JP5707744B2 - 印刷装置、及び印刷方法 - Google Patents

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本発明は、長尺フィルムなどの長尺の印刷対象物に、印刷対象物の長さ方向に当該印刷対象物を供給すると共に印刷を実施することで画像などを印刷する印刷装置、及び印刷方法に係わり、特に光硬化型の液状体を用いて印刷する印刷装置、及び印刷方法に関する。
このような印刷装置としては、供給リールに巻かれた長尺フィルムなどの長尺の印刷対象物を印刷実施位置に供給し、印刷実施位置に供給された部分に対して印刷用ヘッドを相対移動させながら印刷を実施し、印刷された部分を巻き取りリールに巻き取る印刷装置が知られている。しかし、印刷対象物が、例えば樹脂製の薄いフィルムである場合などには、印刷対象物が張力によって変形させられたり、張力に交差する方向に皺が形成されたりする場合があった。変形や皺が発生すると、印刷形状が不正確になったり、印刷の実施が困難になったりする場合があった。
特許文献1には、インクジェットヘッドを主走査方向及び副走査方向に走査させる走査機構と、インクジェットヘッドの走査範囲に対峙すると共に連続紙の送り経路上に配設され、印刷に供する連続紙をエアー吸引する吸着テーブルと、吸着テーブルに吸着させた状態で連続紙をその長さ方向に送る紙送り機構とを備え、吸着テーブルにおける吸引穴の位置を工夫することで、紙送りおよび印刷に支障を生ずることなく、連続紙の幅方向両端部の浮き上がりを適切に防止することができるインクジェットプリンタの紙送り装置およびこれを備えたインクジェットプリンタが開示されている。
しかしながら、連続紙を好適な状態に維持して印刷した場合、当該連続紙の好適な状態を維持している間に印刷が連続紙上で固定されることが必要である。特許文献1に開示された装置では、連続紙を吸着した状態によって実施された好適な印刷が連続紙上で硬化して固定される前に吸着を解除すると、硬化していないインクが変形することなどによって好適な印刷が損なわれる可能性があった。特許文献2には、被記録媒体上に像様に活性光線硬化型インクをインク液滴として吐出するインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドを主走査方向に移動させるヘッド移動機構と、活性光線を射出させる活性光源と、活性光源から射出された光を集光する集光部とを備え、被記録媒体上に吐出された活性光線硬化型インクを硬化させる活性光線を射出させる活性光線照射部と、活性光線照射部を主走査方向に移動させる照射部移動機構と、被記録媒体を主走査方向と略直交する副走査方向に搬送する搬送機構とを有し、集光部の射出口の副走査方向の長さを工夫することとで、高画質な画像を形成することができるインクジェット描画装置が開示されている。当該インクジェット描画装置では、インクジェットヘッドによる描画位置の直近で活性光線照射部による硬化が実施されるため、硬化していないインクが移動される際に変形することで画像の品質が損なわれる可能性を、小さくすることができる。
特開2003−118902号公報 特開2008−87221号公報
しかしながら、特許文献2に開示された開示されたインクジェット描画装置では、インクジェットヘッドによる描画が終了後、被記録媒体のインクが配置された部分を、インクジェットヘッドによる描画位置から活性光線照射部による硬化位置まで搬送する必要がある。当該搬送時には、描画位置における好適な固定状態が解除されることが必要である。好適な固定状態が解除されることにより、活性光線照射部によって硬化される前のインクが変形することなどによって好適な印刷が損なわれる可能性があるという課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる印刷装置は、連続媒体を順次供給する供給手段と、前記供給手段によって供給された前記連続媒体における被印刷領域を、前記連続媒体の被印刷面の反対側の裏面において吸着保持する保持手段と、前記保持手段を、前記連続媒体の前記保持手段に吸着保持された部分における前記連続媒体の長さ方向に略平行な副走査方向に走査させる副走査手段と、液状体を吐出する吐出手段と、前記吐出手段を、前記連続媒体の前記保持手段によって吸着保持された部分における前記連続媒体の面に略平行な方向であって、前記副走査方向と交差する主走査方向に走査させる主走査手段と、前記液状体を硬化させる硬化光を照射する硬化光源と、前記硬化光源を、前記主走査方向に略平行な光源走査方向に走査させる光源走査手段と、を備え、前記吐出手段は、前記主走査手段によって前記吐出手段を前記主走査方向に走査させ、前記副走査手段によって前記保持手段を前記副走査方向に走査させることによって、前記保持手段に吸着保持された前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて前記液状体を吐出可能となる位置に配設されており、前記硬化光源は、前記光源走査手段によって前記硬化光源を前記光源走査方向に走査させ、前記副走査手段によって前記保持手段を前記副走査方向に走査させることによって、前記保持手段に吸着保持された前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて前記硬化光を照射可能となる位置に配設されていることを特徴とする。
本適用例にかかる印刷装置によれば、保持手段によって、供給手段によって供給された連続媒体の被印刷領域を吸着保持し、保持手段に保持された被印刷領域の被印刷面に向けて吐出手段から液状体を吐出して、被印刷領域に液状体を配置することができる。吐出手段から液状体を吐出して、被印刷領域に液状体を配置することを印刷吐出と表記する。保持手段によって保持することで、印刷吐出に際して、被印刷領域を、保持手段の保持面に倣った、例えば平坦な状態のような好適な形状に維持することができる。保持手段を副走査方向に走査させる副走査手段を備えることにより、被印刷領域を保持した状態の保持手段を副走査手段によって副走査方向に走査させることができる。保持手段に保持された被印刷領域を副走査方向に走査させることで、被印刷領域における吐出手段によって印刷吐出可能な印刷吐出幅に印刷吐出された既印刷吐出部分を副走査方向に移動し、被印刷領域における未印刷吐出の部分を吐出手段が臨む位置に移動させることができる。すなわち、保持手段を副走査方向に走査させる副走査手段を備えることにより、いわゆる改行を実施することができる。これにより、被印刷領域を平坦な状態のような好適な形状に維持して、印刷吐出及び改行を実施することができる。
硬化光源は、光源走査手段によって硬化光源を光源走査方向に走査させ、副走査手段によって保持手段を副走査方向に走査させることによって、保持手段に吸着保持された被印刷領域の被印刷面に向けて硬化光を照射可能となる位置に配設されている。このため、被印刷領域を好適な形状に維持して印刷吐出されて配置された液状体を、被印刷領域の当該好適な形状を維持したまま、硬化光を照射して硬化させることができる。
[適用例2]上記適用例にかかる印刷装置は、前記吐出手段と前記硬化光源とが、前記副走査方向において、同時に前記保持手段の吸着保持面に対向可能な距離を隔てて配設されていることが好ましい。
この印刷装置によれば、吐出手段と硬化光源とが、同時に保持手段の吸着保持面に対向可能である。これにより、保持手段に保持された被印刷領域に向けての、吐出手段による液状体の吐出と、硬化光源による硬化光の照射と、を並行して実施することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる印刷装置は、前記被印刷領域への印刷吐出が、前記主走査手段によって前記吐出手段を前記主走査方向に走査させると共に、前記吐出手段から前記液状体を吐出させる印刷吐出走査と、前記副走査手段によって、前記被印刷領域を吸着保持した保持手段を前記副走査方向に走査させる改行と、を行うことによって実施し、前記吐出手段から吐出されて前記被印刷領域に配置された液状体の硬化は、前記光源走査手段によって前記硬化光源を前記光源走査方向に走査させると共に、前記硬化光源から前記硬化光を照射させる照射走査と、前記副走査手段によって、前記被印刷領域を吸着保持した保持手段を前記副走査方向に走査させる改行と、を行うことによって実施し、前記硬化光源は、前記照射走査において有効に硬化させることが可能な有効硬化領域が、前記光源走査方向の幅が前記被印刷領域の幅以上であり、前記副走査方向の幅が前記改行を実施する際の改行幅である領域であることが好ましい。
この印刷装置によれば、硬化光源は、照射走査において、光源走査方向の幅が被印刷領域の幅以上であり、副走査方向の幅が改行幅である有効硬化領域に、連続媒体の当該領域に位置する部分に配置された液状体を有効に硬化させることが可能な硬化光を照射する。印刷吐出は印刷吐出走査と改行とを交互に繰り返して実施するため、連続媒体の同一部分に対して複数回の印刷吐出走査を実施しない場合、1回の印刷吐出走査において液状体が配置される改行方向の幅は、改行幅である。したがって、1回の印刷吐出走査において印刷吐出されて配置された液状体の全体に、1回の照射走査の間に、硬化光を照射することができる。なお、有効に硬化させた状態は、予め定めた所定の硬化率以上に硬化させた状態である。
[適用例4]上記適用例にかかる印刷装置は、前記被印刷領域への印刷吐出が、前記主走査手段によって前記吐出手段を前記主走査方向に走査させると共に、前記吐出手段から前記液状体を吐出させる印刷吐出走査と、前記副走査手段によって、前記被印刷領域を吸着保持した保持手段を前記副走査方向に走査させる改行と、を行うことによって実施し、前記吐出手段から吐出されて前記被印刷領域に配置された液状体の硬化は、前記光源走査手段によって前記硬化光源を前記光源走査方向に走査させると共に、前記硬化光源から前記硬化光を照射させる照射走査と、前記副走査手段によって、前記被印刷領域を吸着保持した保持手段を前記副走査方向に走査させる改行と、を行うことによって実施し、前記硬化光源は、前記照射走査において有効に硬化させることが可能な有効硬化領域が、前記光源走査方向の幅が前記被印刷領域の幅以上であり、前記副走査方向の幅が前記改行を実施する際の改行幅の2倍以上の整数倍である領域であることが好ましい。
この印刷装置によれば、硬化光源は、照射走査において、光源走査方向の幅が被印刷領域の幅以上であり、副走査方向の幅が改行幅の2倍以上の整数倍である有効硬化領域に、連続媒体の当該領域に位置する部分に配置された液状体を有効に硬化させることが可能な硬化光を照射する。印刷吐出は印刷吐出走査と改行とを交互に繰り返して実施するため、連続媒体の同一部分に対して複数回の印刷吐出走査を実施しない場合、1回の印刷吐出走査において液状体が配置される改行方向の幅は、改行幅である。したがって、複数回の印刷吐出走査において印刷吐出されて配置された液状体の全体に、1回の照射走査の間に、硬化光を照射することができる。複数回の印刷吐出走査で配置した液状体を、1回の照射走査で硬化させることができる。または、例えば有効硬化領域の幅が改行幅の2倍であれば、連続媒体における1回の印刷吐出走査において液状体が配置された領域を有効硬化領域に位置させ、改行を1回実施して、再び有効硬化領域に位置させることができる。すなわち、1回の印刷吐出走査において液状体が配置された領域を、複数回の照射走査の間に、有効硬化領域に位置させて、硬化光を照射することができる。なお、有効に硬化させた状態は、予め定めた所定の硬化率以上に硬化させた状態である。1回の照射走査で硬化させる設定であれば、1回の照射走査で硬化させることができる領域が有効硬化領域であり、複数回の照射走査で硬化させる設定であれば、当該複数回の照射走査で硬化させることができる領域が有効硬化領域である。
[適用例5]上記適用例にかかる印刷装置は、前記被印刷領域への印刷吐出が、前記主走査手段によって前記吐出手段を前記主走査方向に走査させると共に、前記吐出手段から前記液状体を吐出させる印刷吐出走査と、前記副走査手段によって、前記被印刷領域を吸着保持した保持手段を前記副走査方向に走査させる改行と、を行うことによって実施し、前記吐出手段から吐出されて前記被印刷領域に配置された液状体の硬化は、前記光源走査手段によって前記硬化光源を前記光源走査方向に走査させると共に、前記硬化光源から前記硬化光を照射させる照射走査と、前記副走査手段によって、前記被印刷領域を吸着保持した保持手段を前記副走査方向に走査させる改行と、を行うことによって実施し、前記硬化光源は、前記照射走査において有効に硬化させることが可能な有効硬化領域が、前記光源走査方向の幅が前記被印刷領域の幅以上であり、前記副走査方向の幅が前記印刷吐出走査を実施する際に前記吐出手段が吐出した前記液状体が着弾する着弾領域の前記副走査方向における幅である領域であることが好ましい。
この印刷装置によれば、硬化光源は、照射走査において、光源走査方向の幅が被印刷領域の幅以上であり、副走査方向の幅が着弾領域の幅である有効硬化領域に、連続媒体の当該領域に位置する部分に配置された液状体を有効に硬化させることが可能な硬化光を照射する。これにより、1回の印刷吐出走査において印刷吐出されて配置された液状体の全体に、1回の印刷吐出走査の間に被印刷領域が停止している状態において、硬化光を照射することができる。なお、有効に硬化させた状態は、予め定めた所定の硬化率以上に硬化させた状態である。
