JP5708539B2 - 光学的情報読取装置 - Google Patents

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本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
従来、バーコードやQRコード(登録商標)等の情報コードを光学的に読み取る光学的情報読取装置が提供されている。光学的情報読取装置は、例えば、当該読取装置のケースに設けられた読取口から照明光を情報コードに対して照射し、情報コードからの反射光に基づき情報コードを撮像して読み取る構成が一般的である。そして、このような光学的情報読取装置では、ケース内に配置される照明系や撮像光学系の部品を塵埃などから保護するため、読取口を閉塞する構成で透光性の防塵プレートが配置される場合がある。
ところで、このように、防塵プレートを読取口に配置する場合、ケース内から出射される照明光がこの防塵プレートで鏡面反射を起こし、撮像される情報コードの画像に、この照明光が映り込み、適切な情報コードの読み取りができなくなる虞がある。そこで、このような問題を解消すべく、例えば、下記特許文献1のような技術が提供されている。
特許文献1には、CCDイメージセンサ(41)(受光手段)、鏡筒(43)、照明用赤色発光ダイオード(45)(発光手段)、塵の侵入を防ぐ防塵プレート(47)、照射範囲制限部材(49)を備えた光学モジュール(40)を有した光学情報読取装置が開示されている。そして、鏡筒(43)の入射側開口(43a)を防塵プレート(47)に近づけることによって、防塵プレート(47)での反射光が鏡筒(43)内に入射するのを抑えるようにしている。
特開平11−195082号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成は、防塵プレートから極めて近い位置に鏡筒を配置しなければならないため、装置内において、各部品の配置や組付けの自由度が低くなるといった問題がある。また、種類によっては、光学部品の近くに防塵プレートを配置できない場合もあり、この場合、適用自体が困難であった。
例えば、据置型の読取装置のように防塵プレート(透明パネル)上に読取対象物を接触させて使用されやすいものでは、防塵プレート付近でもある程度視野範囲に収まるように、防塵プレートを光学部品や撮像手段から離して配置する必要があり、このような読取装置では、特許文献1のような手法(即ち、光学部品のすぐ近くに防塵プレートを配置する手法)を用いることはできない。また、このような読取装置に限らず、他種の読取装置でも、光学部品のすぐ近くに防塵プレートを配置する構成を用いると、組付け公差を極めて小さくしなければならないため製造上不利であり、ケース外から衝撃等が加わった場合に光学部品と防塵プレートとが接触し、破壊に繋がる懸念もある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、防塵プレートを備えた光学的情報読取装置において、防塵プレートでの照明光の反射に起因する映り込みの影響を抑え、読み取り精度の向上を図ることが可能な構成をより簡素に実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、読取口を有するケースと、前記ケース内に設けられ、情報コードに対して前記読取口を介して照明光を照射する照明手段と、前記照明光及び前記ケース外からの光が透過可能となる透光部材からなり、前記読取口に配される防塵プレートと、所定の受光領域を備えた撮像手段と、所定の第1視野範囲において前記ケース外から前記防塵プレートを透過して入り込む光の像を前記受光領域に結像可能に構成され、前記第1視野範囲内に前記情報コードが配されたときに当該情報コードの像を前記受光領域に結像させる結像手段と、を備え、前記防塵プレートは、前記結像手段の前記第1視野範囲において前記撮像手段が設けられる側とは反対側に凸となるように内面が湾曲する湾曲部が設けられており、前記ケース内からの光が前記湾曲部の内面で反射して生じる内面反射光を前記結像手段が前記受光領域に結像させるときの視野範囲を第2視野範囲としたとき、前記照明手段が前記第2視野範囲から外れた位置に配置されていることを特徴とする。
請求項1の発明では、情報コードに対して読取口を介して照明光を照射する照明手段がケース内に設けられている。また、透光部材から構成される防塵プレートが読取口に配置されている。そして、防塵プレートには、結像手段の所定の第1視野範囲において撮像手段が設けられる側とは反対側に凸となるように内面が湾曲する湾曲部が設けられている。さらに、ケース内からの光が湾曲部の内面で反射して生じる内面反射光を結像手段が受光領域に結像させるときの視野範囲を第2視野範囲としたときに、照明手段が第2視野範囲から外れた位置に配置されている。
