以下、本発明による制御装置の各実施形態(第1実施形態〜第4実施形態)が、図面を参照しながら説明される。
(第1実施形態)
<装置の概要>
図1は、本発明の実施形態の第1実施形態に係る制御装置(以下、「第1装置」とも称呼される。)をハイブリッド車両10に適用したシステムの概略構成を示している。以下、便宜上、ハイブリッド車両10は、単に「車両10」とも称呼される。
車両10は、図1に示されるように、発電電動機MG1、発電電動機MG2、内燃機関20(以下、単に「機関20」とも称呼される。)、動力分配機構30、発電電動機MG1の回転軸41、発電電動機MG2の回転軸42、駆動力伝達機構50、車両の駆動軸53、バッテリ61、第1インバータ62、第2インバータ64、パワーマネジメントECU70、バッテリECU71、モータECU72、エンジンECU73、ならびに、複数のセンサ類81〜85,91〜98(レゾルバ97,98が含まれる。)、を備えている。なお、ECUは、エレクトリック・コントロール・ユニットの略称であり、CPU、ROM、RAMおよびインターフェースなどを含むマイクロコンピュータを主要な構成部品として有する電子制御回路である。
発電電動機(モータジェネレータ)MG1は、発電機および電動機のいずれとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG1は、便宜上、第1発電電動機MG1とも称呼される。第1発電電動機MG1は、本例においては主として発電機としての機能を発揮する。第1発電電動機MG1は、回転軸41を有している。
発電電動機(モータジェネレータ)MG2は、第1発電電動機MG1と同様、発電機および電動機のいずれとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG2は、便宜上、第2発電電動機MG2とも称呼される。第2発電電動機MG2は、本例においては主として電動機としての機能を発揮する。第2発電電動機MG2は、回転軸42を有している。
第2発電電動機MG2は、回転軸42に接続された回転子(ロータ)と、固定子(ステータ)と、を備えている。そして、第2発電電動機MG2は、ロータがステータに対して回転する向きの磁界を順次生じさせることができるように、各々の磁界に対応する回路(巻線)に電流を順次流すことにより、回転軸42にトルクを出力する(ロータを回転させる向きの力を発する)ように構成されている。なお、第1発電電動機MG1も、回転軸41にトルクを出力する点を除いて第2発電電動機MG2と同様に構成されている。
機関20は、4サイクル・火花点火式・多気筒内燃機関である。機関20は、吸気管およびインテークマニホールドを含む吸気通路部21、スロットル弁22、スロットル弁アクチュエータ22a、複数の燃料噴射弁23、点火プラグを含む複数の点火装置24、機関20の出力軸であるクランクシャフト25、エキゾーストマニホールド26、排気管27、および、排気浄化用触媒28a,28bを有している。
スロットル弁22は、吸気通路部21に回転可能に支持されている。スロットル弁アクチュエータ22aは、エンジンECU73からの指示信号に応答してスロットル弁22を回転し、吸気通路部21の通路断面積を変更できるようになっている。
複数の燃料噴射弁23(図1においては1つの燃料噴射弁23のみが示されている。)のそれぞれは、その噴射孔が燃焼室に連通した吸気ポートに露呈するように配置されている。燃料噴射弁23のそれぞれは、エンジンECU73からの指示信号に応答して所定の量の燃料を吸気ポート内に噴射するようになっている。
点火装置24のそれぞれは、エンジンECU73からの指示信号に応答して点火用火花を各気筒の燃焼室内において特定の点火タイミング(点火時期)にて発生するようになっている。
クランクシャフト(機関20の出力軸)25は、動力分配機構30に接続されており、機関20によって生じるトルクを動力分配機構30に入力することができるようになっている。
エキゾーストマニホールド26の排気集合部、および、エキゾーストマニホールド26よりも下流側の排気管27には、排気浄化用触媒28a,28bが設けられている。排気浄化用触媒28a,28bは、機関20から排出される未燃物(HC,COなど)および窒素酸化物(NOx)を浄化するようになっている。
動力分配機構30は、周知の遊星歯車装置31を備えている。遊星歯車装置31はサンギア32と、複数のプラネタリギア33と、リングギア34と、を有している。
サンギア32は、第1発電電動機MG1の回転軸41に接続されている。したがって、第1発電電動機MG1は、サンギア32にトルクを出力することができる。逆に、第1発電電動機MG1は、サンギア32から第1発電電動機MG1(回転軸41)に入力されるトルクによって回転駆動されることによって発電することができる。
ここで、サンギア32は、後述されるプラネタリギア33(プラネタリキャリア35を介して機関20のクランクシャフト25に接続されている。)と噛合している。さらに、サンギア32は、後述されるリングギア34(後述されるように、複数のギアを介して車両10の駆動軸53に接続されている。)が回転していない状態においても回転することができる。すなわち、第1発電電動機MG1の回転軸41は、機関20の出力軸(クランクシャフト25)と連結されるとともに、車両10が停止していても(車両10の駆動軸53が回転していなくても)回転可能となっている。
複数のプラネタリギア33のそれぞれは、サンギア32と噛合するとともにリングギア34と噛合している。プラネタリギア33の回転軸(自転軸)は、プラネタリキャリア35に設けられている。プラネタリキャリア35は、サンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。同様に、リングギア34は、サンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。したがって、プラネタリギア33は、サンギア32の外周を自転しながら公転することができる。プラネタリキャリア35は、機関20のクランクシャフト25に接続されている。よって、プラネタリギア33は、クランクシャフト25からプラネタリキャリア35に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
さらに、上述したように、プラネタリギア33はサンギア32およびリングギア34と噛合している。したがって、プラネタリギア33からサンギア32にトルクが入力されたときには、そのトルクによってサンギア32が回転駆動される。プラネタリギア33からリングギア34にトルクが入力されたときには、そのトルクによってリングギア34が回転駆動される。逆に、サンギア32からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。リングギア34からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。
リングギア34は、リングギアキャリア36を介して第2発電電動機MG2の回転軸42に接続されている。したがって、第2発電電動機MG2は、リングギア34にトルクを出力することができる。逆に、第2発電電動機MG2は、リングギア34から第2発電電動機MG2(回転軸42)に入力されるトルクによって回転駆動されることによって発電することができる。
ここで、リングギア34は、後述される複数のギア(出力ギア37、ギア列51、および、ディファレンシャルギア52など)を介し、車両10の駆動軸53に、実質的に相対回転不能に連結されている。ここで、実質的に相対回転不能であるとは、ギア間の遊び等を除いて相対回転が不能であることを表す。すなわち、第2発電電動機MG2の回転軸42は車両10の駆動軸53と連結されるとともに、車両10が停止しているときに(車両10の駆動軸53が回転していないときに)回転不能となっている。