[適用例6]上記適用例にかかる印刷装置は、前記印刷吐出走査を実施する際に前記吐出手段が吐出した前記液状体が着弾する着弾領域と、前記有効硬化領域とが、前記副走査方向において、前記改行幅の整数倍の距離を隔てて位置する位置に、前記吐出手段及び前記硬化光源が配設されていることが好ましい。
この印刷装置によれば、着弾領域と有効硬化領域とが、改行幅の整数倍の距離を隔てて位置するため、連続媒体における1回の印刷吐出走査において液状体が着弾した領域が改行されることによって移動した位置は、有効硬化領域に位置する。これにより、1回の印刷吐出走査において配置された液状体を1回の硬化光の照射で硬化させることができるため、液状体の配置から硬化までの時間を、被印刷領域の全体について略均一にすることができる。
[適用例7]本適用例にかかる印刷方法は、連続媒体における被印刷領域を、前記連続媒体の被印刷面の反対側の裏面において、保持手段によって吸着保持し、前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて液状体を吐出する吐出手段及び前記被印刷面に着弾した前記液状体に向けて硬化光を照射する硬化光源を用いて前記連続媒体に印刷する印刷方法であって、前記被印刷領域の前記裏面を前記保持手段によって吸着する吸着工程と、前記連続媒体の前記保持手段によって吸着保持された部分における前記連続媒体の長尺方向に略平行な副走査方向に、前記保持手段を移動させることによって前記被印刷領域を前記吐出手段に対して相対移動させる改行工程と、前記連続媒体の前記保持手段によって吸着保持された部分における前記連続媒体の面方向に略平行であって、前記副走査方向に交差する方向である主走査方向に前記吐出手段を走査させると共に、前記吐出手段から前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて前記液状体を吐出する印刷吐出走査工程と、を有する印刷吐出工程と、前記改行工程において前記副走査方向に前記保持手段を移動させることによって、又は前記改行工程と同様に前記副走査方向に前記保持手段を移動させることによって、前記被印刷領域を前記硬化光源に対して相対移動させる第二改行工程と、前記主走査方向と略平行な光源走査方向に前記硬化光源を走査させると共に、前記印刷吐出走査工程において前記保持手段によって吸着保持された部分に配置された前記液状体に、当該部分が前記保持手段によって吸着保持された状態を維持して、前記硬化光源から前記硬化光を照射する照射走査工程と、を有する硬化工程と、を有することを特徴とする。
本適用例にかかる印刷方法によれば、供給工程において供給された連続媒体の被印刷領域を吸着工程において保持手段によって吸着することで、被印刷領域を、保持手段の保持面に倣った、例えば平坦な状態のような好適な形状にすることができる。当該被印刷領域を、印刷領域セット工程において印刷位置に位置させることで、印刷工程に際して、被印刷領域を、保持手段の保持面に倣った、好適な形状にすることができる。
印刷工程の印刷吐出走査工程においては、被印刷領域は保持手段に保持されたままであり、好適な形状が維持される。印刷工程の改行工程では、保持手段を副走査方向に移動させることによって被印刷領域と吐出手段とを相対移動させる。このため、被印刷領域は保持手段に保持されたままであり、吸着工程において被印刷領域が保持手段に吸着保持された好適な形状の状態を維持して、改行を実施することができる。
硬化工程の照射走査工程においては、被印刷領域は保持手段に保持されたままであり、好適な形状が維持される。第二改行工程では、保持手段を副走査方向に移動させることによって被印刷領域と硬化光源とを相対移動させる。このため、被印刷領域は保持手段に保持されたままであり、吸着工程において被印刷領域が保持手段に吸着保持された好適な形状の状態を維持して、第二改行工程を実施することができる。
[適用例8]上記適用例にかかる印刷方法は、前記吐出手段と前記硬化光源とが、前記副走査方向において、同時に前記保持手段の吸着保持面に対向可能な距離を隔てて配設されており、前記印刷吐出工程は、前記照射走査工程と略並行して実施される前記印刷吐出走査工程を含むことが好ましい。
この印刷方法によれば、吐出手段と硬化光源とが、同時に保持手段の吸着保持面に対向可能であり、印刷吐出工程と照射走査工程とを略並行して実施することも可能である。印刷吐出工程と照射走査工程とを略並行して実施することで、印刷に要する時間を抑制することができる。印刷吐出工程の前後に実施する改行工程を実施することで、照射走査工程の前後に実施する第二改行工程を同時に実施することができる。
[適用例9]上記適用例にかかる印刷方法は、前記照射走査工程では、前記光源走査方向の幅が前記被印刷領域の幅以上であり、前記副走査方向の幅が前記改行工程及び第二改行工程における改行幅である領域に、前記硬化光を照射することが好ましい。
この印刷方法によれば、照射走査工程では、光源走査方向の幅が被印刷領域の幅以上であり、副走査方向の幅が改行幅である領域に、硬化光を照射する。
印刷吐出工程は、改行工程と印刷吐出走査工程とを交互に繰り返して実施するため、同一部分に対して複数回の印刷吐出走査工程を実施しない場合、1回の印刷吐出走査工程において液状体が配置される改行方向の幅は、改行幅である。すなわち、1回の印刷吐出走査工程において印刷吐出されて配置された液状体の全体に、1回の照射走査工程の間に硬化光を照射して当該液状体を硬化させることができる。なお、硬化光を照射する領域は、予め定めた所定の硬化率以上に硬化させることが可能な光量の硬化光を照射する領域である。
[適用例10]上記適用例にかかる印刷方法は、前記照射走査工程では、前記光源走査方向の幅が前記被印刷領域の幅以上であり、前記副走査方向の幅が前記改行工程及び第二改行工程における改行幅の2倍以上の整数倍の幅である領域に、前記硬化光を照射することが好ましい。
この印刷方法によれば、照射走査工程では、光源走査方向の幅が被印刷領域の幅以上であり、副走査方向の幅が改行幅の2倍以上の整数倍である領域に、硬化光を照射する。
印刷吐出工程は、改行工程と印刷吐出走査工程とを交互に繰り返して実施するため、同一部分に対して複数回の印刷吐出走査工程を実施しない場合、1回の印刷吐出走査工程において液状体が配置される改行方向の幅は、改行幅である。したがって、複数回の印刷吐出走査工程において印刷吐出されて配置された液状体の全体に、1回の照射走査工程において、硬化光を照射することができる。複数回の印刷吐出走査工程で配置した液状体を、1回の照射走査工程で硬化させることができる。
または、例えば硬化光を照射する幅が改行幅の2倍であれば、連続媒体における1回の印刷吐出走査において液状体が配置された領域を、硬化光を照射する領域に位置させ、改行を1回実施して、再び硬化光を照射する領域に位置させることができる。すなわち、1回の印刷吐出走査において液状体が配置された領域を、複数回の照射走査の間に、硬化光を照射する領域に位置させて、硬化光を照射することができる。なお、硬化光を照射する領域は、予め定めた所定の硬化率以上に硬化させることが可能な光量の硬化光を照射する領域である。1回の照射走査工程を実施して硬化させる設定であれば、1回の照射走査で硬化させることができる領域が硬化光を照射する領域であり、複数回の照射走査工程を実施して硬化させる設定であれば、当該複数回の照射走査工程で硬化させることができる領域が硬化光を照射する領域である。
[適用例11]上記適用例にかかる印刷方法は、前記照射走査工程では、前記光源走査方向の幅が前記被印刷領域の幅以上であり、前記副走査方向の幅が前記印刷吐出走査工程において吐出された前記液状体が着弾させられる着弾領域の幅である領域に、前記硬化光を照射することが好ましい。
この印刷方法によれば、照射走査工程では、光源走査方向の幅が被印刷領域の幅以上であり、副走査方向の幅が着弾領域の幅である領域に、硬化光を照射する。これにより、1回の印刷吐出走査工程において印刷吐出されて配置された液状体の全体に、1回の照射走査工程において、硬化光を照射することができる。なお、硬化光を照射する領域は、予め定めた所定の硬化率以上に硬化させることが可能な光量の硬化光を照射する領域である。
[適用例12]上記適用例にかかる印刷方法は、前記印刷吐出走査工程において前記吐出手段が吐出した前記液状体が着弾する着弾領域と、前記照射走査工程において前記硬化光が照射される有効硬化領域とが、前記副走査方向において、前記改行幅の整数倍の距離を隔てて位置する位置に、前記吐出手段及び前記硬化光源が配設されていることが好ましい。
この印刷方法によれば、着弾領域と有効硬化領域とが、改行幅の整数倍の距離を隔てて位置するため、1回の印刷吐出走査工程において液状体が着弾した領域が改行工程によって移動された位置は、有効硬化領域と一致する。これにより、1回の印刷吐出走査工程において配置された液状体を1回の照射走査工程において硬化光を照射することで硬化させることができる。このため、液状体の配置から硬化までの時間を、被印刷領域の全体について略均一にすることができる。
(a)は、印刷装置の概略構成を示す模式平面図。(b)は、印刷装置の概略構成を示す模式側面図。 (a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図。(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図。(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図。 ヘッドユニットの概略構成を示す平面図。 印刷工程を示すフローチャート。 印刷工程における、ヘッドユニット及び硬化ユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図。 印刷工程における、ヘッドユニット及び硬化ユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図。 印刷工程における、ヘッドユニット及び硬化ユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図。 (a)は、印刷装置の概略構成を示す模式平面図。(b)は、印刷装置の概略構成を示す模式側面図。
以下、印刷装置、及び印刷方法について、図面を参照して説明する。本実施形態は、連続媒体の一例である帯状のフィルムに、光硬化型の機能液を用いて画像を形成する工程で用いられる印刷装置及び印刷方法を例に説明する。
<液滴吐出法>
最初に、印刷装置において印刷用の機能液を吐出するために用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加して吐出ノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒーターにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。このうち、ピエゾ方式は、液状材料に熱を加えないため、材料の組成等に影響を与えないなどの利点を有する。本実施形態では、液状材料選択の自由度の高さ、及び液滴の制御性の良さの点から上記ピエゾ方式を用いる。
<印刷装置>
次に、連続媒体の一例であるフィルム10に印刷する印刷装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、印刷装置の概略構成を示す模式図である。図1(a)は、印刷装置の概略構成を示す模式平面図であり、図1(b)は、印刷装置の概略構成を示す模式側面図である。
図1に示すように、印刷装置1は、液滴吐出ヘッド20を有するヘッド機構部2と、供給排出機構部3と、機能液供給部(図示省略)と、メンテナンス装置部5と、硬化ユニット6と、を備えている。
ヘッド機構部2が備える液滴吐出ヘッド20は、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドであり、紫外線硬化性を有する機能液を液滴として、印刷対象物に向けて吐出する。供給排出機構部3は、液滴吐出ヘッド20から吐出された液滴を着弾させる印刷対象物であるフィルム10の被印刷領域101(図5(d)など参照)を印刷位置などに供給し当該位置から排出する。機能液供給部は、液滴吐出ヘッド20への機能液の供給を行う。メンテナンス装置部5は、液滴吐出ヘッド20の保守を行う。硬化ユニット6は、フィルム10に着弾させられた機能液に紫外線を照射して硬化させる。
印刷装置1は、また、これら各機構部等を総括的に制御する印刷装置制御部(図示省略)を備えている。液滴吐出ヘッド20が、吐出手段に相当する。機能液が液状体に相当する。
供給排出機構部3は、供給リール31と、巻取リール32と、吸着ユニット33と、アイドラローラー37と、アイドラローラー38と、Y軸走査機構42と、を備えている。
Y軸走査機構42は、Y軸ガイドレール42aとY軸スライダー42bと、をそれぞれ1対備えている。吸着ユニット33は、吸着テーブル33aと、テーブル台43と、テーブル昇降機構44と、供給ローラー34と、従動ローラー34aと、媒体送りローラー36と、従動ローラー36aと、を備えている。各リール、及び各ローラーは、それぞれ回動軸まわりに回動可能であり、それぞれの回動軸は互いに略平行である。
フィルム10が送られる方向は、互いに略平行である各リール、及び各ローラーの回動軸の軸方向に略直交する方向である。各リール、及び各ローラーの回動軸の軸方向に平行な方向をX軸方向と表記し、フィルム10における吸着テーブル33aの吸着面上に位置する部分の送り方向をY軸方向と表記する。
