JP5716782B2 - リチウム空気電池用の電解液 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム空気電池に用いられる電解液に関する。
近年の携帯電話等の機器の普及、進歩に伴い、その電源である電池の高容量化が望まれている。このような中で、金属空気電池は、空気極において、大気中の酸素を正極活物質として利用して、当該酸素の酸化還元反応が行われ、一方、負極において、負極を構成する金属の酸化還元反応が行われることで、充電又は放電が可能であるため、エネルギー密度が高く、現在汎用されているリチウムイオン電池に優る高容量電池として注目されている(非特許文献1)。
従来、金属空気電池の非水電解質として有機溶媒が用いられていたが、有機溶媒は揮発性があるとともに、水との混和性もあるために、長期作動では安定性に課題があった。長期の電池作動時には、正極(空気極)側から電解液が揮発することによって電池抵抗が増大し、あるいは、水分が電池内部に浸入することによって負極である金属リチウムが腐食される懸念があった。これらの現象は、空気電池の長時間放電という特徴を損ねる要因となり得る。
電解液の揮発性による減少及び水分の電池内部への混入が抑制され、電池の長期の安定作動が可能なリチウム空気電池を提供することを目的として、非水電解質として、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(DEMETFSA)(特許文献1)等のイオン液体を用いた空気電池が提案されている。イオン液体とは、カチオンとアニオンとを組み合わせたイオン分子のみから成る物質であり、且つ、常温(15℃〜25℃)において液体である物質のことを指す。
特開2011−003313号公報
独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)、「新しい構造の高性能リチウム空気電池を開発」、[online]、2009年2月24日報道発表、[平成23年8月19日検索]、インターネット<http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2009/pr20090224/pr20090224.html>
N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(DEMETFSA)等のイオン液体を空気電池の電解液として用いることによって、電解液の揮発による減少や水分の電池内部への混入の抑制に一定の効果が得られるものの、DEMETFSA等の従来のイオン液体を電解液として用いた空気電池は、電池としての出力が未だ十分であるとはいえない。したがって、リチウム空気電池の出力をより向上することができる電解液が望まれている。
リチウム空気電池の出力をより向上させることができる電解液について鋭意研究したところ、エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体が、LiOx生成能が高く、リチウム空気電池の出力向上に寄与し得ることを見出した。
本発明は、リチウム空気電池に用いられる電解液であって、エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体を含む、電解液である。
本発明によれば、リチウム空気電池用の電解液であって、LiOx生成能に優れた電解液を提供することができる。
図1は、アニオン部としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(TFSA)を用い、カチオン部として、エーテル基を1つ有するN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(DEME)を用いた場合の、Liイオンの配位形態及びO2供給性を表す模式図を示す。 図2は、アニオン部としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(TFSA)を用い、カチオン部として、3つのエーテル基が直列に組み込まれたDEME3を用いた場合の、Liイオンの配位形態及びO2供給性を表す模式図を示す。 図3は、アニオン部としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(TFSA)を用い、カチオン部として、3つのエーテル基が並列に組み込まれたN−メチル−N,N,N−トリ−(2−メトキシエチル)アンモニウム(N1(1o2)3)を用いた場合の、Liイオンの配位形態及びO2供給性を表す模式図を示す。 電解液について測定したリニアスイープボルタンメトリー(LSV)曲線である。
従来用いられているイオン液体であるN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(以下、DEMETFSAという)等を含む電解液を用いたリチウム空気電池は、電池としての出力が未だ満足できるものではなかった。
このような課題に対して、エーテル基を並列に導入したカチオンを含むイオン液体を電解液に用いることによって、LiOx生成能が従来よりも向上し、リチウム空気電池の出力特性を向上し得ることが分かった。
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体は、好ましくは式(1)で表される第4級アンモニウムカチオンを含むことができる。
Figure 0005716782
(式中、R1、R2、R3、及びR4のうち少なくとも2つの基がそれぞれ、1〜7個の炭素原子、水素原子、及び1〜3個の酸素原子を含み、残りの基がそれぞれ、1〜8個の炭素原子、水素原子、及び0〜3個の酸素原子を含み、R1、R2、R3、及びR4に含まれる酸素数は最大12個である。好ましくは、前記R1、R2、R3、及びR4うちの前記酸素原子を含む前記少なくとも2つの基は、同じ構造を有する。)
