JP5716490B2 - ヒートポンプ装置 - Google Patents

ヒートポンプ装置

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Description

本発明は、複数の圧縮機構が、同一の回転軸にて運転され、一つの密閉容器内に収納された多段圧縮機を備えたヒートポンプ装置に関し、特に、多段圧縮機における適切な圧力比バランスを維持して圧縮機の振動を抑制可能なヒートポンプ装置に関する。
従来、ヒートポンプ装置の圧縮機として、複数の圧縮機構を持ち、それぞれが直列に繋がれて段階的に圧縮を行う多段圧縮機が広く知られている。(特許文献2,3)例えば特許文献2では低段圧縮部(一段目圧縮機構)と高段圧縮部(二段目圧縮機構)を密閉容器内に収納した二段圧縮機を用いており、特許文献3では、各々が独立に回転数調整可能な、二台の圧縮機を用いている。この多段圧縮機の単段圧縮機と比較したときのメリットとしては、個々の圧縮機構の圧力比を小さくすることで、漏れが軽減して体積効率を向上させることができる点がある。また、多段圧縮機の中間圧へのインジェクションにより、性能が向上すると共に、高圧力比運転が可能となり、その結果、低外気温時の暖房効率を向上させることができる点もメリットの1つである。
また、多段圧縮機における制御手法の1つとして、特公平8−33251号公報に開示の「冷却装置及び冷却方法」がある。これは、2段圧縮機で中間圧に圧縮された冷媒の少なくとも一部を該2段圧縮機の1段目の吸入側へ戻すバイパス経路を設け、負荷要求に応じて該バイパス経路の流量を制御するものである。この従来例は、容量制御を目的とするが、2段圧縮機の1段目と2段目の圧力比バランスを調整することが可能である。特許文献3においては、1段目と2段目の圧縮機の回転数を各々、調整することで圧力比バランスを調整することが可能である。
特公平8−33251号公報 特開2008−96072号広報 特許第4069735号広報
ところで、コストと効率の面から(同一容器による一台の圧縮機と効率の高いロータリー式)1段目圧縮機構及び2段目圧縮機構を同一回転軸上、同一容器内に備えたロータリー式2段圧縮機の場合について考えると、冷房低負荷や低外気温冷房等の低回転・低圧力比運転時には、1段目圧縮機構の吐出段階で必要とされる圧力まで圧縮されてしまう。すなわち、図2に示すモリエル線図上で、A1−E1−E2−F−J−A1の冷凍サイクルとした場合に、1段目圧縮機構による圧縮(A1−E1)で殆ど圧縮が終了していて、2段目圧縮機構では空転に近い状態(2段目圧縮機構による圧縮:E1−E2)となる。つまり、1シリンダロータリー式圧縮機に近い運転状況となり、トルク変動が大きくなるため、圧縮機の振動が大きくなり、騒音や配管振動が増大する。その結果として、騒音や配管振動の抑制に余分なコストが発生するといった問題や、これを回避するために低負荷での運転ができなくなるという問題があった。
このような問題を解決する一手法として、特許文献1に開示された技術を用いて、圧縮途中の冷媒を吸入側にバイパスすることにより、2段圧縮機の1段目と2段目の圧力比バランスを調整する手法が考えられる。しかしながら、この手法においては、バイパスされた冷媒は熱交換器を通過せず、一定の圧縮機の回転数では、空調に寄与する冷媒流量がバイパス分だけ減ることとなり、空調能力が低下するという問題があった。
