JP5712730B2 - インクジェット描画装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、粘度調整されたインクをインクジェットヘッドの吐出口から吐出して被印刷物に塗着し、塗着されたインクの滲み開始前に当該インクの一部または全部を硬化する工程を有することで、小さい文字や記号をマーキング可能な電子部品の製造方法及び電子部品の製造装置が開示されている。
特許文献2には、印刷部の情報を取得するリニアエンコーダーと、リニアエンコーダーによって取得された印刷部の位置情報に基づいて、UV照射手段のUV照射範囲が印刷部からUVインクが吐出された範囲内となるようにUV照射手段からのUV照射を制御するUV照射範囲制御手段と、を備えることによって不要な部分にUV光を照射することを防止することができるインクジェットプリンタ及びその制御方法が開示されている。
吐出走査においては、相対走査手段は、吐出走査開始で、停止状態から加速状態となり、定速走査状態となり、減速状態となり、最後に、停止状態となる。相対走査手段が停止状態となって、吐出走査が終了する。吐出ヘッドからの液状体の吐出、及び吐出ヘッドと一体に移動させられる硬化光射出手段からの硬化光の射出は、相対走査手段が定速走査状態の際に実施する。
相対走査手段の駆動源の出力は、相対走査手段が定速走査状態の場合には、相対走査手段が停止状態の場合にくらべて、大きくなる。相対走査手段の駆動源の出力が一定の値より小さい場合は、相対走査手段が定速走査状態ではないため、硬化光射出手段からの硬化光の射出を実施しないことが、すなわち、硬化光射出手段を射出停止状態にすることが好ましい場合である。駆動源の出力が第一の出力値以上の場合に、硬化光射出手段を射出状態にすることで、硬化光射出手段を射出停止状態にすることが好ましい場合にもかかわらず、硬化光射出手段が射出状態にされることを抑制することができる。
吐出走査においては、相対走査手段は、吐出走査開始で、停止状態から加速状態となり、定速走査状態となり、減速状態となり、最後に、停止状態となる。相対走査手段が停止状態となって、吐出走査が終了する。吐出ヘッドからの液状体の吐出、及び吐出ヘッドと一体に移動させられる硬化光射出手段からの硬化光の射出は、相対走査手段が定速走査状態の際に実施する。
相対走査手段の駆動源の出力は、相対走査手段が定速走査状態の場合には、相対走査手段が停止状態の場合にくらべて、大きくなる。駆動源の出力が第一の出力値未満から第一の出力値以上になる際に、駆動源の出力が第一の出力値未満の場合は、例えば、相対走査手段が定速走査状態に至っていない状態であって、硬化光射出手段を射出停止状態にすることが、好ましい場合である。駆動源の出力が第一の出力値未満から第一の出力値以上になった場合に、硬化光射出手段を射出状態にすることで、硬化光射出手段を射出停止状態にすることが好ましい場合にもかかわらず、硬化光射出手段が射出状態になることを抑制することができる。
駆動源の出力が第一の出力値以上から第一の出力値未満になる際に、駆動源の出力が第一の出力値未満の場合は、例えば、相対走査手段が定速走査状態から減速状態になった状態であって、硬化光射出手段を射出停止状態にすることが、好ましい場合である。駆動源の出力が第一の出力値以上から第一の出力値未満になった場合に、硬化光射出手段を射出停止状態にすることで、硬化光射出手段を射出停止状態にすることが好ましい場合にもかかわらず、硬化光射出手段が射出状態のままであることを抑制することができる。
吐出走査においては、相対走査手段は、吐出走査開始で、停止状態から加速状態となり、定速走査状態となり、減速状態となり、最後に、停止状態となる。相対走査手段が停止状態となって、吐出走査が終了する。吐出ヘッドからの液状体の吐出、及び吐出ヘッドと一体に移動させられる硬化光射出手段からの硬化光の射出は、相対走査手段が定速走査状態の際に実施する。
相対走査手段の駆動源の出力は、相対走査手段が定速走査状態の場合には、相対走査手段が停止状態の場合にくらべて、大きくなる。駆動源の出力が第一の出力値未満から第一の出力値以上になる際に、駆動源の出力が第一の出力値未満の場合は、例えば、相対走査手段が定速走査状態に至っていない状態であって、硬化光射出手段を射出停止状態にすることが好ましい場合である。