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体は、より好ましくは、2つのエーテル基を並列に含む式(2):
Figure 0005716782
で表されるN−エチル−N−メチル−N,N−ジ−(2−メトキシエチル)アンモニウム(N12(1o2)2)、
3つのエーテル基を並列に含む式(3):
Figure 0005716782
で表されるN−メチル−N,N,N−トリ−(2−メトキシエチル)アンモニウム(N1(1o2)3)、またはこれらの混合物を含むイオン液体である。
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体は、アニオンを含むことができる。アニオンとしては、式(4)で表されるビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(TFSA)、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、トリフレート等が挙げられ、好ましくはTFSAが用いられる。エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体は、より好ましくは、N12(1o2)2TFSA、N1(1o2)3TFSA、またはこれらの混合物である。
Figure 0005716782
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体を含む電解液は、リチウム含有金属塩を含むことができる。リチウム含有金属塩としては、リチウムイオンと、次に挙げるアニオン:
Cl-、Br-、I-などのハロゲン化物アニオン;BF4 -、B(CN)4 -、B(C242 -等のホウ素化物アニオン;(CN)2-、[N(CF32-、[N(SO2CF32-等のアミドアニオン又はイミドアニオン;RSO3 -(以下、Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を指す)、RSO4 -、RfSO3 -(以下、Rfは含フッ素ハロゲン化炭化水素基を指す)、RfSO4 -等のスルフェートアニオン又はスルフォネートアニオン;Rf 2P(O)O-、PF6 -、Rf 3PF3 -等の含リンアニオン;SbF6等の含アンチモンアニオン;またはラクテート、硝酸イオン、トリフルオロアセテート、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド等のアニオン、
とからなる塩を用いることができ、
例えばLiPF6、LiBF4、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiN(CF3SO22、以下、LiTFSAという)、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiC(CF3SO23、及びLiClO4等が挙げられ、LiTFSAが好ましく用いられる。このようなリチウム含有金属塩を2種以上組み合わせて用いてもよい。また、イオン液体に対するリチウム含有金属塩の添加量は特に限定されないが、0.1〜1mol/kg程度とすることが好ましい。
エーテル基はLiイオンと配位しやすく、このエーテル基をカチオン構造に並列に組み込むことで、イオン液体中において、O2が溶解することができるスペースを広く確保しつつ、アニオンよりも、カチオンとLiイオンとが複数配位しやすくなり、Liイオンの供給能を高めることができるため、カチオンに溶媒和したLiイオンと酸素分子とを電極上でより反応させやすくして、LiOxの生成能を高めることができる、と考えられる。
説明のための例示として、図1〜3に、アニオン部としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(TFSA)を用い、カチオン部としてエーテル基を含むが異なる構造を有するアンモニウムカチオンを用いた場合の、カチオン部のエーテル基へのLiイオンの配位形態及びO2供給性を表す模式図を示す。
図1は、カチオン部として、式(5)で表されるエーテル基を1つ有するN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(DEME)を用いた例であり、Liイオンとカチオン部のエーテル基とが配位しておらず、O2供給性は普通である。図2は、カチオン部として、式(6)で表される3つのエーテル基が直列に組み込まれたDEME3を用いた例であり、Liイオンが直列に組み込まれたエーテル基と配位しており、O2供給性は若干優れている。図3は、カチオン部として、上式(3)で表される3つのエーテル基が並列に組み込まれたN−メチル−N,N,N−トリ−(2−メトキシエチル)アンモニウム(N1(1o2)3)を用いた例であり、より多くのLiイオンが並列に組み込まれたエーテル基と配位しており、O2供給性は非常に優れている。
Figure 0005716782
Figure 0005716782
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体を含む電解液を用いて、リチウム空気電池を作製することができる。リチウム空気電池は、正極(空気極)層、負極層、及び正極層と負極層との間に配置された電解質層を有することができ、電解質層が、エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体を含む電解液を含むことができる。
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体を含む電解液は、正極層及び負極層との間で金属イオンを交換することができる。
