JP5711806B2 - 包装用容器 - Google Patents

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Description

本発明は、惣菜などの調理食品を収納するのに適した包装用容器に関する。
デパートやスーパーマーケットなどにおいては、カット野菜やカットフルーツや惣菜類などの食品類を収納するプラスチック製の包装用容器が使用されており、当該包装用容器に収納されたこれらの食品類は、そのまま陳列棚に陳列されて販売されている。
この種の包装用容器は、一般に、底面部と、この底面部の外周から立ち上がる周壁と、この周壁の上端から外方へ延びるフランジとを備えてなる容器本体と、天面及びこの天面から下降する側壁と、この側壁の下端から外方へ延びるフランジとを備えてなる蓋体とから構成されており、容器本体と蓋体とが嵌合構造によって開閉自在となるように構成されている。
容器本体及び蓋体に形成されたフランジは、周壁などと連続して形成されることによって容器本体や蓋体の強度を高めうるものであるため、容器の薄肉化によるプラスチック材料の使用量低減に有効であり、また、閉蓋状態においては、容器本体と蓋体のフランジを互いに当接させ合うことによって容器の内外を遮断して密閉状態を高めうるものである。
このような容器として、特許文献1に記載の容器が知られている。
特開2008−254755号公報
しかしながら、特許文献1に記載の容器では、容易に開蓋することができない。
このような事情に鑑み、本発明は、内嵌合された蓋体を容易に開蓋することができる包装用容器を提供することを課題とする。
本発明に係る包装用容器は、合成樹脂シートから熱成形された平面視多角形状の容器本体及び蓋体を備え、容器本体は、蓋体を内嵌合させるための嵌合部と、該嵌合部の外側に形成された本体フランジ部とを備え、蓋体は、容器本体の嵌合部と内嵌合する嵌合部と、該嵌合部の外側に形成された蓋体フランジ部とを備えている包装用容器であって、本体フランジ部は、嵌合部の外側に設けられた上面部と該上面部の外周から垂下した垂下部とを備え、容器本体の少なくとも一つのコーナー部における本体フランジ部の上面部の外側部分には、外側に向けて上り勾配で傾斜する傾斜面部が形成され、蓋体フランジ部には、閉蓋状態において前記傾斜面部の上に重なるように当接することにより外側に向けて上り勾配で傾斜する摘み部が形成されていることを特徴とする。
該構成によると、蓋体が容器本体に内嵌合するので、シール性に優れており、水分の多い商品を収納しても容器外部への液漏れが発生しにくい。そして、容器本体の少なくとも一つのコーナー部における本体フランジ部の上面部の外側部分には、外側に向けて上り勾配で傾斜する傾斜面部が形成され、蓋体フランジ部には、閉蓋状態において前記傾斜面部の上に重なるように当接することにより外側に向けて上り勾配で傾斜する摘み部が形成されているので、開蓋する際に蓋体の摘み部を摘むことにより、内嵌合された蓋体を容易に開蓋することができる。
特に、前記摘み部には下方に突出するポッチが形成され、閉蓋状態においてポッチが前記傾斜面部に当接して摘み部が傾斜面部から浮き上がるように構成されていることが好ましい。
本発明の包装用容器は、内嵌合された蓋体を容易に開蓋することができる。
本発明の一実施形態に係る包装用容器を示す平面図である。 同実施形態に係る包装用容器を示す側面図である。 同実施形態に係る包装用容器を示す底面図である。 同実施形態に係る包装用容器の嵌合部付近を拡大した縦端面図である。
本発明の一実施形態に係る包装用容器について図面を参照しながら説明する。なお、以下の位置関係の表現のうち、「上下」とは、図2のように包装用容器を配置した状態における上下方向を指し、「内外」とは、包装用容器の商品が収納される部分を基準とし、包装用容器の周囲に向かう方向を外方向、逆の方向を内方向と定めたものである。
本実施形態の包装用容器(以下、単に「容器」と表記する)は、収納部を有しており、上方に開口部を有する容器本体1と、前記の開口部を開閉自在とした蓋体2とを備えたものである。
容器本体1は、図1〜図3に示すように、コーナー部を円弧状とした略正方形状の底面部11と、この底面部11の外周から上向きに立ち上がるように設けられた本体側壁部12と、この本体側壁部12の上端から外方へと延びるように設けられた本体フランジ部14とを一体に形成したものである。そして本実施形態では、本体側壁部12と本体フランジ部14との間に、閉蓋の際に用いる嵌合部13が設けられている。