また、圧力比を調整するために、バイパス経路に設置される開度調節可能なバイパス弁を全閉状態から全開状態までの範囲で調整するとすれば、バイパス弁の弁開度を大きくしてバイパス流量を増やしていく場合には、バイパス流量分の空調能力の低下を伴うと共に、バイパス経路の振動やバイパス弁の冷媒流動騒音が増加するという問題があった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、多段圧縮機における適切な圧力比バランスを維持して振動を抑制し得ると共に、バイパス経路の振動やバイパス弁の冷媒流動騒音の増加と空調能力の低下を、抑制可能なヒートポンプ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るヒートポンプ装置は、冷媒に熱を吸収させる蒸発器と、多段圧縮機と、冷媒の流路を切り替える四方弁と、冷媒の熱を放熱させる凝縮器と、冷媒の圧力を下げる第1膨張弁と、が冷媒を循環させるように接続された主冷媒回路を備えるヒートポンプ装置であって、前記圧縮機で中間圧に圧縮された冷媒を、前記圧縮機の吸入側の配管に合流させるバイパス経路と、前記バイパス経路に設けられ、該バイパス経路を流れる冷媒の圧力を下げる第2膨張弁と、前記第1膨張弁及び前記第2膨張弁の開度を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記圧縮機から吐出される冷媒流量に対する前記バイパス経路を流れる冷媒流量の流量比を、前記蒸発器出口の冷媒圧力と、前記蒸発器出口の冷媒温度と、バイパスした冷媒が合流した後の前記圧縮機の吸入側の配管を流れる冷媒温度と、前記第2膨張弁通過後の冷媒温度と、に基づき算出し、前記流量比が第1閾値以上で且つ該第1閾値よりも大きい第2閾値未満となるよう、前記第2膨張弁の弁開度を調節することを特徴とする。
また、上記発明において、前記制御手段は、算出した流量比が前記第1閾値未満のときに前記第2膨張弁の開度を増加させ、算出した流量比が前記第2閾値以上のときに前記第2膨張弁の開度を減少させることを特徴とする。
さらに、上記発明において、前記第1閾値を0.1に、前記第2閾値を0.3に、それぞれ設定したことを特徴とする。
本発明に係るヒートポンプ装置によれば、多段圧縮機における適切な圧力比バランスを維持して振動を抑制し得ると共に、過度のバイパスによるバイパス弁や管の振動、冷媒流動音、空調能力の低下を抑制可能なヒートポンプ装置を提供することができる。
本発明の実施例1に係るヒートポンプ装置の冷房運転時の構成を説明する冷媒回路図である。 実施例1のヒートポンプ装置におけるモリエル線図である。 第1閾値及び第2閾値の設定を説明する説明図である。 本発明の実施例2に係るヒートポンプ装置の構成を説明する冷媒回路図である。 2段圧縮機構の吸入状態を示す図である。
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、実施例1、実施例2の順に図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係るヒートポンプ装置の構成を説明する冷媒回路図である。同図において、本実施例のヒートポンプ装置は、主冷媒回路として、2段圧縮機31、四方弁35、室外熱交換器11、メイン膨張弁41(第1膨張弁)及び室内熱交換器21が、冷媒を循環させるように接続されている。なお、凝縮器は、冷房運転時には室外熱交換器11が、暖房運転時には室内熱交換器21がそれぞれ該当する。また、蒸発器は、冷房運転時には室内熱交換器21が、暖房運転時には室外熱交換器11がそれぞれ該当する。さらに、2段圧縮機31は、同軸の1段目圧縮機構31a及び2段目圧縮機構31bを備えており、図中の31dが中間圧の箇所となる。
また、本実施例のヒートポンプ装置は、バイパス経路及びバイパス膨張弁45(第2膨張弁)を備えている。ここで、バイパス経路は、アキュムレータ32の入口側で、主冷媒回路を流れる冷媒に2段圧縮機31で中間圧に圧縮された冷媒を合流させる経路である。すなわち、バイパス経路は、2段圧縮機31の中間圧の箇所31dからアキュムレータ32の入口側における主冷媒回路との接続点までの経路が該当する。また、バイパス膨張弁45(第2膨張弁)は、バイパス経路に設けられて、該バイパス経路を流れる冷媒の圧力を下げる。
