の過熱水蒸気を得る。そして、60%〜70%過熱水蒸気が得られる。
(5)酸素富化・灯油(重油)バーナー+アルコール水溶液
ほぼ前記(3)(4)と同様であるが酸素中に含まれる窒素量によって過熱水蒸気濃度が決定される。
図中、1は第1バーナ、2は第2バーナ、3は噴射ノズル、4は燃焼室、5は過熱水蒸気調整室、6は連通路、7は発熱板、8は温度調整体、9は過熱水蒸気導出口、T1〜T10は温度計である。
図1は第1実施例の装置を示している。
まず、第1バーナ(燃料バーナ)1としてプロパン酸素バーナを用いてプロパンガスと酸素含有ガス(例えば空気)を燃焼室4内に導入して燃焼させ、700℃以上の高温に加熱する。
次いで、第2バーナ2からアルコール水(例えばメタノール30%水溶液)を高温の燃焼室4内に噴射して燃焼する。この段階で、アルコール水はアルコールの燃焼と水分の微爆発による燃焼によって、より高温に加熱される。
その後、より高温に加熱されたガスは連通路6を経て過熱水蒸気調整室5に導入される。
過熱水蒸気調整室5においては、噴射ノズル3(3a、3b)から水又は水蒸気が噴射供給され、連通路6から流入した高温ガスに混入される。
その段階で、水又は水蒸気等は直ちに気化して高温の過熱水蒸気となる。
最後に、得られた過熱水蒸気は過熱水蒸気出口9から外部へ導出される。
なお、燃焼室4内には、例えばセラミックハニカム製の発熱板7が配置されており、
燃焼室4内高温が温度変動なくして安定に保持される。
燃焼室4、連通路6又は出口9等には温度計T1〜T3が装設されていて、各所の温度が計測され、その温度計測値に応じて、燃料、アルコール水あるいは水蒸気、水等の供給量を調整して、出口9から導出される過熱水蒸気の温度や水蒸気量を任意に制御することができる。
図2は第2実施例の装置を示している。
まず、第1バーナ1から燃料、例えば水電解ガス、水素・酸素混合ガス又は液体燃料+酸素ガスを燃焼室4内に噴射して燃焼させ、700℃以上の高温に加熱する。
次いで、第2バーナ2からアルコール水(例えばメタノール30%水溶液)、有機物水溶液、水、水蒸気等を高温の燃焼室4内に噴射して燃焼する。この段階で、アルコール水はアルコールの燃焼と水分の微爆発による燃焼によって、より高温に加熱される。
その後、より高温に加熱されたガスは連通路6を経て過熱水蒸気調整室5に導入される。
過熱水蒸気調整室5内には噴射ノズル3から水蒸気、水等が噴射供給され、それらが直ちに気化して、過熱水蒸気となる。なお、同調製室5内には例えばセラミックハニカムや耐熱金属網体等の熱調整体8配設されていて、過熱水蒸気の温度が安定化される。
最後に、得られた過熱水蒸気は過熱水蒸気出口9から外部へ導出される。
図3は第3実施例の装置を示している。
まず、第1バーナ1から燃料、例えば水電解ガス、水素・酸素混合ガス又は液体燃料+酸素ガスを燃焼室4内に噴射して燃焼させ、700℃以上の高温に加熱する。
次いで、第2バーナ2からアルコール水(例えばメタノール30%水溶液)、有機物水溶液、水、水蒸気等を高温の燃焼室4内に噴射して燃焼する。
燃焼室4内には多数の透孔が穿設された耐熱金属製の発熱板7が斜設されていて、第1、第2バーナから供給された燃料の燃焼熱で高温に加熱され、蓄熱されて高温発熱体となる。
この高温発熱体に第1、第2バーナ2から供給された燃料が衝突すると、高温発熱体が触媒作用を発揮して、燃料が完全燃焼されてより高温となる。
その後、より高温に加熱されたガスは連通路6を経て過熱水蒸気調整室5に導入される。
過熱水蒸気調整室5内には噴射ノズル3から水蒸気、水等が噴射供給され、それらが直ちに気化して、過熱水蒸気となる。なお、同調製室5内には邪魔板が配置され、蛇行流路が形成されている。
過熱水蒸気は蛇行流路を流れて均一化され温度が安定化され、最後に、得られた過熱水蒸気は過熱水蒸気出口9から外部へ導出される。
2:第2バーナ、
3:噴射ノズル、
4:燃焼室、
5:過熱水蒸気調整室、
6:連通路、
7:発熱板、
8:温度調整体、
9:過熱水蒸気導出口、
40:耐火材
201:切替弁
T1〜T10:温度計、
Claims (7)
- (1)炉内に、バーナにより燃料と酸素含有ガスを導入・燃焼して、炉内温度を高温にする第1工程と、(2)次いで前記高温炉内に水又は水蒸気あるいは使用済み過熱水蒸気を分散・供給して導入する第2工程と、(3)前記第2工程で得られた大量の過熱水蒸気含有ガスを炉外に導出する第3工程と、(4)炉に隣接して設けられた過熱水蒸気含有ガスの温度又は水蒸気含有量の調整装置内に前記第3工程で炉外に導出された大量の過熱水蒸気含有ガスを導入する第4工程と、(5)前記第4工程で調整装置内に導入された大量の過熱水蒸気含有ガスに、水又は水蒸気を分散・供給して、水蒸気含有ガスの温度又は水蒸気含有量を調整する第5工程とからなることを特徴とする過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
- 第1工程が、(1)炉内に、バーナにより液体燃料と酸素含有ガスを導入・燃焼して、炉内温度を700℃以上の高温にする第1工程であり、第2工程が、(2)次いで前記高温炉内に水又は水蒸気を分散・供給して導入する第2工程であることを特徴とする請求項1記載の過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
- 第1工程が、(1)炉内に、バーナにより液体燃料と酸素含有ガスを導入・燃焼して、炉内温度を700℃以上の高温にする第1工程であり、第2工程が、(2)次いで前記高温炉内にアルコール含有水を噴射・導入する第2工程であることを特徴とする請求項1記載の過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
- 第2工程において、水又は水蒸気あるいはアルコール含有水の導入量を加減することによって、第3工程で炉外へ導出される過熱水蒸気含有ガスの温度を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
- 第2工程において、水又は水蒸気あるいはアルコール含有水の導入量を加減することによって、第3工程で炉外へ導出される過熱水蒸気含有ガス中の過熱水蒸気含有量を調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
- バーナに供給される燃料が、灯油、軽油等の石油類、アルコール等の有機溶媒、都市ガス、LPG、天然ガス、水素ガス又は水電解ガスから選択されるいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の過熱水蒸気含有ガスの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の過熱水蒸気含有ガスを製造する装置であって、炉と、炉内に先端部が挿着された燃料と酸素含有ガスを供給するためのバーナと、炉内に水又は水蒸気を分散・供給するための水分散・供給装置と、過熱水蒸気含有ガス取り出し装置と、炉に隣接して設けられ、前記過熱水蒸気含有ガス取り出し装置に連接された過熱水蒸気含有ガスの温度又は水蒸気含有量の調整装置とからなることを特徴とする過熱水蒸気含有ガスの製造装置。
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