Y軸走査機構42のY軸ガイドレール42aは、吸着テーブル33aを挟んでX軸方向の両側にそれぞれ1個ずつ配設されており、Y軸方向に延在している。Y軸スライダー42bは、Y軸駆動モーターを介して、Y軸ガイドレール42aに、Y軸方向に摺動自在であって、任意の位置に保持可能に支持されている。
2本のY軸ガイドレール42aのそれぞれに支持されたY軸スライダー42bには、吸着ユニット33のテーブル台43の一端がそれぞれ固定されている。両端がそれぞれY軸スライダー42bに固定されたテーブル台43は、Y軸スライダー42bに支持されて、2本のY軸ガイドレール42aの間に差渡されている。テーブル台43は、Y軸駆動モーターによって、Y軸ガイドレール42aに沿って、Y軸方向に摺動自在であって、Y軸方向における任意の位置に保持可能である。Y軸方向が、副走査方向に相当する。Y軸走査機構42が、副走査手段に相当する。
吸着ユニット33の吸着テーブル33aは、テーブル台43に固定されたテーブル昇降機構44に固定されている。テーブル昇降機構44は、吸着テーブル33aを、テーブル台43に対して、X軸方向及びY軸方向と直交する方向であるZ軸方向に昇降可能である。テーブル昇降機構44は、吸着テーブル33aの吸着面の位置がZ軸方向の所定の位置である吸着位置、及び吸着位置よりテーブル台43に近い退避位置に保持可能に支持している。吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面のZ軸方向における所定の位置は、後述する供給ローラー34の外周及び媒体送りローラー36の外周に接する面の位置に略一致する位置である。
供給ローラー34及び従動ローラー34aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、図示省略した支持部材を介してテーブル台43に固定されている。供給ローラー34及び従動ローラー34aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、Y軸方向において吸着テーブル33aを挟んで両側に配設されている。フィルム10は、供給リール31から繰り出され巻取リール32の方に移動させられて巻き取られる。供給ローラー34及び従動ローラー34aは、フィルム10の移動方向における吸着テーブル33aの上流側に配設されており、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aは、吸着テーブル33aの下流側に配設されている。
テーブル台43は、Y軸走査機構42によってY軸方向に摺動自在であって、Y軸方向における任意の位置に保持可能に支持されている。これにより、吸着テーブル33aと、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、Y軸走査機構42によってY軸方向に摺動自在であって、Y軸方向における任意の位置に保持可能である。
供給排出機構部3が備える供給リール31と、アイドラローラー37と、吸着ユニット33と、アイドラローラー38と、巻取リール32とは、この順で配置されている。吸着ユニット33において、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、吸着テーブル33aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、この順で配置されている。したがって、供給排出機構部3において、供給リール31と、アイドラローラー37と、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、吸着テーブル33aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと、アイドラローラー38と、巻取リール32とは、Y軸方向に、この順で配置されている。
供給リール31には、帯状のフィルム10が巻かれており、供給リールモーターによって供給リール31が回動させられることによって、フィルム10が繰り出される。
従動ローラー34aは、外周が供給ローラー34の外周に接しており、図示省略した付勢装置によって、供給ローラー34に押し付けられている。供給ローラー34は供給モーターによって回動させられ、供給ローラー34に当接している従動ローラー34aは、供給ローラー34に従って回動する。供給リール31から供給されたフィルム10は、供給ローラー34と従動ローラー34aとの間に挟まれて、従動ローラー34aによって供給ローラー34に押し付けられており、供給ローラー34の回動による外周の回動長さに略同等の長さが供給される。
アイドラローラー37は、回動軸が軸方向に交差する方向に揺動可能であり、揺動方向の一方に付勢されている。アイドラローラー37は、フィルム10における、供給リール31と、供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分に、当該付勢力によって、当接している。アイドラローラー37が付勢された状態で当接することで、供給リール31とアイドラローラー37との間、及びアイドラローラー37と供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分が、略弛みなく張られている。これにより、フィルム10は、供給ローラー34と従動ローラー34aとの間に供給されて挟まれる際の状態が略平坦に維持され易くなっている。また、供給ローラー34におけるフィルム10の供給速度と、供給リール31におけるフィルム10の繰り出し速度との差によって、供給リール31と供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分の弛み量が変動する。しかし、弛み量の変動に追従してアイドラローラー37の位置が変わることで、略弛みなく張られた状態が維持される。吸着ユニット33の移動による供給リール31と供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分の弛み量の変動についても、同様にして、略弛みなく張られた状態が維持される。
従動ローラー36aは、外周が媒体送りローラー36の外周に接しており、付勢装置によって、媒体送りローラー36に押し付けられている。媒体送りローラー36は媒体送りモーターによって回動させられ、媒体送りローラー36に当接している従動ローラー36aは、媒体送りローラー36に従って回動する。供給ローラー34の回動によって供給されたフィルム10は、媒体送りローラー36と従動ローラー36aとの間に挟まれて、従動ローラー36aによって媒体送りローラー36に押し付けられており、媒体送りローラー36の回動による外周の回動長さに略同等の長さが送られる。
媒体送りローラー36による送り量は、供給ローラー34による送り量より多く設定されている。媒体送りモーターから媒体送りローラー36への動力伝達機構にはトルク制御機構が組み込まれている。媒体送りローラー36において供給ローラー34より早く送ることができるフィルム10は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間の部分が、トルク制御機構によって制御されたトルクに応じた張力で張られる。
当該張られた部分には、吸着テーブル33aの吸着面が臨んでいる。上述した吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面の位置は、媒体送りローラー36の外周及び供給ローラー34の外周に接する面の位置に略一致している。吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10に略接している。
吸着テーブル33aは、吸着面にフィルム10を吸着する。吸着面は平坦な面であり、フィルム10における吸着面に吸着された部分は平坦な状態に維持される。吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10に略接している。このため、フィルム10が吸着テーブル33aに吸着されることによって、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10の形状が変形させられる可能性は非常に小さい。すなわち、フィルム10の形状が変形させられるような力がフィルム10に加えられたり、フィルム10の形状が変形させられることによってフィルム10に内部応力が発生したりする可能性はほとんどない程度に小さい。
吸着方法としては、大気吸引装置を設けて負圧によって吸着する方法や、帯電及び除電装置を設けて静電気によって吸着する方法などを用いることができる。
巻取リール32は、巻取モーターによって回動させられる。媒体送りローラー36から送り出されたフィルム10は、回動する巻取リール32に巻き取られる。
アイドラローラー38は、回動軸が軸方向に交差する方向に揺動可能であり、揺動方向の一方に付勢されている。フィルム10における、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと、巻取リール32との間の部分に、アイドラローラー38が付勢された状態で当接している。これにより、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとアイドラローラー38との間、及びアイドラローラー38と巻取リール32との間の部分が、略弛みなく張られている。これにより、フィルム10は、巻取リール32に巻き取られる際の状態が略平坦に維持され易くなっている。また、媒体送りローラー36におけるフィルム10の送り速度と、巻取リール32におけるフィルム10の巻取り速度との差によって、媒体送りローラー36と巻取リール32との間の部分の弛み量が変動する。しかし、弛み量の変動に追従してアイドラローラー38の位置が変わることで、略弛みなく張られた状態が維持される。吸着ユニット33の移動による媒体送りローラー36と巻取リール32との間の部分の弛み量の変動についても、同様にして、略弛みなく張られた状態が維持される。
このような状態で、フィルム10は、供給リール31から巻取リール32まで送られ、途中の吸着テーブル33aに吸着された部分に印刷が実施される。フィルム10が送られる方向は、互いに略平行である各リール、及び各ローラーの回動軸の軸方向に略直交する方向である。上述したように、各リール、及び各ローラーの回動軸の軸方向に平行な方向がX軸方向と表記する方向であり、フィルム10における吸着テーブル33aに吸着された部分の送り方向がY軸方向と表記する方向である。
供給排出機構部3が、供給手段に相当する。フィルム10が、連続媒体に相当する。吸着テーブル33aが保持手段に相当する。フィルム10の吸着テーブル33aに吸着される面がフィルム10の裏面であり、裏面の反対側の面が印刷面である。
ヘッド機構部2は、ヘッドキャリッジ22と、X軸走査機構11とを備えている。ヘッド機構部2は、また、図示省略した表面硬化光源を備えている。
X軸走査機構11は、X軸ガイドレール11aとX軸スライダー11bと支持柱台11dとを、それぞれ1対備えており、さらにガイドレール支持柱11cを4本備えている。一対の支持柱台11d,11dは、X軸方向において吸着テーブル33aを挟んで両側にそれぞれ1個ずつ配設されており、上述した一対のY軸ガイドレール42a,42aを間に挟む位置に配設されている。一方のY軸ガイドレール42aと支持柱台11dとの間には、メンテナンス装置部5が配設されている。
2本のガイドレール支持柱11cが、1個の支持柱台11dの上に、支持柱台11dのY軸方向の両端において、それぞれ1本ずつ立設されている。1個のX軸ガイドレール11aは、支持柱台11dの供給リール31の側の端にそれぞれ立設されたガイドレール支持柱11cに差渡されて、吸着テーブル33aの上方で、X軸方向に延在している。もう1個のX軸ガイドレール11aは、支持柱台11dの巻取リール32の側の端にそれぞれ立設されたガイドレール支持柱11cに差渡されて、吸着テーブル33aの上方で、X軸方向に延在している。
X軸スライダー11bは、X軸駆動モーターを介して、X軸ガイドレール11aに、X軸方向に摺動自在であって、任意の位置に保持可能に支持されている。2本のX軸ガイドレール11aのそれぞれに支持されたX軸スライダー11bには、ヘッドキャリッジ22のブリッジプレート27の一端がそれぞれ固定されている。両端がそれぞれX軸スライダー11bに固定されたブリッジプレート27は、X軸スライダー11bに支持されて、2本のX軸ガイドレール11aの間に差渡されている。ブリッジプレート27は、X軸駆動モーターによって、X軸ガイドレール11aに沿って、X軸方向に摺動自在であって、X軸方向における任意の位置に保持可能である。
ヘッドキャリッジ22は、ブリッジプレート27と、サブキャリッジ28と、ヘッドユニット21とを備えている。サブキャリッジ28は、ブリッジプレート27の略中央に懸吊されている。ヘッドユニット21は、サブキャリッジ28の下に固定されている。ヘッドユニット21が備える液滴吐出ヘッド20は、吐出ノズル24(図2参照)が形成されたノズル基板25(図2参照)が吸着テーブル33aの吸着面が臨む状態で保持されている。
X軸走査機構11によってヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20をX軸方向に走査させ、吐出ノズル24を対向させることができる部分に、吐出ノズル24から吐出した機能液を着弾させることができる。当該領域を着弾領域と表記する。X軸方向が、主走査方向に相当する。X軸走査機構11が、主走査手段に相当する。