さらに、本実施例のヒートポンプ装置は、メイン膨張弁42及びバイパス膨張弁45の開度を制御する制御手段(図示せず)を備えている。また、各位置における冷媒温度を検出する温度センサとして、蒸発器出口の冷媒温度もしくはバイパス合流前冷媒温度(Ta)を検出する温度センサ51と、アキュムレータ32入口のバイパス冷媒と合流後の冷媒温度(Tb)を検出する温度センサ52と、バイパス膨張弁45通過後の冷媒温度(Tc)を検出する温度センサ53と、2段圧縮機31の吐出冷媒温度(Td)を検出する温度センサ54と、凝縮器の蒸発温度(To)を検出する温度センサ55と、蒸発器の蒸発温度(Ti)を検出する温度センサ56と、を備えている。ここで温度センサ51、52は合流による温度変化の影響を受けないように設置位置に配慮する必要があり、合流箇所よりも51は上流側、52は下流側に少なくとも所定の距離(例えば配管径の5倍以上など)離れた位置に設置する。
なお、制御手段は、2段圧縮機31の回転数制御等を行う制御器に組み込まれるものであり、2段圧縮機31から吐出される主冷媒回路の冷媒流量(Ga)に対するバイパス経路を流れる冷媒流量(Gc)の流量比(Gc/Ga)が第1閾値以上で且つ該第1閾値よりも大きい第2閾値未満となるよう、バイパス膨張弁45の弁開度を調節する。本実施例では、第1閾値を0.1に、また第2閾値を0.3に、それぞれ設定している。
次に、上記構成を備えたヒートポンプ装置の基本動作について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図2は本実施例のヒートポンプ装置におけるモリエル線図である。また、図1中に付記されている矢印は、冷房運転時において冷媒が流れる方向を示しており、暖房運転時にはその矢印とは逆の方向に流れることとなる。
冷房運転時には、四方弁35は図1に示す接続関係にあり、まず、主冷媒回路では、2段圧縮機31で圧縮された(図2において1段目圧縮機構31aによってB−D、2段目圧縮機構31bによってD−Eの圧縮)冷媒が吐出され、室外熱交換器11で凝縮され(図2:E−F)、メイン膨張弁41で膨張された(図2:F−J)後、室内熱交換器21で蒸発される(図2:J−A)。また他方で、バイパス経路では、2段圧縮機31の中間圧の箇所31dから中間圧に圧縮された(図2:B−D)冷媒が吐出され、バイパス膨張弁45で膨張され(図2:D−C)、主冷媒回路との接続点で合流する。
また、暖房運転時には、四方弁35は図1とは逆の接続関係(図示せず)にあり、まず、主冷媒回路では、2段圧縮機31で圧縮された冷媒が吐出され、室内熱交換器21で凝縮され、メイン膨張弁41で膨張された後、室外熱交換器11で蒸発され、アキュムレータ32を経て2段圧縮機31の吸入側に戻り、2段圧縮機31で圧縮される。また他方で、バイパス経路では、2段圧縮機31の中間圧の箇所31dから中間圧に圧縮された冷媒が吐出され、バイパス膨張弁45で膨張され、主冷媒回路との接続点で合流する。
次に、図2において、低速運転時に2段圧縮機31の中間圧からのバイパスを行わないケースについて考えると、例えば図中のA1−E1−E2−F−J−A1の冷凍サイクルでの場合には、2段圧縮機31の中間圧は図中のE1の位置にあって、2段目圧縮機構31bが空転に近い状態となり、2段圧縮機31の振動が大きくなって騒音や配管振動が増大していた。これに対し、2段圧縮機31の中間圧からのバイパスを行う本実施例では、2段圧縮機31の中間圧、即ち1段目圧縮機構31aの吐出圧力が低下して、2段目圧縮機構31bの圧力比を確保することができ、2段圧縮機31における適切な圧力比バランスを維持して、低速運転時の圧縮機の振動および、バイパス弁の流動騒音を低減することができる。
