JP5713526B2 - 熱電変換モジュールならびに冷却装置、発電装置および温度調節装置 - Google Patents

熱電変換モジュールならびに冷却装置、発電装置および温度調節装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換モジュールならびに冷却装置、発電装置および温度調節装置に関するものである。
熱電変換素子は、p型半導体とn型半導体とからなるpn接合対に電流を流すと、それぞれの半導体の一端側が発熱するとともに他端側が吸熱するというペルチェ効果を利用したもので、これをモジュール化した熱電変換モジュールは、精密な温度制御が可能であり、小型で構造が簡単でありフロンレスの冷却装置、光検出素子、半導体製造装置等の冷却装置、レーザーダイオードの温度調節装置等への幅広い利用が期待されている。
また、熱電変換素子は、その両端に温度差があると電流が流れる特徴を有しているため、排熱回収発電等の発電装置への利用が期待されている。
熱電変換モジュールの構造は、例えば図3に示すように、支持基板1a、1bの表面に、それぞれ配線導体3a、3bが形成され、さらにp型熱電変換素子2aおよびn型熱電変換素子2b(以下、これらを総称して熱電変換素子2ということがある)が支持基板1a、1bで挟持され、配線導体3a、3bに熱電変換素子2の両端が半田6でそれぞれ接合されている。
そして、これらの熱電変換素子2は、電気的に直列になるように配線導体3a、3bで接続されており、その両端はそれぞれ外部接続端子4に接続されている。これらの外部接続端子4には、半田6によってリード線5が接続され、外部から電力が供給される構造となっている。
室温付近で使用される冷却用の熱電変換モジュールには、冷却特性が優れるという観点からA型結晶(AはBiおよび/またはSb、BはTeおよび/またはSe)からなる熱電変換素子2が一般的に用いられている。
p型熱電変換素子2aにはBiTeとSbTeとの固溶体が、n型熱電変換素子2bにはBiTeとBiSeとの固溶体が特に優れた性能を示すことから、このA型結晶(AはBiおよび/またはSb、BはTeおよび/またはSe)が熱電変換素子2に広く用いられている。
また、配線導体3a、3bには銅が用いられ、熱電変換素子2a、2bとの半田接合を強固なものとするため、熱電変換素子2a、2bと半田6との濡れ性を改善し、半田成分の熱電変換素子2への拡散を防止するため、熱電変換素子2a、2bの配線導体3a、3b側にはNiメッキ等によって電極8が形成されている。さらにその表面には、半田6との濡れ性を向上させる目的で、Au等により被覆層7が形成されている。
繰り返しの温度サイクルによる熱電変換モジュールの破損を防ぐ目的で、支持基板の形状を円形や多角形にすることにより、熱応力による支持基板と配線導体との間の剥離、配線導体と熱電変換素子との間の剥離を抑制することが提案されている(特許文献1参照)。
また熱電変換素子の底面および上面と平行な断面の面積が底面から上面に向けて連続的に減少する形状にすることにより、熱電変換素子の機械的強度を向上することが提案されている(特許文献2参照)。
特開1999−307828号公報 特開1999−220183号公報
特許文献1、2では、支持基板と配線導体との間の剥離、配線導体と熱電変換素子との間の剥離の低減、および熱電変換素子の破損の低減にある程度の効果があり、歩留まりおよび信頼性の向上が見られるものの、通電サイクル試験などの信頼性試験において、熱電変換素子と半田との間、配線導体と支持基板との間で、急激な温度変化による熱応力が発生し、クラックや剥離が発生し易いという問題があった。
本発明は、熱電変換素子と支持基板との間における熱応力を緩和することができる熱電変換モジュールならびに冷却装置、発電装置および温度調節装置を提供することを目的とする。