このように、防塵プレートに湾曲部を設け、照明手段を第2視野範囲から外れた位置に配置することで、撮像手段で撮像される画像において、防塵プレートでの照明光の反射に起因する映り込みの影響を抑え、読み取り精度の向上を図ることが可能となる。さらに、防塵プレートに湾曲部を設ける簡素な構成により上記効果を奏することができる。
請求項2の発明では、結像手段は、少なくとも一部が第2視野範囲内に位置している。そして、第2視野範囲においてケース内からの光が湾曲部の内面に到達するまでの範囲が、結像手段に近づくにつれて次第に狭くなるように構成されている。すなわちこの構成では、第2視野範囲(防塵プレートで折り返した視野範囲)を結像手段付近に収束させるようにしているので、内面反射光の影響をより抑えることができる。
請求項3の発明では、結像手段は、所定位置を主点とする結像レンズから構成されている。そして、湾曲部の内面は、この結像レンズの主点を中心とする仮想球面上に位置するように構成されている。このように湾曲部の内面を構成することで、第2視野範囲を結像手段付近により収束させることができ、内面反射光の影響をより抑えることができる。
請求項4の発明では、防塵プレートは、湾曲部が形成されている部位の厚さが略均一となるように構成されている。このように構成することで、撮像手段で撮像される情報コードの画像の歪みを抑えることができ、より読み取り精度の向上を図ることができる。
請求項5の発明では、当該光学的情報読取装置は、載置面上に載置される据置型装置として構成されている。また、結像手段によって構成される第1視野範囲の中心軸上に湾曲部の頂点が位置している。通常、載置面上に載置されて使用される据置型の光学的情報読取装置の場合、防塵プレートの外面側に、情報コードが付された読取対象物を接触させて読み取らせる場合もある。そして、このように、防塵プレートの湾曲部を構成することで、湾曲部の頂点を読み取り位置の目安にすることができる。さらに、湾曲部の頂点が中心軸上にあるため、頂点位置付近に情報コードが位置するように配置すれば、撮像範囲から情報コードが外れにくくなり、読取の失敗を少なくすることができる。
図1は、第1実施形態に係る据置型の光学的情報読取装置の構成を説明する断面説明図である。 図2は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置の電気的構成を示すブロック図である。 図3は、第1実施形態における第1変形例に係る据置型の光学的情報読取装置の構成を説明する断面説明図である。 図4は、第1実施形態における第2変形例に係る据置型の光学的情報読取装置の構成を説明する断面説明図である。 図5は、第3実施形態に係る携帯型の光学的情報読取装置の構成を説明する断面説明図である。 図6は、従来の光学的情報読取装置を説明する説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(光学的情報読取装置の全体構成)
図1に示す光学的情報読取装置1は、載置面上に載置される据置型装置として構成されており、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能を有している。
光学的情報読取装置1は、ABS樹脂等の合成樹脂により形成されるケース11を備えている。ケース11は箱状形態をなしており、このケース11の内部には、情報コードCに対して読取口12(後述)を介して照明光を照射するLED32(後述)や、受光面33a(所定の受光領域)を備えた受光センサ33(後述)、情報コードCの像を受光センサ33上に結像させる結像レンズ37(後述)などの各種部品が収容されている。これらは、基板3に実装、あるいは、ケース11に内装されている(図1では、基板3に実装されている構成を示している)。なお、LED32は、「照明手段」の一例に相当する。また、受光センサ33は、「撮像手段」の一例に相当し、結像レンズ37「結像手段」の一例に相当する。
また、ケース11には、矩形状の読取口12が設けられている。なお、本実施形態では、この読取口12が形成された側を上方側、それとは反対側を下方側とする。そして、ケース11の上方側には、読取口12を閉塞した構成で、防塵プレート20が配置されている。この防塵プレート20は、光学的情報読取装置1から照明光及びケース11外からの光が透過可能となる透光部材(例えば、アクリル樹脂やガラス等)から構成されている。そして、この防塵プレート20を読取口12に設けることにより、ケース11内部への塵や埃などの異物の侵入を防止している。また、この防塵プレート20は、受光センサ33が設けられる側とは反対側に凸となるように内面22aが湾曲する湾曲部22が設けられており、詳細は後述する。