Y軸走査機構42によって吸着ユニット33をY軸方向に移動させることによって、吸着ユニット33の吸着テーブル33aを、Y軸方向に走査させることができる。すなわち、フィルム10における吸着テーブル33aに吸着保持された部分を、Y軸方向に走査させることができる。X軸走査機構11によってブリッジプレート27をX軸方向に移動させることによって、ブリッジプレート27に懸吊されたサブキャリッジ28に固定されたヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20を、X軸方向に走査させることができる。
X軸走査機構11によってヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20をX軸方向に走査させ、Y軸走査機構42によってフィルム10における吸着テーブル33aに吸着保持された部分をY軸方向に走査させる。これにより、フィルム10における吸着テーブル33aに吸着保持された部分の略全面に対して、液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24を臨ませることができる。
吸着テーブル33aに吸着保持されたフィルム10の印刷対象部分を、Y軸方向において着弾領域まで移動させて停止させ、ヘッドユニット21のX軸方向の移動に同調させて、印刷用の機能液を液滴として吐出させる。ヘッドユニット21をX軸方向に移動させる主走査と、吸着テーブル33aに吸着保持されたフィルム10をY軸方向に移動させる改行(副走査)とを制御することにより、吸着テーブル33aの吸着面に吸着されたフィルム10上の任意の位置にヘッドユニット21を対向させる。それと共に、ヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20から吐出した機能液の液滴を着弾させることで、所望する印刷などを行うことが可能である。フィルム10の全ての面を着弾領域に位置させるためには、改行幅は、着弾領域のY軸方向における幅以下であることが必要である。着弾領域に重複して位置する部分をなくして効率よく着弾領域に位置させるために、改行幅は、着弾領域のY軸方向における幅と等しく設定する。
表面硬化光源は、着弾した機能液の表面をわずかに硬化させることによって、硬化ユニット6によって硬化されるまで、機能液の形状がくずれることを抑制するためのものである。表面硬化光源は、X軸方向においてヘッドユニット21に並んでサブキャリッジ28に固定されている。表面硬化光源は、X軸方向において、ヘッドユニット21の両側に配設されている。ヘッドユニット21の両側に配設されている表面硬化光源における、ヘッドユニット21の主走査方向における後側の表面硬化光源から、ヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20からの機能液の吐出に対応して硬化光を照射する。これにより、ヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20から吐出されて着弾領域に着弾した機能液の表面を、着弾した直後に硬化させる。
硬化ユニット6は、UV(Ultraviolet)ランプ61と、ランプ筐体62と、光源走査機構64と、を備えている。
光源走査機構64は、光源軸ガイドレール64aと光源軸スライダー64bと一対のガイドレール支柱(図示省略)とを、備えている。一対のガイドレール支柱は、Y軸方向において、支持柱台11dに対してフィルム10の送り方向の下流側に、X軸方向において吸着テーブル33aを挟んで両側にそれぞれ1個ずつ配設されており、上述した一対のY軸ガイドレール42a,42aを間に挟む位置に立設されている。
光源軸ガイドレール64aは、吸着テーブル33aを挟んで両側にそれぞれ立設されたガイドレール支柱に差渡されて、吸着テーブル33aの上方で、X軸方向に略平行に延在している。光源軸ガイドレール64aの延在方向を光源走査方向と表記する。光源走査方向は、設計上はX軸方向と同一である。光源軸スライダー64bは、光源軸駆動モーター(図示省略)を介して、光源軸ガイドレール64aに、光源軸方向に摺動自在であって、任意の位置に保持可能に支持されている。
ランプ筐体62は、光源軸スライダー64bに、図示省略した昇降機構を介して懸吊されている。ランプ筐体62は、略直方体形状の外形を有し、内部に略直方体形状で一面が開口した筐体室が形成されている。筐体室は、吸着テーブル33aに臨んで開口している。筐体室には、紫外線を射出するUVランプ61が、開口側に紫外線を射出する状態で固定されている。光源軸スライダー64bに固定されたランプ筐体62が光源走査機構64によって光源走査方向に走査されることによって、ランプ筐体62の開口は、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲に臨むことが可能である。
UVランプ61は、Y軸走査機構42によってランプ筐体62の開口に臨む位置に移動させられた吸着テーブル33aに吸着されたフィルム10に、紫外線を照射することができる。ランプ筐体62の開口は、光源走査機構64によって光源走査方向に走査されることによって、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲に臨むことが可能であるため、UVランプ61は、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲に紫外線を照射することができる。UVランプ61としては、例えば、高輝度であることからメタルハライドランプを用いる。
硬化ユニット6が備えるUVランプ61、又はUVランプ61とランプ筐体62が、硬化光源に相当する。光源走査機構64が、光源走査手段に相当する。
硬化ユニット6が紫外線を照射して機能液を硬化させることができる有効硬化領域は、X軸方向の幅が、上述したように、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲である。Y軸方向の幅は、例えば、ユニットノズル列240A(図3参照)のY軸方向の長さを包含する範囲である。ユニットノズル列240AのY軸方向の長さを包含する範囲は、着弾領域のY軸方向における幅である。印刷装置1において、改行幅は、着弾領域のY軸方向における幅と等しく設定されており、硬化ユニット6の有効硬化領域のY軸方向の幅は、改行幅である。
紫外線硬化性の機能液は、照射された紫外線の量に応じて硬化される。照射された紫外線の量は、紫外線の強度を照射時間で積分したものである。有効硬化領域は、照射時間を定めたときに、機能液を充分に硬化させることが可能な強度の紫外線を照射可能な領域である。したがって、有効硬化領域は、紫外線光源及び硬化される機能液が同一であっても、設定する照射時間によって大きさが異なる領域である。
メタルハライドランプのようなランプは、紫外線を照射できる範囲の中央側が紫外線の強度が高く、周辺側が紫外線の強度が低くなる。有効硬化領域は、光源が紫外線を照射できる範囲における、紫外線の強度が一定の値を超える範囲である。硬化ユニット6における紫外線の強度が一定の値を超える範囲は、UVランプ61の取付位置のばらつきや、光源走査機構64によるUVランプ61の位置精度や、UVランプ61の特性のばらつきなどによって、例えば20%程度変化する範囲である。硬化ユニット6における有効硬化領域の大きさや位置は、これらのばらつきなどを考慮して、紫外線の強度が一定の値を超える範囲である。有効硬化領域の大きさや位置がばらつきなどを考慮したものであるため、光源走査機構64によるUVランプ61の位置精度は、X軸走査機構11によるヘッドユニット21の位置精度のような高い位置精度は必要としない。
照射される紫外線の強度が高い部分では機能液の硬化がより進行するが、硬化率が高くなると照射された紫外線に対する硬化の進行が小さくなって、次第に飽和する。このため、照射された紫外線の量が弊害を起こすほどに過多になる可能性は非常に小さい。有効硬化領域を外れた部分においても、当該部分に在る機能液には紫外線が照射されている可能性がある。当該部分の機能液が有効硬化領域に入ると、少なくとも有効硬化領域に入らない時点で照射された照射量は、硬化に必要な照射量に比べて多くなるが、当該部分においても、硬化の進行が飽和するため、照射された紫外線の量が弊害を起こすほどに過多になる可能性は非常に小さい。
一方、ヘッド機構部2が備える液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24(図2参照)に保持されている機能液や、ノズル基板25(図2参照)に付着した機能液などは、微小量であっても、紫外線が照射されて硬化されることは好ましくない。硬化ユニット6においては、UVランプ61をランプ筐体62の中に配設して、UVランプ61とヘッド機構部2との間を遮光している。また、ランプ筐体62の開口を吸着テーブル33a(フィルム10)に近接させて、ランプ筐体62とフィルム10との間から紫外線がもれることを抑制している。
上述した表面硬化光源は、例えば硬化光の射出方向を、ヘッドユニット21の反対側に傾けて、表面硬化光源からの硬化光がヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20に照射されることを抑制している。
硬化ユニット6の有効硬化領域は、X軸方向の幅が、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲であり、フィルム10は、X軸方向において有効硬化領域内に位置する。Y軸走査機構42によってフィルム10における吸着テーブル33aに吸着保持された部分をY軸方向に走査させることで、フィルム10における吸着テーブル33aに吸着保持された部分のいずれの部分も、有効硬化領域内に位置させることができる。
吸着テーブル33aに吸着保持されたフィルム10における、配置された機能液を硬化させる硬化対象部分を、Y軸方向において有効硬化領域まで移動させて停止させ、光源走査機構64によってUVランプ61を光源走査方向に走査させると共に、UVランプ61から紫外線を照射する。これにより、硬化対象部分に配置された機能液を硬化させることができる。UVランプ61を光源走査方向に移動させると共に紫外線を照射する照射走査と、吸着テーブル33aに吸着保持されたフィルム10をY軸方向に移動させる改行とを制御することにより、吸着テーブル33aの吸着面に吸着されたフィルム10上の任意の位置に紫外線を照射する。これにより、フィルム10上の任意の位置に配置された機能液を硬化させることができる。
<液滴吐出ヘッド>
次に、液滴吐出ヘッド20について、図2を参照して説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す図である。図2(a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図であり、図2(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図であり、図2(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図である。図2に示したX軸、Y軸、及びZ軸は、液滴吐出ヘッド20が印刷装置1に装着された状態において、図1に示したX軸、Y軸、及びZ軸と一致している。
図2(a)に示したように、液滴吐出ヘッド20は、ノズル基板25を備えている。ノズル基板25には、多数の吐出ノズル24が略一直線状に並んだノズル列24Aが2列形成されている。吐出ノズル24から機能液を液滴として吐出し、対向する位置にある印刷対象物などに着弾させることで、当該位置に機能液を配置する。ノズル列24Aは、液滴吐出ヘッド20が印刷装置1に装着された状態で、図1に示したY軸方向に延在している。ノズル列24Aにおいて吐出ノズル24は等間隔のノズルピッチで並んでおり、2列のノズル列24A間で、吐出ノズル24の位置がY軸方向に半ノズルピッチずれている。したがって、液滴吐出ヘッド20としては、Y軸方向に半ノズルピッチ間隔で機能液の液滴を配置することができる。
図2(b)及び(c)に示すように、液滴吐出ヘッド20は、ノズル基板25に圧力室プレート51が積層されており、圧力室プレート51に振動板52が積層されている。
圧力室プレート51には、液滴吐出ヘッド20に供給される機能液が常に充填される液たまり55が形成されている。液たまり55は、振動板52と、ノズル基板25と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。機能液は、振動板52の液供給孔53を経由して液たまり55に供給される。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズル基板25と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
圧力室58は吐出ノズル24のそれぞれに対応して設けられており、圧力室58の数と吐出ノズル24の数とは同じである。圧力室58には、2個のヘッド隔壁57の間に位置する供給口56を介して、液たまり55から機能液が供給される。ヘッド隔壁57と圧力室58と吐出ノズル24と供給口56との組は、液たまり55に沿って1列に並んでおり、1列に並んだ吐出ノズル24がノズル列24Aを形成している。図2(b)では図示省略したが、図示した吐出ノズル24を含むノズル列24Aに対して液たまり55に関して略対称位置に、1列に並んで配設された吐出ノズル24がもう1列のノズル列24Aを形成している。当該ノズル列24Aに対応するヘッド隔壁57と圧力室58と供給口56との組が、1列に並んでいる。