本発明の熱電変換モジュールは、支持基板と、該支持基板上に配列された複数の熱電変換素子と、前記支持基板に形成され前記熱電変換素子間を電気的に接続する複数の第1配線導体と、前記複数の熱電変換素子の前記支持基板と反対側間を電気的に接続する複数の第2配線導体とを具備するとともに、前記第1配線導体および前記第2配線導体と前記熱電変換素子とを半田を介して接合してなる熱電変換モジュールにおいて、前記第1配線導体および前記第2配線導体に前記熱電変換素子側に突出する突部が存在するとともに、該突部が前記半田により被覆されて前記突部が前記半田を介して前記熱電変換素子の端面に対向しており、前記熱電変換素子が低温となる側では前記熱電変換素子の端面外周部と対向する位置にのみ前記突部が存在するとともに、前記熱電変換素子が高温となる側では前記熱電変換素子の端面中央部と対向する位置にのみ前記突部が存在することを特徴とする。
このような熱電変換モジュールでは、配線導体に熱電変換素子側に突出する突部が形成されているので、この突部で効果的に熱を種々の方向に散乱させ、熱電変換素子の端面および近傍の半田の温度を均一化し、半田と熱電変換素子との間における熱応力を効果的に減少させることができ、熱電変換素子と支持基板との間における熱応力を緩和することができる。さらに、突部の裾野が広がっている場合には、突部の付け根に熱応力が集中することを避けることができる。
すなわち、例えば、低温となる熱電変換素子の一端側では、支持基板側から熱電変換素子の一端側に熱が伝導しようとするが、熱電変換素子は、その端面中央部の温度が低く、外気に晒されている等の理由から端面外周部では中央部よりも温度が高いため、そのまま直線的に支持基板側から熱電変換素子の一端側に熱が均一に伝導すると、熱電変換素子の端面外周部に対向する位置の半田が、端面中央部に対向する位置の半田よりも加熱され、その温度差により半田と熱電変換素子との間に熱応力が生じ、半田と熱電変換素子との間にクラックや剥離が生じる危険性があった。
これに対して、本発明では、第1配線導体および第2配線導体に熱電変換素子側に突出する突部を有するため、この突部にて、支持基板側からの熱を種々の方向に散乱させ、半田における温度を均一化させることができ、半田と熱電変換素子との間の熱応力を低減でき、半田と熱電変換素子との間におけるクラックや剥離を抑制できる。
一方、高温となる熱電変換素子の他端側では、この熱電変換素子の他端側から支持基板側に熱が伝導しようとするが、熱電変換素子は、その端面中央部の温度が高く、外気に晒されている等の理由から端面外周部では中央部よりも温度が低いため、そのまま直線的に支持基板側に熱が伝導すると、熱電素子の端面中央部に対向する位置の配線導体が、端面外周部に対向する位置の配線導体よりも加熱され、その温度差により配線導体と支持基板との間に熱応力が生じ、配線導体と支持基板との間にクラックや剥離が生じる危険性があった。
これに対して、本発明では、第1配線導体および第2配線導体に熱電変換素子側に突出する突部を有するため、この突部にて、熱電変換素子から支持基板側への熱を種々の方向に散乱させ、配線導体における温度を均一化させることができ、配線導体と支持基板との間の熱応力を低減でき、配線導体と支持基板との間におけるクラックや剥離を抑制できる。
また、本発明の熱電変換モジュールは、前記突部が、前記第1配線導体および前記第2配線導体の表面の前記熱電変換素子と対向する領域に存在することを特徴とする。このような熱電変換モジュールでは、突部により熱を種々の方向により効果的に散乱でき、半田と熱電変換素子との間、配線導体と支持基板との間における熱応力をさらに減少させ、支持基板からの熱電変換素子の剥離をさらに抑制することができる。
すなわち、低温となる熱電変換素子の一端側では、支持基板側からの熱を突部にて種々の方向に散乱させ、特に、熱電変換素子の端面外周部と対向する位置に突部が存在する場合には、熱電変換素子の端面中央部よりも温度が高い外周部への熱を突部により効果的に散乱でき、熱電変換素子の端面および近傍の半田の温度を均一化し、半田と熱電変換素子との間の熱応力をより効果的に減少させることができる。
一方、高温となる熱電変換素子の他端側では、熱電変換素子から支持基板側への熱を突部にて種々の方向に散乱させ、特に、熱電変換素子の端面中央部と対向する位置に突部が存在する場合には、熱電変換素子の端面外周部よりも温度が高い中央部からの熱を突部により効果的に散乱でき、配線導体および支持基板の温度を均一化し、配線導体と支持基板との間の熱応力をより効果的に減少させることができる。
