JP5707639B2 - メカニカルシール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、メカニカルシール装置に係り、さらに詳しくは、中間リングを用いたメカニカルシール装置の改良に関する。
たとえばボイラ供給用ポンプ(BFP)用の軸シール等に代表される高温高速回転ポンプ用の軸シールでは、熱水等からなる被密封流体の温度が低下することを防ぐために、メカニカルシール装置の冷却を行わないシステムが求められる。
しかし、高温、高圧、高回転ポンプ用のメカニカルシール装置において、摺動面を冷却しないシステムを採用した場合、摺動面を構成する部材の温度・圧力による変形量が増大し、摺動面の当たり面の状況が、エッジ状の当たりとなり、漏れが発生するという問題を有する。また、摺動面流体が摺動発熱で蒸発し、摺動面において固体接触が発生し、異常摩耗や破損に繋がる場合がある。
このような問題を解決するための従来技術としては、たとえば、摺動面の変形を抑制するために、回転密封環と静止密封環との間に中間リングを配置したものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また、他の従来技術としては、中間リングと回転密封環および静止密封環との摺動面に羽根列を設置して、中間リングと回転密封環および静止密封環との摺動トルクを軽減させるものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
しかし、回転密封環と静止密封環との間に中間リングを配置した従来技術では、中間リングが静止密封環に対して回転することができなかったり、あるいは、回転密封環と共に同じ回転速度で回転してしまったり、あるいは、これらの状態を繰り返したりすることがあった。すなわち、従来の技術では、中間リングを、たとえば回転密封環の回転速度の約1/2で安定して回転させることが困難であった。
また、摺動面に羽根列を設置した従来技術では、中間リングと静止密封環および回転密封環に対する摺動トルクの制御が難しいため、中間リングの静止密封環に対する回転速度を最適値に保持することが困難であるという問題や、摺動面から漏れが発生するという問題を有している。
特許第4147216号公報 特公昭61−58704号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、中間リングを安定して回転させることが可能であり、異常な摩耗が少なく、しかも漏れが少ないメカニカルシール装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るメカニカルシール装置は、
回転軸と当該回転軸を覆うケーシングとの間の被密封流体を密封するメカニカルシール装置であって、
前記回転軸と一体的に回転する回転密封環と、
前記ケーシングに対して相対回転不可に取り付けられる静止密封環と、
前記回転軸の軸方向に沿って前記回転密封環と前記静止密封環に挟まれて、前記回転密封環および前記静止密封環の双方と摺動し、前記回転密封環および前記静止密封環の双方に対して相対回転可能に配置される中間リングと、
前記回転軸と一体的に回転するように前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸と交差するように前記中間リングに形成してある第1受動面に対して所定の第1流体隙間で向き合って配置される第1能動面を持つ回転ディスクと、を有する。
本発明に係るメカニカルシール装置では、中間リングに形成してある第1受動面に対して、回転ディスクの第1能動面が、所定の第1流体隙間で向き合って配置される。第1流体隙間は、その流体隙間を流通する流体の粘性力により、第1能動面の回転力が、第1受動面に伝わり、中間リングを、静止密封環に対して所定の回転速度(α)で回転させるように決定される。
所定の回転速度(α)は、回転軸の回転速度および回転密封環の回転速度(β)よりも小さい速度であり、たとえば第1流体隙間の幅を小さく、対向面積を大きくするほど、αはβに近づく傾向にあり、逆に、第1流体隙間の幅を大きく、対向面積を小さくするほど、回転ディスクの回転力の影響は、中間リングの回転に影響を及ぼしにくくなる。
