本発明は、一般に、医療機器に関し、特に、自動的に患者の体内に薬剤を注射する薬剤送達装置に関する。
特定の物質、例えば、ピーナッツ、甲殻類、ハチ毒、ある種の薬剤、毒素、その他などへさらされると、ある個体ではアレルギー反応を引き起こすことがある。このようなアレルギー反応は、時に、アナフィラキシーショックにつながることがあり、アナフィラキシーショックは血圧の急激な低下、じんましん、および/または重度の気道狭窄を引き起こすことがある。したがって、すばやく対応してこのような暴露の作用を和らげることにより、傷害および/または死にいたることを防ぐことができる。例えば、ある状況において、エピネフリン(すなわちアドレナリン)の注射は、アレルギー反応からの実質的および/または完全な救済となる。別の状況において、例えば、毒素の解毒剤の注射は、暴露によって生じる可能性のあった被害を大きく低減または取り除くことができる。
救急医療施設は個体がアレルギー反応で苦しんでいるときに利用可能でないかもしれないため、アレルギー反応に対応して薬剤をすばやく自己投与するために自動注射器を持ち歩く個人もある。いくつかの公知の自動注射器は、円筒形形状で、自動的に使用者の皮膚を貫通して薬剤を注射するばね付き針を備える。このような公知の自動注射器は、かさだかく人目につくことがあり、持ち運びに不便で望ましくないことがある。さらに、いくつかの公知の自動注射器は、格納式の針を有しておらず、そのため注射が終了したときに大きな危険を引き起こしうる。
いくつかの公知の自動注射器は、自動注射器の近位端に不用意に作動させることを防ぐロッキングキャップと自動注射器の遠位端に針カバーとを有する。このような構成により、時に、自動注射器のどちら側が「針端」(すなわち遠位端)で自動注射器のどちら側が「作動端」(すなわち近位端)であるのかについて、使用者が混乱することがある。そのため、ある状況においては、使用者は公知の自動注射器を所望の注射部位から離れた場所で誤って作動させることがある。このような過誤により、例えば、自動注射器が使用者の親指および/または他の指に対して作動することにつながることがある。
したがって、使用者によってより簡便に持ち運び可能であり、また注射が終了したときにも大きな危険を提示しない自動注射器が求められている。さらに、遠位端から作動させることができる自動注射器が求められている。
しかしながら、このような薬剤送達装置を作動させるためには、使用者が一連の操作を実行することが必要であることがある。例えば、いくつかの公知の自動注射器を作動させるには、使用者は保護キャップを取り外し、ロック装置を取り外し、自動注射器を身体の適切な位置に配し、そしてボタンを押して自動注射器を作動させなければならない。これらの操作を適切に完了しなかった場合には、注射が不完全となるおよび/または身体の所望しない部位への注射につながることがある。例えば、いくつかの公知の自動注射器の操作に混乱した使用者が、自動注射器の不適切な配置により不用意に薬剤を親指に注射したケースもある。
公知の薬剤送達装置の不適切な使用の可能性は、使用者の性格および/またはそのような装置が使用される状況により作り出される。例えば、使用者は医療専門家ではないことが多く、そのような装置の操作の訓練を受けたことがないことも多い。さらに、特定の状況においては、使用者が患者でないこともあり、したがって薬剤送達装置を使用した経験がないこともある。同様に、いくつかの公知の薬剤送達装置は、アレルギー反応などに応じて比較的まれに使用されるよう構成されるため、装置に慣れているおよび/また訓練を受けたは使用者であっても、十分に装置の操作の練習をしているわけではないことがある。最後に、このような装置、緊急事態において用いられることが多く、このような状況では、経験のあるおよび/または訓練を受けた使用者であっても、混乱、パニックおよび/または処置の必要な状況の生理的影響を受けることがある。
いくつかの公知の薬剤送達装置は、使用者に薬剤を適切に送達するために必要な手順を知らせるための印刷された説明書を含む。しかしながら、このような印刷された説明書は、使用者のクラスおよび/または上記のような状況にはふさわしくないことがある。さらに、例えば、自動注射器、ペン型注射器、吸入器などのいくつかの公知の薬剤送達装置はコンパクトであるため、このような印刷された説明書は緊急事態において読んで理解するには文字が小さすぎることがある。
いくつかの公知の薬剤送達装置は、使用者の適切な投薬量の設定および/またはコンプライアンスログ維持を支援すための電子システムを含む。このような公知の薬剤送達装置およびこれにともなう電子システムは、大型のことがあり、したがって、使用者が簡易に持ち運びすることができない。さらに、このような公知の薬剤送達装置およびこれにともなう電子システムは、その製造が複雑および/または高価であることがある。
したがって、使用者が簡便に持ち運びすることができ、どのような状況においても訓練を受けていない使用者が容易に理解することができる説明をのついた、安価に製造可能な薬剤送達装置および/または薬剤容器が求められている。
いくつかの公知の薬剤送達装置は、使用者が薬剤送達装置を通常これに含まれる薬剤または針に露出されることなく使用の練習をするための方法を提供する模擬薬剤送達装置(例えば、「練習機」)と関連付けられている。しかしながら、このうな模擬薬剤送達装置は、また、上記のような不適切な説明書を含むことがある。さらに、いくつかの公知の模擬薬剤送達装置は、その後使用するためにリセットすることが難しいことがある。
したがって、どのような状況においても訓練を受けていない使用者が容易に理解することができる説明のついた模擬薬剤送達装置が求められている。加えて、その後使用するために容易にリセットすることができる模擬薬剤送達装置が求められている。
以下、自動薬剤注射装置および方法を説明する。1つの実施形態では、装置は、筐体と、前記筐体内に配された薬剤容器と、アクチュエータとを備える。前記アクチュエータは、前記筐体に配されて前記筐体内の前記薬剤容器を動かすよう構成される。前記アクチュエータは、リリース部材と、エネルギー蓄積部材とを備える。前記エネルギー蓄積部材は、第1位置および第2位置を有する。前記エネルギー蓄積部材は、前記第1位置にあるとき第1ポテンシャルエネルギーを有する。前記エネルギー蓄積部材は、前記第2位置にあるとき前記第1ポテンシャルエネルギーよりも小さい第2ポテンシャルエネルギーを有する。前記エネルギー蓄積部材は、第1位置から第2位置へ移動して前記筐体内の前記薬剤容器を動かすとき、前記第1ポテンシャルエネルギーの一部を運動エネルギーに変換するよう構成される。前記エネルギー蓄積部材は、前記薬剤容器の長手方向軸からずれた長手方向軸を有する。前記リリース部材は、前記エネルギー蓄積部材を第1位置から第2位置へ選択的に配置するよう構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、薬剤送達装置に結合されたラベルを含むよう構成される。前記ラベルは、第1表面と第2表面とを備える。前記第1表面は、前記薬剤送達装置の外表面に結合されるよう構成される。前記第2表面は、文字による印を含む。前記ラベルは、さらに、電子信号を出力するよう構成される電子回路システムを備える。
いくつかの実施形態では、装置は、模擬薬剤送達装置と、前記模擬薬剤送達装置に結合された電子回路システムとを備える。前記電子回路システムは、前記模擬薬剤送達装置の使用と関連付けられた電子出力を出力するよう構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、ペン型注射器、自動注射器、吸入器、その他などの複数の薬剤送達装置を収容するよう構成される内部領域を画定する容器を含む。前記容器は、前記第1薬剤送達装置が前記容器の前記内部領域から取り外されたときに前記内部領域内に収容された第1薬剤送達装置に関連付けられた第1電子出力を出力するよう構成される電子回路システムを含む。前記電子回路システムは、さらに、前記第2薬剤送達装置が前記容器の前記内部領域から取り外されたときに前記内部領域内に収容された第2薬剤送達装置に関連付けられた第2電子出力を出力するよう構成される。前記第2電子出力は、前記第1電子出力とは異なる。前記第1電子出力および前記第2電子出力の少なくとも一方が、前記第1薬剤送達装置および/または前記第2薬剤送達装置の使用説明と関連付けられている。
救急医療施設は個体が病状で苦しんでいるときに利用可能でないかもしれないため、このような病状に対応して薬剤をすばやく自己投与するためにに自動注射器を持ち歩く個人もある。いくつかの公知の自動注射器は、円筒形形状で、液体薬剤の入ったバイアルと自動的に前記使用者の皮膚を貫通して前記薬剤を注射するばね付き針とを備える。しかしながら、特定の薬剤を液体の状態で保管することは、保管期限が短くなるおよび/または薬剤が不安定となることにつながりうる。したがって、いくつかの公知の自動注射器は、第1薬剤を含むバイアルと薬剤とを個別に含む。このような自動注射器は、一方の薬剤が液体(例えば、水)であることが多く、もう一方の薬剤が固体(例えば、グルカゴン粉末)であることが多いため、「湿式/乾式」自動注射器と呼ばれることが多い。使用にあたっては、注射の前に前記第1薬剤と前記第2薬剤とを混合しなければならない。
しかしながら、いくつかの公知の湿式/乾式自動注射器は、前記使用者が注射前に使用しなければならない混合メカニズムを手作業で作動させなければならない。しかしながら、このような構成は、不完全な混合および/または混合せずに注射を行うことにつながりうる。さらに、このような構成は複雑なことがあり、使用者の緊急事態の際の操作を難しくする。
いくつかの公知の湿式/乾式自動注射器は、収容される薬剤を自動的に混合し注射する単一のメカニズムを採用する。しかしながら、このような構成では前記混合操作は前記注射操作から独立していないため、前記混合操作の完了前におよび/または前記自動注射器が前記注射操作に適切な位置に配される前に前記薬剤が注射されることがある。
したがって、2つ以上の薬剤を個別に保管し前記薬剤を2つの別々の操作によって自動的に混合注射することができる自動注射器が求められている。
本発明の実施形態にかかるシステムの斜視図である。
本発明の実施形態にかかるシステムの正面図である。
本発明の実施形態にかかるシステムの側面図である。
第1操作位置にある本発明の実施形態にかかるシステムの図3の線A−Aにおける断面図である。
第2操作位置にある本発明の実施形態にかかるシステムの図3の線A−Aにおける断面図である。
第3操作位置にある本発明の実施形態にかかるシステムの図3の線A−Aにおける断面図である。
第4操作位置にある本発明の実施形態にかかるシステムの図3の線A−Aにおける断面図である。
第5操作位置にある本発明の実施形態にかかるシステムの図3の線A−Aにおける断面図である。
第6操作位置にある本発明の実施形態にかかるシステムの図3の線A−Aにおける断面図である。
本発明の実施形態にかかる方法を示すフローチャートである。
本発明の実施形態にかかるシステムの斜視図である。
図11に示すシステムの図11の線B−Bにおける斜視断面図である。
本発明の実施形態にかかる装置の斜視図である。
本発明の実施形態にかかるメカニズムの図3の線A−Aにおける断面図である。
第1構成における、本発明の実施形態にかかる自動注射器の模式的説明図である。
第2構成における、本発明の実施形態にかかる自動注射器の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる自動注射器の斜視図である。
少なくとも自動注射器の一部が参照が容易となるように極めて細い線で図示される、図17に示す第1構成における自動注射器の斜視図である。
図17および図18に示す第1構成における自動注射器の正面図である。
本発明の実施形態にかかるアセンブリが取り外された図17に示す自動注射器の斜視図である。
本発明の実施形態にかかる部材が取り外された図17に示す自動注射器の正面図である。
図20に示す自動注射器の一部の分解斜視図である。
図21に示す要素の断面図である。
図21に示す要素の斜視図である。
図21に示す自動注射器の部材の斜視図である。
図17および図21に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図17および図26に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図26に示す自動注射器の基部の部分分解斜視図である。
図21に示す自動注射器の一部の分解斜視図である。
図29に示す自動注射器の要素の正面図である。
図19に示す第2構成における自動注射器の正面図である。
図31に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図32に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図32に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図31に示す自動注射器の筐体の上面図である。
この筐体の図35の線36−36における断面図である。
図19および図31に示す第3構成における自動注射器の正面図である。
図37において38と示される自動注射器の部分の正面図である。
図37に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図37に示す自動注射器の一部の断面図である。
図37に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図37に示す自動注射器の一部の分解斜視図である。
図19、図31、および図38に示す第4構成における自動注射器の正面図である。
図19、図31、図38、および図43に示す第5構成における自動注射器の一部の正面図である。
図19、図31、図38、図43、および図44に示す第6構成における自動注射器の正面図である。
本発明の実施形態にかかる薬剤送達装置の斜視図である。
図46に示す薬剤送達装置の正面断面図である。
図46に示す薬剤送達装置の一部の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる薬剤送達装置の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる自動注射器の斜視図である。
自動注射器の一部が参照が容易となるように極めて細い線で図示される、図50に示す自動注射器の正面図である。
図50に示す自動注射器の一部の部分切り欠け正面図である。
図50に示す自動注射器の一部の図52の線53−53における断面図である。
図50に示す自動注射器の一部の図52の線54−54における断面図である。
図50に示す自動注射器の一部の正面図である。
図50に示す自動注射器の一部の模式的説明図である。
図50に示す第2構成における自動注射器の一部の斜視図である。
図50に示す第3構成における自動注射器の一部の斜視図である。
図50に示す第4構成における自動注射器の一部の斜視図である。
第1構成における図55において領域15と示される自動注射器の一部の正面図である。
第2構成における図55において領域15と示される自動注射器の一部の正面図である。
第1構成における、図55に示す自動注射器の一部の斜視図である。
第2構成における、図55に示す自動注射器の一部の斜視図である。
第3構成における、図55に示す自動注射器の一部の斜視図である。
第4構成における、図55に示す自動注射器の一部の斜視図である。
本発明の実施形態にかかる方法のフローチャートである。
本発明の実施形態にかかる方法のフローチャートである。
本発明の実施形態にかかる方法のフローチャートである。
本発明の実施形態にかかる薬剤送達装置の斜視図である。
本発明の実施形態にかかる薬剤送達装置の斜視図である。
第1構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第2構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第3構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第1構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第2構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第3構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる医療機器の第1構成における斜視図である。
図78に示す医療機器の第2構成における斜視図である。
図78に示す医療機器の第3構成における斜視図である。
本発明の実施形態にかかる医療機器の一部の模式的説明図である。
第1構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第2構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第3構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる模擬薬剤送達装置の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる模擬的な自動注射器の斜視図である。
第1構成における、本発明の実施形態にかかる模擬的な自動注射器の正面図である。
第2構成における、本発明の実施形態にかかる模擬的な自動注射器の正面図である。
第3構成における、本発明の実施形態にかかる模擬的な自動注射器の正面図である。
第4構成における、本発明の実施形態にかかる模擬的な自動注射器の正面図である。
第5構成における、本発明の実施形態にかかる模擬的な自動注射器の正面図である。
本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる模擬薬剤送達装置の斜視図である。
本発明の実施形態にかかる医療機器の正面図である。
図95に示す医療機器の断面図である。
本発明の実施形態にかかる医療機器の断面図である。
第1構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第2構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第3構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第4構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる自動注射器の上面図である。
図102に示す自動注射器の正面図である。
図102に示す自動注射器の図102の線A−Aにおける断面図である。
図102に示す自動注射器の一部の上面図である。
図11に示す自動注射器の一部の図105の線A−Aにおける断面図である。
図11に示す自動注射器の一部の図105の線B−Bにおける断面図である。
本発明の実施形態にかかる自動注射器の斜視図である。
図108に示す自動注射器の斜視分解図である。
図108に示す自動注射器の一部の第1構成における断面正面図である。
図108に示す自動注射器の一部の斜視分解図である。
図111に示す自動注射器の部材の斜視図である。
図111に示す自動注射器の部材の斜視図である。
図108に示す自動注射器の一部の斜視分解図である。
図108に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図108に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図108に示す自動注射器の一部の斜視分解図である。
図109に示す自動注射器の一部の斜視図である。
図118に示す自動注射器の部材の斜視図である。
図108に示す自動注射器の部材の斜視図である。
図108に示す自動注射器の部材の斜視図である。
図108に示す自動注射器の一部の斜視分解図である。
図108に示す自動注射器の部材の正面図である。
図110において30と示される自動注射器の一部の断面正面図である。
図110に示す自動注射器の一部の断面正面図である。
図108に示す自動注射器の部材の斜視図である。
図108に示す自動注射器の部材の斜視図である。
第2構成における、図108に示す自動注射器の一部の断面正面図である。
第3構成における、図108に示す自動注射器の一部の断面正面図である。
第4構成における、図108に示す自動注射器の一部の断面正面図である。
第5構成における、図108に示す自動注射器の一部の断面正面図である。
第6構成における、図108に示す自動注射器の一部の断面正面図である。
本発明の実施形態にかかる方法のフローチャートである。
第1構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第2構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第3構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
本発明の実施形態にかかる医療機器の模式的説明図である。
第1構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の一部の断面正面図である。
第2構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器の一部の断面正面図である。
発明を実施するため形態
以下、自動薬剤注射装置および方法を説明する。いくつかの実施形態では、装置は、筐体と、前記筐体内に配された薬剤容器と、アクチュエータとを備える。前記アクチュエータは、前記筐体に配されて前記筐体内の前記薬剤容器を動かすよう構成される。前記アクチュエータは、リリース部材と、エネルギー蓄積部材とを備える。前記エネルギー蓄積部材は、例えば圧縮ガス容器であり、第1位置および第2位置を有する。前記エネルギー蓄積部材は、前記第1位置にあるとき第1ポテンシャルエネルギーを有する。前記エネルギー蓄積部材は、前記第2位置にあるとき前記第1ポテンシャルエネルギーよりも小さい第2ポテンシャルエネルギーを有する。前記エネルギー蓄積部材は、第1位置から第2位置へ移動して前記筐体内の前記薬剤容器を動かすとき、前記第1ポテンシャルエネルギーの一部を運動エネルギーに変換するよう構成される。前記エネルギー蓄積部材は、前記薬剤容器の長手方向軸からずれた長手方向軸を有する。前記リリース部材は、前記エネルギー蓄積部材を第1位置から第2位置へ選択的に配置するよう構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、筐体と、針と、アクチュエータとを備える。前記針は、第1端と第2端とを有し、長手方向軸を画定する。前記アクチュエータは、前記筐体に配されて、前記針を第1針位置と第2針位置との間で動かすよう構成される。前記第1針位置にあるとき、前記針の前記第2端は、前記筐体内にある。前記第2針位置にあるとき、前記針の前記第2端は、前記筐体外にある。前記アクチュエータは、リリース部材とエネルギー蓄積部材とを備える。前記エネルギー蓄積部材は、第1位置および第2位置を有する。前記エネルギー蓄積部材は、前記第1位置にあるとき第1ポテンシャルエネルギーを有する。前記エネルギー蓄積部材は、前記第2位置にあるとき前記第1ポテンシャルエネルギーよりも小さい第2ポテンシャルエネルギーを有する。前記エネルギー蓄積部材は、第1位置から第2位置へ移動して第1針位置と第2針位置との間で前記針を動かすとき、前記第1ポテンシャルエネルギーの一部を運動エネルギーに変換するよう構成される。前記エネルギー蓄積部材は、前記針の長手方向軸からずれた長手方向軸を有する。前記リリース部材は、前記エネルギー蓄積部材を第1位置から第2位置へ選択的に配置するよう構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、筐体と、針と、薬剤容器と、アクチュエータとを備える。前記針は、第1端と第2端とを有し、長手方向軸を画定する。前記アクチュエータは、前記筐体に配されて、前記針を第1針位置と第2針位置との間で動かすよう構成される。前記第1針位置にあるとき、前記針の前記第2端は、前記筐体内にある。前記第2針位置にあるとき、前記針の前記第2端は、前記筐体外にある。前記アクチュエータは、さらに、前記薬剤容器を第1薬剤容器位置と第2薬剤容器位置との間で動かすよう構成される。前記第1薬剤容器位置にあるとき、前記針により画定される管腔は、流体的に前記薬剤容器から隔離される。前記第2薬剤容器位置にあるとき、前記針の前記第1端は前記管腔が前記薬剤容器と流体的に連通するように前記薬剤容器内に配される。前記アクチュエータは、リリース部材とエネルギー蓄積部材とを含む。前記エネルギー蓄積部材は、第1位置および第2位置を有する。前記エネルギー蓄積部材は、前記第1位置にあるとき第1ポテンシャルエネルギーを有する。前記エネルギー蓄積部材は、前記第2位置にあるとき前記第1ポテンシャルエネルギーよりも小さい第2ポテンシャルエネルギーを有する。前記エネルギー蓄積部材は、第1位置から第2位置へ移動して前記針を第1針位置と第2針位置との間で動かすとき、前記第1ポテンシャルエネルギーの一部を運動エネルギーに変換するよう構成される。前記エネルギー蓄積部材は、前記針の長手方向軸からずれた長手方向軸を有する。前記リリース部材は、前記エネルギー蓄積部材を第1位置から第2位置へ選択的に配置するよう構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、自動注射器の筐体内に配することができるアクチュエータを備える。前記アクチュエータは、薬剤容器を前記筐体に対して移動するよう構成され、ガス容器と、付勢部材と、穿刺器とを含む。前記ガス容器は、圧縮ガスを格納するよう構成され、第1位置と第2位置との間を移動可能である。前記付勢部材は、後退構成と拡張構成とを有する。前記付勢部材は、前記付勢部材が前記後退構成から前記拡張構成に移動するとき前記ガス容器が前記第1位置から前記第2位置に移動するように、前記ガス容器と係合するよう構成される。前記穿刺器は、前記ガス容器が前記第2位置に移動して前記圧縮ガスの一部が前記ガス容器から前記薬剤容器に隣接する前記筐体内に画定されたガスチャンバに放出可能になると、前記ガス容器の一部を貫通するよう構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、遠位端と近位端とを有する筐体と、薬剤注射器と、エネルギー蓄積部材と、保持具とを備える。前記薬剤注射器は、前記筐体内に配され、薬剤容器と針とを備える。前記エネルギー蓄積部材は、例えば加圧ガスを含むよう構成されるガス容器であってもよく、第1構成から第2構成に移動するとき前記薬剤注射器を第1位置と第2位置との間で移動させるための力が生じるよう構成される。前記保持具は、第1位置および第2位置を有する。前記保持具がその第1位置にあるとき、前記保持具は、前記エネルギー蓄積部材を第1構成に保持するよう構成される。前記保持具がその第2位置にあるとき、前記保持具は、前記エネルギー蓄積部材がその第1構成から第2構成に移動可能となるよう構成される。前記保持具は、前記筐体の前記遠位端に隣接するアクチュエータを操作することによりその第1位置から第2位置に選択的に移動されるよう構成される。
図1、図2及び図3は、本発明にかかるシステム1000の斜視図、正面図及び側面図であり、本発明にかかるシステム1000は、いくつかの実施形態では作動ガード1200を介して作動バー1300から分離された手持ち部分1800を備え得る筐体1100を備えることができる。作動ガード1200は、システム1000の不慮の起動を防止することができる。筐体1100は、システム1000の圧縮ガス容器、薬剤、注射装置および/または使用者を保護するために、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリカーボネートなどの耐久性のある材料で構成されてもよい。注射装置は、作動が完了すると筐体1100から状態インジケータ1400などガス脱出開口部を介して脱出することができる圧縮ガスによって与えられる圧力などの流圧によって作動させられてもよい。
システム1000の状態は、紫外線を遮断する感光性のおよび/または半透明窓などを介して、筐体1100の内部を見ることができる状態インジケータ1400を介して判断することができる。この窓を通して見ることができるのは、筐体1100が運ぶ薬剤の状態、針および/もしくは薬剤の注射装置の位置、ならびに/またはシステム1000の起動状態である。例えば、薬剤が変色するほど古くなっており、その古い状態により薬剤が役にたたない、害があるなどするかもしれないような場合、状態インジケータ1400によってその状態を判定することができる。いくつかの実施形態では、ガスは筐体1100から状態インジケータ1400および/または筐体1100の別の開口部を介して脱出することができる。
システム1000のいくつかの実施形態は、効率的におよび/またはすばやく処方量を送達することができるコンパクトな薬剤送達メカニズムを提供することができる。システム1000の長さ(L)および幅(W)は、クレジットカードの長さおよび幅に類似のものであってもよく、厚み(T)は1インチ未満であってもよい。したがって、システム1000のいくつかの実施形態は、安全な持ち運び、使用、および/または廃棄に訓練がほとんどから全く必要としない、持ち運びに便利な、使用の簡易な、起動の簡単な薬物送達装置を提供することができる。
使用者がシステム1000を正しい注射方向へ配置するのを支援するために、システム1000および/または筐体1100は各種の触覚的な手がかりを提供することができる。例えば、筐体1100の上部1110は丸くなっており、筐体1100の作動バー1300の底部1120は平坦であってもよい。隆起、畝、溝、間隙、ざらざらした表面、くぼみなどの、その他の触覚的な手がかりも可能である。
図4は、第1操作位置にあるシステム1000の実施形態の図3の線A−Aの断面図である。図5、図6、図7、図8、および図9は、それぞれ、第2、第3、第4、第5、および第6操作位置にある図4のシステム1000を示す。
システム1000は、筐体1100、手持ち部分1800、作動ガード1200、および/または作動バー1300を備えてよい。システム1000は、システムアクチュエータ2000、ガスタンク3000、薬剤アクチュエータ4000、薬剤保管アセンブリ5000、薬剤運搬部9000、針アセンブリ6000、使用インジケータ7000、および/またはガス排出口メカニズム8000などを備えてよい。
作動ガード1200が除去、解除、回転、および/または移転されると、システムアクチュエータ2000は、圧縮ガス容器の内容物の作動部分をすばやく排出するよう構成されてもよい。例えば、システムアクチュエータ2000は、最初は圧縮ガス2500を含んでもよい圧縮ガス容器2400を備えてもよい。この圧縮ガス2500のうちの作動部分は、穿刺器2700の先端によってガスポート2600を貫通することにより容器2400から放出することができる。作動ガード1200が除去および/または移転されると、作動バー1300は手持ち部分1800に近づくおよび/または接触してもよい。作動ガード1200が除去および/または移転されると、ガス容器2400は、あらかじめ圧縮されたばね2300の伸展および/または作動スティック2200の動きによって穿刺器2700と接触してもよい。したがって、作動ガード1200は、システム1000の不慮の起動および/またはガス容器2400の内容物2500の作動部分の望ましくない排出を防止することができる。
ガスポート2600が穿刺されると、圧縮ガス2500の作動部分が容器2400から脱出してガス流路3100などのガスタンク3000を介して流れることができる。流れるガスは、壁部1520により画定されたスリーブ1500内を移動することができるプッシャー部4100を備えてもよい薬剤アクチュエータ4000に当たるおよび/またはこれにガス圧を加えることができる。スリーブ1500は、金属、ステンレス鋼、アルミニウム、プラスチック、ポリカーボネート、などから構成されてもよい。O−リングなどのシール4200は、プッシャー部4100を通過するおよび/または筐体1100からのガス漏れに抵抗力があってもよい。したがって、プッシャー部4100は、シリンダー内を移動するピストンとして機能することができるが、スリーブ1500の断面形状は必ずしも丸い必要はない。
薬剤アクチュエータ4000は、薬剤保管アセンブリ5000とのインターフェースを有してもよい。例えば、薬剤アクチュエータ4000は、それぞれシール可能に滑動および/または液体薬剤5200を含む対応するバイアル5100内を移動することができるピストン4400でキャップされる複数のプランジャ4300を有してもよい。例えば、圧縮ガス容器2400の内容物2500の作動部分により加えられた圧力に応じて、プッシャー部4100は、プランジャ4300および/またはピストン4400が同時に動くようにすることができる。1組のプランジャ4300、ピストン4400、および/またはバイアル5100の数は、2、3、4、5、6、またはそれ以上であってよい。ピストン4400は、ゴムなどの弾力性、耐久性のある、および/またはシール材料から構成されてもよい。複数のプランジャの各プランジャ4300は長手方向軸を画定することができ、複数のプランジャの長手方向軸(例えば、軸4310、4320、4330、4340)は、平行、非同軸、および/または同一平面上にあってもよい。
複数のバイアルの各バイアル5100は、実質的に丸いおよび/または実質的に楕円の断面形状を有する実質的な円筒形であってもよい。したがって、各バイアル5100は長手方向軸を画定することができ、複数のバイアルの長手方向軸は、平行、非同軸、および/または同一平面上にあってもよい。各バイアルの長手方向軸は、対応するプランジャの長手方向軸と同軸であってもよい。
各バイアルは、一端がピストン4400が薬剤5200に対して十分な圧力を作り出すと破裂する壊れやすいシール5300でキャップされていてもよく、これにより、薬剤5200の少なくとも一部がバイアル5100から流れ出て薬剤運搬部9000に流入することができる。したがって、複数のバイアルは、ガス容器2400の内容物2500の作動部分に流体的に結合可能となる。
薬剤運搬部9000は、各バイアル5100を保持してスリーブ1500内を移動することができる。薬剤運搬部9000は、各バイアル5100中にあるがままに薬剤5200を受けて薬剤5200を共通の導管9300に導くよう構成される複数の流路9200を備えてもよい。薬剤運搬部9000は、針アセンブリ6000および/または使用インジケータ7000とのインターフェースを有してもよい。
共通導管9300から、薬剤5200は単一の針6100などのこれを介して薬剤が針先端6200に到達することができる針アセンブリ6000に入ることができる。薬剤アクチュエータ4000および/または薬剤運搬部9000はアクチュエータバー1300に向かって駆動されるため、針先端6200は針鞘6300の端部6400を貫通し、針ポート1340でアクチュエータバー1300から脱出する。
図5を参照すると、手持ち部分1800に近づくよう作動バー1300が動くと、鞘シート1330が鞘先端6400に接触し、これにより鞘6300が曲がるおよび/または崩れることになる。アクチュエータバー1300が手持ち部分1800と接触することになるので、キャリアばね1600が圧縮されつつ、バーストップ1320が薬剤運搬部ストップ9400に近づくことができる。
図6を参照すると、ガス容器2400の内容物2500の少なくとも一部が脱出するため、これが流路3100を流れることができる。それでもなお比較的加圧されたガスは、プッシャー部4100の背後で蓄積されはじめ、拡大ガスチャンバ3200を形成し、薬剤アクチュエータ4000、薬剤保管アセンブリ5000、および薬剤運搬部9000をスリーブ1500内で滑動させるようにしてもよい。薬剤アクチュエータ4000、薬剤保管アセンブリ5000、および薬剤運搬部9000はアクチュエータバー1300に近づく方向に滑動するため、ばね1600はバーストップ1320と薬剤運搬部ストップ9400との間でますます圧縮される。薬剤アクチュエータ4000、薬剤保管アセンブリ5000、および薬剤運搬部9000はアクチュエータバー1300に近づく方向に滑動するため、針先端6200はさらにアクチュエータバー1300から伸展することができ、鞘6300はさらに圧縮および/または変形されることができる。最終的な伸展ポイントにおいて、針先端6200は筐体1100から約0.25ミリから約20ミリまで伸展することができ、これは約2ミリ以下、約5ミリを超える長さ、約5.13ミリから約9.98ミリ、などその間の全ての値および部分的な範囲を含む。
図7を参照すると、ガスチャンバ3200が拡大を続けるため、薬剤運搬部9000は、薬剤運搬部ストップ9400がアクチュエータバーストップ1300に接触してさらに薬剤運搬部9000が移動しないようになるまで駆動されてもよい。このとき、追加的なガスチャンバ3200の拡大により、薬剤アクチュエータ4000、プッシャー部4100、プランジャ4300、および/またはピストン4400が薬剤保管アセンブリ5000に対して移動を開始するようにさせ、これによりバイアル5100に排除圧が生じる、および/またはこれにより壊れやすいシール5300を破裂させて薬剤5200が薬剤運搬部9000に入って薬剤流路9200、薬剤導管9300、針6100を流れ、および/または針先端6200から患者に流れ込むようにすることができる。代替的に、壊れやすいシール5300を、壊れ薬剤導管9300が針6100に結合されるところまたはその近くに位置するやすいシールにより置き換えおよび/または増補させることができる。壊れやすいシール5300は、クロモブチルゴムなどのゴムなど、薄く、丈夫で、弾力性のある、耐久性のある、および/または所定の降伏強度を有する可能性のあるシール材料、および/またはセラミック、ポリスチレンなどのある種のプラスチックなどの所定の降伏強度を有する可能性のある比較的もろい材料から構成されてもよい。
薬剤運搬部ストップ9400がアクチュエータバーストップ1320に接触するので、薬剤運搬フック9600は使用インジケータ7000の係合受部7100と係合することができる。
図8を参照すると、ガスチャンバ3200が拡大を続けるため、薬剤アクチュエータ4000、プッシャー部4100、プランジャ4300、および/またはピストン4400は、薬剤保管アセンブリ5000内での移動を完了するまで動き続けることができ、これによりバイアル5100から所定の投薬量の薬剤5200を筐体1100の外部にある針アセンブリ6000からおよび/または患者へ発射することができる。ガスチャンバ3200が最大サイズになるので、薬剤アクチュエータ4000、プッシャー部4100、プランジャ4300、および/またはピストン4400は、薬剤運搬部9000に対する移動を完了するまで動き続けることができ、これによりガス放出アクチュエータ9700がガス開放弁8200と係合することができる。ガス放出アクチュエータ9700とガス開放弁8200との係合により、ガスチャンバ3200内のガスがガスチャンバ3200を脱出し、ピストン4400から排出され、および/または状態インジケータ1400および/または筐体1100に位置するガス脱出ポートなどを介してシステム1000および/または筐体1100から排出されるようにすることができる。
図8および図9を参照すると、ガスチャンバ3200から十分なガスが放出されると、ガスチャンバ3200内のガスにより加えられる圧力は、ガスにより薬剤アクチュエータ4000に加えられる力が圧縮ばね1600の力よりも小さくなるまで減少することができる。したがって、ばね1600が拡大を開始することができ、これにより薬剤運搬部9000、バイアルアセンブリ5000、および薬剤アクチュエータ4000をアクチュエータバー1300から離れるように動かし、ガスチャンバ3200からのガスの排出に役に立つ。薬剤運搬部9000が動くにつれて、薬剤運搬フック9600と使用インジケータ7000の係合受部7100および/または係合キャッチ7200との係合関係により、使用インジケータ7000はこれとともに移動することができる。使用インジケータ7000が作動バー1300から離れるように動くにつれて、鞘6300はこれとともに移動することができ、これにより鞘先端6400と針ポート1340との間に間隙が生じ、これによりそれまで見えなかった作動バー1300の色つき部1350が露出および/またはシステム1000が使用済みである(そしてほぼ実質的に薬剤が排出済みである)という表示を設け、これによりこれ以上システム1000を使用することがないようにする。
薬剤運搬部9000がアクチュエータバー1300から離れるように動くにつれて、針6100は鞘6300に後退することができ、これにより当初の形状に向かって折れ曲がりが元に戻るおよび/または変形がもとにもどる。最終的に、針6100は完全に筐体1100の境界内に後退することができ、これにより最初の注射の後で針が不慮に飛び出すことを防止する傾向になり、ならびに/または潜在的に大きな危険を低減および/もしくは排除する。
いくつかの実施形態では、システムアクチュエータ2000は、指で誘発され、よじれることが可能な、旋回可能な、および/またはレバー操作メカニズムを備えてもよい。例えば、システムアクチュエータ2000は、ガスポート2600にねじ込むことができるよじれることが可能なハンドルを備えてもよい。いくつかの実施形態では、システムアクチュエータ2000は、筐体の横に配されたフィンガートリガーであってもよい。