また、本発明の熱電変換モジュールは、前記第1配線導体および前記第2配線導体の総数のうち20%以上の配線導体に、前記突部が存在することを特徴とする。このような熱電変換モジュールでは、突部を十分に有するため、熱応力をより効果的に減少させることができる。
本発明の冷却装置、発電装置または温度調節装置は、上記の熱電変換モジュールを冷却手段、発電手段または温度調節手段としたことを特徴とする。このような冷却装置、発電装置または温度調節装置では、支持基板からの熱電変換素子の剥離を抑制できるため、故障することなく長期間安定して使用することができる。
本発明の熱電変換モジュールでは、配線導体に熱電変換素子側に突出する突部が形成されているので、この突部で効果的に熱を種々の方向に散乱させ、熱電変換素子と支持基板との間における熱応力を緩和することができ、支持基板からの熱電変換素子の剥離を抑制することができる。これにより、上記の熱電変換モジュールを冷却手段、発電手段または温度調節手段とした冷却装置、発電装置または温度調節装置では、支持基板からの熱電変換素子の剥離を抑制できるため、故障することなく長期間安定して使用することができる。
本発明の実施形態を図1を基に説明する。尚、図3に示す従来の熱電変換モジュールと同一部材については、図3と同一符号を付した。
本発明の熱電変換モジュールは、図1に示すように、下部の支持基板1a、上部の支持基板1bの表面に、それぞれ第1、第2配線導体3a、3bが形成され、さらにp型熱電変換素子2aおよびn型熱電変換素子2b(以下、総称して熱電変換素子2または熱電変換素子2a、2bということがある)が、支持基板1a、1bの間に配置され、熱電変換素子2が支持基板1a、1bで挟持されている。熱電変換素子2a、2bの両端面は、下部および上部の第1、第2配線導体3a、3bに半田6で接合されている。
尚、図1では、それぞれの熱電変換素子2a、2bをそれぞれの半田6で個別に配線導体3a、3bに接合した例について説明したが、本発明では、一対の熱電変換素子2a、2bを一つの半田6で接合しても良い。すなわち、図2(a)で説明すると、配線導体3aに2つの半田6を形成したが、これらの2つの半田6を連結して1つの半田6としても良い。
また、図1では、支持基板1a、1bで熱電変換素子2a、2bを挟持した例について記載したが、本発明では、上部の支持基板1bを有しないタイプ、すなわち、熱電変換素子2a、2bの上面は、第2配線導体だけで電気的に接続したものであっても良い。
熱電変換素子2はp型熱電変換素子2aおよびn型熱電変換素子2bの2種からなり、下部の支持基板1aの一方の主面上に縦横に配列されている。p型熱電変換素子2aおよびn型熱電変換素子2bは、p型、n型、p型、n型と交互に、且つ電気的に直列になるように第1、第2配線導体3a、3b(以下、単に配線導体3a、3bということもある)で接続し、一つの電気回路を形成している。
熱電変換素子2は、常温付近で最も優れた熱電変換性能を有しているBi−Te系が好ましい。これにより良好な冷却効果を得ることができる。p型としてBi0.4Sb1.6Te、Bi0.5Sb1.5Teなど、n型としてBiTe2.85Se0.15、BiTe2.9Se0.1などが好適に使用される。
熱電変換素子2a、2bの配線導体3a、3b側には、半田6との濡れ性が良好なNi等の電極8、Au等の被覆層7を有している。
一つの電気回路の両端には外部接続端子4が接続され、電気的に接続されている。これらの外部接続端子4には、半田6によってリード線5が接続されており、外部から電力が供給される構造となっている。リード線5の代わりにブロック状、柱状の導体を接続してもよい。またリード線5やブロック状、柱状の導体を接合せず、外部接続端子4に直接ワイヤーをボンディングして電力を供給することもできる。
そして、本発明では、図1(b)に示したように、第1、第2配線導体3a、3bに突部10が形成されていることを特徴とする。突部10は、第1配線導体3aの上面に、熱電変換素子2a、2b側に突出して形成され、また、第2配線導体3bの下面に熱電変換素子2a、2b側に突出して形成されている。これらの突部10は、上方から見ると、円形に見える突起状または長方形に見える突条とされている。図2(a)(c)では、円形状に見える突起状の突部示す。