駆動源の出力が第一の出力値未満から第一の出力値以上になる時点は、相対走査手段が定速走査状態に至る時点より一定時間前の時点である。吐出ヘッドが吐出を開始できる時点は、適切な描画を実施するためには、相対走査手段が定速走査状態になった時点である。したがって、相対走査手段が定速走査状態になった時点から一定時間遅らせて吐出を開始することが好ましい。硬化光射出手段が射出状態であることが必要となる時点は、硬化光射出手段が、吐出されて着弾した液状体に臨む位置に至る時点である。したがって、硬化光射出手段が射出状態であることが必要となる時点は、吐出ヘッドが吐出を開始できる時点から一定時間遅れた時点である。このように、硬化光射出手段が射出状態であることが必要となる時点は、駆動源の出力が第一の出力値未満から第一の出力値以上になる時点から、一定時間後の時点である。
駆動源の出力が第一の出力値未満から第一の出力値以上になった時点から所定の遅延時間後に、硬化光射出手段を射出状態にすることで、硬化光射出手段が射出状態であることが必要となる時点より前に硬化光射出手段が射出状態となっている時間を、抑制することができる。
吐出走査においては、相対走査手段は、吐出走査開始で、停止状態から加速状態となり、定速走査状態となり、減速状態となり、最後に、停止状態となる。相対走査手段が停止状態となって、吐出走査が終了する。このように相対走査手段の稼働状態が変化する時間は、1回の吐出走査において略一定であり、硬化光射出手段を射出状態に保つことが必要な時点も、略一定である。したがって、硬化光射出手段を射出状態にした時点から射出停止状態にする時点までの時間は略一定である。このため、硬化光射出手段を射出状態にした時点から所定の時間が経過した時点で、射出停止状態にすることで、適切な時点において、硬化光射出手段を射出停止状態にすることができる。
吐出走査においては、相対走査手段は、吐出走査開始で、停止状態から加速状態となり、定速走査状態となり、減速状態となり、最後に、停止状態となる。相対走査手段が停止状態となって、吐出走査が終了する。硬化光射出手段からの硬化光の射出は、相対走査手段が定速走査状態の際に実施する。定速走査状態では、ヘッド保持手段と被描画媒体との相対移動速度が所定の一定速度である。
検出した電流値が、吐出走査においてヘッド保持手段と被描画媒体との相対移動速度が所定の一定速度である場合に電動機に供給される電流値と等しい場合は、相対走査手段が定速走査状態である。電動機が停止状態の場合、供給される電流値は略0であるため、検出した電流値を、一定速度である場合に電動機に供給される電流値より少し小さい値と比較することで、相対走査手段が定速走査状態になったことを検出することができる。第一の出力値が、吐出走査においてヘッド保持手段と被描画媒体との相対移動速度が所定の一定速度である場合に電動機に供給される電流値に、1より小さい所定の値を乗じた電流値であることによって、検出した電流値を第一の出力値と比較することで、相対走査手段が定速走査状態であるか否かを判定することができる。なお、相対走査手段が定速走査状態であるか否かを正確に判定するためには、相対走査手段が定速走査状態である場合に電動機に供給される電流値に乗ずる1より小さい所定の値は、1に近いことが望ましい。当該1より小さい所定の値は、相対走査手段が定速走査状態である場合に電動機に供給される電流値の変動範囲を考慮して、1に近い値に設定することが好ましい。
検出された電流値が、電動機の拘束電流より小さい第二の出力値より、大きい場合には、硬化光射出手段を、射出停止状態にする。これにより、電動機に大きな負荷がかけられて強制的に停止又は略停止させられることによって、拘束電流又は拘束電流に近い電流値の電流が流れた場合に、硬化光射出手段を、射出停止状態にすることができる。
検出された電流値が、ヘッド保持手段と被描画媒体との相対移動速度が所定の一定速度である場合に電動機に供給される駆動電力の電流値より大きい第二の出力値より大きい場合には、硬化光射出手段を、射出停止状態にする。このため、相対走査手段が定速走査状態の場合には、検出された電流値が第二の出力値より大きいことによって硬化光射出手段が射出停止状態にされることを、実質的になくすることができる。
