JP2004011980A - 過熱蒸気の発生装置及びその発生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造を備えた安価な装置で、安全に高温の過熱蒸気を発生させる過熱蒸気の発生装置及び発生方法を提供する。
【解決手段】飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気の通路13と、通路13内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナー14とを有し、通路13を通過する原料蒸気を、バーナー14によって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気とするので、簡単な構造を備えた安価な装置で、原料蒸気から必要な温度を備えた高温の過熱蒸気を、安全にしかも容易に製造できる。
【選択図】 図1
【解決手段】飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気の通路13と、通路13内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナー14とを有し、通路13を通過する原料蒸気を、バーナー14によって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気とするので、簡単な構造を備えた安価な装置で、原料蒸気から必要な温度を備えた高温の過熱蒸気を、安全にしかも容易に製造できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば木材、金属、プラスチック、セラミックス等の乾燥ラインや食品の殺菌装置、ベーキング炉等の水蒸気を用いた加熱設備で使用する過熱蒸気の発生装置及び発生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木材、金属、プラスチック、セラミックス等の乾燥ラインや食品の殺菌装置、ベーキング炉等の水蒸気を用いた加熱設備に使用する過熱蒸気の発生装置は、例えば特開平9−140578号公報に開示されている。この過熱蒸気の発生装置は、蒸気発生装置でバーナーによって水を加熱して飽和蒸気を発生させ、その飽和蒸気を、蒸気発生に使用した後の燃焼ガスを排出する煙道に設けた過熱器に導入し、燃焼ガスの熱によって飽和蒸気を加熱して過熱蒸気(過熱水蒸気とも言う)を発生させている。
また、ボイラーを用いて過熱蒸気を発生させる場合、まず温度100℃以上、圧力1kg/cm2以上の蒸気を発生させた後、それを過熱器等を用いて昇温させ発生させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した過熱蒸気の発生装置には以下の問題がある。
バーナーを用いて過熱蒸気を発生させる場合、バーナーによって発生した燃焼ガスは、蒸気発生装置によって熱が奪われた後に過熱器を加熱するので、過熱器を加熱する燃焼ガスの温度が蒸気発生装置を加熱するときより低くなっている。このため、過熱器で発生する過熱蒸気の温度が140〜150℃程度となっている。ここで、バーナーや過熱器の能力を大きくして過熱器で発生する過熱蒸気の温度を高くなるようにしても、500℃程度に止まり、過熱蒸気の発生装置の設備費が高くなると共に、500〜1000℃の間の高温の過熱蒸気、更には1000℃を超える超高温の過熱蒸気が得られず、加熱設備の能力を十分発揮できなかった。
そして、ボイラーを用いて過熱蒸気を発生させる場合、ボイラー内部の圧力が高く、またボイラー自体の温度が高くなり危険となるので、ボイラー法等の規制を受けていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造を備えた安価な装置で、安全に高温の過熱蒸気を発生させる過熱蒸気の発生装置及び発生方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る過熱蒸気の発生装置は、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気の通路と、通路内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナーとを有し、通路を通過する原料蒸気を、バーナーによって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気とする。
前記目的に沿う第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置は、反応炉と、反応炉内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナーとを有し、反応炉内に供給された飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気を、バーナーによって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気を発生する。
第1、第2の発明は、水素ガスと酸素ガスの混合ガスを燃焼させ燃焼炎を生成させるので、混合ガスは燃焼後に全て水蒸気となり、この水蒸気を過熱蒸気の原料として利用できる。また、装置内部の空気は、加熱処理されることなくそのままの状態で外部へ排出される。そして、バーナーで水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させて高温の燃焼炎を生成させ、この燃焼炎に原料蒸気を直接接触させるので、燃焼炎の熱を原料蒸気に与えることができる。
【0005】
ここで、第1、第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置において、バーナーは2流体ノズルからなって、水素ガスと酸素ガスが独立に噴出することが好ましい。このように、バーナーは2流体ノズルで構成され、水素ガスと酸素ガスを独立に噴出させることができるので、例えば混合ガスの燃焼停止時において、バーナーの上流側への燃焼炎の移動や逆火、更には水素ガスの爆発を防止できる。
第1、第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置において、バーナーにはプリミックス機構が設けられ、水素ガスと酸素ガスを混合した後に噴出することが好ましい。このように、バーナーにはプリミックス機構が設けられているので、水素ガスと酸素ガスとの混合領域をバーナーの噴出口前方に設ける必要性がなくなり、過熱蒸気の発生装置の小型化を図ることができる。また、水素ガスと酸素ガスを予め混合して噴出するので、混合ガスの燃焼効率を高めることができる。
【0006】
第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置において、バーナーには原料蒸気の噴出口が設けられていることが好ましい。これにより、バーナーによって燃焼炎の生成及び蒸気の噴出を一度に行うことができるので、効率良く原料蒸気を燃焼炎に接触させることができる。
第1、第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置において、バーナーに供給する水素ガス及び酸素ガスには、水の電気分解によって発生する水素ガス及び酸素ガスを用いることが好ましい。これにより、電気分解によって発生する水素ガス及び酸素ガスを使用して、混合ガスを容易に得ることができる。また、水を電気分解するので、発生した水素ガスと酸素ガスとの比率は2対1となり、混合ガスの燃焼時に、水素ガスと酸素ガスとの混合比率を調整することなく利用できる。