熱電変換素子2a、2bの下端が吸熱され、上端が放熱する側とされ、突部10は、第1、第2配線導体3a、3bの表面の熱電変換素子2a、2bと対向する領域に存在しており、半田6により被覆されている。
すなわち、従来の熱電変換モジュールでは、低温となる熱電変換素子2a、2bの下端側では、図3(b)の矢印で示すように、支持基板1aからの熱が配線導体3a、半田6を介して熱電変換素子2a、2bに直線的に伝導しようとするが、熱電変換素子2a、2bの端面の中央部よりも高温となっている外周部にも中央部と均一に熱が伝導しようとするため、半田6と熱電変換素子2a、2bとの間に熱応力が生じやすい。
一方、図示はしないが、高温となる熱電変換素子2a、2bの上端側では、熱電変換素子の上端側から支持基板1b側に熱が伝導しようとするが、熱電変換素子2a、2bは、その端面中央部の温度が高く、端面外周部では中央部よりも温度が低いため、そのまま直線的に支持基板1b側に熱が伝導すると、熱電変換素子2a、2bの端面中央部に対向する位置の配線導体3bが、端面外周部に対向する位置の配線導体3bよりも加熱され、その温度差により配線導体3bと支持基板1bとの間に熱応力が生じやすい。
これに対して、本発明では、低温となる熱電変換素子2a、2bの下端側では、図2(a)に示すように、熱電変換素子2a、2bの端面外周部と対向する位置に突部10が存在しており、これにより、支持基板1a側からの熱を、図2(b)に示すように、突部10にて種々の方向に散乱させ、熱電変換素子2a、2bの端面中央部よりも温度が高い端面外周部への熱を突部10により効果的に散乱でき、熱電変換素子2a、2bの端面および近傍の半田6の温度を均一化し、半田6と熱電変換素子2a、2bとの間の熱応力をより効果的に減少させることができる。
また、高温となる熱電変換素子2a、2bの上端側では、図2(c)に示すように、熱電変換素子2a、2bの端面中央部と対向する位置に1個の突部10が存在しており、これにより、熱電変換素子2a、2bから支持基板1b側への熱を突部10にて種々の方向に散乱させ、熱電変換素子2a、2bの端面外周部よりも温度が高い中央部からの熱を突部10により効果的に散乱でき、配線導体3bおよび支持基板1bの温度を均一化し、配線導体3bと支持基板1bとの間の熱応力をより効果的に減少させることができる。
よって、熱電変換素子2a、2bと半田6との間、配線導体3bと支持基板1bとの間で、急激な温度変化による熱応力を抑制し、クラックや剥離を抑制することができ、長期間安定して使用することができる。
また配線導体3の突部10は裾野10aが広がっていることが望ましい。これにより突部10の付け根に応力が集中するのを避けることができる。突部10の裾野10aの角度θは70度以下であることが望ましい。70度より小さくすることにより、突部10の付け根部分への応力集中を抑制し、効果的に熱応力の集中を避けることができる。突部10の裾野10aの角度θは、好ましくは60度以下、さらに好ましくは50度以下が望ましい。
尚、図2に示すように、熱電変換素子2a、2bの上方の配線導体3bには、熱電変換素子2a、2bの端面中央部と対向する位置に1個の突部10を形成した例について記載したが、複数形成しても良いことは勿論である。また、熱電変換素子2a、2bの下方の配線導体3aには、熱電変換素子2a、2bの端面外周部と対向する位置に4個の突部10を形成した例について記載したが、個数については特に限定されない。
突部10は中実であることが望ましい。これにより配線導体3の電気抵抗を低減できるため、投入電流を低減できる。
また、図1(b)、図2(a)、(c)では、低温となる熱電変換素子2a、2bの下端側では、図2(a)に示すように、熱電変換素子2a、2bの端面外周部と対向する位置にそれぞれ4個の突部10が存在し、高温となる熱電変換素子2a、2bの上端側では、図2(c)に示すように、熱電変換素子2a、2bの端面中央部と対向する位置に1個の突部10が存在する場合について記載したが、突部位置は、熱を散乱させる位置であれば良く、例えば、低温となる熱電変換素子2a、2bの下端側で、端面外周部と対向する位置にそれぞれ4個の突部10と、端面中央部と対向する位置に1個の突部10を設けても良い。逆に、高温となる熱電変換素子2a、2bの上端側で、端面中央部と対向する位置に1個の突部10と、端面外周部と対向する位置に複数の突部10を設けて良い。