図10は、薬剤送達装置の操作方法10000の実施形態のフローチャートである。ステップ10100において、装置の作動ロックが解除される。ステップ10200において、圧縮ガス容器の内容物の作動部分が放出される。ステップ10300において、放出されたガスによる圧力を介して、針が装置から伸展する。ステップ10400において、放出されたガスによる圧力を介して、ピストンが複数のバイアルのうちの1つに保管された薬剤に圧力を加える。ステップ10500において、バイアル内に薬剤を封じている壊れやすいシールが破裂する。ステップ10600において、薬剤がバイアルから針を通って患者へと流る。ステップ10700において、所定の投薬量が発射および/または注射されると、針が患者から引き抜かれおよび/または装置の使用前範囲に後退する。ステップ10800において、装置は追加的な注射に使用不可とされるおよび/またはすでに用いられたことが表示される。
図11は、システム1000の実施形態の斜視図であり、筐体1100から取り外されて作動ガード1200がもはやアクチュエータバー1300を手持ち部分1800から分離しない作動ガード1200を示す。作動ガード1200は、作動ガード1200を筐体1100から引き出すために使用者により把持可能な把持部1220を備えてよく、これにより、使用者の大腿部にアクチュエータバー1300をたたきつけることなどによってシステム1000の起動が可能となる。作動ガード1200は、作動ガード1200が筐体1100に設置されたとき作動スティックの脚2240を分離したままにすることができる作動スティック分離部1240を備えてもよい。作動ガード1200は、システム1000が使用されていないときおよび/またはシステム1000が未使用であるときアクチュエータバー1300を手持ち部分1800から分離することができるガード部1260を備えてもよい。
図12は、図11の線B−Bにおける斜視断面図、図13は、作動スティック2200の実施形態の斜視図である。図12および図13を参照すると、システム1000は、筐体1100と、作動バー1300と、システムアクチュエータ2000とを備えてもよく、システムアクチュエータ2000は、脚スクイーザー1390と、作動スティック2200と、脚押さえ2100と、ばね2300と、上部ばね押さえ2260と、ガス容器2400と、ガスポート2600と、および/または穿刺器2700とを備えてもよい。筐体作動バーを使用者の大腿部、臀部、および/または腕にたたきつけるなど、作動バー1300が使用者の身体に対して強く押し付けられると、脚スクイーザー1390は、作動スティック2200の脚2240の脚端2220を互いに対して付勢することができる。なお、脚端2200は、三角形、楔形、角のある、および/または円錐台形状であってもよい。脚端2220は脚スクイーザー1390の角度のついたV溝に沿って滑動するため、脚キャッチ2230は、実質的に脚押さえ2100と接触しなくなる。これにより、圧縮ばね2300がすばやく作動スティック2200とガス容器2400とをガスポート2600を貫通可能な穿刺器2700に付勢することができるようにし、これによりガスがガス容器2400から脱出できるようにする。さまざまなガス容器のどのようなものであっても用いることができるが、適切なガス容器の例はニュージャージー州South PlainfieldのLeland Limited社から得ることができる。
図14は、システム1000のガス排出メカニズム8000の実施形態の、図3の線A−Aにおける断面図である。システム1000は、手持ち部分1800と、アクチュエータバー1300と、スリーブ1500とを備えてよい。ピストン4440が移動の限界近くになると、薬剤5200は壊れやすいシール5300を超えて伸展することができる薬剤パス5900に沿って薬剤流路9200、薬剤導管9300、および針6100を通って使用者の体内に(例えば皮下に、筋肉に、および/または2ミリ以下、約5ミリを超える長さなどその間の全ての値および部分的な範囲を含む約0.25ミリから約20ミリの深さなどで)、発射されてもよい。
ピストン4440が移動の限界近くになると、ガス放出アクチュエータ9700とガス開放弁8200との係合により、O−リング8400がシート8500から離れるように圧縮ばね8300が付勢されるように弁アームを移動させるようにすることができる。この動きにより、ガスがガスチャンバ3200から、薬剤運搬部9000のスリーブ内壁1520と外壁9100との間に延びていてよいガス排出パス8900を通って脱出する通路8600が明らかになる。最終的に、ガス排出パス8900は、手持ち部分1800とアクチュエータバー1300との間に延びていてよい。同様に、ゴムまたはその他の任意の弾力性のある材料からなる弁8200の代替的な実施形態を、ガス放出アクチュエータ9700が弁8200と相互に作用すると、弁8200がシート8500から曲がるまたは上にめくれてガスが通路8600を介して脱出できるようにするシールを設けるように、シート8500全体に配することができる。
図15および図16は、それぞれ、本発明の実施形態にかかる自動注射器2002の第1構成および第2構成における模式的説明図である。自動注射器2002は、薬剤容器2262を収容する筐体2110と、エネルギー蓄積部材2410と、リリース部材2540と、注射部材2212とを備える。薬剤容器2262は、例えばあらかじめ充填されたカートリッジ、バイアル、アンプルなどであってよく、筐体2110内に移動可能に配される。薬剤容器2262は、例えばエピネフリンなどの薬剤2268を収容する。図に示すように、薬剤容器2262は、図16の矢印Bで示すように、第1位置(図15)と第2位置(図16)との間の長手方向軸LMに沿って、移動することができる。薬剤容器2262がその第1(または後退)位置にあるとき、薬剤容器2262は、注射部材2212から間隔をあけている。薬剤容器2262がその第2(または前進)位置にあるとき、薬剤容器2262は、注射部材2212と流体的に連通して配されている。このようにして、薬剤容器2262が第2(または前進)位置にあるとき、薬剤2268は注射部材2212を介して薬剤容器2262から患者の体内に運ばれてもよい。注射部材2212は、例えば、針やノズルなどであってもよい。
エネルギー蓄積部材2410は、例えばばね、バッテリー、圧縮ガスボンベ、などの任意のエネルギーの貯蔵に適した装置であってよく、これもまた筐体2110内にに移動可能に配される。図に示すように、エネルギー蓄積部材2410は、薬剤容器2262の長手方向軸LMからずれた長手方向軸LEを画定する。エネルギー蓄積部材2410は、図16の矢印Aで示すように、筐体2110内を第1位置(図15)と第2位置(図16)との間の長手方向軸LEに沿って、移動することができる。エネルギー蓄積部材2410がその第1位置にあるとき、エネルギー蓄積部材2410は、第1ポテンシャルエネルギーを有する。エネルギー蓄積部材2410がその第2位置にあるとき、エネルギー蓄積部材2410は、第1ポテンシャルエネルギーよりも小さい第2ポテンシャルエネルギーを有する。エネルギー蓄積部材2410がその第1位置から第2位置へ移動するとき、その第1ポテンシャルエネルギーの少なくとも一部を運動エネルギーに変換してその第1位置と第2位置との間の薬剤容器2262を動かす。
換言すると、エネルギー蓄積部材2410のその第1位置から第2位置への移動は、薬剤容器2262に作用する力を生じさせて、その第1位置と第2位置との間の薬剤容器2262を動かすことになる。薬剤容器2262の長手方向軸LMとエネルギー蓄積部材2410の長手方向軸LEとの間の非同軸関係により、薬剤容器2262およびエネルギー蓄積部材2410は、任意の様々な構成で筐体2110内に配することができるようになる。このようにして、自動注射器2002は、例えば実質的に長方形形状などの、任意の様々なサイズおよび形状を有することができる。
リリース部材2540は筐体2110内に配され、エネルギー蓄積部材2410をその第1位置から第2位置へ選択的に配置するよう構成される。リリース部材2540は、例えば機械的リンク機構やばね付きロッドなどのような、エネルギー蓄積部材2410を移動する任意の適したメカニズムであってよい。このようにして、使用者は、リリース部材2540の一部を操作することによって自動注射器を作動させることができる。
図17は、本発明の実施形態にかかる自動注射器3002の第1構成における斜視図である。自動注射器3002は、近位端3112および遠位端3114を有する筐体3110を備える。筐体3110の遠位端3114は、自動注射器3002の使用時に使用者による筐体3110の把持および保持を支援する突起3142を備える。換言すると、突起3142は、自動注射器3002が使用時に使用者が把持している状態から滑り落ちることを防止するよう構成される。基部3520は、筐体3110の遠位端3114に移動可能に結合される。針ガードアセンブリ3810は、基部3520に取り外し可能に結合される。同様に、安全ロック3710は、基部3520に取り外し可能に結合される。薬剤を体内に注射するためには、筐体の遠位端3114は、基部3520が注射が行われる身体の部位に接触するように使用者の方を向く。そして、基部3520は、筐体3110の近位端3112の方に動かされて自動注射器3002を作動させる。筐体3110は、また、使用者が自動注射器3002またはこれに収容される薬剤の状態を判断できるようにする透明な状態ウィンドウ3118(図36参照)を含む。
図18は、筐体3110に収容された要素がよりはっきりとわかるように筐体3110を極めて細い線で示した、自動注射器3002の斜視図である。わかりやすさのため、図18には、針ガードアセンブリ3810および安全ロック3710のない自動注射器3002を示している。同様に、図19は、筐体3110を極めて細い線で示した、自動注射器3002の正面図である。自動注射器3002は、薬剤注射器3210と、薬剤注射器3210と係合する可動部材3312とを備え、これらはそれぞれ筐体3110内に配される。自動注射器3002は、また、システムアクチュエータ3510と、圧縮ガス容器3412と、ガス放出メカニズム3612とを含む。
薬剤注射器3210は、筐体3110内を移動することができるキャリア3250、薬剤容器3262と、針3212とを備える。薬剤容器3262は、キャリア3250に結合されている。針3212は、針3212が、注射が行われている間、薬剤容器3262に流体的に連通した状態におくことができるように、キャリアの針ハブ部3223内に配されており(図22参照)。
可動部材3312は、近位端3316および遠位端3318を有する。近位端3316は、筐体3110とともにガスチャンバ3120を画定する面3322を含む。換言すると、面3322は、ガスチャンバ3120の境界の一部を画定する。遠位端3318は、薬剤容器3262内に配される。使用にあたっては、矢印Cに示すように、加圧ガスによって可動部材3312の面3322上に生じた力に応じて可動部材3312が筐体3110の遠位端3114に向かって移動する。その結果、可動部材3312および薬剤注射器3250が筐体3110の遠位端3114の方へ動かされて、これにより針3212を筐体3110から露出させる。そして、可動部材3312は、薬剤容器3262内を動き続けて薬剤を針3212を通して薬剤容器3262から発射する。
自動注射器3002は、圧縮ガス容器3412をガス開放メカニズム3612と接触するよう移動させるよう構成されるシステムアクチュエータ3510により作動させられる。ガス開放メカニズム3612は、圧縮ガス容器3412の一部を穿刺してこれに収容される加圧ガスを筐体3110により画定されるガスチャンバ3120に開放する。
システムアクチュエータ3510は、ロッド3540と、ばね3560と、ばね押さえ3570とを備える。ロッド3540は、近位端3542および遠位端3544を有する。ロッド3540の近位端3542は、圧縮ガス容器3412に結合される。ロッド3540の遠位端3544は、以下で考察するように、互いに向かって内側方向に移動してロッド3540をばね押さえ3570から分離する2つの突出部3548により、ばね押さえ3570に結合される。
ばね3560は、ばね3560がロッド3540の近位端3542およびばね押さえ3570により保持されるように、ロッド3540の周囲に圧縮状態で配される。このようにして、ロッド3540の遠位端3544がばね押さえ3570から分離されるとき、ばね3560の力によりロッド3540が、ひいては圧縮ガス容器3412が矢印Dに示すように近位方向に移動してガス放出メカニズム3612と接触するように、ロッド3540はばねで留められている。
基部3520は、矢印Eに示すように基部が筐体3110の近位端3112方向へ動かされたときに突出部3548の一部を受けるよう構成される開口部3522を画定する。突出部3548が開口部3522に受けられると、これらはともに動かされてロッド3540の遠位端3544がばね押さえ3570から解放される。
図18および図19に示すように、薬剤注射器3210は圧縮ガス容器3412により画定された長手方向軸Leと非同軸の長手方向軸Lmを画定する。したがって、薬剤注射器3210、圧縮ガス容器3412、およびシステムアクチュエータ3510は、筐体が実質的に長方形形状となるように筐体3110内に配される。さらに、薬剤注射器3210と圧縮ガス容器3412との間の非同軸関係により、筐体3110の遠位端3114に位置する基部3520の操作により自動注射器3002を作動させることができる。
すでに述べたように、自動注射器3002の使用と作動とは、いくつかの別の操作を含む。まず、針ガード3810および安全ロック3710を取り外すことにより、自動注射器3002が使用可能となる(図20および図21参照)。次に、基部3520を筐体3110に向かって近位方向に移動させることにより、自動注射器3002が作動させられる。3番目に、作動させられると、圧縮ガス容器3412がガス放出メカニズム3612に係合し、これにより加圧ガスがガスチャンバ3120に放出される(図31参照)。4番目に、加圧ガスが、可動部材3312および薬剤注射器3210を筐体3110内で遠位方向に移動させる力を生じさせる(図37参照)。薬剤注射器3210の移動により、筐体3110の遠位端3114および基部3520から針3212を伸展させる。この操作を「針挿入」操作と呼ぶこともできる。5番目に、薬剤注射器3210がその移動を完了すると(すなわち針挿入操作が完了すると)、可動部材3312は、薬剤容器3262をキャリア3250内で遠位方向に動かし続ける。薬剤容器3262の継続移動により、針3212が薬剤容器3262と流体的に連通し、これにより薬剤を注射することができるようになる(図43参照)。6番目に、加圧ガスからの力は、可動部材3312を薬剤容器3262内で移動させ、これにより、薬剤が針3212を通って発射される(図44参照)。この操作を「注射操作」操作と呼ぶこともできる。7番目に、注射が完了すると、加圧ガスがガスチャンバ3120から放出され、これにより薬剤注射器3210および可動部材3312が筐体内で近位方向に移動できるようになる。この操作を「後退操作」と呼ぶこともできる(図45参照)。以下、自動注射器3002に含まれる要素およびこれらがどのように相互に協働して上記の操作を実行するのかについて、詳細に説明する。
使用に先立って、自動注射器3002は、まず、第1に針ガード3810を取り外し、次に安全ロック3710を取り外すことにより使用可能とならなければならない。図20の矢印Gで示すように、針ガード3810は、遠位方向に引っ張ることにより取り外される。同様に、図21の矢印Hで示すように、安全ロック3710は、圧縮ガス容器3412の長手方向軸Leに実質的に垂直に引っ張ることにより取り外される。換言すると、安全ロック3710は、針ガード3810が動く方向に実質的に垂直な方向に動くことによって取り外される。本明細書においてさらに詳しく説明するように、針ガード3810および安全ロック3710は、協働して針ガード3810が取り外される前に安全ロック3710が取り外されることを防止するよう構成される。このような構成により、自動注射器3002が針ガード3810がついた状態で作動させられることを防止する。
図22に示すように、針ガード3810は、鞘3820と鞘押さえ3840とを備える。鞘3820は、近位端3822と遠位端3824とを有し、針ガード3810が第1(または設置)位置にあるとき針3212の一部を受けるよう構成される開口部3826を画定する。鞘3820は、さらに開口部3826内に針ハブ3223の外表面3236により画定された対応する突起3238と係合する凹部3828を画定する。このようにして、針ガード3810その第1位置にあるとき、鞘3820は針ハブ3223に取り外し可能に結合する。いくつかの実施形態では、凹部3828と突起3238とは、微生物貫通に強いシールを形成する。
鞘押さえ3840は、近位部3842と遠位部3844とを有する。鞘押さえ3840の近位部3842は、基部3520の対応する凹部3526と係合して鞘押さえ3840を基部3520に取り外し可能に結合する突起3856を含む(図28参照)。鞘押さえ3840の遠位部3844は、鞘3820の遠位端3824が配される開口部3846を画定する。鞘押さえ3840の遠位部3844は、鞘3820の遠位端3824と係合して鞘3820を鞘押さえ3840に結合する一連の保持タブ3852を含む。このようにして、鞘押さえ3840が基部3520から離れて第2(または除去)位置に向かって遠位方向に移動させられると、図20に示すように、鞘3820が針3412から取り外される。さらに、この構成により、鞘押さえ3840が鞘3820に結合されるときとは無関係に、鞘3820を針3412の周囲に配することができるようになる。そのため、針ガードの2ピース構成により、製造時に柔軟性が与えられる。鞘押さえ3840の遠位部3844もまた、使用者が針ガード3810を把持するときの支援を行う突起3848を備える。
針ガード3810がその第1位置にあるとき、鞘押さえ3840は、安全ロック3710の伸展部3716の1つによって画定された凹部3720内に配される(図25参照)。この構成により、針ガード3810がその第1位置にあるときに安全ロック3710が取り外されるのを防ぎ、ひいては、針ガード3810がその第1位置にあるときに自動注射器3002が作動させられるのを防ぐことができる。
鞘押さえ3840の外表面は、自動注射器3002の操作する際に使用者に指示をする印3850を含む。図21に示すように、印3850は、操作の順番を示す数字と針ガード3810を動かす方向を示す矢印とを含む。いくつかの実施形態では、印3850は、様々な色、詳細な指示、またはその他の任意の使用者への指示に適した印を含んでもよい。他の実施形態では、印3850は、針ガード3810を把持するときに鞘押さえ3840から突出して使用者を支援してもよい。
いくつかの実施形態では、鞘3820は、例えばポリプロピレン、ゴム、またはその他の任意のエラストマーなどの任意の適した材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、鞘3820は、製造過程で針が飛び出す可能性を低減するために剛性の材料から構成されてもよい。他の実施形態では、鞘3820は、柔軟性のある材料から構成されてもよい。
針ガード3810が取り外されたあと、使用者は、図21に示すように安全ロック3710を取り外さなければならない。図25に示すように、安全ロック3710は、第1端3712と第2端3714とを有するU字形状の部材である。安全ロック3710の第2端3714は、それぞれが内向きの突起3718を含む2つの伸展部3716を含む。安全ロック3710がその第1(またはロック)位置にあるとき、伸展部3716は、基部3520の一部の周囲に延び、基部3520を筐体3110の遠位端3114から間隔を置いて配する。図26に示すように、突起3718は、基部3520の一部に係合して第1位置にある安全ロック3710を取り外し可能に結合するよう構成される。
上述のように、伸展部3716のうち一方が、針ガード3810がその第1位置にあるとき鞘押さえ3840を受ける凹部3720を画定する。伸展部3716の一方のみが凹部3720を含むものとして示されているが、いくつかの実施形態では、伸展部3716のいずれもが、鞘押さえ3840を受ける凹部3720を含んでもよい。他の実施形態では、安全ロック3710は、針ガード3810と係合して、針ガード3810が任意の適した方法で配置されているときに安全ロック3710が動かないようにしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、鞘押さえは、安全ロックにより画定される対応する開口部内に受けられる突起を含んでもよい。他の実施形態では、安全ロックは、鞘押さえにより画定される対応する開口部内に受けられ突起を含んでもよい。
安全ロック3710の第1端3712は、内側方向に延びる係止突起3722を含む。図26に示すように、安全ロック3710がその第1位置にあるとき、係止突起3722はロッド3540の突出部3548の間に延び、基部3520の開口部3522を塞ぐ。このようにして、安全ロック3710がその第1位置にあるとき、基部3520は近位方向に動いて突出部3548が開口部3522に受けられるようにすることができない。係止突起3722のこのような構成により、また、突出部3548が互いに向かって内側方向に動くことを防止する。したがって、安全ロック3710がその第1位置にあるとき、自動注射器3002は作動しない。
安全ロック3710の第1端3712の外表面3724は、使用者が安全ロック3710を把持しやすくできる一連のリッジ(畝模様)3726を含む。安全ロック3710の第1端3712の外表面3724は、また、自動注射器3002の操作する際に使用者に指示をする印3728を含む。図25に示すように、印3728は、操作の順番を示す数字と安全ロック3710を動かす方向を示す矢印とを含む。いくつかの実施形態では、印3728は、様々な色、詳細な指示、またはその他の任意の使用者への指示に適した印を含んでもよい。他の実施形態では、印3728は、安全ロック3710を把持するときに安全ロック3710から突出して使用者を支援してもよい。
使用可能となった後、次に自動注射器3002は、図27の矢印Iに示すように基部3520を近位方向に筐体3110に向かって移動させることにより作動させることができる。図28および図36に示すように、基部3520は、筐体3110の遠位端3114に設けられた対応する取り付け突起3150を受ける2つの開口部3536を画定する。このようにして、筐体3110に対する基部3520の移動および/または位置合わせが、取り付け突起3150と開口部3536とにより案内される(図36参照)。
各取り付け突起3150は、その対応する開口部3536にロックワッシャ3534内に固定される。ロックワッシャ3534は、それぞれ取り付け突起3150の一部を受ける開口部3535を画定する。ロックワッシャ3534は、開口部3535が取り付け突起3150と揃うように基部3520により画定されたスロット3533内に配される。開口部3535は、ロックワッシャ3534が取り付け突起3150に対して近位方向に移動できるが、ロックワッシャ3534の取り付け突起3150に対して遠位方向の動きを防ぐよう構成される。このようにして、取り付け突起3150がロックワッシャ3534の開口部3535内に配されるとき、基部3520が固定して筐体3110に結合する。さらに、基部3520が筐体3110に対して近位方向に移動した後、ロックワッシャ3534は基部3520が元の位置にもどらないようにする。換言すると、ロックワッシャ3534の構成は、自動注射器3002が作動させられた後に基部3520が「跳ね返る」ことを防止する。
基部3520もまた、針開口部3532と、凹部3526と、2つの後退ばねポケット3531とを画定する。針開口部3532は、針ガードがその第1位置にあるとき針ガード3810の一部を受ける。加えて、自動注射器がその第3構成にあるとき(図37参照)、針3212は針開口部3532を通って伸展する。すでに述べたように、凹部3526は、鞘押さえ3840の対応する突起3856を受けて、針ガード3810を基部3520に取り外し可能に結合する。本明細書でさらに詳しく説明するように、後退ばねポケット3531は後退ばね3350の一部を受ける。
図28に示すように、基部3520は、基部が筐体3110に向かって近位方向に移動するとき、突出部3548の対応するテーパー状表面3550を受けるよう構成される開口部3522を画定する、2つの対向するテーパー状表面3524を含む。突出部3548がテーパー状開口部3522内に受けられると、図27の矢印Jが示すようにこれらは一緒に移動する。突出部3548の内側方向の移動により、ロッド3540がばね押さえ3570から離脱し、これによりロッド3540がばね3560が拡大するにつれて長手方向軸に沿って近位方向に移動できるようにする。以下、システムアクチュエータ3510に含まれる要素を、図29および図30を参照して詳細に説明する。
システムアクチュエータ3510は、ロッド3540と、ロッド3540の周囲に配されるばね3560と、ばね押さえ3570とを備える。本明細書でさらに詳しく説明するように、ばね押さえ3570は、ばね3560とロッド3540との両方を保持する。ばね押さえ3570は、第1表面3572と、第2表面3574と、一連の外側方向に延びる係合タブ3576とを含む。ばね押さえ3570は、係合タブ3576が筐体3110の内表面3123に係合して締まりばめが生じるよう、筐体3110(図36参照)により画定されたガス容器開口部3124内に配される。このようにして、ばね押さえ3570が筐体3110内に固定して配される。
ロッド3540は、近位端3542と遠位端3544とを有する。ロッド3540の遠位端3544は、互いに離れて配されてその間の開口部3554を画定する2つの伸展部3552を備える。各伸展部3552は、テーパー状表面3550を有する突出部3548と、係合面3549とを含む。ロッド3540が、その第1(または係合)位置にあるとき、係合面3549はばね押さえ3570の第2表面3574に係合してロッド3540がその長手方向軸に沿って近位方向に移動するのを防ぐ。すでに述べたように、基部3520が筐体3110に向かって近位方向に移動するとき、突出部3548のテーパー状表面3550は基部3520の対応するテーパー状表面3524と協働して伸展部3552を互いに向かって内側方向に移動させる。伸展部3552の内側方向の移動によって、係合面3549がばね押さえ3570の第2表面3574から離脱し、これによりロッド3540が第1位置から第2(または作動)位置の方に移動できるようにする。
ロッド3540の近位端3542は、第1表面3547と第2表面3546とを有する保持部3545を備える。保持部3545の第1表面3547は、圧縮ガス容器3412の遠位部3416に係合する。保持部3545の第2表面3546は、ばね3560の近位端3562に係合する。同様に、ばね押さえ3570の第1表面3572は、ばね3560の遠位端3564に係合する。このようにして、ロッド3540がその第1位置にあるとき、ばね3560は、ばね押さえ3570とロッド3540の保持部3545との間で圧縮されてよい。したがって、ロッド3540はばね押さえ3570から離脱し、ばね3560によりロッド3540の保持部3545に与えられた力は、ロッド3540を近位方向にその第2位置へと動かす。
ロッド3540の近位端3542は、固定部材3588により圧縮ガス容器3412の遠位端3416に固定されたコネクタ3580により圧縮ガス容器3412に結合される。コネクタ3580は、近位端3582と遠位端3584とを備える。コネクタ3580の遠位端3584は、伸展部3552の間に画定された開口部3554内に配される。このようにして、コネクタ3580は、ロッド3540の近位端3542によって保持される。以下でさらに詳細に説明するように、コネクタ3580の遠位端3584は、固定タブ3587を含む。
コネクタ3580の近位端3582は、圧縮ガス容器3412の遠位端3416と係合する係合部3586を備える。係合部3586は、例えばシュリンクラップ、ゴムバンド、またはその他などであってもよい固定部材3588により圧縮ガス容器3412に結合される。他の実施形態では、係合部3586は、圧縮ガス容器3412との締まりばめを形成し、これにより固定部材3588を不要としてもよい。
ロッド3540が圧縮ガス容器3412に結合されているので、ロッド3540はその第1(係合)位置から第2(作動)位置へと移動され、圧縮ガス容器3412は筐体3110内を近位方向に移動されてガス放出メカニズム3612と係合する。図31は、圧縮ガス容器3412がガス放出メカニズム3612と係合する第2構成における自動注射器を示す。第2構成にあるとき、圧縮ガス容器3412に収容される圧縮ガスが放出されて薬剤注射器3210を作動させる。以下、図32から図36を参照して、ガス放出プロセスをより詳細に説明する。
図32は、システムアクチュエータ3510、圧縮ガス容器3412、およびガス放出メカニズム3612の分解組立図であり、これらはそれぞれ筐体3110により画定されたガス容器開口部3124内に配されている(図36参照)。図に示すように、圧縮ガス容器3412、システムアクチュエータ3510、およびガス放出メカニズム3612は、実質的に互いに同軸に配されている。すでに述べたように、自動注射器3002が作動されると、図32の矢印Kにより示されるように、圧縮ガス容器3412は筐体3110により画定されるガス容器開口部3124内を圧縮ガス容器3412の近位端3414がガス放出メカニズム3612に係合するまで近位方向に移動する。
図33および34に示すように、ガス放出メカニズム3612は、キャップ3630と、キャップ3630に結合されてその内部に配される穿刺要素3620とを備える。穿刺要素は、近位端3622と遠位端3624とを有する。穿刺要素3620の遠位端3624は、圧縮ガス容器3412の近位端3414を穿刺するよう構成される尖った先端3626を画定する。穿刺要素3620は、その遠位端3624から近位端3622へ延びる開口部3627を画定する。
キャップ3630は、近位端3632と、外表面3635と、内表面3636とを有する。キャップ3630の内表面3636は、自動注射器3002がその第2構成にあるとき圧縮ガス容器3412の近位端3414を受ける開口部3634を画定する。キャップ3630の近位端3632は、その中を通る開口部3638と開口部3638と流体的に連通する流路3640とを画定する。開口部3638は、穿刺要素3620の近位端3622を受けて穿刺要素3620をキャップ3630に結合する。穿刺要素3620は、圧縮ガス容器3412が開口部3634内に移動したとき、穿刺要素3620の遠位端3624が圧縮ガス容器3412の近位端3414を穿刺するように、キャップ3630内に配される。
キャップ3630は、キャップ3630の外表面3635が筐体3110の内表面3123に係合するように、ガス容器開口部3124内に配される。いくつかの実施形態では、キャップ3630の外表面3635は、筐体3110の内表面3123と間にの締まりばめが形成されるような大きさであってもよい。他の実施形態では、キャップ3630は、接着剤またはその他の任意の適した取り付けメカニズムを用いてガス容器開口部3124内に固定して結合されてもよい。
キャップ3630は、流路3640が筐体3110により画定されたガス通路3126と揃いこれと流体的に連通するように、ガス容器開口部3124内で方向づけられる。さらに、このようにして方向づけられる場合、キャップ3630の近位端3632の突起3642が貫通孔として形成されてもよいガス通路3126の一部をふさぎ、ガス通路3126を筐体3110の外部の領域から流体的に隔離する。圧縮ガス容器3412の近位端3414が穿刺された後、加圧ガスが、圧縮ガス容器3412からガス通路3126へ、穿刺要素3620により画定される開口部3627とキャップ3630の近位端3632により画定される流路3640とを通って流れる。
キャップ3630の内表面3636は、開口部3638内の圧縮ガス容器3412の近位端3414を密閉するよう構成される。この構成により、圧縮ガス容器3412の近位端3414が穿刺された後に圧縮ガス容器3412の周囲から筐体3110の外部の領域へ加圧ガスが漏れるのを防止する。いくつかの実施形態では、内表面3636は、圧縮ガス容器3412と間に締まりばめが形成されるような大きさであってもよい。他の実施形態では、キャップ3630は、開口部3638内の圧縮ガス容器3412の近位端3414を密閉する、例えばO−リングなどの別の密閉部材を含む。
圧縮ガス容器3412がガス放出メカニズム3612と係合するよう移動された後、ガス容器開口部3124内の圧縮ガス容器3412の位置は、コネクタ3580上の固定タブ3587により維持される。図29に示すように、各固定タブ3587は、コネクタ3580から外向きに角度のついた尖状部を含む。この構成により、コネクタ3580は筐体3110のガス容器開口部3124内を近位方向に移動することができるが、コネクタ3580の筐体3110のガス容器開口部3124内の遠位方向への移動は防止される。換言すると、固定タブ3587の構成により、加圧ガスが放出されて加圧ガスにより生じる力に晒されたときに圧縮ガス容器3412が「跳ね返る」ことを防止する。
上述のように、圧縮ガス容器3412から放出された加圧ガスにより、可動部材3312の面3322を含むガスチャンバ3120の境界上に力が生じる。この力により、可動部材3312と薬剤注射器3210とが、矢印Lに示すように共に遠位方向に筐体3110内を移動し、図37に示すように自動注射器3002を第3構成にする。第3構成において、針3212の遠位端3214は、基部3520により画定された開口部3532を通って、自動注射器3002の外部の領域に配される。さらに、図38に示すように、自動注射器3002が第3構成にあるとき、針3212の近位端3216は薬剤容器3210の遠位端3266から間隔をおいたままとなり、針3212が薬剤容器3210から流体的に分離されたままとなることを確実にする。このようにして、自動注射器3002がその第2構成(図31)と第3構成(図37)との間を移動する際に、挿入が完了するまで薬剤を注射することなく針3212を患者に挿入することができる。以下、薬剤注射器3210および可動部材3312について、図37から図42を参照してより詳細に説明する。
上述のように、薬剤注射器3210は、キャリア3250と、薬剤容器3262と、針3212とを備える。キャリア3250は、下部3222と、上部3252とを有する。キャリア3250の下部3222は、針3212を収容する針ハブ3223を備える。キャリア3250の下部3222は、また、薬剤容器3262の遠位部3266を受けるよう構成される開口部3224を画定する。図39に示すように、針3212は、針3212の近位端3216が開口部3224内に配されて針3212の遠位端3214が針ハブ3223から外へ向かって遠位方向に伸展するよう、針ハブ3223に結合される。
開口部3224を画定する下部3222の内表面3228は、突起3226を含む。突起3226は、薬剤容器3262の遠位部3266に配された密閉キャップ3270により画定される対応する凹部3272(図42参照)と係合して、針3212の近位端3216が薬剤容器3210の遠位端3266から間隔を置いて配されるように薬剤容器3262を開口部3224内に固定するよう構成される。突起3226および凹部3272は、所定の値を上回る力が加えられたときに突起3226が凹部3272から離脱するよう構成される。換言すると、突起3226および凹部3272は、あわせて取り外し可能なスナップ部を形成し、これにより、薬剤容器3262は、所定の値を上回る力が薬剤容器3262に加えられたときに、開口部3224内を移動することができるようになる。この構成により、挿入操作の間、針3212が薬剤容器3262から流体的に隔離されたままとなることを確実にする。
下部3222の外表面3236は、突起3238を含む。上述のように、突起3238は、鞘3820の開口部3826内の対応する凹部3828と係合して(図23参照)、鞘3820を針ハブ3223に取り外し可能に結合するよう構成される。
キャリア3250の下部3222は、また、それぞれ後退ばね3350の近位端3352を受ける2つの後退ばねポケット3242を画定する。上述のように、各後退ばね3350の遠位端3354は、基部3520により画定された後退ばねポケット3531内に保持される。図38に示すように、キャリア3250が筐体3110内を遠位方向に移動するとき、後退ばね3350は圧縮されてキャリア3250を筐体3110の近位部3112に向かって付勢する。
キャリア3250の上部3252は、薬剤容器3262の近位部3264を受けるよう構成される開口部3256を画定し、2つの弁アクチュエータ3254を含む。本明細書においてさらに詳しく説明するように、弁アクチュエータ3254は、ガス開放弁3328を係合して、注射が完了するとガスチャンバ3120内に収容される加圧ガスが脱出できるよう構成される。
キャリア3250の上部3252は、4つのガス開放通路3258を画定する。同様に、キャリア3250の下部3222は、4つのガス開放通路3244を画定する。加圧ガスがガスチャンバ3120から放出されると、ガス開放通路3258、3244は、流体パスを設けて、加圧ガスがガスチャンバ3120から筐体3110の外部の領域へ流れることができるようにする。
すでに述べたように、可動部材3312は、近位端3316と遠位端3318とを含む。遠位端3318は、図42に示すようにピストンが薬剤容器3262内に収容されたプランジャ3284に係合するように薬剤容器3262の近位部3264内に配されたピストン3324を含む。
近位端3316は、ガスチャンバ3120の境界の一部を画定する面3322を含む。図41に示すように、近位端3316は、これを通る2つの開口部3326を画定し、各開口部は、ガスチャンバ3120とガスチャンバ3120の外の筐体3110の内部との間を流体的に連通する。近位端3316は、さらに、例えば柔軟性のあるゴム部材であってもよいガス開放弁3328を受けるスロット3330を画定する。ガス開放弁3328は、スロット3330内に開口部3326に隣接するよう配置されて、開口部3326を通じてガスチャンバ3120とガスチャンバ3120の外部の領域を選択的に流体的に連通可能とする。以下、ガス開放弁3328の操作をより詳細に説明する。
可動部材3312の近位端3316は、また、筐体3110の内表面3122の一部に係合して(図36参照)ガスチャンバ3120を流体的に分離するシール3314を含む。シール3314はO−リングシールとして示されているが、いくつかの実施形態では、シールは独立した要素である必要はなく、可動部材3312の近位端3316の一部であってもよい。
針挿入操作が完了すると、キャリア3250の下部3222は基部3520と係合して、キャリア3250が筐体内をさらに遠位方向に移動することを防ぐ。キャリア3250の遠位方向への移動が対抗されるので、加圧ガスが可動部材3312の面3322に加える力は、キャリア3250の下部3222の突起3226と薬剤容器3262の密閉キャップ3270により画定される凹部3272とが離脱するまで増加する。したがって、薬剤容器3262はキャリア3250に対して遠位方向に移動して、図43に示すように自動注射器3002を第4構成にする。第3構成(図38)と第4構成(図43)の間を移動するとき、針3212の近位端3216は、薬剤容器3262の遠位部3266に配された密閉キャップ3270とライナー3271とを穿孔する。そのため、第4構成にあるとき、針3212の近位端3216は、薬剤容器3262と流体的に連通し、これにより薬剤が注射可能となる。
針3212が薬剤容器3262と流体的に連通すると、加圧ガスからの力により、矢印Mによって示すように可動部材3312のピストン3324が薬剤容器3262内のプランジャ3284を動かし、これにより薬剤を針3212を通って発射する。ピストン3324とプランジャ3284とは、薬剤容器3262内の所定の距離を移動し、図44に示すように自動注射器3002を第5構成にする。自動注射器3002が第5構成にあるとき、薬剤の注射が完了する。
自動注射器3002がその第5構成にあるとき、可動部材3312の近位部3316がキャリア3250の上部3252と接触し、これによりピストン3324がさらに薬剤容器3262内を移動することを防止することができる。このようにして、ピストン3324が移動する距離、ひいては注射される薬剤の量を制御することができる。
加えて、自動注射器3002がその第5構成にあるとき、弁アクチュエータ3254は弁アクチュエータ3254がガス開放弁3328を転移させるように開口部3326に配される。したがって、ガスチャンバ3120に収容された加圧ガスがガスチャンバ3120からガスチャンバ3310の外部の筐体3310内の領域へ流れることができる。上述のように、ガス開放通路3258、3244は、流体パスを設けて、加圧ガスがガスチャンバ3120から基部3520により画定された開口部3532を通って筐体3110の外部の領域へ流れることができるようにする。
加圧ガスがガスチャンバ3120から流れ出るとき、可動部材3312の面3322に加えられる圧力が減少する。したがって、後退ばね3350により与えられる力は、薬剤注射器3210と可動部材3312とを筐体3110内を矢印Nに示すように近位方向に、図45に示すように第6(または後退)構成へと移動させるに十分である。薬剤注射器3210および可動部材3312は一緒に移動するため、弁アクチュエータ3254は、自動注射器3002が第6構成に移動する際に開口部3326内に配されたままとなる。このようにして、ガス開放弁3328は変位したままとなり、開口部3326ガスチャンバ3120および可動部材3312の位置とは独立したガスチャンバ3310の外の筐体3310内の領域と流体的に連通したままとなる。このような構成により、加圧ガスが全てガスチャンバ3120から流れ出すことが確実になり、したがって、薬剤注射器3210と可動部材3312とが第6構成に戻って針3212の筐体3110内への後退が不完全となりうる第6構成と第5構成との間でゆれることがないことを確実にする。