【0007】
前記目的に沿う第3の発明に係る過熱蒸気の発生方法は、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気の通路に、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナーを配置し、通路を通過する原料蒸気を、バーナーによって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気とする。前記目的に沿う第4の発明に係る過熱蒸気の発生方法は、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気を、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスの燃焼炎に直接接触させて加熱し、蒸気を主体とする高温の過熱蒸気を発生させる。
第3、第4の発明は、水素ガスと酸素ガスの混合ガスを燃焼させ燃焼炎を発生させるので、混合ガスは燃焼後に全て水蒸気となり、この水蒸気を過熱蒸気の原料として利用できる。また、水素ガスと酸素ガスの混合ガスを燃焼させるので、混合ガスの燃焼時に水及び水蒸気以外の副産物の発生を防止できる。そして、この燃焼炎に原料蒸気を直接接触させるので、燃焼炎の熱を原料蒸気に与えることができる。
第3、第4の発明に係る過熱蒸気の発生方法において、混合ガスは水素ガスと酸素ガスの比率が2対1であることが好ましい。これにより、混合ガスが燃焼した後、水や水蒸気以外の副産物の発生を防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図、図2は同過熱蒸気の発生装置に使用したバーナーの正面図、図3は本発明の第2の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図、図4は本発明の第3の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図である。
【0009】
図1、図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置10は、蒸気供給口11と蒸気排出口12とを有する通路13と、通路13内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナー14とを有している。以下、詳しく説明する。
【0010】
通路13は、例えば、耐熱鋼(低合金耐熱鋼、ステンレス系耐熱鋼、マルテンサイト系耐熱鋼、フェライト系耐熱鋼、オーステナイト系耐熱鋼、耐熱鋳鋼等)や耐熱合金(Fe基超耐熱合金、Ni基超耐熱合金、Co基超耐熱合金等)等の材質からなる耐熱性の管で構成されており、この管の上流側には飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気を供給する蒸気供給口11が、下流側には蒸気排出口12がそれぞれ設けられている。なお、原料蒸気として使用する飽和蒸気は、大気圧又は圧力を変えることで、100〜200℃、好ましくは100〜120℃の任意の温度に設定されている。また、原料蒸気として使用する過熱蒸気は、大気圧又は圧力を変えることで、200〜800℃、好ましくは200〜500℃の任意の温度に設定されている。
ここで、原料蒸気の圧力を大気圧より高く設定する場合は、その圧力に応じて、管を耐圧性の材質とすることが好ましい。
【0011】
通路13の中央側部には、通路13を通過する原料蒸気の流れ方向に対して垂直方向に突出した固定部15が設けられ、この固定部15には、先部にバーナー14が設けられたガス供給部16が固定されている。このガス供給部16は、上流側から下流側へかけて、内部を中央部と周辺部とに区分する管状の仕切り部17を備え、バーナー14に対して実質的に直角に接続されており、しかも固定部15から外側へ突出した状態で固定部15に固定されている。また、バーナー14は、通路13を流れる原料蒸気の流れ方向と同一方向に、かつバーナー14が通路13の軸心に沿って配置されている。
【0012】
バーナー14は、上流側から下流側へかけて内部を中央部と周辺部とに区分する管状の仕切り部18を備えた2流体ノズルからなっており、周辺部から水素ガスを、中心部から酸素ガスをそれぞれ独立に噴出できる構成となっている。なお、バーナー14の仕切り部18は、ガス供給部16の仕切り部17と連続した状態で設けられている。
ここで、バーナーを仕切り部のある2流体ノズルで構成せず、バーナーにプリミックス(予備混合)機構を設けてもよい。このプリミックス機構によって、水素ガスと酸素ガスを混合した後に、混合ガスをバーナーから噴出することができる。
また、バーナーには別の原料蒸気の噴出口を設けることも可能である。この場合、バーナーを前記した2流体ノズルで構成し、バーナーの中央部から原料蒸気を、周辺部から水素ガスと酸素ガスの混合ガスをそれぞれ供給する。
【0013】
バーナー14の前方の通路13内壁には、例えば、電気、高周波等の着火源を有する補助バーナー19が設けられ、バーナー14に供給された混合ガスの燃焼のための着火を行っている。また、バーナー14が設けられたガス供給部16の基部には、バーナー14の中央部に酸素ガスを、周辺部に水素ガスをそれぞれ供給できる各供給管20、21が設けられている。なお、各供給管20、21の下流側端部にはバルブ22、23がそれぞれ設けられ、バーナー14への水素ガス及び酸素ガスの供給及び停止をそれぞれ独立に行うことが可能な構成となっている。
【0014】
この各供給管20、21の上流側端部には、従来公知の水の電気分解手段24が設けられている。この電気分解手段24は、2個の白金電極が設置された電解槽(図示しない)を備えており、この電解槽内に電解質である例えば、硫酸(H2SO4)、硝酸(HNO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)等が微量添加された水(希薄な水溶液)、又は添加物の無い蒸留水を、バルブ25が設けられた配管26を介して供給し、電源27を入れて電気分解手段24を作動させることで水の電気分解を行うものである。
これにより、陰極から水素ガスが発生し、陽極から酸素ガスが発生する。従って、酸素ガスと水素ガスとを同時に製造できると共に、高純度の酸素ガス及び水素ガスを得ることができる。ここで発生した酸素ガス及び水素ガスは、それぞれ回収して高圧容器等に貯留し、各バルブ22、23の開閉により各供給管20、21を介してバーナー14へそれぞれ供給される。
【0015】
ここで、水素ガスと酸素ガスは、水の電気分解手段24を用いることなく、従来公知の方法で個別に製造することもできる。
水素ガスは、例えば、水又は酸と金属との反応、炭化水素又は他の有機物と蒸気との反応、炭化水素の熱分解、水と水素化カルシウム(CaH2)との反応等によって得られる。また、酸素ガスは、例えば、空気の液化と分留、塩素酸カリウムを少量の二酸化マンガン又は他の触媒と共に加熱、酸化第二水銀を加熱、高圧容器中の圧縮酸素等から得られる。
【0016】