さらに、リングギア34は、リングギアキャリア36を介して出力ギア37に接続されている。したがって、出力ギア37は、リングギア34から出力ギア37に入力されるトルクによって回転駆動され得る。逆に、リングギア34は、出力ギア37からリングギア34に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
駆動力伝達機構50は、ギア列51、ディファレンシャルギア52、および、駆動軸(ドライブシャフト)53を有している。
ギア列51は、出力ギア37とディファレンシャルギア52とを動力伝達可能に歯車機構により接続している。ディファレンシャルギア52は、駆動軸53に取り付けられている。駆動軸53の両端には駆動輪54が取り付けられている。したがって、出力ギア37からのトルクはギア列51、ディファレンシャルギア52、および、駆動軸53を介して駆動輪54に伝達される。この駆動輪54に伝達されたトルクにより、ハイブリッド車両10は走行することができる。
以上の説明から理解されるように、第1発電電動機MG1の回転軸41は、複数のギア(サンギア32、プラネタリギア33、リングギア34、出力ギア37、ギア列51、ディファレンシャルギア52)を介して車両10の駆動軸53にトルク伝達可能に接続されている。この回転軸41と、駆動軸53とは、上述したように、相対回転が可能に接続されている。
さらに、第2発電電動機MG2の回転軸42も、複数のギア(リングギア34、出力ギア37、ギア列51、ディファレンシャルギア52)を介して車両10の駆動軸53にトルク伝達可能に接続されている。この回転軸42と、駆動軸53とは、上述したように、相対回転が不能に接続されている。
バッテリ61は、第1発電電動機MG1および第2発電電動機MG2を作動させるための電力をそれら電動機に供給し、または、第1発電電動機MG1および第2発電電動機MG2にて発電された電力を充電する、充放電可能な二次電池である。
バッテリ61は、第1インバータ62を介して第1発電電動機MG1に電気的に接続されており、第2インバータ64を介して第2発電電動機MG2に電気的に接続されており、バッテリECU71に電気的に接続されている。別の言い方をすると、バッテリ61は、バッテリ61に常時接続された通電経路を経由し、第1発電電動機MG1、第2発電電動機MG2およびバッテリECU71に接続されている。
そして、第1発電電動機MG1は、第1インバータ62を介してバッテリ61から供給される電力によって回転駆動させられる。第2発電電動機MG2は、第2インバータ63を介してバッテリ61から供給される電力によって回転駆動させられる。逆に、第1発電電動機MG1が発電しているとき、第1発電電動機MG1が発生した電力は、第1インバータ62を介してバッテリ61に供給される。同様に、第2発電電動機MG2が発電しているとき、第2発電電動機MG2が発生した電力は第2インバータ63を介してバッテリ61に供給される。
なお、第1発電電動機MG1の発生する電力は第2発電電動機MG2に直接供給可能であり、且つ、第2発電電動機MG2の発生する電力は第1発電電動機MG1に直接供給可能である。
パワーマネジメントECU70(以下、「PMECU70」とも称呼される。)は、バッテリECU71、モータECU72およびエンジンECU73と通信により情報交換可能に接続されている。これにより、PMECU70には、バッテリECU71を介してバッテリ61に関する情報が入力または出力され、モータECU72を介してインバータ(62,63)およびレゾルバ(97,98)に関する情報が入力または出力され、エンジンECU73を介して各種センサ(91〜96)に関する情報が入力または出力される。
例えば、PMECU70は、バッテリECU71により算出されるバッテリ61の充電率を入力されるようになっている。充電率は、バッテリ61に流出入する電流の積算値などに基づいて周知の手法により算出される。
さらに、PMECU70は、モータECU72を介して、第1発電電動機MG1の回転速度(以下、「MG1回転速度Nm1」とも称呼される。)を表す信号および第2発電電動機MG2の回転速度(以下、「MG2回転速度Nm2」とも称呼される。)を表す信号を入力されるようになっている。
なお、MG1回転速度Nm1は、モータECU72によって「第1発電電動機MG1に設けられ且つ第1発電電動機MG1の回転軸41の回転位置(回転角度)に対応する出力値を出力するレゾルバ97の出力値」に基づいて算出されている。同様に、MG2回転速度Nm2は、モータECU72によって「第2発電電動機MG2に設けられ且つ第2発電電動機MG2の回転軸42の回転位置(回転角度)に対応する出力値を出力するレゾルバ98の出力値」に基づいて算出されている。このように、モータECU72は、第1発電電動機MG1の回転軸41の回転位置(回転角度)を表す信号、および、第2発電電動機MG2の回転軸42の回転位置(回転角度)を表す信号を入力されるようになっている。
加えて、PMECU70は、エンジンECU73を介して、エンジン状態を表す種々の出力信号を入力されるようになっている。このエンジン状態を表す出力信号には、エアフローメータ91、スロットル弁開度センサ92、冷却水温センサ93、機関回転速度センサ94、ノッキングセンサ95および空燃比センサ96の発生する出力信号が含まれる。
さらに、PMECU70は、パワースイッチ81、シフトポジションセンサ82、アクセル操作量センサ83、ブレーキスイッチ84および車速センサ85とも接続され、これらセンサが発生する出力信号が入力されるようになっている。
そして、PMECU70は、入力された情報に基づき、バッテリECU71にバッテリ61を制御するための指示を与え、モータECU72に発電電動機(MG1,MG2)を制御するための指示を与え(MG1についてのオフセット量およびMG2についてのオフセット量も考慮して定められる。これらオフセット量は、PMECU70に記憶されている。)、エンジンECU73に内燃機関20を制御するための指示を与える。さらに、PMECU70は、それら指示を与えるために必要なパラメータなど(例えば、レゾルバ97,98のオフセット量、および、内燃機関20の空燃比制御に関するパラメータなど)を記憶・保持している。
さらに、モータECU72は、PMECU70からの指令に基づいて、第1インバータ62および第2インバータ63に指示信号を送出するようになっている。これにより、モータECU72は、第1インバータ62を用いて第1発電電動機MG1を制御し、且つ、第2インバータ63を用いて第2発電電動機MG2を制御するようになっている。
加えて、エンジンECU73は、PMECU70からの指示に基づき、スロットル弁アクチュエータ22a、燃料噴射弁23および点火装置24などに指示信号を送出することにより、機関20を制御するようになっている。
パワースイッチ81は、ハイブリッド車両10のシステム起動用スイッチである。PMECU70は、いずれも図示しない車両キーがキースロットに挿入され且つブレーキペダルが踏み込まれているときにパワースイッチ81が操作されると(押されると)、システムを起動する指示が与えられたと判断する。そして、PMECU70は、車両10が走行可能であるか否かを確認した後、車両10が走行可能であれば(いわゆる、Ready−On状態)、図示しない操作パネルなどにその旨を表示する。
