JP5711063B2 - 水酸化インジウムの製造方法 - Google Patents

水酸化インジウムの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、主としてITO膜を形成するスパッタリング用ITOターゲットの製造に使用する酸化インジウム粉末の原料となる水酸化インジウムの製造方法に関する。
ITO(インジウム−錫を主成分とする複合酸化物)膜は液晶ディスプレーを中心とする表示デバイスの透明電極(膜)として広く使用されている。このITO膜を形成する方法として、真空蒸着法やスパッタリング法など、一般に物理蒸着法と言われている手段によって行われるのが普通である。特に、操作性や膜の安定性からマグネトロンスパッタリング法を用いて形成することが多い。
スパッタリング法による膜の形成は、陰極に設置したターゲットにArイオンなどの正イオンを物理的に衝突させ、その衝突エネルギーでターゲットを構成する材料を放出させて、対面している陽極側の基板にターゲット材料とほぼ同組成の膜を積層することによって行われる。
スパッタリング法による被覆法は処理時間や供給電力等を調節することによって、安定した成膜速度でオングストローム単位の薄い膜から数十μmの厚い膜まで形成できるという特徴を有している。
一般に、ITO焼結体ターゲットは、酸化インジウムと酸化スズを粉砕混合し、得られた混合粉を成形、焼結することにより製造されている。酸化インジウムと酸化スズとの粉砕混合には、ボールミル、V型混合機、あるいはリボン型混合機による乾式又は湿式混合が行われている。
ITO焼結体ターゲットの原料となる酸化インジウム粉末は、水酸化インジウムを仮焼することにより製造することができる。この水酸化インジウムを製造する方法の代表的な公知技術が特許文献1に開示されている。この特許文献1の方法は、インジウムを陽極として電解することにより水酸化インジウムを製造するもので、これを仮焼して酸化インジウム粉末を得ている。なお、この特許文献1は、改称により出願人名が相違しているが、本出願人による出願である。
酸化インジウムの製造方法として、中和法も考えられる。しかしながら、特許文献1にも記載されているように、次の問題があるので、電解法が有効である。
a) 得られる酸化インジウム粉末は諸特性(平均粒径,見掛密度等)のバラツキが大きく、これが酸化インジウム系の表示材料,蛍光体等の“品質バラツキの低減”或いは“高品質化”の阻害要因となっている。
b) 製造条件(液温,反応速度等)を一定に制御することが必ずしも容易でなく、これを安定させるために設備コストが上昇する。
c) 従来とは特性の異なる粉末を要求された場合に、この要求への柔軟な対応ができない。
d) 装置が比較的大掛かりとなり、そのため製造条件を一定に制御しようとすると、かなりの労力を要する上、増産への対応が必ずしも容易とは言えない。
e) 中和廃液(例えば硝酸アンモニウム)がその都度発生するのでその処理が必要であり、これがランニングコストを高める。
次に、電解による水酸化インジウムの製造の代表例を示す。
硝酸アンモニウム(NHNO)、濃度:0.2〜5mol/L、pH:4〜10、温度:10〜50°Cの水溶液中において、金属インジウムを陽極(アノード)とし、陰極電流密度100〜1800A/mで通電して電解を行う。そして、電解槽底の沈積物をろ過、洗浄及び乾燥し、水酸化インジウムを得る。
この水酸化インジウムを原料として、酸化インジウムを製造する場合には、1100°C程度の温度で焙焼すれば良い。これによって、平均粒径1〜5μmの酸化インジウム粉末を得ることができる。
上記の水酸化インジウムの電解に際しては、電解槽の中に、陽極(アノード)としてインジウム板を、陰極(カソード)には通常ステンレス板を配置し、この間に電解液を流して電解を行うのであるが、電解を連続した実施すると、アノードの表面にInより溶出電位の貴な元素が不純物として残留し、結果として表面に濃縮するという問題がある。このような状況で電解を継続すると、電解液中に不純物も混入し、先に析出した水酸化インジウムの純度が悪くなる。またアノード表面が局所的に、インジウム金属が無くなり、アノード表面の電流密度が不均一となる。その結果、局部的にアノード表面に穴があき、アノード自体が浴中に脱落するという異常も発生した。
従来技術を調べると、次のような特許文献が開示されている。
特許文献2は、酸化インジウム粉末の製造方法であり、金属インジウムを陽極として、電解液中に水酸化インジウム沈殿を懸濁させた状態に攪拌して電解するものである。具体的には、攪拌を行わない場合には、電解槽の液面付近におけるpHは8.5程度であるが槽底付近のpHは3.2程度、電解液を攪拌することにより液面付近と槽底付近の電解液が混合され、pHが均一化されるというものである。