これにより、各供給管20、21を介してバーナー14に供給された酸素ガスと水素ガスをバーナー14の先端部からそれぞれ噴出させ、噴出して混合される混合ガスを補助バーナー19によって着火し、発生する燃焼炎に通路13を通過する原料蒸気を直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気を発生させる。なお、高温の過熱蒸気は、蒸気供給口11から供給される原料蒸気の温度より高く、例えば200℃以上の温度を備えるものであり、好ましくは500〜1000℃の高温、更には1000℃を超える超高温の過熱蒸気である。なお、温度の上限は、燃焼炎を構成する酸水素炎の温度が約2800℃程度であることから、この温度までは上昇させることができると考えられる。
前記した過熱蒸気の発生装置10を、例えば、木材、金属、プラスチック、セラミックス等の乾燥ラインや食品の殺菌装置、ベーキング炉等の水蒸気を用いた加熱設備に設置し使用する。
【0017】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置10を使用した過熱蒸気の発生方法について説明する。
まず、蒸気供給口11から通路13へ原料蒸気を供給し、通路13を原料蒸気で充満させると共に、水の電気分解手段24で製造した酸素ガス及び水素ガスを、各供給管20、21の各バルブ22、23をそれぞれ開状態とすることで、バーナー14へ供給する。ここで、各バルブ22、23の開閉を制御部により調整することで、混合ガス中の水素ガスと酸素ガスの比率が、水の生成に理論的に必要な量である2対1となるように、また水素ガスの燃焼効率を考慮して、水素ガスが前記比率より僅かに多くなるように制御する。
【0018】
バーナー14の先端部から噴出した水素ガスと酸素ガスとが混合されて混合ガスとなり、補助バーナー19によって混合ガスの着火を行って燃焼炎を生成させる。ここで、燃焼炎に対して原料蒸気を直接接触させて加熱することで、蒸気を主体とする高温の過熱蒸気を発生させ、蒸気排出口12から対象物(例えば、乾燥を目的とする木材、金属、プラスチック、セラミックスや、殺菌を行う食品等)に対して高温の過熱蒸気を噴出する。
この高温の過熱蒸気の温度は、通路13への原料蒸気の供給速度や、バーナー14への酸素ガス及び水素ガスの供給量をそれぞれ調節し、燃焼炎と原料蒸気との接触時間を変えることで任意に設定できる。
なお、高温の過熱蒸気の発生を停止する場合には、まず、水素ガスの供給管21のバルブ23を閉状態とし、バーナー14の先端部に生成した燃焼炎を消火すると共に、通路13への原料蒸気の供給を停止する。次に、酸素ガスの供給管20のバルブ22を閉状態として、バーナー14への酸素ガスの供給を停止する。
【0019】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置30について、図3を参照しながら説明する。なお、原料蒸気である飽和蒸気及び過熱蒸気、混合ガス中の水素ガス及び酸素ガスは、本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置10に使用したものと同一のものを使用するため、詳しい説明を省略する。
反応炉31は、前記した通路13と同じ材質の耐熱性の管で構成されており、上流側に蒸気供給口32が、下流側に蒸気排出口33がそれぞれ設けられている。蒸気供給口32は、反応炉31の基部側の側壁に設けられており、この蒸気供給口32に原料蒸気を供給する配管34が一体的に設けられている。また、蒸気排出口33は、反応炉31の先部に設けられており、反応炉31の先端部へかけて徐々に縮径した形状となっている。なお、この蒸気排出口33の下流側には、フランジ35を介して配管36が設けられている。
【0020】
反応炉31の基部にはガス供給部37が固定され、このガス供給部37の先端部に、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナー38が設けられている。バーナー38は、前記したバーナー14と略同様の構成で、上流側から下流側へかけて、中央部と周辺部とを区分する管状の仕切り部39を備えた2流体ノズルからなっており、周辺部から水素ガスを、中央部から酸素ガスをそれぞれ独立に噴出できる構成となっている(図2参照)。なお、ガス供給部37も、上流側から下流側へかけて、中央部と周辺部とを区分する管状の仕切り部40を備えており、この仕切り部40がバーナー38の仕切り部39と連続して設けられている。
ここで、バーナーを2流体ノズルで構成することなく、バーナーの内部に仕切り部が存在しないプリミックス機構を設け、バーナーで水素ガスと酸素ガスを混合した後に混合ガスを噴出することも可能である。
【0021】
バーナー38の前方の反応炉31内壁には、例えば、電気、高周波等の着火源を有する補助バーナー41が設けられ、バーナー38から噴出される水素ガスと酸素ガスからなっている混合ガスの燃焼のための着火を行っている。また、ガス供給部37の基部には、バーナー38の中央部に酸素ガスを、周辺部に水素ガスをそれぞれ供給できる各供給管42、43が、接続部44を介して設けられている。なお、各供給管42、43の下流側端部にはバルブ45、46がそれぞれ設けられ、バーナー38への酸素ガス及び水素ガスの供給及び停止をそれぞれ独立に行うことが可能な構成となっている。
これにより、各供給管42、43を介してバーナー38に供給された酸素ガスと水素ガスをバーナー38の先端部からそれぞれ噴出させ、噴出して混合される混合ガスを補助バーナー41によって着火する。これによって発生する燃焼炎に、蒸気供給口32から供給された原料蒸気を直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気を発生させ、この過熱蒸気を蒸気排出口33から噴出させて、配管36により供給する。
【0022】
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置50について、図4を参照しながら説明する。なお、原料蒸気である飽和蒸気及び過熱蒸気、混合ガス中の水素ガス及び酸素ガスは、本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置10に使用したものと同一のものを使用するため、詳しい説明を省略する。
反応炉51は、前記した通路13と同じ材質の耐熱性の管で構成されており、下流側には反応炉51の先端部へかけて徐々に縮径した形状となった蒸気排出口52が設けられている。なお、この蒸気排出口52の下流側には、フランジ53を介して配管54が設けられている。
【0023】
反応炉51の基部にはガス供給部55が固定され、このガス供給部55の先端部に、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナー56が設けられている。バーナー56は、上流側から下流側へかけて、中央部と周辺部とを区分する管状の仕切り部57を備えた2流体ノズルからなっており、バーナー56の中央部には原料蒸気が供給される。これにより、バーナー56は、バーナー56の周辺部の噴出口から水素ガス及び酸素ガスの混合ガスを、中央部の噴出口から原料蒸気をそれぞれ独立に噴出できる。なお、ガス供給部55も、上流側から下流側へかけて中央部と周辺部とを区分する管状の仕切り部58を備えており、この仕切り部58がバーナー56の仕切り部57と連続した状態で設けられている。
【0024】