なお、以下の説明において参照する図面では、図示の便宜上、部材又は部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
液滴吐出装置が、インクジェット描画装置に相当する。機能液が、液状体に相当する。
最初に、液滴吐出装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置の全体構成の概略を示す説明図である。図1(a)は、液滴吐出装置の全体構成の概略を示す斜視図であり、図1(b)は、全体構成の概略を示す平面図である。
支持梁64は、2つの支持柱63に掛け渡されるように設けられ、Y軸方向に延在している。ガイド部66は、支持梁64に固定されており、Y軸方向に延在している。駆動モーター67は、支持梁64のY軸方向における一方の端近くで、支持梁64に固定されている。駆動モーター67の出力軸には、駆動プーリー67aが固定されており、駆動プーリー67aが、駆動モーター67によって回動駆動される。従動プーリー67bは、支持梁64のY軸方向における、駆動モーター67が固定された端と反対側の端近くで、支持梁64に、回動可能に固定されている。従動プーリー67bの回動軸の軸方向は、駆動プーリー67aの回動軸(駆動モーター67の出力軸)の軸方向と、略平行である。ベルト62aは、駆動プーリー67aと従動プーリー67bとの間に掛け渡されており、駆動プーリー67aが回動することによって、駆動される。ベルト62aは、ガイド部66と並行してY軸方向に延在している。エンコーダー68は、支持梁64に固定されており、ガイド部66と略平行にY軸方向に延在している。
キャリッジ枠65を、キャリッジ走査機構62によってY軸方向に移動させることで、キャリッジ枠65に吊設されたヘッドユニット21が有する液滴吐出ヘッド20を、Y軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。
キャリッジ走査機構62が、相対走査手段に相当する。キャリッジ枠65が、ヘッド保持手段に相当する。駆動モーター67が、駆動源に相当する。
媒体移動機構33は、X軸ガイド35とX軸リニアモーター(図示省略)と、を備えている。X軸ガイド35は、2つの支持柱63の間で、支持梁64の下方に配設されており、Y軸方向と直交するX軸方向に略平行に延在している。
スライド台31aは、X軸方向に摺動自在に、X軸ガイド35に支持されている。X軸リニアモーターは、X軸ガイド35と略平行に配設されており、スライド台31aは、X軸リニアモーターによって、X軸方向に移動させられる。また、移動した任意の位置に保持させられる。媒体載置台31は、図示省略した媒体回動機構によって、X軸方向及びY軸方向と直交するZ軸方向に平行な軸まわりの方向に回動可能に、スライド台31aの上に固定されて、支持されている。
媒体載置台31が、媒体保持手段に相当する。
キャリッジユニット22において、ヘッドユニット21のY軸方向の両側には、紫外線硬化型機能液を硬化させるための紫外線照射部95が、1つずつ配設されている。紫外線硬化型の機能液を用いて描画した画像を、紫外線照射部95を用いて硬化させることができる。紫外線照射部95が、硬化光射出手段に相当する。液滴吐出ヘッド20(ヘッドユニット21)のY軸方向の移動に同調して、機能液を液滴として吐出する工程が、吐出走査に相当する。
次に、液滴吐出ヘッド20について、図2を参照して説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す図である。図2(a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図であり、図2(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図であり、図2(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図である。図2に示したX軸、及びZ軸は、液滴吐出ヘッド20が液滴吐出装置1に装着された状態において、図1に示したX軸、又はZ軸と一致している。