すなわち、本発明に係るメカニカルシール装置では、第1流体隙間の幅や対向面積などを調整することで、回転ディスクの回転により、その回転力が、第1流体隙間に存在する流体の粘性力として、中間リングに伝わり、中間リングは、強制的に所定の回転速度(α)で回転させられる。そのため、中間リングが静止密封環に対して回転することができなくなる状態を避けることができ、中間リングを、安定して強制的に所定の回転速度(α)で回転させることが可能になる。
所定の回転速度(α)は、回転密封環の回転速度(β)よりも小さい速度であり、中間リングと静止密封環との間の摺動面で発生する発熱は、回転密封環を直接に静止密封環に接触させる場合に摺動面に発生する摺動面の発熱よりも小さくなる。
そのため、本発明のメカニカルシール装置では、仮に高温、高圧および/または高速回転の環境下で使用されても、回転密封環、静止密封環および中間リングの異常な摩耗が少なくなり、これらの耐久性が向上する。さらに、本発明のメカニカルシール装置では、従来技術と異なり、回転密封環、中間リングおよび静止密封環の摺動面に羽根列を形成する必要がないことから、摺動面からの被密封流体の漏れも少ない。
好ましくは、前記第1流体隙間に前記被密封流体が存在するように、前記回転ディスクが、前記回転軸の軸方向に沿って前記回転密封環と前記静止密封環との間で、前記中間リングの内周または外周に位置して配置される。被密封流体を、第1流体隙間に存在させる流体として用いることで、被密封流体とは別の流体を第1流体隙間に存在させる必要がなく、密封構造がシンプルになる。
前記中間リングの内周側または外周側には、少なくとも一つの凸板部が形成してあれば良く、当該凸板部の表面に前記第1受動面が形成してあれば、本発明の作用効果を奏することができる。
好ましくは、前記中間リングの内周側または外周側には、前記回転軸の軸方向に沿って離れた少なくとも二つの凸板部が形成してあり、これらの二つの凸板部の間には、リング状の凹溝が形成され、当該凹溝の内部に前記回転ディスクの少なくとも一部が入り込み、
前記凹溝の対向する内壁面の内の一方が前記第1受動面となり、他方が第2受動面となり、前記回転ディスクの前記第1能動面の反対側の面が第2能動面となり、
前記第2受動面に対して、前記第2能動面が、所定の第2流体隙間で向き合って配置される。
第1流体隙間のみで無く、第2流体隙間を介して、回転ディスクの第1および第2能動面と、中間リングの第1および第2受動面とが、それぞれ対向することで、これらの隙間に存在する流体の粘性力を介しての回転力の伝達が安定し、中間リングを、より安定的に回転させることが可能になる。
図1は本発明の一実施形態に係るメカニカルシール装置の上側半分を示す概略縦断面図である。 図2は図1に示すメカニカルシール装置のII−II線に沿う中間リング、回転ディスクおよびスリーブの横断面図である。 図1に示すメカニカルシール装置の回転密封環、静止密封環、中間リング、回転ディスクおよびスリーブの要部拡大断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示す本発明の一実施形態に係るメカニカルシール装置10は、たとえばボイラ給水ポンプ(BFP)用の軸シールに用いられるが、ボイラ給水ポンプに限定されず、その他の高温、高圧および/または高速回転の装置のための軸シールとして、好適に用いることができる。
メカニカルシール装置10は、軸中心Zを中心として回転する回転軸12と、ポンプなどのケーシング14との間の内部隙間30を流通する被密封流体が、ケーシングの外部31に漏洩することを防止するための装置であり、シールカバー16の内部に取り付けられる。
シールカバー16は、ケーシング14の軸端部に着脱自在に取り付けられ、その取付面は、Oリング24により密封されている。なお、シールカバー16は、ケーシング14の一部を構成しており、ケーシング14と一体的に形成してあっても良いが、メカニカルシール装置10のメンテナンスを容易にするためには、ケーシング14に対して着脱自在に固定することが好ましい。
シールカバー16の内側には、内部隙間30からケーシング外部31に向けて回転軸12に沿って、静止密封環18、中間リング20および回転密封環22が、この順で配置してある。本実施形態において、静止密封環18、中間リング20および回転密封環22の材質は、特に限定されず、たとえばSiC、C、SiN、Al、ジルコニアなどで構成され、静止密封環18、中間リング20および回転密封環22を全て同じ材質で構成しても良く、異ならせても良い。好ましくは、静止密封環18および回転密封環22を、中間リング20よりも柔らかい材質で構成する。