シフトポジションセンサ82は、ハイブリッド車両10の運転席近傍に操作者により操作可能に設けられた図示しないシフトレバーによって選択されているシフトポジションを表す信号を発生するようになっている。シフトポジションには、P(パーキングポジション)、R(後進ポジション)、N(ニュートラルポジション)、D(走行ポジション)およびB(エンジンブレーキ積極作動ポジション)が含まれる。
アクセル操作量センサ83は、操作者により操作可能に設けられた図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル操作量AP)を表す出力信号を発生するようになっている。
ブレーキスイッチ84は、操作者により操作可能に設けられた図示しないブレーキペダルが操作されたときに、ブレーキペダルが操作された状態にあることを示す出力信号を発生するようになっている。
車速センサ85は、ハイブリッド車両10の車速を表す出力信号を発生するようになっている。
エアフローメータ91は、機関20に吸入される単位時間あたりの空気量を計測し、その空気量(吸入空気量)を表す信号を出力するようになっている。
スロットル弁開度センサ92は、スロットル弁22の開度(スロットル弁開度)を検出し、その検出したスロットル弁開度を表す信号を出力するようになっている。
冷却水温センサ93は、機関20の冷却水の温度を検出し、その検出した冷却水温を表す信号を出力するようになっている。
機関回転速度センサ94は、機関20のクランクシャフト25が所定角度だけ回転する毎にパルス信号を発生するようになっている。エンジンECU73は、このパルス信号に基づいてクランクシャフト25の単位時間当たりの回転数(機関回転速度)Neを取得するようになっている。
ノッキングセンサ95は、機関20の表面部分に設けられている。ノッキングセンサ95は、機関20の振動を検出するとともに、その振動に応じた信号を出力するようになっている。エンジンECU73は、この信号に基づいてノッキング強度を取得するようになっている。
空燃比センサ96は、エキゾーストマニホールド26の排気集合部であって、排気浄化用触媒28aよりも上流側の位置に設けられている。空燃比センサ96は、排ガスの空燃比を検出し、その検出した排ガスの空燃比(検出空燃比)に応じた出力値を出力するようになっている。
レゾルバ97は、第1発電電動機MG1の回転軸(回転軸)41の回転位置を検出するための回転位置検出器である。レゾルバ97は、レゾルバ97のロータと第1発電電動機MG1の回転軸41とが相対回転不能であるように、回転軸41に設けられている。これにより、レゾルバ97のロータは、回転軸41の回転に伴って回転する。レゾルバ97は、回転軸41の回転位置に応じた信号を出力するようになっている。モータECU72は、この信号に基づき、回転軸41の回転位置を取得するようになっている。さらに、モータECU72は、この信号の単位時間当たりの変化に基づき、回転軸41の回転速度Nm1を取得するようになっている。
レゾルバ98は、第2発電電動機MG2の回転軸(回転軸)42の回転位置を検出するための回転位置検出器である。レゾルバ98は、レゾルバ98のロータと第2発電電動機MG2の回転軸42とが相対回転不能であるように、第2発電電動機MG2の回転軸42に設けられている。これにより、レゾルバ98のロータは、回転軸42の回転に伴って回転する。レゾルバ98は、回転軸42の回転位置に応じた信号を出力するようになっている。モータECU72は、この信号に基づいて回転軸42の回転位置を取得するようになっている。さらに、モータECU72は、この信号の単位時間当たりの変化に基づき、回転軸42の回転速度Nm2を取得するようになっている。
以上が、第1装置をハイブリッド車両10に適用したシステムの概略構成である。
<制御の考え方>
次いで、第1装置における制御の考え方が、図2を参照しながら説明される。図2は、第1装置における制御の考え方を示す「概略フローチャート」である。
第1装置は、図2のステップ210にて、現時点にてオフセット量を取得する要求が生じたか否かを判定する。例えば、第1装置は、オフセット量に影響を及ぼす部材(例えば、レゾルバ97,98)が交換等された際に技術者が第1装置に対してオフセット量を取得する要求(指示信号)を与えた場合において、その要求が第1装置に与えられた後に初めて操作者がパワースイッチ81を押すことによって第1装置がその要求が生じたことを認識したとき、オフセット量を取得する要求が生じたと判定する。
ところで、車両10は、第1発電電動機MG1および第2発電電動機MG2、ならびに、レゾルバ97およびレゾルバ98を備えている。そのため、レゾルバ97およびレゾルバ98のそれぞれについて、オフセット量を取得する要求が独立して生じる場合がある。しかし、本説明においては、第1装置における制御の考え方がより容易に理解されるように、レゾルバ97およびレゾルバ98の少なくとも一方にオフセット量を取得する要求が生じた場合、第1装置はステップ210にて「オフセット量を取得する要求が生じた」と判定するものとする。
現時点にて第1装置がオフセット量を取得する要求が生じたと判定した場合、第1装置は、ステップ210にて「Yes」と判定してステップ220に進む。
第1装置は、ステップ220にて、電動機の回転軸が回転していないときにオフセット量取得処理が実行されたか否かを判定する(オフセット量取得処理の具体的な手法は、後述される。)。これにより、レゾルバ(97,98)のオフセット量が取得される。さらに、第1装置は、ステップ240にて、取得されたオフセット量をPMECU70に記憶する。
電動機の回転軸が回転していないときにオフセット量取得処理が実行された場合、第1装置は、ステップ230に進み、オフセット量取得処理が実行されたときの回転軸の回転位置に応じ、あらかじめ定められた許容作動範囲のうちの「電動機の作動を禁止する範囲である禁止範囲」を定める。定められた禁止範囲は、PMECU70に記憶される。
次いで、第1装置は、ステップ240に進み、禁止範囲に含まれるトルクおよび回転速度での電動機の作動を禁止する。換言すると、「許容作動範囲のうちの禁止範囲を除く範囲」での電動機の作動が許可される。
このように、第1装置は、ステップ230およびステップ240の処理を行うことにより、実際に電動機を作動させることになるトルクおよび回転速度の範囲(許容作動範囲から禁止範囲を除いた範囲。実際の作動範囲)を設定する。そこで、図中にてこれらステップを一点鎖線にて囲んで示すように、以下、ステップ230およびステップ240にて行われる処理は、「作動範囲設定」処理とも総称される。
ところで、現時点においてオフセット量を取得する要求が生じていない場合、第1装置は、ステップ210にて「No」と判定する。この場合、オフセット量取得処理は実行されない。さらに、この場合、例えば、PMECU70に記憶されているオフセット量および許容作動範囲(場合によっては、許容作動範囲のうちの禁止範囲を除く範囲)に基づき、電動機が作動される。
また、オフセット量を取得する要求が生じており、かつ、オフセット量取得処理が回転軸が回転しているときに実行された場合、第1装置は、ステップ220にて「No」と判定する。この場合、禁止範囲は設定されない。この場合、許容作動範囲の全てに含まれるトルクおよび回転速度にて電動機が作動され得る。
以上に説明したように、第1装置は、オフセット量を取得する要求に応じてオフセット量取得処理が実行されたとき、その処理が電動機の回転軸が回転していないときに実行される場合、オフセット量取得処理が実行されたときの回転軸の回転位置に応じて「禁止範囲」を設定する。そして、第1装置は、この禁止範囲に含まれるトルクおよび回転速度での電動機の作動を禁止する。これにより、第1装置は、取得されたオフセット量の精度を適切に考慮しながら、電動機を作動させることができる。
以上が、第1装置についての説明である。