振動板52の圧力室58を構成する部分には、それぞれ圧電素子59の一端が固定されている。圧電素子59の他端は、固定板(図示省略)を介して液滴吐出ヘッド20全体を支持する基台(図示省略)に固定されている。
圧電素子59は電極層と圧電材料とを積層した活性部を有し、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図2(b)又は(c)における振動板52の厚さ方向)に縮む。活性部が縮むことで、圧電素子59の一端が固定された振動板52が圧力室58と反対側に引張られる力を受ける。振動板52が圧力室58と反対側に引張られることで、振動板52が圧力室58の反対側に撓む。これにより、圧力室58の容積が増加することから、機能液が液たまり55から供給口56を経て圧力室58に供給される。次に、電極層に印加されていた駆動電圧が解除されると、活性部が元の長さに戻ることで、圧電素子59が振動板52を押圧する。振動板52が押圧されることで、圧力室58側に戻る。これにより、圧力室58の容積が急激に元に戻る、すなわち増加していた容積が減少することから、圧力室58内に充填されていた機能液に圧力が加わり、当該圧力室58に連通して形成された吐出ノズル24から機能液が液滴となって吐出される。
<ヘッドユニット>
次に、ヘッド機構部2が備えるヘッドユニット21の概略構成について、図3を参照して説明する。図3は、ヘッドユニットの概略構成を示す平面図である。図3に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が印刷装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。
図3に示したように、ヘッドユニット21は、ユニットプレート23と、ユニットプレート23に搭載された9個の液滴吐出ヘッド20と、を有している。液滴吐出ヘッド20は、図示省略したヘッド保持部材を介してユニットプレート23に固定されている。固定された液滴吐出ヘッド20は、ヘッド本体がユニットプレート23に形成された孔(図示省略)に遊嵌して、ノズル基板25が、ユニットプレート23の面より突出した位置に位置している。図3は、ノズル基板25の側から見た図である。9個の液滴吐出ヘッド20は、Y軸方向に分かれて、それぞれ3個ずつの液滴吐出ヘッド20を有するヘッド組20Aを3群、形成している。それぞれの液滴吐出ヘッド20のノズル列24Aは、ヘッドユニット21が印刷装置1に取り付けられた状態において、Y軸方向に延在している。
一つのヘッド組20Aが有する3個の液滴吐出ヘッド20は、Y軸方向において、互いに隣り合う液滴吐出ヘッド20の、一方の液滴吐出ヘッド20の端の吐出ノズル24に対して、もう一方の液滴吐出ヘッド20の端の吐出ノズル24が半ノズルピッチずれて位置する位置に、配設されている。ヘッド組20Aが有する3個の液滴吐出ヘッド20において、全ての吐出ノズル24のX軸方向の位置を同じにすると、吐出ノズル24は、Y軸方向に半ノズルピッチの等間隔で並ぶ。すなわち、X軸方向の同じ位置において、それぞれの液滴吐出ヘッド20が有するそれぞれのノズル列24Aを構成する吐出ノズル24から吐出された液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線上に着弾する。一つのヘッド組20Aが備える3個の液滴吐出ヘッド20が有する6列のノズル列24Aは、1本のノズル列として扱うこともできる。当該ノズル列は、例えば180個の6倍、1080個の吐出ノズル24を有し、Y軸方向におけるノズルピッチは、70μmであり、Y軸方向の両端の吐出ノズル24の中心間距離(ノズル列長さ)は、約75.5mmである。液滴吐出ヘッド20は、Y軸方向において互いに重なるため、X軸方向に階段状に並んでヘッド組20Aを構成している。
ヘッドユニット21が有する3つのヘッド組20Aは、それぞれが有する1本のノズル列とみなせるノズル列が、Y軸方向において、ノズル列24Aの半ノズルピッチずれて位置する位置に、配設されている。言い換えると、それぞれのヘッドユニット21は、互いに隣り合うヘッド組20Aを構成する液滴吐出ヘッド20の、一方のヘッド組20Aにおける液滴吐出ヘッド20の端の吐出ノズル24に対して、もう一方のヘッド組20Aにおける液滴吐出ヘッド20の端の吐出ノズル24が、Y軸方向において、半ノズルピッチずれた位置に、配設されている。
一つのヘッドユニット21が備える3つのヘッド組20Aにおける9個の液滴吐出ヘッド20が有する18列のノズル列24Aは、1本のノズル列として扱うこともできる。当該ノズル列を「ユニットノズル列240A」と表記する。ユニットノズル列240Aは、例えば180個の18倍、3240個の吐出ノズル24を有し、Y軸方向におけるノズルピッチは、70μmであり、Y軸方向の両端の吐出ノズル24の中心間距離(ノズル列長さ)は、約226.7mmである。即ち、一つのヘッドユニット21の吐出ノズル24から1滴ずつ吐出させて、X軸方向が同じ位置になるように着弾させると、3240個の点が70μmのピッチ間隔で連なる直線が形成される。
上述したように、X軸走査機構11によってヘッドユニット21をX軸方向に走査させることができる。すなわち、Y軸方向に延在するユニットノズル列240Aを、列の延在方向に略直交するX軸方向に走査させることができる。上述した着弾領域は、当該走査によってユニットノズル列240Aを対向させることができる領域であり、着弾領域のY軸方向における幅は、略ユニットノズル列240Aの長さである。より詳細には、着弾領域のY軸方向における幅を改行幅とする改行を実施することで、改行の前後でそれぞれ1本のユニットノズル列240Aによって着弾させられた領域の境界部分が、ユニットノズル列240Aにおける隣り合う吐出ノズル24の間の状態と略同等になる幅である。当該幅の長さは、ノズル列長さに1ノズルピッチを加えた長さである。
着弾領域に機能液を着弾させる印刷吐出と、着弾領域のY軸方向における幅を改行幅とする改行とを交互に実施することによって、フィルム10などの全面に印刷吐出を実施することができる。
上述した有効硬化領域は、X軸方向の幅が、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲であり、Y軸方向の幅が、ユニットノズル列240AのY軸方向の長さを包含する範囲であって、着弾領域のY軸方向における幅である。UVランプ61を光源走査方向に移動させると共に紫外線を照射する照射走査工程と、着弾領域のY軸方向における幅を改行幅とする改行とを交互に実施することによって、フィルム10などの全面に印刷吐出された機能液の硬化を実施することができる。
印刷装置1においては、Y軸方向における着弾領域と有効硬化領域との間の距離が改行幅である。フィルム10における着弾領域に位置して印刷吐出を実施された部分は、1回の改行が実施されると、着弾領域と有効硬化領域との間に位置し、次の改行が実施されると、有効硬化領域に位置して、照射走査工程を実施可能となる。被印刷領域101のY軸方向における幅は、改行幅の3倍以上であり、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101は、一部が着弾領域に在り、他の一部が有効硬化領域に在ることが可能である。当該状態では、印刷吐出走査の工程と照射走査工程とを並行して実施することができる。
<印刷工程>
次に、印刷装置1によってフィルム10に印刷する印刷工程について、図4、図5、図6、及び図7を参照して説明する。図4は、印刷工程を示すフローチャートである。図5、図6、及び図7は、印刷工程における、ヘッドユニット及び硬化ユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図である。図5、図6、及び図7に示したX軸、Y軸、及びZ軸は、図1に示したX軸、Y軸、及びZ軸と一致している。
図4のステップS21では、吸着テーブル33aの吸着面を、フィルム10の被印刷領域101に臨む位置に位置させる。吸着ユニット33(吸着テーブル33a)は、例えば図5(a)に示したように次に印刷を実施するフィルム10の被印刷領域101とはY軸方向において離れた位置に位置している。その吸着ユニット33(吸着テーブル33a)を、Y軸走査機構42によってY軸方向に移動させて、図5(b)に示したように、吸着テーブル33aの吸着面を、フィルム10の被印刷領域101に臨む位置に位置させる。
このとき、吸着ユニット33の移動に同期させて、供給ローラー34及び媒体送りローラー36を回動させることで、吸着ユニット33の移動方向と反対側に、吸着ユニット33に対してフィルム10を相対移動させる。供給ローラー34及び媒体送りローラー36は、Y軸走査機構42によって移動されながら、同じ速度で移動方向と反対側にフィルム10を送るため、供給ローラー34及び媒体送りローラー36がフィルム10を伝って移動している状態となる。これにより、移動速度の誤差を無視すると、吸着ユニット33はY軸方向に移動するが、フィルム10のY軸方向の位置は移動しない。また、フィルム10にはY軸方向の力は作用しない。
被印刷領域101は、フィルム10において、フィルム10が吸着テーブル33aに吸着された状態を解除することなく印刷を実施することが可能な範囲の領域である。
次に、図4のステップS22では、吸着テーブル33aによって、フィルム10を吸着する。フィルム10における吸着テーブル33aと重なる部分の略全面が、吸着テーブル33aに吸着される。図5(b)に示すように、吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置にはフィルム10の被印刷領域101が位置しており、当該被印刷領域101が吸着面に倣う状態で吸着される。
次に、図4のステップS23では、Y軸走査機構42によって、吸着テーブル33aをY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101を印刷開始位置に移動させる。図5(c)及び図5(d)に示した被印刷領域101は、印刷開始位置に位置している。
印刷開始位置は、ヘッドユニット21に対する被印刷領域101のY軸方向の位置が、ヘッドユニット21をX軸方向に走査させると共に液滴吐出ヘッド20から機能液を吐出させる印刷吐出走査を開始できる位置である。図5(c)及び図5(d)に示した印刷開始位置は、例えば、被印刷領域101に、フィルム10の送り方向における最も下流側(巻取リール32側)から順次印刷吐出走査を実施して印刷する場合における印刷開始位置である。
なお、ステップS21の吸着テーブル33aのY軸方向の移動に先立って、テーブル昇降機構44によって、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、退避位置に移動(降下)させてもよい。図5(a)に示した吸着テーブル33aは、退避位置に位置している。上述したように、退避位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10から離れている。吸着テーブル33aとフィルム10とが接触していない状態にすることで、吸着テーブル33aのY軸方向の移動の際に、吸着テーブル33aとフィルム10とが擦れることを抑制することができる。これにより、吸着テーブル33aとフィルム10とが擦れることでフィルム10に擦り傷が形成されたり、摩擦力による応力が作用したりすることを抑制することができる。移動後は、テーブル昇降機構44によって、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、吸着位置に移動(上昇)させる。図5(b)に示した吸着テーブル33aは、吸着位置に位置している。
次に、図4のステップS24では、印刷吐出走査を実施する。図5(d)に示したヘッドユニット21aの位置に位置したヘッドユニット21を、X軸走査機構11によってX軸方向(主走査方向)に走査させると共に、吐出ノズル24から印刷形状に対応した位置に向けて機能液の液滴を吐出することで、第一印刷行121に印刷する。第一印刷行121は、Y軸方向の幅がヘッドユニット21のユニットノズル列240Aによって印刷可能な幅であって、被印刷領域101における、フィルム10の進行方向の最も下流側に位置する領域である。第一印刷行121への印刷吐出走査を実施したヘッドユニット21は、図5(d)に示したヘッドユニット21bの位置に位置している。
次に、図4のステップS25では、改行を実施する。改行は、Y軸走査機構42によって、被印刷領域101を吸着した吸着テーブル33aをY軸方向に移動させることによって実施する。改行幅は、例えばユニットノズル列240Aによって印刷可能な幅である。当該改行幅の改行を実施することで、図6(e)に示したように、被印刷領域101は、第一印刷行121に隣接する第二印刷行122に、ヘッドユニット21のユニットノズル列240Aによって印刷可能な位置に位置している。
次に、図4のステップS26では、印刷吐出済み(印刷吐出走査を実施して機能液が既に配置された)行の位置が、硬化位置領域に位置しているか否かを判定する。硬化位置領域は、ランプ筐体62の開口に臨むことが可能な領域である。すなわち、光源走査機構64によってUVランプ61を走査させると共に、UVランプ61から紫外線を照射することで、射出された紫外線を照射することができる領域である。当該硬化位置領域が上述した有効硬化領域となるように、UVランプ61から射出する紫外線の強度及び走査速度を設定する。UVランプ61を走査させると共に、UVランプ61から紫外線を照射することが、上述した照射走査であり、当該工程が照射走査工程である。