さらに、突部10は、熱電変換素子2a、2bの端面と対向しない配線導体3a、3b表面に形成されている場合であっても、半田6または配線導体3a、3bの内部の熱をある程度拡散できる。
さらにまた、円形状の突部10の最大径は3μm以上であることが望ましい。最大径を3μm以上とすることにより、熱の散乱効果を大きくすることができる。突部10の最大径は、好ましくは5μm以上、さらには8μm以上が望ましい。突部10の高さは、5μm以上であることが、熱の散乱効果を大きくするという点から望ましい。
また、配線導体3a、3bの総数のうち20%以上の配線導体3a、3bに、突部10を有することが望ましい。突部10を有する配線導体3a、3bの割合を全体の20%以上とすることにより、熱の散乱効果を大きくすることができる。突部10を有する配線導体3a、3bの割合は全体の30%以上が望ましい。突部10は、配線導体3a、3bと同一材料から形成されていることが望ましいが、異なる材料から形成されていても良い。
配線導体3a、3bは、熱電変換素子2に電力を供給するためのものであり、例えば、Zn、Al、Au、Ag、W、Ti、Fe、Cu、Ni、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属であることが、電気抵抗が低く、また熱伝導率が高いために発熱を抑制し、さらに熱放散性に優れるために好ましい。配線導体3a、3bには、電気抵抗、熱伝導率、コストの観点から、特にCu、Ag、Al、Ni、Pt、Pdから選ばれる少なくとも1種の元素が好適に使用される。
配線導体3a、3bは、メッキ法、メタライズ法、DBC(Direct−bonding Copper)法、チップ接合法から選ばれる1種以上の方法を適宜採用することで、配線パターン精度、電流値およびコストに合わせ最適な配線導体3を作製することができる。配線導体3a、3bの作製方法にはそれぞれ特徴があり、目的により適宜製法を選択すればよい。配線導体3a、3bの厚さが100μm以下ではメッキ法、メタライズ法、それ以上の厚さでは、DBC法、チップ接合法が好適に使用される。
次に、本発明の熱電変換モジュール9の製造方法の一例について説明する。
まず、熱電変換素子2を準備する。本発明によれば、熱電変換素子2は周知の方法によって得られるものを用いることができる。即ち、焼結法、単結晶法、溶製法、熱間押出法、薄膜法などによって得られた材料を使用することが可能である。
熱電変換素子2は、Bi、Sbのうち少なくとも1種およびTe、Seのうち少なくとも1種を含む焼結体を用いることが好ましい。これらの金属や合金は、室温付近で性能の高い熱電変換モジュールを実現できる。熱電変換素子2の大きさは特に限定されないが、小型熱電変換モジュール9としては、熱電変換素子2として、縦0.1〜2mm、横0.1〜2mm、高さ0.1〜3mmの角柱状に加工したものを準備する。
この熱電変換素子2は、半田6との濡れ性を向上させるために、接合される端面には、予めNi等の電極8、Au等の被覆層7を有している。
次いで、支持基板1として、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素等を主成分とするセラミックスを準備する。また絶縁性の有機基板を使用することもできる。これらを所定の基板形状に加工した後、表面にZn、Al、Au、Ag、W、Ti、Fe、Cu、Ni、PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種の導電性材料を用いて配線導体3および外部接続端子4を、メッキ法、メタライズ法、DBC(Direct−bonding Copper)法、焼付け法、チップ接合法などの手法により形成する。
メタライズ法はMn−MoやWからなるペーストをセラミックスからなる支持基板、またはそのグリーンシートに印刷して焼成することで配線導体3が得られる。DBC法はTi、Zr、Crなどの活性金属を利用してセラミックスからなる支持基板1上に配線導体3の金属板を接合して得られる。チップ接合法は、セラミックスからなる支持基板1上にメッキ法やメタライズ法で形成した下地上に配線導体3の金属板を半田等により接合して得られる。