圧力室プレート51には、液滴吐出ヘッド20に供給される機能液が常に充填される液たまり55が形成されている。液たまり55は、振動板52と、ノズル基板25と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。機能液は、機能液供給部から液滴吐出ヘッド20に供給され、振動板52の液供給孔53を経由して液たまり55に供給される。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズル基板25と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
圧電素子59は、電極層と圧電材料とを積層した活性部を有している。圧電素子59は、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図2(b)又は(c)における振動板52の厚さ方向)に縮む。電極層に印加されていた駆動電圧が解除されることで、活性部が元の長さに戻る。
次に、ヘッド機構部2が備えるキャリッジユニット22の概略構成について、図3を参照して説明する。図3は、キャリッジユニットの概略構成を示す平面図である。図3に示したX軸方向及びY軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向又はY軸方向と一致している。
ヘッドユニット21は、ユニットプレート23と、ユニットプレート23に搭載された9個の液滴吐出ヘッド20と、を有している。
液滴吐出ヘッド20は、図示省略したヘッド保持部材を介してユニットプレート23に固定されている。固定された液滴吐出ヘッド20は、ヘッド本体がユニットプレート23に形成された孔(図示省略)に遊嵌して、ノズル基板25が、ユニットプレート23の面より突出した位置に位置している。図3は、ノズル基板25の側から見た図である。9個の液滴吐出ヘッド20は、X軸方向に分かれて、それぞれ3個ずつの液滴吐出ヘッド20を有するヘッド組20Aを3群、形成している。それぞれの液滴吐出ヘッド20のノズル列24Aは、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、X軸方向に延在している。
LED筐体97は、ユニットプレート23のY軸方向の側面に支持枠を介して固定されている。LED筐体97は、略直方体形状の外形を有し、内部に略直方体形状で一面が開口した筐体室が形成されている。筐体室は、媒体載置台31に臨む側が開口している。筐体室には、UVLED96が、開口側に紫外線を射出する状態で固定されている。複数のUVLED96が、X軸方向に並んで配設されている。複数のUVLED96は、X軸方向において、ヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20が機能液を配置可能な幅を包含する範囲に、紫外線を照射することができる。
液滴吐出ヘッド20が、吐出ヘッドに相当する。紫外線照射部95、又はUVLED96が、硬化光射出手段に相当する。
ヘッドユニット21がY軸方向に走査されて機能液を吐出する際には、液滴吐出ヘッド20に並んで配設されたUVLED96から、略並行して、紫外線を照射させる。
走査方向において、ヘッドユニット21の後側に位置するUVLED96から紫外線を射出することで、吐出されて着弾させられた機能液に、着弾した直後に紫外線を照射することができる。機能液に紫外線を照射することで、機能液を硬化させることができる。機能液の硬化率に影響を及ぼす要因は、走査速度、UVLED96の照射領域のY軸方向における幅、UVLED96の射出強度、などである。これらの要因について、適切な値に設定することで、着弾させられた機能液を適切な硬化率に硬化させることができる。
次に、液滴吐出装置1における紫外線照射の制御に関わる構成について、図4を参照して説明する。図4は、液滴吐出装置における紫外線照射の制御に関わる電気的構成と信号の流れを示す機能構成ブロック図である。
吐出制御部72は、液滴吐出ヘッド20と、電気的に接続されており、液滴吐出ヘッド20を制御して機能液を吐出させる。キャリッジ走査制御部73は、キャリッジ走査機構62の駆動モーター67と、電気的に接続されており、駆動モーター67を制御してキャリッジユニット22を移動させる。紫外線照射制御部74は、紫外線照射部95のUVLED96と、電気的に接続されており、UVLED96を制御して紫外線を射出させる。