自動注射器3002は実質的に長方形形状の筐体3110を有するものとして示され説明されてきたが、いくつかの実施形態では、自動注射器の筐体の形状はどのようなものであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、自動注射器は実質的に円筒形形状であってもよい。他の実施形態では、例えば、自動注射器は、でこぼこしたおよび/または非対称の形状であってもよい。
自動注射器3002は、筐体3110の遠位端3114に配されて使用者による筐体3110の把持と保持に役に立つ突起3142を含むものとして示し説明してきたが、いくつかの実施形態では、突起は筐体に沿っていればどこに配されてもよい。他の実施形態では、突起は、筐体の遠位部を対称的に取り囲んでもよい。さらに他の実施形態では、自動注射器の筐体は、使用者による筐体の把持と保持に役に立つよう構成される把持部を含んでもよい。把持部は、例えば、ざらざらした表面、起伏のある表面、使用者の手などに接着する粘着面を形成する接着剤を有する表面を含んでもよい。
自動注射器3002の特定の要素は、突起と合わせ凹部(mating recess)を介して結合されるものとして示し説明している。突起および/または凹部は、結合されるどの要素に配されてもよく、特定の要素のみに限る必要はない。例えば、基部3520は筐体3110の遠位端3114の対応する取り付け突起3150を受ける2つの開口部3536を画定するものとして示される。しかしながら、いくつかの実施形態では、突起は基部に配され、合わせ凹部は筐体の遠位端により画定されてもよい。他の実施形態では、2つ以上の要素は、任意の適した方法で結合されてもよく、突起および合わせ凹部を含む必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、2つ以上の要素は、合わせ肩(mating shoulder)、クリップ、接着剤などを介して結合されてもよい。
同様に、自動注射器3002の特定の要素は複数の独立した要素から構成されるものとして示され説明されているが、いくつかの実施形態では、このような要素はモノリシックに構成されてもよい。例えば、キャリア3250は、個別に構成されたのち結合される上部3252と下部3222とを含むものとして示し説明している。他の実施形態では、キャリアはモノリシックに構成されてもよい。
自動注射器3002の基部3520は、筐体3110の遠位端3114のほぼ全体を覆うものとして示され説明されてきたが、いくつかの実施形態では、自動注射器を作動させるよう構成される基部は、筐体の遠位端の一部の周囲のみに配されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、自動注射器は、システムアクチュエータに係合してこれを解除するよう構成される筐体の遠位端から進展するボタンを含んでもよい。
ロッド3540は、弾性的に変形されることによって解放される細長い部材として示し説明しているが、いくつかの実施形態では、ロッドは、任意の適した形状であってよく筐体内の任意の適した方向を向いていてよい。さらに、いくつかの実施形態では、ロッドは、塑性変形されることによって解放されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ロッドは、エネルギー蓄積部材の長手方向軸からずれた軸に沿って配されてもよい。いくつかの実施形態では、ロッドは、作動すると壊れるよう構成されてもよい。
ガス放出メカニズム3612は、圧縮ガス容器3262の一部を穿刺する穿刺要素3620を含むものとして示し説明しているが、ガス放出メカニズム3612は穿刺要素3620を含まなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ガス放出メカニズムは、圧縮ガス容器からのガスの流出を制御する弁を作動させるよう構成されるアクチュエータを備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、圧縮ガス容器はばねで留められたチェックボールを備えてもよく、ガス放出メカニズムはチェックボールと係合しこれを押下して加圧ガスを圧縮ガス容器から放出するよう構成されるアクチュエータを備えてもよい。
ピストン3324が移動する距離ひいては注射される薬剤の量は、自動注射器3002が第5構成にあるときに可動部材3312がキャリア3250の上部3252と接触するよう可動部材3312を構成することにより制御されるものとして示し説明しているが、他の実施形態では、任意の適したピストン移動制御の方法を採用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ピストン移動は、薬剤容器内に薬剤容器内のピストンの動作を制限するネック部などの突起を含めることにより制限されてもよい。他の実施形態では、筐体は、可動部材の動作を制限する突起を含んでもよい。さらに別の実施形態では、弁アクチュエータは、ピストンが薬剤容器内で所定の距離を移動するとガス開放弁を作動させるよう構成される。さらに別の実施形態では、上記各ピストン移動制御方法の組合せを採用してもよい。
自動注射器3002は、互いに異なる6つの構成を有するものとして示し説明しているが、いくつかの実施形態では、自動注射器の特定の構成が別の構成と同じであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、「作動前」構成は「後退」構成と同じであってもよい。他の実施形態では、上記のいずれの機能も、自動注射器が任意の数の異なる構成間を移動したときに実現されてよい。
自動注射器3002は、圧縮ガスボンベ3412を備えるものとして示し説明しているが、他の実施形態では、自動注射器は、任意の適したエネルギー蓄積部材を備えてよい。例えば、いくつかの実施形態では、自動注射器は、ばねなどの機械的エネルギー蓄積部材、バッテリーまたはキャパシタなどの電気的エネルギー蓄積部材、エネルギーを生じるために反応可能な2つの物質を収容する容器などの化学的エネルギー蓄積部材、磁気エネルギー蓄積部材、その他を含んでもよい。同様に、自動注射器3002は、ガス放出メカニズム3612を含むものとして示し説明しているが、他の実施形態では、自動注射器は、任意の適したエネルギー解放メカニズムを含んでもよい。このようなエネルギー解放メカニズムは、例えば、電気回路、機械的ばね押さえ、流体制御弁、その他を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、装置は、薬剤送達装置および/または模擬薬剤送達装置に結合されるよう構成されるラベルを備える。ラベルは、第1表面と第2表面とを備える。第1表面は、薬剤送達装置および/または模擬薬剤送達装置の外表面に結合されるよう構成される。いくつかの実施形態では、例えば、第1表面は接着剤を含んでもよい。第2表面は、例えば、薬剤送達装置の説明、薬剤送達装置の製造業者または販売業者を示すマーク、および/または薬剤送達装置の使用に関連付けられた指示などの文字による印を含む。ラベルは、さらに、電子信号を出力するよう構成される電子回路システムを備える。いくつかの実施形態では、電子信号は、薬剤送達装置および/または模擬薬剤送達装置の使用に関連付けられた指示を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、装置は、薬剤送達装置および/または模擬薬剤送達装置に結合されるよう構成されるプリント配線板を備える。プリント配線板は、回路基板とこの回路基板上に配された導体とを含む。回路基板は、アクチュエータを受けるよう構成される作動部を含む。アクチュエータは、回路基板の作動部を変形させ、これにより導体を分離するよう構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、薬剤送達装置および/または模擬薬剤送達装置に結合されるよう構成されるプリント配線板を備える。プリント配線板は、回路基板とこの回路基板上に配された導体とを備える。回路基板は、アクチュエータを受けるよう構成される作動部を備える。回路基板の作動部は、導体に隣接する開口部を画定し、この開口部はアクチュエータを受けるよう構成される。アクチュエータは、回路基板の作動部の表面によって画定される面に実質的に平行に移動して回路基板の作動部に裂け目を入れ、これにより導体を切断するよう構成される。いくつかの実施形態では、開口部は、裂け目を所定の方向に広げるよう構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、装置は、薬剤を体内に送達するよう構成される薬剤送達装置を含む。薬剤送達装置は、例えばペン型注射器、自動注射器、吸入器、または経皮的送達装置であってもよく、電子回路システムと係止部材とを備える。電子回路システムは、薬剤送達装置の使用に関連付けられた電子信号を出力するよう構成される。いくつかの実施形態では、電子信号は、例えば録音された音声であってもよい。係止部材は、薬剤が体内に送達されるのを防ぐよう構成される。係止部材は、電子回路システムを作動させるよう構成されるアクチュエータを含む。
いくつかの実施形態では、装置は、薬剤を体内に送達するよう構成される薬剤送達装置を含む。薬剤送達装置は、電子回路システムと係止部材とを含む。電子回路システムはスイッチを備え、このスイッチが第1状態から第2状態へ動かされると信号を出力するよう構成される。係止部材は、第1位置にあるときは薬剤が体内に送達されるのを防ぐよう構成され、第2位置にあるときは薬剤を体内に送達できるよう構成される。係止部材の一部は、係止部材が第1位置から第2位置へ移動すると、スイッチを第1状態から第2状態に動かすよう構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、薬剤を収容するよう構成される筐体と、柔軟性のあるプリント配線板と、エネルギー蓄積部材と、ラベルとを含む。柔軟性のあるプリント配線板は、筐体の外表面に配され、第1電気接触部と第2電気接触部とを含む。ラベルは、柔軟性のあるプリント配線板と筐体とに結合され、エネルギー蓄積部材の第1表面を第1電気接触部と電気的連通状態に維持し、エネルギー蓄積部材の第2表面を第2電気接触部と電気的連通状態に維持するよう構成される。エネルギー蓄積部材は、例えばバッテリーであってよい。
いくつかの実施形態では、方法は、例えば自動注射器または自動注射模擬器などの、薬剤送達装置および/または模擬薬剤送達装置を組立てるステップを含む。その後、電子回路システムが薬剤送達装置および/または模擬薬剤送達装置の外表面に配される。そして、ラベルが、ラベルが電子回路システムの一部の周囲に配されるよう、薬剤送達装置および/または模擬薬剤送達装置に結合される。
いくつかの実施形態では、装置は、例えばペン型注射器、自動注射器、吸入器その他などの複数の薬剤送達装置を収容するよう構成される内部領域を画定する容器を備える。容器は、容器の内部領域から第1薬剤送達装置が取り外されると内部領域に収容される第1薬剤送達装置に関連付けられた第1電子出力を出力するよう構成される電子回路システムを備える。電子回路システムは、さらに、容器の内部領域から第2薬剤送達装置が取り外されると内部領域に収容される第2薬剤送達装置に関連付けられた第2電子出力を出力するよう構成される。第2電子出力は、第1電子出力とは異なる。第1電子出力および第2電子出力の少なくとも一方が、第1薬剤送達装置および/または第2薬剤送達装置の使用説明と関連付けられる。
いくつかの実施形態では、装置は、複数の薬剤送達装置を収容するよう構成される内部領域を画定する容器を備える。容器は、容器の内部領域から第1薬剤送達装置が取り外されると内部領域に収容される第1薬剤送達装置に関連付けられた第1電子出力を出力するよう構成される電子回路システムを備える。第1薬剤送達装置は、第1薬剤送達装置の内容物、第1薬剤送達装置の使用期限、第1薬剤送達装置の投薬量、および第1薬剤送達装置に関連付けられた使用説明、の少なくとも1つに関連付けられた信号を出力するよう構成されるラベルを備える。このようにして、第1電子出力を電子回路システムによって受信される信号と関連付けることができる。電子回路システムは、さらに、容器の内部領域から第2薬剤送達装置が取り外されると内部領域に収容される第2薬剤送達装置に関連付けられた第2電子出力を出力するよう構成される。第2電子出力は、第1電子出力とは異なる。第1電子出力および第2電子出力の少なくとも一方が、第1薬剤送達装置および/または第2薬剤送達装置の使用説明と関連付けられる。
いくつかの実施形態では、キットは、薬剤送達装置と容器とを備える。容器は、薬剤送達装置を収容するよう構成される内部領域を画定する。容器は、可動部と、電子回路システムと、第1スイッチと、第2スイッチとを備える。可動部は、可動部が容器の内部領域を覆う第1位置と、容器の内部領域が容器の外部の領域に露出される第2位置とを有する。第1スイッチは、可動部がその第1位置と第2位置との間を移動するとき第1状態と第2状態との間を移動するよう構成される。第1スイッチは、第1スイッチがその第1状態から第2状態へ移動されると電子回路システムが第1電子出力を出力するよう構成されるように、電子回路システムに動作可能に結合される。第1電子出力は、例えば視覚出力、可聴出力、または触覚出力であってもよい。第2スイッチは、薬剤送達装置が容器の内部領域から取り外されるとき第1状態と第2状態との間を移動するよう構成される。第2スイッチは、第2スイッチがその第1状態から第2状態へ移動されると電子回路システムが第2電子出力を出力するよう構成されるように、電子回路システムに動作可能に結合される。薬剤送達装置を使用するための指示を含む第2電子出力は、例えば、視覚出力(例えば薬剤送達装置の適切な使用を示すビデオ)、可聴出力(例えば使用の指示を与える録音音声)、または触覚出力(例えば特定のアイテムの位置を示す振動)であってもよい。
いくつかの実施形態では、装置は、容器と、保持具と、電子回路システムとを備える。容器は、例えばペン型注射器などの薬剤送達装置の少なくとも一部を収容するよう構成される内部領域を画定する。保持具は、容器に移動可能に結合されて、薬剤送達装置の一部を容器により画定された内部領域内に保持するよう構成される。電子回路システムは、保持具が容器に対して動かされたとき第1電子出力を出力し、薬剤送達装置が内部領域から取り外されたとき第2電子出力を出力するよう構成される。第1電子出力および第2電子出力の少なくとも1つは、薬剤送達装置の使用指示と関連付けられている。
いくつかの実施形態では、装置は、容器と、保持具と、電子回路システムと、ラベルとを備える。容器は、例えばペン型注射器などの薬剤送達装置の少なくとも一部を収容するよう構成される内部領域を画定する。保持具は、容器に移動可能に結合されて、薬剤送達装置の一部を容器により画定された内部領域内に保持するよう構成される。ラベルは、薬剤送達装置に結合されて薬剤送達装置に関連付けられた情報を機械可読フォーマットで含むよう構成される。電子回路システムは、保持具が容器に対して動かされたとき第1電子出力を出力し、薬剤送達装置が内部領域から取り外されたとき第2電子出力を出力するよう構成される。電子回路システムは、さらに、第1電子出力および/または第2電子出力の情報の少なくとも一部を含むラベルに含まれた情報を受信するよう構成される。第1電子出力および第2電子出力の少なくとも1つは、薬剤送達装置の使用指示と関連付けられている。
いくつかの実施形態では、装置は、模擬薬剤送達装置と、この模擬薬剤送達装置に結合された電子回路システムとを備える。模擬薬剤送達装置は、例えば、ペン型注射器、自動注射器、吸入器および/または経皮的送達装置に関連付けられた見かけ、感触、および/または機能を模擬するよう構成されてもよい。電子回路システムは、模擬薬剤送達装置の使用に関連付けられた電子出力を出力するよう構成される。電子出力は、例えば、視覚出力、可聴出力、触覚出力、嗅覚出力、および/または味覚出力に関連付けられた信号を含んでもよい。さらに、電子出力は、例えば、模擬薬剤送達装置および/または薬剤送達装置の使用指示を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、装置は、薬剤送達装置と関連付けられた筐体と、電子回路システムとを備える。電子回路システムは、筐体に結合されている。筐体および電子回路システムは、協働して薬剤送達装置を模擬するよう構成される。電子回路システムは、薬剤送達装置の使用と関連付けられた触覚、聴覚、視覚、嗅覚、および/または味覚を模擬する電子出力を出力するよう構成される。
いくつかの実施形態では、キットは、薬剤送達装置と、模擬薬剤送達装置とを備える。模擬薬剤送達装置は、模擬薬剤送達装置および/または薬剤送達装置の使用と関連付けられた電子出力を出力するよう構成される電子回路システムを含む。
いくつかの実施形態では、キットは、薬剤送達装置と、模擬薬剤送達装置と、容器とを備える。容器は、薬剤送達装置と、模擬薬剤送達装置とを収容するよう構成される。模擬薬剤送達装置は、模擬薬剤送達装置および薬剤送達装置の少なくとも1つの使用と関連付けられた第1電子出力を出力するよう構成される電子回路システムを含む。容器は、電子回路システムを含む。容器の電子回路システムと模擬薬剤送達装置の電子回路システムとは、模擬薬剤送達装置および薬剤送達装置の少なくとも1つの使用と関連付けられた第2電子出力を協働して出力するよう構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、模擬薬剤送達装置に結合されるよう構成されるラベルを備える。ラベルは、第1表面と、第2表面と、電子回路システムとを備える。第1表面は、模擬薬剤送達装置の筐体に結合されるよう構成される。第2表面は、文字による印を含む。電子回路システムは、電子信号を出力するよう構成される。
図46および図47は、それぞれ、本発明の実施形態にかかる自動注射器7002の斜視図および部分切り欠け正面図である。自動注射器7002は、参照により本願に完全に組み込まれる2006年11月21日出願の「Devices,Systems and Methods for Medicament Delivery(薬剤送達用の装置、システム、および方法)」と題する米国特許出願番号11/562,061に記載の自動注射器に類似のものである。したがって、以下では、自動注射器7002の機械的要素および関連する操作の概観のみを述べる。
自動注射器7002は、ガスチャンバ7120を画定する筐体7110を備える。筐体7110は、近位端7112と遠位端7114とを有する。基部7520は、筐体7110の遠位端7114に移動可能に結合されている。安全ロック7710は、基部7520に取り外し可能に結合されている。以下でより詳細に説明するように、安全ロック7710が基部7520に結合されると、自動注射器7002は作動することができない。安全ロック7710が基部7520から取り外されると、基部7520は筐体7110に対して動くことができ、これにより自動注射器7002を作動させる。したがって、薬剤を体内に注射するためには、筐体7110の遠位端7114は、基部7520が注射が行われる身体の部位に接触するよう、使用者に向かって配される。そして基部7520は筐体7110の近位端7112に向かって動かされて、自動注射器7002を作動させる。
自動注射器7002は、薬剤注射器7210と、筐体7110内に非同軸に配されたシステムアクチュエータ7510とを備える。薬剤注射器7210は、複数の薬剤バイアル7262と、各薬剤バイアル7262内に移動可能に配されたプランジャ7284と、各プランジャ7284と係合する可動部材7312と、針7212とを備える。基部7520の一部と筐体7110内とに配された後退ばね7350は、注射の後筐体7110内に針7212を押し返すことができる。システムアクチュエータ7510は、圧縮ばね7560と、圧縮ガスボンベ7412と、圧縮ガスボンベ7412の内容物を消散させる穿刺メカニズム7612とを含む。
使用にあたっては、自動注射器7002が作動させられるとき、穿刺メカニズム7612が圧縮ガスボンベ7412を穿刺して加圧ガスがガスチャンバ7120内に流れ込めるようにする。加圧ガスによって可動部材7312に生じる力に応じて、可動部材7312は筐体7110内を遠位方向に移動する。その結果、針7212は筐体7110を通って伸展する。可動部材7312の移動は、また、プランジャ7284がバイアル7262内を移動するようにし、これにより薬剤をバイアル7262から発射する。
自動注射器7002は、自動注射器7002の使用中に所定の電子出力シーケンスを与える電子回路システム7920を備える。電子回路システム7920はバッテリー(図46および図47には図示せず)により駆動され、プロセッサ(図46および図47には図示せず)と、スタートボタン7970と、2つのスイッチ7972Aおよび7972Bと、近接センサ7974、2つの視覚出力装置7958Aおよび7958Bと、音声出力装置7956とを備える。電子回路システム7920の要素は、例えば導電性の配線を有するプリント配線板(図46および図47には図示せず)などの、任意の適したメカニズムにより動作可能に結合される。
スタートボタン7970は、筐体7110の近位端に配されて、使用者により手作業で作動させて電子出力のシーケンスを開始することができる。第1スイッチ7972Aは、基部7520および係止部材7710に隣接する筐体7110の遠位部7114に配される。係止部材7710は、係止部材7710が取り外されると、図46に示すように、第1スイッチ7972Aが状態を変化させるように、第1スイッチ7972Aと係合するよう構成される。このようにして、係止部材7710の除去により、プロセッサによる所定の電子出力の出力を開始させる。
同様に、第2スイッチ7972Bは、薬剤注射器7210に隣接する筐体7110に配される。薬剤注射器7210は、薬剤注射器7210が筐体7110内で遠位方向に動かされると、第2スイッチ7972Bが状態を変化させるように、第2スイッチ7972Bと係合するよう構成される。このようにして、プロセッサは、薬剤注射器7210の位置に基づいた所定の電子出力を出力するよう促される。
近接センサ7974は基部7520に配され、基部7520が本体に係合すると出力を生成するよう構成される。近接センサは、例えば、温度センサ、光センサ、またはその他であってもよい。このようにして、プロセッサは、基部7520が本体に対抗して配置されたとき、所定の電子出力を出力するよう促される。
第1視覚出力装置7958Aは、係止部材7710に配される。同様に、第2視覚出力装置7958Bは、筐体7110の外表面7111に配される。視覚出力装置7958Aおよび7958Bは、プロセッサと電子的に連通しており、プロセッサにより出力された電子信号に応じて出力を生成するよう構成される。視覚出力装置7958Aおよび7958Bは、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)画面、光学ポリマー、光ファイバー要素、またはその他などの任意の適した視覚的な印であってよい。いくつかの実施形態では、視覚出力装置7958Aおよび7958Bは、ラベル7910により筐体7110および/または係止部材7710に結合されてもよい。
音声出力装置7956は、筐体7110の外に音を出せるように、筐体7110内に配されている。音声出力装置7956は、マイクロスピーカ、圧電変換器、またはその他などの任意の音声を出すのに適した装置であってよい。このような音声出力は、例えば、アラーム音、一連のビープ音、録音された音声またはその他を含んでよい。音声出力装置7956は、プロセッサと電子的に連通しており、プロセッサにより出力される電子信号に応答して出力を生成するよう構成される。
使用にあたっては、使用者は、スタートボタン7970を押してプロセッサを起動することにより電子回路システムを起動し、これによりプロセッサが所定の電子出力のシーケンスを出力するようにする。いくつかの実施形態では、スタートボタン7970は、プロセッサに入力を与えることによりプロセッサを起動することができる。他の実施形態では、スタートボタン7970は、バッテリー(図46および図47には図示せず)をプロセッサと電子的に連通させることによりプロセッサを起動することができる。
いくつかの実施形態では、起動の際、プロセッサは音声出力装置7956に電子信号を出力してもよく、これにより使用者に自動注射器7002の使用方法を指示する第1電子出力を生成する。このようなメッセージは、例えば「安全タブを取り外してください。」などと表示されてもよい。加えて、第1視覚出力装置7958Aは、光を点滅させてさらに使用者に係止部材7710が配されている位置を示してもよい。プロセッサは、係止部材7710が所定の期間内に取り外されない場合には、第1可聴指示を繰り返すよう構成されてもよい。
使用者が係止部材7710を取り外すと、第1スイッチ1912Aが状態を変化させて、これにより、プロセッサに使用者への第2指示を与える電子出力の出力を行わせる。第2指示は、例えば、使用者に「装置の基部を大腿部の外側にあててください」という指示を出す可聴音声出力であってもよい。第1視覚出力装置7958Aは、この可聴指示の間に光を出力してもよく、これにより、基部7520の位置および/または基部7520のどの部分を大腿部に配すればよいのかを視覚的に示す。
使用者が基部7520を身体に配すると、近接センサ1974がプロセッサに入力を行い、これにより、プロセッサに使用者への第3指示を与える電子出力の出力を行わせる。第3指示は、例えば、使用者に「装置の上部を押して注射器を起動してください」という指示を出す可聴音声出力であってもよい。
注射が完了すると、薬剤注射器7210は、第2スイッチ7972Bと係合するよう構成され、これにより、プロセッサに使用者への第4指示を与える電子出力の出力を行わせる。このような使用後説明書は、例えば、使用者にさらに医学的配慮を行うよう指示し、自動注射器7002そのほかを安全に廃棄する指示を出す可聴音声出力であってもよい。
図48は、自動注射器7002の電子回路システム7920の模式的説明図である。電子回路システム7920は、記憶装置7954に動作可能に結合されたプロセッサ7950を含む。記憶装置7954は、プロセッサ7950に上記の機能を実行するよう指示するプロセッサ可読コード7955を格納するよう構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ可読コード7955は、状況に応じて修正および/または更新されてもよい。電子回路システム1920は、スイッチ7972Aおよび7972Bからの電子入力を受信するよう構成される入力/出力装置7952と、近接センサ7974と、および/またはスタートボタン7970とを備える。入力/出力装置7952は、また、視覚出力装置7958Aおよび7958Bならびに音声出力装置7956など各種の出力装置に電子信号を与えるよう構成される。
電子回路システム7920は、また、電子回路システム7920を通信ネットワークに結合するよう構成されるネットワークインターフェース7953を備える。このような構成は、例えば替わりのプロセッサ可読コード7955を中央ネットワーク(示さず)から記憶装置7954にダウンロードするために用いることができる。ネットワークインターフェース7953は、また、電子回路システム7920から中央ネットワーク、使用者のホームコンピュータ、使用者の携帯電話その他へ情報を送信するよう構成される。
図49は、本発明の実施形態にかかる医療機器8002の模式的説明図である。例えば、自動注射器、ペン型注射器、吸入器、経皮的送達システムその他などの薬剤送達装置であってよい医療機器8002は、筐体8110とラベル8910とを備える。ラベル8910は、筐体8110の外表面8111に結合される。ラベル8910は、第1表面8912と、第2表面8914と、電子回路システム8920とを備える。第1表面8912は、筐体8110の外表面8111に係合してラベル8910を筐体8110に結合するよう構成される。いくつかの実施形態では、第1表面8912は、ラベル8910を筐体8110に固定して結合する接着剤を含んでもよい。第2表面8914は、文字による印8916を含む。文字による印8916は、例えば、薬剤送達装置の説明、薬剤送達装置のソースおよび/または薬剤送達装置の使用に関連付けられた指示を含んでもよい。第1表面8912は第2表面8914の反対側にあるものとして示されているが、他の実施形態では、第1表面8912と第2表面8914とは互いに隣接していてもよくおよび/または同一平面上にあってもよい。
電子回路システム8920は、電子信号を出力するよう構成される。以下でより詳細に説明するように、電子回路システム8920は。例えばプロセッサ、スイッチ、視覚出力装置および/または音声出力装置など、多くの要素を含んでもよい。電子信号は、例えば、例えば、視覚出力装置、音声出力装置、触覚出力装置その他などの出力装置に連通する電子信号であってもよい。いくつかの実施形態では、電子信号は、医療機器8002の初期使用に関連付けられた指示など、医療機器8002の一局面に関連付けられてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システム8920は、医療機器8002に配されたディスプレイ画面(示さず)にテキストメッセージを出力して医療機器8002の使用において使用者に指示を出してもよい。他の実施形態では、電子回路システム8920は、医療機器8002の使用において使用者に指示を出す録音された音声などの音声出力を生成することができる。
電子回路システム8920は第ラベル8910の2表面8914に配されるものとして示しているが、他の実施形態では、電子回路システムは、ラベル8910の第1表面8912に配されてもよい。さらに他の実施形態では、電子回路システム8920は、ラベル8910の第1表面8912と第2表面8914との間に配されてもよい。さらに別の実施形態では、ラベル8910は、電子回路システムの一部が内部に配される、互いに結合する複数の個別の層を含んでもよい。
図50は、本発明の実施形態にかかる自動注射器4002の斜視図である。自動注射器4002は、参照により本願に完全に組み込まれる2006年11月21日出願の「Devices, Systems and Methods for Medicament Delivery(薬剤送達用の装置、システム、および方法)」と題する米国特許出願番号11/562,061に記載の自動注射器に類似のものである。したがって、以下では、自動注射器4002の機械的要素および操作を詳細には説明しない。
自動注射器4002は、近位端4112と遠位端4114とを有する筐体4110を備える。筐体4110の遠位端4114は、自動注射器4002の使用時に使用者による筐体4110の把持および保持を支援する突起4142を備える。換言すると、突起4142は、自動注射器4002が使用時に使用者が把持している状態から滑り落ちることを防止するよう構成される。基部4520は、筐体4110の遠位端4114に移動可能に結合される。針ガードアセンブリ4810は、基部4520に取り外し可能に結合される。同様に、安全ロック4710は、基部4520に取り外し可能に結合される。薬剤を体内に注射するためには、筐体の遠位端4114は、基部4520が注射が行われる身体の部位に接触するように使用者の方を向く。そして、基部4520は、筐体4110の近位端4112の方に動かされて自動注射器4002を作動させる。
自動注射器4002は、筐体4110の外表面4111に結合されたラベル4910を備える。ラベル4910は、外部層4911と、中間層4980と、電子回路システム4920とを備える(図52〜図54参照)。図51は、中間層4980および電子回路システム4920がよりはっきりとわかるようにラベル4910の外部層4911を極めて細い線で示した、自動注射器4002の正面図である。図52〜図54に示すように、外部層4911は、いくつかの実施形態では、紙から作製されてもよく、第1表面4912と第1表面4912に対向する第2表面4914とを含む。複数の印4916は、第1表面4912に配される。印4916は、文字による印4916Aと2つの記号による印4916Bとを含む。文字による印4916Bは、薬剤送達装置を説明する、薬剤送達装置のソースを示す、および/または薬剤送達装置の使用における使用者に指示する文章であってよい。記号による印4916Bは、例えば、矢印、ポインタ、トレードマーク、薬剤送達装置の使用を説明するシンボル、その他を含んでよい。ラベル4910は、第1表面4912の一部に印4916が見えるように含むように、筐体4110の外表面4111に結合される。
外部層4911の第2表面4914の一部は、任意の適した方法で筐体4110の外表面4111に結合されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、外部層4911の第2表面4914は、外部層4911を筐体4110の外表面4111に接着するよう構成される接着剤を含む。外部層4911の第2表面4914のその他の部分は、中間層4980と電子回路システム4920の一部とに隣接する。このようにして、ラベル4910の外部層4911は、中間またはスペーサ層4980および電子回路システム4920を筐体4110の外表面4111に対して所定の位置に維持する。
ラベル4910の外部層4911は、音声出力装置4956に隣接する複数の開口部4917を含む。このようにして、音声出力装置4956により生成された音波が筐体4110の外部の領域へ送信されてもよい。同様に、ラベル4910の外部層4911は、発光ダイオード(LED)4958Aおよび4958Bに隣接する開口部4918を含み、使用者が視覚出力を見ることができるようにする。いくつかの実施形態では、ラベル4910の外部層4911は、LED4958Aおよび4958Bに隣接する透明部を含み、使用者が視覚出力を見ることができるようにしてもよい
電子回路システム4920は、マイクロプロセッサ4950と、2つのLED4958Aおよび4958Bと、2つのスイッチ4972Aおよび4972Bと、例えば抵抗器、キャパシタおよびダイオードなどの各種の電子構成要素4951とが搭載されたプリント配線板4922を備える。電子回路システム4920は、また、プリント配線板4922に隣接する筐体4110の外表面4111に結合された例えばマイクロスピーカなどの音声出力装置4956を備える。プリント配線板4922は、例えば銅配線などの一連の導体4934がエッチングされた回路基板4924を含む。回路基板4924は、例えばMylar(登録商標)、Kapton(登録商標)または含浸紙などの適した電気特性および機械的特性および柔軟性を有する任意の材料から構成されてよい。
マスク層(示さず)は、回路基板4924上に配されて、導体4934の選択された要素を隣接する要素から電気的に隔離する。導体4934は、上記の回路要素を所定の配列で動作可能に結合する。このようにして、電子回路システム4920は、自動注射器4002の使用中に、LED4958Aおよび4958Bならびに/または音声出力装置4956を介して、所定の電子出力のシーケンスを出力するよう構成されてもよい。
直列に接続された2つのバッテリー4962により、電力が電子回路システム4920に供給される。バッテリーは、例えば、3ボルトの「時計用」リチウムバッテリーであってもよい。図54に示すように、バッテリー4962は、それぞれ、第1表面4964と第1表面に対向する第2表面4966とを有する。第1表面4964は、例えば、電気的にマイナス端子であってもよい。同様に、第2表面4966は電気的にプラス端子であってもよい。以下でより詳細に説明するように、バッテリー4962は、プリント配線板4922の第1電気接触部4936をバッテリー4962の第1表面4964と接触するよう配することができ、プリント配線板4922の第2電気接触部4938をバッテリー4962の第2表面4966と接触するよう配することができるように配置される。このようにして、バッテリー4962は、電子回路システム4920に動作可能に結合されてもよい。
図52および54に示すように、バッテリー絶縁タブ4860は、プリント配線板4922の第1電気接触部4936とバッテリー4962のうち1つの第1表面4964との間に移動可能に配される。バッテリー絶縁タブ4860は、例えば、Mylar(登録商標)など、電気絶縁性の任意の材料から構成されてよい。以下でより詳細に説明するように、このようにして、バッテリー4962を、選択的に電子回路システム4920と電子的に連通させてもよい。
中間またはスペーサ層4980は、外部層4911と電子回路システム4920との間に配される。中間層4980は、電子回路システムの各種の要素、例えばバッテリー4962が内部に配される開口部(示さず)を含む。中間層4980は、ラベル4910に含まれる各種の要素間の所定のスペースを維持する大きさである。中間層は、例えば、接着面を有する柔軟性のある発泡体、ポリカーボネートその他などの任意の適した材料から構成されてよい。
図55は、各種の要素(すなわちマイクロプロセッサ4950、LED4958Aおよび4958B、スイッチ4972Aおよび4972B、音声出力装置4956その他)の構成を示す、電子回路システム4920の正面図である。図56は、電子回路システム4920の模式的説明図である。
以下、図57〜図59を参照して、自動注射器4002および電子回路システム4920の操作を説明する。電子回路システム4920の作動は、自動注射器4002を使用するための標準的な手順に組み込まれた複数の操作を含む。このようにして、使用者は、追加的な操作を行うことなく電子回路システム4920を作動させることができる。
使用に先立って、自動注射器4002は、まず、針ガード4810と安全ロック4710とを取り外すことにより使用可能とされる(図57および図58参照)。の矢印AAで示すように、針ガード4810は、遠位方向に動かすことにより取り外される。針ガード4810は、鞘押さえ4840と鞘4820とを含む。鞘4820は、針ガード4810が第1(または設置)位置にあるときに針の一部(示さず)を受けるよう構成される。鞘押さえ4840は、鞘押さえ4840が遠位方向に基部4520から離れて第2(または取り外し)位置に動かされると、鞘4820から針が取り外されるように、鞘4820に結合される。
鞘押さえ4840は、絶縁タブ4860の開口部4862により受けられるアクチュエータ4864を含む。したがって、鞘押さえ4840が遠位方向に基部4520から離れるように動かされると、絶縁タブ4860は、プリント配線板4922の第1電気接触部4936とバッテリー4962の第1表面4964との間の領域から取り外される。このようにして、バッテリー4962は、針ガード4810が取り外されると電子回路システム4920に動作可能に結合され、これにより電子回路システム4920を作動させてもよい。
作動させられると、電子回路システム4920は、1つ以上の所定の電子出力を出力してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサ4950は、録音された音声に関連付けられた電子信号を可聴出力装置4956に出力してもよい。このような電子信号は、例えば、自動注射器4002の操作において使用者に指示を与える録音された指示を含むWAVファイルに関連付けられてもよい。このような指示は、例えば、「自動注射器の基部の近くの青い安全タブを取り外してください」というものでもよい。プロセッサは、同時に、第1LED4958Aに電子信号を出力してもよく、これにより、安全ロック4710の近くに位置する第1LED4958Aに特定の色を点滅させることができる。このようにして、電子回路システム4920は、可聴および視覚的指示の両方を与えて自動注射器4002の最初の操作において使用者を支援してもよい。
他の実施形態では、電子回路システム4920は、自動注射器4002ならびに/またはこれに収容される薬剤の説明および/もしくは状態に関連付けられた電子出力を出力してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システム4920は、自動注射器に収容されている薬剤の種類、薬剤の使用期限、薬剤の投薬量その他を示す可聴メッセージを出力してもよい。
図58の矢印BBで示すように、安全ロック4710は、筐体4110の長手方向軸に実質的に垂直に動かすことによって取り外される。安全ロック4710は、第1端4712と第2端4714とを有する。安全ロック4710が、その第1(またはロック)位置にあるとき、第2端4714は基部4520の一部の周辺に延びて、基部4520を筐体4110の遠位端4114からスペースをおいて配する。加えて、第1端4714は、システムアクチュエータ(示さず)の一部を塞いでさらに基部4520が筐体4110に向かって近位方向に移動するのを防止する係止突起(示さず)を含む。したがって、安全ロック4710がその第1位置にあるとき、自動注射器4002は作動させることができない。
いくつかの実施形態では、安全ロック4710は、図58に示すように安全ロック4710が第1位置から第2(または解除)位置に動かされたときに、電子回路4920を作動させて所定の出力または出力シーケンスを誘発するアクチュエータ4732を含む。より具体的には、図55、図60、および図61に示すように、アクチュエータ4732は、安全ロック4710が第1位置にあるとき回路基板4924の作動部4926により画定された第1開口部4928Aに受けられる突起4730を含む。第1開口部4928Aの境界4929は、応力集中ライザー4930を含む、例えば涙型などの不連続な形状をしている。境界4929の不連続なおよび/または応力集中ライザー4930は、突起4730が第1開口部4928Aに対して移動したときに回路基板4924を所定の方向に変更させる任意の適した形状であってよい。
