JP5716624B2 - 超音波モータの駆動装置 - Google Patents
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Description
上記超音波モータの駆動装置は、交流発振器による交流電圧信号と、交流電圧信号より高い周波数をもつ三角波状の搬送波電圧信号とが入力される比較器をさらに備え、比較器は、交流電圧信号及び搬送波電圧信号からパルス波形のパルス電圧信号を生成してスイッチング装置に送り、スイッチング装置は、出力コイルに流れる電流をオンまたはオフするスイッチング素子を有し、パルス電圧信号によりスイッチング素子をオンまたはオフさせてもよい。
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1に係る超音波モータの駆動装置101の構成を説明する。
図1を参照すると、超音波モータの駆動装置101には、正弦波の波形を有した基準電圧の交流電圧信号を発生する交流発振器10と、三角波の波形を有した搬送波からなる電圧信号である搬送波電圧信号を発生する三角波発生器20と、CPU30とが接続されている。CPU30は、交流発振器10及び三角波発生器20の動作を制御する。
ここで、D級スイッチング段3は、スイッチング装置を構成している。
D級出力段3bは、スイッチング素子としてトランジスタの一種であるMOSFETを2つ有している。MOSFETは、ハイサイドMOSFET3b1とローサイドMOSFET3b2とから構成されている。
ハイサイドMOSFET3b1は、高く設定された所定の電圧が印加されるとON(オン)状態となって電流を流し、印加される電圧が上記所定の電圧未満ではOFF(オフ)状態となって電流を流さない。
ローサイドMOSFET3b2は、低く設定された所定の電圧が印加されるとON状態となって電流を流し、印加される電圧が上記所定の電圧未満ではOFF状態となって電流を流さない。
また、D級ドライブ回路3aは、パルス電圧信号を、ハイサイドMOSFET3b1及びローサイドMOSFET3b2のそれぞれをON状態にするのに必要な電圧に増幅するゲートドライバ3a3及び3a4を有している。ゲートドライバ3a3は、ハイサイドMOSFET3b1のゲート及びレベルシフタ3a2に接続され、ゲートドライバ3a4は、ローサイドMOSFET3b2のゲート及びデッドタイム生成回路3a1に接続されている。
ここで、LPF回路6のカットオフ周波数は、第一所定周波数または、第一所定周波数より高い周波数を構成している。
また、超音波モータ100は、搭載される機器の駆動部分に配置される。そして、出力コイル4は、超音波モータ100から離れて配置され、誤差増幅器1、比較器2及びD級スイッチング段3等と共に1つの回路基板に収められてケース等で防護された状態で機器に搭載されている。このため、電路8bは、少なくとも一部が搭載される機器の中で露出して配置されている。
ここで、CPU30は、異常判定装置を構成している。
図1を参照すると、CPU30は、超音波モータ100を駆動する指令を受けると、交流発振器10を用いて基準電圧・基準周波数での交流電圧信号(本実施の形態1では基準電圧10V[ボルト]、基準周波数80kHz[キロヘルツ]とする)を駆動装置101に入力し、同時に、三角波発生器20には、交流電圧信号より大幅に高い所定の周波数(本実施の形態1では800kHzとする)の搬送波電圧信号を発生させる。
また、比較器2には三角波発生器20が発生した搬送波電圧信号が送られ、比較器2は、この搬送波電圧信号と駆動波電圧信号とを比較し、駆動波電圧信号の振幅を振幅が一定のパルスの幅に変換(変調)して、パルス電圧信号を生成する。
また、出力電圧信号SVの一部は、電路8cを通って誤差増幅器1に送られ、誤差増幅器1は、出力電圧信号SVと交流電圧信号との誤差を増幅し、増幅した誤差に基づき、出力電圧信号SVを安定化させるように交流電圧信号を駆動波電圧信号S1(図2参照)に変換する。
出力コイル4と圧電素子5との間の電路8bに異常がない場合、HPF回路7aには高周波成分が除去された正弦波からなる出力電圧信号SVが送られ、さらにHPF回路7aによって低周波成分の大部分、つまり正弦波を構成する駆動波周波数f1成分の大部分が除去される。このため、HPF回路7aでの処理後の出力電圧信号(処理後出力電圧信号SVCと呼ぶ)は、高周波成分及び低周波成分のいずれもほとんど含まず、ほぼ一定の電圧(0V)を示す電圧信号となり、図4の状態(4A)のようになる。なお、図4は、縦軸が電圧を示し横軸が時間を示す座標を有している。