(光学的情報読取装置の電気的構成)
次に、光学的情報読取装置1の回路30の電気的構成について説明する。
図2に示すように、回路30は、主に、LED32、受光センサ33、結像レンズ37等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成するLED32は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDなどから構成されている。このLED32は、複数個(例えば、8個)設けられているが、図面の都合上、図1、図2では、2つのLED32のみ示している。なお、図2では、情報コードCが表示された読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。照明光Lfは、上述のように、防塵プレート20を介してケース11外へ出射される。
受光光学系は、受光センサ33、結像レンズ37、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ33は、CCDエリアセンサまたはCMOSセンサとして構成されるものであり、情報コードCまたは読取対象物Rに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されている。この受光センサ33は、結像レンズ37を介して入射する入射光を受光可能に基板3に実装されている。
結像レンズ37は、外部から防塵プレート20を介して入射する入射光を集光して受光センサ33の受光面33aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本第1実施形態では、LED32から照射された照明光Lfが情報コードCにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ37で集光し、受光センサ33の受光面33aに情報コードCの像を結像させている。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路34、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40等から構成されており、主に、上述した光学系によって、撮像された情報コードCの画像信号を信号処理するように構成されている。
(特徴的構成)
次に、図1等を参照し、本実施形態の特徴的構成について詳述する。なお、図1では、透明の防塵プレート20及び結像レンズ37については白抜きにて概略的に示している。また、情報コードCについては白抜きで位置を概念的に示しているが、この情報コードCの構成は、印刷、ダイレクトマーキング、画像表示など様々な構成が想定される。
本実施形態に係る防塵プレート20は、結像レンズ37の第1視野範囲において結像レンズ37が設けられる側とは反対側に凸となるように内面22aが湾曲する湾曲部22が設けられている。ここで、第1視野範囲とは、防塵プレート20で反射せずに直接入り込む光(防塵プレート20を透過して直接入り込む光や防塵プレート20を介さずに直接入り込む光)によって受光センサ33で撮像しうる範囲のことであり、図1ではαで示した領域となる(なお、主点Pよりも受光センサ33側は省略して示している)。図1の例では、αで示すように、主点から徐々に広がるように第1視野範囲が構成され、防塵プレート20の外部でも徐々に広がるように第1視野範囲が構成されるようになっている。具体的には、図1のような切断面において所定の画角で第1視野範囲が構成されるようになっている。また、この防塵プレート20は、湾曲部22が形成されている部位の厚さが略均一となるように構成されている。このように、防塵プレート20の湾曲部22の厚さを全体的に略均一に構成することで、得られる情報コードCの画像の歪みを抑えることができる。
そして、本実施形態の構成では、ケース11内からの光が、この湾曲部22の内面22aで反射して生じる内面反射光を結像レンズ37が受光面33a(受光領域)に結像させるときの視野範囲(すなわち、防塵プレート20で折り返した視野範囲)を第2視野範囲としたとき、LED32は、第2視野範囲から外れた位置に配置されている。なお、この第2視野範囲は、防塵プレート20の内側からの光が防塵プレート20で反射して生じる光に基づいて受光センサ33で撮像しうる範囲のことであり、図1ではβで示した領域となる(なお、主点Pよりも受光センサ33側は省略している)。図1の例では、主点Pと防塵プレート20との間の領域において、湾曲部22から主点Pに近づくにつれて徐々に狭くなるように第2視野範囲βが構成されるようになっている。なお、図1の例では、第1視野範囲αにおける主点Pから湾曲部22までの領域と、第2視野範囲βにおける主点Pから湾曲部22までの領域とがほぼ一致し、ケース11の内部では、第1視野範囲αと第2視野範囲βが大部分で重なるようになっている。