(第2実施形態)
次いで、本発明の制御装置における「作動範囲設定」処理をより具体的に説明する実施形態が、説明される。以下、この実施形態における制御装置は、「第2装置」とも称呼される。第2装置は、第1装置と同様の車両10に適用される。
上述したように、第1装置におけるオフセット量取得処理によって取得されるオフセット量の精度は、同処理が実行されたときの電動機の回転軸の回転位置によって異なる場合がある。さらに、一般に、取得されたオフセット量の精度が低ければ低いほど、電動機のトルクおよび回転速度をより精密に制御することが要求される作動範囲(例えば、高回転速度・高トルク領域)において、電動機を適切に作動させることが困難となる。
そこで、第2装置は、いくつかの具体的な設定方法に従ってオフセット量取得処理が実行されたときの回転軸の回転位置(その回転位置から推定されるオフセット量の精度)を考慮し、禁止範囲を設定する。そして、第2装置は、この禁止範囲を踏まえて実際の作動範囲を設定する。
<制御の考え方>
以下、第2装置における「作動範囲設定」の考え方が、図3および図4を参照しながら説明される。図3は、電動機の実際の作動範囲を設定するための「作動範囲設定ルーチン」である。すなわち、図3は、図2のステップ230およびステップ240にて行われる処理(図2において一点鎖線にて囲まれた処理)をより具体的に説明するものである。図4は、図3のルーチンに採用される禁止範囲の設定方法のいくつかの具体例である。
第2装置は、図3のステップ310にて、オフセット量取得処理(図2のステップ220を参照。)が実行されたときの電動機の回転軸の回転位置を確認する。なお、オフセット量取得処理が実行されたときの電動機の回転軸の回転位置を表わす値は、例えば、オフセット量取得処理が実行されたときにPMECU70のRAMに格納される。第2装置は、この格納された値を本ステップにおいて読み込むように構成され得る。
次いで、第2装置は、ステップ320にて、許容作動範囲(A)から禁止範囲(B)を除くことによって実際の作動範囲(C)を定める。ここで、許容作動範囲(A)は、車両10の駆動源として電動機を用いる観点から電動機を適切に作動させられ得る範囲であり、あらかじめ行われた実験などによって定められている。許容作動範囲(A)は、例えば、PMECU70に格納されている。以下、実際の作動範囲(C)は、単に、「作動範囲」とも称呼される。
具体的に述べると、ステップ320に示すグラフ(マップ)において、許容作動範囲(A)は、図中の点p、点qおよび点rを通過して横軸(回転速度軸)に漸近する境界線(図中の破線)と、縦軸(トルク軸)と、横軸(回転速度軸)と、によって囲まれる領域により、表される。禁止範囲(B)は、図中の着色された領域(点qを通過して横軸に漸近する実線と、点qおよび点rを通過して横軸に漸近する破線と、横軸と、によって囲まれる領域)により、表される。作動範囲(C)は、点pおよび点qを通過して横軸に漸近する境界線(図中の実線)と、縦軸と、横軸と、によって囲まれる領域により、表される。
第2装置は、オフセット量取得処理が実行されたときの電動機の回転軸の回転位置に基づいて禁止範囲(B)を定めるとともに、許容作動範囲(A)から禁止範囲(B)を除くことにより、実際の作動範囲(C)を定める。
ここで、ステップ320における禁止範囲(B)を設定するための具体例が、図4を参照しながら説明される。
図4(a)は、禁止範囲を設定するための第1の具体例である。この具体例において、第2装置は、オフセット量取得処理が実行されたときの電動機の回転軸の回転位置に基づき、閾値回転速度Nthを定める。そして、第2装置は、回転軸の回転速度が閾値回転速度Nth以上であるときに作動範囲(C)において回転軸に生じさせるトルクの上限値(例えば、回転速度NにおけるトルクTqc)を、許容作動範囲(A)における上限値(例えば、回転速度NにおけるトルクTqa)よりも小さくするように、禁止範囲を設定する。
なお、閾値回転速度は、あらかじめ行われた実験の結果に基づいて定められたマップなどに基づいて定められ得る。
図4(b)は、禁止範囲を設定するための第2の具体例である。この具体例において、第2装置は、オフセット量取得処理が実行されたときの回転軸の回転位置から「推定される取得されたオフセット量の精度」が低いほど、上述した閾値回転速度Nthをより小さい値に定めるように、禁止範囲を設定する。よって、オフセット量の精度が比較的高い場合における閾値回転速度Nth1よりも、オフセット量の精度が比較的低い場合における閾値回転速度Nth2が小さい。
その結果、閾値回転速度Nth1に基づいて定まる作動範囲(C1)よりも、閾値回転速度Nth2に基づいて定まる作動範囲(C2)が小さいことになる。逆に言うと、オフセット量の精度が比較的高い場合における禁止範囲よりも、オフセット量の精度が比較的低い場合における禁止範囲が大きいことになる。
なお、オフセット量取得処理が実行されたときの回転軸の回転位置と、推定される取得されたオフセット量の精度と、の関係は、あらかじめ行われた実験などに基づいて把握され得る。そこで、例えば、このように把握された両者の関係を表すマップを準備するとともに、同マップにオフセット量取得処理が実行されたときの回転軸の回転位置を適用することにより、取得されたオフセット量の精度が推定され得る。
図4(c)は、禁止範囲を設定するための第3の具体例である。この具体例において、第2装置は、オフセット量取得処理が実行されたときの回転軸の回転位置から推定される取得されたオフセット量の精度が低いほど、回転軸の回転速度が閾値回転速度Nth以上であるときの回転軸に生じるトルクの上限値をより小さい値に定めるように、禁止範囲を設定する。これにより、例えば、回転速度が回転速度Nであるとき、許容作動範囲(A)におけるトルクの上限値Tqaよりも、取得されたオフセット量の精度が比較的高い作動範囲(C1)におけるトルクの上限値Tqc1が小さい。さらに、この上限値Tqc1よりも、オフセット量の精度が比較的低い場合におけるトルクの上限値Tqc2が更に小さい。
その結果、上記同様、オフセット量の精度が比較的高い場合における作動範囲よりも、オフセット量の精度が比較的低い場合における作動範囲が小さいことになる。逆に言うと、オフセット量の精度が比較的高い場合における禁止範囲よりも、オフセット量の精度が比較的低い場合における禁止範囲が大きいことになる。
第2装置は、図3のルーチンのステップ320にて、図4(a)〜図4(c)を参照しながら説明した考え方の一つ又は複数に従い、禁止範囲を定める。そして、第2装置は、そのように定められた禁止範囲に基づき、実際の作動範囲を設定する。
なお、図3のステップ320および図4においては、許容作動範囲(および実際の作動範囲)におけるトルクの上限値は、回転速度が所定の値よりも小さい場合には一定値(固定値)であり、回転速度がその所定の値以上である場合には徐々に(横軸に漸近するように。図中の原点に向かう方向に凸である形状にて。)低下する。
ただし、これら図に示されるトルクの上限値の推移(すなわち、許容作動範囲の図中の形状)は、第2装置を説明するための具体例であり、必ずしも図中に示される推移に限定されない。
以上に説明したように、第2装置は、オフセット量取得処理が実行されたときの回転軸の回転位置(その回転位置から推定されるオフセット量の精度)を考慮して禁止範囲を設定するとともに、この禁止範囲に基づいて実際の作動範囲を設定する。このとき、オフセット量の精度が低いほど禁止範囲が広がるように作動範囲が設定されるので、取得されたオフセット量の精度をより適切に考慮しながら電動機を作動させることができる。
以上が、第2装置についての説明である。
(第3実施形態)