ここで、このバイパスにより空調に寄与する冷媒流量がバイパス分だけ減少して空調能力が低下するという問題があり、本実施例では、2段圧縮機31から吐出される主冷媒回路の冷媒流量(Ga)に対するバイパス経路を流れる冷媒流量(Gc)の流量比(Gc/Ga)が第1閾値以上で且つ第2閾値未満となるように、バイパス膨張弁45の弁開度を調節することにより、振動抑制と、空調能力の低下抑制との間でトレードオフを図っている。
これら第1閾値及び第2閾値の設定について、図3を参照して説明する。ここで、図3(a)には、バイパスを行わない(弁開度=0[%])ときを100[%]としたときのバイパス膨張弁45の弁開度に対する空調の能力比を例示し、また、図3(b)には、バイパス膨張弁45の弁開度に対するバイパス比特性112、並びに、バイパス膨張弁45の弁開度に対する振動変位特性111について、実測を行った結果を例示している。なお、バイパス比は流量比(Gc/Ga)に該当し、実測はロータリー式2段圧縮機の回転数が一定という条件下で行った。
図3(a)から明らかなように、空調能力はバイパス経路を流れる冷媒流量に比例して低下する。また、一定回転数における2段圧縮機の振動量は、図3(b)に示す如く、バイパス経路を流れる冷媒流量の増加に伴って急激に減少し、弁開度=40[%]以上では冷媒流量が増えても余り変化しない、2次関数的な特性を示す結果となった。
まず、第1閾値の設定については、バイパスを行うことにより振動量を半減させる観点で、次のようにして設定した。すなわち、バイパスを行わない(弁開度=0[%])ときの振動量の半分以下となる目標値として、振動変位を0.15[mm](図中のX3の振動変位レベル)とし、その時の弁開度約20[%]におけるバイパス比を読み取り(図中のX1)、第1閾値=0.1を得た。
また、第2閾値の設定については、空調能力の低下に対応して圧縮機回転数を増加させることによる消費電力の増分、並びに、冷媒流量の増加に伴って発生するバイパス膨張弁45の振動・騒音、といった観点から、バイパス弁開度を増加させても振動低減効果が殆どないバイパス比を読み取り(図中のX2)、第2閾値=0.3を得た。
このように、振動量の低減目標から第1閾値を設定し、また、空調能力の低下に伴う消費電力の増分、並びに使用するバイパス膨張弁の性能の観点から第2閾値を設定すれば、圧縮機の振動を抑制し得ると共に、バイパス弁の振動や冷媒流動騒音の抑制、空調能力低下を抑制し得る流量比(Gc/Ga)の範囲を設定することができる。なお、第1閾値をより大きくすることで振動がより抑制され、また、第2閾値をより小さくすることで空調能力の低下をより抑制することができるが、後述のように温度検出に基づく制御を行うため、第1閾値及び第2閾値による一定の範囲を持たせることがより実際的である。
ここでバイパス弁開度を閾値として直接用いることなく流量比(Gc/Ga)による閾値としているのは、一般的にバイパス弁開度とバイパス流量(Gc)は任意の関係にある為である。例えばニードル弁式の開度調節可能なバイパス弁の場合、ニードル弁の先端形状(例えば弁のテーパー角度)と弁口径(オリフィス径)の任意の組み合わせでバイパス弁開度(例えば膨脹弁の全開パルスに対する入力パルスの比)に対する、開口面積特性、即ち、バイパス弁の流量特性は任意の特性が得られる。
次に、制御手段が行うバイパス膨張弁45の開度制御について、詳細に説明する。まず、2段圧縮機31から吐出される主冷媒回路の冷媒流量をGa、バイパス経路を流れる冷媒流量をGcとすると、アキュムレータ32入口で合流した後の冷媒流量Gbは、
(数1)
Gb=Ga+Gc …(1)
であり、また、図2におけるA、B及びCの比エンタルピーをそれぞれHa、Hb及びHcとすれば、