また、結像レンズ37は、第1視野範囲αにおいてケース11外から防塵プレート20を透過して入り込む光の像を受光面33aに結像可能に構成され、第1視野範囲α内に情報コードCが配されたときに当該情報コードCの像を受光面33aに結像させるようになっている。そして、結像レンズ37は、少なくとも一部が第2視野範囲β内に位置しており、第2視野範囲βにおいてケース11内からの光が湾曲部22の内面22aに到達するまでの範囲が、結像レンズ37に近づくにつれて次第に狭くなるようになっている。なお、図6に、防塵プレート1020に湾曲部22が設けられていない従来の光学的情報読取装置1001の構成を比較のために示す。このように、防塵プレート1020が平板形状である場合には、防塵プレート1020の内面22aで反射して生じる内面反射光を結像レンズ37が受光面33a(受光領域)に結像させるときの第2視野範囲βは、結像レンズ37に近づくにつれて広がってしまうことがわかる。
さらに、湾曲部22の内面22aは、結像レンズ37の主点Pを中心とする仮想球面S上に位置するように構成されている。即ち、当該仮想球面Sの一部と一致する位置に内面22aが配され、仮想球面Sの曲率と同じ曲率で構成されている。なお、結像レンズ37の主点Pから防塵プレート20の内面22aまでの距離が、仮想球面Sの半径と略等しくなるように構成されている。また、湾曲部22の頂点は、第1視野範囲αの中心軸A上に位置するように構成されている。ここでは、受光センサ33の受光面33aと直交する方向であって主点Pを通る仮想軸線を中心軸Aとしている。具体的には、透明な湾曲部22が上記中心軸A上に位置するように防塵プレート20が構成されており、更に防塵プレート20では、この湾曲部22を環状に取り囲むように中心軸Aと直交する方向の板面を有する透明な平坦部が配されている。
以上説明したように、本第1実施形態に係る光学的情報読取装置1では、情報コードCに対して読取口12を介して照明光を照射するLED32がケース11内に設けられている。また、透光部材から構成される防塵プレート20が読取口12に配置されている。そして、防塵プレート20には、結像レンズ37の所定の第1視野範囲αにおいて受光センサ33が設けられる側とは反対側に凸となるように内面22aが湾曲する湾曲部22が設けられている。さらに、ケース11内からの光が湾曲部22の内面22aで反射して生じる内面反射光を結像レンズ37が受光領域に結像させるときの視野範囲を第2視野範囲βとしたときに、LED32が第2視野範囲βから外れた位置に配置されている。
このように、防塵プレート20に湾曲部22を設け、LED32を第2視野範囲βから外れた位置に配置することで、受光センサ33で撮像される画像において、防塵プレート20での照明光の反射に起因する映り込みの影響を抑え、読み取り精度の向上を図ることが可能となる。さらに、防塵プレート20に湾曲部22を設ける簡素な構成により上記効果を奏することができる。
具体的には、図1の切断面と平行な方向であって且つ中心軸Aと直交する方向(図1の左右方向)を幅方向としたとき、防塵プレート20と受光センサ33の間の領域では、当該幅方向においてLED32よりも受光センサ33側の位置のみに第2視野範囲βが構成されるようになっている。具体的には、中心軸Aを挟んで幅方向両側にLED32,32が設けられており、幅方向におけるこれらLED32,32よりも内側の領域のみに第2視野範囲βが構成され、主点Pに近づくにつれて徐々に狭くなるようになっている。このようにすることで、LED32からの直接光のみならず間接光も第2視野範囲βに入り込みにくくなる。
また、第2視野範囲βからの光は全て内面22aで反射するようになっており(即ち、防塵プレート20において第2視野範囲βからの光を反射する領域は湾曲部22の内面22aとなっており)、幅方向において内面22aが設けられた領域は、LED32よりも中心軸A側(即ち、受光センサ33側)となっている。具体的には、幅方向両側のLED32,32よりも幅方向内側の領域のみに湾曲部22の内面22aが構成され、LED32から中心軸Aと平行に照射される照射光が内面22aに入り込みにくくなっている。