エンコーダー68は、吐出制御部72及びキャリッジ走査制御部73に、電気的に接続されており、キャリッジユニット22の位置情報を送出する。電流計69は、駆動モーター67及び紫外線照射制御部74と、電気的に接続されており、駆動モーター67の駆動電流を計測して、計測結果を紫外線照射制御部74に送出する。
電流計69が、駆動出力検出手段、又は電流測定手段に相当する。
キャリッジ走査制御部73は、データ処理部71から、画像データをキャリッジユニット22の位置に展開したキャリッジ走査データを取得する。キャリッジ走査制御部73は、また、エンコーダー68からキャリッジユニット22の位置情報を取得する。キャリッジ走査制御部73は、キャリッジ走査データ及びキャリッジユニット22の位置情報に基づいて、駆動モーター67を制御してキャリッジユニット22を走査させる。すなわち、液滴吐出ヘッド20及びUVLED96を吐出走査方向であるY軸方向に走査させる。エンコーダー68は、走査させられたキャリッジユニット22の位置情報を、キャリッジ走査制御部73にフィードバックする。
紫外線照射制御部74は、紫外線照射データ及び駆動電流値に基づいて、UVLED96を制御して、紫外線照射データで規定された照射位置に向けて、紫外線を射出させる。紫外線照射制御部74が、硬化光射出制御手段に相当する。
次に、液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24の配列と、それぞれの吐出ノズル24から吐出された液滴の着弾位置と、の関係について、図5を参照して説明する。図5は、吐出ノズルと、それぞれの吐出ノズルから吐出された液滴の着弾位置と、の関係を示す説明図である。図5(a)は、吐出ノズルの配置位置を示す説明図であり、図5(b)は、液滴をノズル列の延在方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図5(c)は、液滴を吐出走査方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図5(d)は、液滴を面状に着弾させた状態を示す説明図である。図5に示したX軸方向及びY軸方向は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向又はY軸方向と一致している。Y軸方向が吐出走査方向であって、図5に示した矢印aの方向に吐出ノズル24(液滴吐出ヘッド20)を相対移動させながら、任意の位置において機能液の液滴を吐出することによって、Y軸方向の任意の位置に液滴を着弾させることができる。
次に、駆動モーター67の駆動電流値に基づいて、UVLED96を制御して紫外線を照射させる照射時間及び紫外線が照射されるUV光照射領域について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、駆動電流の時間変化を、キャリッジユニットの走査速度と関連させて示し、駆動電流に対応してUVLEDの点灯時点及び消灯時点を示す説明図である。図6(a)は、キャリッジユニットの走査速度の時間変化を示す説明図であり、図6(b)は、駆動電流の時間変化をキャリッジユニットの走査速度の時間変化に対応させて示すとともにUVLEDの点灯時点及び消灯時点を示す説明図である。図7は、ヘッド対向領域(着弾対象領域)と、照射部対向領域(UV光照射領域)との位置関係を、キャリッジユニットと対比して示す説明図である。図7(a)は、キャリッジユニットをX軸方向に平行な方向から見た側面形状、及びキャリッジユニットと被描画媒体との位置関係を示す説明図であり、図7(b)は、被描画媒体上のヘッド対向領域と、照射部対向領域との位置関係を示す説明図であり、図7(c)は、1回の吐出走査における着弾対象領域の始端及び終端と、UV光照射領域の始端及び終端との位置関係を示す説明図である。図7に示したX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向、Y軸方向、又はZ軸方向と一致している。