次いで、本発明の車両の制御装置をより具体的に説明する実施形態が、説明される。以下、この実施形態における制御装置は、「第3装置」とも称呼される。第3装置は、第1装置と同様の車両10に適用される。
<制御の考え方>
車両10は、第1発電電動機MG1の回転軸41の回転位置を取得するレゾルバ97、および、第2発電電動機MG2の回転軸42の回転位置を取得するレゾルバ98を備えている。そのため、レゾルバ97のオフセット量(以下、「第1オフセット量」とも称呼される。)およびレゾルバ98のオフセット量(以下、「第2オフセット量」とも称呼される。)のそれぞれについて、オフセット量を取得する要求が独立して生じる場合がある。そこで、第3装置は、第1オフセット量および第2オフセット量の一方または双方を、必要に応じて取得する。
ただし、上述したように、第1発電電動機MG1の回転軸41は、車両10の駆動軸53が回転していなくても回転「可能」となっている。一方、第2発電電動機MG2の回転軸42は、車両10の駆動軸53が回転していないときに回転「不能」となっている。よって、特に、第2オフセット量(第2発電電動機MG2の回転軸42の回転位置を取得するレゾルバ98のオフセット量)を取得するとき、第1装置および第2装置にて述べた禁止範囲が設定される場合がある。
ここで、第3装置の具体的な作動について説明する前に、第1発電電動機MG1の回転軸41が駆動軸53が回転していない場合に回転可能であり、第2発電電動機MG2の回転軸42がその場合に回転不能である理由が、図5を参照しながら説明される。
第1発電電動機MG1の回転軸41が接続されている遊星歯車装置31における各ギア(サンギア32、プラネタリギア33およびリングギア34)の回転軸の回転速度は、図5に示した周知の共線図により表される関係を有する。この共線図について簡単に説明すると、図5(a)および図5(b)における縦軸はサンギア軸(S)、プラネタリキャリア軸(C)およびリングギア軸(R)の回転速度を示す軸であり、横軸は各ギアのギア比を表す軸である(図5の横軸におけるρは、リングギア34の歯数に対するサンギア32の歯数の比を表す。)。
例えば、図5(a)に示す例を参照すると、機関20のクランクシャフト25が回転速度Neにて回転しており(すなわち、クランクシャフト25に接続されたプラネタリキャリア軸(C)がその回転速度Neにて回転しており)、リングギア34が回転速度Nm2にて回転している場合、プラネタリキャリア軸(C)上に回転速度Neに対応する点を定め、リングギア軸(R)上に回転速度Nm2に対応する点を定める。このとき、このように定められた2つの点を通る直線(L)と、サンギア軸(S)と、の交点に対応する回転速度Nm1にて、サンギア軸が回転することになる。
次いで、車両10の駆動軸53が回転していない場合(例えば、車両10が停止している場合)における3つの軸の回転速度について、図5(b)を参照しながら説明する。車両10の駆動軸53が回転していない場合、車両10の駆動軸53に連結されたリングギア軸(R)は回転しない。すなわち、リングギア軸の回転速度はゼロである。そこで、リングギア軸(R)上に回転速度ゼロに対応する点を定める。このように、第2発電電動機MG2の回転軸42(リングギア軸)は、車両10の駆動軸53が回転していないときに回転不能である。
さらに、上記の場合において機関20が駆動している場合、プラネタリキャリア軸(C)はクランクシャフト25の回転速度に対応する回転速度Neにて回転する。そこで、プラネタリキャリア軸(C)上に回転速度Neに対応する点を定める。このとき、これら2つの点を通る直線(L)と、サンギア軸(S)と、の交点に対応する回転速度Nm1にて、サンギア軸が回転することになる。このように、第1発電電動機MG1の回転軸41(サンギア軸)は、車両10の駆動軸53が回転していなくても(リングギア軸の回転速度がゼロでも)回転可能である。
ところで、周知のように、上述した共線図上におけるトルクの釣り合いを考えることにより、サンギア軸(S)、プラネタリキャリア軸(C)およびリングギア軸(R)において生じさせるトルク(PMECU70から発電電動機MG1,MG2に与えられる指示に基づくトルク、および、PMECU70から機関20に与えられる指示に基づくトルク)の大きさを把握することもできる。より詳細には、例えば、特開2009−126450号公報(米国公開特許番号 US2010/0241297)、および、特開平9−308012号公報(米国出願日1997年3月10日の米国特許第6,131,680号)などを参照されたい。これらの内容は、本願明細書に参照として取り込まれる。
なお、サンギア軸(S)において実質的にトルクを生じさせることなく、図5(b)に示すようにプラネタリキャリア軸(C)の回転に伴ってサンギア軸(S)を回転させることは、「第1発電電動機MG1(回転軸41。サンギア軸)を連れ回す」とも称呼される。
<実際の作動>
以下、第3装置の実際の作動が説明される。
第3装置において、PMECU70のCPU(以下、便宜上、「PM」とも称呼される。)は、オフセット量取得のための図6〜図9に示したルーチンを所定のタイミングにて実行するようになっている。以下、これらルーチンにて行われる処理が説明される。
PMは、あらかじめ定められたタイミングにて(例えば、車両10のパワースイッチ81が押されることにより、システムを起動する指示がPMECU70に与えられたとき)、図6にフローチャートによって示した「第1オフセット量取得処理ルーチン」を実行する。PMは、このルーチンにより、車両10の状態を考慮しながら、第1オフセット量を取得するための処理を実行する。
具体的に述べると、PMは、図6のステップ600から処理を開始すると、ステップ610に進み、現時点における第1オフセット量取得フラグXOFF1の値が「1」であるか否かを判定する。
第1オフセット量取得フラグXOFF1は、その値が「1」であるときに第1オフセット量を取得するためのオフセット量取得処理を実行する必要があることを表し、その値が「0」であるときに同オフセット量取得処理を実行する必要がないことを表す。例えば、第1オフセット量取得フラグXOFF1の値は、オフセット量に影響を及ぼす部材(例えば、レゾルバ97)が交換等された際に技術者がPMに対してオフセット量を取得する要求(指示信号)を与えたとき、「1」に設定される。
現時点における第1オフセット量取得フラグXOFF1の値が「1」である場合、PMは、ステップ610にて「Yes」と判定し、ステップ620に進む。PMは、ステップ620にて、MG1回転速度(第1発電電動機MG1の回転軸41の回転速度)Nm1がゼロであるか否かを判定する。
現時点にてMG1回転速度Nm1がゼロである場合(回転軸41が回転していない場合)、PMは、ステップ620にて「Yes」と判定し、ステップ630に進む。PMは、ステップ630にて、第1発電電動機MG1の回転軸41を回転させる(例えば、上述したように、機関20を駆動することにより、回転軸41を連れ回す。)。その後、PMは、ステップ640に進む。
一方、現時点にてMG1回転速度Nm1がゼロではない場合(回転軸41が回転している場合)、PMは、ステップ620にて「No」と判定し、ステップ640に直接進む。
PMは、ステップ640にて、オフセット量取得処理を実行する。このオフセット量取得処理は、第1発電電動機MG1の回転軸41が「回転している」ときに実行される処理である。
例えば、PMは、第1発電電動機MG1の磁極座標系(d−q座標系)におけるd軸電流およびq軸電流がゼロであるように(換言すると、第1発電電動機MG1の出力トルクがゼロであるように)第1発電電動機MG1を制御しながら、d軸電圧を取得する。このとき、第1オフセット量の大きさに応じて、磁極座標系(d−q座標系)における横軸(d軸)と、取得されたd軸電圧の向きと、の間の角度の大きさが異なる。そこで、PMは、その角度に基づき、第1オフセット量を取得する(例えば、特開2004−266935号公報などを参照。)。以下、便宜上、このオフセット量取得処理方法は、「第1の方法」とも称呼される。なお、実際には、第1オフセット量そのものを取得することなく、上記角度の大きさがゼロであるように第1発電電動機MG1への制御信号が調整される場合もある。
なお、上述したように、一般に、電動機の回転軸が回転されながら取得されたオフセット量は、電動機の回転軸が停止していない状態にて取得されたオフセット量よりも、精度が高い。そのため、後述されるように、第1発電電動機MG1の作動範囲について、禁止範囲は定められない。すなわち、あらかじめ定められた許容作動範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて、第1発電電動機MG1は作動されることになる。
次いで、PMは、ステップ650に進む。PMは、ステップ650にて、第1オフセット量取得フラグXOFF1の値に「0」を格納する。その後、PMは、ステップ695に進み、本ルーチンを一旦終了する。
さらに、PMは、あらかじめ定められたタイミングにて(例えば、上記同様、車両10のパワースイッチ81が押されることにより、システムを起動する指示がPMECU70に与えられたとき)、図7にフローチャートによって示した「第2オフセット量取得処理ルーチン」を実行する。PMは、このルーチンにより、車両10の状態を考慮しながら、第2オフセット量を取得するための処理を実行する。
具体的に述べると、PMは、図7のステップ700から処理を開始すると、ステップ710に進み、現時点における第2オフセット量取得フラグXOFF2の値が「1」であるか否かを判定する。
第2オフセット量取得フラグXOFF2は、その値が「1」であるときに第2オフセット量を取得するためのオフセット量取得処理を実行する必要があることを表し、その値が「0」であるときに同オフセット量取得処理を実行する必要がないことを表す。例えば、第2オフセット量取得フラグXOFF2の値は、上記同様、オフセット量に影響を及ぼす部材(例えば、レゾルバ98)が交換等された際に技術者がPMに対してオフセット量を取得する要求(指示信号)を与えたとき、「1」に設定される。
現時点における第2オフセット量取得フラグXOFF2の値が「1」である場合、PMは、ステップ710にて「Yes」と判定し、ステップ720に進む。PMは、ステップ720にて、MG2回転速度(第2発電電動機MG2の回転軸42の回転速度)Nm2がゼロであるか否かを判定する。
現時点にてMG2回転速度Nm2がゼロである場合(回転軸42が回転していない場合)、PMは、ステップ720にて「Yes」と判定し、ステップ730に進む。PMは、ステップ730にて、オフセット量取得処理を実行する。このオフセット量取得処理は、第2発電電動機MG2の回転軸42が「回転していない」ときに実行される処理である。
例えば、PMは、第2発電電動機MG2のロータの周辺に所定の検出用磁界を生じさせながら(例えば、レゾルバ98の出力値から算出されるロータの回転角度が角度θrである場合、磁束の向きが角度θr−10degから角度θr+10degまで順次に移動するように磁界を生じさせながら)、磁極座標系(d−q座標系)におけるq軸電流の値を取得する。そして、q軸電流の大きさの絶対値が最小値となるときの検出用磁界(の磁束の向き)に対応する角度θminを特定する。このとき、「角度θminと、角度θrと、の差」が、第2オフセット量に相当する。そこで、PMは、その差に基づき、第2オフセット量を取得する。以下、便宜上、このオフセット量取得処理方法は、「第2の方法」とも称呼される。なお、この第2の方法によって取得されるオフセット量の精度は、第2の方法が実行されるときの電動機の回転軸の回転位置によって異なる。また、実際には、第2オフセット量そのものを取得することなく、上記角度の大きさがゼロであるように第2発電電動機MG2への制御信号が調整される場合もある。
なお、上述したように、一般に、電動機の回転軸が回転していない状態にて取得されたオフセット量は、電動機の回転軸が回転されながら取得されたオフセット量よりも、精度が低い。そこで、このとき、PMは、電動機の回転軸の回転位置に応じて禁止範囲を定める。さらに、PMは、将来、回転軸42が回転されながら新たなオフセット量が取得されたとき(ステップ740を参照。)、ステップ730にて取得されたオフセット量を新たなオフセット量にて置き換えるとともに、禁止範囲を解除する(後述される図9を参照。)。したがって、PMは、ステップ730の処理が実行された後においても、第2オフセット量取得フラグXOFF2の値を「1」に維持する。
このような手順での処理を鑑み、以下、ステップ730にて実行されるオフセット量は「仮処理」とも称呼され、取得されるオフセット量は「仮オフセット量」とも称呼される。さらに、以下、ステップ740にて実行されるオフセット量は「本処理」とも称呼され、取得されるオフセット量は「本オフセット量」とも称呼される。
仮処理が実行された後、PMは、仮オフセット量を利用して第2発電電動機MG2を作動させる(後述される図9を参照。)。そして、MG2回転速度Nm2がゼロではないときに(例えば、車両10が減速中であり回転軸42が回転しているときに)図7のルーチンが実行されると、PMは、ステップ720にて「No」と判定し、ステップ740に進む。PMは、ステップ740にて、オフセット量取得処理を実行する。このオフセット量取得処理は、第2発電電動機MG2の回転軸42が「回転している」ときに実行される処理である。例えば、PMは、上記第1の方法と同様の方法にて、第2オフセット量を取得する。PMは、例えば、車両10が減速しているとき(このとき、車両10が走行しているので駆動軸53および回転軸42が回転しており、かつ、オフセット量取得処理によるドライバビリティへの影響が小さいと考えられる。)、このオフセット量取得処理を実行する。
次いで、PMは、ステップ750に進む。PMは、ステップ750にて、第2オフセット量取得フラグXOFF2の値に「0」を格納する。その後、PMは、ステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
さらに、PMは、所定のタイミングにて(例えば、車両10の操作者からの要求などに応じて第1発電電動機MG1を作動させる必要があると判断したとき)、図8にフローチャートによって示した「MG1作動制御ルーチン」を実行する。PMは、このルーチンにより、作動範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて、第1発電電動機MG1を作動させる。
具体的に述べると、PMは、所定のタイミングにて図8のステップ800から処理を開始すると、ステップ810に進む。PMは、ステップ810にて、現時点にて第1オフセット量取得フラグXOFF1の値が「0」であるか否かを判定する。
現時点における第1オフセット量取得フラグXOFF1の値が「0」である場合、PMは、ステップ810にて「Yes」と判定し、ステップ820に進む。PMは、ステップ820にて、第1発電電動機MG1の作動範囲を設定する。この場合、PMは、第1発電電動機MG1の作動範囲について禁止範囲を定めることなく、許容作動範囲の全てを作動範囲に設定する。
次いで、PMは、ステップ830に進む。PMは、ステップ830にて、操作者からの要求などを考慮しながら、作動範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて第1発電電動機MG1を作動させる。その後、PMは、ステップ895に進み、本ルーチンを一旦終了する。