電解質として、エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体そのものを用いてもよいし、エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体に、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(PP13TFSA)、DEMETFSA、DEME2TFSA、DEME3TFSA等の他のイオン液体、及び/またはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、グライム類等の有機溶媒を加えて用いてもよい。
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体はまた、有機溶媒と混合して、電解液として用いてもよい。イオン液体よりも粘度が低い有機溶媒を、イオン液体と組み合わせて電解液として用いることによって、リチウム酸化物の優れた溶解性を有しつつ、電解液の粘度を低くすることができる。このようにして、リチウム酸化物を溶解させてリチウムイオン及び酸素分子の拡散経路を確保しつつ、低粘性な電解液がLiイオン及び酸素分子を、素早く電極に供給することができ、リチウム空気電池の出力特性を向上することができる。
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体と混合して用いられ得る有機溶媒としては、イオン液体よりも低い粘度を有し、イオン液体と相溶性があり、活性プロトンを含まない溶媒が挙げられる。有機溶媒は、好ましくはエーテル基を有する有機溶媒であり、より好ましくはグライム類である。グライム類としては、テトラグライムまたはトリグライム等が挙げられ、グライム類は、N12(1o2)2TFSA、N1(1o2)3TFSA、またはこれらの混合物と混合して好ましく用いられ得る。
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体と有機溶媒とを含む電解液溶媒の全体量に対する有機溶媒の割合(モル比%)は、好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下、さらに好ましくは93.3%以下、さらにより好ましくは68%以下、さらにより好ましくは50%以下である。
また、電解質として、エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体を、ポリマー電解質又はゲル電解質と共に用いてもよい。
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体と共に用いることのできるポリマー電解質は、リチウム塩及びポリマーを含有するものであることが好ましい。リチウム塩としては、従来、リチウム空気電池等で一般的に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではなく、例えば、上述したリチウム含有金属塩として用いられるリチウム塩等を挙げることができる。ポリマーとしては、リチウム塩と錯体を形成するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
エーテル基が並列に組み込まれたカチオンを有するイオン液体と共に用いることのできるゲル電解質は、リチウム塩とポリマーと非水溶媒とを含有するものであることが好ましい。リチウム塩としては、上述したリチウム塩を用いることができる。非水溶媒としては、上記リチウム塩を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば上述した有機溶媒を用いることができる。これらの非水溶媒は、一種のみ用いてもよく、二種以上を混合して用いても良い。ポリマーとしては、ゲル化が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロプレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリウレタン、ポリアクリレート、セルロース等が挙げられる。
本発明に係る電解液を用いて構成されるリチウム空気電池の正極(空気極)層は、導電材を含むことができる。導電材としては、好ましくは多孔質材料が挙げられるが、それらに限られない。また、多孔質材料としては、例えばカーボン等の炭素材料が挙げられ、カーボンとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、メソポーラスカーボン等のカーボンブラック、活性炭、カーボン炭素繊維等が挙げられ、比表面積の大きいカーボン材料が好ましく用いられる。また、多孔質材料としては、1mL/g程度のナノメートルオーダーの細孔容積を有するものが望ましい。好ましくは、導電材は、正極層中において10〜99質量%を占める。
正極(空気極)層はバインダーを含むことができる。バインダーとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル等の熱可塑性樹脂、またはスチレンブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。好ましくは、バインダーは、正極層中において1〜40質量%を占める。
正極(空気極)層は酸化還元触媒を含んでもよく、酸化還元触媒としては、二酸化マンガン、酸化コバルト、酸化セリウム等の金属酸化物、Pt、Pd、Au、Ag等の貴金属、Co等の遷移金属、コバルトフタロシアニン等の金属フタロシアニン、Feポルフィリン等の有機材料等が挙げられる。好ましくは、酸化還元触媒は、正極層中において1〜90質量%を占める。