(数2)
Hb・Gb=Ha・Ga+Hc・Gc …(2)
が成り立つから、両式より流量比(Gc/Ga)を比エンタルピーHa、Hb及びHcで表すことができる。
(数3)
Gc/Ga=(Hb−Ha)/(Hc−Hb) …(3)
したがって、蒸発器出口の冷媒圧力(P)を蒸発器の蒸発温度(Ti)に基づき推算し、蒸発器出口の冷媒圧力(P)及び蒸発器出口の冷媒温度(Ta)に基づき比エンタルピーHaを、蒸発器出口の冷媒圧力(P)及びアキュムレータ入口の冷媒温度(Tb)に基づき比エンタルピーHbを、蒸発器出口の冷媒圧力(P)及びバイパス膨張弁45通過後の冷媒温度(Tc)に基づき比エンタルピーHcを、それぞれ計算式またはマップにより求めれば、2段圧縮機31から吐出される主冷媒回路の冷媒流量(Ga)に対するバイパス経路を流れる冷媒流量(Gc)の流量比(Gc/Ga)を求めることができる。
なお、流量比(Gc/Ga)の求め方は、これに限定されることなく、他の手法を用いても良い。例えば、図5にあるように、冷房運転時には、蒸発器の蒸発温度(Ti)及びアキュムレータ32入口の合流後の冷媒温度(Tb)により2段圧縮機31の吸入密度と比エンタルピーを算出し、また、凝縮器の凝縮温度(To)及び2段圧縮機31の吐出冷媒温度(Td)により2段圧縮機31の吐出密度と比エンタルピーと実験的に求めたポリトロープ指数を用いて、吸入と吐出の圧縮曲線の交わる点から、二段目圧縮機構の吸入状態(31bの比エンタルヒ゜ー、密度、圧力)を算出し、吸入密度、吐出密度及び2段圧縮機31の回転数と一段目、二段目の圧縮機構の排除容積から冷媒流量を推算して流量比(Gc/Ga)を求めることも可能である。また、二段目の圧縮機構31bの吸入状態は、圧力センサと温度センサにて計測してもよい。あるいは、圧力センサによる圧力計測のみで吸入から上記と同様にポリトロープ指数を用いた圧縮曲線による二段目圧縮機構の吸入状態を推定してもよい。あるいは吐出と吸入の状態とバイパス弁開度特性などから実験的な式を用いて、流量比(Gc/Ga)を求めてもよい。
吸入側の密度と圧力をρsとPs、吐出側をρdとPd、2段目の圧縮機構31bの密度と圧力をρmとPmとすると以下の関係式が成り立つ
Ps×(1/ρs)^γ1=Pm×(1/ρm)^γ1
Pm×(1/ρm)^γ2=Pd×(1/ρd)^γ2
γ1、γ2はそれぞれの圧縮機構でのポリトロープ指数であり、あらかじめ実験などにより設定しておく。上記より、ρmとPmが推算可能であり、2段目圧縮機構の排除容積から、吐出される冷媒流量Ga、1段目圧縮機構の排除容積とρsからGa+Gcが計算可能となる。なお、前述のように、Pmを計測する場合は後者の式によって密度が計算可能である。
以上のようにして流量比(Gc/Ga)が算出されると、制御手段は、流量比が第1閾値(0.1)未満のときにバイパス膨張弁45の開度を増加させ、流量比が第2閾値(0.3)以上のときにバイパス膨張弁45の開度を減少させて、流量比が第1閾値(0.1)以上で且つ第2閾値(0.3)未満となるようにする。なお、これら一連の計算・制御は、一定間隔の周期で行うようにすれば良い。
以上説明したように、本実施例のヒートポンプ装置では、蒸発器と、2段圧縮機31と、四方弁35と、凝縮器と、メイン膨張弁41と、が冷媒を循環させるように接続された主冷媒回路と、2段圧縮機31で中間圧に圧縮された冷媒を四方弁とアキュムレータ32をつなぐ経路上に合流させるバイパス経路と、該バイパス経路を流れる冷媒の圧力を下げるバイパス膨張弁45と、を備え、制御手段により、2段圧縮機31から吐出される主冷媒回路の冷媒流量(Ga)に対するバイパス経路を流れる冷媒流量(Gc)の流量比(Gc/Ga)が、第1閾値(0.1)以上で且つ第2閾値(0.3)未満となるよう、バイパス膨張弁45の弁開度を調節する。
