JP5713960B2 - コアピン - Google Patents
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Description
図6の(a)はこのようなコアピンの従来例を示す。
すなわち、コアピン50はホルダ51の先端に成形品の孔に対応する形状ピン部55を備えている。ホルダ51は大径のボス部52と、ボス部52から延びる一定径の円柱状のロッド部53からなり、形状ピン部55はロッド部53の先端からその延長方向に延びている。
コアピン50は、棒鋼材から切削加工によりホルダ51と形状ピン部55が一体に形成される。
大径穴44’に収容されたボス部52の後端面は主型40’の外壁面41と面一になり、形状ピン部55はその全長が主型40’の内壁面42から突出するよう設定されている。形状ピン部55は後端が主型40’の内壁面42位置でロッド部53と同径をなし、成形品からの抜き勾配のためわずかに先細となっている。
これにより、主型40’から突出した形状ピン部55が破損したときでも、コアピン50を交換するだけで済み、主型40’自体に修正を施す必要がないから、短時間に生産を再開することができる。
また、コアピン50の寿命延長と成形品の凝固タイミングの制御のために冷却水通流用の冷却穴を設ける場合、形状ピン部55の先端までコアピン50の全長にわたって形成しなければならず一層のコスト増大を招くことになる。
これによれば外筒および内筒を絞り加工により形成可能であるため、切削加工によるコアピンに比較すればコストは低下し、冷却穴も絞り加工と同時に形成される。
ホルダは第1ホルダと第2ホルダからなり、第1ホルダは、外筒を有するとともに、外筒の長手方向の一端の内周に第1のネジを備え、第2ホルダは、外筒内を延びる内筒を有するとともに、内筒の長手方向の一端の外周に、第1のネジと噛み合う第2のネジを備え、
内筒は、当該内筒の他端が、第1のネジと第2のネジとを噛み合わせて内筒と外筒とを結合した結合状態で、外筒の他端から突出する長手方向の長さを有し、
内筒の他端の外筒から突出する部分に、ピン部材が嵌合する接続部を設け、
ピン部材は、接続部においてカシメられて内筒に固定されているものとした。
そして、ピン部材の交換に際しては、第1ホルダと第2ホルダを分離方向に相対的に回転させることにより、接続部と内筒間のカシメ部が滑るのでピン部材が容易に取り外せる。
図1はコアピンの構成部品を示す分解斜視図、図2はコアピンの縦断面図である。
なお、ここでは図2における右側を前方、左側を後方として説明する。
コアピン1はホルダ2、ピン部材30、Oリング4およびCリング6とからなる。
ホルダ2は、それぞれ金属製の第1ホルダ10と第2ホルダ20からなる。
第1ホルダ10は、大径部11とその前端から延びる外筒12とからなる外形を有する。大径部11には、その後端面に開口して雌ネジ15を有する軸方向所定長さのボス収容部14を備え、ボス収容部14は外筒12の前端に開口する円筒孔16に連通している。円筒孔16は外筒12の前端からボス収容部14に開口するまでの全長にわたって一定径である。
ボス部21の後端面には六角穴25が形成され、内筒22を第1ホルダ10の円筒孔16に挿入してねじ込むことによりボス部21の後端面を大径部11の後端と面一にしてある。
内筒22は円筒孔16の内径に整合する外径を有し、前端近傍の外周面にカシメ用リング溝26を備え、この後側に隣接して2つのシール用リング溝27を備えている。
ボス部21と内筒22の全長にわたって、軸心に沿って一定径の貫通孔29が形成されている。
内筒22は第1ホルダ10の外筒12から突出し、カシメ用リング溝26と2つのシール用リング溝27は外筒12の前端より前方に位置している。
ピン部材30は前端が閉じた有底筒状で、内筒22の突出部分と同等長さを有する後部の接続部31と、接続部31に連なって延びる前部の形状ピン部32とからなる。形状ピン部32は成形品からの抜き勾配のためわずかに先細となっている。
接続部31はその内径が内筒22の外径に対応する一定径を有し、内筒22の突出部分に嵌め込まれて、2つのシール用リング溝27に配置された弾性のOリング4を圧縮状態としている。
接続部31のカシメ用リング溝26に対応する部位は径方向内方にカシメられて当該カシメ用リング溝26に落ち込んだカシメ縮径部Kとなっている。
カシメ部位の外周面に形成された周方向窪み33には、外周を接続部31の一般外周面と面一にした金属製のCリング6が配置されている。Cリング6の断面は内径側を頂点とする三角形にしてある。なお、ここで一般外周面とはカシメによる変形前の接続部31の一定径の外周面を指す。