この容器本体1は、合成樹脂シートから成形され、少なくとも成形後の状態で透明であるか表面に光沢を有するものとされている。より具体的には、合成樹脂シートをオーブンなどで加熱して成形可能な状態に軟化させたのち、真空圧空成形、両面真空成形やプラグアシスト成形などの熱成形によって容器本体1を成形する(後述の蓋体2についても同様)。
合成樹脂シートとしては、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどの樹脂、もしくはこれらを2種以上混合した樹脂などから製造したシートであって透明なものが好ましい。また、これらの合成樹脂シートを1軸延伸、もしくは2軸延伸した延伸シートを用いると、容器本体を軽量化できるので特に好ましい。
前記の合成樹脂シートとしては、片面または両面にポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、耐熱ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどからなる非発泡の樹脂フィルムを積層したものであっても良く、更に、これら非発泡の樹脂フィルムに各種の印刷により模様が施されていても良い。また、リサイクルした樹脂を中間層として、その両面にバージン樹脂を積層してサンドイッチした積層シートも使用できる。
前記成形可能な状態に軟化せしめられた合成樹脂シートは、そののち成形ゾーンに移送され、雌雄金型嵌合によって容器本体1の形状に成形される。なお、前記の雌雄金型嵌合の際、両面から真空成形する方法により、本体フランジ部14の凹凸部15,16(後述)をよりシャープに形成することができる。
図3に示すように、底面部11には、周囲に接地部111が設けられ、接地部111に囲まれるようにして底面中央部112が設けられている。接地部111における底面は略水平面とされており、デパートやスーパーマーケットなどでの陳列時には、陳列棚上面にこの接地部111が当接する。底面中央部112は、接地部111よりもわずかに上方に位置する水平面とされている。容器本体1に収納された商品はこの接地部111及び底面中央部112にて支持される。前記のように接地部111の底面は略水平面とされており、容器本体1には脚部のような突出した部分が設けられていないため、コンベアで容器本体1を搬送させる際にも引っ掛かりが生じにくく、商品収納作業を行うラインにおける容器の搬送をスムーズにできる。
図2及び図3に示すように、底面部11における四隅に位置する隅凹部113では、接地部111が切り欠かれたようになっている。隅凹部113における底面は接地部111よりもわずかに上方に位置しており、本実施形態では、前記の底面中央部112と略同じ高さとされている。この隅凹部113は略四角形状に切り欠かれており、切欠端面113aと当該切欠端面113aが底面視で略直角に屈曲した部分である角部113bとを備える。そして、この隅凹部113には、底面部11と本体側壁部12とにわたって設けられる本体側補強リブ17の先端部17aが位置している。
本体側壁部12は、図2に示すように、底面部11の外周から上向きに寸法が拡大するようにテーパ状に傾斜している。本体側壁部12におけるコーナー部には、底面部11から連続して本体側補強リブ17が設けられている。本体側補強リブ17は、図3に示すように、容器本体1の内方(つまり、商品が配置される空間の方向)に突出した突出部171と、突出部171の幅方向中央に位置し、突出部171よりも更に内方に突出した中リブ172とからなっている。このように突出部171と中リブ172とが二段で突出しているため、底面部11及び本体側壁部12におけるコーナー部を有効に補強することができる。この本体側補強リブ17は、底面部11に位置する先端部17aにおいて幅寸法が縮小されている。
前記のように隅凹部113と本体側補強リブ17とが形成されたことにより、容器を上下方向に積み重ねる際には、前記の角部113bと本体側補強リブ17の先端部17aとに対し、蓋体2の蓋体側補強リブ26が当接し、積み重ねた容器同士がずれることを防止できる。詳しくは蓋体側補強リブ26の説明と共に述べる(後述)。