バーナー56の前方の反応炉51内壁には、例えば、電気、高周波等の着火源を有する補助バーナー59が設けられ、バーナー56から噴出する混合ガスの燃焼のための着火を行っている。また、ガス供給部55の基部には、バーナー56の中央部に原料蒸気を、周辺部に酸素ガス及び水素ガスをそれぞれ供給できる各供給管60、42、43が、接続部61を介して設けられている。なお、各供給管60、42、43の下流側端部にはバルブ62、45、46がそれぞれ設けられ、バーナー56への原料蒸気、酸素ガス及び水素ガスの供給及び停止をそれぞれ独立に行うことが可能な構成となっている。
これにより、各供給管42、43を介して接続部61に供給され混合された酸素ガスと水素ガスの混合ガスを、バーナー56の先端部から噴出させて補助バーナー59によって着火する。これによって発生する燃焼炎に、供給管60を介してバーナー56に供給され、バーナー56の中央部の噴出口から噴出させた原料蒸気を直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気を発生させ、この過熱蒸気を蒸気排出口52から噴出させて、配管54により供給する。
【0025】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の過熱蒸気の発生装置及び発生方法を構成する場合にも本発明は適用される。
前記実施の形態においては、バーナーから酸素ガスと水素ガスを噴出させる方向と同じ方向に原料蒸気を供給し、この原料蒸気を燃焼炎に直接接触させた場合について説明した。しかし、バーナーの下流側から原料蒸気を供給し、この原料蒸気を燃焼炎に対向させて直接接触させることも可能である。これにより、燃焼炎に対する原料蒸気の接触効率を高めることができるので、経済的に高温の過熱蒸気を製造できる。
また、前記実施の形態においては、高温の過熱蒸気は、原料蒸気を基にして製造したものであるが、通路又は反応炉内に存在する不可避的不純物、例えば空気中の窒素や二酸化炭素等が混入したものであっても構わない。
そして、前記実施の形態においては、加熱前の原料蒸気が輸送される通路や配管に、加熱器(ヒーター等)を予め設置し、原料蒸気の温度の低下を抑制することが好ましい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1〜6記載の過熱蒸気の発生装置、及び請求項7〜9記載の過熱蒸気の発生方法においては、水素ガスと酸素ガスの混合ガスを燃焼させ燃焼炎を生成させるので、混合ガスは燃焼後に全て水蒸気となり、この水蒸気を過熱蒸気の原料として利用できる。これにより、混合ガスの利用効率を高めることができるので、経済的である。ここで、混合ガスの燃焼後の排ガスは、水又は水蒸気になるので、環境汚染を招く可能性がない。
また、空気がほとんど存在しない状態で、水素ガスと酸素ガスの混合ガスの燃焼を行うことができるので、混合ガスの燃焼時における窒素酸化物(NOx)の発生を防止できる。これにより、排ガスの回収設備を設置することなく大気汚染を防止できるので経済的である。
そして、バーナーで水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させて高温の燃焼炎を生成させ、この燃焼炎に原料蒸気を直接接触させるので、燃焼炎の熱を原料蒸気に与えることができる。従って、簡単な構造を備えた安価な装置で、原料蒸気から必要な温度を備えた高温の過熱蒸気を、安全にしかも容易に製造できる。
【0027】
特に、請求項3記載の過熱蒸気の発生装置においては、バーナーは2流体ノズルで構成され、水素ガスと酸素ガスを独立に噴出させることができるので、例えば混合ガスの燃焼停止時において、バーナーの上流側への燃焼炎の移動や逆火、更には水素ガスの爆発を防止できる。従って、安全に高温の過熱蒸気の製造作業を行うことができるので、作業性が良好である。
請求項4記載の過熱蒸気の発生装置においては、バーナーにはプリミックス機構が設けられているので、水素ガスと酸素ガスとの混合領域をバーナーの噴出口前方に設ける必要性がなくなり、過熱蒸気の発生装置の小型化を図ることができる。これにより、過熱蒸気の発生装置の設置場所の省スペース化を図ることができる。
また、水素ガスと酸素ガスを予め混合して噴出するので、混合ガスの燃焼効率を高めることができる。これにより、経済的であると共に、均一な温度分布を有する燃焼炎を形成できるので、均一な温度を備えた高温の過熱蒸気を製造できる。
【0028】
請求項5記載の過熱蒸気の発生装置においては、バーナーによって燃焼炎の生成及び蒸気の噴出を一度に行うことができるので、効率良く原料蒸気を燃焼炎に接触させることができる。従って、経済的であると共に、過熱蒸気の発生装置の構造を簡易にできるので、装置を小型化できる。
請求項6記載の過熱蒸気の発生装置においては、電気分解によって発生する水素ガス及び酸素ガスを使用して、混合ガスを容易に得ることができる。これにより、例えば、高圧容器に充填された各ガスを使用する必要がなくなるので、高圧容器中のガスが不足した場合に各ガスの補充を行う必要がなくなり、作業性が良好になる。また、水を電気分解するので、発生した水素ガスと酸素ガスとの比率は2対1となり、混合ガスの燃焼時に、水素ガスと酸素ガスとの混合比率を調整することなく利用できる。これにより、例えば混合比率を調整する制御部を設けることなく混合ガスを利用できるので経済的である。
【0029】
請求項7〜9記載の過熱蒸気の発生方法においては、簡単な方法で過熱蒸気を得ることができるので、作業性が良好である。
特に、請求項9記載の過熱蒸気の発生方法においては、混合ガスが燃焼した後、水や水蒸気以外の副産物の発生を防止できるので、例えば、窒素の酸化物等の副産物によって環境汚染を招く可能性がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図である。
【図2】同過熱蒸気の発生装置に使用したバーナーの正面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図である。
【符号の説明】
10:過熱蒸気の発生装置、11:蒸気供給口、12:蒸気排出口、13:通路、14:バーナー、15:固定部、16:ガス供給部、17、18:仕切り部、19:補助バーナー、20、21:供給管、22、23:バルブ、24:電気分解手段、25:バルブ、26:配管、27:電源、30:過熱蒸気の発生装置、31:反応炉、32:蒸気供給口、33:蒸気排出口、34:配管、35:フランジ、36:配管、37:ガス供給部、38:バーナー、39、40:仕切り部、41:補助バーナー、42、43:供給管、44:接続部、45、46:バルブ、50:過熱蒸気の発生装置、51:反応炉、52:蒸気排出口、53:フランジ、54:配管、55:ガス供給部、56:バーナー、57、58:仕切り部、59:補助バーナー、60:供給管、61:接続部、62:バルブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば木材、金属、プラスチック、セラミックス等の乾燥ラインや食品の殺菌装置、ベーキング炉等の水蒸気を用いた加熱設備で使用する過熱蒸気の発生装置及び発生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木材、金属、プラスチック、セラミックス等の乾燥ラインや食品の殺菌装置、ベーキング炉等の水蒸気を用いた加熱設備に使用する過熱蒸気の発生装置は、例えば特開平9−140578号公報に開示されている。この過熱蒸気の発生装置は、蒸気発生装置でバーナーによって水を加熱して飽和蒸気を発生させ、その飽和蒸気を、蒸気発生に使用した後の燃焼ガスを排出する煙道に設けた過熱器に導入し、燃焼ガスの熱によって飽和蒸気を加熱して過熱蒸気(過熱水蒸気とも言う)を発生させている。
また、ボイラーを用いて過熱蒸気を発生させる場合、まず温度100℃以上、圧力1kg/cm2以上の蒸気を発生させた後、それを過熱器等を用いて昇温させ発生させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した過熱蒸気の発生装置には以下の問題がある。
バーナーを用いて過熱蒸気を発生させる場合、バーナーによって発生した燃焼ガスは、蒸気発生装置によって熱が奪われた後に過熱器を加熱するので、過熱器を加熱する燃焼ガスの温度が蒸気発生装置を加熱するときより低くなっている。このため、過熱器で発生する過熱蒸気の温度が140〜150℃程度となっている。ここで、バーナーや過熱器の能力を大きくして過熱器で発生する過熱蒸気の温度を高くなるようにしても、500℃程度に止まり、過熱蒸気の発生装置の設備費が高くなると共に、500〜1000℃の間の高温の過熱蒸気、更には1000℃を超える超高温の過熱蒸気が得られず、加熱設備の能力を十分発揮できなかった。
そして、ボイラーを用いて過熱蒸気を発生させる場合、ボイラー内部の圧力が高く、またボイラー自体の温度が高くなり危険となるので、ボイラー法等の規制を受けていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造を備えた安価な装置で、安全に高温の過熱蒸気を発生させる過熱蒸気の発生装置及び発生方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る過熱蒸気の発生装置は、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気の通路と、通路内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナーとを有し、通路を通過する原料蒸気を、バーナーによって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気とする。
前記目的に沿う第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置は、反応炉と、反応炉内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナーとを有し、反応炉内に供給された飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気を、バーナーによって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気を発生する。
第1、第2の発明は、水素ガスと酸素ガスの混合ガスを燃焼させ燃焼炎を生成させるので、混合ガスは燃焼後に全て水蒸気となり、この水蒸気を過熱蒸気の原料として利用できる。また、装置内部の空気は、加熱処理されることなくそのままの状態で外部へ排出される。そして、バーナーで水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させて高温の燃焼炎を生成させ、この燃焼炎に原料蒸気を直接接触させるので、燃焼炎の熱を原料蒸気に与えることができる。
【0005】
ここで、第1、第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置において、バーナーは2流体ノズルからなって、水素ガスと酸素ガスが独立に噴出することが好ましい。このように、バーナーは2流体ノズルで構成され、水素ガスと酸素ガスを独立に噴出させることができるので、例えば混合ガスの燃焼停止時において、バーナーの上流側への燃焼炎の移動や逆火、更には水素ガスの爆発を防止できる。
第1、第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置において、バーナーにはプリミックス機構が設けられ、水素ガスと酸素ガスを混合した後に噴出することが好ましい。このように、バーナーにはプリミックス機構が設けられているので、水素ガスと酸素ガスとの混合領域をバーナーの噴出口前方に設ける必要性がなくなり、過熱蒸気の発生装置の小型化を図ることができる。また、水素ガスと酸素ガスを予め混合して噴出するので、混合ガスの燃焼効率を高めることができる。
【0006】
第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置において、バーナーには原料蒸気の噴出口が設けられていることが好ましい。これにより、バーナーによって燃焼炎の生成及び蒸気の噴出を一度に行うことができるので、効率良く原料蒸気を燃焼炎に接触させることができる。
第1、第2の発明に係る過熱蒸気の発生装置において、バーナーに供給する水素ガス及び酸素ガスには、水の電気分解によって発生する水素ガス及び酸素ガスを用いることが好ましい。これにより、電気分解によって発生する水素ガス及び酸素ガスを使用して、混合ガスを容易に得ることができる。また、水を電気分解するので、発生した水素ガスと酸素ガスとの比率は2対1となり、混合ガスの燃焼時に、水素ガスと酸素ガスとの混合比率を調整することなく利用できる。
【0007】
前記目的に沿う第3の発明に係る過熱蒸気の発生方法は、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気の通路に、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナーを配置し、通路を通過する原料蒸気を、バーナーによって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気とする。前記目的に沿う第4の発明に係る過熱蒸気の発生方法は、飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気を、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスの燃焼炎に直接接触させて加熱し、蒸気を主体とする高温の過熱蒸気を発生させる。
第3、第4の発明は、水素ガスと酸素ガスの混合ガスを燃焼させ燃焼炎を発生させるので、混合ガスは燃焼後に全て水蒸気となり、この水蒸気を過熱蒸気の原料として利用できる。また、水素ガスと酸素ガスの混合ガスを燃焼させるので、混合ガスの燃焼時に水及び水蒸気以外の副産物の発生を防止できる。そして、この燃焼炎に原料蒸気を直接接触させるので、燃焼炎の熱を原料蒸気に与えることができる。
第3、第4の発明に係る過熱蒸気の発生方法において、混合ガスは水素ガスと酸素ガスの比率が2対1であることが好ましい。これにより、混合ガスが燃焼した後、水や水蒸気以外の副産物の発生を防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図、図2は同過熱蒸気の発生装置に使用したバーナーの正面図、図3は本発明の第2の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図、図4は本発明の第3の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図である。
【0009】