まず図3の(a)に示すように、内筒22を円筒孔16に挿入してねじ込み、ボス部21の後端面を大径部11の後端と面一にして、第2ホルダ20を第1ホルダ10に組み付ける。
つぎに外筒12から突出している内筒22のシール用リング溝27にOリング4を嵌め込んだ後、図3の(b)に示すように、ピン部材30をその接続部31からシール用リング溝27を含む内筒22の先端部に嵌め込んで被せ、接続部31を外筒12の前端に突き合わせる。
この際、カシメ用リング溝26に対応する位置は接続部31の後端からの距離、あるいは接続部31と形状ピン部32の境界からの距離で規定されるから、接続部31に位置表示を付しておけばCリング6の位置決めが容易となる。なお、Cリング6は予め上記(b)の段階で嵌め込み、あるいは内筒22に接続部31を被せる前にあらかじめ嵌め込んでおいてもよい。
主型40は、外壁面41から内壁面42(成形材料の充填室側)に向かって形成された大径穴44と小径穴45からなる支持穴43を備えている。
コアピン1(第1ホルダ10)の大径部11の長さ及び径は大径穴44に対応させ、外筒12の径は小径穴45に対応させてある。そして、外筒12の長さとピン部材30の接続部31の長さの合計が小径穴45の長さに対応させてあり、コアピン1を外壁面41側から支持穴43に嵌め込み、形状ピン部32を主型40の内壁面42から突出させたとき、第2ホルダ20の内筒22の前端は内壁面41と面一の位置となる。
第1ホルダ10(大径部11)と第2ホルダ20(ボス部21)の後端面は主型40の外壁面41と面一になるよう設定され、図示省略の抑え部材で抜け止めされる。
図4に仮想線で示すように、、第2ホルダ20の貫通孔29にはその内径より細いパイプ48を外部からピン部材30における形状ピン部32の内部空間まで挿入して、矢示のように冷却水を流すことができる。内筒22のシール用リング溝27と接続部31の間にはOリング4が設けられているので、内筒22と接続部31の間から冷却水が漏れることはない。
ここでは、ホルダ2からピン部材30を取り外す。
すなわち、主型40から抜き出したコアピン1のボス部21の六角穴25にレンチをかけて、第1ホルダ10の大径部11に対しボス部21の抜き出し方向に回す。すると、ピン部材30の接続部31は第1ホルダ10の外筒12に突き当たっている一方、第2ホルダ20の内筒22が抜き出て行くので、図5に示すように、内筒22のカシメ用リング溝26の肩部が、カシメ用リング溝26内に突出するカシメ縮径部Kに乗り上げて接続部31を押し広げる。雌ネジ14と雄ネジ24の回転量に対する内筒22の移動量はとくに小さいので、軽い回転力によってカシメ縮径部Kとカシメ用リング溝26の係合を解除することができる。
これらの作業の間、Cリング6は顕著な抵抗なく拡がるから、接続部31に嵌め込まれたままの状態でよい。
こうして、破損したピン部材30を取り外したあと、先の図3に示した要領で新たなピン部材30をホルダ2に組みつけて、新たなコアピン1とする。
ピン部材30のみを取り替えればよいので、コアピン1の交換費用が低廉で済み、成形品製造のコストが低減する。
また、Oリング4がシールリングに、Cリング6がカシメリングに、そして六角穴25が工具係合部に該当する。
そしてとくに、ホルダ2は第1ホルダ10と第2ホルダ20からなり、第1ホルダ10は外筒12を有するとともに雌ネジ14を備え、第2ホルダ20は外筒12内を延びる内筒22を有するとともに雌ネジ14と噛み合う雄ネジ24を備え、両ネジによる第1ホルダ10と第2ホルダ20の結合状態において内筒22が外筒12の一端から突出するものとする一方、ピン部材30は内筒22の外筒12からの突出部に嵌合する接続部31を備えて、この接続部31において内筒22にカシメられているので、ピン部材30の交換に際しては、第1ホルダ10と第2ホルダ20を分離方向に相対的に回転させることにより、接続部31と内筒22間のカシメ部が滑ってピン部材30が取り外せる。(請求項1に対応する効果)
また、ピン部材30の接続部31が第1ホルダ10の外筒12に突き合せて内筒22に嵌合してあるので、カシメ用リング溝26に対応するカシメ位置を定めるのが容易である。そして、ピン部材30の取り外し時には第1ホルダ10と第2ホルダ20を分離方向に相対回転させると、カシメ用リング溝26に係合していた接続部31のカシメ縮径部Kをカシメ用リング溝26の肩部が直ちに押し拡げ始めるので、迅速な取外しができる。(請求項4に対応する効果)