キャリッジユニット22が加速されている際の駆動電流の電流値は、時点T2で、照射境界値A1以上となる。紫外線照射制御部74は、時点T2において、UVLED96を点灯させる。キャリッジユニット22が減速されている際の電流値は、時点T5で、照射境界値A1未満となる。紫外線照射制御部74は、時点T5において、UVLED96を消灯させる。したがって、UVLED96は、駆動電流の電流値が、照射境界値A1未満から照射境界値A1以上となる時点で点灯され、照射境界値A1以上から照射境界値A1未満となる時点で消灯される。あるいは、UVLED96は、駆動電流の電流値が、照射境界値A1以上の場合に点灯状態にされる。照射境界値A1が、第一の出力値に相当する。
図7(b)に示すように、被描画媒体100におけるヘッドユニット21が対向する領域をヘッド対向領域120と表記し、紫外線照射部95が対向する領域を、照射部対向領域190と表記する。
ヘッド対向領域120は、媒体載置台31に支持された被描画媒体100における、ヘッドユニット21が備える9個の液滴吐出ヘッド20が対向する範囲を、長方形で表した領域である。ユニットノズル列240Aから吐出されて着弾した機能液は、X軸方向において、ヘッド対向領域120の幅の範囲に位置している。照射部対向領域190は、媒体載置台31に支持された被描画媒体100における、紫外線照射部95によって同時に紫外線を照射可能な領域である。
矢印c1の後側の紫外線照射部95は、時点T2から時点T5の期間に紫外線を射出して、照射領域始端291から照射領域終端292の間のUV光照射領域290に、紫外線を照射する。照射境界値A1が、キャリッジユニット22が定速走査速度VCで走査されている場合の駆動電流値よりわずかに小さい値に設定されているため、時点T5の方が時点T4より遅くなっている。これにより、照射領域終端292が、着弾領域終端222に対して、キャリッジユニット22の走査方向における下流側(前側)に位置している。このため、着弾対象領域220は、UV光照射領域290に包含されており、吐出走査において、着弾対象領域220に着弾した機能液に、紫外線が照射される。
UV光照射領域290には、着弾させられた機能液を適切な硬化率に硬化させることができる光量の紫外線が照射される。UV光照射領域290のY軸方向(吐出走査方向)の前後には、着弾させられた機能液を適切な硬化率に硬化させることができる光量には満たない光量の紫外線が照射される領域が存在する。
着弾対象領域220の全面に機能液の液滴を着弾させるためには、ヘッド対向領域120を最小着弾距離dの間隔で連ねて、それぞれのヘッド対向領域120において、ヘッドユニット21が有する全ての吐出ノズル24から吐出を実施させる。時点T3において吐出ノズル24からの吐出を開始させる場合、時点T3は、ヘッド対向領域120の走査方向における先端が、着弾領域始端221に一致した時点から、吐出ノズル24の最小吐出間隔(sec)の1/2が経過した時点である。時点T4において吐出ノズル24からの吐出を停止させる場合、時点T4は、ヘッド対向領域120の走査方向における後端が、着弾領域終端222に一致する時点である。
次に、紫外線を照射する領域が、上述したUV光照射領域290とは異なるUV光照射領域294となる、紫外線照射時間の例について、図8を参照して説明する。図8は、駆動電流の時間変化を、キャリッジユニットの走査速度と関連させて示し、駆動電流に対応してUVLEDの点灯時点及び消灯時点を示す説明図、及び1回の吐出走査における着弾対象領域の始端及び終端と、UV光照射領域の始端及び終端との位置関係を示す説明図である。図8(a)は、キャリッジユニットの走査速度の時間変化を示す説明図であり、図8(b)は、駆動電流の時間変化をキャリッジユニットの走査速度の時間変化に対応させて示すとともにUVLEDの点灯時点及び消灯時点を示す説明図であり、図8(c)は、1回の吐出走査における着弾対象領域の始端及び終端と、UV光照射領域の始端及び終端との位置関係を示す説明図である。図8(c)に示したX軸方向、及びY軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向、又はY軸方向と一致している。