本発明に係る電解液を用いて構成されるリチウム空気電池において、正極層と負極層との間にはセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布、ポリフェニレンスルフィド製不織布等の高分子不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等の微多孔フィルム、またはこれらの組み合わせを使用することができる。液体電解質等の電解質をセパレータに含浸させて電解質層を形成してもよい。
本発明に係る電解液を用いて構成されるリチウム空気電池に含まれる負極層は、リチウムを含む負極活物質を含有する層である。リチウムを含有する負極活物質材料としては、従来より使用されている材料を用いることができ、リチウムの炭素質物、金属リチウム、リチウムを含む合金、またはリチウムを含む金属酸化物、金属窒化物、若しくは金属硫化物を用いることができる。リチウムを含む合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。リチウムを含む金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。リチウム元素を含有する金属硫化物としては、例えばリチウム硫化物等を挙げることができる。
負極層は、導電性材料及び/またはバインダーをさらに含有してもよい。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極層とすることができ、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質及びバインダーを有する負極層とすることができる。なお、導電性材料及びバインダーについては、上述の正極層に用いられ得る材料と同様のものを用いることができる。
本発明に係る電解液を用いて構成されるリチウム空気電池に用いられ得る外装材としては、金属缶、樹脂、ラミネートパック等、空気電池の外装材として通常用いられる材料を使用することができる。
外装材には、酸素を供給するための孔を、任意の位置に設けることができ、例えば、正極層の空気との接触面に向かって設けることができる。酸素源としては、乾燥空気または純酸素が好ましい。
本発明に係る電解液を用いて構成されるリチウム空気電池は、酸素透過膜を含むことができる。酸素透過膜は、例えば正極層上であって電解質層と反対側の空気との接触部側に配置され得る。酸素透過膜としては、空気中の酸素を透過させ、かつ水分の進入を防止できる撥水性の多孔質膜等を用いることができ、例えば、ポリエステルやポリフェニレンサルファイド等からなる多孔質膜を用いることができる。撥水膜を別途配置してもよい。
正極層に隣接して正極集電体を配置することができる。正極集電体は、通常、正極層上であって、電解質層と反対側の空気との接触部側に配置され得るが、正極層と電解質層との間にも配置してもよい。正極集電体としては、カーボンペーパー、金属メッシュ等の多孔質構造、網目状構造、繊維、不織布等、従来から集電体として用いられる材料であれば特に限定されず用いることができ、例えば、SUS、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン等から形成した金属メッシュを用いることができる。正極集電体として、酸素供給孔を有する金属箔を用いることもできる。
負極層に隣接して負極集電体を配置することができる。負極集電体としては、多孔質構造の導電性基板、無孔の金属箔等、従来から負極集電体として用いられる材料であれば特に限定されず用いることができ、例えば、銅、SUS、ニッケル等から形成した金属箔を用いることができる。
本発明に係る電解液を用いて構成されるリチウム空気電池の形状は、酸素取り込み孔を有する形状であれば特に限定されず、円筒型、角型、ボタン型、コイン型、または扁平型等、所望の形状をとることができる。
本発明に係る電解質を用いて構成されるリチウム空気電池は、二次電池として使用することができるものであるが、一次電池として使用してもよい。
本発明に係る電解液を用いて構成されるリチウム空気電池に含まれる正極層及び負極層は、従来行われている任意の方法で形成され得る。例えば、カーボン粒子及びバインダーを含む正極層を形成する場合、所定量のカーボン粒子及びバインダーに適量のエタノール等の溶媒を加えて混合し、得られた混合物をロールプレスで所定の厚みに圧延して、乾燥及び切断して正極層を形成することができる。次いで、正極集電体を圧着し、加熱真空乾燥して、集電体を組み合わせた正極層を得ることができる。
別法として、所定量のカーボン粒子及びバインダーに適量の溶媒を加えて混合してスラリーを得て、スラリーを基材上に塗工及び乾燥を行って正極層を得ることができる。所望により得られた正極層をプレス成形してもよい。スラリーを得るための溶媒としては、沸点が200℃以下のアセトン、NMP等を用いることができる。スラリーの正極層の基材上への塗工プロセスとしては、ドクターブレード法、グラビヤ転写法、インクジェット法等が挙げられる。用いられる基材は、特に制限されるものではなく、集電体として用いる集電板、フィルム状の柔軟性を有する基材、硬質基材等を用いることができ、例えばSUS箔、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、テフロン(登録商標)等の基材を用いることができる。負極層の形成方法についても同様である。
(溶媒の準備)
