しかし、図10〜図13に示す個装箱においては、左右の小フラップ1t,1uを、左右の外側面板1f,1gと前側面板1bの左右の折曲片1d,1dとの隙間に差し込むことにより前面板1sが側面板1bに密着しているため、天面板1pを開状態とするために前面板1sを天面板1pに対して回動して開状態にしようとしても前面板1sと側面板1bとの間に隙間がないため前面板1sを開状態にするのが困難であった。
また、図14に示すように、前面板1sに指を引っかけるための半円状の切欠部1s−aを設けたものも従来存在するが、前面板1sが側面板1bに密着しているため、切欠部に指を引っかけるのが困難であり、切欠部を設けたとしても依然として前面板1sを開状態にするのが困難であった。
そこで、本発明は、底面板から連なる外側面板に対して内側面板を折り返して隣接する側面板の延長部を包むようにして直立状態を保ち、天面板から連なる前面板の両側に設けられた小フラップを左右の外側面板と前側面板の左右の折曲片との隙間に差し込んで、天面板を閉状態とする包装箱で、天面板を開状態にするのを容易とする包装箱を提供することである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から連設された正面側面部(20)と、正面側面部(20)の右側面側の辺部から連設された第1折曲げ片(22)と、正面側面部(20)の左側面側の辺部から連設された第2折曲げ片(24)と、底面部の右側面側の辺部から連設された右側面部で、底面部から連設された右外側面部(40)と、右側面部の展開状態において右外側面部の底面部とは反対側に設けられた右内側面部(44)とを有する右側面部(45)と、底面部の左側面側の辺部から連設された左側面部で、底面部から連設された左外側面部(50)と、左側面部の展開状態において左外側面部の底面部とは反対側に設けられた左内側面部(54)とを有する左側面部(55)と、底面部の背面側の辺部から連設された背面側面部(30)と、背面側面部(30)の右側面側の辺部から連設された第3折曲げ片(32)と、背面側面部(30)の左側面側の辺部から連設された第4折曲げ片(34)と、を有する箱本体(5A)と、背面側面部の底面部とは反対側の辺部から連設された上面部(60)と、上面部の背面側面部と反対側の辺部から連設された前フラップ(70)と、前フラップの右側面側の辺部から連設された第1差込みフラップ(72)と、前フラップの左側面側の辺部から連設された第2差込みフラップ(74)と、を有し、正面側面部と背面側面部とを底面部に対して上向きに折り曲げ、第1折曲げ片と第2折曲げ片とを正面側面部に対して内側に折り曲げ、第3折曲げ片と第4折曲げ片とを背面側面部に対して内側に折り曲げ、右外側面部を底面部に対して上向きに折り曲げ、右内側面部を下向きに折り曲げて右外側面部と右内側面部とで第1折曲げ片と第3折曲げ片とを挟んだ状態とし、左外側面部を底面部に対して上向きに折り曲げ、左内側面部を下向きに折り曲げて左外側面部と左内側面部とで第2折曲げ片と第4折曲げ片とを挟んだ状態とすることにより箱本体を組立て状態とし、箱本体に上面部を被せることにより上面部を閉状態とし、第1差込みフラップを右外側面部と第1折曲げ片の隙間に差し込むとともに、第2差込みフラップを左外側面部と第2折曲げ片の隙間に差し込むことにより上面部を閉状態でロックする包装箱であって、包装箱はシート状のブランクにより形成され、第1差込みフラップは、右外側面部と第1折曲げ片の隙間に差し込んだ状態で右側面部内を回動可能な形状であるとともに、第2差込みフラップは、左外側面部と第2折曲げ片の隙間に差し込んだ状態で左側面部内を回動可能な形状であり、右側面部の展開状態で、右外側面部から右内側面部に至る第1開口部(K10)を形成することにより、組立て状態の箱本体の右側面部に右側面部の上端から第1切欠部(K1)が形成されるとともに、左側面部の展開状態で、左外側面部から左内側面部に至る第2開口部(K30)を形成することにより、組立て状態の箱本体の左側面部に左側面部の上端から第2切欠部(K2)が形成され、上面部が閉状態でロックされた状態で、第1差込みフラップが第1切欠部内に露出するとともに、第2差込みフラップが第2切欠部内に露出しており、第1差込みフラップの辺部を押し操作する(「第1差込みフラップにおける第1切欠部内に露出した部分の辺部を押し操作する」としてもよい)ことにより第1差込みフラップが回動し、第2差込みフラップを押し操作する(「第2差込みフラップにおける第2切欠部内に露出した部分の辺部を押し操作する」としてもよい)ことにより第2差込みフラップが回動して、前フラップの下端側が正面側に回動することを特徴とする。
第1の構成の包装箱によれば、上面部が閉状態でロックされている状態で、第1差込みフラップの辺部を押し操作することにより第1差込みフラップが回動し、第2差込みフラップの辺部を押し操作することにより第2差込みフラップが回動して、前フラップの下端側が上面部に対して正面側に回動するので、前フラップと正面側面部間に隙間が形成され、前フラップの下端に指をひっかけて前フラップを回動させることにより、第1差込みフラップを右外側面部と第1折曲げ片の隙間から抜き出すとともに、第2差込みフラップを左外側面部と第2折曲げ片の隙間から抜き出すことができ、上面部を容易に開状態にすることができる。
なお、上記第1の構成において、右側面部の展開状態で、第1開口部は左右対称であり、左側面部の展開状態で、第2開口部は左右対称であるとするのが好ましい。
なお、上記第1の構成を以下としてもよい。すなわち、「底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から連設された正面側面部(20)と、正面側面部(20)の右側面側の辺部から連設された第1折曲げ片(22)と、正面側面部(20)の左側面側の辺部から連設された第2折曲げ片(24)と、底面部の右側面側の辺部から連設された右側面部で、底面部から連設された右外側面部(40)と、右外側面部の底面部とは反対側の辺部から連設された第1帯状部(42)と、帯状部の右外側面部とは反対側の辺部から連設された右内側面部(44)とを有する右側面部(45)と、底面部の左側面側の辺部から連設された左側面部で、底面部から連設された左外側面部(50)と、左外側面部の底面部とは反対側の辺部から連設された第2帯状部(52)と、第2帯状部の左外側面部とは反対側の辺部から連設された左内側面部(54)とを有する左側面部(55)と、底面部の背面側の辺部から連設された背面側面部(30)と、背面側面部(30)の右側面側の辺部から連設された第3折曲げ片(32)と、背面側面部(30)の左側面側の辺部から連設された第4折曲げ片(34)と、を有する箱本体(5A)と、背面側面部の底面部とは反対側の辺部から連設された上面部(60)と、上面部の背面側面部と反対側の辺部から連設された前フラップ(70)と、前フラップの右側面側の辺部から連設された第1差込みフラップ(72)と、前フラップの左側面側の辺部から連設された第2差込みフラップ(74)と、を有し、正面側面部と背面側面部とを底面部に対して上向きに折り曲げ、第1折曲げ片と第2折曲げ片とを正面側面部に対して内側に折り曲げ、第3折曲げ片と第4折曲げ片とを背面側面部に対して内側に折り曲げ、右外側面部を底面部に対して上向きに折り曲げ、第1帯状部を右外側面部に対して内側に折り曲げ、右内側面部を第1帯状部に対して下向きに折り曲げて右外側面部と右内側面部とで第1折曲げ片と第3折曲げ片とを挟んだ状態とし、左外側面部を底面部に対して上向きに折り曲げ、第2帯状部を左外側面部に対して内側に折り曲げ、左内側面部を第2帯状部に対して下向きに折り曲げて左外側面部と左内側面部とで第2折曲げ片と第4折曲げ片とを挟んだ状態とすることにより箱本体を組立て状態とし、箱本体に上面部を被せることにより上面部を閉状態とし、第1差込みフラップを右外側面部と第1折曲げ片の隙間に差し込むとともに、第2差込みフラップを左外側面部と第2折曲げ片の隙間に差し込むことにより上面部を閉状態でロックする包装箱であって、包装箱はシート状のブランクにより形成され、第1差込みフラップは、右外側面部と第1折曲げ片の隙間に差し込んだ状態で右側面部内を回動可能な形状であるとともに、第2差込みフラップは、左外側面部と第2折曲げ片の隙間に差し込んだ状態で左側面部内を回動可能な形状であり、右側面部の展開状態で、右外側面部から第1帯状部を経て右内側面部に至る第1開口部(K10)を形成することにより、組立て状態の箱本体の右側面部に右側面部の上端から第1切欠部(K1)が形成されるとともに、左側面部の展開状態で、左外側面部から第2帯状部を経て左内側面部に至る第2開口部(K30)を形成することにより、組立て状態の箱本体の左側面部に左側面部の上端から第2切欠部(K2)が形成され、上面部が閉状態でロックされた状態で、第1差込みフラップが第1切欠部内に露出するとともに、第2差込みフラップが第2切欠部内に露出しており、第1差込みフラップの辺部を押し操作する(「第1差込みフラップにおける第1切欠部内に露出した部分の辺部を押し操作する」としてもよい)ことにより第1差込みフラップが回動し、第2差込みフラップを押し操作する(「第2差込みフラップにおける第2切欠部内に露出した部分の辺部を押し操作する」としてもよい)ことにより第2差込みフラップが回動して、前フラップの下端側が正面側に回動することを特徴とする包装箱。」としてもよい。
また、上記第1の構成を以下としてもよい。すなわち、「底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から連設された正面側面部(20)と、正面側面部(20)の右側面側の辺部から連設された第1折曲げ片(22)と、正面側面部(20)の左側面側の辺部から連設された第2折曲げ片(24)と、底面部の右側面側の辺部から連設された右側面部で、底面部から連設された右外側面部(40)と、右外側面部の底面部とは反対側の辺部から連設された右内側面部(44)とを有する右側面部(45)と、底面部の左側面側の辺部から連設された左側面部で、底面部から連設された左外側面部(50)と、左外側面部の底面部とは反対側の辺部から連設された左内側面部(54)とを有する左側面部(55)と、底面部の背面側の辺部から連設された背面側面部(30)と、背面側面部(30)の右側面側の辺部から連設された第3折曲げ片(32)と、背面側面部(30)の左側面側の辺部から連設された第4折曲げ片(34)と、を有する箱本体(5A)と、背面側面部の底面部とは反対側の辺部から連設された上面部(60)と、上面部の背面側面部と反対側の辺部から連設された前フラップ(70)と、前フラップの右側面側の辺部から連設された第1差込みフラップ(72)と、前フラップの左側面側の辺部から連設された第2差込みフラップ(74)と、を有し、正面側面部と背面側面部とを底面部に対して上向きに折り曲げ、第1折曲げ片と第2折曲げ片とを正面側面部に対して内側に折り曲げ、第3折曲げ片と第4折曲げ片とを背面側面部に対して内側に折り曲げ、右外側面部を底面部に対して上向きに折り曲げ、右内側面部を右外側面部に対して下向きに折り曲げて右外側面部と右内側面部とで第1折曲げ片と第3折曲げ片とを挟んだ状態とし、左外側面部を底面部に対して上向きに折り曲げ、左内側面部を左外側面部に対して下向きに折り曲げて左外側面部と左内側面部とで第2折曲げ片と第4折曲げ片とを挟んだ状態とすることにより箱本体を組立て状態とし、箱本体に上面部を被せることにより上面部を閉状態とし、第1差込みフラップを右外側面部と第1折曲げ片の隙間に差し込むとともに、第2差込みフラップを左外側面部と第2折曲げ片の隙間に差し込むことにより上面部を閉状態でロックする包装箱であって、包装箱はシート状のブランクにより形成され、第1差込みフラップは、右外側面部と第1折曲げ片の隙間に差し込んだ状態で右側面部内を回動可能な形状であるとともに、第2差込みフラップは、左外側面部と第2折曲げ片の隙間に差し込んだ状態で左側面部内を回動可能な形状であり、右側面部の展開状態で、右外側面部から右内側面部に至る第1開口部(K10)を形成することにより、組立て状態の箱本体の右側面部に右側面部の上端から第1切欠部(K1)が形成されるとともに、左側面部の展開状態で、左外側面部から左内側面部に至る第2開口部(K30)を形成することにより、組立て状態の箱本体の左側面部に左側面部の上端から第2切欠部(K2)が形成され、上面部が閉状態でロックされた状態で、第1差込みフラップが第1切欠部内に露出するとともに、第2差込みフラップが第2切欠部内に露出しており、第1差込みフラップの辺部を押し操作する(「第1差込みフラップにおける第1切欠部内に露出した部分の辺部を押し操作する」としてもよい)ことにより第1差込みフラップが回動し、第2差込みフラップを押し操作する(「第2差込みフラップにおける第2切欠部内に露出した部分の辺部を押し操作する」としてもよい)ことにより第2差込みフラップが回動して、前フラップの下端側が正面側に回動することを特徴とする包装箱。」としてもよい。
また、第2には、上記第1の構成において、第1折曲げ片には、箱本体の組立て状態において第1折曲げ片が第1切欠部から露出しないように切欠部(K20)が形成され(「箱本体の組立て状態において上端から切欠部が形成され」としてもよい)、第2折曲げ片には、箱本体の組立て状態において第2折曲げ片が第2切欠部から露出しないように切欠部(K40)が形成され(「箱本体の組立て状態において上端から切欠部が形成され」としてもよい)ていることを特徴とする。これにより、第1折曲げ片が第1切欠部内に露出して第1折曲げ片が邪魔になることがなく、また、第2折曲げ片が第2切欠部内に露出して第2折曲げ片が邪魔になることがない。