図8(b)に示したように、キャリッジユニット22が加速されている際の駆動電流の電流値は、時点T2で、照射境界値A1以上となる。紫外線照射制御部74は、時点T2から、点灯遅延時間t1後の時点T21において、UVLED96を点灯させる。時点T21は、照射部対向領域190の走査方向における先端が、着弾領域始端221に略一致した時点である。紫外線照射制御部74がUVLED96を消灯させる時点は、上述した時点T5である。
図8(c)に示したように、時点T21において、UVLED96を点灯させることで、UV光照射領域294の照射領域始端295は、着弾対象領域220の着弾領域始端221に略一致している。紫外線照射部95は、時点T21から時点T5の期間に紫外線を射出して、照射領域始端295から照射領域終端292の間のUV光照射領域294に、紫外線を照射する。点灯遅延時間t1が、所定の遅延時間に相当する。
点灯遅延時間t1は、例えば、キャリッジユニット22におけるそれぞれの紫外線照射部95の位置や走査速度によって設定する。
また、それぞれの紫外線照射部95において、UV光照射領域294のようなUV光照射領域が、被描画媒体100における着弾対象領域220と略一致する時点でUVLED96を消灯するようにしてもよい。
次に、紫外線を照射する領域が、上述したUV光照射領域290及びUV光照射領域294とは異なるUV光照射領域296となる、紫外線照射時間の例について、図9を参照して説明する。図9は、駆動電流の時間変化を、キャリッジユニットの走査速度と関連させて示し、駆動電流に対応してUVLEDの点灯時点及び消灯時点を示す説明図、及び1回の吐出走査における着弾対象領域の始端及び終端と、UV光照射領域の始端及び終端との位置関係を示す説明図である。図9(a)は、キャリッジユニットの走査速度の時間変化を示す説明図であり、図9(b)は、駆動電流の時間変化をキャリッジユニットの走査速度の時間変化に対応させて示すとともにUVLEDの点灯時点及び消灯時点を示す説明図であり、図9(c)は、1回の吐出走査における着弾対象領域の始端及び終端と、UV光照射領域の始端及び終端との位置関係を示す説明図である。図9(c)に示したX軸方向、及びY軸方向は、キャリッジユニット22が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸方向、又はY軸方向と一致している。
図9(b)に示したように、キャリッジユニット22が加速されている際の駆動電流の電流値は、時点T2で、照射境界値A1以上となる。紫外線照射制御部74は、時点T2において、UVLED96を点灯させる。紫外線照射制御部74は、時点T2から、設定照射時間t2後の時点T51において、UVLED96を消灯させる。時点T51は、照射部対向領域190の走査方向における後端が、着弾領域終端222に略一致した時点である。
図9(c)に示したように、時点T51において、UVLED96を消灯させることで、UV光照射領域296の照射領域終端298は、着弾対象領域220の着弾領域終端222に略一致している。紫外線照射部95は、時点T2から時点T51の期間に紫外線を射出して、照射領域始端291から照射領域終端298の間のUV光照射領域296に、紫外線を照射する。
次に、キャリッジ走査機構62に不具合が発生した際の紫外線照射時間の例について、図10を参照して説明する。図10は、駆動電流の時間変化を、キャリッジユニットの走査速度と関連させて示し、駆動電流に対応してUVLEDの点灯時点及び消灯時点を示す説明図である。図10(a)は、キャリッジユニットの走査速度の時間変化を示す説明図であり、図10(b)は、駆動電流の時間変化をキャリッジユニットの走査速度の時間変化に対応させて示すとともにUVLEDの点灯時点及び消灯時点を示す説明図である。
図10(a)に示した例では、時点T71において、キャリッジ走査機構62に異常が発生して、キャリッジ走査機構62が停止している。キャリッジユニット22は、時点T73において、停止させられている。キャリッジ走査機構62の異常は、例えば、駆動プーリー67aや、従動プーリー67bや、ベルト62aなどが、異物によって強制的に止められる場合などであり、駆動モーター67は、出力軸が拘束されて停止させられる。