撹拌は電解によって生じた水酸化インジウムの沈殿が電解液中に懸濁した状態になる程度としている。これより撹拌の程度が弱いと電解液のpHを均一化する効果が不十分になる。通常の電解では電解液を静流の状態にして行うのが普通であり、槽底のスライムが巻き上がるような撹拌は行わないが、本発明の電解工程では沈殿が懸濁する程度まで積極的に電解液を撹拌して電解を行うことを特徴とするものである。
電解液の液温40〜80°C(50〜70°C)、硝酸アンモニウムまたは塩化アンモニウムを電解液として使用する。電解液中の試薬濃度1〜3mol/L、電圧2〜4V、電流密度200〜900A/m(700A/m程度)、極間25m/m〜50m/m、カソードの材質はカーボンでも良いが通常はインジウム板を用いる。仮焼は、通常空気中で700〜1100°C(800〜950°C程度)としている。
特許文献3には、酸化インジウム−酸化スズ粉末の製造方法が記載され、インジウムとスズとを別個の陽極として同時に電解(PR式のパルス通電)する技術が開示されている。電解液は、NHNOを使用し、濃度0.2〜5mol/L、pH4〜9.5、浴温0〜50°C、電流密度100〜1800A/m、で電解することが開示されている。これによって得た粉末を1100°Cで焙焼し、平均粒径20μm、見掛密度1.7g/cmのITO粉末を製造するものである。SnO含有割合10wt%、焼結体密度6.70g/cmや4.78g/cmのITOターゲットを得るものである。
特許文献4には、ITOターゲットの製造方法として、水酸化インジウムを電解法により製造することが開示されている。具体的には、金属インジウムを陽極として電解することにより生じた水酸化インジウムを洗浄し純水に分散させる方法である。電解液である硝酸アンモニウムは、コスト及び純度維持の点で申し分ないのであるが、電極表面に不導体であるメタスズ酸が析出するため、連続的に電解を行うことができないと記載されている。水酸化インジウムの粒子径10μm以下、10〜80wt%の水酸化インジウムを分散させた分散溶液を使用し、水酸化インジウム分散溶液とメタスズ酸分散溶液とを混合したスラリーのpHは5以上9以下とすることが記載されている。
特許文献5には、電解製錬における電解液の濃度を均質化する方法及び電解槽が記載され、電解槽の端部に給液ポケットが配置され、そこから陽極板と陰極板に向かって給液する際に、給液ポケットは上と下に、開口部があり、上部開口部から給液し、下部開口部から新たな電解液を給液すると共に、該給液ポケットの上側の側面に孔部を設け、そこからも陽極板と陰極板に向かって給液するようにして、電解液の濃度を均一化する方法が開示されている。この場合は、陽極板と陰極板に向かって、垂直方向の給液になっている。
特許文献6には、電解精製又は電解採取用電解槽が開示され、給液側内壁に多数の給液孔を設け、排液側内壁に同様な多数の排液孔を設けて、アノードとカソード間に液流を直進させる構造の電解槽が記載されている。
以上の公知文献には、水酸化インジウムの電解に際して、アノードの表面に不純物が濃縮すること、アノードが脱落するという問題、電解液中した水酸化インジウム以外に不純物含有量の高い水酸化物が生成し、水酸化インジウムの純度が低下するという認識は一切開示されておらず、またこれを解決するための具体的方法の開示はない。
特許第2829556号公報 特開平10−204669号公報 特許第2736492号公報 特開2001−303239号公報 特開2007−204779号公報 実開平3−89166号公報
本発明は、電解により水酸化インジウムを製造する場合に発生する問題、すなわち電解槽の中に、陽極(アノード)としてインジウム板と、陰極(カソード)板とを配置し、この間に電解液を流して電解を行う際に、アノードの表面に形成される酸化層及びこの酸化層に不純物が濃縮するという問題、アノード自体が途中から脱落するという問題、水酸化インジウム以外に不純物含有量の高い水酸化インジウムが生成し、水酸化インジウムの純度が低下するという問題の原因を究明すると同時に、これを解決するための具体的な方策を提起し、生産性の低下や品質の低下を抑制することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の方法を提供するものである。