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、第1切欠部は、右側面部の上端から下方にいくに従い正面側に湾曲して形成され、第2切欠部は、左側面部の上端から下方にいくに従い正面側に湾曲して形成されていることを特徴とする。よって、第1差込みフラップと第2差込みフラップを押し操作する際に、押し操作する指が第1切欠部や第2切欠部の縁部に接触しないようにすることができる。
なお、上記第3の構成を以下のようにしてもよい。すなわち、「上記第1又は第2の構成において、第1開口部は略同心円をなす一対の円弧状辺部と、一対の円弧状辺部の両側に設けられた直線状の辺部とにより略扇状に形成され、第1切欠部は、右側面部の上端から下方にいくに従い正面側に湾曲して形成された略扇状を呈し、第2開口部は略同心円をなす一対の円弧状辺部と、一対の円弧状辺部の両側に設けられた直線状の辺部とにより略扇状に形成され、第2切欠部は、左側面部の上端から下方にいくに従い正面側に湾曲して形成された略扇状を呈する。」としてもよい。
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、第1差込みフラップは、第1差込みフラップと前フラップ間の第1折れ線(S3)における上面部側の端部から第1折れ線に対して直角をなす直線状の第1辺部(72b)と、第1折れ線の上面部とは反対側の端部と第1辺部の第1折れ線とは反対側の端部間に設けられた第2辺部で円弧状辺部(72c−1)を有する第2辺部(72c)とを有し、
第2差込みフラップは、第2差込みフラップと前フラップ間の第2折れ線(S4)における上面部側の端部から第2折れ線に対して直角をなす直線状の第3辺部(74b)と、第2折れ線の上面部とは反対側の端部と第3辺部の第2折れ線とは反対側の端部間に設けられた第4辺部で円弧状辺部(74c−1)を有する第4辺部(74c)とを有し、
第1辺部と第3辺部とが、上面部が閉状態でロックされた状態で前フラップの下端側を正面側に回動させる際に押し操作する辺部であることを特徴とする。
これにより、第1差込みフラップは円弧状辺部を有しているので、右側面部内を回動しやすくすることができ、また、第2差込みフラップは円弧状辺部を有しているので、左側面部内を回動しやすくすることができる。
また、第5には、上記第4の構成において、第1折れ線は、前フラップにおける上面部とは反対側の辺部である先端辺部と接し、第2辺部は、先端辺部から連続して形成され、先端辺部の延長線上に形成される直線状の辺部で、第2辺部における円弧状辺部から連設された直線状の辺部(72c−2)を有し、
第2折れ線は、先端辺部と接し、第4辺部は、先端辺部から連続して形成され、先端辺部の延長線上に形成される直線状の辺部で、第4辺部における円弧状辺部から連設された直線状の辺部(74c−2)を有することを特徴とする。
よって、第1差込みフラップと第2差込みフラップは、先端辺部の延長線上に形成される直線状の辺部を有しているので、第1差込みフラップや第2差込みフラップを押し操作しない状態では、第1差込みフラップが右外側面部と第1折曲げ片の隙間が容易に外れることがなく、第2差込みフラップが左外側面部と第2折曲げ片の隙間から容易に外れることがない。
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上面部の右側面側の辺部から連設された右フラップで、上面部を閉状態とした際に、右内側面部の内側の面に接し第1切欠部を内側からカバーする右フラップ(62)と、上面部の左側面側の辺部から連設された左フラップで、上面部を閉状態とした際に、左内側面部の内側の面に接し第2切欠部を内側からカバーする左フラップ(64)とが設けられていることを特徴とする。
よって、右フラップが右内側面部の内側の面に接した状態とするとともに左フラップが左内側面部の内側の面に接した状態で、上面部を閉状態とすることにより、第1差込みフラップを右外側面部と第1折曲げ片の隙間に差し込んでいない状態や第2差込みフラップを左外側面部と第2折曲げ片の隙間に差し込んでいない状態でも、第1切欠部や第2切欠部が外部に露出するのを防止することができる。
また、第7には、上記第1から第6までのいずれかの構成において、箱本体の組立て状態における右内側面部の下端と左内側面部の下端には、突出部が設けられ、底面部における右側面部側の端部位置には、右内側面部の下端に設けられた突出部が嵌合するためのスリットが設けられ、底面部における左側面側の端部位置には、左内側面部の下端に設けられた突出部が嵌合するためのスリットが設けられていることを特徴とする。
また、第8には、上記第1から第7までのいずれかの構成において、右側面部の展開状態において、右外側面部と右内側面部間に箱本体の組立て状態で右側面部の上端をなす第1帯状部(42)が設けられ、第1帯状部が、第1開口部よりも正面側の第1正面側帯状部(42−1)と、第1開口部よりも背面側の第1背面側帯状部(42−2)を有し、第1開口部は、第1正面側帯状部と第1背面側帯状部の間の領域を含み、左側面部の展開状態において、左外側面部と左内側面部間に箱本体の組立て状態で左側面部の上端をなす第2帯状部(52)が設けられ、第2帯状部が、第2開口部よりも正面側の第2正面側帯状部(52−1)と、第2開口部よりも背面側の第2背面側帯状部(52−2)を有し、第2開口部は、第2正面側帯状部と第2背面側帯状部の間の領域を含むことを特徴とする。
よって、右側面部には第1帯状部が設けられているので、第1差込みフラップを差し込むための右外側面部と第1折曲げ片の隙間を十分確保でき、左側面部には第2帯状部が設けられているので、第2差込みフラップを差し込むための左外側面部と第2折曲げ片の隙間を十分確保することができる。
また、第9には、上記第1から第7までのいずれかの構成において、右側面部において、右内側面部は、右外側面部の底面部とは反対側の辺部から連設され、左側面部において、左内側面部は、左外側面部の底面部とは反対側の辺部から連設されていることを特徴とする。
本発明に基づく包装箱によれば、上面部が閉状態でロックされている状態で、第1差込みフラップの辺部を押し操作することにより第1差込みフラップが回動し、第2差込みフラップの辺部を押し操作することにより第2差込みフラップが回動して、前フラップの下端側が上面部に対して正面側に回動するので、前フラップと正面側面部間に隙間が形成され、前フラップの下端に指をひっかけて前フラップを回動させることにより、第1差込みフラップを右外側面部と第1折曲げ片の隙間から抜き出すとともに、第2差込みフラップを左外側面部と第2折曲げ片の隙間から抜き出すことができ、上面部を容易に開状態にすることができる。