印刷吐出済み行の位置が、硬化位置領域に位置していない(ステップS26でNO)場合には、ステップS24に戻り、ステップS24からステップS26を繰り返す。図6(e)は、印刷吐出済み行の位置が硬化位置領域に位置していなかった場合に、ステップS24を実施した状態である。ヘッドユニット21bの位置に在ったヘッドユニット21が印刷吐出走査を実施してヘッドユニット21cの位置に位置した状態を示している。
印刷吐出済み行の位置が、硬化位置領域に位置していた(ステップS26でYES)場合には、ステップS27に進む。
ステップS26の次に、図4のステップS27では、印刷吐出走査と照射走査とを並行して実施する。図6(f)は、印刷吐出済みの第一印刷行121の位置が硬化位置領域に位置していた場合に、ステップS27を実施した状態である。ヘッドユニット21の位置は、ヘッドユニット21cの位置に在ったヘッドユニット21が印刷吐出走査を実施してヘッドユニット21dの位置に位置した状態を示している。ランプ筐体62(UVランプ61)の位置は、ランプ筐体62aの位置に在ったランプ筐体62が照射走査を実施してランプ筐体62bの位置に位置した状態を示している。
当該印刷吐出走査によって、第三印刷行123に機能液が配置されている。並行して実施された照射走査によって、ステップS24の印刷吐出走査によって機能液を配置されている第一印刷行121における当該機能液が硬化されている。
硬化は、機能液のタック性がほとんどなくなるまで進行させることが好ましい。機能液のタック性がほとんどなくなるように硬化させるためには、硬化率(重合率)が95%以上に硬化させる。より好ましくは、硬化率(重合率)が98%以上に硬化させる。
並行して実施する印刷吐出走査と照射走査とにおいて、照射走査における走査速度は、例えば、印刷吐出走査における走査速度と同じ又はそれ以上に設定する。照射走査における走査速度を、印刷吐出走査における走査速度と同じ又はそれ以上にすることで、ステップS27では、印刷吐出走査を実施する時間より照射走査を実施する時間のほうが短くなる。
印刷吐出走査における走査速度は、液滴吐出ヘッド20における吐出間隔などと整合させることが必要であるなど、変更する場合には、多くの制約がある。照射走査における走査速度は、適切な有効硬化領域が得られるような、UVランプ61から射出する紫外線の強度が設定できれば早くすることが可能であり、印刷吐出走査における走査速度より自由度が高い。
次に、図4のステップS28では、改行を実施する。改行は、上述したステップS25で実施した改行と同様である。
次に、ステップS29では、現在印刷を実施している被印刷領域101への印刷吐出が完了したか否かを判定する。
被印刷領域101への印刷吐出が完了していなかった(ステップS29でNO)場合には、ステップS27に戻り、ステップS27からステップS29を繰り返す。
被印刷領域101への印刷吐出が完了していた(ステップS29でYES)場合には、ステップS30に進む。図6(g)は、ステップS27を実施して、すなわち、第四印刷行124に対する印刷吐出走査と、第二印刷行122に対する照射走査とを並行して実施した後、ステップS28の改行を実施した状態を示している。第四印刷行124に対する印刷吐出走査を実施済であり、被印刷領域101への印刷吐出が完了している。
ステップS29の次に、図4のステップS30では、照射走査を実施する。図6(g)に示した状態では、第三印刷行123が硬化位置領域に位置している。当該位置で、第三印刷行123に対して照射走査を実施して、第三印刷行123に配置されている機能液を硬化させる。
次に、ステップS31では、現在印刷を実施している被印刷領域101において、印刷吐出走査を実施して配置された機能液の硬化が完了したか否かを判定する。
被印刷領域101に配置された機能液の硬化が完了していなかった(ステップS31でNO)場合には、ステップS32に進む。ステップS32では、改行を実施する。改行は、上述したステップS25及びステップS28で実施した改行と同様である。ステップS32の次には、ステップS30に戻り、ステップS30及びステップS31を繰り返す。
被印刷領域101に配置された機能液の硬化が完了していた(ステップS31でYES)場合には、ステップS33に進む。図6(h)に示した状態では、第四印刷行124が硬化位置領域に位置している。当該位置で、第四印刷行124に対してステップS30の照射走査を実施して、第四印刷行124に配置されている機能液を硬化させることができる。第四印刷行124に配置されている機能液が硬化された状態が、被印刷領域101に配置された機能液の硬化が完了した状態である。
ステップS31の次に、図4のステップS33では、フィルム10の印刷対象領域への印刷が完了したか否かを判定する。フィルム10の印刷対象領域への印刷が完了していなかった(ステップS33でNO)場合には、ステップS21に戻り、ステップS21からステップS33を繰り返す。
ステップS21からステップS33を実施して1個所の被印刷領域101に対する印刷を完了した次もステップS21から各ステップを実施する。当該ステップS21では、Y軸走査機構42によって、吸着ユニット33をY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aの吸着面を、図7(i)に示した吸着テーブル33aのように、被印刷領域101aに臨む位置に移動させる。被印刷領域101aは、図6(h)に示した印刷が完了した被印刷領域101に隣接する被印刷領域101aであって、次に印刷を実施する対象の被印刷領域101としての被印刷領域101aである。
当該ステップS21の次に実施するステップS22では、吸着テーブル33aによって、フィルム10の被印刷領域101aを吸着する。
当該ステップS22の次に実施するステップS23では、図7(j)に示した被印刷領域101aのように、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101aを印刷開始位置に移動させる。
なお、ステップS33の次に実施するステップS21では、図7(k)に示すように、吸着テーブル33aのY軸方向の位置を固定した状態で、フィルム10をY軸方向に移動させて、被印刷領域101aを、吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置に移動させてもよい。
図4のステップS33において、フィルム10の印刷対象領域への印刷が完了していた(ステップS33でYES)場合には、印刷装置1によってフィルム10に印刷する印刷工程を終了する。
<印刷装置2>
次に、上述した印刷装置1と、一部の構成が異なる印刷装置110の構成について、図8を参照して説明する。図8は、印刷装置の概略構成を示す模式図である。図8(a)は、印刷装置の概略構成を示す模式平面図であり、図8(b)は、印刷装置の概略構成を示す模式側面図である。
図8に示すように、印刷装置110は、印刷装置1と同様の、液滴吐出ヘッド20を有するヘッド機構部2と、供給排出機構部3と、機能液供給部(図示省略)と、メンテナンス装置部5と、印刷装置制御部(図示省略)とを備えている。印刷装置110は、印刷装置1が備える硬化ユニット6とは異なる硬化ユニット106を備えている。
硬化ユニット106は、2個のUVランプ61と、ランプ筐体162と、光源走査機構164と、を備えている。光源走査機構164は、光源軸ガイドレール164aと光源軸スライダー164bと一対のガイドレール支柱(図示省略)とを、備えている。硬化ユニット106は、UVランプ61を2個備えることが、硬化ユニット6とは異なっている。
一対のガイドレール支柱は、Y軸方向において、支持柱台11dに対してフィルム10の送り方向の下流側に、X軸方向において吸着テーブル33aを挟んで両側にそれぞれ1個ずつ配設されており、一対のY軸ガイドレール42a,42aを間に挟む位置に立設されている。
光源軸ガイドレール164aは、吸着テーブル33aを挟んで両側にそれぞれ立設されたガイドレール支柱に差渡されて、吸着テーブル33aの上方で、X軸方向に略平行に延在している。光源軸ガイドレール164aの延在方向を光源走査方向と表記する。光源走査方向は、設計上はX軸方向と同一である。光源軸スライダー164bは、光源軸駆動モーター(図示省略)を介して、光源軸ガイドレール164aに、光源軸方向に摺動自在であって、任意の位置に保持可能に支持されている。
ランプ筐体162は、光源軸スライダー164bに、図示省略した昇降機構を介して懸吊されている。ランプ筐体162は、略直方体形状の外形を有し、内部に略直方体形状で一面が開口した筐体室が形成されている。筐体室は、吸着テーブル33aに臨んで開口している。筐体室には、紫外線を射出するUVランプ61が、開口側に紫外線を射出する状態で固定されている。2個のUVランプ61は、筐体室内で、Y軸方向に並んでいる。ランプ筐体162の筐体室の開口は、概ね、ランプ筐体62の筐体室の開口をY軸方向に2個並べた形状を有している。
光源軸スライダー164bに固定されたランプ筐体162が光源走査機構164によって光源走査方向に走査されることによって、ランプ筐体162の開口は、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲に臨むことが可能である。UVランプ61は、Y軸走査機構42によってランプ筐体162の開口に臨む位置に移動させられた吸着テーブル33aに吸着されたフィルム10に、紫外線を照射することができる。ランプ筐体162の開口は、光源走査機構164によって光源走査方向に走査されることによって、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲に臨むことが可能であるため、UVランプ61は、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲に紫外線を照射することができる。
硬化ユニット106が備える2個のUVランプ61、又は2個のUVランプ61とランプ筐体162が、硬化光源に相当する。光源走査機構164が、光源走査手段に相当する。
硬化ユニット106が紫外線を照射して機能液を硬化させることができる硬化位置領域は、X軸方向の幅が、上述したように、フィルム10のX軸方向の幅を包含する範囲である。Y軸方向の幅は、例えば、硬化ユニット6の2倍であって、ユニットノズル列240AのY軸方向の長さの2倍の範囲を包含する幅である。ユニットノズル列240AのY軸方向の長さの2倍の範囲を包含する幅は、着弾領域のY軸方向における幅の2倍の幅である。印刷装置110において、改行幅は、印刷装置1と同様に着弾領域のY軸方向における幅と等しく設定されており、硬化ユニット106の硬化位置領域のY軸方向の幅は、改行幅の略2倍である。上述した硬化ユニット6と同様に、当該硬化位置領域が上述した有効硬化領域となるように、UVランプ61から射出する紫外線の強度及び走査速度を設定する。
<印刷工程2>
印刷装置110を用いてフィルム10に印刷する印刷工程は、印刷装置1を用いてフィルム10に印刷する印刷工程と基本的に同様である。
照射走査においては、改行幅(着弾領域)の略2倍の幅に紫外線を照射する。UVランプ61から射出する紫外線の強度は、硬化ユニット6におけるUVランプ61から射出する紫外線の強度の略1/2に設定する。照射走査時の走査速度は、硬化ユニット6と同等である。
最初の照射走査では、片側のUVランプ61のみで第一印刷行121に、改行した次の照射走査では、第一印刷行121と第二印刷行122とに、さらに次の照射走査では、第二印刷行122と第三印刷行123とに、というように、改行幅(着弾領域)の略2倍の幅に紫外線を照射する。第一印刷行121などの印刷行はそれぞれ2回の照射走査において紫外線を照射される。当該印刷行に配置されている機能液は、UVランプ61から射出する紫外線の強度が、硬化ユニット6のUVランプ61の略1/2であるため、2回の照射走査によって、適切に硬化される。適切に硬化された状態は、上述したように、例えば、機能液のタック性がほとんどなくなるまで硬化させた状態である。機能液のタック性がほとんどなくなるように硬化させるためには、硬化率(重合率)が95%以上に硬化させる。より好ましくは、硬化率(重合率)が98%以上に硬化させる。
UVランプ61から射出する紫外線の強度が、硬化ユニット6のUVランプ61の略1/2であるため、UVランプ61の出力を小さくすることができる。これにより、UVランプ61として、出力の小さいUVランプを使用することができる。
また、例えば、UVランプ61から射出する紫外線の強度は、硬化ユニット6におけるUVランプ61から射出する紫外線の強度と同等に設定する。照射走査時の走査速度は、硬化ユニット6における走査速度の略2倍に設定する。
走査速度が2倍のため、1回の照射走査において紫外線を照射している時間が、硬化ユニット6において紫外線を照射している時間の約1/2になる。2回の照射走査によって、紫外線の照射時間は、硬化ユニット6と略同等となる。配置されている機能液は、2回の照射走査によって、硬化ユニット6と同等の量の紫外線を照射されることで、適切に硬化される。
照射走査における走査速度が2倍のため、照射走査に要する時間を略1/2に短縮することができる。