嵌合部13は、図4に示すような形状とされており、本体フランジ部14の内周から垂下する嵌合面部131と、嵌合面部131の下端に連続した下方支持部132とが形成されている。本実施形態ではいわゆる「内嵌合」タイプの嵌合がなされる。つまり、本体フランジ部14よりも内側において蓋体2の嵌合部23と嵌合するものとされている。「内嵌合」タイプの嵌合はシール性に優れており、水分の多い商品を収納しても容器外部への液漏れが発生しにくいメリットがある。この嵌合部13につき、詳しくは蓋体2の嵌合部23の説明と共に述べる(後述)。
本体フランジ部14は、本体側壁部12の上端に嵌合部13を介して設けられた上面部141と、この上面部141の外周から垂下する垂下部142とを備えている。
ここで、本体フランジ部14(より詳しくは垂下部142)の外周縁側には、極細の多数の凹凸が形成され(図示しない)、補強されるとともに、指などがあたっても、指などを切ることがないようにされている。この凹凸は、側面側から拡大して見たときに波形状とされ、多数の山と谷の方向が各辺において幅方向に短く形成され、コーナー部においては当該コーナー部と中心部とを結ぶ方向(放射方向)に平行に形成されている。
そして、図1及び図3に示すように、本体フランジ部14の上面部141の内側部分141aには、閉蓋状態で蓋体2の蓋体フランジ部24が当接する。そのため、この内側部分141aの上面は平面とされている。そして、上面部141の外側部分141bのうち、容器本体1のコーナー部1aを除いた部分には、高低差を有する複数の平面151…151が集合した連続面15aを備えた凹凸部15が設けられている。また、垂下部142には、前記上面部141に設けられた凹凸部15に隣り合うように、容器の内外方向に出退する複数の平面161…161が集合した連続面16aを備えた凹凸部16が設けられている。
前記の各凹凸部15,16は、当該凹凸部15,16を構成する平面151,161が直線で区画されている。言い換えると、平面151,161の稜線が直線とされている。そして、連続面15a,16aは、隣り合う平面(151,151/161,161)の一方側と他方側とが異なる傾斜を有する、つまり、各平面151,161の上面部141または垂下部142に対する角度が異なるように形成されている。
上面部141に設けられた凹凸部15については、図1に示すように、この凹凸部15の連続面15aにおける一つ一つの平面151が、当該平面151に直交する方向から見て台形形状とされており、その台形形状の上底辺同士、下底辺同士を共有するようにして複数の平面151…151が連続して配置されている。平面151…151の平面視(容器に対する)にて連続する方向は、本体フランジ部14の上面部141の長手方向に沿うものとされている。そして連続面15aは、図2に示すように、傾斜方向が交互に切り替わるようにして、上り勾配(上傾斜)の平面151と下り勾配(下傾斜)の平面151とが連続するもので、側面視(容器に対する)ではV字が連続した「のこぎり状」とされている。
なお、本実施形態の凹凸部15は、一つ一つの平面151が同一の形状とされているが、異なる形状の平面151を配置しても良い。また、前記のような「のこぎり状」に限られず、例えば、上り勾配の平面151と下り勾配の平面151との間に、水平面である平面151を配置し、側面視(容器に対する)で台形が連続するようにされていても良い。また、水平面と垂直面とが交互に連続するようにされていても良い。なお、平面151の概念には、上面部141から高さ方向に突出していない状態の平面も含んでいる。
一方、垂下部142に設けられた凹凸部16については、図2に示すように、この凹凸部16の連続面16aにおける一つ一つの平面161が、当該平面161に直交する方向から見て三角形形状とされており、その三角形形状が四つ連なって構成された略菱形形状の単位が水平方向に連続して配置されている。つまり、前記略菱形形状の単位が連続する方向は、本体フランジ部14の垂下部142の長手方向に沿うものとされている。前記略菱形形状は、上側に位置する二つの三角形形状のそれぞれ上側辺が凹凸部15における平面151の辺と共有するものとされている。また、前記略菱形形状は、図4に示すように、中央において外方向に突出している(張り出している)。つまり、一つ一つの平面161(三角形形状)は、前記略菱形形状の中央に向かい外方向に傾くような勾配となっている。この連続面16aも、上面部141の連続面15aと同様、傾斜方向が交互に切り替わるようにして、外方へ向かう勾配(外傾斜)の平面161と内方へ向かう勾配(内傾斜)の平面161とが連続する。そして、前記略菱形形状の単位は容器本体1のコーナー部1aにも設けられるが、コーナー部1aの曲面に合わせて、上下寸法が異なる形状とされている。