本発明においては、底面板から連なる外側面板に対して内側面板を折り返して隣接する側面板の延長部を包むようにして直立状態を保ち、天面板から連なる前面板の両側に設けられた小フラップを左右の外側面板と前側面板の左右の折曲片との隙間に差し込んで、天面板を閉状態とする包装箱で、天面板を開状態にするのを容易とする包装箱を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づく包装箱5は、図1〜図7に示すように構成され、底面部10と、底面部10の正面側の辺部から折れ線を介して連設された正面側面部20と、正面側面部20の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された折曲げ片22と、正面側面部20の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された折曲げ片24と、底面部10の背面側の辺部から折れ線を介して連設された背面側面部30と、背面側面部30の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された折曲げ片32と、背面側面部30の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された折曲げ片34と、底面部10の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された右外側面部40と、右外側面部40の底面部10とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された帯状部42と、帯状部42の右外側面部40とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された右内側面部44と、底面部10の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された左外側面部50と、左外側面部50の底面部10とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された帯状部52と、帯状部52の左外側面部50とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された左内側面部54と、背面側面部30の底面部10とは反対側の辺部から折れ線S2を介して連設された上面部60と、上面部60の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された右フラップ62と、上面部60の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された左フラップ64と、上面部60の背面側面部30とは反対側の辺部から折れ線S1を介して連設された前フラップ70と、前フラップ70の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された差込みフラップ72と、前フラップ70の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された差込みフラップ74とを有し、包装箱5を組み立てた状態では、底面部10と、正面側面部20と、折曲げ片22、24と、背面側面部30と、折曲げ片32、34と、右外側面部40と、帯状部42と、右内側面部44と、左外側面部50と、帯状部52と、左内側面部54とでトレー状の箱本体5Aが構成され、上面部60と、右フラップ62と、左フラップ64とで蓋部5Bが構成され、前フラップ70と、差込みフラップ72、74とでロック機構部5Cが構成される。また、右外側面部40と帯状部42と右内側面部44とで、箱本体5Aの右側面部45が構成され、左外側面部50と帯状部52と左内側面部54とで、箱本体5Aの左側面部55が構成される。包装箱5は、1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランク)により形成されている。
ここで、底面部10は、略方形状(略矩形状としてもよい)を呈し、方形状(具体的には、長方形状)の右側面側の辺部に沿ってスリット12とスリット14とが間隔を介して形成されるとともに、左側面側の辺部に沿ってスリット16とスリット18とが間隔を介して形成されている。つまり、底面部10の右側面部45側の端部位置にスリット12、14が設けられ、底面部10の左側面部55側の端部位置にスリット16、18が設けられている。すなわち、スリット12、14、16、18は、細長長方形状の開口部により形成され、底面部10自体の形状としては、スリット12、14、16、18は、細長長方形状の切欠部により形成されている。箱本体5Bの組立て状態(包装箱5の組立て状態としてもよい)において、スリット12には右内側面部44の突出部44−1が嵌合し、スリット14には右内側面部44の突出部44−2が嵌合し、スリット16には左内側面部54の突出部54−1が嵌合し、スリット18には左内側面部54の突出部54−2が嵌合する。これにより、箱本体5Aの組立て状態を強固にすることができる。
また、正面側面部20は、長方形状を呈し、その左右方向の長さは底面部10の左右方向の長さよりも若干短く形成されている。
また、折曲げ片(第1折曲げ片)22は、箱本体5Bの組立て状態における縦方向の長さ(最大長さ)は正面側面部20の縦方向の長さと同一に形成され、また、横方向の長さは、切欠部K20を形成可能な長さに形成されている。また、折曲げ片22の先端下側の角部は面取りされている。なお、折曲げ片22の縦方向の長さは、箱本体5Bの組立て状態において、右外側面部40と帯状部42と右内側面部44とにより囲まれた空間内に配置可能な長さとなっている。
ここで、切欠部K20は、右外側面部40の切欠部K11や右内側面部44の切欠部K12に対応して扇状に形成され、折曲げ片22の上辺から形成された円弧状の辺部22aと、辺部22aから連設された直線状の辺部22bと、辺部22bから連設された扇状の辺部22cとにより形成され、辺部22aと辺部22cとはともに同心円弧状(つまり、同心円の一部となる形状)(略同心円弧状としてもよい)となるように形成されている。なお、辺部22aと辺部22b間の角部や辺部22bと辺部22c間の角部にはアールが形成されている。切欠部K20の大きさは、箱本体5Bの組立て状態において右側面部45に形成された切欠部K1(開口部K10により形成された切欠部)内に露出しないように、切欠部K11や切欠部K12よりも大きく形成され、辺部22aと辺部22c間の長さL1は、右外側面部40の切欠部K11における辺部40aと辺部40c間の長さL2や右内側面部44の切欠部K12における辺部44aと辺部44c間の長さL3よりも長く形成されている。これにより、折曲げ片22が切欠部K1内に露出して折曲げ片22が邪魔になることがない。