図1、図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置10は、蒸気供給口11と蒸気排出口12とを有する通路13と、通路13内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナー14とを有している。以下、詳しく説明する。
【0010】
通路13は、例えば、耐熱鋼(低合金耐熱鋼、ステンレス系耐熱鋼、マルテンサイト系耐熱鋼、フェライト系耐熱鋼、オーステナイト系耐熱鋼、耐熱鋳鋼等)や耐熱合金(Fe基超耐熱合金、Ni基超耐熱合金、Co基超耐熱合金等)等の材質からなる耐熱性の管で構成されており、この管の上流側には飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気を供給する蒸気供給口11が、下流側には蒸気排出口12がそれぞれ設けられている。なお、原料蒸気として使用する飽和蒸気は、大気圧又は圧力を変えることで、100〜200℃、好ましくは100〜120℃の任意の温度に設定されている。また、原料蒸気として使用する過熱蒸気は、大気圧又は圧力を変えることで、200〜800℃、好ましくは200〜500℃の任意の温度に設定されている。
ここで、原料蒸気の圧力を大気圧より高く設定する場合は、その圧力に応じて、管を耐圧性の材質とすることが好ましい。
【0011】
通路13の中央側部には、通路13を通過する原料蒸気の流れ方向に対して垂直方向に突出した固定部15が設けられ、この固定部15には、先部にバーナー14が設けられたガス供給部16が固定されている。このガス供給部16は、上流側から下流側へかけて、内部を中央部と周辺部とに区分する管状の仕切り部17を備え、バーナー14に対して実質的に直角に接続されており、しかも固定部15から外側へ突出した状態で固定部15に固定されている。また、バーナー14は、通路13を流れる原料蒸気の流れ方向と同一方向に、かつバーナー14が通路13の軸心に沿って配置されている。
【0012】
バーナー14は、上流側から下流側へかけて内部を中央部と周辺部とに区分する管状の仕切り部18を備えた2流体ノズルからなっており、周辺部から水素ガスを、中心部から酸素ガスをそれぞれ独立に噴出できる構成となっている。なお、バーナー14の仕切り部18は、ガス供給部16の仕切り部17と連続した状態で設けられている。
ここで、バーナーを仕切り部のある2流体ノズルで構成せず、バーナーにプリミックス(予備混合)機構を設けてもよい。このプリミックス機構によって、水素ガスと酸素ガスを混合した後に、混合ガスをバーナーから噴出することができる。
また、バーナーには別の原料蒸気の噴出口を設けることも可能である。この場合、バーナーを前記した2流体ノズルで構成し、バーナーの中央部から原料蒸気を、周辺部から水素ガスと酸素ガスの混合ガスをそれぞれ供給する。
【0013】
バーナー14の前方の通路13内壁には、例えば、電気、高周波等の着火源を有する補助バーナー19が設けられ、バーナー14に供給された混合ガスの燃焼のための着火を行っている。また、バーナー14が設けられたガス供給部16の基部には、バーナー14の中央部に酸素ガスを、周辺部に水素ガスをそれぞれ供給できる各供給管20、21が設けられている。なお、各供給管20、21の下流側端部にはバルブ22、23がそれぞれ設けられ、バーナー14への水素ガス及び酸素ガスの供給及び停止をそれぞれ独立に行うことが可能な構成となっている。
【0014】
この各供給管20、21の上流側端部には、従来公知の水の電気分解手段24が設けられている。この電気分解手段24は、2個の白金電極が設置された電解槽(図示しない)を備えており、この電解槽内に電解質である例えば、硫酸(H2SO4)、硝酸(HNO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)等が微量添加された水(希薄な水溶液)、又は添加物の無い蒸留水を、バルブ25が設けられた配管26を介して供給し、電源27を入れて電気分解手段24を作動させることで水の電気分解を行うものである。
これにより、陰極から水素ガスが発生し、陽極から酸素ガスが発生する。従って、酸素ガスと水素ガスとを同時に製造できると共に、高純度の酸素ガス及び水素ガスを得ることができる。ここで発生した酸素ガス及び水素ガスは、それぞれ回収して高圧容器等に貯留し、各バルブ22、23の開閉により各供給管20、21を介してバーナー14へそれぞれ供給される。
【0015】
ここで、水素ガスと酸素ガスは、水の電気分解手段24を用いることなく、従来公知の方法で個別に製造することもできる。
水素ガスは、例えば、水又は酸と金属との反応、炭化水素又は他の有機物と蒸気との反応、炭化水素の熱分解、水と水素化カルシウム(CaH2)との反応等によって得られる。また、酸素ガスは、例えば、空気の液化と分留、塩素酸カリウムを少量の二酸化マンガン又は他の触媒と共に加熱、酸化第二水銀を加熱、高圧容器中の圧縮酸素等から得られる。
【0016】
これにより、各供給管20、21を介してバーナー14に供給された酸素ガスと水素ガスをバーナー14の先端部からそれぞれ噴出させ、噴出して混合される混合ガスを補助バーナー19によって着火し、発生する燃焼炎に通路13を通過する原料蒸気を直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気を発生させる。なお、高温の過熱蒸気は、蒸気供給口11から供給される原料蒸気の温度より高く、例えば200℃以上の温度を備えるものであり、好ましくは500〜1000℃の高温、更には1000℃を超える超高温の過熱蒸気である。なお、温度の上限は、燃焼炎を構成する酸水素炎の温度が約2800℃程度であることから、この温度までは上昇させることができると考えられる。
前記した過熱蒸気の発生装置10を、例えば、木材、金属、プラスチック、セラミックス等の乾燥ラインや食品の殺菌装置、ベーキング炉等の水蒸気を用いた加熱設備に設置し使用する。
【0017】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置10を使用した過熱蒸気の発生方法について説明する。
まず、蒸気供給口11から通路13へ原料蒸気を供給し、通路13を原料蒸気で充満させると共に、水の電気分解手段24で製造した酸素ガス及び水素ガスを、各供給管20、21の各バルブ22、23をそれぞれ開状態とすることで、バーナー14へ供給する。ここで、各バルブ22、23の開閉を制御部により調整することで、混合ガス中の水素ガスと酸素ガスの比率が、水の生成に理論的に必要な量である2対1となるように、また水素ガスの燃焼効率を考慮して、水素ガスが前記比率より僅かに多くなるように制御する。
【0018】
バーナー14の先端部から噴出した水素ガスと酸素ガスとが混合されて混合ガスとなり、補助バーナー19によって混合ガスの着火を行って燃焼炎を生成させる。ここで、燃焼炎に対して原料蒸気を直接接触させて加熱することで、蒸気を主体とする高温の過熱蒸気を発生させ、蒸気排出口12から対象物(例えば、乾燥を目的とする木材、金属、プラスチック、セラミックスや、殺菌を行う食品等)に対して高温の過熱蒸気を噴出する。
この高温の過熱蒸気の温度は、通路13への原料蒸気の供給速度や、バーナー14への酸素ガス及び水素ガスの供給量をそれぞれ調節し、燃焼炎と原料蒸気との接触時間を変えることで任意に設定できる。