以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)印刷装置1、及び印刷装置110においては、Y軸走査機構42によって吸着テーブル33aをY軸方向に走査させて、吸着テーブル33aのY軸方向の全幅を着弾領域及び硬化ユニット6などの有効硬化領域(硬化位置領域)に位置させることができる。
これらの構成により、印刷装置1、又は印刷装置110を用いてフィルム10の被印刷領域101に印刷を実施する際には、被印刷領域101は、全面が吸着テーブル33aに吸着されている。吸着されている状態を維持して、印刷吐出及び配置された機能液の硬化を実施する。これにより、フィルム10の被印刷領域101を平坦に維持できるため、被印刷領域101に皺ができるなどの平坦な状態が維持されないことに起因して印刷形状精度や印刷位置精度などが損なわれることを、抑制することができる。
(2)印刷装置1、及び印刷装置110においては、Y軸走査機構42によって吸着テーブル33aをY軸方向に走査させて、吸着テーブル33aのY軸方向の全幅を、着弾領域及び硬化ユニット6などの有効硬化領域に位置させることができる。
これらの構成により、印刷装置1、又は印刷装置110を用いてフィルム10の被印刷領域101に印刷を実施する際には、被印刷領域101が吸着テーブル33aに吸着されている状態を維持して機能液の硬化が実施される。機能液が硬化する前に吸着が解除された場合、フィルム10を扱うための力をフィルム10に伝える印刷装置の構成部材などが硬化していない機能液に直接接触することで、硬化していない機能液が当該構成部材などに付着したりする可能性が高くなる。また、フィルム10が巻き取られるなどして巻き取られたフィルム10が重なって、硬化していない機能液を介して互いに付着したりする可能性が高くなる。これらの弊害を、吸着テーブル33aに吸着されている状態を維持して機能液の硬化が実施されることで、抑制することができる。
(3)フィルム10への印刷吐出及び印刷吐出されて配置された機能液の硬化は、吸着テーブル33aによって、被印刷領域101を吸着して実施する。改行は、Y軸走査機構42によって、被印刷領域101を吸着した吸着テーブル33aをY軸方向に移動させることによって実施する。これにより、改行に際しても被印刷領域101を吸着した状態が維持されるため、改行することに起因して被印刷領域101が変形することを抑制することができる。改行するための力は直接フィルム10に加えられることはないため、改行するための力によって被印刷領域101が変形することを実質的になくすることができる。
(4)印刷装置1において、有効硬化領域は、Y軸方向の幅が、着弾領域のY軸方向における幅である。これにより、同一の印刷吐出工程において配置(印刷)された機能液を、同一の照射走査工程において硬化させることができる。
(5)印刷装置1においては、着弾領域のY軸方向における幅と、有効硬化領域のY軸方向における幅と、着弾領域と有効硬化領域との間の距離と、が改行幅である。フィルム10における着弾領域に位置して印刷吐出を実施された部分は、1回の改行が実施されると、着弾領域と有効硬化領域との間に位置し、次の改行が実施されると、有効硬化領域に位置して、照射走査工程を実施可能となる。これにより、同一の印刷吐出工程において配置(印刷)された機能液を、同一の照射走査工程において硬化させることができると共に、印刷吐出工程と照射走査工程とを、少なくとも一部は、略並行して実施することができる。印刷吐出工程と照射走査工程とを略並行して実施することで、照射走査工程を別途実施する場合に比べて、必要となる硬化工程を実施する時間を抑制することができる。
(6)印刷装置1においては、照射走査における走査速度が、例えば、印刷吐出走査における走査速度と同じ又はそれ以上に設定されている。照射走査における走査速度を、印刷吐出走査における走査速度と同じ又はそれ以上にすることで、印刷装置1を用いた印刷工程におけるステップS27では、印刷吐出走査を実施する時間より照射走査を実施する時間のほうを短くすることができる。これにより、印刷吐出走査を実施している間に、照射走査を実施することができる。印刷吐出走査及び照射走査を略並行して実施する時間が印刷吐出走査に要する時間より長くなることを抑制することができる。
(7)印刷装置1においては、着弾領域と有効硬化領域との間の距離が改行幅である。着弾領域が有効硬化領域又は照射可能領域と改行幅を隔てて位置することで、有効硬化領域又は照射可能領域に照射される紫外線のもれ光が、着弾領域や着弾領域に対向する液滴吐出ヘッド20に照射されることを抑制することができる。
(8)被印刷領域101を印刷開始位置に移動させる際は、Y軸走査機構42によって、吸着テーブル33aをY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101を印刷開始位置に移動させる。被印刷領域101は吸着テーブル33aに吸着された状態が維持されるため、被印刷領域101を印刷開始位置に位置させるために移動させられることに起因して被印刷領域101が変形することを抑制することができる。移動させるための力は直接フィルム10に加えられることはない。このため、被印刷領域101を印刷開始位置に移動させるための力によって被印刷領域101が変形することを実質的になくすることができる。
(9)供給ローラー34及び媒体送りローラー36によってフィルム10をY軸方向に移動させて、被印刷領域101を吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置に位置させる前に、テーブル昇降機構44によって、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、退避位置に移動(降下)させることができる。これにより、フィルム10をY軸方向に移動させる際にフィルム10が吸着テーブル33aの吸着面と擦れることを実質的になくすることができる。擦れることによって、フィルム10が抗力を受けて変形したり、フィルム10に擦れ傷が発生したりすることを実質的になくすることができる。
(10)吸着テーブル33aによってフィルム10を吸着する際は、吸着テーブル33aの吸着面のZ軸方向における位置は、供給ローラー34の外周及び媒体送りローラー36の外周に接する面の位置に略一致する位置である。これにより、吸着テーブル33aによってフィルム10を吸着している状態でも吸着していない状態でも、フィルム10の位置は略一定である。このため、吸着テーブル33aによってフィルム10を吸着することによって、フィルム10に、フィルム10を変形させるような力を加えることを抑制することができる。
(11)Y軸走査機構42によって、吸着ユニット33をY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aの吸着面を、被印刷領域101に臨む位置に位置させる。被印刷領域101を移動させて吸着テーブル33aに臨ませる場合には、移動させるための力をフィルム10に加える必要がある。しかし、吸着ユニット33を移動させることで、当該力を直接フィルム10に加えることなく、被印刷領域101を吸着テーブル33aに臨ませることができる。
(12)Y軸走査機構42によって、吸着ユニット33をY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aの吸着面を、フィルム10の被印刷領域101に臨む位置に位置させる。このとき、吸着ユニット33の移動に同期させて、供給ローラー34及び媒体送りローラー36を回動させることで、吸着ユニット33の移動方向と反対側に、吸着ユニット33に対してフィルム10を相対移動させる。これにより、フィルム10のY軸方向の位置を移動させることなく吸着ユニット33をY軸方向に移動することができる。すなわち、フィルム10の印刷装置1に対する相対位置を略移動することなく、被印刷領域101を吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置に位置させることができる。
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
(変形例1)前記実施形態においては、改行幅は着弾領域のY軸方向における幅と等しく設定されていたが、改行幅が着弾領域の幅であることは必須ではない。改行幅を着弾領域の幅より小さくして、同一の被印刷部分を複数回数着弾領域に位置させて、同一の被印刷部分に対して複数回の印刷吐出を実施する構成であってもよい。改行幅を着弾領域の幅より大きくして、印刷を実施する必要のない部分は、着弾領域に位置させない構成であってもよい。
(変形例2)前記実施形態においては、印刷対象として、連続媒体としてのフィルム10に印刷する印刷装置及び印刷方法を例にして説明したが、印刷対象がフィルム10のような連続媒体であることは必須ではない。印刷対象は、一枚の印刷対象に、保持手段によって吸着保持される被印刷領域が1個所あるような媒体であってもよい。印刷装置は、当該媒体を保持手段に対して供給及び排出できる供給手段を備える装置であってもよい。
(変形例3)前記実施形態においては、着弾領域と有効硬化領域とが、Y軸方向において改行幅を隔てて位置していたが、着弾領域と有効硬化領域とが改行幅を隔てていることは必須ではない。有効硬化領域に照射される硬化光が着弾領域に臨んでいる吐出手段に及ぼす影響が有害にならない程度であれば、着弾領域と有効硬化領域との距離が改行幅より小さくてもよい。当該影響をより小さくするために、着弾領域と有効硬化領域との距離を改行幅より大きくしてもよい。
着弾領域と有効硬化領域との距離が改行幅より大きい場合、改行幅の整数倍であることが好ましい。着弾領域と有効硬化領域との距離を改行幅の整数倍にして、着弾領域の幅と有効硬化領域の幅とを等しくすることで、同一の印刷吐出工程において着弾領域に位置していた部分が、同一の照射走査工程において有効硬化領域に位置する。これにより、同一の印刷吐出工程において配置(印刷)された機能液を、同一の照射走査工程において硬化させることができる。それと共に、印刷吐出走査工程と照射走査工程との少なくとも一部を、略並行して実施することができる。
(変形例4)前記実施形態においては、印刷装置1はヘッドユニット21を1個備えていたが、印刷装置が備えるヘッドユニットが1個であることは必須ではない。印刷装置が備えるヘッドユニットは、いくつであってもよい。
(変形例5)前記実施形態においては、ヘッドユニット21は液滴吐出ヘッド20を9個備えていたが、ヘッドユニットが備える吐出ヘッドが9個であることは必須ではない。ヘッドユニットが備える吐出ヘッドは、いくつであってもよい。ヘッドユニットが備える吐出ヘッドは、複数であってもよいし、1個であってもよい。
(変形例6)前記実施形態においては、印刷装置1は、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aを備え、フィルム10における吸着テーブル33aに臨む部分を略平坦に維持していた。しかし、連続媒体における保持手段に臨む部分の状態を略平坦に維持するための張力ローラーが、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aのような装置であることは必須ではない。例えば、巻取リール32によって供給ローラー34との間にフィルム10における適切な長さを保持し、アイドラローラー38によって適切な張力をフィルム10の当該保持された部分に付与する構成であってもよい。
(変形例7)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド20は、多数の吐出ノズル24が略一直線状に並んだノズル列24Aを2列備えていたが、吐出ヘッドが備えるノズル列は何列であってもよい。また、液滴吐出ヘッド20が備える吐出ノズル24は、ノズル列24Aの延在方向において互いの位置がずれていたが、吐出ヘッドは、ノズル列の延在方向において、略同一位置に位置する吐出ノズルを複数備える構成であってもよい。
(変形例8)前記実施形態においては、印刷装置1の供給排出機構部3は、巻取リール32を備えており、印刷済みのフィルム10は巻取リール32に巻き取られていた。しかし、印刷装置が巻取リールを備えることも、連続媒体の印刷済みの部分を巻き取ることも、必須ではない。例えば、切断装置を設け、印刷済みの部分を所定の長さに切断する、印刷装置の構成、及び印刷方法であってもよい。あるいは、型抜き装置を設け、印刷済みの連続媒体から製品部分のみを型抜きし、製品以外の部分を切断したり巻き取ったりする、印刷装置の構成、及び印刷方法であってもよい。
(変形例9)前記実施形態においては、印刷装置1は、テーブル昇降機構44を備え、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、退避位置に移動(降下)させることが可能であった。しかし、印刷装置がテーブル昇降機構44のような離接移動手段を備えることは必須ではない。保持手段と連続媒体との供給方向への相対移動に際して、連続媒体への影響を抑制することが不要であれば、印刷装置は離接移動手段を備えなくてもよい。