また、折曲げ片(第2折曲げ片)24は、折曲げ片22と対称に形成されている。すなわち、折曲げ片24は、包装箱5の展開状態においては、折曲げ片22と線対称に形成され、箱本体5Bの組立て状態においては、前後方向の仮想上の中心面を介して対称に形成されている。すなわち、折曲げ片24の縦方向の長さ(最大長さ)は正面側面部20の縦方向の長さと同一に形成され、また、横方向の長さは、切欠部K40を形成可能な長さに形成されている。
また、切欠部K40は、折曲げ片22の切欠部K20と対称に形成され、切欠部K40の大きさは、箱本体5Bの組立て状態において左側面部55に形成された切欠部K2(開口部K30により形成された切欠部)内に露出しないように、切欠部K31や切欠部K32よりも大きく形成されている。これにより、折曲げ片24が切欠部K2内に露出して折曲げ片24が邪魔になることがない。
また、背面側面部30は、長方形状を呈し、正面側面部20と対称に形成されている。すなわち、箱本体5Bの組立て状態における縦方向の長さは、正面側面部20の縦方向の長さと同一に形成され、その左右方向の長さは、正面側面部20の左右方向の長さと同一に形成され、底面部10の左右方向の長さよりも若干短く形成されている。
また、折曲げ片(第3折曲げ片)32は、方形状(具体的には略正方形状)に形成され、箱本体5Bの組立て状態における縦方向の長さは、背面側面部30の縦方向の長さと略同一に形成され、箱本体5Bの組立て状態において、右外側面部40と帯状部42と右内側面部44より囲まれた空間内に配置可能な長さとなっている。また、折曲げ片(第4折曲げ片)34は、折曲げ片32と対称に形成されている。
また、右外側面部40は、略長方形状を呈し、扇状の切欠部を形成した長方形状を呈している。すなわち、箱本体5Bの組立て状態において右外側面部40の上辺における正面側の位置に切欠部K11が形成されている。この切欠部K11は、扇状を呈し、右外側面部40の上辺から正面側斜め下方(つまり、底面側にいくほど正面側となる方向)に湾曲した円弧状の辺部40aと、辺部40aにおける右外側面部40の上辺側の端部とは反対側の端部から連設され、背面側斜め下方(つまり、底面側にいくほど背面側となる方向)に直線状に形成された辺部40bと、辺部40bの辺部40aとは反対側の端部から連設され、背面側斜め上方(つまり、上面側にいくほど背面側となる方向)に湾曲した円弧状の辺部40cとにより形成され、辺部40aと辺部40cとはともに同心円弧状(略同心円弧状としてもよい)となるように形成されている。なお、辺部40aと辺部40b間の角部や辺部40bと辺部40c間の角部にはアールが形成されている。なお、辺部40aと辺部40cの円弧形状における中心位置は、上面部60を箱本体5Aに対して閉状態にして差込みフラップ72を被差込み部47に差し込んだ状態で差込みフラップ72が回動する回動中心の位置(つまり、折れ線S1の位置)となるように形成されている。また、辺部40aと辺部40cは円弧状であるが、背面側斜め下方に向けて膨出した円弧状を呈している。
また、帯状部(第1帯状部)42は、正面側帯状部(第1正面側帯状部)42−1と背面側帯状部(第1背面側帯状部)42−2とを有している。つまり、右側面部45に切欠部K1が形成されているので、切欠部K1の領域には帯状部は形成されておらず、切欠部K1よりも正面側の正面側帯状部42−1と切欠部K1よりも背面側の背面側帯状部42−2とに分かれて形成されている。
ここで、正面側帯状部42−1は、右外側面部40側の辺部と、右内側面部44側の辺部と、正面側の辺部42−1aと、背面側の辺部42−1bとで囲まれて形成され、右外側面部40側の辺部と右内側面部44側の辺部とは互いに平行に形成され、正面側の辺部42−1aは、右内側面部44の前後方向の長さが右外側面部40の前後方向の長さよりも短く形成されているため、右外側面部40側から右内側面部44側に向けて背面側に傾斜した直線状を呈する。辺部42−1bは略円弧状となっている。
また、背面側帯状部42−2は、右外側面部40側の辺部と、右内側面部44側の辺部と、正面側の辺部42−2aと、背面側の辺部42−2bとで囲まれて形成され、右外側面部40側の辺部と右内側面部44側の辺部とは互いに平行に形成され、背面側の辺部42−2bは、右内側面部44の前後方向の長さが右外側面部40の前後方向の長さよりも短く形成されているため、右外側面部40側から右内側面部44側に向けて正面側に傾斜した直線状を呈する。辺部42−2aは略円弧状となっている。
また、右内側面部44は、略長方形状を呈し、扇状の切欠部を形成するとともに2つの台形状の突出部44−1、44−2を形成した長方形状を呈している。すなわち、箱本体5Bの組立て状態において右内側面部44の上辺における正面側の位置に切欠部K12が形成されている。
この切欠部K12は、扇状を呈し、切欠部K11と対称に形成されている。すなわち、切欠部K12は、包装箱5の展開状態においては、切欠部K11と線対称に形成され、箱本体5Bの組立て状態においては、前後方向の仮想上の中心面を介して対称に形成されている。つまり、切欠部K12は、右内側面部44の上辺から正面側斜め下方(つまり、底面側にいくほど正面側となる方向)に湾曲した円弧状の辺部44aと、辺部44aにおける右内側面部44の上辺側の端部とは反対側の端部から連設され、背面側斜め下方(つまり、底面側にいくほど背面側となる方向)に直線状に形成された辺部44bと、辺部44bの辺部44aとは反対側の端部から連設され、背面側斜め上方(つまり、上面側にいくほど背面側となる方向)に湾曲した円弧状の辺部44cとにより形成され、辺部44aと辺部44cとはともに同心円弧状(略同心円弧状としてもよい)となるように形成されている。辺部44aと辺部44cの円弧形状における中心位置は、上面部60を箱本体5Aに対して閉状態にして差込みフラップ72を被差込み部47に差し込んだ状態で差込みフラップ72が回動する回動中心の位置(つまり、折れ線S1の位置)となるように形成されている。また、辺部44aと辺部44cは円弧状であるが、背面側斜め下方に向けて膨出した円弧状を呈している。
また、突出部44−1と突出部44−2とは、右内側面部44における下端(すなわち、帯状部42側とは反対側の辺部)に形成され、互いに間隔を介して形成されている。
右外側面部40と帯状部42と右内側面部44とは上記のように形成されているので、包装箱5の展開状態においては、扇状の開口部(第1開口部)K10が形成され、この開口部K10は、切欠部K11と、切欠部K12と、正面側帯状部42−1と背面側帯状部42−2間の領域とで構成される。開口部K10における正面側の辺部は、辺部40aと辺部42−1bと辺部44aとで全体に円弧状に形成され、開口部K10における背面側の辺部は、辺部40cと辺部42−2aと辺部44cとで全体に円弧状に形成されている。開口部K10は、以上のように形成され、左右対称に形成されている。