一方、現時点における第1オフセット量取得フラグXOFF1の値が「1」である場合、PMは、ステップ810にて「No」と判定し、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。すなわち、この場合、第1発電電動機MG1は作動されない。
さらに、PMは、所定のタイミングにて(例えば、上記同様、車両10の操作者からの要求などに応じて第2発電電動機MG2を作動させる必要があると判断したとき)、図9にフローチャートによって示した「MG2作動制御ルーチン」を実行する。PMは、このルーチンにより、作動範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて、第2発電電動機MG2を作動させる。
具体的に述べると、PMは、所定のタイミングにて図9のステップ900から処理を開始すると、ステップ910に進む。PMは、ステップ910にて、現時点にて第2オフセット量取得フラグXOFF2の値が「0」であるか否かを判定する。
現時点において本オフセット量は取得されていないものの(すなわち、第2オフセット量取得フラグXOFF2の値が「1」であり)仮オフセット量は取得されている場合、PMは、ステップ910にて「No」と判定し、ステップ920に進む。PMは、ステップ920にて、現時点にて仮オフセット量が取得済みであるか否かを判定する。そして、この場合、PMは、ステップ920にて「Yes」と判定し、ステップ930に進む。
PMは、ステップ930にて、第2発電電動機MG2の作動範囲を設定する。この場合、PMは、仮オフセット量を取得したときの第2発電電動機MG2の回転軸42の回転位置に応じて禁止範囲を定めるとともに、許容作動範囲から禁止範囲を除いた範囲を作動範囲として設定する(例えば、図3のルーチンを参照。)。
次いで、PMは、ステップ940に進み、作動範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて第2発電電動機MG1を作動させる。その後、PMは、ステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
このように、PMは、仮オフセット量が取得されている場合、本オフセット量が取得されるまで、禁止範囲が設定された作動範囲にて(すなわち、本来の許容作動範囲よりも狭い作動範囲にて)第2発電電動機MG2を作動させる。
その後、本オフセット量が取得されると(すなわち、第2オフセット量取得フラグXOFF2の値が「0」に設定された場合)、PMは、ステップ910にて「Yes」と判定し、ステップ950に進む。PMは、ステップ950にて、第2発電電動機MG2の作動範囲を設定する。この場合、PMは、第2発電電動機MG2の作動範囲について禁止範囲を定めることなく、許容作動範囲の全てを作動範囲に設定する。別の言い方をすると、この場合、禁止範囲が解除される。
次いで、PMは、ステップ940に進む。PMは、ステップ940にて、操作者からの要求などを考慮しながら、作動範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて第2発電電動機MG1を作動させる。その後、PMは、ステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
なお、現時点における第2オフセット量取得フラグXOFF2の値が「1」であり、かつ、仮オフセット量を取得済みではない場合、PMは、ステップ910およびステップ920にて「No」と判定し、ステップ995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。この場合、第2発電電動機MG2は作動されない。
以上に説明したように、第3装置は、第2発電電動機MG2の回転軸42が回転していないときにオフセット量取得処理(仮処理)が実行された場合、禁止範囲を考慮した作動範囲にて第2発電電動機MG2を作動させる。そして、第2発電電動機MG2の回転軸42が回転しているときにオフセット量取得処理(本処理)が実行されると、禁止範囲を解除し、本来の許容作動範囲にて第2発電電動機MG2を作動させる。これにより、これにより、取得されたオフセット量の精度をさらに適切に考慮しながら電動機を作動させることができる。
以上が、第3装置についての説明である。
(第4実施形態)
次いで、禁止範囲が定められた場合においてトルクおよび回転速度が不足した場合に不足するトルクおよび回転速度を機関20によって補う実施形態が、説明される。以下、この実施形態における制御装置は、「第4装置」とも称呼される。第4装置は、第1装置と同様の車両10に適用される。
<制御の考え方>
許容作動範囲中に禁止範囲が定められた場合、車両10の操作者などの操作に基づいて要求されるトルクおよび回転速度が禁止範囲中のトルクおよび回転速度であるとき、「要求されたトルクと、実際の作動範囲(許容作動範囲のうちの禁止範囲を除く範囲)に含まれるトルクと、の差であるトルク不足分」および「要求された回転速度と、実際の作動範囲範囲に含まれる回転速度と、の差である回転速度不足分」が生じ得る。そこで、第4装置は、これら不足分を、機関20の出力軸25に生じさせるトルクおよび同出力軸25の回転速度によって補う。
<実際の作動>
以下、第4装置の実際の作動が説明される。
第3装置において、PMは、第3装置と同様の図6〜図9に示したルーチン、ならびに、内燃機関制御のための図10に示したルーチンを所定のタイミングにて実行するようになっている。以下、これらルーチンにて行われる処理が説明される。
PMは、所定のタイミングにて図6および図7のルーチンを実行し、必要に応じて第1オフセット量および第2オフセット量(仮オフセット量または本オフセット量)を取得する。さらに、PMは、所定のタイミングにて図8および図9のルーチンを実行し、第1発電電動機MG1を作動範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて作動させ、第2発電電動機MG2を作動範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて作動させる。
さらに、PMは、所定のタイミングにて(例えば、車両10の操作者からの要求などに応じて機関20を作動させる必要があると判断したとき)図10にフローチャートによって示した「内燃機関制御ルーチン」を実行する。PMは、このルーチンにより、目標トルクおよび目標回転速度にて機関20を作動させる。
具体的に述べると、PMは、所定のタイミングにて図10のステップ1000から処理を開始すると、ステップ1010に進む。PMは、ステップ1010にて、車両10の操作者の操作などに基づき、機関20の目標トルクおよび目標回転速度を設定する。目標トルクおよび目標回転速度は、例えば、PMECU70に格納されているマップなどを参照することによって設定され得る。
次いで、PMは、ステップ1020に進む。PMは、ステップ1020にて、現時点にて電動機(第2発電電動機MG2)の作動について禁止範囲が定められれているか否かを判定する。
禁止範囲が定められていない場合、PMは、ステップ1020にて「No」と判定し、ステップ1030に進む。PMは、ステップ1030にて、目標トルクおよび目標回転速度にて機関20を作動させる。
一方、禁止範囲が定められている場合、PMは、ステップ1020にて「Yes」と判定し、ステップ1040に進む。PMは、ステップ1040にて、定められている禁止範囲を考慮して、トルク不足分または回転速度不足分が生じるか否かを判定する。