配線導体3に突部10を形成するには、メッキ法の場合には、予め微細な金属粒子(種結晶)を支持基板1に付着させ、メッキすることにより、突部10を形成できる。もしくはメッキ液中に微細な金属粒子を浮遊させても、金属粒子が支持基板1に付着し、この金属粒子を基に成長することにより、突部10を形成できる。
突部10の裾野10aの角度θについては、支持基板1に付着させる金属粒子の形状を、裾野10aの角度がθになるように選択し、また、メッキ時間を制御することにより、達成できる。突部10の形状、寸法についても、支持基板1に付着させる金属粒子の形状、寸法、メッキ時間等により制御することができる。
この配線導体3は、半田6との濡れ性を向上させるために、上面には、予めNi、Au等の金属層を有しても良い。この場合、突部10には、その上面にNi、Au等の金属層を有することになる。
次いで、配線導体3の上に、半田ペーストを塗布し、この上に熱電変換素子2を配置し、加熱することにより、熱電変換素子2が配線導体3に半田6を介して接合される。なお、熱電変換素子2は、p型熱電変換素子2aおよびn型熱電変換素子2bが交互に並ぶように配列し、且つ電気的に直列に接続される。
このようにして得られた熱電変換モジュール9の外部接続端子4に、例えば直径0.3mmの太さのリード線5をソフトビーム等で局所的に加熱、接合し、熱電変換モジュール9を作製する。この他、YAGレーザー等でスポット溶接して熱電変換モジュール9を作製しても構わない。またワイヤーボンディングに対応するため、リード線の替わりにブロック状、柱状の導体を接合しても良い。あるいは、外部接続端子4に直接ワイヤーボンディングすることもできる。
本発明の熱電変換モジュールを、例えばレーザーや半導体製造装置等の冷却手段として使用することができる。これにより長期安定性に優れた冷却装置を提供することができる。また、熱電変換モジュールを、例えば自動車やコージェネレーション等の排熱を利用した発電手段として使用することができる。これにより長期安定性に優れた発電装置を提供することができる。さらに、熱電変換モジュールを、例えば、レーザーダイオードの温度調節手段として使用することができる。これにより、長期安定性に優れた温度調節装置を提供することができる。
先ず、表2に示す焼結体からなるn型またはp型の熱電変換素子2を準備した。熱電変換素子2の形状は、四角柱で、寸法は縦0.6mm、横0.6mm、高さ1mmであった。また、支持基板1として、大きさが6mm×8mmのアルミナを用意した。
支持基板1上に、突部10の種となる微細なCu粒子を支持基板1上に付着させた。メッキ法により金属膜を支持基板1全面に形成し、エッチングして厚さ30μmで所定形状の配線導体3を作製し、同時に表1に示すような材質の平面視円形状の突部10を作製した。
突部10は、低温となる熱電変換素子2a、2bの下端側では、図2(a)に示すように、熱電変換素子2a、2bの端面外周部と対向する位置にそれぞれ4個の突部10を、高温となる熱電変換素子2a、2bの上端側では、図2(c)に示すように、熱電変換素子2a、2bの端面中央部と対向する位置に1個の突部10を形成した。
また、突部10を有する配線導体3の割合を求め、また、突部10の裾野10aの角度θの平均値を求め、また、突部10が中実か中空か、さらに、突部10の最大径、突部材料を表1に記載した。突部10の任意の20個について、裾野10aの角度θ、突部10の最大径を求め、その平均値を表1に記載した。また、突部10の任意の20個について、突部10の高さを求めたところ、1μm以上であった。
突部10を有する配線導体3の割合については、種となる微細なCu粒子の支持基板1上への付着割合で、裾野10aの角度θについては、Cu粒子の形状で、突部10の最大径については、Cu粒子の寸法、メッキ時間等により制御した。尚、中空の突部10についてはメッキ後急激に加熱処理することにより作製した。