なお、切欠部K11の扇形状がなす中心角α1(正面側帯状部42−1の右外側面部40側の辺部の方向と辺部40bの方向とがなす角度)や切欠部K12の扇形状がなす中心角α2(正面側帯状部42−1の右内側面部44側の辺部の方向と辺部44bの方向とがなす角度)は、蓋部5Bが閉状態でロックされた状態で蓋部5Bを開状態とする際に、差込みフラップ72の辺部72bを押して差込みフラップ72が回動し、前フラップ70と正面側面部20との間に指を掛止することができるのに十分な角度であり、例えば、25〜45度に形成されている。
また、開口部K10の背面側の端部(すなわち、辺部42−2a)の位置は、差込み片部72を被差込み部47に差し込んで辺部72bが水平方向とした際に、辺部72bにおける差込みフラップ72の先端側の領域(前フラップ70側とは反対側の領域)が切欠部K1から露出する位置とするのが好ましく、差込みフラップ72の辺部72cが切欠部K1から露出しない位置とするのが好ましい。
以上のように、右側面部45の展開状態において、右内側面部44は、右外側面部40の底面部10とは反対側に設けられている。
また、左外側面部50は、略長方形状を呈し、扇状の切欠部を形成した長方形状を呈している。すなわち、箱本体5Bの組立て状態において左外側面部50の上辺における正面側の位置に切欠部K31が形成されている。左外側面部50は右外側面部40と対称に形成され、切欠部K31は、切欠部K11と対称に形成されている。左外側面部50が右外側面部40と対称に形成されている点以外は同一の構成であるので、詳しい説明を省略する。
また、帯状部(第2帯状部)52は、正面側帯状部(第2正面側帯状部)52−1と背面側帯状部(第2背面側帯状部)52−2とを有している。つまり、左側面部55に切欠部K2が形成されているので、切欠部K2の領域には帯状部は形成されておらず、切欠部K2よりも正面側の正面側帯状部52−1と切欠部K2よりも背面側の背面側帯状部52−2とに分かれて形成されている。帯状部52は帯状部42と対称に形成され、正面側帯状部52−1は正面側帯状部42−1と対称に形成され、背面側帯状部52−2は背面側帯状部42−2と対称に形成されている。帯状部52が帯状部42と対称に形成されている点以外は同一の構成であるので、詳しい説明を省略する。
また、左内側面部54は、略長方形状を呈し、扇状の切欠部を形成するとともに2つの台形状の突出部54−1、54−2を形成した長方形状を呈している。すなわち、箱本体5Bの組立て状態において左内側面部54の上辺における正面側の位置に切欠部K32が形成されている。左内側面部54は右内側面部44と対称に形成され、切欠部K32は、切欠部K12と対称に形成され、突出部54−1は突出部44−1と対称に形成され、突出部54−2は突出部44−2と対称に形成されている。左内側面部54が右内側面部44と対称に形成されている点以外は同一の構成であるので、詳しい説明を省略する。
また、左外側面部50と帯状部52と左内側面部54とは上記のように形成されているので、包装箱5の展開状態においては、扇状の開口部(第2開口部)K30が形成され、この開口部K30は、切欠部K31と、切欠部K32と、正面側帯状部52−1と背面側帯状部52−2間の領域とで構成される。開口部K30の構成は、包装箱5の展開状態において、開口部K10と対称である以外は同一の構成であるので、詳しい説明を省略する。
なお、開口部K10により切欠部K1が形成されるが、切欠部K1の形成位置は、包装箱5において差込みフラップ72により被差込み部47に差し込んで蓋部5Bを閉状態でロックした際に、差込みフラップ72が切欠部K1に露出する位置となっており、また、開口部K30により切欠部K2が形成されるが、切欠部K2の形成位置は、包装箱5において差込みフラップ74により被差込み部57に差し込んで蓋部5Bを閉状態でロックした際に、差込みフラップ74が切欠部K2内に露出する位置となっている。
また、左側面部55の展開状態において、左内側面部54は、左外側面部50の底面部10とは反対側に設けられている。
なお、底面部10に設けられたスリットは、底面部10の左右両側に2つずつとし、右内側面部44と左内側面部54に設けられた突出部も2つずつであるとしたが、スリットの数を底面部10の左右両側にそれぞれ3つ以上としてもよく、また、底面部10の左右両側にそれぞれ1つとしてもよい。その場合には、突出部の数は、スリットの数に対応した数となる。
また、上面部60は、方形状(矩形状としてもよい、具体的には、長方形状)を呈し、その左右方向の長さは、背面側面部30の左右方向の長さよりも若干短く形成され、背面側面部30側の辺部と前フラップ70側の辺部70a間の長さは、包装箱5をロック機構部5Cによりロックした状態では前フラップ70が正面側面部20の正面側となるので、底面部10の前後方向の長さよりも若干長く形成されている。
また、右フラップ62は、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状を呈し、上面部60側の辺部と先端側の辺部間の長さは、上面部60を箱本体5Aに対して閉じた状態で、先端側の辺部が底面部10に接触する長さ又は該長さよりも短い長さに形成されている。
また、左フラップ64は、右フラップ62と対称に形成されている。左フラップ64が右フラップ62と対称に形成されている点以外は同一の構成であるので詳しい説明を省略する。
また、前フラップ70は、長方形状を呈し、その左右方向の長さ(長辺方向の長さ)は、正面側面部20の左右方向の長さと略同一に(厳密には若干長く)形成され、短辺方向の長さは、正面側面部20の縦方向の長さと略同一に形成されている。
また、差込みフラップ72は、略四分の一円形状を呈し、前フラップ70間の折れ線(第1折れ線)S3に沿った直線状の辺部72a(辺部72aと折れ線S3とは一致している)と、辺部72aから連設され、辺部70aの延長線上に設けられた直線状の辺部(第1辺部)72bと、辺部72bの辺部72a側とは反対側の端部と辺部72aの辺部72bとは反対側の端部間に設けられた辺部(第2辺部)72cとにより囲まれた形状を呈している。辺部72cは、辺部72bの辺部72a側とは反対側の端部から連設された円弧状の辺部72c−1と、辺部72c−1の辺部72bとは反対側の端部と辺部72a間に設けられ、前フラップ70の先端側の辺部(先端辺部)70bの延長線上に設けられた直線状の辺部72c−2を有している。折れ線S3は、前フラップ70の先端側において、辺部70bと接している。