なお、高温の過熱蒸気の発生を停止する場合には、まず、水素ガスの供給管21のバルブ23を閉状態とし、バーナー14の先端部に生成した燃焼炎を消火すると共に、通路13への原料蒸気の供給を停止する。次に、酸素ガスの供給管20のバルブ22を閉状態として、バーナー14への酸素ガスの供給を停止する。
【0019】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置30について、図3を参照しながら説明する。なお、原料蒸気である飽和蒸気及び過熱蒸気、混合ガス中の水素ガス及び酸素ガスは、本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置10に使用したものと同一のものを使用するため、詳しい説明を省略する。
反応炉31は、前記した通路13と同じ材質の耐熱性の管で構成されており、上流側に蒸気供給口32が、下流側に蒸気排出口33がそれぞれ設けられている。蒸気供給口32は、反応炉31の基部側の側壁に設けられており、この蒸気供給口32に原料蒸気を供給する配管34が一体的に設けられている。また、蒸気排出口33は、反応炉31の先部に設けられており、反応炉31の先端部へかけて徐々に縮径した形状となっている。なお、この蒸気排出口33の下流側には、フランジ35を介して配管36が設けられている。
【0020】
反応炉31の基部にはガス供給部37が固定され、このガス供給部37の先端部に、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナー38が設けられている。バーナー38は、前記したバーナー14と略同様の構成で、上流側から下流側へかけて、中央部と周辺部とを区分する管状の仕切り部39を備えた2流体ノズルからなっており、周辺部から水素ガスを、中央部から酸素ガスをそれぞれ独立に噴出できる構成となっている(図2参照)。なお、ガス供給部37も、上流側から下流側へかけて、中央部と周辺部とを区分する管状の仕切り部40を備えており、この仕切り部40がバーナー38の仕切り部39と連続して設けられている。
ここで、バーナーを2流体ノズルで構成することなく、バーナーの内部に仕切り部が存在しないプリミックス機構を設け、バーナーで水素ガスと酸素ガスを混合した後に混合ガスを噴出することも可能である。
【0021】
バーナー38の前方の反応炉31内壁には、例えば、電気、高周波等の着火源を有する補助バーナー41が設けられ、バーナー38から噴出される水素ガスと酸素ガスからなっている混合ガスの燃焼のための着火を行っている。また、ガス供給部37の基部には、バーナー38の中央部に酸素ガスを、周辺部に水素ガスをそれぞれ供給できる各供給管42、43が、接続部44を介して設けられている。なお、各供給管42、43の下流側端部にはバルブ45、46がそれぞれ設けられ、バーナー38への酸素ガス及び水素ガスの供給及び停止をそれぞれ独立に行うことが可能な構成となっている。
これにより、各供給管42、43を介してバーナー38に供給された酸素ガスと水素ガスをバーナー38の先端部からそれぞれ噴出させ、噴出して混合される混合ガスを補助バーナー41によって着火する。これによって発生する燃焼炎に、蒸気供給口32から供給された原料蒸気を直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気を発生させ、この過熱蒸気を蒸気排出口33から噴出させて、配管36により供給する。
【0022】
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置50について、図4を参照しながら説明する。なお、原料蒸気である飽和蒸気及び過熱蒸気、混合ガス中の水素ガス及び酸素ガスは、本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置10に使用したものと同一のものを使用するため、詳しい説明を省略する。
反応炉51は、前記した通路13と同じ材質の耐熱性の管で構成されており、下流側には反応炉51の先端部へかけて徐々に縮径した形状となった蒸気排出口52が設けられている。なお、この蒸気排出口52の下流側には、フランジ53を介して配管54が設けられている。
【0023】
反応炉51の基部にはガス供給部55が固定され、このガス供給部55の先端部に、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナー56が設けられている。バーナー56は、上流側から下流側へかけて、中央部と周辺部とを区分する管状の仕切り部57を備えた2流体ノズルからなっており、バーナー56の中央部には原料蒸気が供給される。これにより、バーナー56は、バーナー56の周辺部の噴出口から水素ガス及び酸素ガスの混合ガスを、中央部の噴出口から原料蒸気をそれぞれ独立に噴出できる。なお、ガス供給部55も、上流側から下流側へかけて中央部と周辺部とを区分する管状の仕切り部58を備えており、この仕切り部58がバーナー56の仕切り部57と連続した状態で設けられている。
【0024】
バーナー56の前方の反応炉51内壁には、例えば、電気、高周波等の着火源を有する補助バーナー59が設けられ、バーナー56から噴出する混合ガスの燃焼のための着火を行っている。また、ガス供給部55の基部には、バーナー56の中央部に原料蒸気を、周辺部に酸素ガス及び水素ガスをそれぞれ供給できる各供給管60、42、43が、接続部61を介して設けられている。なお、各供給管60、42、43の下流側端部にはバルブ62、45、46がそれぞれ設けられ、バーナー56への原料蒸気、酸素ガス及び水素ガスの供給及び停止をそれぞれ独立に行うことが可能な構成となっている。
これにより、各供給管42、43を介して接続部61に供給され混合された酸素ガスと水素ガスの混合ガスを、バーナー56の先端部から噴出させて補助バーナー59によって着火する。これによって発生する燃焼炎に、供給管60を介してバーナー56に供給され、バーナー56の中央部の噴出口から噴出させた原料蒸気を直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気を発生させ、この過熱蒸気を蒸気排出口52から噴出させて、配管54により供給する。
【0025】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の過熱蒸気の発生装置及び発生方法を構成する場合にも本発明は適用される。
前記実施の形態においては、バーナーから酸素ガスと水素ガスを噴出させる方向と同じ方向に原料蒸気を供給し、この原料蒸気を燃焼炎に直接接触させた場合について説明した。しかし、バーナーの下流側から原料蒸気を供給し、この原料蒸気を燃焼炎に対向させて直接接触させることも可能である。これにより、燃焼炎に対する原料蒸気の接触効率を高めることができるので、経済的に高温の過熱蒸気を製造できる。
また、前記実施の形態においては、高温の過熱蒸気は、原料蒸気を基にして製造したものであるが、通路又は反応炉内に存在する不可避的不純物、例えば空気中の窒素や二酸化炭素等が混入したものであっても構わない。
そして、前記実施の形態においては、加熱前の原料蒸気が輸送される通路や配管に、加熱器(ヒーター等)を予め設置し、原料蒸気の温度の低下を抑制することが好ましい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1〜6記載の過熱蒸気の発生装置、及び請求項7〜9記載の過熱蒸気の発生方法においては、水素ガスと酸素ガスの混合ガスを燃焼させ燃焼炎を生成させるので、混合ガスは燃焼後に全て水蒸気となり、この水蒸気を過熱蒸気の原料として利用できる。これにより、混合ガスの利用効率を高めることができるので、経済的である。ここで、混合ガスの燃焼後の排ガスは、水又は水蒸気になるので、環境汚染を招く可能性がない。