なお、上面部141の凹凸部15と同様、本実施形態の凹凸部16についても、一つ一つの平面161が同一の形状とされているが、異なる形状の平面161を配置しても良い。また、平面161を連ねた形状は、前記のような略菱形形状に限られず、例えば、略菱形形状の中央に当たる位置に、垂下部142と平行な平面161を配置しても良い。なお、平面161の概念には、垂下部142から外方向に突出していない状態の平面も含んでいる。
前記のように上面部141と垂下部142とに設けられた凹凸部15,16により、美観面の効果が発揮される。つまり、容器本体1が、少なくとも成形後の状態で透明であるか表面に光沢を有するものであることから、各平面151…151,161…161にて容器外部からの光が反射する。上面部141の平面151…151は高低差を有して連続し、また、垂下部142の平面161…161は容器の内外方向に出退して連続しているため、前記光の反射は乱反射となり得る。
より詳しく述べると、平面151,161と顧客の目との位置関係により、ある傾斜を有する平面151,161に反射した光は顧客の目に入りやすく、他の傾斜を有する平面151,161に反射した光は顧客の目に入りにくくなる。そのため、顧客には、前者の平面151,161が強く光るように見え、後者の平面151,161が光らないか、あるいは、弱く光るように見える。前記反射光の強さは、顧客が容器本体1を見る角度、及び、平面151,161と外光との位置関係によって変わり得る。
前記により、顧客などが容器を上方から見た際に、フランジ部14が輝いて豪華に見える「フラッシュ効果」を発揮し得る。そのため、商品を収納して陳列された容器を非常に目立たせることができ、デパートやスーパーマーケットを訪れた顧客に強い印象を与えることができる。よって、顧客の購買意欲を促進させることができる。
そして、本実施形態では、上面部141と垂下部142の両方に凹凸部15,16が設けられているため、各々の凹凸部15,16による光の乱反射が複合し、前記「フラッシュ効果」がより一層大きくなることが期待できる。また、平面151,161が直線で区画されたことにより、光が反射した面の外縁がくっきりし、前記光の乱反射が強調され得る。
また、前記の「フラッシュ効果」により、容器本体1が豪華に見えるため、顧客が食卓にそのまま商品の収納された容器本体1を置いても良好に使用できる。
前記美観面に加え、凹凸部15,16により強度面の効果も発揮される。凹凸部15,16が設けられた本体フランジ部14は、凹凸部15,16の無いものに比べて、長手方向における曲げ強度が向上する。そのため、顧客が商品の収納された容器のコーナー部分などを片持ちした場合であっても、商品の荷重によって容器が大きく変形してしまうことを抑制できる。そして、前記のように強度が向上するため、従来よりも肉厚が小さい材料で従来と同等強度の容器を形成することができる。そのため、凹凸部15,16の形成により容器の軽量化及び製造コスト抑制に貢献できる。
なお、本実施形態では、上面部141の凹凸部15における平面151の形状が台形とされており、垂下部142の凹凸部16における平面161の形状が三角形とされているが、平面151,161とも、直線で区画された平面であれば種々の形状とすることができる。つまり、平面151,161を種々の多角形とすることができる。また、凹凸部15,16を構成する平面151,161は、全て同一形状とする必要はなく、異なる形状の平面であっても良い。
また、本実施形態の平面151,161は直線で区画されているが、曲線で区画されていても良い(例えば、円形、楕円形、長円形、樽形)。ただし、前記「フラッシュ効果」を発揮するためには、凹凸部15,16の全てが平面151,161で構成されずに曲面で構成されたような態様は好ましくないが、一方、凹凸部15,16のうち一部が平面151,161で構成され、他の一部が曲面で構成された態様であってもよい。