図60および図61に示すように、第1開口部4928Aは、上述のように電子回路システム4920に含まれる要素を電子的に結合する導体4934に隣接して画定される。導体4934は、例えば導体4934の壊れやすい一部であってよい第1スイッチ4972Aを含む。使用にあたっては、安全ロック4710が第1位置からに第2位置に動かされると、アクチュエータ4732は、回路基板4924の作動部4926の表面により画定された面に実質的に平行な方向に移動する。アクチュエータ4732の移動により、図61の矢印DDに示すように突起4730が第1開口部4928A内を動かされる。突起4730の移動により、回路基板4924の作動部4926が破れ、これにより、第1スイッチ4972Aを含む導体4934の一部を分離する。換言すると、安全ロック4710が第2位置に動かされると、アクチュエータ4732は第1スイッチ4972Aを第1状態(例えば電気的な連続状態)から第2状態(例えば電気的な不連続状態)へと不可逆的に移動させる。
アクチュエータ4732が電子回路システム4920を作動させると、すでに述べたように、電子回路システム4920は、1つ以上の所定の電子出力を出力することができる。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサ4950は、録音された音声と関連づけられた電子信号を可聴出力装置4956に出力してもよい。このような電子信号は、例えば、使用者に自動注射器4002の状態を通知する録音されたメッセージに関連付けられてもよい。このような状態メッセージは、例えば「自動注射器が利用可能となりました」と述べてもよい。プロセッサは、また、同時に電子信号を第1LED4958Aへ出力し、これにより、第1LED4958Aが点滅する、色を変える、その他を止めてもよい。
いくつかの実施形態では、電子回路システム4920は、例えば5秒などの所定の期間、状態メッセージを出力するよう構成されてもよい。所定の期間が経過した後、電子回路システム4920は、さらに使用者に自動注射器4002の操作において指示する可聴メッセージを出力してもよい。このような指示は、例えば、「患者の大腿部に自動注射器の基部を当ててください。注射を完了するためには、患者の大腿部に基部をしっかりと押し付けてください」というものでもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、同時に電子信号を第2LED4958Bに出力してもよく、これにより基部4520の近くに位置する第2LED4958Bに特定の色を点滅させることができる。このようにして、電子回路システム4920は、可聴および視覚的指示の両方を与えて自動注射器4002の配置および作動において使用者を支援してもよい。いくつかの実施形態では、電子回路システム4920は、所定の期間が経過した後に指示を繰り返すよう構成されてもよい。
自動注射器4002が利用可能となり患者の身体に配された後、自動注射器4002は、図59の矢印CCで示すように、基部4520を筐体4110に向かって近位方向に移動させることにより作動させられる。基部4520は、図58に示すように基部4520が第1位置から第2位置へ動かされると、電子回路4920を作動させて所定の出力または出力シーケンスを誘発するアクチュエータ4538を含む。アクチュエータ4538は、基部4520が第1位置にあるとき、回路基板4924により画定される第2開口部4928B(図55参照)内に受けられる突起4539を含む。突起4539、第2開口部4928B、および第2スイッチ4972Bの構成および操作は、突起4730、第1開口部4928A、および第1スイッチ4972Aの構成および操作と類似であり、したがって、詳しくは説明しない。
アクチュエータ4538が電子回路システム4920を作動させると、電子回路システム4920は、1つ以上の所定の電子出力を出力してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサ4950は録音された音声に関連付けられた電子信号を可聴出力装置4956に出力してもよい。このような電子信号は、例えば、注射が完了したことを使用者に通知する、注射後の廃棄と安全手続きについて使用者に指示する、注射後の治療について使用者に指示する、その他の録音されたメッセージに関連づけられてもよい。このような状態メッセージは、例えば「注射が完了しました。さらに医師の治療を求めてください」というものでもよい。プロセッサは、また、同時に電子信号を第1LED4958Aに出力し、これにより第1LED4958Aの点滅、色の変化、その他を停止させて、注射が完了したことについての視覚的な表示を与えてもよい。
すでに述べたように、バッテリー4962は、プリント配線板4922の第1電気接触部4936が各バッテリー4962の第1表面4964と接触するよう配することができ、プリント配線板4922の第2電気接触部4938が各バッテリー4962の第2表面4966と接触するよう配することができるように配置される。図55および図62に示すように、第1電気接触部4936は、それぞれ、電子回路システム4920に動作可能に結合された1対の電気接点4937を備える。同様に、第2電気接触部4938は、電子回路システム4920に動作可能に結合された1対の電気接点4939を備える。
第1電気接触部4936および第2電気接触部4938は、プリント配線板4922からモノリシックに構成される。図62〜図65は、各種の製造ステージにおけるプリント配線板4922を示す斜視図である。図66は、本発明の実施形態にかかる柔軟性のあるプリント配線板を製造する方法5000を説明するフローチャートである。図に示す方法は、5002で、フレキシブル基板4924の上面4925に銅層を配し、所望の一連の導体をエッチングする(図62〜図65には示さず)。5004で、回路基板4924の最上層4925の部分にマスク層(示さず)が配されて、導体選択された分を隣接する要素から分離する。この操作で、電気接点4937、4939が構成される。
その後、5006で、プリント配線板4922に、マイクロプロセッサ、スイッチ、出力装置および/またはその他の電子構成要素が装着されて、電子回路システム4920を形成する。わかりやすさのために、回路要素は図62〜図65には示していない。プリント配線板4922に装着された後、5008で、第2電気接触部4938を形成するフレキシブル基板4924の一部が回路基板4924の残りの部分から分離される。図62に示すように、この操作で、第2電気接触部4938と回路基板4924の残りの部分の間の境界の部分4923が無傷で残される。
図63の矢印EEで示すように、その後、5010で、第2電気接触部4938が回路基板4924の残りの部分から離れるように上方向に移動される。このようにして、第2電気接触部4938は、第1電気接触部4936からスペースをおいて配される。図64の矢印FFで示すように、その後、5012で、電気接点4939を収容する第2電気接触部4938の一部が、第2電気接触部4938の電気接点4939が第1電気接触部4936の電気接点4937に対向するように折りたたまれる。このようにして、導体を配することなくおよび/またはプリント配線板4922の複数の面をエッチングすることなく、プリント配線板4922に対向する電気接点4937、4939が構成される。
その後、5014で、バッテリー4962が、第1電気接触部4936と第2電気接触部4938との間に配される。図64には示していないが、いくつかの実施形態では、上述した種類のバッテリー絶縁タブをバッテリーのひとつとプリント配線板4922との間に配してもよい。バッテリー4962が配されると、5016で、ラベル4910の最上層4911がプリント配線板4922の周囲に配されて(図65参照)、プリント配線板4922内のバッテリー4962の位置を維持する。そして、5018で、ラベルアセンブリ4910が、筐体(示さず)の外表面に結合される。ラベル4910は、十分な張力および/または伸びで筐体に結合され、電気接点4937と各バッテリー4962の第1表面4964との電気的連通を維持し、電気接点4939と各バッテリー4962の第2表面4966との電気的連通を維持する。このようにして、バッテリー4962は、ばね、クリップ、またはその他の剛性部材を欠くプリント配線板4922の適所に保たれてもよい。
すでに述べたように、音声出力装置4956は、例えば、マイクロスピーカを含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、音声出力装置4956は、Regal Electronics社により製造されるRS−1511Aマイクロスピーカを備えていてもよい。
同様に、マイクロプロセッサ4950は、1つ以上の特定のタスクの実行専用の市販の処理装置であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ4950は、Sonix SNC12060音声合成装置などの、市販のマイクロプロセッサであっても。代替的に、マイクロプロセッサ4950は、1つ以上の特定の機能を実行するよう設計された特定用途向け集積回路(ASIC)またはASICの組み合わせであってもよく、さらに別の実施形態では、マイクロプロセッサ4950は、アナログもしくはデジタル回路または複数の回路の組み合わせであってもよい。
マイクロプロセッサ4950は、一連の指示、プロセッサ可読コード、デジタル化信号、その他などの情報を受信して保存するよう構成される記憶装置(示さず)を含んでもよい。記憶装置は、1つ以上の種類のメモリを含んでもよい。例えば、記憶装置は、読み取り専用メモリ(ROM)要素およびランダムアクセスメモリ(RAM)要素を含んでもよい。記憶装置は、また、マイクロプロセッサ4950により読み出し可能な形態でデータを保存するのに適したその他の種類のメモリ、例えば、電気的プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去・プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、またはフラッシュメモリを含んでもよい。
図67は、本発明の実施形態にかかる医療機器の製造方法5040を説明するフローチャートである。医療機器は、上述のような種類の任意の薬剤送達装置、例えば、自動注射器、ペン型注射器、吸入器、または経皮的送達装置であってよい。医療機器は、例えば、薬ビン、ブリスターパック、静脈注射用の溶液の袋、その他などの薬剤容器であってもよい。図に示す方法は、5042で、医療機器を組み立てる。医療機器が組み立てられたあと、電子回路システムは薬剤送達装置の外表面に配される(5044)。電子回路システムは、上述のような種類の任意の電子回路システムであってよい。いくつかの実施形態では、電子回路システムは、所定の配向で医療機器の外表面に配される。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システムは、例えば、突起4730、4538などの医療機器の合わせ部と揃った開口部4928などの、開口部を含んでもよい。しかしながら、他の実施形態では、電子回路システムは、どのような向きで医療機器の外表面に配されてもよい。
電子回路システムが医療機器の外表面に配された後、5046で、ラベルが医療機器に結合される。例えば文字による印を含むラベルであってもよいラベルは、ラベルの一部が電子回路システムの周囲に配されるように、医療機器に結合される。このようにして、ラベルの医療機器への結合は、電子回路システムの薬剤送達装置の外表面に対する位置を維持する役割も果たす。
図68は、本発明の実施形態にかかる医療機器の製造方法5060を説明するフローチャートである。医療機器は、上述のような種類の任意の薬剤送達装置、例えば、自動注射器、ペン型注射器、吸入器、または経皮的送達装置であってよい。医療機器は、例えば、薬ビン、ブリスターパック、静脈注射(IV)用の袋、その他などの薬剤容器であってもよい。図に示す方法は、5062で、医療機器を組み立てる。その後、5064で、医療機器は、任意の適した滅菌処理法を用いて滅菌処理される。いくつかの実施形態、例えば薬剤がエピネフリンである実施形態では、医療機器は、エチレンオキサイド(EtO)ガスへの暴露によって滅菌処理されてもよい。他の実施形態では、医療機器は、ガンマ線への暴露によって滅菌処理されてもよい。さらに別の実施形態では、医療機器は、熱への暴露、例えば薬剤送達装置をオートクレーブ内に配することにより、滅菌処理されてもよい。
医療機器の製造と平行して、図に示す方法は、5066で、上述された種類の電子回路システムを構成する。その後5068で、電子回路システムは、ラベルに結合されて、ラベルアセンブリを形成する。回路構成は薬剤送達装置の製造とは別に行われるため、場合によっては回路要素に損傷を与える滅菌処理は行われない。
そして、図に示す方法は、5070で、ラベルアセンブリを医療機器の外表面に配する。その後、5072で、ラベルアセンブリは医療機器の外表面に結合される。いくつかの実施形態では、ラベルアセンブリは、接着剤、弾力性のある留め具、シュリンクラップまたはその他任意の適した方法により、薬剤送達装置に結合されてよい。
本明細書において本発明の各種の実施形態を説明したが、これらは例として提示されただけであり、限定するものではないことは言うまでもない。上記の方法が特定の順序で起きる特定のイベントを示す場合には、特定の事象の順序は修正されてもよい。加えて、これらの事象のあるものは、可能であれば並行処理で同時に実行されてもよいし、上述のように順次実行されてもよい。
例えば、ラベル4910の最上層4911の第1表面4912は、ラベル4910の最上層4911の第2表面4914に対向するものとして説明しているが、他の実施形態では、第1表面4912および第2表面4914は互いに隣接および/または同一平面にあってもよい。同様に、ラベル4910の最上層4911は実質的に筐体4110全体を覆うものとして説明しているが、いくつかの実施形態では、ラベル4910の最上層4911は筐体の一部だけを覆ってもよい。
ラベル4910を最上層4911、中間層4980およびプリント配線板4922を備えるものとして示し説明しているが、いくつかの実施形態では、ラベル4910を備える層を任意の適切な順序で配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、多層ラベルは中間層としてプリント配線板を備えていてもよい。他の実施形態では、多層ラベルは外層としてプリント配線板を備えていてもよい。そのうえ、さらに他の実施形態では、このラベルは複数の層を備える必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、ラベルが電子回路システムおよび文字による印を備える単層を備えていてもよい。
印4916が目に見えるものである(例えば、文字による印および/または記号による印)として示し説明しているが、いくつかの実施形態では、ラベルが触覚による印を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ラベルが点字を含んでいてもよい。他の実施形態では、ラベルは、例えば特に粗い表面または滑らなかな表面のようなすぐに知覚できる感触を有する印を含んでいてもよい。
電子回路システム4920がフレキシブル基板4924を有するプリント配線板4922を備えるとして示し説明しているが、他の実施形態では、電子回路システムは、剛性のプリント配線板を備えていてもよい。さらに他の実施形態では、電子回路システムは、少なくとも剛性の部分を有する回路基板を有するプリント配線板を備えていてもよい。
さらに、いくつかの実施形態では、電子回路システムがプリント配線板を備えている必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システムは、プリント配線板以外の任意の適切な方法により動作可能に結合された電子要素を備えていてもよい。
同様に、電子回路システム4920に含まれている要素(例えば、マイクロプロセッサ4950、LED4958Aおよび4958Bなど)は導体4934により動作可能に結合されているとして示し説明しているが、他の実施形態では、これらの要素は物理的に接続することなしに動作可能に結合されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システムに含まれる要素の少なくとも一部が誘導結合されていてもよい。他の実施形態では、電子回路システムに含まれる要素の少なくとも一部が、一時的に結合されていてもよい。
スイッチ4972Aおよび4972Bは導体4934からモノリシックに形成されている「引裂きタイプの(tear−through)」スイッチであるとして示し説明しているが、他の実施形態では、スイッチが導体4934とは別個に形成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システムは、一連の、第1組の特性(例えば、幅、高さ、その導体が製造された材料など)を有する第1導体、および第1組の特性とは異なる第2組の特性を有する第2導体から作製されたスイッチを備えていてもよい。他の実施形態では、スイッチは、プリント配線板に実装された別個の要素(例えば、マイクロスイッチ)であってもよい。さらに別の実施形態では、電子回路システムは、スイッチを所定の状態に付勢するための付勢部材を備える「飛び出すタイプの(pop−out)」スイッチを備えていてもよい。さらに別の実施形態では、電子回路システムは、プリント配線板上以外の場所に配置されているスイッチを備えていてもよい。
同様に、スイッチ4972Aおよび4972Bは第1状態から第2状態へ不可逆的に移動できるであるとして示し説明しているが、他の実施形態では、スイッチは第1状態と第2状態との間を可逆的に移動できるようにすることができる。その上、さらに別の実施形態では、スイッチは2つより多くの別個の状態を有するものであってもよい。
アクチュエータ4732、4539は、回路基板4924の表面と実質的に平行な方向に移動するように構成されていると示し説明しているが、他の実施形態では、アクチュエータは任意の方向に移動することによって電子回路システムを作動させるように構成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、回路アクチュエータが電子回路システムの一部と実質的に直角の方向に移動するようになっていてもよい。
同様に、アクチュエータ4732、4539は、回路基板4924の一部を引き裂くおよび/または変形させることによりスイッチ4972Aおよび4972Bを作動させるとして示し説明しているが、他の実施形態では、スイッチは、回路基板を変形させることなく第1状態から第2状態へ移動するようになっていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システムは、回路基板およびその回路基板上に配された壊れやすいスイッチタブを有するプリント配線板を備えていてもよい。壊れやすいスイッチタブが回路基板から取り外されるときに、そのスイッチが第1状態から第2状態に移動するように、そのスイッチタブの上に導体および/またはスイッチを配置してもよい。このようにして、このスイッチは回路基板の一部を引き裂くおよび/または変形することなく、作動させることができる。
アクチュエータ4732、4539はそれぞれ安全ロック4710および基部4520上に備え付けられると示し説明しているが、他の実施形態では、アクチュエータは、薬剤送達装置の任意の要素上に備えられていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、自動注射器は、電子回路システムを作動させるように構成されたアクチュエータを有するスタートボタンを備えていてもよい。他の実施形態では、自動注射器が、自動注射器の筐体内で薬剤容器および/または針を移動させるように構成された可動部材を備え、そしてこの可動部材が電子回路システムを作動させるように構成されたアクチュエータを備えていてもよい。
安全ロック4710は、その第2位置にあるとき自動注射器4002の筐体4110から取り外されると示し説明しているが、他の実施形態では、安全ロックはその第2位置にあるときも自動注射器の筐体に結合したままであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、安全ロックは、安全ロックの一部を回転させることにより、その第1位置から第2位置へ移動してもよい。
自動注射器4002の特定の要素を、突起および合わせ開口部を介して一緒に結合されていると示し説明している。この突起および/または開口部は、一緒に結合されるべき要素のいずれに配置してもよく、特定の要素のみに限定する必要はない。例えば、安全ロック4710は、回路基板4924により画定される開口部4928A内で受けられるように構成された突起4730を有するアクチュエータ4732を備えるとして示し説明している。しかしながら、いくつかの実施形態ではこの突起を回路基板4924上に配置してもよく、合わせ開口部がアクチュエータ4732によって画定されるようにしてもよい。他の実施形態では、このような要素を任意の適切な方法で一緒に結合してもよく、これらの要素は突起および合わせ開口部を備えている必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、アクチュエータは、合わせ肩、クリップ、接着剤などによって回路基板の作動部に動作可能に結合されていてもよい。
同様に、自動注射器4002の特定の要素は複数の別個の要素から作製されていると示し説明しているが、いくつかの実施形態では、このような要素がモノリシックに作製されていてもよい。例えば、針ガード4810およびバッテリー取り外しタブ4860は、別個に作製され、後に一緒に結合されると示し説明している。他の実施形態では、針ガードおよびバッテリー取り外しタブが、モノリシックに作製されていてもよい。
電子回路システムは近接センサを備えると本明細書において示し説明しているが、他の実施形態では、電子回路システムは電子回路システムにフィードバックを提供するための任意の適切なセンサを備えていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、この電子回路システムはガス駆動の自動注射器内のガス内圧を感知するように構成された圧力センサを備えていてもよい。このようにして、上記電子回路システムは、ガス内圧が所定の閾値を超えるときに命令および/または状況メッセージを出力することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガス内圧が急速に上昇するとき、この電子回路システムが、例えば「内部ガスチャンバが成功裏に開きました。注射は進行中です」のようなメッセージを出力することができる。
同様に、いくつかの実施形態では、この電子回路システムが、薬剤送達装置内に収容される薬剤の温度を感知するように構成された温度センサを備えていてもよい。このようにして、この電子回路システムは、薬剤が効果的に送達するには冷たすぎるときには、命令および/または状況メッセージを出力することができる。例えば、いくつかの実施形態では、薬剤が効果的に送達するには冷たすぎるときには(例えば、薬剤送達装置を外で一晩放置したときにこういうことが起こり得る)、電子回路システムは、例えば「薬剤は冷たすぎます。手のひらの間で自動注射器を元気よく擦ってください」のようなメッセージを出力することができる。
バッテリー4962は第1表面4964(電気的にマイナス端子)および第1表面の反対側の第2表面4966(電気的にプラス端子)を有するとして示し説明しているが、他の実施形態では、バッテリーは互いに隣接しているおよび/または同一平面上にある第1表面および第2表面を備えていてもよい。他の実施形態では、電子回路システムは、任意の形状および/または任意の数の表面を有するバッテリーによって駆動してもよい。さらに別の実施形態では、電子回路システムは、例えばコンデンサ、太陽電池、ばね作動式発電機などのような、任意の適切なエネルギー蓄積装置によって駆動してもよい。
上記薬剤送達装置は主に使い捨ての医療用注射器であるとして示し説明しているが、いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、患者の身体へ1回分以上の薬剤を送達ための任意の適切な装置を備えていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は、複数回分の慢性疾患治療薬(例えば、インスリン)を収容するペン型注射器であってもよい。このような実施形態では、電子回路システムは、この薬剤送達装置の初期使用に関連する指示だけでなく、反復使用、投薬量モニタリングなどに関連する指示も出力することができる。他の実施形態では、薬剤送達装置は、経皮薬剤送達装、吸入器または経鼻薬剤送達装置を備えていてもよい。
図69および図70は、本発明の実施形態にかかる吸入器を示す。吸入器6002は、筐体6110および筐体6110内に移動可能に配された薬剤容器6262を備える。薬剤容器6262は、吸入器6002が作動しているときに所定の体積の薬剤を送り出すように構成された計量メカニズム(図69および図70には示さず)を備える。
筐体6110は、近位端部6112および遠位端部6114を備える。電子回路システム6920の少なくとも一部を含むラベル6910は、筐体6110の外表面6111上に配置されている。上で説明したように、ラベル6910の一部は文字による印6916を含んでいてもよい。上で示し説明した電子回路システムと同様に、電子回路システム6920は、吸入器6002の使用者に関連する少なくとも1つの電子信号を出力するように構成されている。電子回路システム6920は、マイクロプロセッサ(示さず)、マイクロスピーカ6956およびLED6958を備える。電子回路システム6920は運動センサ6976をも備える。その機能については、以下でより詳細に考察する。
筐体6110の遠位端部6114は、周囲に保護キャップ6710が配されたマウスピース6212を備える。使用する前に、吸入器6002は、図70の矢印GGで示すように、保護キャップ6710を取り外すことにより、最初に利用可能になる。保護キャップ6710は、保護キャップ6710が取り外されると電子回路システム6920を作動させて所定の出力または出力のシーケンスを開始させるアクチュエータ6732を備える。いくつかの実施形態では、アクチュエータ6732は、上で説明したのと同様にして、電子回路システム6920の作動部が受ける突起を備えていてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ6732は、第1状態と第2状態との間で反復して移動することができるマイクロスイッチを係合するように構成されていてもよい。
作動しているとき、電子回路システム6920は、1つ以上の所定の電子出力を出力することができる。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システム6920は、マイクロスピーカ6956を介して使用者に「5秒間、吸入器を激しく振ること」を指示する聴覚メッセージを出力することができる。プロセッサが、同時に運動センサ6976を動作可能状態にしてもよい。
運動センサ6976(これは吸入器6002の急速な運動を検出するのに適した任意のセンサであってもよい)から所定の入力を受け取ると、次にプロセッサは、第2の聴覚メッセージを生成するための電子信号を送ることができる。このようなメッセージは、例えば、「吸入器は今、十分に振り混ぜであり、使用のための準備が整っています」と述べるものであってもよい。いくつかの実施形態では、電子回路システム6920は、吸入器6002の正しい配置に関連する指示をも出力してもよい。例えば、電子回路システム6920は、「マウスピースを口にくわえて、薬剤容器をしっかりと下に押してください」と述べる聴覚メッセージを出力してもよい。電子回路システム6920は、同時に、マウスピース6212がどこにあるかを視覚的に表示するための信号をもLED6958に出力してもよい。
吸入器6002の準備が整って患者がそれを口に加えた後、図70の矢印HHによって示すように、薬剤容器6262を筐体6110内で遠位方向に移動させることにより、吸入器6002を利用可能にする。いくつかの実施形態では、薬剤容器6262は、上で説明したものと同様にして、電子回路6920を作動させて所定の出力または出力のシーケンスを開始させるアクチュエータ(示さず)を備えていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサは、録音された音声と関連付けられた電子信号をマイクロスピーカ6956に出力してもよい。このような電子信号は、例えば、使用者に注射が完了したことを知らる、使用者に注射後の手順について指示する、使用者に注射後の医療について指示するなどの録音されたメッセージと関連付けられたものであってもよい。このような状況メッセージは、例えば、「今、注射が完了しました」と述べてもよい。
他の実施形態では、薬剤送達装置は、経皮薬剤送達装置(例えば、薬剤パッチ)を備えていてもよい。このような実施形態では、電子回路システムは、例えば、経皮薬剤送達装置の準備、配置および/または取り外しに関連する指示を出力するように構成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、この電子回路システムを、皮膚に接触する装置の部分をシールする保護バリアを取り外すことにより作動させてもよい。
上記医療機器は薬剤送達装置(例えば、医療用注射器、吸入器など)であるとして示し説明しているが、他の実施形態では、医療機器が薬剤容器(例えば、薬瓶、ブリスターパックなど)を備えていてもよい。さらに別の実施形態では、医療機器は、1つ以上の薬剤送達装置を収容するように構成された容器を備えていてもよい。例えば、図71〜図73は、それぞれ、第1構成、第2構成および第3構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器100の模式的説明図である。医療機器100は、電子回路システム130を備え、かつ内部領域112を画定する容器110を備える。内部領域112は、1つ以上の薬剤送達装置を収容するように構成されている。少なくとも第1薬剤送達装置150および第2薬剤送達装置152が内部領域112内に配される。第1薬剤送達装置150および/または第2薬剤送達装置152は、任意の適切な薬剤送達装置(例えば、自動注射器、ペン型注射器、吸入器など)であってもよい。
図72に示すように、電子回路システム130は、矢印Aで示すように、第1薬剤送達装置150が容器110の内部領域112から取り外されるとき、第1電子出力OP1を出力するように構成されている。本明細書において詳細に考察するように、第1電子出力OP1は、第1薬剤送達装置150の特定、身体的状態の特定および/または第1薬剤送達装置150を使用するための指示と関連するものであってもよい。さらに、第1電子出力OP1が、視覚出力、聴覚出力および/または触覚出力を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1電子出力OP1は、第1薬剤送達装置150を使用している使用者に指示する聴覚メッセージと関連付けられたものであってもよい。このような聴覚メッセージは、例えば、「エピネフリンを収容する自動注射器を取り外しました。自動注射器を作動させるために、まず自動注射器の端部にある赤色の安全タブを取り外してください」と述べてもよい。他の実施形態では、例えば、第1電子出力OP1は、患者が特定の身体的状態(例えば、アナフィラキシーショック)に罹患しているかどうかを決定するために、患者が示す症状について一連の検査を実施することおよび/または患者が示す症状を観察することを指示する視覚的なテキストメッセージと関連付けられたものでもよい。
同様に、図73に示すように、電子回路システム130は、矢印Bで示すように第2薬剤送達装置152が容器110の内部領域112から取り外されるときに、第2電子出力OP2を出力するように構成されている。第2電子出力OP2は、第1電子出力OP1とは異なっており、視覚出力、聴覚出力および/または触覚出力を含んでいてもよい。さらに、第1電子出力OP1の場合と同様に、第2電子出力OP2は第2薬剤送達装置152の特定、身体的状態の特定および/または第1薬剤送達装置152を使用するための指示の少なくとも1つと関連するものであってもよい。このように、電子回路システム130は、使用者に容器110から取り外された特定の薬剤送達装置についての情報を提供してもよい。
第2電子出力OP2は第1電子出力OP1とは異なるとして示し説明しているが、いくつかの実施形態では、第2電子出力OP2が第1電子出力OP1と同一であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、第2電子出力OP2は、付加的な情報とともに第1電子出力OP1を介して以前に出力したのと同一の情報を含んでいてもよい。このように、第2電子出力OP2は、第1電子出力OP1が提供する命令および/または情報を確認するものであってもよい。
容器110は、複数の薬剤送達装置を収容するのに適した任意の容器であってよい。例えば、いくつかの実施形態では、容器110が、反復的に開閉して容器110の内部領域112を容器110の外の領域に選択的に露出させることができるふたまたはカバーを備える箱のような構造であってよい。他の実施形態では、容器110が、容器110の内部領域112を露出させて第1薬剤送達装置150および/または第2薬剤送達装置152へのアクセスを可能にするように不可逆的に移動させることができる壊れやすい部分を備えていてもよい。
容器110は、ポータブルなものであっても特定の場所に常時設置されたものであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、使用者が容器110を移動させるように構成してもよい。例えば、このような実施形態では、使用者は使用する可能性が高まるピックニック、校外学習、子供のキャンプなどのようなイベントに容器110を持って行ってもよい。他の実施形態では、ビルディング(例えば、レストラン、空港および/またはショッピングモール)内の取り付け領域に容器110を取り外し可能に結合してもよい。このようにして、使用者が緊急事態を認識すると、使用者は、緊急事態が起こっている領域に容器110を置いてそれを始動させることができる。さらに別の実施形態では、容器110を、ビルディングの壁に常時結合していてもよい。
容器110は、任意の適切な材料(例えば、プラスチック、金属合金、絶縁性発泡体、布地またはこれらの任意の組合せから作製してよい。いくつかの実施形態では、例えば、容器110は硬質のプラスチックの外側ケースおよび絶縁性の衝撃吸収性内側ライナーを備えていてもよい。いくつかの実施形態では、容器110は、撥水性材料から作製してよく、そして/または浮くように構成してあってもよい。いくつかの実施形態では、容器110は、光が容器の内部領域112に届かないように構成された材料から作製してあってもよい。このようにして、容器は、その中に収容される薬剤が薬剤の化学構造および/または安定性に影響を及ぼし得る光に曝露されるのを防ぐものであってもよい。
容器110は類似のサイズおよび/または形状を有する第1薬剤送達装置150および第2薬剤送達装置152を収容するとして上で示し説明しているが、いくつかの実施形態では、異なるサイズおよび/または形状を有する薬剤送達装置を含むように容器を構成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、容器は、長細い形状を有する医療用注射器およびより幅広い形状を有する吸入器を備えるように構成されていてもよい。
図74〜図76は、それぞれ、第1構成、第2構成、および第3構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器200の模式的説明図である。医療機器200は、電子回路システム230を備えかつ内部領域212を画定する容器210を備える。内部領域212は、第1保持具214および第2保持具216を備える。第1保持具214は第1薬剤送達装置250を容器の内部領域212内に保持する。同様に、第2保持具216は第2薬剤送達装置252を容器の内部領域212内に保持する。
電子回路システム230は、第1保持具214に関連した第1スイッチおよび第2保持具216に関連した第2スイッチ237を備える。第1スイッチ236は、第1薬剤送達装置250が第1保持具214から取り外されるとき、第1状態(例えば、閉じた状態)と第2状態(例えば、開いた状態)との間を移動するように構成されている。同様に、第2スイッチ23は、第2薬剤送達装置252が第2保持具216から取り外されるとき、第1状態と第2状態との間を移動するように構成されている。このように、電子回路システム230は、第1スイッチ236および/または第2スイッチ237の状態に基づいて電子出力を出力することができる。
より具体的に言えば、図75に示すように、電子回路システム230は、矢印Cで示すように第1薬剤送達装置250が第1保持具214から取り外されるときに、上で説明したタイプの第1電子出力OP3を出力するように構成されている。同様に、図76に示すように、電子回路システム230は、矢印Dで示すように第2薬剤送達装置252が第2保持具216から取り外されるときに、上で説明したタイプの第2電子出力OP4を出力するように構成されている。言い換えると、電子回路システム230は、第1状態と第2状態との間を動く第1スイッチ236に応答して第1電子出力OP3を出力するように構成されている。同様に、電子回路システム230は、第1状態と第2状態との間を動く第2スイッチ237に応答して第2電子出力を出力するように構成されている。
第1保持具214は、第1薬剤送達装置250と協働して第1薬剤送達装置250を容器210の内部領域212内に保持する任意の構造物であってよい。同様に、第2保持具216は、第2薬剤送達装置252と協働して第2薬剤送達装置252を容器210の内部領域212内に保持する任意の構造物であってよい。いくつかの実施形態では、例えば、第1保持具214は、第1薬剤送達装置250の少なくとも一部を受けるための形状を有する内部領域212の凹部(図74〜図76には示さず)であってもよい。このような凹部は、第1薬剤送達装置250が第1保持具214内に受けられるときに第1薬剤送達装置250の一部と締まりばめを形成する、例えばエッジ、外形(contour)またはリッジを備えていてもよい。他の実施形態では、例えば、第1保持具214および/または第2保持具216は、それぞれ、第1薬剤送達装置250および/または第2薬剤送達装置252の一部に係合して第1薬剤送達装置250および/または第2薬剤送達装置252を内部領域212に保持するように構成されたクリップであってもよい。さらに別の実施形態では、第1保持具214および/または第2保持具216は、弾性部材(例えば、第1薬剤送達装置250および/または第2薬剤送達装置252の一部を係合するように構成されたゴムバンド)であってもよい。さらに別の実施形態では、第1保持具214および/または第2保持具216は、壊れやすい部材(例えば、第1薬剤送達装置250および/または第2薬剤送達装置252を内部領域212に保持するように構成された取り外し可能なプラスチックカバー)を備えていてもよい。
いくつかの実施形態では、第1保持具214は、第1薬剤送達装置250と一意的に関連していてもよく、そして/または第2保持具214は、第2薬剤送達装置252と一意的に関連していてもよい。このように、第1薬剤送達装置250が第1スイッチ236と関連するのみであってもよく、第2薬剤送達装置252第2スイッチ237と関連するのみであってもよい。言い換えると、このような構成によって、第2薬剤送達装置252が気づかずに第1保持具214に保持されることが防止される。第2薬剤送達装置252が第1保持具214に保持されると、第2薬剤送達装置252が容器210から取り外されるとき電子回路システム230が第1電子出力OP3を出力することが起こり得るし、第1薬剤送達装置250が容器210から取り外されるとき電子回路システム230が第2電子出力OP4を出力することが起こり得る。さらに、第1保持具214および第2保持具216を使用することによって、内部領域212を、異なるサイズ、形状および/または特徴を有する種々の異なる薬剤送達装置を収容するように構成することができる。例えば、第1保持具214が内部領域212の凹部である実施形態では、その凹部の形状は第1薬剤送達装置250の形状と一意的に関連するものであってよく、これにより第2薬剤送達装置252が第1保持具214内に受けられることが防止される。同様に、いくつかの実施形態では、第2保持具216は、第2薬剤送達装置252の少なくとも一部を受けるための形状を有する、上で説明したタイプの内部領域212の凹部であってもよい。
保持具は薬剤送達装置と協働して薬剤送達装置を容器210の内部領域212内に保持するとして上で示し説明しているが、いくつかの実施形態では、第1保持具214および/または第2保持具216は付加的な機能を果たしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1保持具214は、第1薬剤送達装置250上に配した電子回路システム(図74〜図76には示さず)を電子回路システム230に電子的に結合してもよい。第1薬剤送達装置250に備えられる電子回路システムは、図46〜図70を参照して示し説明したタイプのものであってよい。同様に、第2保持具216は、第2薬剤送達装置252上に配された電子回路システム(図74〜図76には示さず)を電子回路システム230に電子的に結合してもよい。このようにして、第1保持具214および/または第2保持具216は、充電ポート、データ交換ポートなどとして使用することができる。