例えば、PMは、第2発電電動機MG2に要求されるトルクおよび回転速度の組み合わせが禁止範囲に含まれる場合、その組み合わせを、禁止範囲に含まれないトルクおよび回転速度の組み合わせであって出来る限りその要求に近い組み合わせに置き換える。この場合、要求されるトルクと、置き換えられたトルクと、の差がトルク不足分に相当し、要求される回転速度と、置き換えられた回転速度と、の差が回転速度不足分に相当する。
PMは、トルク不足分または回転速度不足分が生じると判断した場合、ステップ1040にて「Yes」と判定し、ステップ1050に進む。
PMは、ステップ1050にて、トルク不足分および回転速度不足分を補うように、目標トルクおよび目標回転速度を補正する。そして、PMは、ステップ1030に進み、補正された目標トルクおよび目標回転速度にて機関20を作動させる。
その後、PMは、ステップ1095に進み、本ルーチンを一旦終了する。
以上に説明したように、第4装置は、禁止範囲が定められた場合においてトルクおよび回転速度が不足すると考えられる場合、不足するトルクおよび回転速度を機関20によって補う。これにより、トルク不足分および回転速度不足分が内燃機関によって補われるので、電動機の許容作動範囲中に禁止範囲が定められた場合であっても、車両を適切に(例えば、操作者の要求に適切に従って)作動させることができる。
以上が、第4装置についての説明である。
<実施形態の総括>
図1〜図10を参照しながら説明したように、本発明の実施形態に係る制御装置は(第1装置〜第4装置)は、車両10の駆動軸53にトルク伝達可能に連結された回転軸(41,42)を有する電動機(MG1,MG2)と、前記電動機(MG1,MG2)の回転軸(41,42)の回転位置を検出する回転位置検出器(97,98)と、を備えた車両10に適用される。
本発明の実施形態に係る制御装置は(第1装置〜第4装置)は、
前記電動機(MG1,MG2)を、同電動機(MG1,MG2)の回転軸(41,42)に生じさせるトルクと同電動機(MG1,MG2)の回転軸(41,42)の回転速度との許容可能な組み合わせをあらかじめ定めた許容作動範囲(例えば、図3のステップ320を参照。)に含まれるトルクおよび回転速度にて作動させる。
さらに、本発明の実施形態に係る制御装置は(第1装置〜第4装置)は、
前記回転位置検出器(97,98)によって検出される前記回転軸(41,42)の回転位置と実際の前記回転軸(41,42)の回転位置との差に相当するオフセット量を取得する要求に応じて前記オフセット量を取得する処理であるオフセット量取得処理を実行する(図2のステップ210およびステップ220)。
ここで、本発明の実施形態に係る制御装置は(第1装置〜第4装置)は、
前記オフセット量取得処理が前記電動機MG2の回転軸42が回転していないときに実行される処理である場合(図2のステップ220にて「Yes」と判定される場合)、前記オフセット量を取得する要求に応じて前記オフセット量取得処理を実行したとき、前記許容作動範囲のうちの前記オフセット量取得処理が実行されたときの前記回転軸42の回転位置に応じて定める禁止範囲(例えば、図3のステップ320を参照。)に含まれるトルクおよび回転速度にて前記電動機MG2を作動させることを禁止する、ように構成されている(図2のステップ230およびステップ240)。
上述した禁止範囲の具体例について述べると、前記禁止範囲は、前記回転軸42の回転速度が前記オフセット量取得処理が実行されたときの前記回転軸42の回転位置に応じて定める閾値回転速度Nth以上であるときに前記回転軸42に生じさせるトルクの上限値Tqcを、前記許容作動範囲における同上限値Tqaよりも小さくするように定める範囲である、ように定められ得る(図4(a)を参照。)。
または、禁止範囲は、前記オフセット量取得処理が実行されたときの前記回転軸42の回転位置から推定される前記取得されたオフセット量の精度が低いほど、前記閾値回転速度Nthをより小さい値に定める(Nth1>Nth2である)、ように定められ得る(図4(b)を参照。)。
あるいは、禁止範囲は、前記オフセット量取得処理が実行されたときの前記回転軸42の回転位置から推定される前記取得されたオフセット量の精度が低いほど、前記回転軸42の回転速度が前記閾値回転速度Nth以上であるときの前記回転軸42に生じるトルクの上限値をより小さい値に定める(Tqa>Tqc1>Tqc2である)、ように定められ得る(図4(c)を参照。)。
これに対し、本発明の実施形態に係る制御装置(第3装置)は、
前記オフセット量取得処理が前記電動機(MG1,MG2)の回転軸(41,42)が回転しているときに実行される処理である場合(図6のルーチンの場合、または、図7のルーチンのステップ720にて「Yes」と判定された場合)、前記オフセット量を取得する要求に応じて前記オフセット量取得処理を実行したとき、前記禁止範囲を定めることなく前記許容作動範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて前記電動機(MG1,MG2)を作動させる、ように構成されている(XOFF1が「0」である場合の図8のルーチン、XOFF2が「0」であるときの図9のルーチン)。
加えて、本発明の実施形態に係る制御装置(第4装置)は、
前記車両10の駆動時にトルク伝達可能に連結された出力軸25を有する内燃機関20をさらに備えた車両10に適用されるとき、
前記禁止範囲を定めた場合において前記禁止範囲に含まれるトルクおよび回転速度にて前記電動機MG2を作動させることが要求されたとき、要求されたトルクと前記許容作動範囲のうちの前記禁止範囲を除く範囲に含まれるトルクとの差であるトルク不足分、および、要求された回転速度と前記許容作動範囲のうちの前記禁止範囲を除く範囲に含まれる回転速度との差である回転速度不足分を、前記内燃機関20の出力軸25に生じさせるトルクおよび同出力軸25の回転速度によって補う、ように構成され得る(図10のルーチン)。
(他の態様)
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、上記各実施形態においては、許容作動範囲から禁止範囲を除くことによって実際の作動範囲が設定されている。しかし、本発明の制御装置は、この実際の作動範囲に相当する作動範囲を表す複数のマップをあらかじめ準備しておき、必要に応じてこれら複数のマップを切り替えるように構成されてもよい。
さらに、上記各実施形態においては、本発明の制御装置は、駆動源として電動機と内燃機関とを備えたハイブリッド車両に適用されている。しかし、本発明の制御装置は、必ずしもハイブリッド車両にのみ適用され得るのではなく、駆動源として電動機のみを備えた電気自動車にも適用され得る。
さらに、上記各実施形態の制御装置が適用される車両10は、電動機を2つ備えている(第1発電電動機MG1および第2発電電動機MG2)。しかし、本発明の制御装置は、電動機を1つ又は3つ以上備えた車両にも適用され得る。
加えて、上記各実施形態の制御装置においては、オフセット量は、制御装置としてのPMECU70に記憶されるようになっている。しかし、他のECU(例えば、モータECU72など)を含む複数のECUの組み合わせを本発明の制御装置として考えるとともに、PMECU70以外のECU(例えば、モータECU72)にオフセット量が記憶されてもよい。
さらに、上記各実施形態の制御装置においては、オフセット量取得処理を実現する方法として、第1の方法および第2の方法が採用されている。しかし、オフセット量取得処理を実現する方法は、その方法が実行され得る条件およびオフセット量の取得精度などが考慮された適切な方法であればよく、第1の方法および第2の方法以外の方法が採用されてもよい。