また、差込みフラップ74は、略四分の一円形状を呈していて、差込みフラップ72と対称に形成されている。差込みフラップ74は差込みフラップ72と対称である点以外は同一の構成である。すなわち、差込みフラップ74は、略四分の一円形状を呈し、前フラップ70間の折れ線(第2折れ線)S4に沿った直線状の辺部74a(辺部74aと折れ線S4とは一致している)と、辺部74aから連設され、辺部70aの延長線上に設けられた直線状の辺部(第3辺部)74bと、辺部74bの辺部74a側とは反対側の端部と辺部74aの辺部74bとは反対側の端部間に設けられた辺部(第4辺部)74cとにより囲まれた形状を呈している。辺部74cは、辺部74bの辺部74a側とは反対側の端部から連設された円弧状の辺部74c−1と、辺部74c−1の辺部74bとは反対側の端部と辺部74a間に設けられ、前フラップ70の先端側の辺部70bの延長線上に設けられた直線状の辺部74c−2を有している。折れ線S4は、前フラップ70の先端側において、辺部70bと接している。
差込みフラップ72は円弧状の辺部72cを有しているので、右側面部45内を回動しやすい形状となっており、また、差込みフラップ74は円弧状の辺部74cを有しているので、左側面部55内を回動しやすい形状となっている。
包装箱5の展開状態において、底面部10の正面側の辺部と、底面部10の背面側の辺部と、正面側面部20の底面部10とは反対側の辺部と、背面側面部30の底面部10とは反対側の辺部と、上面部60の背面フラップ30とは反対側の辺部(折れ線S1に沿った辺部)と、前フラップ70の辺部70aとは、互いに平行であり、X1−X2方向に形成されている。また、底面部10の左右両側の辺部と、右外側面部40の底面部10とは反対側の辺部と、帯状部42の右外側面部40とは反対側の辺部と、右内側面部44の帯状部42とは反対側の辺部で突出部44−1、44−2を除く辺部と、左外側面部50の底面部10とは反対側の辺部と、帯状部52の左外側面部50とは反対側の辺部と、左内側面部54の帯状部52とは反対側の辺部で突出部54−1、54−2を除く辺部とは互いに平行であり、Y1−Y2方向に形成されている。また、正面側面部20の左右両側の辺部は互いに平行であり、Y1−Y2方向に形成されている。また、背面側面部30の左右両側の辺部は互いに平行であり、Y1−Y2方向に形成されている。また、上面部60の左右両側の辺部は互いに平行であり、Y1−Y2方向に形成されている。また、前フラップ70の左右両側の辺部は互いに平行であり、Y1−Y2方向に形成されている。なお、展開状態を示す図5において、X1−X2方向とY1−Y2方向は互いに直角となっている。
包装箱5を組み立てた状態、すなわち、箱本体5Aを組み立てた状態では、正面側面部20と背面側面部30とを底面部10に対して上向きに直角に折り曲げ、折曲げ片22、24を正面側面部20に対して内向きに折り曲げるとともに、折曲げ片32、34を背面側面部30に対して内向きに折り曲げ、さらに、右外側面部40を底面部10に対して上向きに直角に折り曲げ、帯状部42を右外側面部40に対して内向きに直角に折り曲げ、右内側面部44を帯状部42に対して下向きに折り曲げて、右外側面部40と右内側面部44により折曲げ片22、32を挟んだ状態で、突出部44−1をスリット12に嵌合させるとともに突出部44−2をスリット14に嵌合させ、左外側面部50を底面部10に対して上向きに直角に折り曲げ、帯状部52を左外側面部50に対して内向きに直角に折り曲げ、左内側面部54を帯状部52に対して下向きに折り曲げて、左外側面部50と左内側面部54により折曲げ片24、34を挟んだ状態で、突出部54−1をスリット16に嵌合させるとともに突出部54−2をスリット18に嵌合させることにより、図1、図2に示す構成となる。
また、箱本体5Aを組み立てた状態では、右側面部45の正面側に差込みフラップ72を差し込むための被差込み部47が設けられている。すなわち、被差込み部47は、右外側面部40と帯状部42と右内側面部44とで囲まれた空間により形成され、特に、該空間における正面側の部分で、右外側面部40と折曲げ片22との間の隙間により形成される。同様に、左側面部55の正面側に差込みフラップ74を差し込むための被差込み部57が設けられている。すなわち、被差込み部57は、左外側面部50と帯状部52と左内側面部54とで囲まれた空間により形成され、特に、該空間における正面側の部分で、左外側面部50と折曲げ片24との間の隙間により形成される。
箱本体5Aを組み立てた状態では、右側面部45には切欠部(第1切欠部)K1が形成され、左側面部55には切欠部(第2切欠部)K2が形成される。右側面部45に設けられた切欠部K1は、開口部K10により形成され(つまり、右外側面部40の切欠部K11と、右内側面部44の切欠部K12と、切欠部K11と切欠部K12の間の空間(つまり、切欠部K11から切欠部K12までの空間)により切欠部K1が形成されている)、左側面部55に設けられた切欠部K2は、開口部K30により形成される(つまり、左外側面部50の切欠部K31と、左内側面部54の切欠部K32と、切欠部K31と切欠部K32の間の空間(つまり、切欠部K31から切欠部K32までの空間)により切欠部K2が形成されている)。つまり、切欠部K1は扇状を呈し、具体的には、右側面部45の上端から下方にいくに従い正面側に湾曲する扇状を呈している。同様に、切欠部K2は扇状を呈し、具体的には、左側面部55の上端から下方にいくに従い正面側に湾曲する扇状を呈している。なお、折曲げ片22は、切欠部K20が切欠部K11や切欠部K12よりも大きく形成されているので、切欠部K1内に露出することはなく、また、折曲げ片24は、切欠部K40が切欠部K31や切欠部K32よりも大きく形成されているので、切欠部K2内に露出することはない。
なお、包装箱5は、図5に示す展開状態においては、左右対称に形成されている。
上記構成の包装箱5の使用状態について説明する。蓋部5Bを箱本体5Aに対して開けた状態では、図1〜図3に示すように、上面部60が箱本体5Aの開口に対して開いた状態となる。具体的には、上面部60は、背面側面部30に対して背面側に斜めに傾斜した状態となる。
次に、蓋部5Bを閉状態でロックするには、まず、右フラップ62と左フラップ64とが上面部60に対して内側(箱本体5A側)に折り曲げた状態で、上面部60を箱本体5A側に回動させ、上面部60を箱本体5Aに上面部60を被せて(つまり、箱本体5Aにおける正面側面部20と右側面部45と左側面部55と背面側面部30に囲まれた開口に上面部60を被せる)上面部60を閉じた状態(閉状態)とするとともに、右フラップ62と左フラップ64とを箱本体5A内に収納した状態として、図7に示す状態とする。つまり、この状態では、右フラップ62は、右内側面部44の内側の面に接し、左フラップ64は、左内側面部54の内側の面に接している。また、上面部60は、底面部10と平行になっている。
次に、差込みフラップ72を被差込み部47に対向させて、辺部72b側の端部を被差込み部47に挿入するとともに、差込みフラップ74を被差込み部57に対向させて、辺部74b側の端部を被差込み部57に挿入して、図8に示す状態とする。この状態では、前フラップ70は、その下端が正面側となるように傾斜している。