また、結像レンズ37は、少なくとも一部が第2視野範囲β内に位置している。そして、第2視野範囲βにおいてケース11内からの光が湾曲部22の内面22aに到達するまでの範囲が、結像レンズ37に近づくにつれて次第に狭くなるように構成されている。すなわちこの構成では、第2視野範囲β(防塵プレート20で折り返された視野範囲)を結像レンズ37付近に収束させるようにしているので、内面反射光の影響をより抑えることができる。
また、結像レンズ37は、所定位置を主点Pとする結像レンズから構成されている。そして、湾曲部22の内面22aは、この結像レンズの主点Pを中心とする仮想球面S上に位置するように構成されている。このように湾曲部22の内面22aを構成することで、第2視野範囲βを結像レンズ37付近により収束させることができ、内面反射光の影響をより抑えることができる。
また、防塵プレート20は、湾曲部22が形成されている部位の厚さが略均一となるように構成されている。このように構成することで、受光センサ33で撮像される情報コードCの画像の歪みを抑えることができ、より読み取り精度の向上を図ることができる。
また、当該光学的情報読取装置1は、載置面上に載置される据置型装置として構成されている。また、結像レンズ37によって構成される第1視野範囲αの中心軸上に湾曲部22の頂点が位置している。通常、載置面上に載置されて使用される据置型の光学的情報読取装置の場合、防塵プレート20の外面側に、情報コードCが付された読取対象物を接触させて読み取らせる場合もある。そして、このように、防塵プレート20の湾曲部22を構成することで、湾曲部22の頂点を読み取り位置の目安にすることができる。さらに、湾曲部22の頂点が中心軸上にあるため、頂点位置付近に情報コードCが位置するように配置すれば、撮像範囲から情報コードCが外れにくくなり、読取の失敗を少なくすることができる。
次に、本発明の第1実施形態における第1変形例に係る光学的情報読取装置101について、図3を参照して説明する。
本第1実施形態における第1変形例では、図3に示すように、LED32、受光センサ33、結像レンズ37などの各種部品が内ケース11a内に収容されている。また、内ケース11aの少なくとも上方側の壁部は、透光部材より構成されている。そして、この内ケース11aが、ケース11内に配置されている。
この構成においても、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この構成では、従来の据置型の光学的情報読取装置においても、湾曲部22の設けられた防塵プレート20が上方側に設けられたケース11内に載置されることで、同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第1実施形態における第2変形例に係る光学的情報読取装置201について、図4を参照して説明する。
上述した第1実施形態では、湾曲部22の内面22aは、結像レンズ37の主点Pを中心とする仮想球面S上に位置するように構成された例を示したが(すなわち、湾曲部22が仮想球面Sの一部をなす構成)、湾曲部22は、例えば図4に示すように、曲面部222aと平面部222bとから構成されていてもよい。
なお、このように、湾曲部22が曲面部222aと平面部222bで構成される場合でも、図4に示すように、防塵プレート20で折り返した視野範囲(即ち、防塵プレート20の内側からの光が防塵プレート20で反射して生じる光に基づいて受光センサ33で撮像しうる範囲(第2視野範囲β))が結像レンズ37付近にとどまるようにする構成が望ましい。
次に、本発明の第1実施形態における第3変形例に係る光学的情報読取装置301について、図5を参照して説明する。
上述した第1実施形態では、光学的情報読取装置1が、載置面上に載置される据置型装置として構成された例を示したが、携帯端末として構成することもできる。図5に、携帯端末として構成される光学的情報読取装置301を示す。なお、第1実施形態の光学的情報読取装置1と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付してある。
図5に示すように、光学的情報読取装置301では、防塵プレート20は、読取口12の開口端部12aから奥まった位置に配置されている。なお、この開口端部12aには、傷付きを防止するためのゴム部材が設けられている。また、湾曲部22の周囲に平坦な板状部24が設けられている。そして、結像レンズ37は、湾曲部22に対向する位置に配置されており、LED32は、板状部24に対向する位置に配置されている。