また、空気がほとんど存在しない状態で、水素ガスと酸素ガスの混合ガスの燃焼を行うことができるので、混合ガスの燃焼時における窒素酸化物(NOx)の発生を防止できる。これにより、排ガスの回収設備を設置することなく大気汚染を防止できるので経済的である。
そして、バーナーで水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させて高温の燃焼炎を生成させ、この燃焼炎に原料蒸気を直接接触させるので、燃焼炎の熱を原料蒸気に与えることができる。従って、簡単な構造を備えた安価な装置で、原料蒸気から必要な温度を備えた高温の過熱蒸気を、安全にしかも容易に製造できる。
【0027】
特に、請求項3記載の過熱蒸気の発生装置においては、バーナーは2流体ノズルで構成され、水素ガスと酸素ガスを独立に噴出させることができるので、例えば混合ガスの燃焼停止時において、バーナーの上流側への燃焼炎の移動や逆火、更には水素ガスの爆発を防止できる。従って、安全に高温の過熱蒸気の製造作業を行うことができるので、作業性が良好である。
請求項4記載の過熱蒸気の発生装置においては、バーナーにはプリミックス機構が設けられているので、水素ガスと酸素ガスとの混合領域をバーナーの噴出口前方に設ける必要性がなくなり、過熱蒸気の発生装置の小型化を図ることができる。これにより、過熱蒸気の発生装置の設置場所の省スペース化を図ることができる。
また、水素ガスと酸素ガスを予め混合して噴出するので、混合ガスの燃焼効率を高めることができる。これにより、経済的であると共に、均一な温度分布を有する燃焼炎を形成できるので、均一な温度を備えた高温の過熱蒸気を製造できる。
【0028】
請求項5記載の過熱蒸気の発生装置においては、バーナーによって燃焼炎の生成及び蒸気の噴出を一度に行うことができるので、効率良く原料蒸気を燃焼炎に接触させることができる。従って、経済的であると共に、過熱蒸気の発生装置の構造を簡易にできるので、装置を小型化できる。
請求項6記載の過熱蒸気の発生装置においては、電気分解によって発生する水素ガス及び酸素ガスを使用して、混合ガスを容易に得ることができる。これにより、例えば、高圧容器に充填された各ガスを使用する必要がなくなるので、高圧容器中のガスが不足した場合に各ガスの補充を行う必要がなくなり、作業性が良好になる。また、水を電気分解するので、発生した水素ガスと酸素ガスとの比率は2対1となり、混合ガスの燃焼時に、水素ガスと酸素ガスとの混合比率を調整することなく利用できる。これにより、例えば混合比率を調整する制御部を設けることなく混合ガスを利用できるので経済的である。
【0029】
請求項7〜9記載の過熱蒸気の発生方法においては、簡単な方法で過熱蒸気を得ることができるので、作業性が良好である。
特に、請求項9記載の過熱蒸気の発生方法においては、混合ガスが燃焼した後、水や水蒸気以外の副産物の発生を防止できるので、例えば、窒素の酸化物等の副産物によって環境汚染を招く可能性がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図である。
【図2】同過熱蒸気の発生装置に使用したバーナーの正面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る過熱蒸気の発生装置の説明図である。
【符号の説明】
10:過熱蒸気の発生装置、11:蒸気供給口、12:蒸気排出口、13:通路、14:バーナー、15:固定部、16:ガス供給部、17、18:仕切り部、19:補助バーナー、20、21:供給管、22、23:バルブ、24:電気分解手段、25:バルブ、26:配管、27:電源、30:過熱蒸気の発生装置、31:反応炉、32:蒸気供給口、33:蒸気排出口、34:配管、35:フランジ、36:配管、37:ガス供給部、38:バーナー、39、40:仕切り部、41:補助バーナー、42、43:供給管、44:接続部、45、46:バルブ、50:過熱蒸気の発生装置、51:反応炉、52:蒸気排出口、53:フランジ、54:配管、55:ガス供給部、56:バーナー、57、58:仕切り部、59:補助バーナー、60:供給管、61:接続部、62:バルブ
Claims (9)
- 飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気の通路と、
前記通路内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナーとを有し、
前記通路を通過する原料蒸気を、前記バーナーによって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気とすることを特徴とする過熱蒸気の発生装置。 - 反応炉と、前記反応炉内に配置され、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナーとを有し、
前記反応炉内に供給された飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気を、前記バーナーによって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気を発生することを特徴とする過熱蒸気の発生装置。 - 請求項1及び2のいずれか1項に記載の過熱蒸気の発生装置において、前記バーナーは2流体ノズルからなって、水素ガスと酸素ガスが独立に噴出することを特徴とする過熱蒸気の発生装置。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の過熱蒸気の発生装置において、前記バーナーにはプリミックス機構が設けられ、水素ガスと酸素ガスを混合した後に噴出することを特徴とする過熱蒸気の発生装置。
- 請求項2記載の過熱蒸気の発生装置において、前記バーナーには前記原料蒸気の噴出口が設けられていることを特徴とする過熱蒸気の発生装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の過熱蒸気の発生装置において、前記バーナーに供給する水素ガス及び酸素ガスには、水の電気分解によって発生する水素ガス及び酸素ガスを用いていることを特徴とする過熱蒸気の発生装置。
- 飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気の通路に、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスを燃焼させるバーナーを配置し、前記通路を通過する原料蒸気を、前記バーナーによって発生する燃焼炎に直接接触させて加熱し、高温の過熱蒸気とすることを特徴とする過熱蒸気の発生方法。
- 飽和蒸気及び過熱蒸気のいずれか1又は双方からなる原料蒸気を、水素ガスと酸素ガスを主体とする混合ガスの燃焼炎に直接接触させて加熱し、蒸気を主体とする高温の過熱蒸気を発生させることを特徴とする過熱蒸気の発生方法。
- 請求項7及び8のいずれか1項に記載の過熱蒸気の発生方法において、前記混合ガスは水素ガスと酸素ガスの比率が2対1であることを特徴とする過熱蒸気の発生方法。
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