次に、前フラップ70の両側の端部を箱本体5A側に押し込んで、差込みフラップ72を被差込み部47内に挿入する(つまり、差込みフラップ72を右外側面部40と折曲げ片22の隙間に差し込む)とともに、差込みフラップ74を被差込み部57内に挿入する(つまり、差込みフラップ74を左外側面部50と折曲げ片24の隙間に差し込む)。すると、前フラップ70が上面部60に対して回動し、差込みフラップ72は被差込み部47内に折れ線S1(上面部60と前フラップ70間の折れ線)に沿った回動軸を中心に回動して挿入されるとともに、差込みフラップ74は被差込み部57内に折れ線S1に沿った回動軸を中心に回動して挿入される。
そして、前フラップ70が正面側面部20と平行に正面側面部20と接した状態とする(つまり、差込みフラップ72、74が被差込み部47、57に最も深く挿入された状態とする)ことにより、蓋部5Bが閉状態でロックされる。前フラップ70が正面側面部20と平行に正面側面部20と接した状態とした際には、差込みフラップ72の辺部72bや差込みフラップ74の辺部74bは水平方向(帯状部42、52の方向と平行な方向)となる。
なお、差込みフラップ72は、直線状の辺部72dを有し、差込みフラップ74は、直線状の辺部74dを有しているので、蓋部5Bが閉状態でロックされた状態では、辺部72dが被差込み部47内の下端に嵌合し、辺部74dが被差込み部57内の下端に嵌合するので、後述するように、差込みフラップ72、74を押し操作しない状態では、差込みフラップ72、74が被差込み部47、57から容易に外れることがない。
次に、蓋部5Bを開状態にするには、蓋部5Bを閉状態でロックされた状態では、切欠部K1内に差込みフラップ72の一部が露出し、切欠部K2内に差込みフラップ74の一部が露出しているので、差込みフラップ72の上端部分(つまり、辺部72b)を下方に押すとともに、差込みフラップ74の上端部分(つまり、辺部74b)を下方に押す。つまり、差込みフラップ72における切欠部K1内に露出した部分の辺部72bを押し操作するとともに、差込みフラップ74における切欠部K2内に露出した部分の辺部74bを押し操作する。
すると、図9に示すように、差込みフラップ72、74が回動する(つまり、差込み片部72の辺部72bを押し操作することにより差込みフラップ72が回動し、差込み片部74の辺部74bを押し操作することにより差込みフラップ72が回動する)とともに、前フラップ70が上面部60に対して折れ線S1を中心に回動する(つまり、前フラップ70の下端が正面側に回動する)。これにより、図9に示すように、前フラップ70の下端と正面側面部20との間に隙間が形成されるので、前フラップ70の下端に指を掛止して前フラップ70を正面側に回動させることにより、差込みフラップ72を被差込み部47から抜くとともに差込みフラップ74を被差込み部57から抜くことができる。つまり、差込みフラップ72、74の被差込み部47、57への差込み状態を解除する。
なお、蓋部5Bが閉状態でロックされた状態(図4の状態)では、右内側面部44に切欠部K12が形成されるとともに、折曲げ片22に切欠部K20が形成されているので、差込みフラップ72における切欠部K1内に露出した部分と右フラップ62間には間隔が形成され(つまり、差込みフラップ72の左側面側の面と右フラップ62の右側面側の面との間に間隔が形成される)、差込みフラップ72を指で押す際に押し操作が容易となる。同様に、蓋部5Bが閉状態でロックされた状態(図4の状態)では、左内側面部54に切欠部K32が形成されるとともに、折曲げ片24に切欠部K40が形成されているので、差込みフラップ74における切欠部K2内に露出した部分と左フラップ64間には間隔が形成され(つまり、差込みフラップ74の右側面側の面と左フラップ64の左側面側の面との間に間隔が形成される)、差込みフラップ74を指で押す際に押し操作が容易となる。
また、切欠部K1は、右側面部45の上端から下方にいくに従い正面側に湾曲する扇状を呈し、同様に、切欠部K2は、左側面部55の上端から下方にいくに従い正面側に湾曲する扇状を呈しているので、差込みフラップ72、74を押し操作する際に、押し操作する指が切欠部K1、K2の縁部に接触しないようにすることができる。
その後は、上面部60を折れ線S2を中心に背面側に回動させることにより、蓋部5Bが開状態とされる。
以上のように、本実施例の包装箱5によれば、蓋部5Bが閉状態でロックされている状態で、切欠部K1、K2内に露出した差込みフラップ72、74の上端を押すことにより、前フラップ70と正面側面部20間に隙間が形成され、前フラップ70の下端に指をひっかけて前フラップ70を回動させることにより、差込みフラップ72、74を被差込み部47、57から離脱させることができるので、蓋部5B(特に、上面部60)を開状態にするのを容易に行なうことができる。
なお、上記の説明において、切欠部K1、K2は扇状であるとしたが、差込みフラップ72の辺部72bの一部や差込みフラップ74の辺部74bの一部を露出させる切欠部であればよく、右側面部45においては、右側面部45の展開状態において、右外側面部40から帯状部42を経て右内側面部44に至る左右対称形状の開口部であり、左側面部55においては、左側面部55の展開状態において、左外側面部50から帯状部52を経て左内側面部54に至る左右対称形状の開口部であればよい。例えば、右側面部45や左側面部55に形成される開口部が、長方形状や円形であってもよく、それらの形状の開口部により切欠部K1、K2を形成してもよい。
なお、上記の説明において、右側面部45において、右外側面部40と右内側面部44の間に帯状部42が設けられ、左側面部55において、左外側面部50と左内側面部54の間に帯状部52が設けられているとしたが、帯状部42と帯状部52の構成を省略してもよい。すなわち、右側面部45においては、右外側面部40の底面部10とは反対側の辺部から折れ線を介して右内側面部44が連設され、左側面部55においては、左外側面部50の底面部10とは反対側の辺部から折れ線を介して左内側面部54が連接された構成となる。つまり、右側面部45において、右内側面部44は、右外側面部40の底面部10とは反対側の辺部から連設され、左側面部55において、左内側面部54は、左外側面部50の底面部10とは反対側の辺部から連設される。包装箱5の展開状態において、開口部K10は、帯状部42が設けられないことから当然正面側帯状部42−1と背面側帯状部42−2間の領域を含まないので、切欠部K11と切欠部K12とから構成され、開口部K30も同様に、帯状部52が設けられないことから当然正面側帯状部52−1と背面側帯状部52−2間の領域を含まないので、切欠部K31と切欠部K32とから構成される。