このように、2段圧縮機31の中間圧の箇所31dから主冷媒回路との接続点までバイパスすることにより、2段圧縮機31の中間圧を低下させることができ、2段圧縮機31における適切な圧力比バランスを維持して、低速運転時の振動を低減することができる。また、2段圧縮機31から吐出される冷媒流量に対するバイパス経路を流れる冷媒流量の流量比が、第1閾値(0.1)以上で且つ第2閾値(0.3)未満となるように、バイパス膨張弁45の弁開度を調節するので、振動を抑制し得ると共に、空調能力の低下を抑制可能なヒートポンプ装置を実現することができる。また、バイパス膨張弁の性能の観点から第2閾値を設定するようにすれば、過度なバイパス流量とならないように冷媒流量を調整することができ、バイパス経路の配管及びバイパス膨張弁45における冷媒流動騒音を抑制することができる。
なお、上述の説明では、ヒートポンプ装置の運転状況に関わらず、制御手段によるバイパス膨張弁45の開度制御を行うようにしたが、冷房低負荷や低外気温冷房といった低速回転の低圧力比運転時にのみ行うようにしても良い。また、逆に、高負荷条件下など、バイパスが不要なケースを限定してバイパス膨張弁45の開度制御を行わないようにしても良い。ここで、制御手段によるバイパス膨張弁45の開度制御を行わないとき、バイパス膨張弁45の弁開度は0[%]で、弁が閉じた状態のままとする。これにより、不必要な空調能力の低下を回避することができる。このような、低速回転の低圧力比運転時のみバイパスを行う場合、バイパス冷媒の流量比(Gc/Ga)が第1閾値(0.1)以上でかつ第2閾値(0.3)未満となるように予め調節されたキャピラリーチューブと電磁弁による開閉制御としてもよい。
次に、図4は本発明の実施例2に係るヒートポンプ装置の構成を説明する冷媒回路図である。同図において、本実施例のヒートポンプ装置は、主冷媒回路として、2段圧縮機81、四方弁85、室外熱交換器61、メイン膨張弁92(第1膨張弁)及び室内熱交換器71が、冷媒を循環させるように接続されている。なお、凝縮器は、冷房運転時には室外熱交換器61が、暖房運転時には室内熱交換器71がそれぞれ該当する。また、蒸発器は、冷房運転時には室内熱交換器71が、暖房運転時には室外熱交換器61がそれぞれ該当する。さらに、2段圧縮機81は、同軸の1段目圧縮機構81a及び2段目圧縮機構81bを備えており、図中の81dが中間圧の箇所となる。
また、本実施例のヒートポンプ装置は、バイパス経路、差圧弁96(バイパス経路制御機構)及びキャピラリーチューブ95を備えている。ここで、バイパス経路は、アキュムレータ82の入口側で、主冷媒回路を流れる冷媒に2段圧縮機81で中間圧に圧縮された冷媒を合流させる経路である。すなわち、バイパス経路は、2段圧縮機81の中間圧の箇所81dからアキュムレータ82の入口側における主冷媒回路との接続点までの経路が該当する。
また、キャピラリーチューブ95は、バイパス経路に設けられて、該バイパス経路を流れる冷媒の圧力を下げる。ここで、キャピラリーチューブ95は、2段圧縮機81から吐出される冷媒流量に対するバイパス経路を流れる冷媒流量の流量比が、第1閾値(0.1)以上で且つ第2閾値(0.3)未満となるように、調整されたものを使用する。
また、差圧弁96(バイパス経路制御機構)は、バイパス経路に設けられて、2段圧縮機81の吐出圧力と2段圧縮機81の中間圧との差圧が設定値以下となったときにバイパス経路を開き、それ以外のときに閉じる機構を備えた弁である。つまり、図2に示すモリエル線図上で、A1−E1−E2−F−J−A1の冷凍サイクルに例示したように、冷房低負荷や低外気温冷房等の低回転・低圧力比運転時に、2段目圧縮機構81bが空転に近い状態となったときに、差圧弁96が開いてバイパスが行われるようにしたものである。