電解液に用いる溶媒を準備した。N−エチル−N−メチル−N,N−ジ−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(N12(1o2)2TFSA)については、公知物質であるN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(DEMETFSA)の合成における出発材料のN,N−ジエチルメチルアミンをビス(2−メトキシエチル)アミンに、2−メトキシエチルブロマイドをメチルブロマイドとエチルブロマイドに変えて合成した。N−メチル−N,N,N−トリ−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(N1(1o2)3TFSA)については、公知物質であるN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(DEMETFSA)の合成における出発材料のN,N−ジエチルメチルアミンをビス(2−メトキシエチル)アミンに、2−メトキシエチルブロマイドを2−メトキシエチルブロマイドとメチルブロマイドに変えて合成した。N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(DEMETFSA)については、関東化学株式会社から入手した。DEME2TFSA及びDEME3TFSAについては、公知物質であるDEMETFSAの合成における出発材料の1−ブロモ−2−メトキシエタンを、1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン、ジエチレングリコール−2−ブロモエチルメチルエーテルにそれぞれ変えて、合成した。
以下に示すように、並列に組み込まれた複数のエーテル基を有するN12(1o2)2TFSA及びN1(1o2)3TFSAをそれぞれ実施例として用い、1つのエーテル基を有するDEMETFSAを比較例として用い、直列に組み込まれた複数のエーテル基を有するDEME2TFSA及びDEME3TFSAをそれぞれ参考例として用いた。
(実施例1)
N12(1o2)2TFSAを溶媒として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiTFSA、キシダ化学製)を0.32mol/kgの濃度で、60℃のAr雰囲気下で秤量混合して6時間攪拌して、電解液を調製した。
(実施例2)
N1(1o2)3TFSAを溶媒として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiTFSA、キシダ化学製)を0.32mol/kgの濃度で、60℃のAr雰囲気下で秤量混合して6時間攪拌して、電解液を調製した。
(比較例1)
DEMETFSAを溶媒として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiTFSA、キシダ化学製)を0.32mol/kgの濃度で、60℃のAr雰囲気下で秤量混合して6時間攪拌して、電解液を調製した。
(参考例1)
DEME2TFSAを溶媒として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiTFSA、キシダ化学製)を0.32mol/kgの濃度で、60℃のAr雰囲気下で秤量混合して6時間攪拌して、電解液を調製した。
(参考例2)
DEME3TFSAを溶媒として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiTFSA、キシダ化学製)を0.32mol/kgの濃度で、60℃のAr雰囲気下で秤量混合して6時間攪拌して、電解液を調製した。
(LiOx生成能の評価)
実施例1〜2、比較例1、及び参考例1〜2で調製した電解液について、次の条件にしたがって電気化学測定を行い、LiOx生成能を評価した。
作用電極としてグラッシーカーボン(径3mm)、参照電極としてAg/Ag+、及び対極としてNiを備えた気密性を有する三電極式の測定セル、並びに測定装置としてポテンショスタット/ガルバノスタット(Solartron)を用意した。各電解液を入れた測定セルについて、測定セル内の雰囲気をアルゴン雰囲気で置換し、次いで、純酸素で30分間、各電解液をバブリングしながら酸素雰囲気に置換した後、60℃、1気圧の恒温槽にて3時間静置した。次いで、60℃、酸素雰囲気、及び1気圧の条件下で、−0.3〜−1.3V v.s. Ag/Ag+の範囲で、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)測定を行った。
図4に、それぞれの電解液について測定したLSV曲線を示す。実施例1及び2でそれぞれ調製した電解液は、約−0.8Vに観測されるLiOx生成ピーク電流値が、比較例1で調製した電解液に比べて約3倍大きく、参考例1で調製した電解液に比べて約71%大きく、LiOx生成能が高いことが示された。

Claims (6)

  1. 式(2):
    Figure 0005716782
    で表されるアンモニウムカチオン、
    式(3):
    Figure 0005716782
    で表されるアンモニウムカチオン、またはこれらの混合物を含むイオン液体を含む、リチウム空気電池用の電解液。
  2. 有機溶媒をさらに含む、請求項1に記載の電解液。
  3. Figure 0005716782
    で表されるビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(TFSA)をさらに含む、請求項1または2に記載の電解液。
  4. リチウム含有金属塩をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の電解液。
  5. 前記リチウム含有金属塩がリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiTFSA)である、請求項に記載の電解液。
  6. 正極層、負極層、及び前記極層と前記負極層との間に配置される電解質層を有するリチウム空気電池であって、
    前記電解質層が、請求項1〜のいずれか一項に記載の電解液を含む、リチウム空気電池。
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