また、本実施形態では、凹凸部15,16を上面部141と垂下部142の両方に設けたが、垂下部142には凹凸部16を設けず、上面部141にのみ凹凸部15を設けた場合であっても、顧客などが容器を上方から見た際の「フラッシュ効果」が期待できる。
次に、図1及び図2に示すように、容器本体1のコーナー部1aに位置するフランジ部14、より具体的には上面部141の外側部分141bには傾斜面部18が設けられている。この傾斜面部18は、容器本体1の外方向(より詳しくは、容器本体1の平面視中央からコーナー部1aを通る仮想の直線に沿う外方向)に向けて上り勾配で傾斜する平面を有している。
図示のような閉蓋状態において、この傾斜面部18の上方には蓋体2の摘み部25が重なるように位置するが、傾斜面部18が前記のように傾斜する平面を有するため、摘み部25を容器本体1の外方向に向けて跳ね上げるようにできる。そのため、開蓋する際に摘み部25を容易に摘むことができる。
なお、本実施形態の傾斜面部18は、容器本体1のコーナー部1aの全て(4箇所)に設けられているが、前記のように開蓋する際に用いるためには、コーナー部1aの少なくとも一つに設けられていれば良い。
次に、蓋体2は、図1及び図2に示すように、コーナー部を円弧状にした略正方形状の天面部21と、この天面部21の外周から垂下するように設けられた蓋体側壁部22と、この下端から外方へと延びるように設けられた蓋体フランジ部24とを一体に形成したものである。そして本実施形態では、蓋体側壁部22と蓋体フランジ部24との間に、閉蓋の際に用いる嵌合部23が設けられている。
この蓋体2は、合成樹脂シートから成形され、少なくとも成形後の状態で透明とされている。本実施形態では、容器本体1と同一の合成樹脂シートが用いられている。成形方法は前記容器本体1に関して説明したものと同様である。
天面部21及び蓋体側壁部22は平面とされており、前記各部の間は曲面とされている。このように、天面部21及び蓋体側壁部22に、特許文献1に記載されたポッチのような、余計な凹凸や屈曲部が存在しないため視認性が良好となり、特に、容器を上方から見た際に、収納された商品がクリアーに見える。そのため、顧客の購買意欲を促進することが期待できる。
そして、天面部21及び蓋体側壁部22には凹凸が存在しないため、価格などを表示するラベル(サーマルシールなど)を貼付することも容易である。また、天面部21と蓋体側壁部22との間が曲面とされているため、天面部21が指などで押されて一時的に変形しても元の形状にもどりやすく、復元性に優れた蓋体2とできる。
また、蓋体側壁部22から天面部21にわたって蓋体側補強リブ26が設けられている。蓋体側補強リブ26は、前記の本体側補強リブ17と関連した形状とされており、蓋体2の外方に突出した突出部261と、突出部261の幅方向中央に位置し、突出部261より内方に突出した中リブ262とからなっている。本体側補強リブ17と同様、突出部261と中リブ262とで構成されているため、蓋体側壁部22及び天面部21におけるコーナー部を有効に補強できる。この蓋体側補強リブ26は、天面部21に位置する先端部26aにおいて幅寸法が縮小されている。
閉蓋状態の容器を上下方向に積み重ねる際には、蓋体側補強リブ26と容器本体1の本体側補強リブ17とが嵌まり合う。より具体的には、蓋体側補強リブ26の先端部26aと本体側補強リブ17の先端部17aとが上下方向に当接する。そして、蓋体側補強リブ26の先端部26aの突端26a1と、容器本体1における隅凹部113の角部113bとが略水平方向で当接する。このため、蓋体側補強リブ26は本体側補強リブ17と隅凹部113(より詳しくは切欠端面113a及び角部113b)とで位置決めされることになり、容器を上下方向に積み重ねてもずれにくいようにでき、容易に積み重ねた状態の陳列をすることができる。また、容器を傾斜した状態で陳列してもずれにくい。
嵌合部23は、図4に示すような形状とされており、蓋体フランジ部24の内周から垂下する嵌合面部231と、嵌合面部231の下端に連続し、内方へと略水平に延びる下方支持部232とが形成されている。
この嵌合部23は、閉蓋状態とする際に容器本体1における嵌合部13に嵌合されることで、容器本体1の開口部を閉鎖するものである。具体的には、図4に示すように、蓋体2における嵌合部23の外側面と、容器本体1における嵌合部13の内側面とが当接して閉蓋状態となる。この際、蓋体2における下方支持部232の下面の一部と、容器本体1における下方支持部132の上面も当接する。