電路8bにおいて接続部8b1と圧電素子5との間で断線が発生した場合、LPF回路6は、圧電素子5が高周波成分を通過させてグランドに流すことができないため、ローパスフィルタを形成できない。このため、合成電圧信号SCが、高周波成分を多く含んだ状態のパルス波からなる電圧信号SC’となって、電路8c及び8dを介してHPF回路7aに送られる。そして、HPF回路7aでの処理後の電圧信号SC’は、低周波成分(駆動波周波数f1成分)の大部分が除去されているが、高周波成分(搬送波周波数f2成分)が多く残存している電圧信号(処理後電圧信号SCC’と呼ぶ)となり、図4の状態(4B)のようになる。さらに、振幅検知装置7bは、処理後電圧信号SCC’における振幅の最大値(出力電圧)を検出し、CPU30に検出結果を送る。CPU30は、処理後電圧信号SCC’が出力電圧を有することから、異常が発生したと判定し、交流発振器10及び三角波発生器20、及びD級スイッチング段3を停止する。
よって、CPU30は、検知装置7の振幅検知装置7bによって処理後電圧信号に振幅の最大値(出力電圧)が検出される場合に、接続部8b1と圧電素子5との間の電路8b又は圧電素子5に異常が発生したと判定する。
なお、接続部8b1と、出力コイル4の間に断線が発生した時は、検知装置7には如何なる信号も送られない。この時、CPU30は、接続部8b1と出力コイル4の間に断線が生じたと判断する。
この発明の実施の形態2に係る超音波モータの駆動装置は、CPU30が、検知装置7の振幅検知装置7bが検出する振幅の最大値(出力電圧)の大きさによって、異常の発生箇所を特定するようにしたものである。
なお、以下の実施の形態において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
なお、電圧GAINは、常用対数を使用して以下のように示される。
Vout:LPF回路6からの出力電圧
Vin:LPF回路6への入力電圧
また、LPF回路6は、カットオフ周波数Cf1より高い周波数の電圧信号に対しては、電圧信号の周波数が増加するに従い電圧GAINを低下させるため、通過させることができる電圧信号の出力電圧は、電圧信号の周波数が増加するに従い小さくなるように減衰する。
このため、LPF回路6は、カットオフ周波数Cf2以下の周波数の電圧信号を全て通過させ、カットオフ周波数Cf2より高い周波数の電圧信号に対しては、電圧信号の周波数が増加するに従い、通過させることができる電圧信号の出力電圧を減衰させる。
ここで、上限値Vf2H’は第一閾値を構成し、下限値Vf2L’は第二閾値を構成している。
また、この発明の実施の形態2に係る超音波モータの駆動装置のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
また、CPU30は、検知装置7のHPF回路7aを通過後の電圧信号が上限値Vf2H’以上の場合、出力コイル4及び圧電素子5の間の電路8bに断線があると判定し、検知装置7のHPF回路7aを通過後の電圧信号が下限値Vf2L’より大きく上限値Vf2H’未満の場合、圧電素子5の容量に欠損があると判定し、検知装置7のHPF回路7aを通過後の電圧信号が下限値Vf2L’以下の場合、出力コイル4及び圧電素子5の間の電路8b、及び圧電素子5に異常がないと判定する。これにより、電路8b及び圧電素子5のいずれで異常が発生したかを特定することが可能になる。
この発明の実施の形態3に係る超音波モータの駆動装置301は、実施の形態1に係る超音波モータの駆動装置101がD級増幅器を構成していたものを、E級増幅器を構成するようにしたものである。
図6を参照すると、超音波モータの駆動装置301は、実施の形態1における超音波モータの駆動装置101と同様にして、交流発振器10、三角波発生器20、CPU30、誤差増幅器1、及び比較器2を有している。さらに、超音波モータの駆動装置301は、比較器2が生成した電圧信号を増幅して内部のスイッチング素子を駆動するE級スイッチング段33と、E級スイッチング段33に接続された出力コイル4と、出力コイル4に直列に接続されると共に接地された圧電素子5とを有している。
さらに、E級スイッチング段33は、シャントキャパシタ33dを有している。シャントキャパシタ33dは、チョークコイル33cに対してMOSFET33bと並列になっており、一方の電極が、チョークコイル33cとMOSFET33bとの間の電路38aに、電路38bを介して接続され、他方の電極が接地されている。
また、この発明の実施の形態3に係る超音波モータの駆動装置301のその他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
図6を参照すると、CPU30は、超音波モータ100を駆動する指令を受けると、交流発振器10を用いて交流電圧信号を誤差増幅器1に入力し、同時に、三角波発生器20に搬送波電圧信号を発生させ、比較器2へ入力させる。誤差増幅器1は、交流電圧信号を駆動波電圧信号に変換して比較器2に送る。
そして、MOSFET33bは、電圧V3の電圧が印加されている間ON状態となり、電圧V3未満の電圧が印加されている間OFF状態となり、パルス電圧信号の周波数でON状態及びOFF状態を交互に繰り返す。