図77は、本発明の実施形態にかかる医療機器300の模式的説明図である。医療機器300は多くの点で上で示し説明した医療機器と類似しているので、医療機器300はただ1つの構成でのみ示す。医療機器300は、電子回路システム330を備えかつ内部領域312を画定する容器310を備える。内部領域312は、上で説明したタイプの第1薬剤送達装置350および第2薬剤送達装置352を備える。
電子回路システム330は、第1薬剤送達装置350が容器310の内部領域312から取り外されるとき、上で説明したタイプの第1電子出力(図77では示さず)を出力するように構成されている。同様に、電子回路システム330は、第2薬剤送達装置352が容器310の内部領域312から取り外されるとき、上で説明したタイプの第2電子出力(図77では示さず)を出力するように構成されている。
さらに、図77に示すように、第1薬剤送達装置350は、電子回路システム330が受けることができる信号Sを出力するように構成されているラベル354(例えば、高周波標識(「RFID」)タグ)を含む。いくつかの実施形態では、信号Sは、第1薬剤送達装置350の位置(例えば、第1薬剤送達装置350が内部領域312の外部にあるかどうか)を示すものであってもよい。他の実施形態では、信号Sは、第1薬剤送達装置350を特徴付ける情報を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、信号Sは、第1薬剤送達装置350の内容物(例えば、中に収容されている薬剤の量およびタイプ)、第1薬剤送達装置350の有効期限、第1薬剤送達装置350の投薬量および/または第1薬剤送達装置350に関連する使用説明と関連していてもよい。このように、電子回路システム330は、信号Sを受け取って、信号S内に含まれる情報を含めるために第1電子出力(図77には示さず)を生成してもよい。換言すると、この構成により、電子回路システム330は容器310内に収容される薬剤送達装置に一意的である電子出力を生成することができる。
いくつかの実施形態では、例えば、第1電子出力は、信号Sから含まれる情報(例えば、第1薬剤送達装置350内に収容される薬剤の有効期限)を含む聴覚メッセージと関連付けられていてもよい。このような聴覚メッセージは、例えば、「 (1回分)mgのエピネフリンを収容する自動注射器が取り外されました。この装置の有効期限は(有効期限)です。現在の日付が(有効期限)よりも遅い場合は、容器内から別の自動注射器をお選びください。」と述べるものであってもよい。他の実施形態では、例えば、第1電子出力は、第1薬剤送達装置350に一意的に関連している信号S内に含まれる使用説明または他の情報を使用者に提供するメッセージであってもよい。例えば、このようなメッセージは、使用者に、第1薬剤送達装置350を使用する前、使用する間または使用した後に援助を求めて第1薬剤送達装置350の製造業者に一意的な電話番号を呼び出すことを促すものであってもよい。さらに別の実施形態では、本明細書においてより詳細に説明するように、電子回路システム330は、第1薬剤送達装置350が容器310の内部領域312から取り外されたとき、そのような電話番号を自動的に呼び出してもよい。
ラベル354は、第1薬剤送達装置350に関連した情報を含み、かつ電子回路システム330が受け取ることができる信号Sを出力するのに適した任意の装置であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ラベル354はパッシブ型RFIDタグを含んでいてもよい。他の実施形態では、ラベルは、アクティブ型RFIDタグを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、ラベル354は、図46〜図70を参照して上で説明した電子回路システムと類似した、ラベル354自身の電子回路システムを備えていてもよい。このような実施形態では、ラベル354は、ラベル354内に含まれる電子回路システムによって決定されるとおりの薬剤送達装置350の現在の状況に基づいて、第1薬剤送達装置350に関連する複数の信号を生成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、使用者が特定の操作(例えば、針ガードを取り外す、安全タブを取り外す、など)を完了したときに、信号Sが容器310の電子回路システム330に伝わることができるように、第1薬剤送達装置350は、種々のスイッチ、センサなどを有する自身の電子回路システムを備えていてもよい。その場合、容器310の電子回路システム330は、第1薬剤送達装置350の状況に一意的な情報を使用者に提供するために、上で説明したタイプの1つ以上の電子出力を出力することができる。
ラベル354は電子回路システム330が受け取ることができる信号Sを出力するとして示し説明しているが、他の実施形態では、ラベル354は、電子信号を出力せず、むしろ薬剤送達装置350に関連する情報を機械可読フォーマットで記録するパッシブ型装置であってもよい。例えば、このような実施形態では、ラベル354は、薬剤送達装置350に関連する情報を含むバーコード部を含んでいてもよい。他の実施形態では、ラベル354は、薬剤送達装置350に関連する情報を含む磁気ストライプを含んでいてもよい。
上で示し説明した電子回路システムは、本明細書において説明する機能を果たすために動作可能に結合された多くの要素を備えていてもよい。例えば、図78は、本発明の実施形態にかかる電子回路システム430の模式的説明図である。電子回路システム430は、記憶装置434に動作可能に結合されたプロセッサ432を備える。記憶装置434は、プロセッサ432に本明細書において記載する機能を果たすことを命令するプロセッサ可読コード435を記憶するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ可読コード435は、状況に応じて修正および/または更新してもよい。電子回路システム430は、第1スイッチ436および/または第2スイッチ437から電子入力を受け取るように構成されている入出力装置446を備える。いくつかの実施形態では、入出力装置446は(上で説明したような)RFIDタグ、使用者の声(例えば、マイクを通して)、キーボード、タッチパネル、近接センサおよび/または任意の他の適切な装置から入力を受け取ることができる。入出力装置446は、電子信号を種々の出力装置(例えば、視覚出力装置442、音声出力装置444、触覚出力装置(図78には示さず)、無線受信機(例えば、RPIDタグ、携帯電話システムなど)および/または有線受信機(例えば、有線ネットワーク)に提供するようにも構成されている。
視覚出力装置442は、視覚的な印を生成するのに適した任意の装置(例えば、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)画面、光学ポリマー、光{ひかり}ファイバー関連{かんれん}部品など)であってもよい。同様に、音声出力装置444は、音を生成するのに適した任意の装置(例えば、マイクロスピーカ、圧電変換器など)であってもよい。このような音声出力は、例えば、アラーム、一連のビープ音、録音したスピーチなどを含んでいてよい。
いくつかの実施形態では、電子回路システム430は、有線による接続または無線による接続を介して電子回路システム430を遠隔装置441に動作可能に結合するように構成されたネットワークインターフェース440を備える。遠隔装置441は、例えば、遠隔通信ネットワーク、コンピュータ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)などであってもよい。このような構成は、例えば、置換プロセッサ読取可能コード435を中央ネットワークから記憶装置434へダウンロードするために使用することができる。いくつかの実施形態では、電子回路システム430は、薬剤送達装置に関連する情報(例えば、有効期限、リコールに関する通知,最新の使用説明など)に関連する情報をダウンロードすることができる。
ネットワークインターフェース440は、電子回路システム430から中央ネットワーク(例えば、緊急対応ネットワーク)へ情報を伝達するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、電子回路システム430は、薬剤送達装置が取り外されるおよび/または作動したときに、緊急要員に知らせてもよい。他の実施形態では、電子回路システム430は、薬剤送達装置が取り外されるおよび/または作動したときに、第三者(例えば、医師、緊急連絡および/または装置の製造業者)に情報を伝達してもよい。このような情報は、例えば、使用場所、使用日時などを含んでいてもよい。
図78に示すように、電源448が電子回路システム430に電力を供給する。電源448は、任意の適切な電源(例えば、直流電源および/または交流電源)であってよい。いくつかの実施形態では、例えば、医療機器が置かれているビルディング内の交流回路により、電子回路システム430に電力が供給される。他の実施形態では、1つ以上のバッテリーにより、電子回路システム430に電力が供給される。さらに別の実施形態では、交流回路(例えば、一次電源として)およびバッテリー(例えば、二次電源として)の両方により、電子回路システム430に電力を供給してもよい。さらに別の実施形態では、任意の適切なエネルギー蓄積装置(例えば、コンデンサ、太陽電池など)が電子回路システム430を駆動してもよい。
プロセッサ432は、1つ以上の特定のタスクの実行専用の市販の処理装置であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサ432は、市販のマイクロプロセッサ(例えば、Sonix SNC 12060音声合成装置)であってもよい。あるいは、プロセッサ432は、1つ以上の特定の機能を果たすように設計された特定用途向け集積回路(ASIC)またはASICの組合せであってもよい。さらに別の実施形態では、プロセッサ132は、アナログ回路もしくはデジタル回路、または複数の回路の組合せであってもよい。
記憶装置434は、1種以上のメモリを備えていてよい。例えば、いくつかの実施形態では、記憶装置434は、読み取り専用メモリ(ROM)要素およびランダムアクセスメモリ(RAM)要素を備えていてもよい。記憶装置432は、プロセッサ432により読み出し可能な形式でデータを保存するのに適した他のタイプのメモリ(例えば、電気的プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去・プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)および/またはフラッシュメモリ)を備えていてもよい。
本明細書において示し説明する医療機器は1つの電子回路システムを備えているが、いくつかの実施形態では、医療機器は、本明細書において記載する機能を果たすように構成された複数の電子回路システムを備えていてもよい。
上で示し説明した容器は複数の薬剤送達装置を備えているが、いくつかの実施形態では、容器はただ1つの薬剤送達装置を備えていてもよい。例えば、図79〜図81は、薬剤送達装置550(例えば、ペン型注射器または自動注射器)を収容する容器510を備える医療機器500を示す。上で説明したように、容器510は薬剤送達装置550を収容する内部領域512を画定する。この容器は、上で説明したタイプの1つ以上の電子出力を生成するように構成された電子回路システム530を備える。より具体的に言えば、電子回路システム530は、スピーカ544およびLCD画面542を備える。
容器510は、第1位置(図79を参照のこと)および第2位置(図80〜図81を参照のこと)を有する可動部518(例えば、ヒンジで連結したふた)をも備える。可動部518が第1位置にあるとき、可動部518は容器510の内部領域512を覆う。逆に、可動部518が第2位置にあるとき、容器510の内部領域512の少なくとも一部が露出される。言い換えると、可動部518が第2位置にあるとき、容器510の内部領域512から薬剤送達装置550を取り外すことができる。
電子回路システム530は、第1スイッチ536および第2スイッチ537に動作可能に結合されている。第1スイッチ536は、可動部518が図80に矢印Eで示すようにその第1位置とその第2位置との間を移動するときに、第1状態(例えば、閉じた状態)と第2状態(例えば、開いた状態)との間を移動するように構成されている。電子回路システム530は、第1スイッチ536がその第1状態からその第2状態へ移動するときに、スピーカ544を介して第1出力OP5を出力するように構成されている。第1出力OP5は、薬剤送達装置550の特定、患者の症状の特定(例えば、患者の身体的状態を判断するための指示)および/または薬剤送達装置550を使用するための指示に関連する録音したスピーチ出力であってもよい。例えば、いくつかの実施形態は、第1出力OP5は、「アレルギー反応応答キットが起動しました。このキットは、(1回分)mgのエピネフリンを収容する自動注射器を備えています。この自動注射器を使用する前に、患者が以下の症状...を示していることを確認してください。)」を述べるものであってもよい。音声出力として説明しているが、他の実施形態では、第1出力OP5は、上で説明した任意のタイプの電子出力であってもよい。
第2スイッチ537は、薬剤送達装置550が図81の矢印Fで示すように容器510の内部領域512から移動するとき、第1状態(例えば、閉じた状態)と第2状態(例えば、開いた状態)との間を移動するように構成されている。電子回路システム530は、第2スイッチ537がその第1状態からその第2状態に移動するときに、スピーカ544および/またはLCD画面542を介して第2出力OP6を出力するように構成されている。第2出力OP6は、例えば、薬剤送達装置550の特定、患者の症状の特定(例えば、患者の身体的状態を判断するための指示)および/または薬剤送達装置550を使用するための指示に関連する録音した録音したスピーチ出力および/またはビデオ出力であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第2出力OP6は、薬剤送達装置550を使用するための段階的な指示を提供する、スピーカ544およびLCD画面542の両方を介した視聴覚出力であってもよい。
可動部材518はヒンジで連結したふたであるとして示し説明しているが、いくつかの実施形態では、この可動部材は任意の適切な様式で容器に結合してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、可動部材518は、滑らせて移動させるように容器に結合した取り外し可能なカバーであってもよい。他の実施形態では、可動部材518は、容器にねじ込み式に結合した取り外し可能なカバー(すなわち、取り外し可能なキャップ)であってもよい。さらに別の実施形態では、可動部材518は、締まりばめを介して容器に結合した取り外し可能なカバーであってもよい。さらに別の実施形態では、可動部材518は、医療機器の使用の間に、容器から不可逆的に取り外される壊れやすいカバーであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、可動部材518は、不正開封防止封止、衛生封止などをもたらす壊れやすいカバーであってもよい。
容器は剛性の箱のような容器として示し説明しているが、他の実施形態では、容器は、任意の適切な形状および/または柔軟性を有していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、容器は柔軟性のある小物袋(ポーチ)のような容器であってもよい。このような容器は、例えばアウトドアのイベント(例えば、子供のキャンプ、コンサート、ピクニックなど)でのような特定の状況に、より容易に持ち込むことができる。他の実施形態では、容器は、薬剤送達装置のすべてまたは一部を収容するように構成されたチューブであってもよい。例えば、図82〜図84は、チューブ形状の容器610および保持具618を備える医療機器600を示す。容器610は、薬剤送達装置650の少なくとも一部を収容することができる内部領域612を画定する(図84を参照のこと)。
保持具618(例えば、嵌め込み式のチューブ形状のふたであってもよい)は、内部領域612内に薬剤送達装置650を保持するように、容器610に移動可能に結合される。言い換えると、保持具618は第1位置(図82)および第2位置(図58)を有する。保持具618が第1位置にあるとき、保持具618は薬剤送達装置650が容器610の内部領域612から取り外されるのを防ぐ。保持具618が第2位置にあるとき、薬剤送達装置650は容器610の内部領域612から取り外すことができる。
医療機器600は、容器610に結合した電子回路システム630を備える。電子回路システム630は、本明細書において説明するように、薬剤送達装置650の使用に関連する電子出力を提供するためのスピーカ644および発光ダイオード(LED)642を備える。いくつかの実施形態では、電子回路システムは、例えば、図46〜図70を参照して上で説明した電子回路システムと同様に、容器610の外表面に結合したラベルに備えられたフレキシブル回路であってもよい。
電子回路システム630は、図83の矢印Gおよび/またはG'で示すように保持具618が容器610に対して移動するときに、LED642および/またはスピーカ644を介して第1電子出力を出力するように構成されている。上で説明したように、第1電子出力は、薬剤送達装置650の特定、身体的状態の特定および/または薬剤送達装置650を使用するための指示に関連するものであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1電子出力は、薬剤送達装置650を使用する際に使用者に指示を出す聴覚メッセージ関連付けられたものであってもよい。このような聴覚メッセージは、例えば、「(1回分)mgのエピネフリンを収容する対話式自動注射器が起動しました。点滅する矢印が示すようにねじって引っ張って容器の上端を取り外してください。容器の上端を取り外したのちに、自動注射器の露出した端部をしっかりと引っ張って容器から自動注射器を取り外してください。」と述べることができる。
保持具618が容器610に対して移動するとき状態を変化させるように構成されたスイッチ636が、第1電子出力を出力するように電子回路システム630に促してもよい。スイッチ636は、少なくとも2つの状態を有する任意の適切な電子スイッチであってよい。例えば、いくつかの実施形態では、スイッチ636は、図46〜図70を参照して上で説明したような使い捨ての「引裂きタイプの」スイッチであってもよい。他の実施形態では、スイッチは、繰り返し使用型スイッチ(例えば、マクロスイッチ)であってもよい。
同様に、電子回路システム630は、図84に矢印Hで示すように容器610によって画定される内部領域612から薬剤送達装置650が取り外されるとき、LED642および/またはスピーカ644を介して第2電子出力を出力するように構成されている。第2電子出力は、薬剤送達装置650の特定、身体的状態の特定および/または薬剤送達装置650を使用するための指示に関連するものであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第2電子出力は、「自動注射器を起動するために、まず針ガードを取り外してください。針ガードは自動注射器の底部にあり、下向きの矢印の内側に数字の1と書いてあります。矢印の方向に引っ張って、針ガードを取り外してください。」と述べる聴覚メッセージであってもよい。
図84に示すように、薬剤送達装置650は、機械可読フォーマットで配列した薬剤送達装置650に関する情報を含むラベル654を備える。電子回路システム630は、ラベル654に含まれる情報を受け取って(例えば「読み込む」)、第1電子出力および/または第2電子出力の中にその情報の少なくとも一部を含めるように構成されている。このように、電子回路システム630は、容器610内に収容される薬物送達装置650に一意的な電子出力を生成するように構成されていてもよい。この構成により、容器610が任意の数の異なる薬剤送達装置650とともに再使用することができるようになる。さらに、この構成により、容器610が慢性疾患治療用薬剤送達装置の使用量を追跡記録することができるようになる。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システム630は、薬剤送達装置650の各々の使用を追跡記録し、そのような情報をラベル654上に記録として残すことができる。
ラベル654は、薬剤送達装置650に関連する情報を機械可読フォーマットで含むのに適した任意の装置であってよい。例えば、いくつかの実施形態では、ラベル654は、薬剤送達装置650に関連する情報を含むバーコード部を含んでいてもよい。他の実施形態では、ラベル654は、薬剤送達装置650に関連する情報を含む磁気ストライプを含んでいてもよい。さらに別の実施形態では、ラベル654は薬剤送達装置650に関連する情報を含むパッシブ型RFIDタグであってもよい。さらに別の実施形態では、ラベル654は薬剤送達装置650に関連する情報を含むアクティブ型RFIDタグであってもよい。
保持具618は容器610が画定する内部領域612を覆うとして示しているが、いくつかの実施形態では、保持具618は、まだ薬剤送達装置650を内部領域612内に保持する間に内部領域612へのアクセスを可能にするものであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、保持具618はクリップ、ストラップなどであってもよい。
薬剤送達装置650は全体が容器610および保持具618内に配されているものとして図82〜図83に示しているが、いくつかの実施形態では、薬剤送達装置650の一部だけが容器610および/または保持具618内に配置される。例えば、いくつかの実施形態では、容器は、薬剤送達装置(例えば、慢性疾患治療用ペン型注射器)の一部の周囲に配されるように構成されたスリーブであってもよい。保持具は、このペン型注射器をスリーブ内に保持し、そして/またはこのペン型注射器が作動されるのを防ぐ機能を果たすことができる(例えば、保持具が係止部材として作用することができる)。使用にあたっては、使用者は、容器の上に配されたスタートボタンを押し下げることにより電子回路システムを起動することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、ペン型注射器および/または容器から保持具を取り外すことにより電子回路システムを起動することができる。さらに別の実施形態では、容器に対してペン型注射器を移動させる(すなわち、容器内でペン型注射器をねじることにより)、電子回路システムを起動することができる。起動後は、電子回路システムはラベルを「読み込み」、上で説明したように第1電子出力および/または第2電子出力を出力する。
医療機器は薬剤送達装置(例えば、医療用注射器、吸入器など)を備えるとして示し説明しているが、他の実施形態では、医療機器は模擬薬剤送達装置を備えていてもよい。図85は、本発明の実施形態にかかる模擬薬剤送達装置102の模式的説明図である。いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は実際の薬剤送達装置(すなわち、薬剤を送達するように実際に構成されている装置。図85には示さず)に相当するものにすることができ、例えば、対応する実際の薬剤送達装置の使用を使用者が訓練するために使用することができる。
模擬薬剤送達装置102は、模擬薬剤送達装置102の使用に関連する電子出力OP10を出力するように構成された電子回路システム170を備える。本明細書において記載するように、いくつかの実施形態では、例えば電子出力OP10は、模擬薬剤送達装置102の特定、模擬薬剤送達装置102の特定の要素(例えば、上端部、安全ロックなど)の特定、患者が薬剤送達装置(図85には示さず)を必要としている身体的状態の特定、および/または模擬薬剤送達装置102および/または対応する実際の薬剤送達装置(図85には示さず)を使用するための指示に関連するものであってもよい。
さらに、電子出力OP10は、本明細書において考察する任意のタイプの電子出力および/または信号(例えば、視覚出力、音声出力および/または触覚出力)を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子出力OP10は、模擬薬剤送達装置102を識別する聴覚メッセージ(例えば、録音したスピーチ)と関連付けられた信号であってもよい。このような聴覚メッセージは、例えば,「実際の自動注射器の使用方法をお教えする自動注射器練習機が取り外されました。この練習機には薬剤がまったく入っていません。今が実際の緊急時であるなら、911にダイヤルするか実際の自動注射器を据えつけてください。」と述べるものであってもよい。いくつかの実施形態では、音声出力により模擬薬剤送達装置102を使用する使用者に指示を出すことができる。このような聴覚メッセージは、例えば「実際の自動注射器を使用する際の第1ステップはこの自動注射器の鍵となる特徴を識別することです。自動注射器の鍵となる特徴は、安全ロックとアクチュエータボタンです。...)」と述べるものであってもよい。他の実施形態では、電子出力OP10は、模擬薬剤送達装置102の1つ以上の要素を識別する視覚的なインジケータと関連付けられたものであってもよい。
いくつかの実施形態では、使用者は、スタートボタン171を押すことにより電子回路システム170を起動することができる。これにより電子回路システム170に少なくとも電子出力OP10を出力することを促す。いくつかの実施形態では、例えば、スタートボタン171が押されると、電子回路システム170は所定のシーケンスの電子出力を出力することができる。上で説明したように、いくつかの実施形態では、プロセッサ(図85では示さず)に入力することにより、スタートボタン171は電子回路システム170を起動する。他の実施形態では、バッテリー(図85では示さず)を電子回路システム170の一部と電子通信している状態に置くことにより、スタートボタン171は電子回路システム170を起動することができる。
模擬薬剤送達装置102は、あらゆる点で実際の薬剤送達装置を模擬することができる。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は、実際の薬剤送達装置の形状に対応する形状、実際の薬剤送達装置のサイズに対応するサイズおよび/または実際の薬剤送達装置の重量に対応する重量を有していもよい。さらに、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は、実際の薬剤送達装置の要素に対応する要素を備えていてもよい。このように、模擬薬剤送達装置102は実際の薬剤送達装置の見かけ、感触および音を模擬することができる。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は、実際の薬剤送達装置の外部要素に対応する外部要素(例えば、筐体、針ガード、滅菌カバー、安全ロックなど)を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は、実際の薬剤送達装置の内部要素に対応する内部要素(例えば、作動メカニズム、ばね、圧縮ガスソース、薬剤容器など)を備えていてもよい。
しかしながら、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は、薬剤および/または薬剤を送達するための要素(例えば、針、ノズルなど)を欠いていてもよい。このように、模擬薬剤送達装置102は、使用者が針および/または薬剤に触れることなく、使用者が実際の薬剤送達装置の使用を訓練するのに使用することができる。さらに、模擬薬剤送達装置102は、使用者が薬剤を送達するために模擬薬剤送達装置102を使用することができると誤って考えるのを防ぐために、この模擬薬剤送達装置102がトレーニング装置であると分かるようにする特徴を有していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は、対応する実際の薬剤送達装置とは異なる色であってもよい。同様に、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は、それがトレーニング装置であると明瞭に分かるようにするラベルを備えていてもよい。
模擬薬剤送達装置102は、あらゆる薬剤送達装置を模擬することができる。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は、医療用注射器(例えば、自動注射器、ペン型注射器など)を模擬することができる。他の実施形態では、模擬薬剤送達装置102は吸入器を模擬することができる。さらに他の実施形態では、模擬薬剤送達装置102は経皮送達装置を模擬することができる。
いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置102は、実際の薬剤送達装置を反復的に模擬することができる。例えば、いくつかの実施形態では、シミュレーションが完了した後、例えばスタートボタン171を押すことによって、電子回路システムはリセットされてもよい。このように、模擬薬剤送達装置102は、引き続くシミュレーションの間、電子出力OP10または所定のシーケンスの電子出力を繰返すように構成されていてもよい。
図86は、本発明の実施形態にかかる模擬的な自動注射器202の斜視図である。模擬的な自動注射器202は、本明細書においておよび2006年11月21日出願の「Devices,Systems and Methods for Medicament Delivery(薬剤送達用の装置、システム、および方法)」と題する米国特許出願番号11/562,061に記載される自動注射器と類似の自動注射器(図86には示さず)を模擬するように構成されている。この特許出願の全体を、参照によって本明細書中に援用する。
模擬的な自動注射器202は、近位端部292および遠位端部293を有する筐体285を備える。模擬的な針ガードアセンブリ286は筐体285の遠位端部293に取り外し可能に結合されている。模擬的な針ガードアセンブリ286は、実際の針ガードアセンブリ(例えば、図50、図57〜図59を参照して上で示し説明した針ガードアセンブリ4810)を模擬するように構成されている。同様に、模擬的な安全ロック287は、筐体285の遠位端部293に取り外し可能に結合されている。模擬的な安全ロック287は、実際の安全ロック(例えば、図50、図57〜図59を参照して上で示し説明した安全ロック4710)を模擬するように構成されている。
模擬的な自動注射器202は、電子回路システム270およびラベル262を備える。ラベル262は、本明細書において記載するタイプの任意の適切なラベルであってよい。いくつかの実施形態では、例えばラベル262は、電子回路システム270の少なくとも一部(すなわち、導体の一部、プリント配線板の一部、バッテリー、LEDなど)を含んでいてもよい。他の実施形態では、ラベル262は、電子回路システム270のどの一部も含まなくてもよい。
電子回路システム270は、スタートボタン271、スピーカ274および2つのLED272A,272Bを備える。電子回路システム270は、本明細書において示し説明するタイプの任意の電子回路システムであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システム270は、中に含まれる要素を電子的に結合するフレキシブルプリント配線板を備えていてもよい。さらに、電子回路システム270は、筐体285に対して任意の適切な様式で配置されていてよい。いくつかの実施形態では、例えば、電子回路システム270は、模擬薬剤送達装置202と統合されていてもよい。換言すると、いくつかの実施形態では、電子回路システム270は、筐体285内に収容されていてもよく、そして/または電子回路システム270は模擬薬剤送達装置202と同時におよび/またはそれと共通のプロセスを使用して組立ててもよい。他の実施形態では、電子回路システム270は模擬薬剤送達装置202と部分的に統合されていてもよい。換言すると、いくつかの実施形態では、電子回路システム270の少なくとも一部が筐体285内に収容されていてもよく、そして/または電子回路システム270の少なくとも一部は模擬薬剤送達装置202と同時におよび/またはそれと共通のプロセスを使用して組立ててもよい。さらに他のの実施形態では、電子回路システム270は筐体285の外表面上全体に配されていてもよく、そして/または電子回路システム270は、模擬薬剤送達装置202を製造するために使用するプロセスとは別個のプロセスを使用して組立てられてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、電子回路システムはラベル262に含まれていてもよい。他の実施形態では、ラベル262を使用して電子回路システムを筐体285の外側部分に固定してもよい。
電子回路システムを270起動するために、使用者は最初にスタートボタン271を押す。上で説明したように、起動すると、電子回路システム270は1つ以上の電子出力を出力してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子出力は、模擬薬剤送達装置202の要素の特徴を説明しそして/または模擬薬剤送達装置202の要素を識別するために使用される音声出力および/または視覚出力と関連付けられたものであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スピーカ274が「模擬的な針ガードが数字の1と表示された第1(色)点滅光によって識別されました」と述べる録音した音声メッセージを同時に出力しつつ、第1LED272A(この出力を数字「1」と表示する)が第1色の点滅光を出力してもよい。同様に、スピーカ274が「模擬的な安全ロックが数字の2と表示された第2(色)点滅光によって識別されました」と述べる録音した音声メッセージを同時に出力しつつ、第2LED272BA(この出力を数字「2」と表示する)が第1色とは異なる第2色の点滅光を出力してもよい。このように、電子回路システム270は、模擬薬剤送達装置202を操作する使用者を支援するために、音声指示および視覚的指示の両方を提供してもよい。
いくつかの実施形態では、電子回路システム270は、第1状態と第2状態との間を移動するスイッチ(図86には示さず)に応答して少なくとも1つの電子出力を出力してもよい。例えば、図57を参照して上で示し説明した針ガードアセンブリ4810と同様に、模擬的な針ガードアセンブリ286は、電子回路システム270内に含まれるスイッチを作動させるように構成されたアクチュエータを備えていてもよい。スイッチは、上で示し説明したタイプの任意の適切なスイッチであってよい。例えば、いくつかの実施形態では、スイッチは、第1状態から第2状態へ不可逆的に移動するように構成された「引裂きタイプの」スイッチであってもよい。他の実施形態では、スイッチは、第1状態と第2状態との間を反復的に移動するように構成されたマイクロスイッチであってもよい。このように、電子回路システム270は、使用者が模擬的な針ガードアセンブリを筐体285に対して移動させるときに、指示を出力してもよい。このような指示は、例えば、「今、針ガードアセンブリが取り外されました。次のステップは、安全ロックを取り外すことです。点滅する矢印が示すように安全ロックを引っ張って下さい。」と述べるものであってもよい。同様にして、模擬的な安全ロック287は、電子回路システム内に含まれるスイッチを作動させるように構成されたアクチュエータを備えていてもよい。
模擬薬剤送達装置202は電子回路システム(図86には示さず)を作動させるためのスタートボタン271を備えるとして示しているが、他の実施形態では、電子回路システム270が任意の適切な手段によって起動されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、図57を参照して上で説明したように、模擬的な針ガードアセンブリ286を取り外すことによって電子回路システムを起動してもよい。他の実施形態では、図58を参照して上で説明したように、模擬的な安全ロック287を取り外すことにより電子回路システム270を起動してもよい。さらに別の実施形態では、図71〜図84を参照して上で示し説明したように、模擬薬剤送達装置202を容器(図86には示さず)から取り外すことにより電子回路システム270を起動してもよい。
図87〜図91は、本発明の実施形態にかかる模擬的な自動注射器302の正面図である。模擬的な自動注射器302は、近位端部392および遠位端部393を有する筐体385を備える。この筐体は、以下に説明するように、窓389(これは、例えば対応する実際の自動注射器の状態ウィンドウを模擬するものであってもよい)(図87〜図91には示さず)を画定する。模擬的な針ガードアセンブリ386は、筐体385の遠位端部393に取り外し可能に結合されている。同様に、模擬的な安全ロック387は、筐体の遠位端部393に配置されている(図88を参照のこと)。筐体385の近位端部392は模擬的な注射器作動ボタン388を備える。模擬的な注射器作動ボタン388は、対応する自動注射器の作動ボタンを模擬するように構成されている。
模擬的な自動注射器302は、電子回路システム370およびラベル362を備える。ラベル362は文字による印363を含んでいてもよく、そして本明細書において記載するタイプの任意の適切なラベルであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ラベル362は、電子回路システム370の少なくとも一部(すなわち、導体の一部、プリント配線板の一部、バッテリー、LEDなど)を含んでいてもよい。他の実施形態では、ラベル362は電子回路システム370のどの一部も含まなくてもよい。
電子回路システム370は、スタートボタン371,スピーカ374ならびに3つの視覚出力装置372A、372Bおよび372Cを備える。視覚出力装置372A、372Bおよび372Cは、例えばLED、LCD、有機ポリマー装置および/または光ファイバー装置であってもい。電子回路システム370は、力センサ377(図88に示す)および位置センサ(図87〜図91には示さず)をも備える。上で説明した要素は、任意の適切なメカニズム(例えば、本明細書において示し説明するタイプのプリント配線板)によって、一緒に電子的に結合されていてもよい。
上で説明したように、電子回路システム370を起動するために、使用者はスタートボタン371を押す。作動しているとき、電子回路システム370は1つ以上の電子出力を出力してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、「模擬的な針ガードを取り外してください。模擬的な針ガードは、点滅する光が示すように注射器の端部にあります。」と述べる録音した音声メッセージをスピーカ374が同時に出力しながら、第1視覚出力装置372Aが、点滅する光を出力してもよい。
図88の矢印KKが示すように、模擬的な針ガード386は、筐体385の長手方向軸に沿ってそれを移動させることにより取り外される。模擬的な針ガード386が取り外されると、第1視覚出力装置372Aを備える電子回路システム370の一部は、電子回路システム370の残りの部分とはもはや電子的に結合されていない。したがって、模擬的な針ガード386が取り外されると、第1視覚出力装置372Aは停止した状態になる。さらに、模擬的な針ガード386が取り外されたとき、スイッチが第1状態から第2状態へ変化し、これによって電子回路システム370に付加的な電子出力を出力するように促すように、導体379の端子375がスイッチの一部を形成していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、「模擬的な自動注射器をあなたの大腿部にあててください。模擬的な自動注射器を傾けないでください。適切な位置に置いたら、自動注射器を作動させる前に、大腿部にしっかりと押し付けてください。」と述べる録音した音声メッセージをスピーカ374が出力してもよい。
電子回路システム370に付加的な視覚および/または聴覚出力を出力するように促すことに加えて、模擬的な針ガード386を取り外すと、位置センサ(図87〜図91には示さず)が起動するようになっていてもよい。位置センサは、模擬的な自動注射器302の位置、場所および/または配向を感知するための任意の適切なセンサであってよい。例えば、いくつかの実施形態では、位置センサは、筐体385の長手方向軸と対象Tの表面との間の角度Θ(図89を参照のこと)を感知するように構成されていてもよい。他の実施形態では、位置センサは、重力軸(gravity)に対する筐体の長手方向軸の絶対角を感知するように構成されていてもよい。さらに他の実施形態では、位置センサは、静電容量センサ、温度センサ、光学センサ、またはいつ模擬薬剤送達装置302の遠位端393が対象Tに接触しているかを測定するのに適した任意の他のセンサであってよい。このように、位置センサは、模擬薬剤送達装置302が対象Tに対して正しく配置されていることを確実にするために、使用者にフィードバックを提供してもよい。
同様に、使用者が図89の矢印LLで示すように対象Tに対して模擬薬剤送達装置302を押し付けるとき、力センサ377が対象Tと模擬的な安全ロック387との間の力および/または圧力を感知してもよい。このように、模擬薬剤送達装置302が実際の薬剤送達装置の安全ロック(図87〜図91には示さず)を移動させるのに十分な力で対象Tに対して押し付けられていることを確実にするために、力センサ377が使用者にフィードバックを提供してもよい。模擬薬剤送達装置302が対象Tに対してあまりしっかりとは押し付けられていないことを確実にするために、力センサ377が、使用者にフィードバックを提供してもよい。力センサ377は、力および/または圧力を感知するのに適した任意のセンサ(例えば,ひずみゲージ式荷重センサ、圧電センサなど)であってよい。
いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置302を対象Tに対して十分な力で正しく位置した後に、電子回路システム370に付加的な電子出力または電子出力のシーケンスを出力するように力センサ377が促してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スピーカ374が「いま模擬的な自動注射器が身体の正しい位置に配置されました。点滅光が示すように、自動注射器の上端にある注射器作動ボタンを押してください。」と述べる録音した音声メッセージを同時に出力しながら、第2視覚出力装置372Bが点滅光を出力してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書において考察する種々の操作をいずれかの持続時間を測定するために、電子回路システム370がタイマー(図87〜図91には示さず)を備えていてもよい。このように、所定の時間量の中でなんらの行動も感知しなかった場合には、電子回路システム370は以前の電子出力を繰り返してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スタートボタン371を押して後、模擬的な針ガード386を取り外す前に所定の時間が経過した場合には、電子回路システム370は、使用者に模擬的な針ガード386を取り外すように促す電子出力を繰り返してもよい。いくつかの実施形態では、スタートボタン371を押して後、模擬的な針ガード386を取り外す前に所定の時間が経過した場合には、電子回路システム370は使用者に模擬的な針ガード386を取り外すように促す電子出力を増大させてもよい。例えば、聴覚出力のボリュームを自動的に上げること、視覚出力の特徴(例えば、色、点滅速度など)を変えることなどことによって電子出力を増大させることができる。
他の実施形態では、電子回路システム370は、所定の時間量が経過した後に次の操作に移るように使用者に指示するための電子出力を出力してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、使用者が模擬的な注射器の作動ボタン388を(図90に矢印MMで示すように)押し下げた時と、使用者が模擬的な注射器の作動ボタン388を(図91の矢印NNで示すように)開放した時との間の持続時間が所定の持続時間を超える場合には、スピーカ374は、「作動ボタンを開放してください。作動ボタンを押し続けないでください。」と述べる録音した音声メッセージを出力してもよい。このように、模擬薬剤送達装置302を適切に使用することを確実にするために、電子回路システム370が使用者にフィードバックを提供してもよい。
図91に示すように、第3視覚出力装置372Cは、筐体385が画定する窓389を通して目に見える。いくつかの実施形態では、第3視覚出力装置372Cおよび窓389は、一緒になって実際の薬剤送達装置の状態ウィンドウ(図91には示さず)をシミュレートしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第3視覚出力装置372Cは、実際の注射が完了したとき、使用者に注意を喚起する状態ウィンドウの付随した色の変化を模擬するために、徐々に色を変化させてもよい。
模擬薬剤送達装置は実際の薬剤送達装置を模擬するための外部要素および/または内部要素を備えるとして示し説明しているが、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置は、特定の要素(例えば、ばね、作動メカニズムなど)を欠いていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置は、薬剤送達装置の使用に関連する触感、聴覚、視覚、嗅覚および/または味覚のいずれか1つを模擬するための電子出力を出力するように構成された電子回路システムを備えていてもよい。このように、模擬薬剤送達装置は、機械的要素および/または薬剤なしで薬剤送達装置を模擬することができる。もしも機械的要素および/または薬剤を使用すれば、この模擬薬剤送達装置は、高価なもの、安全に使用できないもの、使用するのが難しいもの、反復使用のためにリセットするのが難しいもの、などになりかねない。
図92は、筐体(図92には示さず)と協働して薬剤送達装置(図92には示さず)を模擬するように構成された、本発明の実施形態にかかる電子回路システム470の模式的説明図である。電子回路システム470は、図48および78を参照して上で示し説明したタイプの記憶装置473に動作可能に結合されたプロセッサ478を備える。記憶装置473は、プロセッサ478に本明細書において記載する機能を果たすように命令するプロセッサ可読コード405を記憶するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ可読コード405は、状況に応じて修正および/または更新してもよい。
電子回路システム470は、上で説明したように、スイッチ475および/またはセンサ476から電子入力を受け取るように構成された入出力装置477を備える。いくつかの実施形態では、入出力装置477は、任意の適切な装置(例えば、(上で説明したような)RFIDタグ、使用者の声(例えば、マイクをとおして)、スタートボタン471など)から入力を受け取ってもよい。入出力装置477は、電子信号を種々の出力装置(例えば、視覚出力装置472、音声出力装置474、触覚出力装置494、嗅覚出力装置495、味覚出力装置496、無線受信機(例えば、RFIDタグ、携帯電話システムなど)および/または有線受信機(例えば、有線ネットワーク))に出力するように構成されていてもよい。
視覚出力装置472は、視覚的な印を生成するのに適した任意の装置(例えば、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)画面、光学ポリマー、光ファイバー要素など)であってよい。このように、電子回路システム470は、薬剤送達装置の特定の視覚的特徴(例えば、状態ウィンドウの色の変化)を模擬することができる。
同様に、音声出力装置474は、音を生成するのに適した任意の装置(例えば、マイクロスピーカ、圧電変換器など)であってよい。このような聴覚出力は、例えば、アラーム、一連のビープ音、録音したスピーチなどを含んでいてよい。このように、電子回路システム470は、薬剤送達装置の特定の聴覚特徴(例えば、薬剤送達装置の作動および/または薬剤の送達に関連する一連のカチッという音)をシミュレートしてもよい。
触覚出力装置494は、触覚出力を生成するのに適した任意の装置(例えばバイブレータ、圧電装置、ヒーター、クーラーなど)であってもよい。このように、電子回路システム470は、薬剤送達装置の特定の感触を模擬することができる。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置は、皮膚に対する薬剤送達領域の熱的感触を模擬することにより、経皮薬剤送達装置を模擬するように構成されていてもよい。他の実施形態では、模擬薬剤送達装置は、自動注射器の作動に関連する振動を模擬することにより自動注射器を模擬するように構成されていてもよい。
嗅覚出力装置495は、嗅覚出力を生成するのに適した任意の装置であってよい。このように、電子回路システム470は、薬剤送達装置に関連する特定のにおいを模擬することができる。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置は、薬剤を経口送達しているときのその薬剤のにおいを模擬することにより、吸入器を模擬するように構成されていてもよい。
同様に、味覚出力装置495は、模擬的な味覚を生成するのに適した任意の装置であってよい。このように、電子回路システム470は、薬剤送達装置に関連する特定の味覚を模擬することができる。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置は、薬剤を経口送達しているときのその薬剤の味を模擬することにより、吸入器を模擬するように構成されていてもよい。
いくつかの実施形態では、電子回路システム470は、上で説明したように、電子回路システム470を遠隔装置(図92には示さず)に動作可能に結合するように構成されたネットワークインターフェース409を備えていてもよい。ネットワークインターフェース409は、上で説明したように、電子回路システム470から中央ネットワーク(例えば、診療所)へ情報を送信するように構成されていてもよい。
いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置は、キットの中に備えられていてもよい。図93は、本発明の実施形態にかかる医療機器501の模式的説明図である。医療機器501は、容器503、薬剤送達装置504および模擬薬剤送達装置502を備える。容器503は第1電子回路システム570Aを備え、そして図71〜図84を参照して上で示し説明した容器と類似していてもよい。薬剤送達装置502はラベル506を備え、そして本明細書において示し記載する薬剤送達装置と類似していてもよい。同様に、模擬薬剤送達装置502は第2電子回路システム570Bを備え、そして図85〜図92を参照して上で示し説明した模擬薬剤送達装置と類似していてもよい。
第1電子回路システム570Aは、使用者がスタートボタン(図93には示さず)を押したとき、容器503が開いたとき、薬剤送達装置504が容器から取り外されるとき、および/または模擬薬剤送達装置502が容器から取り外されるとき、上で説明したタイプの電子出力OP11を出力してもよい。さらに、ラベル506は、薬剤送達装置504に関連する情報を機械可読フォーマットで含んでいてもよい。したがって、第1電子回路システム570Aは、ラベル506に含まれる情報を受け取って(例えば「読み込む」)、電子出力OP11の中にその情報の少なくとも一部を含めてもよい。このように、上で説明したように、第1電子回路システム570Aは、容器503内に収容される薬剤送達装置504に一意的である電子出力OP11を生成するように構成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子出力OP11は、薬剤送達装置504が容器503から取り外されたときに使用者に知らせ、そして使用者に模擬薬剤送達装置502の存在についての注意を喚起してもよい。
同様に、第2電子回路システム570Bは、使用者がスタートボタン(図93には示さず)を押したとき、模擬薬剤送達装置502が容器503から取り外されるときなどに、上で説明したタイプの電子出力OP12を出力してもよい。さらに、第1電子回路システム570Aの機能と同様に、第2電子回路システム570Bも、ラベル506に含まれる情報を受け取って(例えば「読み込む」)、電子出力OP12の中にその情報の少なくとも一部を含めてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子出力OP11が、使用者に薬剤送達装置504の状況(例えば、投薬量、有効期限など)を知らせてもよい。
いくつかの実施形態では、第2電子回路システム570Bは、第1電子回路システム570Aが受け取ることができる信号S12を出力してもよい。いくつかの実施形態では、信号S12が模擬薬剤送達装置502が容器503から取り外されたことを示してもよい。他の実施形態では、信号S12が模擬薬剤送達装置502および/または薬剤送達装置504の使用に関連する情報を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、信号S12は、上で説明したような模擬薬剤送達装置502の特定、模擬薬剤送達装置502の特定の要素の特定および/または模擬薬剤送達装置502の状況に関連するものであってもよい。このように、第1電子回路システム570Aは、信号S12を受け取って、信号S12内に含まれる情報を含ませるための電子出力OP11を生成してもよい。言い換えると、この構成により、第1電子回路システム570Aおよび第2電子回路システム570Bが協働して電子出力OP11を出力することができる。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置502は、第1電子回路システム570Aに、模擬薬剤送達装置502が以前に出力した電子出力OP12を(例えば、より大きいLCD画面上などに出力を表示することにより)増大させるように促す信号S12を出力してもよい。
同様に、いくつかの実施形態では、第1電子回路システム570Aは、第2電子回路システム570Bが受け取ることができる信号S11を出力してもよい。いくつかの実施形態では、信号S11は、例えば、(例えば、無線ネットワークを介して)第1電子回路システム570Aが受け取った最新の使用説明を含んでいてもよい。上で説明したように、第2電子回路システム570Bは、信号S11を受け取って、信号S11内に含まれる情報を含ませるための電子出力OP12を生成してもよい。この構成により、第1電子回路システム570Aおよび第2電子回路システム570Bが協働して電子出力OP12を出力することができる。
第1電子回路システム570Aおよび第2電子回路システム570Bは、各々、少なくとも電子出力(例えば、それぞれOP11およびOP12)ならびに信号(例えば、それぞれS11およびS12)を出力するように構成されていると示し説明しているが、別々の用語を使用しているのは明確にするためである。したがって、信号と電子出力との間に区別はない。
薬剤送達装置504が薬剤送達装置504に関連する情報を機械可読フォーマットで含むラベル506を備えると示し説明しているが、いくつかの実施形態では、この薬剤送達装置がそれ自身の電子回路システムを備えていてもよい。このような実施形態では、薬剤送達装置の電子回路システムは、第1電子回路システム570Aおよび/または第2電子回路システム570Bと協働して上で説明したような種々の電子出力を生成することができる。
いくつかの実施形態では、医療機器501は、身体の一部を模擬するための、模擬薬剤送達装置502とともに使用する模擬的な対象(図93には示さず)を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、模擬的な対象は、大腿部または腕の一部模擬するスキンパッドであってもよい。他の実施形態では、この模擬的な対象は、使用者の身体の一部の周囲に置いて、模擬薬剤送達装置502および/または薬剤送達装置504とともに使用する対象を提供するストラップまたはバンドであってもよい。いくつかの実施形態では、模擬的な対象は、自身の電子回路システムを備えていてもよい。このような実施形態では、例えば、この模擬的な対象は、薬剤を受けるための場所を視覚的に表示するための1つ以上のLED、模擬的な対象と模擬薬剤送達装置502との間の力および/または圧力を感知するための力センサ、などをそなえていてもよい。
ラベルは、電子回路システムの一部を含み、そして/または電子回路システムを模擬薬剤送達装置の外側部分に固定すると上で示し説明しているが、いくつかの実施形態では、ラベルおよび模擬薬剤送達装置の筐体は協働して電子回路システムを含む。例えば、図94は、本発明の実施形態にかかる模擬薬剤送達装置602の斜視図である。模擬薬剤送達装置602は、筐体685、電子回路システム670およびラベル662を備える。
ラベル662は、第1表面664および第2表面665を備える。第1表面664は、模擬薬剤送達装置602の筐体685に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、例えば、第1表面664は、ラベル662を筐体685に固定するための接着剤を備えていてもよい。第2表面665は、印663を備える。この印は、例えば、文字による印(例えば、装置の名前、使用説明など)または記号による印(例えば、スタートボタンを指す矢印)であってもよい。第1表面664は第2表面665の反対側にあるとして示しているが、他の実施形態では、第1表面664および第2表面665が互いに隣接し、そして/または同一平面状にあってもよい。
ラベル662は、2つの柔軟性のある部分668Aおよび668Bの間に配された剛性部分667をも含む。柔軟性のある部分668Aおよび668Bは、図94の矢印PPおよびQQで示すように、筐体685の表面に適合するように構成されている。剛性部分667は電子回路システム670を備える。剛性部分667は、電子回路システム670を保護することができる任意の適切な材料(例えば、プラスチック)から作製してよい。逆に、柔軟性のある部分668Aおよび668Bは、任意の適切なフレキシブル材料(例えば、紙、軟質フォーム、Mylar(登録商標)、Kapton(登録商標)など)から作製してよい。この構成により、ラベル662を筐体685の周囲に巻いて、筐体685が画定する開口部690内に電子回路システム670を固定して結合することができる。換言すると、ラベル662および筐体685は、協働して閉じた領域690を画定し、この領域内に電子回路システム670の少なくとも一部を配することができる。
電子回路システムは入力(例えば、安全ロックの移動、スタートボタンを押すこと、薬剤送達装置の取り外し、ヒンジで連結したふたの位置の変化など)に応答して単独の電子出力を出力するとして上で示し説明しているが、いくつかの実施形態では、電子回路システムは、このような入力に応答して電子出力のシーケンスを出力してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、薬剤送達装置が容器から取り外されるとき、薬剤送達装置および/または容器に配された電子回路システムは、所定の時間にわたって所定のシーケンスの使用説明を出力してもよい。例えば、薬剤送達装置を取り外したとき、第1指示は、取り外された薬剤送達装置のタイプを示す聴覚出力であってもよい。所定の時間の後、電子回路システムは、第2指示を出力してもよく、そしてこの指示は、患者を診断する方法および/または薬剤のために患者を準備させる方法について使用者に指示する視覚出力であってもよい。同様にして、電子回路システムは、薬剤送達装置の使用について使用者に指示するための付加的な出力を提供してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、電子回路システムは、使用後手順(例えば、薬剤送達装置の廃棄、フォローアップ治療についての指示など)について使用者に指示する電子出力を出力してもよい。
電子回路システムは録音したスピーチを英語で出力するとして上で示し説明しているが、他の実施形態では、電子回路システムが録音したスピーチを任意の言語で出力してもよい。さらに他の実施形態では、電子回路システムが、録音したスピーチを複数の言語で出力してもよい。さらに他の実施形態では、使用者は録音したスピーチを出力しようとする言語を選択することができる。
例えば、電子回路システムは単独の直接使用者に向けた1つ以上の出力を出力するとして上で示し説明しているが、いくつかの実施形態では、電子回路システムは、複数の異なるクラスの使用者に向けて複数の出力を出力してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システムは、第1電子出力を直接使用者に出力し、第2電子出力を遠隔設置された救急隊に出力することができる。このような実施形態では、第2電子出力は、例えば、電話、文書(page)、電子メールなどであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第2電子出力は、子供の両親および/または介護人への電子メールであってもよい。さらに、このような第2電子出力は、無線によってまたは有線ネットワークを通して送信することができる。
電子回路システムは1つ以上のスイッチに応答して1つ以上の出力を出力するとして上で示し説明しているが、他の実施形態では、電子回路システムは、あらゆる異なる入力に応答して電子出力を出力してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電子回路システムは、キーボード、タッチパネル、マイクまたは任意の他の適切な入力装置を介してもたらされる使用者からの入力に基づいて電子出力を出力してもよい。このように、電子出力は、使用者からの直接のフィードバックに応答して生成されてもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、コンピューターに実装された種々の操作を実行するための命令またはコンピューターコードを有するコンピューター可読の媒体を備えるコンピューターストレージ製品に関する。この媒体およびコンピューターコードは、本発明の目的のために特別に設計され作製されたものであってもよく、またはそれらはコンピューターソフト分野の当業者にとって周知でありかつ利用可能な種類のものであってもよい。コンピューター読取り可能な媒体の例としては、磁気記憶媒体(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、および磁気テープ);光学式記憶媒体(例えば、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(「CD/DVD」)、シーディーロム(「CD−ROM」)およびホログラフィック装置);光磁気記憶媒体(例えば、フロプティカルディスク);搬送波信号;ならびにプログラムコードを記憶して実行するように特別に構成されたハードウェア装置(例えば、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブル・ロジック・装置(「PLD」)、およびROMおよびRAM装置)が挙げられるがこれらに限定されない。コンピューターコードの例としては、マイクロコードまたはマイクロ命令、(例えばコンパイラで変換された)機械命令、およびインタープリタを使用するコンピューターによって実行される高級レベル言語による命令(higher−level instruction)を含むファイルが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Java、C++または他のオブジェクト指向{しこう}プログラミング言語および開発ツールを使用して本発明の実施形態を実行してもよい。コンピューターコードのさらなる例としては、制御信号、暗号化されたコード、および圧縮コードが挙げられるが、これらに限定されない。
種々の実施形態は特定の特徴および/または要素の組合せを有するとして説明してきたが、適切な場合には実施形態のいずれかからの特徴および/または要素の組合せを有する他の実施形態が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、医療機器は、電子回路システム、2つ以上の薬剤送達装置および可動部を備える容器を備えていてもよい。このような実施形態では、薬剤送達装置の各々はスイッチと関連付けられていてもよい。さらに、この可動部もスイッチと関連付けられていてもよい。このように、この電子回路システムは、可動部が移動したときに第1電子出力を、第1薬剤送達装置が容器から取り外されるとき第2電子出力を、そして第2薬剤送達装置が容器から取り外されるとき、第3電子出力を出力するように構成されていてもよい。
模擬薬剤送達装置および実際の薬剤送達装置は別々であるとして上で示し説明しているが、いくつかの実施形態では、1つの装置が、模擬薬剤送達装置および実際の薬剤送達装置の両方の特定の特徴を含み、それらの特定の機能を果たしてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、薬剤送達装置は模擬構成と薬剤送達構成との間を移動してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、模擬薬剤送達装置は、実際の薬剤送達装置を受けるように構成され、次に模擬構成から薬剤送達構成に移動していてもよい。
いくつかの実施形態では、装置は、筐体およびその筐体内に配される薬剤容器を備える。この薬剤容器は、第1プランジャおよび第2プランジャを備え、その各々がこの薬剤容器の中に配置されている。この薬剤容器は、第1構成および第2構成を有する。第1構成では、第1プランジャは薬剤容器内の第1位置に配され、第2プランジャは、第1距離だけ第1位置から離れて間隔を空けた第2位置に配されている。したがって、第1薬剤収容部は第1プランジャと第2プランジャとの間に画定され、この第1薬剤収容部は、例えば液体薬剤を収容することができる。第2薬剤収容部は第2プランジャと薬剤容器の遠位端との間に画定され、この第2薬剤収容部は、例えば固体薬剤を収容することができる。第2構成では、第1プランジャは薬剤容器内の第1位置に配され、第2プランジャは第2距離だけ第1位置から離れて間隔を空けた第3位置に配されている。第2距離は第1距離よりも小さい。第2薬剤収容部の容積は、この薬剤容器が第1構成にあるときよりも、この薬剤容器が第2構成にあるときのほうが大きい。
いくつかの実施形態では、装置は、筐体、この筐体内に配された薬剤容器、第1可動部材および第2可動部材を備える。この薬剤容器は、薬剤容器の近位端部内に配された第1プランジャおよび第1プランジャから間隔を空けて薬剤容器内に配された第2プランジャを有する。第1可動部材は、第1プランジャを薬剤容器内で薬剤容器の遠位端に向かって移動させるように構成されている。第2可動部材は、第2プランジャを薬剤容器内で薬剤容器の近位端部に向かって移動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、例えば、第2可動部材は、第1プランジャを移動させることなく、第2プランジャを移動させるように構成されていてもよい。
いくつかの実施形態では、装置は、筐体、この筐体内に配された薬剤容器、第1エネルギー蓄積部材および第2エネルギー蓄積部材を備える。この薬剤容器は、薬剤容器の近位端部に配された第1プランジャおよび第1プランジャから間隔を空けて薬剤容器に配された第2プランジャを有する。第1エネルギー蓄積部材は、例えば、圧縮ガス容器であってもよく、そしてそれが第1構成から第2構成に移動するとき、第1プランジャを薬剤容器内で移動させるための力を生成するように構成されている。第2エネルギー蓄積部材は、第1エネルギー蓄積部材と異なっており、かつ例えばばねであってもよく、そしてそれが第1構成から第2構成に移動するときに、第2プランジャを薬剤容器内で移動させるための力を生成するように構成されている。
いくつかの実施形態では、装置は、筐体、その筐体内に配された薬剤容器および可動部材を備える。この薬剤容器は、薬剤容器が第1薬剤収容部および第2薬剤収容部に分割されるように、薬剤容器の近位端部内に配される第1プランジャおよび薬剤容器内に配される第2プランジャを有する。この可動部材は、薬剤容器内で第2プランジャを移動させて、第1薬剤収容部に収容される薬剤と第2薬剤収容部に収容される薬剤とを混合するように構成されている。この可動部材は薬剤容器の長手方向軸からずれている。
いくつかの実施形態では、方法は、薬剤容器内で薬剤容器の近位端に向かって混合プランジャを移動させることを含む。混合プランジャは、薬剤容器内で薬剤容器の遠位端と薬剤容器の近位端に配された注射プランジャとの間に配されている。この注射プランジャは薬剤容器内で薬剤容器の遠位端に向かって移動し、薬剤容器内に収容される薬剤を発射する。
本明細書においておよび添付の特許請求の範囲中で使用する場合、用語「薬剤」は、治療剤のあらゆる成分を含む。薬剤は、このような成分を、その物質の状態(例えば、固体、液体または気体)にかかわらず含むことができる。さらに、薬剤は、混合状態、未混合状態および/または部分的混合状態で治療剤中に含まれていてもよい複数の成分を含むことができる。薬剤は、治療剤の活性成分および不活性成分の両方を含んでいてもよい。したがって、本明細書において使用する場合、薬剤は非活性成分(例えば、水、冷却剤など)を含んでいてもよい。
図95および96は、複数のバイアル10262を備え複数の薬剤が同時または異なる時期に注射されるようにしたコンパクトな自動注射器10002を示す。自動注射器10002は、針保護システム10840をも備えていてもよい。
自動注射器10002は、使用者がどの薬剤を注射すべきかを選択することができるように、薬剤セレクタ10294を備えていてもよい。使用者は、1つ以上のセレクタ10294をその最終位置へと上方向に滑動させることにより、薬剤を選択することができる。聞き取れるカチッという音または何らかの他のインジケータが発生して、使用者にこの最終位置を知らせてもよい。セレクタ10294または複数のセレクタ10294を上方向に移動させることで、ピン10295がプランジャロッド10312および/またはプッシャーバー(図96には示さず)の中に嵌まり込むようにすることができる。このようにすることで、全体としてバイアルシステムを下方向に押すことができかつバイアル10262、タンク10225および/または針10212を通して薬物を注射することができるようになる。この方法は、2006年3月16日出願の「Devices,Systems and Methods for Medicament Delivery(薬物送達用の装置、システム、および方法)」と題する米国特許出願番号10/572,148に以前に示し説明した無針注射器方法とともに使用することもできる。この特許出願全体を参照によって本明細書中に援用する。この実施形態のような方法は、抗神経薬または疼痛治療への応用において非常に有用である。この装置は、セレクタ開口部をシールするための、かついったんセレクタが上方向に押されると筐体内で滑動することもできる弾力性材料(例えば、ゴム)をも備えていてもよい。いったん上述のピン10295が配置されると、装置10002は、2006年11月21日出願の、「Devices,Systems and Methods for Medicament Delivery(薬剤送達用の装置、システム、および方法)」と題する米国特許出願番号11/562,061に記載されるように、機能し作動することができる。この特許出願全体を参照によって本明細書中に援用する。いくつかの実施形態では、安全メカニズム10710は、滑動セレクタが時期尚早に上向きに押されるのを排除するために修正してもよい。
図97は、注射前に再構成ことが必要になる可能性がある凍結乾燥した薬物、および/または粉末生物製剤ための装置および方法を描写する。図97は、2つ以上の別個の上述の物質を混合しそして/またはそれらから注射可能な薬剤を生成するためのメカニズムを備える自動注射器11002を示す。自動注射器11002は、穿孔可能な膜11274および/または他の壊れやすい小片により分離した各バイアル11262に2つの物質を有することができる複数のバイアル11262を備える。実施形態におけるバイアルは、1つの湿式物質(例えば、滅菌水)および1つの乾式物質(例えば、グルカゴン粉末)を有することができる。
使用者は、使用者が不測の注射および/または装置の準備完了前の(pre−mature)起動を行うのを防止することができる安全タブ11710を取り去ることができる。ひとたび安全タブ11710が取り外されると、使用者は筐体11110の頂部のねじり部11162をねじるおよび/または回転させることができる。この頂部11162を回転させることによって、この部分に取付けられたロッド11380(ねじ山のついたロッドであってよい)を下方向に移動させることができる。ロッド11380を、バイアル11262中にそして/またはプッシャーバー11312を通して配置することができる。ロッド11380は、バイアル11262中の物質を隔離することができる上述の穿孔可能な膜11274に穴をあけるのを支援することができる鋭利な穿孔部分を遠位端に有していてもよい。ひとたび穿孔ロッド11380が壊れやすいシールおよび/または穿孔可能な膜11274に穴をあけると、上記物質は一緒に混ざって1つの薬剤を形成することができる。この混合プロセスを支援するために、使用者が筐体11110全体を振盪することもできる。したがって、この実施形態は、液体または粉末形態の2つ以上の薬剤を混合して1つの注射可能な薬剤を作成する能力を有し得るコンパクトな自動注射器11002を備えていてもよい。この装置は、針保護システム11840を備えていてもよい。
例示的な送達システムは、筐体、複数のバイアル、各バイアルのためのプランジャ、混合活性化メカニズム、活性化チャンバもしくはバイアル、単独の針または針カニューレ(needle cannula)および/または各バイアル内に保存された薬剤(複数個であってもよい)を備えていてもよい。注射前に、2つ以上の薬剤は、バイアルおよび/または保存区画に別個に保存することができ、そしていったん混合活性化メカニズムが起動すると、互いに連通することができる。この混合活性化メカニズムは、ボタン、トリガー、ねじ山のついたロッドおよび/または各薬剤が互いに連通するのを防止している小片または部分を移動させおよび/またはその小片または部分に穿刺する何らかの他の部材を備えていてもよい。この混合活性化メカニズムは、別個のバイアルおよび/または保存容器が互いに連通することができるように、注射前に使用者が取り除いてもよい膜、小片および/または部分を備えていてもよい。この混合活性化メカニズムは、各区画の内容物を互いに混合させるために、何らかの方法で使用者が操作する小片であってもよい。この連通は、装置を振盪することにより起こってもよく、そして/または混合活性化メカニズムによって自動的に起こってもよい。例えば、混合活性化メカニズムが各薬剤を活性化チャンバ(これ自体が別個のバイアルであってもよい)の中へ放出するようになっていてもよい。この混合薬剤は、患者に注射される薬剤であってもよい。
図98〜図101は、それぞれ、第1構成、第2構成、第3構成、および第4構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器12002の模式的説明図である。医療機器12002は、薬剤を身体に送達するための任意の適切な装置(例えばシリンジ、医療用注射器、自動注射器など)であってよい。医療機器12002は薬剤容器12262を収容する筐体12110を備える。薬剤容器12262は近位端部12264および遠位端部12266を有する。薬剤容器12262は第1プランジャ12284および第2プランジャ12282を備える。
図98に示すように、医療機器12002が第1構成にあるとき、第1プランジャ12284は薬剤容器12262内の第1位置に配されている。第2プランジャ12282は、薬剤容器12262内の第2位置に配されている。第2位置は、第1距離Dlだけ第1位置から間隔が空いている。このように、容積Vlを有する第1薬剤収容部12283は第1プランジャ12284と第2プランジャ12282との間に画定される。同様に、容積V2を有する第2薬剤収容部12285は第2プランジャ12282と薬剤容器12262の遠位端部12266との間に画定される。いくつかの実施形態では、薬剤容器12262は、1つ以上の薬剤で満たされているカートリッジ、バイアル、アンプルなどであってよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1薬剤収容部12283は液体薬剤12268(例えば、水)を含んでいてよく、第2薬剤収容部12285は第2薬剤12269(例えば、凍結乾燥粉末)を含んでいてよい。同様に、いくつかの実施形態では、第1薬剤収容部12283はガスを含まない(例えば、真空中に保存されている)液体薬剤12268をふくんでいてよく、そして/または第2薬剤収容部12285はガスを欠く(例えば、真空中に保存されている)固体薬剤12269を含んでいてもよい。
図99に示すように、医療機器12002が第2構成にあるとき、第1プランジャ12284は薬剤容器12262内の第1位置に配されたままである。第2プランジャ12282は、薬剤容器12262内の第3位置に配されている。第3位置は、第1距離D1よりも小さい第2距離D2だけ第1位置から間隔が空いている。換言すると、医療機器12002が第2構成にあるとき、第2薬剤収容部12285の容積V2'は薬剤容器12262が第1構成にあるときの容積V2よりも大きい。同様に、第1プランジャ12284は第1位置に配されたままであるので、医療機器12002が第1構成にあるときの薬剤容器12262の全容積(V1+V2)は、医療機器12002が第2構成にあるときの薬剤容器12262の全容積(V1'+V2')と同じである。換言すると、第2プランジャ12282がその第1位置から第2位置に移動するとき、第1プランジャ12284と遠位端部12266との間の領域は一定の容積を画定する。
いくつかの実施形態では、図99の矢印AAで示すように医療機器12002が第1構成から第2構成に移動するとき、第1薬剤収容部12283に収容される第1薬剤12268の一部は、図99の矢印BBで示すように第2薬剤収容部12285に運ばれてもよい。換言すると、第2プランジャ12282が薬剤容器12262の近位端12264に向かって移動するとき、第1薬剤収容部12283の内容物の一部が第2薬剤収容部12285の中に運ばれてもよい。このように、医療機器12002は、第1薬剤12268と第2薬剤収容部12285に収容される第2薬剤12269とを合わせおよび/または混合し、医療機器12002を介して送達するのに適した混合物を生成してもよい。
いくつかの実施形態では、医療機器12002が第1構成にあるとき、第1薬剤収容部12283は第2薬剤収容部12285から流体的に隔離されていてもよい。第1薬剤収容部12283は、医療機器12002が第1構成から第2構成へと移動しているとき、第2薬剤収容部12285と流体的に連通していてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、薬剤容器12262が第1構成にあるとき、第2プランジャ12282が薬剤容器12262内で流体密シールを形成してもよい。第2プランジャ12282および/または薬剤容器12262は、さらに、第2プランジャ12282がその第1位置から第2位置へと移動しているときに第1薬剤収容部12283と第2薬剤収容部12285との間の流体連通を可能にするように構成されていてもよい。このように、医療機器12002は、第1薬剤12268および第2薬剤12269が身体への送達のための調製のため合わされおよび/または混合される時まで、第2薬剤12269(例えば、凍結乾燥粉末)から離して第1薬剤12268(例えば、液体薬剤)を保存するように構成されていてもよい。
図100に示すように、医療機器12002が第3構成にあるとき、第1プランジャ12284は、薬剤容器12262内の第1位置に配されたままである。第2プランジャ12282は、薬剤容器12262内の第4位置に配されている。第4位置は第2距離D2よりも小さい第3距離D3だけ第1位置から間隔が空いている。さらに、第2プランジャ12282が第4位置にあるとき、第2プランジャ12282の一部は第1プランジャ12284の一部に接触している。いくつかの実施形態では、第2プランジャ12282が第4位置にあるとき、第1プランジャ12284と第2プランジャ12282との間に空間がない(すなわち、D3はゼロである)ように、第2プランジャ12282は第1プランジャ12284に係合する。換言すると、医療機器12002が第3構成にあるとき、第1薬剤収容部12283の容積V1"は実質的にゼロである。さらに、第2薬剤収容部12285の容積V2"は、医療機器12002が第1構成にあるときの薬剤容器12262の全容積(V1+V2)に実質的に等しい。このように、医療機器12002が第3構成にあるとき、第1薬剤12268の実質的にすべておよび第2薬剤12269の実質的にすべてが第2薬剤収容部12285内に収容される。第1薬剤12268および第2薬剤12269は、任意の適切な形態で第2薬剤収容部12285内に収容されていてよい。例えば、いくつかの実施形態では、医療機器12002が第3構成にあるとき、第1薬剤12268および第2薬剤12269は不均一混合物、均一混合物、溶液、懸濁液および/またはそれらの組合せを形成してもよい。
図101に示すように、医療機器12002が第4構成にあるとき、第1プランジャ12284は薬剤容器12262内の第5位置に配されている。第2プランジャ12282は、第2プランジャ12282の一部が第1プランジャ12284の一部と接触するように、薬剤容器12262内の第6位置に配されている。さらに、医療機器12002が第4構成にあるとき、第1薬剤収容部12283の容積V1"'は実質的にゼロであり、第2薬剤収容部12285の容積V"'は、医療機器12002が第1構成にあるときの薬剤容器12262の全容積(V1+V2)よりも小さい。換言すると、医療機器12002が第4構成にあるとき、第1プランジャ12284および第2プランジャ12282は、図101の矢印CCで示すように、一緒に薬剤容器12262内で遠位方向に移動する。このように、第1薬剤12268および第2薬剤12269を薬剤容器12262の遠位端部12266から一緒に発射することができる。
図101に示すように、いくつかの実施形態では、医療機器12002は針12212を備え、この針12212は薬剤容器の遠位端部12266に配することができる。医療機器12002が第1構成、第2構成および/または第3構成にあるとき、針12212が画定する管腔12217は、第1薬剤収容部12283および/または第2薬剤収容部12285からは流体的に隔離されている。医療機器12002が第4構成にあるとき、針12212が画定する管腔12217は、第1薬剤収容部12283および/または第2薬剤収容部と流体的に連通している。このように、医療機器12002が第1構成と第2構成と第3構成との間を移動しているとき、第1薬剤12268および/または第2薬剤12269を薬剤容器から発射することなく、第1薬剤12268および第2薬剤12269を合わせそして/または混合することができる。同様に、医療機器12002が第4構成にあるとき、第1薬剤12268および第2薬剤12269を、針12212を介して身体の中へ一緒に注射することができる。