図10(b)に示したように、駆動モーター67の出力軸が拘束されて停止させられることによって、駆動モーター67に流れる駆動電流の電流値は、定速時電流値ACから、駆動モーター67の拘束電流に上昇する。
駆動モーター67が時点T71から時点T73にかけて停止される際の駆動電流の電流値は、時点T72において、停止境界値A2以上となる。紫外線照射制御部74は、時点T72において、UVLED96を消灯させる。停止境界値A2が、第二の出力値に相当する。
図10の時点T72以降のいずれかの時点において、駆動モーター67を停止する(駆動電圧を印加しない)ように制御してもよい。
(1)液滴吐出装置1は、駆動モーター67の駆動電流を計測して、計測結果を紫外線照射制御部74に送出する電流計69を備えている。紫外線照射制御部74は、電流計69によって測定された駆動モーター67の駆動電流値によって、UVLED96を制御して紫外線を射出させる。駆動モーター67の駆動電流値は、駆動モーター67にかかっている負荷などによって異なるため、駆動モーター67の駆動電流値によって、駆動モーター67の駆動状態を判別することができる。駆動モーター67の駆動電流値によって、UVLED96を制御して紫外線を射出させることで、駆動モーター67の駆動状態に関連付けられた適切な機会にUVLED96に紫外線を射出させて、適切な位置に紫外線を照射することができる。
駆動源の出力が駆動モーターの回転数である場合、第一の出力値は、相対走査手段が定速でヘッド保持手段と媒体保持手段とを相対移動させている場合の回転数より小さい正の数の回転数に設定する。第二の出力値は、相対走査手段が定速でヘッド保持手段と媒体保持手段とを相対移動させている場合の回転数より大きく、駆動モーターの無負荷の場合の回転数より小さい値に設定する。
相対移動が停止させられる場合は、相対走査手段が拘束された場合や、駆動モーターの回転の伝達経路が損なわれて駆動モーターの回転数が空回りしている場合などである。相対走査手段が拘束された場合は、駆動モーターの回転数が第一の出力値より小さくなることを検出することによって、硬化光射出手段を停止させることができる。駆動モーターの回転の伝達経路が損なわれた場合には、駆動モーターの回転数が第二の出力値を超えることを検出することによって、硬化光射出手段を停止させることができる。
Claims (1)
- 光硬化型の液状体を配置して描画する対象物である被描画媒体を保持する媒体保持手段と、
前記液状体を、前記媒体保持手段に保持された前記被描画媒体に向けて吐出する吐出ヘッドと、
前記液状体の硬化を促進する硬化光を前記媒体保持手段に保持された前記被描画媒体に向けて射出する硬化光射出手段と、
前記吐出ヘッドと、前記硬化光射出手段と、を保持するヘッド保持手段と、
前記被描画媒体と前記吐出ヘッドとを相対移動させるとともに、前記吐出ヘッドから前記液状体を吐出して前記被描画媒体に着弾させる吐出走査における前記吐出ヘッドと前記被描画媒体との相対移動方向である吐出走査方向に前記ヘッド保持手段と前記媒体保持手段とを相対移動させる相対走査手段と、
前記相対走査手段の駆動源の出力を検出する駆動出力検出手段と、
前記硬化光射出手段を制御して前記硬化光を射出させる硬化光射出制御手段と、を備え、
前記硬化光射出制御手段は、前記駆動出力検出手段の検出結果に基づいて、前記硬化光射出手段を制御し、前記硬化光射出手段を、前記硬化光を射出する射出状態、又は前記硬化光を射出しない射出停止状態にし、
前記硬化光射出制御手段は、前記駆動源の出力が第二の出力値以上になった場合に、前記硬化光射出手段を、前記射出状態から前記射出停止状態にし、
前記相対走査手段の駆動源が電動機であり、前記駆動出力検出手段は、電流測定手段であり、前記駆動源の出力は、前記電動機に供給される駆動電力の電流値であって、
前記第二の出力値は、前記電動機が拘束された状態の拘束電流より小さい電流値であって、前記吐出走査において前記ヘッド保持手段と前記被描画媒体との相対移動速度が所定の一定速度である場合に前記電動機に供給される駆動電力の電流値より大きい電流値である、
ことを特徴とするインクジェット描画装置。
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