1)電解槽の中にカソード板と原料となるインジウム金属のアノード板とを、間隔を置いて交互に配列し、該カソード板とアノード板の間に電解液を供給して、電解により水酸化インジウム粉末を製造する方法であって、電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させ、アノード板の重量がアノード初期の重量の20%〜80%となった段階で電解を中止して使用済みアノード板を取り出し、この使用済みアノード板と共に新たなインジウム金属を補充・鋳造してアノード板を再作製し、この再作製アノード板を使用して、電解を開始して電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させることを特徴とする電解による水酸化インジウム粉末の製造方法。
2)カソード板としてステンレス板又はチタン板を用いて電解することを特徴とする上記6)記載の電解による水酸化インジウム粉末の製造方法。
3)電解液中に析出した水酸化インジウムスラリーを取り出す工程、該スラリーを濃縮し、固形分濃縮液と固形分希薄液に分離する工程、該固形分希薄液を前記電解液供給ノズルに分配する工程を、さらに有することを特徴とする上記1)〜2)のいずれか一項に記載の電解による水酸化インジウム粉末の製造方法。
4)前記固形分濃縮液を濾過し、この濾液を前記電解液供給ノズルに分配する工程と、濾過した固形物を乾燥して水酸化インジウム粉末とする工程を有することを特徴とする上記3)記載の電解による水酸化インジウム粉末の製造方法。
電解槽の中に、陽極(アノード)としてインジウム板と、陰極(カソード)板とを配置し、この間に電解液を流して電解を行う際に、電解の途中で電解アノードを再生することにより、アノードの表面に不純物が濃縮すること、アノードが電解途中で浴中に脱落すること、電解液中に生成した水酸化インジウム以外に不純物含有量の高い水酸化インジウムあるいは不純物が混入し、水酸化インジウムの品質のばらつきが発生することを防止することができる。
金属インジウムから水酸化インジウムを製造する電解工程のフローを示す図である。 電解の生産効率を高めるために、電流密度を高めた場合に、インジウムアノード(陽極)板表面に、不純物が濃縮する様子を示す図である。
金属インジウム(In)から水酸化インジウム(In(OH))を製造する電解工程のフローを図1に示す。この図1に示すように、原料となる金属インジウムを鋳造して金属インジウムからなるアノード板を製造し、これを電解槽に配置する。電解槽には、ステンレス板又はチタン板からなるカソード板を交互に配置する。これらのアノード板とカソード板は平行に複数枚配置する。電解槽には、電解液を供給する。電解液には、硝酸アンモニウム水溶液(NHNO)を用いる。
電解により、金属インジウムが溶解し、水酸化インジウムの微細粒子が電解液中に析出する。この電解液中に析出した水酸化インジウムスラリーを取り出し、これを濃縮して固形分濃縮液と固形分希薄液に分離する。固形分濃縮液は、濾過し、乾燥して、水酸化インジウム粉末を得る。一方、固形分希薄液については、電解液に回流し、液調節をして再利用する。また、前記固形分濃縮液を濾過した濾液についても、電解液に回流し、液調節を行って再利用する。
ここで問題となるのは、電解が進行するにつれて、インジウムアノード(陽極)板の不純物元素が、インジウムアノード表面に残留濃縮していくことである。その様子を、図2に示す。
インジウムよりも貴な金属元素は表面に残って、インジウムのみがイオン化し溶出する。アノード表面に不純物が濃縮してくると、その不純物特にインジウムよりも貴な金属元素もイオン化、溶出して、水酸化インジウムスラリーに混入する。更には、不純物がアノード表面から脱落して、水酸化インジウムスラリー中に混入する。
以上から、本願発明においては、この点を改良し、アノード板の重量がアノード初期の重量の20%〜80%となった段階で電解を中止する。20%未満では、アノード表面に多量の不純物が濃縮し、前述のような問題が発生する。80%超では、使用効率が悪く、生産性が悪化する。そして使用済みアノード板を取り出し、この使用済みアノード板に、新規のインジウム金属を補充・鋳造してアノード板を再作製するのであるが、この溶解・鋳造法は特に制限はない。新規のインジウム金属を補充することなく、使用済みアノード板のみの鋳造でも問題ない。
この再作製されたインジウム金属アノード板を使用して、電解を開始し、電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させることができる。この再作製アノード板は、同様の工程を経て、アノード板の重量がアノード初期の重量の20%〜80%となった段階になるまで使用することができる。使用後は、同様な方法により、電解アノードを再生できる。このアノードの再作製の操作は、何度も繰り返してもよい。
使用できるアノードは初期の重量の20%〜80%と広範囲になっているが、これは主としてアノードの純度のばらつきによるものである。一般的に流通しているインジウム原料は不純物の含有量が大きく変動することがある。また、アノードの製作段階でも、状況によって不純物の混入量が変動する。不純物が多いと、電解していくと、当然ながらアノード表面に濃縮される不純物量が多くなり、使用効率は低下する。一方、不純物が少ないと、アノード表面に濃縮される不純物量が少ないので、使用効率は高い。