さらに、LPF回路6は、入力する合成電圧信号SCから高周波成分(搬送波周波数成分)を除去して出力電圧信号を生成する。
駆動波周波数成分を主に有し正弦波からなる出力電圧信号は、圧電素子5に駆動波周波数で電圧を印加し、それにより、圧電素子5は、相対する方向に交互に歪みを発生して超音波振動を発生し、ステータ40を介してロータ50を回転させる。
そして、CPU30は、実施の形態1と同様にして、検知装置7の振幅検知装置7bが検出する電圧信号の振幅の最大値(出力電圧)から、電路8b及び圧電素子5における異常の有無を判定する。
また、この発明の実施の形態3に係る超音波モータの駆動装置301のその他の動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
また、実施の形態3に係る超音波モータの駆動装置301は、実施の形態2と同様にして、CPU30が、検知装置7の振幅検知装置7bが検出する電圧信号の振幅の最大値(出力電圧)の大きさによって異常の発生箇所を特定するようにしてもよい。
また、実施の形態1〜3の超音波モータの駆動装置において、LPF回路6及びHPF回路7aは、1つのコイル若しくは抵抗と、1つのキャパシタ(圧電素子5)とを有する構成であったが、これに限定されるものでなく、いずれも2つ以上あってもよい。
また、実施の形態1の超音波モータの駆動装置101において、検知装置7の振幅検知装置7bが検出する電圧信号の振幅の最大値(出力電圧)が0となる場合に、電路8b及び圧電素子5に異常がないとしていたが、これに限定されるものでない。LPF回路6及びHPF回路7aのカットオフ周波数及びその特性線の状態によっては、電路8b又は圧電素子5に異常がない場合でも、振幅検知装置7bが電圧信号に出力電圧を検出することがあるが、実施の形態2のように出力電圧の閾値を設定することによって、電路8b及び圧電素子5の異常を検出してもよい。
Claims (4)
- 超音波モータの駆動装置において、
電気の容量性を有する圧電素子と、
交流発振器及び前記圧電素子に接続され前記圧電素子に送る電圧信号を周期的に切り換えるスイッチング装置と、
前記スイッチング装置及び前記圧電素子の間に接続される出力コイルと、
前記出力コイル及び前記圧電素子の間に接続され前記出力コイル及び前記圧電素子の間の電圧信号の振幅を検出する検知装置と、
前記検知装置が検出した電圧信号の振幅に基づき、前記圧電素子の異常、及び/もしくは前記出力コイルと前記圧電素子との間の断線を判定する異常判定装置とを備え、
前記検知装置は、
前記圧電素子及び前記出力コイルと前記圧電素子との間の電路に異常がない場合に前記圧電素子に入力する電圧信号より高い周波数をもつ電圧信号を通過させるハイパスフィルタ回路を有し、且つ前記ハイパスフィルタ回路を通過後の電圧信号の振幅を検出し、
前記異常判定装置は、前記検知装置が検出する電圧信号の振幅が0でない場合、前記圧電素子の異常及び前記出力コイルと前記圧電素子との間の断線のいずれかが発生したと判定する超音波モータの駆動装置。 - 前記出力コイル及び前記圧電素子は、前記出力コイルに入力する電圧信号のうち第一所定周波数以下の周波数の電圧信号を通過させるローパスフィルタ回路を構成し、
前記第一所定周波数は、前記圧電素子を駆動する電圧信号の周波数以上であり、
前記検知装置の前記ハイパスフィルタ回路は、前記第一所定周波数より高い周波数をもつ電圧信号を通過させる請求項1に記載の超音波モータの駆動装置。 - 前記異常判定装置は、
前記検知装置の前記ハイパスフィルタ回路を通過後の電圧信号の振幅の最大値が第一閾値以上の場合、前記出力コイル及び前記圧電素子の間の電路に断線があると判定し、
前記検知装置の前記ハイパスフィルタ回路を通過後の電圧信号の振幅の最大値が第二閾値より大きく前記第一閾値未満の場合、前記圧電素子の容量に欠損があると判定し、
前記検知装置の前記ハイパスフィルタ回路を通過後の電圧信号の振幅の最大値が前記第二閾値以下の場合、前記出力コイル及び前記圧電素子の間の電路、及び前記圧電素子に異常がないと判定する請求項2に記載の超音波モータの駆動装置。 - 前記交流発振器による交流電圧信号と、前記交流電圧信号より高い周波数をもつ三角波状の搬送波電圧信号とが入力される比較器をさらに備え、
前記比較器は、前記交流電圧信号及び前記搬送波電圧信号からパルス波形のパルス電圧信号を生成して前記スイッチング装置に送り、
前記スイッチング装置は、
前記出力コイルに流れる電流をオンまたはオフするスイッチング素子を有し、
前記パルス電圧信号により前記スイッチング素子をオンまたはオフさせる請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波モータの駆動装置。
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