この例でも、図5の切断面と平行な方向であって且つ中心軸Aと直交する方向(図5の左右方向)を幅方向としたとき、防塵プレート20と受光センサ33の間の領域では、当該幅方向においてLED32よりも受光センサ33側の位置のみに第2視野範囲βが構成されるようになっている。具体的には、中心軸Aを挟んで幅方向両側にLED32,32が設けられており、幅方向におけるこれらLED32,32よりも内側の領域のみに第2視野範囲βが構成され、主点Pに近づくにつれて徐々に狭くなるようになっている。
また、第2視野範囲βからの光は全て内面22aで反射するようになっており(即ち、防塵プレート20において第2視野範囲βからの光を反射する領域は湾曲部22の内面22aとなっており)、幅方向において内面22aが設けられた領域は、LED32よりも中心軸A側(即ち、受光センサ33側)となっている。そして、幅方向両側のLED32,32よりも幅方向内側の領域のみに湾曲部22の内面22aが構成され、LED32,32から各レンズを介して照射される照明光の光軸方向が中心軸Aと平行になっており、LED32,32からの照明光は大部分が板状部24に入り込み、内面22aに入り込みにくくなっている。
このような構成をなす携帯型の光学的情報読取装置301では、防塵プレート20に情報コードCを接触させて読み取らないため、防塵プレート20の配置自由度が高くなる。また、LED32は、板状部24に対向して配置されているため、反射光や間接光が第2視野範囲βに入り込みにくくすることができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記第1実施形態では、湾曲部22の内面22aは、結像レンズ37の主点Pを中心とする仮想球面S上に位置するように構成された例を示したが、防塵プレート20で折り返した視野範囲が(第2視野範囲β)が結像レンズ37周辺にとどまる構成であれば、この限りではない。
1、101、201、301…光学的情報読取装置
3…基板
11…ケース
12…読取口
20…防塵プレート
22…湾曲部
22a…湾曲部の内面
32…LED(照明手段)
33…受光センサ(撮像手段)
33a…受光面
37…結像レンズ(結像手段)
C…情報コード
P…主点
S…仮想球面
α…第1視野範囲
β…第2視野範囲

Claims (5)

  1. 読取口を有するケースと、
    前記ケース内に設けられ、情報コードに対して前記読取口を介して照明光を照射する照明手段と、
    前記照明光及び前記ケース外からの光が透過可能となる透光部材からなり、前記読取口に配される防塵プレートと、
    所定の受光領域を備えた撮像手段と、
    所定の第1視野範囲において前記ケース外から前記防塵プレートを透過して入り込む光の像を前記受光領域に結像可能に構成され、前記第1視野範囲内に前記情報コードが配されたときに当該情報コードの像を前記受光領域に結像させる結像手段と、
    を備え、
    前記防塵プレートは、前記結像手段の前記第1視野範囲において前記撮像手段が設けられる側とは反対側に凸となるように内面が湾曲する湾曲部が設けられており、
    前記ケース内からの光が前記湾曲部の内面で反射して生じる内面反射光を前記結像手段が前記受光領域に結像させるときの視野範囲を第2視野範囲としたとき、前記照明手段が前記第2視野範囲から外れた位置に配置されていることを特徴とする光学的情報読取装置。
  2. 前記結像手段は、少なくとも一部が前記第2視野範囲内に位置しており、
    前記第2視野範囲において前記ケース内からの光が前記湾曲部の内面に到達するまでの範囲が、前記結像手段に近づくにつれて次第に狭くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
  3. 前記結像手段は、所定位置を主点とする結像レンズからなり、
    前記湾曲部の内面は、前記結像レンズの前記主点を中心とする仮想球面上に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置。
  4. 前記防塵プレートは、前記湾曲部が形成されている部位の厚さが略均一となるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
  5. 当該光学的情報読取装置は、載置面上に載置される据置型装置として構成されており、
    前記結像手段によって構成される前記第1視野範囲の中心軸上に前記湾曲部の頂点が位置していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
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