プレスはCリング6の外周が接続部31の一般外周面と面一になるまで行うので、Cリング6が嵌り込んだままの状態でもコアピン1を支持する主型40の支持穴43に障害なく挿し込むことができる。(請求項7に対応する効果)
また、外筒12はその外径がピン部材30の接続部31の外径と整合するものとしたが、外筒12を含むホルダ2を大径孔用に合わせた共通サイズとし、ピン部材30の接続部31の径を共通サイズに合わせて、形状ピン部32の径のみを変化させるようにすれば、成形品の異なる径をもつ種々の孔に対してホルダ2を共有できるので、コストがさらに低減する。
工具係合部として第2ホルダ20のボス部21に六角穴25を設けたが、四角穴でもよいし、あるいはスパナなどを掛けられる突起でもよい。また第2ホルダ20のみでなく第1ホルダ10にも適宜の工具係合部を設けることもできる。
2 ホルダ
4 Oリング
6 Cリング
10 第1ホルダ
11 大径部
12 外筒
14 ボス収容部
15 雌ネジ
16 円筒孔
20 第2ホルダ
21 ボス部
22 内筒
24 雄ネジ
25 六角穴
26 カシメ用リング溝
27 シール用リング溝
29 貫通孔
30 ピン部材
31 接続部
32 形状ピン部
33 周方向窪み
40 主型
41 外壁面
42 内壁面
43 支持穴
44 大径穴
45 小径穴
48 パイプ
Claims (7)
- 成形品の孔形成のため金型に取り付けられるコアピンであって、
前記金型に保持されるホルダと、
絞り加工され、前記孔に対応する形状ピン部を備えて前記ホルダに接続されるピン部材とを有し、
前記ホルダが第1ホルダと第2ホルダからなり、
前記第1ホルダは、外筒を有するとともに、当該外筒の長手方向の一端の内周に第1のネジを備え、
前記第2ホルダは、前記外筒内を延びる内筒を有するとともに、当該内筒の長手方向の一端の外周に、前記第1のネジと噛み合う第2のネジを備え、
前記内筒は、当該内筒の他端が、前記第1のネジと前記第2のネジとを噛み合わせて前記内筒と前記外筒とを結合した結合状態で、前記外筒の他端から突出する前記長手方向の長さを有し、
前記内筒の前記他端の前記外筒から突出する部分に、前記ピン部材が嵌合する接続部を設け、
前記ピン部材は、前記接続部においてカシメられて前記内筒に固定されていることを特徴とするコアピン。 - 前記第2ホルダは、前記内筒の前記長手方向の一端に前記内筒よりも大径のボス部を有するとともに、該ボス部の外周に前記第2のネジを備えており、
前記ボス部の前記長手方向の一端に、工具が相対回転不能に係合する工具係合部を有し、
前記第1ホルダは、前記外筒の前記長手方向の一端に、前記外筒より大径の大径部を有するとともに、該大径部の内周に前記第1のネジを備えており、
前記工具係合部に係合させた前記工具を中心軸周りに回転させることにより、前記第2ホルダを前記第1ホルダに対して相対回転させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のコアピン。 - 前記内筒の突出部の外周にはカシメ用リング溝が形成され、前記ピン部材の接続部は前記カシメ用リング溝に落ち込むようにカシメられていることを特徴とする請求項2に記載のコアピン。
- 前記ピン部材の前記接続部が前記第1ホルダの前記外筒に突き合せて前記内筒に嵌合してあることを特徴とする請求項3に記載のコアピン。
- 前記第2ホルダは全長にわたる貫通孔を有するとともに、前記内筒の突出部の外周には、シールリングを保持するシール用リング溝を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載のコアピン。
- 請求項3または4に記載のコアピンの製作方法であって、
前記第2ホルダの内筒を前記第1ホルダの外筒に挿し込み、前記ボス部の第2のネジを前記大径部の第1のネジにねじ込んで前記所定の結合状態とし、
前記ピン部材の前記接続部を前記外筒から突出する前記内筒に嵌合し、
前記接続部の外周における前記内筒の前記カシメ用リング溝に対応する位置にカシメリングを位置付けて、
その後、当該カシメリングを内径方向にプレスすることにより前記接続部をカシメることを特徴とするコアピンの製作方法。 - 前記プレスは、前記カシメリングの外周が前記接続部の一般外周面と面一になるまで行うことを特徴とする請求項6に記載のコアピンの製作方法。
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