以上説明したように、本実施例のヒートポンプ装置では、2段圧縮機81から吐出される冷媒流量に対するバイパス経路を流れる冷媒流量の流量比が、第1閾値(0.1)以上で且つ第2閾値(0.3)未満となるように調整されたキャピラリーチューブ95を用いることにより、低コストでシンプルな構成によって、2段圧縮機31における適切な圧力比バランスを維持して、低速運転時の振動を低減することができ、また、振動を抑制し得ると共に、空調能力の低下を抑制可能なヒートポンプ装置を実現することができる。
なお、制御手段によって弁の開閉を制御可能な電磁弁等をバイパス経路に設けた構成としても良い。つまり、ヒートポンプ装置の運転状況に応じて、冷房低負荷や低外気温冷房といった低速回転の低圧力比運転時にのみ、電磁弁を開制御するようにすれば、バイパスが本来不要であるときの空調能力の低下を回避することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係るヒートポンプ装置は、上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。例えば、実施例では2段圧縮機を用いたが、2段に限定されることなく、2以上の段数を持つ多段圧縮機構であれば良い。また、実施例では圧縮機構としてロータリー式のものを想定して説明したが、これに限定されることなく、スクロール式やレシプロ式などの他の圧縮機構であっても良い。
また、実施例1において、蒸発器出口の冷媒圧力(P)を蒸発器の蒸発温度(Ti)に基づき推算するようにしたが、圧力センサを温度センサ51の位置近傍に設置して、直接、蒸発器出口の冷媒圧力(P)を検出するようにしても良い。
11,61 室外熱交換器
21,71 室内熱交換器
31,81 2段圧縮機
31a,81a 1段目圧縮機構
31b,81b 2段目圧縮機構
32,82 アキュムレータ
35,85 四方弁
41 メイン膨張弁(第1膨張弁)
45 バイパス膨張弁(第2膨張弁)
51〜56 温度センサ
95 キャピラリーチューブ
96 差圧弁(バイパス経路制御機構)

Claims (3)

  1. 冷媒に熱を吸収させる蒸発器と、多段圧縮機と、冷媒の流路を切り替える四方弁と、冷媒の熱を放熱させる凝縮器と、冷媒の圧力を下げる第1膨張弁と、が冷媒を循環させるように接続された主冷媒回路を備えるヒートポンプ装置であって、
    前記圧縮機で中間圧に圧縮された冷媒を、前記圧縮機の吸入側の配管に合流させるバイパス経路と、
    前記バイパス経路に設けられ、該バイパス経路を流れる冷媒の圧力を下げる第2膨張弁と、
    前記第1膨張弁及び前記第2膨張弁の開度を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記圧縮機から吐出される冷媒流量に対する前記バイパス経路を流れる冷媒流量の流量比を、前記蒸発器出口の冷媒圧力と、前記蒸発器出口の冷媒温度と、バイパスした冷媒が合流した後の前記圧縮機の吸入側の配管を流れる冷媒温度と、前記第2膨張弁通過後の冷媒温度と、に基づき算出し、前記流量比が第1閾値以上で且つ該第1閾値よりも大きい第2閾値未満となるよう、前記第2膨張弁の弁開度を調節することを特徴としたヒートポンプ装置。
  2. 前記制御手段は、算出した流量比が前記第1閾値未満のときに前記第2膨張弁の開度を増加させ、算出した流量比が前記第2閾値以上のときに前記第2膨張弁の開度を減少させることを特徴とした請求項1に記載のヒートポンプ装置。
  3. 前記第1閾値を0.1に、前記第2閾値を0.3に、それぞれ設定したことを特徴とした請求項1または2に記載のヒートポンプ装置。
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