下部の支持基板1aの配線導体3a上に、Au−Snからなる半田ペーストを印刷し、その上に熱電変換素子2を並べ、下部の支持基板1aの反対面から加熱し、熱電変換素子2を固定した。熱電変換素子2の数は、p型熱電変換素子2aおよびn型熱電変換素子2bを同数ずつ用いた。同様にしてもう一面の上部の支持基板1bと熱電変換素子2を固定して熱電モジュール9が得られる。配線導体3は、下部の支持基板1a側に24個(外部接続端子4を含む)、上部の支持基板1b側に23個形成し、総数47個であった。
得られた熱電変換モジュール9の外部接続端子4上に、半田6を供給しつつ、ソフトビームなどにより局部的に加熱し、リード線5を接続した。
このようにして得られた熱電変換モジュール9を30℃のオイル中にて15秒毎に一対のリード線5間に電流の+−を反転させるサイクルを3000回繰り返す通電サイクル試験を行った。試験前後の抵抗を交流4端子法により測定し、抵抗変化率(ΔR)5%以下を合格、ΔRが5%を超えるものを不合格とし、10個の熱電素子モジュールについて、不合格数を表2に記載した。
Figure 0005713526
Figure 0005713526
表1、2から、本発明の試料No.2〜38は、通電サイクル試験前後の抵抗変化が5%以下で良好であった。中でも突部を有する配線導体の割合が30%以上、突部の最大径が10μm以上の試料No.4〜11、14〜22、24〜38は、抵抗変化が1.2%以下で特に優れていた。
これに対し、比較例の試料No.1は、耐久試験において不合格になるものが発生し、本発明の試料に比べて明らかに劣っていた。
本発明の一実施形態の熱電変換モジュールを示すもので、(a)支持基板の一部の記載を省略した斜視図、(b)は断面図である。 (a)は図1(b)のX−X線に沿った平面図、(b)は突部の説明図、(c)は図1(b)のY−Y線に沿った平面図である。 従来の熱電変換モジュールを示すもので、(a)は支持基板1bの一部の記載を省略した斜視図、(b)は(a)の支持基板1b、半田6の記載を省略した断面図である。
符号の説明
1・・・支持基板
1a・・・下部の支持基板
1b・・・上部の支持基板
2・・・熱電変換素子
2a・・・p型熱電変換素子
2b・・・n型熱電変換素子
3・・・配線導体
3a・・・第1配線導体
3b・・・第2配線導体
6・・・半田
7・・・被覆層
8・・・電極
9・・・熱電変換モジュール
10・・・突部
10a・・・裾野

Claims (6)

  1. 支持基板と、該支持基板上に配列された複数の熱電変換素子と、前記支持基板に形成され前記熱電変換素子間を電気的に接続する複数の第1配線導体と、前記複数の熱電変換素子の前記支持基板と反対側間を電気的に接続する複数の第2配線導体とを具備するとともに、前記第1配線導体および前記第2配線導体と前記熱電変換素子とを半田を介して接合してなる熱電変換モジュールにおいて、前記第1配線導体および前記第2配線導体に前記熱電変換素子側に突出する突部が存在するとともに、該突部が前記半田により被覆されて前記突部が前記半田を介して前記熱電変換素子の端面に対向しており、前記熱電変換素子が低温となる側では前記熱電変換素子の端面外周部と対向する位置にのみ前記突部が存在するとともに、前記熱電変換素子が高温となる側では前記熱電変換素子の端面中央部と対向する位置にのみ前記突部が存在することを特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 前記突部は、裾野が広がっていることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記第1配線導体および前記第2配線導体の総数のうち20%以上の配線導体に、前記突部が存在することを特徴とする請求項1または2に記載の熱電変換モジュール。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の熱電変換モジュールを冷却手段としたことを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の熱電変換モジュールを発電手段としたことを特徴とする発電装置。
  6. 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の熱電変換モジュールを温度調節手段としたことを特徴とする温度調節装置。
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