図102〜図104は、注射前に再構成する必要があるかも知れない凍結乾燥薬物および/または粉末生物製剤を注射するための装置を描写する。図102〜図104は、2つ以上の別個の上述の物質から注射可能な薬剤を混合および/または生成するための自動注射器13002を示す。図105〜図107は、プランジャ13282および/または他の壊れやすい小片で分離されたバイアル13262中に2つの物質を有することができる単独のバイアル13262を示す。このバイアル13262は、図102〜図104に示す自動注射器13002中に置いてもよい。実施形態におけるバイアル13262は、1つの湿式物質(例えば、滅菌水)および1つの乾式物質(例えば、グルカゴン粉末)を収容することができる。
物質を混合するために、使用者は、筐体13110の側面にあるボタンまたはトリガー13468を押して2つの物質の再構成および混合を開始することができる。このボタンまたはトリガー13468を押すことにより、ばね13436を作動させ筐体13110の近位端13112に向かって力を加えるようにすることができる。このばね13436は、バイアル13262中のプランジャ13282または膜に連結された部材13380に取付けられていてもよい中実部材13362に取付けられていてもよい。ばね13436が上方向に力を加えられると、中実部材13362ひいてはプランジャ/膜13282はバイアル13262の近位端13264に向かって上方向に力が加えられ得る。この力によって、湿式物質がプランジャ/膜13282をすり抜けてバイアル13262の遠位端13266に向かって下へ移動することができ、それによって湿式物質を乾式物質と混合して新しい注射可能な薬剤を形成することができる。使用者は、この混合プロセスを支援するために筐体13110全体を振盪してもよい。次いで、使用者は、自動注射器13002の基部にある安全タブ13710を取り去って、自動注射器13002を操作することができる。
いくつかの実施形態は、自動注射器を用いて再構成するための方法を含んでいてもよい。いくつかの実施形態は、液体または粉末形態の2つ以上の薬剤を混合して1つの注射可能な薬剤を生成する能力を有することができるコンパクトな自動注射器を備えていてもよい。いくつかの実施形態は、2つの物質を効果的に混合して1つの注射可能な薬剤を形成するために、二次活性化メカニズムを使用してもよい。この装置は針保護システムを備えていてもよい。
例示的な送達システムは、筐体、バイアルもしくは複数のバイアル、各バイアルのためのプランジャ、混合活性化メカニズム、活性化チャンバもしくはバイアル、単独の針または針カニューレおよび/または各バイアル内に保存された薬剤(複数個であってもよい)を備えていてもよい。注射前に、2つ以上の薬剤は、バイアルおよび/または保存区画に別個に保存することができ、そしていったん混合活性化メカニズムが起動すると、互いに連通することができる。
この混合活性化メカニズムは、ボタン、トリガー、プランジャ、ばねおよび/またはいったん駆動すると2つ以上の薬剤に互いに相互作用させて1つの注射可能な薬剤を形成することができる何らかの他の部材もしくは部材の組合せを備えていてもよい。
この混合メカニズムは、膜、小片、プランジャおよび/または別個の物質を互いに流体的に連通させるために上述の混合活性化メカニズムを使用して注射前に使用者が操作することができる部分を備えていてもよい。例えば、混合活性化メカニズムは、バイアル中のプランジャに取り付けられている中実部材に取り付けされているばねを作動させてもよい。このプランジャは、それを2つの物質の間に置くことにより、1つのバイアル内で2つの物質(1つの湿式物質および1つの乾式物質)を分離することができる。作動したばねは、この中実部材およびプランジャを上述のバイアルの近位端に向かって上方向に押すことができ、これによって湿式部を押してプランジャをすり抜けさせ、乾燥部と相互作用させて、新しく混合した注射可能な薬剤を形成することができる。
送達システムは、さらに、遠位端に単独の針または針カニューレを備えるタンクと流体的に連通している混合薬剤バイアルまたは複数の混合薬剤バイアルを収容してもよい。針は、何らかの鞘/シールドにより保護されていてもよい。
筐体は、ばね(複数個であってもよい)が遠位端または近位端から作動されるとき、通路を通してプランジャの近位端に力が加わり、プランジャ(複数個であってもよい)、バイアル(複数個であってもよい)、タンクおよび/または針を筐体の遠位端に向かって移動させることができるように、プランジャの近位端と流体的に連通している通路を備えていてもよい。加えられる力は、ばね、棒、ガスボンベからの内容物および/または他の力メカニズムによってもたらされてもよい。プランジャは、バイアルを通って遠位端に向かって滑動可能に移動することができ、適切な薬剤量を送達することができる。バイアルの所望の内容物が出る際に、何らかの手段(例えば、ワイヤ、ばね、O−リングおよび/またはゴム膜)によって針全体、タンク、バイアルおよび/またはプランジャアセンブリの全体が筐体の近位端に向かって後退し、そして/または薬剤の送達後に針保護部が針の上を滑動してもよい。
図108は、第1構成における、本発明の実施形態にかかる自動注射器14002の斜視図である。自動注射器14002は、近位端部14112および遠位端部14114を有する筐体14110を備える。近位カバー14162は、筐体14110の近位端部14112に配されている。混合アクチュエータ14450は、筐体14110の側部14195に近位端部14112に隣接して配されている。安全カバー14452は、筐体14110の側部14195に滑動可能に結合されている。同様に、基部14520を備える注射アクチュエータ14510は、筐体14110の遠位端部14114に配されている。作動安全ロック14710は、筐体14110の遠位端部14114に隣接して取り外し可能に結合されている。筐体14110は、使用者が自動注射器14002および/または中に収容される薬剤の状況を測定できるようにするための透明な状態ウィンドウ14118をも備える。
薬剤を身体の中へ注射するためには、安全カバー14452を筐体14110の近位端部14112に向かって移動させ、混合アクチュエータボタン14468を露出させる(図109を参照のこと)。混合アクチュエータボタン14468は、内側方向に移動して薬剤混合器14360(図109を参照のこと)を作動させ、これにより自動注射器14002内に収容される異なる薬剤を合わせそして/または混合し、自動注射器14002を介して送達するのに適した混合物を生成することができる。
薬剤を適切に混合した後、基部14520が注射が行われる身体の部分と接触するように、筐体の遠位端部14114を使用者に向かって方向づける。次いで、(作動安全ロック14710を取り外した後で)基部14520を筐体14110の近位端14112に向かって移動させ、自動注射器14002を作動させる。作動後、薬剤は、針14212を通して身体の中へ注射される(図110を参照のこと)。針14212は、注射が完了すると、自動的に後退する。自動注射器14002の使用にはいくつかの個別の操作が含まれ、そして多くの異なる要素が関与する。したがって、自動注射器14002に収容される要素の詳細な説明を以下に提示し、次いで自動注射器14002の操作を段階的に説明する。
図109は、中の要素の配置を示す、自動注射器14002の斜視分解図である。図110は、第1構成(すなわち、初期構成)における自動注射器14002の断面正面図である。自動注射器14002は、薬剤混合器14360および薬剤注射器14210を備え、それらの各々は筐体14110内に配されている。自動注射器14002は、混合アクチュエータ14450および注射アクチュエータ14510をも備える。本明細書においてより詳細に説明するように、混合アクチュエータ14450は、薬剤混合器14360に結合されそしてそれを筐体14110内で移動させて薬剤容器14262の内容物を混合させるばね14436を解放するように構成されている。注射アクチュエータ14510は、圧縮ガス容器14412を移動させて近位カバー14162に結合した穿刺要素14620と係合させるように構成されている。このように、圧縮ガスを、ガスチャンバ14120(図130を参照のこと)の中へ放出して、薬剤注射器14210に薬剤を注射させるのに必要な力を生成することができる。
図111〜図114に示すように、混合アクチュエータ14450は、安全カバー14452、混合アクチュエータボタン14468および保持ロッド14478を備える。安全カバー14452は、近位カバー14162の滑動路14180の内表面14185と筐体14110の側面14196とが画定する一対の溝14197(図108を参照のこと)内に滑動可能に配置される。安全カバー14452は近位端部14453および遠位端部14454を有する。安全カバー14452の外表面14455は筐体14110の形状に対応する湾曲した形状を有する。安全カバー14452の内表面14456は滑動路14180の少なくとも一部を受けることができる開口部14459を画定する。安全カバー14452の内表面14456は、滑動路14180の外表面14184の形状および/または混合アクチュエータボタン14468の外表面14472の形状に対応する形状を有する。安全カバー14452の内表面14456は、溝14197内に受けられかつ滑動路14180の内表面14185および筐体14110の側面14196を係合する2つの細長い突起14458をも画定する。この係合により、筐体14110に結合したまま、図108および図128に矢印AAAで示すように安全カバー14452が滑動路14180に対して長手方向に滑動することができる。
安全カバー14452の遠位端部14454は、安全カバーばね14464の遠位端14466内に受けられる突起14462を備える。安全カバーばね14464の近位端14465は、図114に示すように、近位カバー14162の内表面14166が画定するばねポケット14170内に受けられる。このように、安全カバー14452は、図108に示すように、安全カバーばね14464によって第1位置で(すなわち、筐体14110の遠位端部14114に向かって)付勢されている。安全カバー14452が第1位置にあるとき、混合アクチュエータボタン14468は、安全カバー14452の内表面14456が画定する開口部14459内に受けられている。このようにして、混合アクチュエータボタン14468は安全カバー14452によって覆われている。
図111に示すように、保持ロッド14478は近位端部14479および遠位端部14480を有する。保持ロッド14478の遠位端部14480は、ばねクリップ14362の第1端部14363を受けるスロット14482を画定する(図119を参照のこと)。自動注射器14002が第1(すなわち、初期)構成にあるとき、保持ロッド14478の近位端部14479は滑動路14180の遠位表面14183に接触している(図110および図114を参照のこと)。したがって、保持ロッド14478は、保持ロッド14458が混合ばね14436を圧縮構成に保持する第1(すなわち、遠位)位置に維持されている。図110に示すように、自動注射器14002が第1構成にあるとき、保持ロッド14478は、混合ばね14436の長手方向軸LMIXから角度がずれている。
混合アクチュエータボタン14468は近位端部14469および遠位端部14470を有する。混合アクチュエータボタン14468の遠位端部14470は、図111に示すように、筐体14110が画定する混合ばね開口部14191内に受けられている。混合アクチュエータボタン14468は、図111に示すように、ロッド14478を受ける2つの開口部14474を画定する。このように、混合アクチュエータボタン14468が、図128の矢印BBBが示すように、内側方向に移動するとき、保持ロッド14478は混合アクチュエータボタン14468とともに移動する。したがって、本明細書においてより詳細に説明するように、混合アクチュエータボタン14468が内側方向に移動するとき、保持ロッドの近位端部14479は、滑動路14180に画定される溝14188と揃うことができ(図114を参照のこと)、これにより混合ばね14436が混合ばね14436の長手方向軸LMIXに沿ってその圧縮構成から拡張構成へと移動できるようになる。
本明細書においてより詳細に説明するように、混合アクチュエータボタン14468の遠位端部14470は、混合アクチュエータ14450が作動しているとき(例えば、図128を参照のこと)ばねクリップ14362の一部を受ける開口部14475を規定する。同様に、混合アクチュエータボタン14468の近位端部14469は、混合アクチュエータ14450が作動しているとき、安全カバー14452の遠位端表面14457を係合する近位端表面14473を有する。
図114に示すように、近位カバー14162は頂部14171および滑動路14180を備える。上で説明したように、滑動路14180の外表面14184は、安全カバー14452の形状に対応する形状を有する。滑動路14180の内表面14185は、筐体14110の側面14196とともに、安全カバー14452が滑動可能に配置されている溝14197を画定する。滑動路14180の内表面14185はまた、近位カバー14162の頂部14171の内表面14166が画定するばねポケット14170から遠位方向に延びる2つの細長い突起14186をも画定する。したがって、細長い突起14186は、安全カバーばね14464を部分的に取り囲む。
滑動路14180は近位端部14181および遠位端部14182を有する。滑動路14180は、近位端部14181から遠位端部14182へ延びる長手方向の溝14188を画定する。溝14188は、保持ロッド14478の断面形状に対応しそれよりもわずかに大きい形状を有する。このように、保持ロッド14478の近位端部14479を溝14188内に受けることができる。
滑動路14180の遠位端部14182は、溝14188に隣接した遠位表面14183をも備える。上で説明したように、自動注射器14002が第1構成にあるとき、保持ロッド14478の近位端部14479は、滑動路14180の遠位表面14183と接触している。
近位カバー14162の頂部14171は、穿刺要素14620を受ける開口部14164を画定する内表面14166を備える。開口部14164は、穿刺要素14620が圧縮ガス容器14412と揃うように配置されている。いくつかの実施形態では、例えば、開口部14164の長手方向中心線は圧縮ガス容器14412が画定する長手方向軸LEと同軸である。開口部14164は止まり穴であるとして示しているが、他の実施形態では、開口部14164は貫通孔であってもよい。
内表面14166は凹部14168をも画定する。本明細書においてより詳細に説明するように、頂部14171の凹部14168、注射器開口部14190(図111を参照のこと)を画定する表面14122および可動部材14312の近位端表面14322(図126を参照のこと)は一緒になってガスチャンバ14120を画定する。換言すると、近位カバー14162の凹部14168はガスチャンバ14120の境界の一部を画定する。
突起14176は凹部14168内に配される。図110に示すように、自動注射器14002が第1構成にあるとき、突起14176はガス放出弁14328を係合してガス放出弁14328を閉じた位置に維持する。さらに、自動注射器14002が第1構成にあるとき、突起14176は、可動部材14312が筐体14110内で近位方向に移動するのを防止する。
近位カバー14162の内表面14166はばねポケット14170およびO−リング溝14167をも画定する。上で説明したように、ばねポケット14170は安全カバーばね14464の近位端14465を受ける。O−リング14172は、O−リング溝14167内に配され、ガスチャンバ14120を密閉してシールする。近位カバー14162は、図109に示すように、4つの取り付けねじ14174によって筐体14110に結合されている。近位カバー14162の頂部14171は、取り付けねじ14174を受ける4つの取り付け穴14163を画定する。
モノリシックに形成されていると示し説明しているが、いくつかの実施形態では、頂部14171および滑動路14180は別個に形成してそれらを一緒に連結して近位カバー14162を形成してもよい。同様に、いくつかの実施形態では、近位カバー14162および筐体14110を、任意の適切な手段(例えば、超音波溶接(sonic welding)、化学的結合、レーザー溶接など)によって一緒に連結してもよい。
図109および図117に示すように、薬剤混合器14360は、薬剤容器14262および可動部材14312とともに筐体14110が画定する薬剤注射器開口部14190内に配されている。図110、図115および図116に示すように、薬剤混合器14360はばね係合部14382、プランジャ係合部14388および接合部14394を備える。接合部14394は、ばね係合部14382とプランジャ係合部14388との間に配されている。ばね係合部14382は、薬剤容器14262の外側にそれに隣接して配されている。換言すると、ばね係合部14382、それゆえ薬剤混合器14260は、薬剤容器14262の長手方向軸LMEDからずれている。同様に、薬剤混合器14360は、混合ばね14436の長手方向軸LMIXからずれている。
ばね係合部14382の内表面14387は、薬剤容器14262の形状に対応する湾曲した形状を有する。同様に、ばね係合部14382の外表面14399は、筐体14110が画定する注射器開口部14190の形状に対応する湾曲した形状を有する。このように、薬剤混合器14360は、注射器開口部14190内で一定の配向を維持しつつ(例えば、注射器開口部14190内で傾けそして/または結合することなく)注射器開口部14190内で長手方向に移動することができる。
ばね係合部14382の外表面14399は、ばね係合部14382の近位端部14383からばね係合部14382の遠位端部14384へ長手方向に延びる開口部14385を規定する。本明細書においてより詳細に説明するように、開口部14385は、薬剤注射器14210の可動部材14312が筐体14110内で遠位方向に移動しているとき(例えば、針挿入および/または薬剤注射プロセスの間)、ばねクリップ14362の一部を受けるように構成されている。ばね係合部14382の遠位端部14384は、開口部14385に隣接する係合面14386を備える。本明細書においてより詳細に説明するように、係合面14386は、ばねクリップ14362の対応する係合面14370を解放可能に係合するように構成されている。
薬剤混合器14360のばね係合部14382は、ばねクリップ14362によって混合ばね14436に解放可能に結合されている。図118および図119に示すように、ばねクリップ14362は第1端部14363、第2端部14364および第1端部14363と第2端部14364との間に配されるU字形状の屈曲14365を備える。したがって、ばねクリップ14362は、第1端部14363とU字形状の屈曲14365との間に配される外側部分および第2端部14364とU字形状の屈曲14365との間に配される内側部分14367を備える。ばねクリップ14362は、弾力性材料(例えば、真鍮)から作製されている。したがって、使用時には、内側部分14367は、図119および図128の矢印CCCにより示すように、外側部分14366に対して弾性変形することができる。
ばねクリップ14362の外側部分14366は、混合ばね14436の近位端部14438内に受けられる突起14374を備える。上で説明したように、突起14374は、保持ロッド14478によって混合ばね14436の近位端部14438内に固定されている。外側部分14366の一部は、混合安全ロック14760が画定する保持溝14768内に受けられている。混合安全ロック14760の詳細は、本明細書において詳細に説明されている。
ばねクリップ14362の内側部分14367はその第2端部14364に点14373を備える。ばねクリップ14362の内側部分14367は、点14373から遠位方向に延びる角度がついた表面14372、係合面14370および湾曲表面14371をも備える。使用時には、角度がついた表面14372は混合ばね開口部14191(図111を参照のこと)を画定する筐体14110の表面14194を係合し、これにより(図118および図128に矢印CCCで示すように)内側部分14367を外側方向に曲げる。このように、ばねクリップ14362の係合面14370は、薬剤混合器14360の対応する係合面14386から離脱することができ、これによって薬剤混合器14360を混合ばね14436から分離することができる。
薬剤混合器14360のプランジャ係合部14388は近位端部14389および遠位端部14390を有する。図115、図116および図126に示すように、プランジャ係合部14388の近位端部14389は、可動部材14312の側壁14315が画定する開口部14317を通って、そして可動部材14312の側壁14315が画定する管腔14319内に配される。プランジャ係合部14388の遠位端部14390が第1プランジャ14284が画定する開口部を通ってそして薬剤容器14262の中へ配されるように、プランジャ係合部14388はまた、可動部材14312の遠位端部14318が画定する開口部14321を通って配置される。図125に示すように、第2プランジャ14282はプランジャ連結器14392によってプランジャ係合部14388の遠位端部14390に結合されている。
薬剤混合器14360の接合部14394は、ばね係合部14382の近位端部14383とプランジャ係合部14388の近位端部14389との間に配される。接合部14394は、開口部14395を画定し、その開口部内にピン14396が移動可能に配置される。本明細書においてより詳細に説明するように、注射操作が完了したとき、ピン14396はガス放出弁14328を作動させ(例えば、図116および図132を参照のこと)、ガスチャンバ14120内の加圧ガスを逃がすことができる。
薬剤混合器14360および可動部材14312のこの構成により、薬剤混合器14360が可動部材14312とともに、可動部材14312に対しておよび/または可動部材14312とは独立に移動することができる。薬剤混合器14360および可動部材14312のこの構成により、可動部材14312が第1方向とは反対の第2方向に(例えば、遠位方向に)移動しているときに、薬剤混合器14360が第1方向に(例えば、近位方向に)移動することも可能になる。このように、本明細書においてより詳細に説明するように、薬剤混合器14360は薬剤容器14262に収容される異なる薬剤を合わせそして/または混合し、自動注射器14002を介して送達するのに適した混合物を生成することができる。
薬剤容器14262内に収容される薬剤(複数個であってもよい)が適切に混合されると、圧縮ガス容器14412を移動させて穿刺要素14620に係合させるように構成されたシステムアクチュエータ14510が自動注射器14002を作動させてもよい。図109および図120〜図124に示すように、注射アクチュエータ14510は、基部14520、保持ロッド14540、ばね14560および作動安全ロック14710を備える。
作動の前に、ばね14560は、ばね14560が保持ロッド14540の近位端部14542および筐体14110のガス容器開口部14124内に画定される保持肩(retention shoulder)14570によって保持されるように、圧縮構成で保持ロッド14540の周囲に配置される。このように、ロッド14540の遠位端部14544が保持肩14570から分離されるとき、ばね14560の力によって保持ロッド14540ひいては圧縮ガス容器14412が筐体14110内で圧縮ガス容器14412の長手方向軸LEに沿って近位方向に移動するように、保持ロッド14540はばねで留められている。
保持ロッド14540の遠位端部14544は、互いに離れて配置されその間に開口部14554を画定する2つの伸展部14552を備える。各伸展部14552は、テーパー状表面14550および係合面14549を有する突出部14548を備える。図124に示すように、保持ロッド14540がその第1(または、係合)位置にあるとき、係合面14549は、筐体14110が画定するガス容器開口部14124内に画定される保持肩14570の遠位表面14574を係合する。したがって、保持ロッド14540がその第1位置にあるとき、保持ロッド14540が、長手方向軸LEに沿って近位方向に移動することは防止されている。本明細書においてより詳細に説明するように、基部14520が筐体14110に向かって近位方向に移動し自動注射器14002を作動させるとき、突出部14548のテーパー状表面14550は、基部14520が画定する対応するテーパー状表面14524と協働して伸展部14552を互いに向かって内側方向に移動させる。伸展部14552の内側方向への移動により、係合面14549が保持肩14570の遠位表面14574から離脱し、これにより保持ロッド14540がその第1位置(図110)と第2(または、作動)位置(図130)との間を移動することができる。
保持ロッド14540の近位端部14542は第1表面14547および第2表面14546を有する保持部14545を備える。保持部14545の第1表面14547は圧縮ガス容器14412の遠位部14416を係合する。保持部14545の第2表面14546はばね14560の近位端14562を係合する。ばね14560の遠位端14564は保持肩14570の近位表面14572を係合する。このように、保持ロッド14540がその第1位置にあるとき、ばね14560は保持肩14570と保持ロッド14540の保持部14545との間で圧縮される。したがって、保持ロッド14540が保持肩14570から離脱しているとき、ばね14560が保持ロッド14540の保持部14545にもたらす力によって、保持ロッド14540は長手方向軸LEに沿って近位方向にその第2位置(例えば、図124および図129を参照のこと)へと移動する。
図121に示すように、基部14520は近位部14521および遠位部14529を備える。基部14520の遠位部14529は、図109に示すように、2つの取り付けねじ14174によって筐体14110の遠位端部14114に移動可能に結合されている。基部14520の遠位部14529は、取り付けねじ14174を受ける2つの開口部14536を画定する。このように、筐体14110に対する基部14520の移動および/または位置合わせは取り付けねじ14174および開口部14536により案内される。
基部14520の遠位部14529は針開口部14532および後退ばねポケット14531をも針開口部14532内に画定する。自動注射器14002がその第4構成にあるとき(図130を参照のこと)、針14212は針開口部14532を通って延びる。図110に示すように、後退ばね14350の遠位端14354は後退ばねポケット14531内に保持される。
基部14520の遠位部14529は、頂部開口部14523および2つの側面開口部14525を画定する近位方向に面した突出部14523を画定する。頂部開口部は、混合安全ロック14760の遠位端部14764を受ける(図118を参照のこと)。2つの側面開口部14525は、作動安全ロック14710の内向きの突起14718を受ける(図121を参照のこと)。したがって、自動注射器がその第1構成にあるとき、混合安全ロック14760の遠位端部14764から延びる突起14766は、作動安全ロック14710の内向きの突起14718が規定する開口部14719内に延びる。この構成により、混合安全ロック14760がその初期の位置にあるとき、作動安全ロック14710が取り外されることが防止される。換言すると、混合操作が完了された後まで安全ロック14710が取り外すことができないように、混合安全ロック14760および作動安全ロック14710は協働的に配される。
基部14520の近位部14521は、基部14520が筐体14110に向かって近位方向に移動するときに保持ロッド14540の対応するテーパー状表面14550を受けるように構成された開口部14522を画定する2つの対向するテーパー状表面14524(このテーパー状表面のうちの1つだけを図121に示す)を備える。保持ロッド14540の突出部14548が開口部14522内に受けられるとき、それらは一緒に移動し、ロッド14540の遠位端部14544を保持肩14570から離脱させる。
図120に示すように、作動安全ロック14710は第1端部14712および第2端部14714を有する。作動安全ロック14710の第2端部14714は2つの伸展部14716を備え、その各々が開口部14719を画定する内向きの突起14718を備える。作動安全ロック14710がその第1(またはロック)位置にあるとき、伸展部14716は基部14520および/または筐体14110の一部の周囲に延び、基部14520を筐体14110の遠位端部14114から間隔を空けて配置する。伸展部14716の端部14721は、筐体14110、基部14520および/または取り付けねじ14174の一部をわずかに包み込み、作動安全ロック14710を筐体14110にその第1位置で取り外し可能に結合するように構成されている。さらに、内向きの突起14718は基部14520の側面開口部14525内に延び、作動安全ロック14710をその第1位置に取り外し可能に結合する。内向きの突起14718が作動安全ロック14710の取り外しに対して抵抗を示すが、取り外すのを妨げないように、内向きの突起14718は、図129の矢印GGGで示すような作動安全ロックの移動の方向に対して鋭角にある。
作動安全ロック14710の第1端部14712は内側方向に延びる係止突起14722を備える。図124に示すように、作動安全ロック14710がその第1位置にあるとき、係止突起14722は開口部14554内で保持ロッド14540の突出部14548と基部14520が画定する開口部14522との間に延びる。このように、作動安全ロック14710がその第1位置にあるとき、基部14520が近位方向に移動して突出部14548を開口部14522に受けることはできない。係止突起14722の構成により、保持ロッド14540の突出部14548が互いに向かってい内側方向に移動することも妨げられる。したがって、作動安全ロック14710がその第1位置にあるとき、自動注射器14002を作動させることはできない。
作動安全ロック14710の第1端部14712の外表面14724は、使用者がより容易に作動安全ロック14710を把持できるようにするための一連のリッジ14726を備える。いくつかの実施形態では、第1端部14712の外表面14724は、自動注射器14002を操作している使用者に指示するための印(例えば、数字)を備えていてもよい。
本明細書においてより詳細に説明するように、作動後は、注射アクチュエータ14510は、圧縮ガス容器14412を移動させて近位カバー14162に結合されている穿刺要素14620と係合させるように構成されている。図109および図122に示すように、圧縮ガス容器14412は、筐体14110のガス容器開口部14124内に滑動可能に配置されている。圧縮ガス容器14412は遠位端部14416および近位端部14414を有し、長手方向軸LEを画定する。上で説明したように、圧縮ガス容器14412の遠位端部14416は、保持ロッド14540の保持部14545と係合されている。
圧縮ガス容器14412の近位端部14414は壊れやすい表面14418を備える。O−リング14423およびスペーサ14425は、圧縮ガス容器14412の近位端部14414の周囲に配置され、ガス容器開口部14124内で圧縮ガス容器14412の近位端14414を密閉してシールする。この構成により、圧縮ガス容器14412の壊れやすい表面14418に穴が空けられた後、加圧ガスが圧縮ガス容器14412の周りでガスチャンバ14120の外部の領域に漏れるのが防止される。
薬剤注射器14210は薬剤容器14262、針14212および可動部材14312を備える。本明細書においてより詳細に説明するように、薬剤容器14262は筐体14110が画定する薬剤注射器開口部14190内に移動可能に配置されている。可動部材14312もまた筐体14110が画定する薬剤注射器開口部14190内に移動可能に配置され、かつ薬剤容器14262に対して移動可能である。
薬剤容器14262は、圧縮ガス容器14412の長手方向軸LEおよび混合ばね14436の長手方向軸LMIXとは同軸ではない長手方向軸LMEDを画定する。したがって、薬剤容器14262、圧縮ガス容器14412および混合アクチュエータ14450は、筐体が実質的に長方形形状を有するように、筐体14110内で実質的に平行に配置されている。さらに、薬剤容器14210と、圧縮ガス容器14412と混合アクチュエータ14450との間の同軸でない関係により、筐体の近位端部14112から離して配置されている自動注射器14002の一部(例えば、筐体の側部14195に配される混合アクチュエータボタン14468および筐体14110の遠位端部14114に配される基部14520)を操作することにより、混合アクチュエータ14450および/または注射アクチュエータ14510を作動させることができる。
図125に示すように、薬剤容器14262は近位端部14264および遠位端部14266を備える。薬剤容器14262は、第1プランジャ14284および第1プランジャ14284から遠位方向に配置される第2プランジャ14282を備える。第1プランジャ14284および第2プランジャ14282は、各々、薬剤容器14262内に移動可能に配置されている。壊れやすいシール14270は、薬剤容器14262の遠位端部内に固定して配置されている。薬剤容器14262の遠位端部14266は、後退ばね14350の近位端部14352を係合する肩部14276を画定する。
図125に示すように自動注射器14002が第1構成にあるとき、第1プランジャ14284は薬剤容器14262の近位端部14264内に第1位置で配置されている。第2プランジャ14282は、容積Vlを有する第1薬剤収容部14283が第1プランジャ14284と第2プランジャ14282との間に画定されるように、第2位置で第1プランジャ14284から遠位方向に配置されている。同様に、容積V2を有する第2薬剤収容部14285は、第2プランジャ14282と壊れやすいシール14270との間に画定される。いくつかの実施形態では、薬剤容器14262は、第1薬剤収容部14283内に第1薬剤14268(例えば、水)を、そして第2薬剤収容部14285内に第2薬剤14269(例えば、凍結乾燥粉末)を収容してもよい。
薬剤容器14262内に配されるとき、第1プランジャ14284は流体密シールを形成する。したがって、第1プランジャ14284が薬剤容器14262内で移動するとき、第1プランジャ14284から遠位方向に配置される薬剤容器14262内の部分(例えば、第1薬剤収容部14283および/または第2薬剤収容部14285)は、第1プランジャ14284から近位方向に配置される薬剤容器14262内の部分から流体的に隔離されたままである。
薬剤容器14262内に固定されているとき、第2プランジャ14282も流体密シールを形成する。しかしながら、第2プランジャ14282が薬剤容器14262内で移動するとき、第2プランジャ14282の柔軟性のある部分14277は変形することができ、これにより第1プランジャ14284から遠位方向に配置される薬剤容器14262内の部分(例えば、第2薬剤収容部14285)が第1プランジャ14284から近位方向に配置される薬剤容器14262内の部分(例えば、第1薬剤収容部14283)と流体的に連通しているようになる。
針14212は薬剤容器14262の遠位端部14266に結合されており、針14212は画定する管腔14217が壊れやすいシール14270から遠位方向に配置される薬剤容器の一部と流体的に連通している。したがって、壊れやすいシール14270が破壊されると、第1薬剤収容部12283および/または第2薬剤収容部12285は針14212が画定する管腔14217と流体的に連通する。
図126および図127に示すように、可動部材14312は近位端部14316および遠位端部14318を備える。可動部材14312の遠位端部14318は、遠位端部14318が第1プランジャ14284を係合するように、薬剤容器14262の近位部14264内に配されている。可動部材14312は、近位端部14316から遠位端部14318へ長手方向に延びる側壁14315を備える。側壁14315は、管腔14319および開口部14317を画定する。図116および図117を参照して上で説明したように、薬剤混合器14360のプランジャ係合部14388は、開口部14317を通して管腔14319内に配される。可動部材14312の遠位端部14318も、プランジャ係合部14388がそれを通して配される開口部14321を画定する。
可動部材14312の近位端部14316は、近位カバー14162の内表面14166(図114を参照のこと)および注射器開口部14190を画定する表面14122(図111を参照のこと)とともに、ガスチャンバ14120を画定する表面14322を備える。換言すると、表面14322は、ガスチャンバ14120の境界の一部を画定する。
可動部材14312の近位端部14316は、筐体14110の内表面14122の一部(図130を参照のこと)を係合してガスチャンバ14120を流体的に隔離するシール14314をも備える。シール14314はO−リングシールであるとして示しているが、いくつかの実施形態では、このシールは別個の要素である必要はなく、むしろ可動部材14312の近位端部14316の一部であってよい。
図126および図127に示すように、可動部材14312の近位端部14316は、それを通る開口部14326を画定する。この開口部は、ガスチャンバ14120とガスチャンバ14120の外側で筐体14110の内側との間で流体的に連通している。近位端部14316は、さらに、ガス開放弁14328(これは、例えば、柔軟性のあるゴム部材であってよい)を受ける2つのスロット14330を画定する。ガス開放弁14328は、スロット14330内で開口部14326に隣接して配置されており、開口部14326を通してガスチャンバ14120とガス容器14120の外側の領域との間の流体連通を選択的に許容する。
本明細書においてより詳細に説明するように、注射アクチュエータ14510が作動しているとき、可動部材14312の表面14322上で加圧ガスにより生み出される力に応答して可動部材14312は筐体14110の遠位端部14114に向かって移動する。結果として、薬剤容器14262は筐体14110の遠位端部14114に向かって移動し、これにより針14212を筐体14110から露出させる。次いで、可動部材14312は薬剤容器14262内で移動し続け、壊れやすいシール14270を破り、薬剤を薬剤容器14262から針14212を通して発射する。
上で考察したように、自動注射器14002を使用し作動させることには、図110および図128〜図132に示すように、いっくつかの個別の操作が含まれる。図110および図128〜図132は、自動注射器14002の同一の要素を示す。明確にするために、特定の参照番号は、いくつかの図面では省略している。第1に、混合アクチュエータ14450は、安全カバー14452を近位方向に移動させて混合アクチュエータボタン14468(図128を参照のこと)を露出させることにより、利用可能にする。第2に、薬剤混合器14360は混合アクチュエータボタン14468を内側方向に押す(図128を参照のこと)ことにより作動する。薬剤混合器14360が作動すると、混合ばね14436からの力によって薬剤混合器14360が筐体14110内で近位方向に移動する。したがって、第2プランジャ14282は薬剤容器14262内で近位方向に移動し、第1薬剤14268および第2薬剤14269を混合しそして/または合わせる。
混合操作が完了すると、薬剤注射器14210は、安全ロック14710(図129を参照のこと)を取り外すことにより利用可能にする。次いで、基部14520を筐体14110に向かって近位方向に移動させることにより、薬剤注射器14210が作動される。薬剤注射器14210が作動しているとき、圧縮ガス容器14412は移動して穿刺部材14620と係合し、これにより加圧ガスがガスチャンバ14120(図130を参照のこと)の中へ放出される。加圧ガスは、可動部材14312および薬剤容器14262を筐体14110内で遠位方向に移動させて針14212を筐体14110の遠位端部14114および基部14520(図130を参照のこと)から伸長させるための力を生み出す。この操作を、「針挿入」操作と呼んでもよい。薬剤容器14262がその遠位方向の移動を完了すると(すなわち、針挿入操作が完了すると)、第1プランジャ14284上の可動部材14312からの力によって壊れやすいシール14270が破れ、これにより第2薬剤収容部14285を針14212と流体的に連通している状態に置く。したがって、可動部材14312は薬剤容器14262内で移動し、これにより針14212(図131を参照のこと)を通して混合薬剤を発射する。この操作を「注射操作」と呼んでもよい。注射が完了すると、加圧ガスがガスチャンバ14120から放出され、これにより薬剤容器14262が筐体内で近位方向に移動する(すなわち、後退する;図132を参照のこと)が可能になる。以下に、これらの操作の各々についての詳細な説明を提供する。
図128は、自動注射器14002の混合アクチュエータ14450が既に作動している第2構成にある自動注射器14002を示す。作動の前に、混合アクチュエータ14450は、まず、安全カバー14452を近位方向に移動させ混合アクチュエータボタン14468を露出させることにより、利用可能にしなければならない。上で説明したように、図128に矢印AAAで示すように、安全カバー14452が第1(すなわち、遠位)位置と第2(すなわち、近位)位置との間で長手方向軸LMlXに平行な方向に移動するように、安全カバー14452の細長い突起14458は溝14197(図128には示さず)内で滑動する。安全カバー14552が第2位置にあるとき、滑動路14180の一部は安全カバー14452の開口部14459内に受けられる。