図4に示すように、蓋体2における下方支持部232の幅寸法に比べて、容器本体1における下方支持部132の幅寸法は小さい。そのため、蓋体2と容器本体1との間に商品が存在していても、閉蓋する際に下方に移動する嵌合部23に商品が押され、蓋体2における下方支持部232と容器本体1における下方支持部132との間の空間に商品を追いやることができる。そのため、蓋体2と容器本体1との間に商品が噛み込み、商品価値を下げてしまうことを抑制できる。
蓋体フランジ部24は、蓋体側壁部22の下端に嵌合部23を介して設けられている。この蓋体フランジ部24の外周縁側には、極細の多数の凹凸が形成され(図示しない)、補強されるとともに、指などがあたっても、指などを切ることがないようにされている。この凹凸は、側面側から拡大して見たときに波形状とされ、多数の山と谷の方向が各辺において幅方向に短く形成され、コーナー部においては当該コーナー部と中心部とを結ぶ方向(放射方向)に平行に形成されている。
そして蓋体フランジ部24には、閉蓋状態で容器本体1の傾斜面部18に一致する位置に、開蓋状態とする際に摘むことのできる摘み部25が設けられている。この摘み部25は、図1に示すように、蓋体2の四隅が外方に延長された舌状の部分である。そして、図2に示すように、容器本体1の傾斜面部18の勾配に略一致するように、外方に向かって上方に跳ね上がった形状とされている。なお、前記外方への延長は、閉蓋状態で摘み部25が容器からはみ出し、隣り合う容器と干渉しない程度としておく必要がある。
この摘み部25には、下方に突出した半球形のポッチ251が設けられており、閉蓋状態では、このポッチ251が容器本体1の傾斜面部18に当接し、これにより、図2に示すように、摘み部25が傾斜面部18から浮き上がるようにできる。このように構成された摘み部25と、容器本体1の傾斜面部18とにより、摘み部25を摘んで開蓋することが容易にできる。
なお、本実施形態の傾斜面部18は、蓋体2の四隅全てに設けられているが、前記のように開蓋する際に用いるためには、少なくとも一隅に設けられていれば良い。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明に係る包装容器は、前記で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
例えば、容器本体1及び蓋体2の平面視における形状は四角形状に限定されず、円形、楕円形、三角形、五角形などの多角形であっても良い。
また、扁平な容器に限定されず、筒状など、水平方向寸法よりも上下方向寸法の方が大きな容器であっても良い。
1 容器本体
11 底面部
12 (本体)側壁部
14 (本体)フランジ部
141 上面部
142 垂下部
15 凹凸部(上面部)
16 凹凸部(垂下部)
18 傾斜面部
1a コーナー部
2 蓋体
21 天面部
22 (蓋体)側壁部
24 (蓋体)フランジ部
25 摘み部

Claims (2)

  1. 合成樹脂シートから熱成形された平面視多角形状の容器本体及び蓋体を備え、容器本体は、蓋体を内嵌合させるための嵌合部と、該嵌合部の外側に形成された本体フランジ部とを備え、蓋体は、容器本体の嵌合部と内嵌合する嵌合部と、該嵌合部の外側に形成された蓋体フランジ部とを備えている包装用容器であって、
    本体フランジ部は、嵌合部の外側に設けられた上面部と該上面部の外周から垂下した垂下部とを備え、
    容器本体の少なくとも一つのコーナー部における本体フランジ部の上面部の外側部分には、外側に向けて上り勾配で傾斜する傾斜面部が形成され、
    蓋体フランジ部には、閉蓋状態において前記傾斜面部の上に重なるように当接することにより外側に向けて上り勾配で傾斜する摘み部が形成されていることを特徴とする包装用容器。
  2. 前記摘み部には下方に突出するポッチが形成され、閉蓋状態においてポッチが前記傾斜面部に当接して摘み部が傾斜面部から浮き上がるように構成されている請求項1記載の包装用容器。
JP2013229608A 2013-11-05 2013-11-05 包装用容器 Active JP5711806B2 (ja)

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