電解も、アノード表面が均一に消耗されるのではなく、不純物が多いところよりも、電流が流れやすいところ(不純物が少ないところ)の消耗が速く、アノードインゴットの途中から脱落するという現象もある。以上から、傾向としては、不純物含有量の少ないアノードは使用効率が高く、不純物含有量が多いアノードは使用効率が低いと言える。
また、全てが水酸化インジウムになるのではなく、カソードに一部Inが電着し、それが成長しショートしてしまう場合もある。その場合は、電解を中断しなければならない。このショートは、電圧変化で読み取ることができる。これらの要因が前記20%〜80%と範囲が広い理由である。
この場合のカソード板としては、ステンレス板又はチタン板を用いて電解することができる。電解液を汚染しない限り、他の材料からなるカソード板を使用することができることは言うまでもない。
電解後、電解液中に析出した水酸化インジウムスラリーを適宜取り出し、このスラリーを濃縮し、固形分濃縮液と固形分希薄液に分離することができる。そして、該固形分希薄液を前記電解液供給ノズルに分配することができる。また、前記固形分濃縮液を濾過し、この濾液を前記電解液供給ノズルに分配し、他方濾過した固形物を乾燥して水酸化インジウム粉末とすることができる。本発明は、これらの工程を全て包含するものである。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲内で、実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。
(実施例1)
金属インジウム(In)から水酸化インジウム(In(OH))を製造する電解工程において、原料となる金属インジウムを鋳造して金属インジウムからなるアノード板を製造し、これを電解槽に配置する。電解槽には、ステンレス板又はチタン板からなるカソード板を交互に配置した。これらのアノード板とカソード板は、平行に複数枚配置した。電解槽には、電解液を供給する。電解液には、硝酸アンモニウム水溶液(NHNO)を用い電解を開始した。
次に、電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させ、アノード板の初期重量の80%となった段階で電解を中止した。そして使用済みアノード板を取り出し、この使用済みアノード板を溶解した。この溶解に際しては、新規のインジウム金属を補充し、鋳造してアノード板を再作製した。
この再作製されたインジウム金属アノード板を使用して、再度電解を開始し、電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させることができる。この再作製アノード板は、同様の工程を経て、アノード初期の重量の20%〜80%となった段階になるまで使用することができる。使用後は、同様な方法により、電解アノードを再生できる。
電解後、電解液中に析出した水酸化インジウムスラリーを適宜取り出し、このスラリーを濃縮し、固形分濃縮液と固形分希薄液に分離した。そして、該固形分希薄液を前記電解液供給ノズルに分配した。また、前記固形分濃縮液を濾過し、この濾液を前記電解液供給ノズルに分配し、他方濾過した固形物を乾燥して水酸化インジウム粉末とした。
(実施例2)
実施例1と同様に、電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させ、アノード板の初期の重量の20%となった段階で電解を中止した。実施1と同様にして再作製し、電解を開始した。再作製アノード板は、アノードの初期の重量の50%となるまで使用した。使用後は、同様な方法により、電解アノードを再生した。
電解後、電解液中に析出した水酸化インジウムスラリーを適宜取り出し、このスラリーを濃縮し、固形分濃縮液と固形分希薄液に分離した。そして、該固形分希薄液を前記電解液供給ノズルに分配した。また、前記固形分濃縮液を濾過し、この濾液を前記電解液供給ノズルに分配し、他方濾過した固形物を乾燥して水酸化インジウム粉末とした。
(実施例3)
実施例1と同様に、電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させ、アノード板の初期の重量の60%となった段階で電解を中止した。そして、使用済みアノード板を取り出し、溶解したが、溶解に際しては、新規のインジウム金属を添加した。
この再作製したアノード板を用いて、電解を開始した。再作製アノード板は、アノードの初期の重量の30%となるまで使用した。使用後は、同様な方法により、電解アノードを再生した。