次いで、図128の矢印BBBで示すように、第1位置と第2位置との間で内側方向に混合アクチュエータボタン14468押すことにより、薬剤混合器14360が作動する。混合アクチュエータボタン14468がその第2位置にあるとき、その近位端表面14473(図113を参照のこと)は安全カバー14452の遠位端表面14457(図128には示さず、例えば図112を参照のこと)を係合する。したがって、混合アクチュエータボタン14468が押された後は、安全カバー14452が安全カバーばね14464により遠位方向に移動する(すなわち、その初期位置に戻る)ことは妨げられている。この構成により、使用者が安全カバー14452の位置の素早い視覚的検査を通して、自動注射器14002が使用されているのかどうかを知ることができる。
混合アクチュエータボタン14468がその第1位置と第2位置との間を移動するとき、保持ロッド14478は混合アクチュエータボタン14468とともに第1(すなわち、初期)位置から第2(すなわち、中間)位置へと移動する。保持ロッド14478の遠位端部14480はその第1位置と第2位置との間を移動する実質的に同一の位置に留まるので、保持ロッドがその第1位置と第2位置との間を移動するとき、保持ロッド14478は混合ばねの長手方向軸LMIXと実質的に直角な軸に沿って回転する。
図110に示すように、保持ロッド14478が第1位置にあるとき、混合ばね14436がその圧縮構成で維持されるように、保持ロッド14478の近位端部14479は滑動路14180の遠位表面14183を係合する。保持ロッド14478が第2位置にあるとき、保持ロッド14478の近位端部14479は滑動路14180中に画定される溝14188(図114を参照のこと)と整列している。したがって、混合ばね14436は、図128の矢印DDDで示すように、長手方向軸LMIXに沿ってその圧縮構成から拡張構成へ移動する。
混合ばね14436がその圧縮構成(図110)からその拡張構成(図128)へ移動するとき、保持ロッド14478はその第2(すなわち、中間)位置から第3(すなわち、作動)位置へと移動する。保持ロッド14478がその第2から第3位置へ移動するとき、保持ロッド14478の近位端部14479は滑動路14180内に画定される溝14188内に受けられる。したがって、保持ロッド14478は、図128に矢印EEEで示すように、長手方向軸LMIXに沿って近位方向に移動する。
薬剤混合器14360はばねクリップ14362を介して混合ばね14436に結合されているため、混合ばね14436がその圧縮構成(図110)からその拡張構成(図128)へと移動するとき、図128の矢印FFFで示すように、薬剤混合器14360は薬剤注射器開口部14190内で近位方向に移動する。したがって、第2プランジャ14282は、薬剤容器14262内で第2位置(図125を参照のこと)から第3位置へと近位方向に移動する。上で説明したように、第2プランジャ14282が薬剤容器14262内で近位方向に移動するとき、第2プランジャ14282の柔軟性のある部分14277は変形し、第1薬剤収容部14283を第2薬剤収容部14285と流体的に連通している状態に置く。このようにして、第1薬剤14268を第2薬剤14269と混合して自動注射器14002を介して送達するのに適した混合物を生成することができる。
第2プランジャ14282が薬剤容器14262内で第2位置から第3位置へと近位方向に移動するとき、近位カバー14162の突起14176(図114を参照のこと)はガス開放弁14328と係合したままである。この構成により、可動部材14312(それゆえ第1プランジャ14284)が筐体14110内で近位方向に移動することは妨げられる。したがって、第2プランジャ14282が薬剤容器14262内で第2位置から第3位置へ近位方向に移動するとき、第1プランジャ14284は薬剤容器14262内で第1位置に留まる。換言すると、第2プランジャ14282は、可動部材14312および/または第1プランジャ14284に対してそしてこれらとは独立に、薬剤容器14262内で第2位置から第3位置へ近位方向に移動する。
図128は近位カバー14162の突起14176がガス開放弁14328および/または可動部材14312の表面14322と係合しているとして示しているが、いくつかの実施形態では、突起14176はガス開放弁14328および/または可動部材14312の表面14322からわずかに間隔が空いていてもよい。このようなわずかの空間は、製作およびアセンブリにおける正規偏差(すなわち、要素の製作公差内の偏差)からもたらされ得るものでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、第2プランジャ14282が薬剤容器14262内で第2位置から第3位置へ近位方向に移動するとき、第1プランジャ14284は薬剤容器14262内でわずかに近位方向に移動することができる。
図128に示すように、自動注射器14002が第2構成にあるとき、第2薬剤収容部14285の容積V2'は、薬剤容器14262が第1構成(図125を参照のこと)にあるときの容積V2よりも大きい。さらに、自動注射器14002が第1構成にあるときの薬剤容器14262の全容積(V1+V2)は、自動注射器14002が第2構成にあるときの薬剤容器14262の全容積(V1'+V2')と同じである。第1薬剤収容部14283の容積V1'はゼロより大きいとして示しているが、自動注射器14002が第2構成にあるとき、第1薬剤14268の実質的にすべておよび第2薬剤14269の実質的にすべてが第2薬剤収容部14285内に収容される。
第1薬剤収容部14283の容積V1'はゼロより大きいとして示しているが、いくつかの実施形態では、自動注射器14002が第2構成にあるとき、第1薬剤収容部14283の容積V1'は実質的にゼロであってよい。換言すると、いくつかの実施形態では、自動注射器14002が第2構成にあるとき、第2プランジャ14282は第1プランジャ14284を係合してもよい。
自動注射器14002が第2構成(図128)についた後、いくつかの実施形態では、使用者は、例えば自動注射器14002を振盪することにより、混合を増強してもよい。混合プロセスは実質的に一定の容積で起こるため、第1薬剤収容部14283および第2薬剤収容部14285内の圧力は混合プロセス全体を通して実質的に一定のままである。さらに、薬剤混合器14360は、薬剤注射器14210とは独立に、かつ薬剤注射器14210とは別個のエネルギー蓄積部材(例えば、混合ばね14436)を使用して作動される。この構成により、準備が整う前の壊れやすいシール14270の破断を防止することができる。準備が整う前に壊れやすいシール14270が破れると、自動注射器14002が作動する前に薬剤が注射されてしまう可能性がある。さらに、混合プロセスが実質的に一定容積で起こるため、いくつかの実施形態では、第1薬剤収容部14283および/または第2薬剤収容部14285は、ガスを欠いていてもよい(例えば、第1薬剤14268および/または第2薬剤14269を真空中に保存してもよい)。
同様に、第2プランジャ14282が薬剤容器14262内で第2位置から第3位置へ近位方向に移動するとき、第1プランジャ14284は薬剤容器14262内で実質的に第1位置に留まるため、第2薬剤収容部14285への第1薬剤14268の流量は、第2位置と第3位置との間を移動しているときの第2プランジャ14282の速度にのみ依存する、したがって、第1薬剤14268の流量は、第2位置と第3位置との間を移動しているときの第2プランジャ14282の速度を調整することにより調整することができる。例えば、いくつかの実施形態では、(例えば、第2薬剤収容部14285への第1薬剤14268の乱流を生み出すことにより)混合を増強するために高流量が望まれる場合がある。第2プランジャ14282の速度は、例えば混合ばね14436の剛性(すなわち、ばね定数)を大きくすることにより、調整することができる。
混合ばね14436がその圧縮構成(図110)からその拡張構成(図128)へと移動するとき、混合安全ロック14766(図118を参照のこと)はばねクリップ14362に沿って筐体内で近位方向に移動する。したがって、自動注射器14002が第2構成(図128)にあるとき、混合安全ロック14760の遠位端部14764から延びる突起14766は、作動安全ロック14710の内向きの突起14718(図120を参照のこと)によって画定される開口部14719の外側へ移動する。このように、自動注射器14002が第2構成にあるとき、作動安全ロック14710は取り外すことができる。
混合操作の間、ばねクリップ14362は筐体14110内で第1(すなわち、遠位)位置から第2(すなわち、近位)位置へと近位方向に移動する。ばねクリップ14362がその第1位置からその第2位置へ移動するとき、ばねクリップ14362の角度がついた表面14372は筐体14110の表面14194を係合し、これによりばねクリップ14362が近位方向に移動するとき、図128に矢印CCCで示すように内側部分14367が外側方向に曲がる。したがって、図128に示すようにばねクリップ14362がその第2位置にあるとき、ばねクリップ14362の係合面14370は薬剤混合器14360の係合面14386から離脱し、これにより薬剤混合器14360が混合ばね14436から分離される。クリップ14362の湾曲表面14371(図119を参照のこと)によって、薬剤混合器14360を混合ばね14436から分離する容易さが増す。換言すると、湾曲表面14371は、ばねクリップ14362の係合面14370が(例えば、バリ、表面粗さなどによって)薬剤混合器14360の係合面14386に拘束されるのを防ぐのを助ける。このように、薬剤混合器14360が、針挿入および/または注射操作の間筐体内で遠位方向に移動するとき、混合ばね14436は圧縮されない。さらに、ばねクリップ14362がその第2位置にあるとき、ばねクリップ14362の第2端部14364にある点14373は、混合アクチュエータボタン14468の開口部14475(図113を参照のこと)内に受けられる。
図129は、自動注射器14002の注射アクチュエータ14510が作動している、第3構成における自動注射器14002を示す。注射アクチュエータ14510が作動できるようになる前に、作動安全ロック14710を取り外さなければならない。図129の矢印GGGで示すように、作動安全ロック14710は、圧縮ガス容器14412の長手方向軸LEに実質的に垂直に作動安全ロック14710を引くことにより取り外される。作動安全ロック14710が取り外されると、係止突起14722(図120を参照のこと)は保持ロッド14540の突出部14548と基部14520が画定する開口部14522との間の領域からから取り外される。
作動安全ロック14710が取り外されたのち、基部14520は、図129に矢印HHHで示すように、近位方向に移動して、薬剤注射器14210を作動させることができる。基部14520が筐体14110に向かって近位方向に移動するとき、保持ロッド14540の突出部14548のテーパー状表面14550は基部14520の対応するテーパー状表面14524と協働して保持ロッド14540の伸展部14552を互いに向かって内側方向に移動させる。伸展部14552が内側方向に移動することにより、係合面14549が筐体14110が画定するガス容器開口部14124内に画定される保持肩14570の遠位表面14574から離脱する。したがって、ばね14560からの力が、保持ロッド14540を筐体内で長手方向軸LEに沿って第1位置(図128)から第2位置(図129)へ近位方向に移動させる。
保持ロッド14540が圧縮ガス容器14412に結合しているため、ロッド14540がその第1(係合)位置からその第2(作動)位置へ移動するとき、圧縮ガス容器14412は筐体14110内で近位方向に移動し、図129に矢印IIIで示すように、穿刺要素14620と係合する。穿刺要素14620は圧縮ガス容器14412の近位端部14414で壊れやすい表面14418を穿孔し、これにより圧縮ガスがガスチャンバ14120(図130を参照のこと)の中へ放出され薬剤注射器14210が作動する。
圧縮ガス容器14412から放出される加圧ガスは、可動部材14312の表面14322を含むガスチャンバ14120の境界に力を加える。この力によって、可動部材14312および薬剤容器14262が、第4構成における自動注射器14002を示す図130に矢印JJJで示すように、筐体14110の注射器開口部14190内で遠位方向に一緒に移動する。第4構成にあるとき、針14212は、基部14520が画定する開口部14532を通って自動注射器14002の外側の領域へ配置される。このようにして、針14212は自動的に患者に挿入される(例えば、針挿入操作)。
自動注射器14002が第3構成(図129)と第4構成(図130)との間を移動しているとき、壊れやすいシール14270は無傷のままであり、針14212は薬剤容器14210の第2薬剤収容部14285から流体的に隔離されたままである。このように、自動注射器14002がその第3構成とその第4構成との間を移動するにつれて、挿入が完了した後まで薬剤を注射することなく、針14212を患者に挿入することができる。換言すると、針挿入操作は薬剤注射操作とは別個のものである。
自動注射器14002が第3構成(図129)と第4構成(図130)との間を移動しているとき、ばねクリップ14362の一部は薬剤混合器14360のばね係合部14382の長手方向開口部14385(図116を参照のこと)内で移動する。このように、薬剤注射器14210は、混合ばね14436を圧縮することなく、筐体内で遠位方向に移動することができる。
針挿入操作の間、第2薬剤収容部14285の容積V2'および第1薬剤収容部14283の容積V1'は実質的に一定のままである。このように、針挿入操作は薬剤注射操作とは独立している。図130に示すように、針挿入操作が完了すると、後退ばね14350は完全に圧縮され、筐体14110内の薬剤容器14262のさらなる遠位方向の移動が妨げられる。薬剤容器14262の遠位方向の移動は反対方向であるため、加圧ガスが可動部材14312の表面14322にもたらす力は壊れやすいシール14270が破れるまで増加し、それにより針14212の管腔14217が薬剤容器14262の第2薬剤収容部14285と流体的に連通している状態になる。
いったん針14212が薬剤容器14262と流体的に連通している状態になると、加圧ガスからの力によって、可動部材14312が共同して第1プランジャ14284および第2プランジャ14282を薬剤容器14262内で、図131に矢印KKKで示すように移動させ、これにより針14212を通して薬剤が発射される。可動部材14312は薬剤容器14262内で所定の距離を移動し、この地点でピン14396(図115を参照のこと)が薬剤容器14262の近位部14264に接触する。可動部材14212および薬剤混合器14360が連続的に遠位方向に移動することにより、図131に矢印LLLで示すように、ピン14396は開口部14395内で近位方向に移動する。このようにして、ピン14396はガス放出弁14328を作動させ、ガスチャンバ14120内の加圧ガスを可動部材14312にある開口部14326を介して逃がす。
加圧ガスがガスチャンバ14120から流れ出すと、可動部材14312の表面14322にもたらされる圧力は減少する。したがって、後退ばね14350によってもたらされる力は、薬剤注射器14210を筐体14110内で、矢印MMMで示すように、図132に示すような第6(または後退)構成へと近位方向に移動させるのに十分である。薬剤注射器14210および薬剤混合器14360は一緒に近位方向に移動するため、ピン14396は弁14328と係合したままである。このため、可動部材14312の位置によらず、開口部14326はガスチャンバ14120と流体的に連通したままである。このような構成により、加圧ガスのすべてがガスチャンバ14120から外へ流れ出ることが確実になり、それにより薬剤注射器14210が第6構成に戻り、第6構成と第5構成との間でゆれないことを確実になる。このような振動が起こると、針14212が完全には筐体14110の中へと後退していないことになりかねない。
自動注射器14002は互いに異なる6つの異なる構成を有するとして示し説明しているが、いくつかの実施形態では、自動注射器の特定の構成が別の構成と同一であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、「作動前」構成が「後退」構成と同一であってもよい。他の実施形態では、任意の数の異なる構成の間で移動するとき、上で説明した機能のいずれかが達成されてもよい。
図133は、本発明の実施形態にかかる方法15002のフローチャートである。方法15002は、薬剤容器内で薬剤容器の近位端に向かって混合プランジャを移動させるステップ15004を含む。上で説明したように、薬剤容器は混合プランジャおよび注射プランジャを備える。注射プランジャは薬剤容器の近位端に配されている。混合プランジャは薬剤容器の遠位端と注射プランジャとの間に薬剤容器内に配されている。このように、薬剤容器は注射プランジャと混合プランジャとの間に第1薬剤収容部を画定してもよい。同様に、薬剤容器は混合プランジャと薬剤容器の遠位端部との間に第2薬剤収容部を画定してよい。
次いで、注射プランジャは、薬剤容器内で薬剤容器の遠位端に向かって移動し、薬剤容器内に収容される薬剤を発射する(15010)。
いくつかの実施形態では、混合プランジャが移動するとき、第1薬剤収容部および第2薬剤収容部は流体連通の状態に置かれ、これにより第1薬剤収容部に収容される物質が第2薬剤収容部の中へ運ばれるようになる。例えば、いくつかの実施形態では、第1薬剤収容部は液体物質を収容してもよく、第2薬剤収容部は固体物質を収容してよい。したがって、混合プランジャが移動するとき、この固体物質をこの液体物質と混合しそして/または液体物質と合わせることができ、薬剤を生成することができる。
いくつかの実施形態では、混合プランジャは、注射プランジャを移動させることなく移動することができる。このように、上で説明したように、混合プランジャが移動するとき、第1薬剤収容部および第2薬剤収容部の全容積は一定のままである。したがって、第1薬剤および第2薬剤は、実質的に一定の容積および/または実質的に一定の圧力で混合することができる。
いくつかの実施形態では、混合プランジャは第1エネルギー蓄積部材(例えば、ばね、電子式アクチュエータ、磁気アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ(例えば、圧縮ガス容器)および/または油圧アクチュエータ)を作動させることにより移動させることができる。同様に、注射プランジャは、第1エネルギー蓄積部材とは異なる第2エネルギー蓄積部材を作動させることにより移動させることができる。
いくつかの実施形態では、方法15002は、必要に応じて、医療用注射器の筐体内で薬剤容器を移動させるステップ(15006)を含んでいてもよい。このように、上で説明したように、針は筐体の遠位端から配置されていてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、方法15002は、必要に応じて、針を薬剤容器と流体的に連通している状態に置くステップ(15008)を含んでいてもよい。このように、混合操作(例えば、操作15004)および挿入操作(例えば、操作15006)は、注射操作(15010)とは独立に行うことができる。
いくつかの実施形態では、方法15002は、必要に応じて針を筐体に後退させるステップ(15012)を含んでいてもよい。
自動注射器は薬剤容器内で近位方向に移動するように構成された混合プランジャを備えるとして上で示し説明したが、いくつかの実施形態では、自動注射器が薬剤容器内で近位方向にまたは遠位方向に移動するように構成された混合プランジャを備えていてもよい。例えば、図134〜図136は、それぞれ、第1構成、第2構成、および第3構成における、本発明の実施形態にかかる医療機器16002の模式的説明図である。医療機器16002は、薬剤を身体の中へ送達するのに適した任意の適切な装置(例えば、シリンジ、医療用注射器、自動注射器など)であってもよい。医療機器16002は、薬剤容器16262を収容する筐体16110、第1エネルギー蓄積部材16412および第2エネルギー蓄積部材16436を備える。
薬剤容器16262は近位端部16264および遠位端部16266を有する。薬剤容器16262は第1プランジャ16284および第2プランジャ16282を備える。図134に示すように、医療機器16002が第1構成にあるとき、第1プランジャ16284は薬剤容器16262内で第1位置に配されている。第2プランジャ16282は薬剤容器16262内で第2位置に配されている。第2位置は、第1薬剤収容部16283が第1プランジャ16284と第2プランジャ16282との間に画定されるように、第1位置から間隔を空けられている。同様に、第2薬剤収容部16285は、第2プランジャ16282と薬剤容器16262の遠位端部16266との間に画定される。上で説明したように、いくつかの実施形態では、第1薬剤収容部16283は液体薬剤16268(例えば、水)を収容してよく、第2薬剤収容部16285は第2薬剤16269(例えば、凍結乾燥粉末)を収容してよい。
第1エネルギー蓄積部材16412は第1可動部材16312によって第1プランジャ16284に動作可能に結合されている。第1可動部材16312は第1エネルギー蓄積部材16412および第1プランジャ16284に物理的に結合されているとして示しているが、いくつかの実施形態では、第1可動部材16312は、第1エネルギー蓄積部材16412および/または第1プランジャ16284に電子的に結合されていてもよい。同様に、第2エネルギー蓄積部材16436は、第2可動部材16360によって第2プランジャ16282に動作可能に結合されている。第2可動部材16360は第2エネルギー蓄積部材16436および第2プランジャ16282に物理的に結合されているとして示しているが、いくつかの実施形態では、第2可動部材16360は第2エネルギー蓄積部材16436および/または第2プランジャ16282に電子的に結合されていてもよい。
第1エネルギー蓄積部材16412および/または第2エネルギー蓄積部材16436は第1構成(図134)と第2構成(図135および図136)との間を移動するときに力を生み出すように構成された任意の適切なエネルギー蓄積部材であってよい。第1エネルギー蓄積部材16412および/または第2エネルギー蓄積部材16436は、例えば、力学的エネルギー蓄積部材(例えば、ばね)、電子的エネルギー蓄積部材(例えば、バッテリーまたはコンデンサ)、化学的エネルギー蓄積部材(例えば、反応してエネルギーを生成することができる2つの物質を収容する容器)、磁気的エネルギー蓄積部材などであってよい。いくつかの実施形態では、第1エネルギー蓄積部材16412は第2エネルギー蓄積部材16436とは異なるタイプのものであってもよい。
図135に示すように、医療機器16002が第2構成にあるとき、第2エネルギー蓄積部材16436は第2構成にある。したがって、第2エネルギー蓄積部材16436は、薬剤容器16262内で第2プランジャ16282を図135に矢印NNNで示すように移動させるための力を生み出す。医療機器16002が第2構成にあるとき、第2プランジャ16282は薬剤容器内で近位方向にまたは遠位方向に移動することができる。
いくつかの実施形態では、医療機器16002が第1構成にあるとき、第1薬剤収容部16283は第2薬剤収容部16285から流体的に隔離されていてもよい。医療機器16002が図135に矢印OOOで示すように第1構成から第2構成へと移動しているとき、第1薬剤収容部16283は第2薬剤収容部16285と流体的に連通していてもよい。したがって、上で説明したように、医療機器16002は、第1薬剤16268を第2薬剤収容部16285に収容される第2薬剤16269と合わせそして/または混合して、医療機器16002を介して送達するのに適した混合物を生成することができる。
図136に示すように、医療機器16002が第3構成にあるとき、第1エネルギー蓄積部材16412は第2構成にある。したがって、第1エネルギー蓄積部材16412は、薬剤容器16262内で第1プランジャ16284を図136に矢印PPPで示すように移動させるための力を生み出す。図136に示すように、医療機器16002が第3構成にあるとき、第1プランジャ16284および第2プランジャ16282は薬剤容器16262内で遠位方向に一緒に移動する。このように、第1薬剤16268および第2薬剤16260を、薬剤容器16262の遠位端部16266から(例えば、針を介して)一緒に発射することができる。
自動注射器が第1エネルギー蓄積部材16412および第1エネルギー蓄積部材とは異なる第2エネルギー蓄積部材16436を備えるため、第1プランジャ16284および第2プランジャ16282は互いから独立して移動することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第2プランジャ16282は薬剤容器16262内で近位方向におよび遠位方向に反復的に移動して、第1薬剤16268および第2薬剤16269を混合することができる。他の実施形態では、第1プランジャ16284が第1方向とは反対の第2方向(例えば、遠位方向)に移動しているとき、第2プランジャ16282は第1方向(例えば、近位方向)に移動して、第1薬剤16268および第2薬剤16269を混合することができる。この構成により、混合操作および注射操作が互いに別個のものであることが確実になる。
自動注射器は異なるエネルギー蓄積部材を備えるとして上で示し説明しているが、いくつかの実施形態では、自動注射器は混合プランジャおよび注射プランジャを独立に移動させるように構成された1つのエネルギー蓄積部材を備えていてもよい。例えば、図137は、本発明の実施形態にかかる医療機器17002の模式的説明図である。医療機器17002は、薬剤容器17262を収容する筐体17110およびエネルギー蓄積部材17412(例えば、圧縮ガス容器)を備える。
薬剤容器17262は近位端部17264および遠位端部17266を有する。薬剤容器17262は第1プランジャ17284および第2プランジャ17282を備える。上で説明したように、医療機器17002がその初期構成にあるとき、第1プランジャ17284および第2プランジャ17282は薬剤容器内に配されており、第1薬剤収容部17283および第2薬剤収容部17285を画定する。上で説明したように、いくつかの実施形態では、第1薬剤収容部17283は液体薬剤17268を収容してもよく、第2薬剤収容部17285は固体薬剤17269(例えば、凍結乾燥粉末)を収容してもよい。
エネルギー蓄積部材17412は、第1可動部材17312によって、第1プランジャ17284に動作可能に結合されている。同様に、エネルギー蓄積部材17412は、第2可動部材17360によって第2プランジャ17282に動作可能に結合されている。スイッチ17413は、第1可動部材17312と、第2可動部材14360とエネルギー蓄積部材17412との間に動作可能に配置されている。使用にあたっては、スイッチ(弁、機械的連結、電子的スイッチなどであってもよい)は、エネルギー蓄積部材17412が生成した力を第1可動部材17312および第2可動部材14360に選択的に送信する。このように、第1プランジャ17284および第2プランジャ17282は、エネルギー蓄積部材17412によって、互いに独立して移動することができる。
例えば、いくつかの実施形態では、第2プランジャ17282は薬剤容器17262内で近位方向に移動して、第1薬剤16268および第2薬剤16269を混合することができる。第2可動部材17360が所定の地点に到達したときに、第2可動部材17360がスイッチ17413を作動させてもよく、これによりエネルギー蓄積部材17412を第2可動部材17360から動作可能に分離し、エネルギー蓄積部材17412を第1可動部材17312に動作可能に連結することができる。上で説明したように、この構成により、混合操作および注射操作互いに別個のものであることが確実になる。
本発明の種々の実施形態を上で説明してきたが、それらは例としてのみ提示されたものであり限定するためのものではないことを理解すべきである。上で説明した方法が特定の順序で発生する特定の事象を表している場面では、特定の事象の順序は修正してもよい。さらに、可能ならば、ある事象を平行プロセスにおいて同時に実施してもよく、また上で説明したように、連続的に実施してもよい。
実施形態が特定の特徴および/または要素の組合せを有するとして説明してきたが、適切な場合には実施形態のいずれかからの任意の特徴および/または要素の組合せを有する他の実施形態が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、自動注射器は複数の薬剤セレクタおよび薬剤混合器を備えていてもよい。このように、使用者はまず、混合して注射可能な薬剤を生成するための第1薬剤のタイプおよび/または量ならびに第2薬剤ののタイプおよび/または量を選択することができる。
自動注射器14002の特定の要素は突起および合わせ凹部を介して一緒に結合されているとして示し説明している。突起および/または凹部は、一緒に結合すべき要素のいずれかの上に配置すればよく、特定の要素のみに限定する必要はない。例えば、作動安全ロック14710は、混合安全ロック14760の遠位端部14764から延びる対応する突起14766を受ける2つの開口部14719を画定するとして示している。しかしながら、いくつかの実施形態では、突起は作動安全ロック上に配置されてもよく、合わせ開口部は、混合安全ロックが画定してもよい。他の実施形態では、2つ以上の要素は任意の適切な方法で一緒に結合すればよく、それらが突起および合わせ凹部を備える必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、2つ以上の要素を合わせ肩、クリップ、接着剤などを介して結合してもよい。
同様に、自動注射器14002の特定の要素は複数の別個の要素から作製されるとして示し説明しているが、いくつかの実施形態では、そのような要素をモノリシックに作製してもよい。例えば、近位カバー14162は、別個に作製され後で一緒に結合されるばねクリップ14362および混合アクチュエータ安全ロック14760を備えるとして示し説明している。他の実施形態では、ばねクリップおよび混合アクチュエータ安全ロックをモノリシックに作製してもよい。
第2プランジャ14282は、第2プランジャ14282内に配されるプランジャ連結器14392によって薬剤混合器14360に結合されているとして示し説明しているが、他の実施形態では、第2プランジャ14282を任意の適切な手段によって薬剤混合器14360に結合してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、接着剤によって第2プランジャを薬剤混合器に結合してもよい。他の実施形態では、ボール−ソケットジョイント(ball and socket joint)によって第2プランジャを薬剤混合器に枢動可能に結合してもよい。さらに他の実施形態では、第2プランジャの遠位表面を係合するプランジャ連結器によって第2プランジャを薬剤混合器に結合してもよい。
上で示し説明した薬剤容器は2つのプランジャおよび2つの薬剤収容部を備えているが、いくつかの実施形態では、薬剤容器は、2つより多いプランジャおよび/または2つより多い薬剤収容部を備えていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、薬剤容器は、第1薬剤を収容するように構成された第1薬剤収容部、第2薬剤を保存し収容するように構成された第2薬剤収容部、および混合アクチュエータが作動しているとき第1薬剤と第2薬剤とを受けて混合するように構成された混合部を備える。
ロッド14540は、弾性的に変形することによって解放される細長い部材であるとして示し説明しているが、いくつかの実施形態では、ロッドは任意の適切な形状であってよく、筐体内で任意の適切な配向であってよい。さらに、いくつかの実施形態では、ロッドは、塑性変形させることにより解放してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ロッドはエネルギー蓄積部材の長手方向軸からずれた軸に沿って配されていてもよい。いくつかの実施形態では、ロッドは作動によって壊れるように構成されていてもよい。
ばねクリップ14362は自動注射器14002が第2構成(図128)になった後、混合ばね14436から薬剤混合器14360を分離するように変形可能であるとして上で示し説明しているが、他の実施形態では、薬剤混合器14360を任意の適切なやり方で混合ばね14436から分離してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、薬剤混合器14360を、自動注射器が第2構成にあるときに壊れるように構成された壊れやすいクリップによって混合ばね14436に結合してもよい。
自動注射器14002は、針ガードについて言及することなく上で示し説明したが、他の実施形態では、自動注射器が任意の適切な針ガードを備えていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、自動注射器は剛性の針ガードを備えていてもよい。他の実施形態では、自動注射器は柔軟性のある針ガードを備えていてもよい。他の実施形態では、自動注射器は、混合アクチュエータ安全カバーとしての機能も果たす(例えば、針ガードを取り外すと混合アクチュエータの準備も整う)針ガードを備えていてもよい。このような針ガードは、任意の適切な材料(例えば、ポリプロピレン、ゴムまたは任意の他のエラストマー)から作製してもよい。
自動注射器14002は、圧縮ガス容器14412の一部に穴をあけるための穿刺要素14620を備えるとして示し説明しているが、他の実施形態では、任意の適切なガス放出メカニズムを使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガス放出メカニズムは、圧縮ガス容器から外へのガスの流れを制御する弁を作動させるように構成されたアクチュエータを備えていてよい。いくつかの実施形態では、圧縮ガス容器はばねで留められたチェックボールを備えていてもよく、ガス放出メカニズムはチェックボールを係合し押下げて圧縮ガス容器から加圧ガスを放出するように構成されたアクチュエータを備えていてもよい。
自動注射器14002は圧縮ガスボンベ14412を備えるとして示し説明しているが、他の実施形態では、自動注射器は任意の適切なエネルギー蓄積部材を備えていてよい。例えば、いくつかの実施形態では、自動注射器は、力学的エネルギー蓄積部材(例えば、ばね)、電子的エネルギー蓄積部材(例えば、バッテリーまたはコンデンサ)、化学的エネルギー蓄積部材(例えば、反応してエネルギーを生成することができる2つの物質を収容する容器)、磁気的エネルギー蓄積部材などを備えていてもよい。同様に、自動注射器14002は、混合ばね14436を備えるとして示し説明しているが、他の実施形態では、自動注射器は薬剤混合器を移動させるための任意の適切なエネルギー蓄積部材を備えていてもよい。
自動注射器14002は実質的に長方形形状を有する筐体14110を有するとして示し説明してきたが、いくつかの実施形態では、自動注射器は任意の形状を有する筐体を有していてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、自動注射器は実質的に円筒形状を有していてもよい。他の実施形態では、例えば、自動注射器はでこぼこしたかつ/または非対称な形状を有していてもよい。
自動注射器は、薬剤容器内で移動して第1薬剤および第2薬剤を合わせそして/または混合する混合プランジャを備えるとして上で示し説明しているが、いくつかの実施形態では、使用者が混合プロセスを増強するために自動注射器を振盪してもよい。他の実施形態では、自動注射器は、混合プロセスを増強するための攪拌機を備えていてもよい。例えば、図138および図139は、それぞれ、第1構成および第2構成における、本発明の実施形態にかかる薬剤容器18262を示す。薬剤容器18262は近位端部18264および遠位端部18266を備える。薬剤容器18262は第1プランジャ18284、第2プランジャ18282および攪拌機18299を備える。
第2プランジャ18282は第1プランジャ18284から遠位方向に配置されている。第1プランジャ18284および第2プランジャ18282は、各々、薬剤容器18262内に移動可能に配置されている。攪拌機(これは、例えば、柔軟性のあるワイヤ、弾性部材などであってよい)は第2プランジャ18282に結合されている。
図138に示すように、医療機器18002が第1構成にあるとき、第1プランジャ18284は、薬剤容器18262内で第1位置に配置されている。第2プランジャ18282は、薬剤容器18262内で第2位置に配置されている。第2位置は、第1位置から間隔が空いており、第1薬剤収容部18283が第1プランジャ18284と第2プランジャ18282との間に画定される。同様に、第2薬剤収容部18285は、第2プランジャ18282と薬剤容器18262の遠位端部18266との間に画定される。
上で説明したように、第2プランジャ18282が薬剤容器18262内で移動するとき、第1薬剤収容部18283は第2薬剤収容部18285と流体的に連通した状態に置かれる。したがって、第2プランジャ18282が移動するとき、第1薬剤収容部18283の内容物を、第2薬剤収容部18285の内容物と混合することができる。
薬剤容器18262が第1構成(図138)から第2構成(図139)へと移動するとき、攪拌機はその後退位置から拡張位置へと移動する。このように、攪拌機は薬剤容器18262に収容する薬剤の混合を増強することができる。
攪拌機18299は柔軟性のある部材として説明しているが、他の実施形態では、攪拌機は薬剤容器内の薬剤の混合を増強するための任意の適切なメカニズムを備えていてよい。例えば、いくつかの実施形態では、攪拌機は、第1薬剤収容部が第2薬剤収容部と流体的に連通している状態に置かれるときに渦巻き効果を生成するために、第2プランジャ内に角度がついた流路を備えていてもよい。他の実施形態では、第1薬剤収容部と第2薬剤収容部との間の流体連通は、薬剤容器の側壁内の流路によって確立することができる。このような実施形態では、流路は、薬剤容器内の薬剤の混合を増強するための乱流を生成するらせん状流路であってよい。
自動注射器14002は、その中に収容される薬剤を実質的に一定の容積で混合し、このため、第1薬剤収容部14283および/または第2薬剤収容部14285をガスを欠くものとすることができるとして示し説明しているが、他の実施形態では、第1薬剤収容部14283および/または第2薬剤収容部14285はガス(例えば、空気)を含んでいてもよい。このような実施形態では、自動注射器は、薬剤が混合された後でかつ薬剤が注射される前に薬剤内に含まれる空気を抜くための空気抜き弁を備えていてもよい。このような空気抜き弁は、作動安全ロックおよび/または薬剤混合器に動作可能に結合されていてよい。
自動注射器14002は、電子回路システムを欠くとして示し説明しているが、他の実施形態では、自動注射器は、電子出力を出力するように構成された電子回路システムを備えていてもよい。このような電子回路システムは、2007年2月5日出願の、「Devices,Systems and Methods for Medicament Delivery(薬剤送達用の装置、システム、および方法)」と題する米国特許出願番号11/671,025に示され説明されているタイプの電子回路システムであってよい。この特許出願の全体を、参照によって本明細書中に援用する。例えば、いくつかの実施形態では、自動注射器は、その中に収容される薬剤の状況(例えば、未混合、部分混合、完全混合など)を感知し、そのような状況に応答して電子出力を出力するように構成された電子回路システムを備えていてよい。他の実施形態では、自動注射器は、本明細書において記載するとおりの混合操作に関連する指示を出力するように構成された電子回路システムを備えていてよい。
医療機器は、薬剤および/または針を備える薬剤送達装置であるとして上で示し説明しているが、他の実施形態では、医療機器は模擬薬剤送達装置であってよい。いくつかの実施形態では、例えば、模擬的な自動注射器は実際の自動注射器(例えば、自動注射器14002)に対応することができ、例えば、使用者が対応する実際の自動注射器の操作を訓練するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、模擬的な自動注射器は、薬剤および/または薬剤を送達する要素(例えば、針)を欠いていてよい。このように、この模擬的な自動注射器は、使用者を針および/または薬剤に曝露することなく、使用者が実際の薬剤送達装置の使用を訓練するために使用することができる。さらに、模擬的な自動注射器は、使用者が薬剤を送達するために模擬薬剤送達装置を使用することができると誤って考えるのを防ぐために、この模擬薬剤送達装置がトレーニング装置であると分かるようにする特徴を有していてもよい。このような模擬的な自動注射器の例は、2007年2月27日出願の、「Medical Injector Simulation Device(医療用注射器模擬装置)」と題する米国特許出願番号11/679,331に記載されている。この特許出願の全体を参照によって本明細書中に援用する。