(変形例10)前記実施形態においては、被印刷領域101を吸着テーブル33aによって吸着した状態でも、媒体送りローラー36と従動ローラー36aとの関係は、供給ローラー34及び媒体送りローラー36を回動させてフィルム10をY軸方向に移動させた際の状態を維持していた。すなわち、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間でフィルム10を張った状態を維持する力をフィルム10に加えていた。被印刷領域101が吸着テーブル33aによって吸着された状態では、被印刷領域101は平坦に維持されており、張力を加えて張ることは不要である。被印刷領域101を吸着テーブル33aによって吸着した後で、張力を解除又は小さくする工程を実施してもよい。張力を解除又は小さくすることで、当該張力に起因してフィルム10が変形する可能性を低減することができる。張力を解除又は小さくする工程は、例えば、従動ローラー36aの付勢装置を制御して、付勢装置による媒体送りローラー36に対する従動ローラー36aの押し付け力を制御することで実施する。
(変形例11)前記実施形態においては、機能液の種類については特に記載しなかったが、印刷装置においては、色が異なるなど種類の異なる機能液を吐出してもよい。色が異なる複数種類の機能液を吐出することでカラー印刷も可能である。機能液の種類は、複数のヘッドユニットを備えてヘッドユニットごとに異ならせてもよいし、ヘッド組ごとに異ならせてもよいし、液滴吐出ヘッドごとに異ならせてもよいし、ノズル列ごとに異ならせてもよい。吐出ノズルごとに機能液を個別に供給できる液滴吐出ヘッドを用いて、吐出ノズルごとに異なる機能液を吐出してもよい。なお、カラー印刷を実施する際には、同じ着弾位置に、複数の、例えば色が異なる機能液を着弾させることができる構成のヘッドユニット又は液滴吐出ヘッドを用いたり、走査方法を用いたりすることで、より微細な印刷が可能となる。
(変形例12)前記実施形態においては、被印刷領域101は、第一印刷行121乃至第四印刷行124に分割されて、4回の印刷吐出走査工程及び4回の照射走査工程を実施して印刷を実施していた。印刷吐出走査工程と照射走査工程とを並行して実施する回数を多くするためには、1個所の被印刷領域が、より多数回の印刷吐出走査工程及び照射走査工程を実施できる幅を有することが好ましい。
(変形例13)前記実施形態においては、被印刷領域101は、第一印刷行121乃至第四印刷行124の4個所の印刷行に等分に分割できる幅であり、ユニットノズル列240Aの全幅を使用した4回の印刷吐出走査工程を実施して印刷を実施していた。しかし、被印刷領域の幅が印刷行の幅の整数倍であることは必須ではない。被印刷領域の幅は、ユニットノズル列の全幅を使用しない印刷吐出走査工程を含む印刷工程を必要とする幅であってもよい。
(変形例14)前記実施形態においては、機能液は、紫外線を照射することによって硬化する紫外線硬化型の機能液であった。しかし、液状体が紫外線硬化型の液状体であり、硬化光が紫外線であることは必須ではない。液状体を硬化させる硬化光はどのような光であってもよい。
(変形例15)前記実施形態においては、硬化光源に相当するUVランプ61は例えばメタルハライドランプであった。しかし、硬化光源は、メタルハライドランプなどのランプに限らない。例えばUVLED(Ultraviolet Light Emitting Diode)などでであってもよい。UVLEDは、メタルハライドランプなどのランプにくらべて小型で軽量であり、UVLEDを用いることは、硬化光源を小型化や軽量化するために有効である。また、UVLEDは、ランプにくらべて、消費電力が少ない、寿命が長いなどの利点を有する。ランプは高出力が得やすいため、充分な光量を確保するために有利である。硬化光源は、ランプやLEDに限らず、充分な強度の硬化光を出力できれば、どのような光源であってもよい。
(変形例16)前記実施形態においては、硬化ユニット106の硬化位置領域(有効硬化領域)のY軸方向の幅は、改行幅(着弾領域)の略2倍であった。しかし、硬化光源における有効硬化領域の副走査方向の幅は、改行幅(着弾領域)の2倍に限らず2倍より大きくてもよい。硬化光源の有効硬化領域の副走査方向における幅が改行幅の2倍より大きい場合、改行幅の整数倍であることが好ましい。
硬化光源の有効硬化領域の副走査方向における幅を改行幅の2倍より大きくすることで、1回の印刷吐出走査において液状体が配置された領域を、複数回の照射走査の間に、有効硬化領域に位置させて、硬化光を照射することができる。有効硬化領域の副走査方向における幅を改行幅の整数倍にすることで、同一の印刷吐出工程において着弾領域に位置していた部分を、同一の照射走査工程において有効硬化領域に位置させることができる。
(変形例17)前記実施形態においては、硬化ユニット6は1個の硬化ユニット106は2個のUVランプ61を備えていたが、硬化光源は、1個や2個に限らず、多数の発光源を備える構成であってもよい。
多数の発光源で硬化光源を構成することで、個別の発光源の特性の変動が硬化光源の特性に影響を及ぼすことを抑制することができる。硬化光を同時に照射できる領域における照射光の強度の分布を均一にし易くすることができる。
(変形例18)前記実施形態においては、印刷対象として、連続媒体としてのフィルム10に印刷する印刷装置及び印刷方法を例にして説明したが、印刷対象がフィルム10のような連続媒体であることは必須ではない。印刷対象は、一枚の印刷対象に、保持手段によって吸着保持される被印刷領域が1個所ある、いわゆる単票紙のような媒体であってもよい。印刷装置は、当該媒体を保持手段に対して供給及び排出できる供給手段を備える装置であってもよい。
1…印刷装置、2…ヘッド機構部、3…供給排出機構部、6…硬化ユニット、10…フィルム、11…X軸走査機構、11a…X軸ガイドレール、11b…X軸スライダー、20…液滴吐出ヘッド、21…ヘッドユニット、24…吐出ノズル、24A…ノズル列、27…ブリッジプレート、31…供給リール、32…巻取リール、33…吸着ユニット、33a…吸着テーブル、34…供給ローラー、34a…従動ローラー、36…媒体送りローラー、36a…従動ローラー、37…アイドラローラー、38…アイドラローラー、42…Y軸走査機構、42a…Y軸ガイドレール、42b…Y軸スライダー、61…UVランプ、62…ランプ筐体、64…光源走査機構、64a…光源軸ガイドレール、64b…光源軸スライダー、101…被印刷領域、101a…被印刷領域、106…硬化ユニット、110…印刷装置、121…第一印刷行、122…第二印刷行、123…第三印刷行、124…第四印刷行、162…ランプ筐体、164…光源走査機構、164a…光源軸ガイドレール、164b…光源軸スライダー、240A…ユニットノズル列。

Claims (10)

  1. 連続媒体を順次供給する供給手段と、
    前記供給手段によって供給された前記連続媒体における被印刷領域を、前記連続媒体の被印刷面の反対側の裏面において吸着保持する保持手段と、
    前記保持手段を、前記連続媒体の前記保持手段に吸着保持された部分における前記連続媒体の長さ方向に略平行または平行な副走査方向に走査させる副走査手段と、
    液状体を吐出する吐出手段と、
    前記吐出手段を、前記連続媒体の前記保持手段によって吸着保持された部分における前記連続媒体の面に略平行または平行な方向であって、前記副走査方向と交差する主走査方向に走査させる主走査手段と、
    前記液状体を硬化させる硬化光を照射する硬化光源と、
    前記硬化光源を、前記主走査方向に略平行または平行な光源走査方向に走査させる光源走査手段と、を備え、
    前記吐出手段は、前記主走査手段によって前記吐出手段を前記主走査方向に走査させ、前記副走査手段によって前記保持手段を前記副走査方向に走査させることによって、前記保持手段に吸着保持された前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて前記液状体を吐出可能となる位置に配設されており、
    前記硬化光源は、前記光源走査手段によって前記硬化光源を前記光源走査方向に走査させ、前記副走査手段によって前記保持手段を前記副走査方向に走査させることによって、前記保持手段に吸着保持された前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて前記硬化光を照射可能となる位置に配設されていて、
    前記被印刷領域への印刷吐出は、前記主走査手段によって前記吐出手段を前記主走査方向に走査させると共に、前記吐出手段から前記液状体を吐出させる印刷吐出走査と、前記副走査手段によって、前記被印刷領域を吸着保持した保持手段を前記副走査方向に走査させる改行と、を行うことによって実施し、
    前記吐出手段から吐出されて前記被印刷領域に配置された液状体の硬化は、前記光源走査手段によって前記硬化光源を前記光源走査方向に走査させると共に、前記硬化光源から前記硬化光を照射させる照射走査と、前記副走査手段によって、前記被印刷領域を吸着保持した保持手段を前記副走査方向に走査させる改行と、を行うことによって実施し、
    前記硬化光源は、前記照射走査において有効に硬化させることが可能な有効硬化領域が、前記光源走査方向の幅が前記被印刷領域の幅以上であり、前記副走査方向の幅が前記改行を実施する際の改行幅の2倍以上であることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記吐出手段と前記硬化光源とは、前記副走査方向において、同時に前記保持手段の吸着保持面に対向可能な距離を隔てて配設されていることを特徴とする、請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記光源走査手段による走査速度は、前記主走査手段による走査速度と同じ又はそれ以上であり、前記硬化光源は、前記連続媒体における前記光源走査手段による走査の間に前記硬化光源が対向する部分に配置された前記液状体を硬化させることが可能な光量の前記硬化光を照射可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記光源走査手段による走査速度は、前記主走査手段による走査速度の少なくとも2倍以上であることを特徴とする、請求項に記載の印刷装置。
  5. 前記硬化光源及び前記副硬化光源は、前記液状体を硬化率が95%以上に硬化させる前記硬化光を照射することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の印刷装置。
  6. 連続媒体における被印刷領域を、前記連続媒体の被印刷面の反対側の裏面において、保持手段によって吸着保持し、前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて液状体を吐出する吐出手段及び前記被印刷面に着弾した前記液状体に向けて硬化光を照射する硬化光源を用いて前記連続媒体に印刷する印刷方法であって、
    前記被印刷領域の前記裏面を前記保持手段によって吸着する吸着工程と、
    前記連続媒体の前記保持手段によって吸着保持された部分における前記連続媒体の長尺方向に略平行または平行な副走査方向に、前記保持手段を移動させることによって前記被印刷領域を前記吐出手段に対して相対移動させる改行工程と、前記連続媒体の前記保持手段によって吸着保持された部分における前記連続媒体の面方向に略平行または平行であって、前記副走査方向に交差する方向である主走査方向に前記吐出手段を走査させると共に、前記吐出手段から前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて前記液状体を吐出する印刷吐出走査工程と、を有する印刷吐出工程と、
    前記改行工程において前記副走査方向に前記保持手段を移動させることによって、又は前記改行工程と同様に前記副走査方向に前記保持手段を移動させることによって、前記被印刷領域を前記硬化光源に対して相対移動させる第二改行工程と、前記主走査方向と略平行または平行な光源走査方向に前記硬化光源を走査させると共に、前記印刷吐出走査工程において前記保持手段によって吸着保持された部分に配置された前記液状体に、当該部分が前記保持手段によって吸着保持された状態を維持して、前記硬化光源から前記硬化光を照射する照射走査工程と、を有する硬化工程と、を有し、
    前記照射走査工程では、前記光源走査方向の幅が前記被印刷領域の幅以上であり、前記副走査方向の幅が前記改行工程及び第二改行工程における改行幅の2倍以上の領域に、前記硬化光を照射することを特徴とする印刷方法。
  7. 前記吐出手段と前記硬化光源とは、前記副走査方向において、同時に前記保持手段の吸着保持面に対向可能な距離を隔てて配設されており、前記印刷吐出工程は、前記照射走査工程と略並行して実施される前記印刷吐出走査工程を含むことを特徴とする、請求項に記載の印刷方法。
  8. 前記照射走査工程における走査速度は、前記印刷吐出走査工程における走査速度と同じ又はそれ以上であり、前記硬化光源は、前記連続媒体における前記照射走査工程の間に対向する部分に配置された前記液状体を硬化させることが可能な光量の前記硬化光を照射可能であることを特徴とする、請求項又はに記載の印刷方法。
  9. 前記照射走査工程と前記印刷吐出走査工程とを略並行して実施し、1回の前記印刷吐出走査工程の間に、複数回数の前記照射走査工程を実施し、前記硬化光源は、前記連続媒体における複数回数の前記照射走査工程の間に前記硬化光源が対向する部分に配置された前記液状体を硬化させることが可能な光量の前記硬化光を照射することを特徴とする、請求項に記載の印刷方法。
  10. 前記照射走査工程では、前記液状体を硬化率が95%以上に硬化させることを特徴とする、請求項乃至のいずれか1項に記載の印刷方法
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