電解後、電解液中に析出した水酸化インジウムスラリーを適宜取り出し、このスラリーを濃縮し、固形分濃縮液と固形分希薄液に分離した。そして、該固形分希薄液を前記電解液供給ノズルに分配した。また、前記固形分濃縮液を濾過し、この濾液を前記電解液供給ノズルに分配し、他方濾過した固形物を乾燥して水酸化インジウム粉末とした。
(比較例1)
金属インジウム(In)から水酸化インジウム(In(OH))を製造する電解工程において、原料となる金属インジウムを鋳造して金属インジウムからなるアノード板を製造し、これを電解槽に配置する。電解槽には、ステンレス板又はチタン板からなるカソード板を交互に配置した。これらのアノード板とカソード板は、平行に複数枚配置した。電解槽には、電解液を供給する。電解液には、硝酸アンモニウム水溶液(NHNO)を用いた。
電解の生産効率を高めるために、アノード初期の重量の15%程度になるまで続行しようとした。この電解の途中で、インジウムアノード(陽極)板とステンレス製のカソード(陰極)板に、大量のインジウム粗大粒の異物が発生し、これらの粗大粒の異物によりアノード板とカソード板が短絡して、電解が不能となった。
インジウム金属からなるアノード板には、不純物が濃縮したために電圧が高くなり、その不純物が溶出した。この結果、水酸化インジウムに不純物が混入し、電解液中の純度が悪くなるという問題が生じた。
(比較例2)
アノードの不純物濃度が高かったため、アノード初期の重量の85%程度になった時点で電解を中止した。得られた水酸化物の純度等には問題なかったが、アノード表面に不純物が多く濃縮し、これ以上電解を続けると、水酸化インジウムの品質にばらつきが生じるためである。
(比較例3)
電解の生産効率を高めるために、アノード初期の重量の5%程度になるまで続行しようとした。この電解の途中で、アノード板の一部に穴があき、浴中に落下し、装置の穂損がおき、電解の続行が不可能となった。
また、できた水酸化物中の品質のばらつきが大きく、使用できなかた。
電解槽の中にカソード板と原料となるインジウム金属のアノード板とを、間隔を置いて交互に配列し、該カソード板とアノード板の間に電解液を供給して、電解により水酸化インジウム粉末を製造する方法であって、電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させ、電解液に浸漬しているアノード板の初期の重量の20%〜80%となった段階で電解を中止して使用済みアノード板を取り出し、この使用済みアノード板を溶解すると共にインジウム金属を補充・鋳造してアノード板を再作製し、この再作製アノード板を使用して、電解を開始して電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させた結果、電解による水酸化インジウム粉末の製造方法が付着するのを抑制し、かつカソードの表面にインジウムメタルが生成するのを防止し、これによって生産性の低下を抑制することができた。この方法は、ITO膜を形成するスパッタリング用ITOターゲットの製造に有用である。

Claims (4)

  1. 電解により水酸化インジウム粉末を製造する方法であって、アノードから電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させ、アノード板の重量が、電解を開始する前の重量の20%〜80%となった段階で電解を中止し、使用済みアノード板を取り出して、この使用済みアノード板を融解すると共にインジウム金属を補充・鋳造してアノード板を再作製し、この再作製アノード板を使用して、電解を再開して電解液中に水酸化インジウム粒子を析出させることを特徴とする電解による水酸化インジウム粉末の製造方法。
  2. カソード板としてステンレス板又はチタン板を用いて電解することを特徴とする請求項1記載の電解による水酸化インジウム粉末の製造方法。
  3. 電解液中に析出した水酸化インジウムスラリーを取り出す工程、該スラリーを濃縮し、固形分濃縮液と固形分希薄液に分離する工程、該固形分希薄液を電解液供給ノズルに分配する工程を、さらに有することを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の電解による水酸化インジウム粉末の製造方法。
  4. 前記固形分濃縮液を濾過し、この濾液を電解液供給ノズルに分配する工程と、濾過した固形物を乾燥して水酸化インジウム粉末とする工程を有することを特徴とする請求項3記載の電解による水酸化インジウム粉末の製造方法。
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