図3に示すように、静止密封環18における中間リング側の軸端(右側軸端)に形成してある先端摺動面18aは、中間リング20の第1摺動面20aに回転摺動するようになっている。また、中間リング20の第1摺動面20aと反対側の第2摺動面20bは、回転密封環22における中間リング側の軸端(左側軸端)に形成してある先端摺動面22aに回転摺動するようになっている。
静止密封環18における先端摺動面18aの外周側には、外方凸部18bが形成してある。外方凸部18bの外周には、断面L字形状のホルダ36が装着してあり、ホルダ36の筒部36aが、外方凸部18bの外周面を覆い、筒部36aの軸方向先端部が中間リング20の外周の一部を覆うようになっている。ホルダ36の筒部36aに略垂直に一体成形されたリング板部36bは、外方凸部18bにおける背面側側面18cに当接している。
図1に示すように、ホルダ36のリング板部36bには、弾性部材としてのスプリング32の軸方向先端が当接してあり、スプリング32の後端は、シールカバー16に形成してあるスプリング保持孔に保持してある。スプリング32の弾性力により、ホルダ36および静止密封環18が軸方向に押圧され、その押圧力は、静止密封環18から中間リング20および回転密封環22に伝わり、これらの各摺動面18a,20aおよび20b,22a(図3参照)における接触を確保する。
また、スプリング32の弾性力は、ホルダ36と静止密封環18とを相互に軸方向相対移動しないように保持し、図3に示すホルダ36における筒部36aの軸方向先端部が、先端摺動面18aよりも軸方向の先端に飛び出し、中間リング20の外周に常に位置するようになっている。ホルダ36における筒部36aの軸方向先端部は、中間リング20の外周に位置することで、中間リング20と静止密封環18とを同芯状態に保持する機能を有する。
図1に示すスプリング32は、円周方向に沿って複数位置に配置される。円周方向に沿って各スプリング32の間には、回り止めピン34の基端部がシールカバー16に固定してある。回り止めピン34の先端部は、ホルダ36のリング板部36bおよび静止密封環18の外方凸部18bに形成してある回り止め溝または孔に係合し、その結果、静止密封環18およびホルダ36は、シールカバー16に対して、軸方向移動自在にしかも相対回転不可に取り付けられる。静止密封環18とシールカバー16との間にはOリング26が取り付けられ、それらの間からスプリング32方向に被密封流体が漏れることを防止している。
回転密封環22は、回転軸12と一体的に回転するように、回転軸12に取り付けられる。具体的には、次のように取り付けられる。図1に示すように、回転軸12には、スリーブカラー44によりスリーブ40が固定される。スリーブ40と回転軸12との間には、Oリング42が装着してあり、これらの間から被密封流体がケーシング外部31に漏れることを防止している。
スリーブカラー44は、セットねじ46などにより、スリーブ40と共に回転軸12に固定され、回転軸12と共に回転するようになっている。スリーブカラー44とスリーブ40との間には、Oリング48が装着してあり、これらの間から被密封流体がケーシング外部31へ漏れることを防止している。
図3に示すように、回転密封環22における先端摺動面22aの外周側には、外方凸部22bが形成してある。外方凸部22bの外周には、断面L字形状のホルダ56が装着してあり、ホルダ56の筒部56aが、外方凸部22bの外周面を覆い、筒部56aの軸方向先端部が中間リング20の外周の一部を覆うようになっている。ホルダ56の筒部56aに略垂直に一体成形されたリング板部56bは、外方凸部22bにおける背面側側面22cに当接している。
図1に示すように、ホルダ56のリング板部56bには、弾性部材としてのスプリング52の軸方向先端が当接してあり、スプリング52の後端は、スリーブカラー44に形成してあるスプリング保持孔に保持してある。スプリング52の弾性力は、前述したスプリング32の弾性力よりも弱いことが好ましく、たとえばスプリング32の弾性力の1/4〜1/8が好ましい。
スプリング52の弾性力は、ホルダ56と回転密封環22とを相互に軸方向相対移動しないように保持し、図3に示すホルダ56における筒部56aの軸方向先端部が、先端摺動面22aよりも軸方向の先端に飛び出し、中間リング20の外周に常に位置するように決定される。ホルダ56における筒部56aの軸方向先端部は、中間リング20の外周に位置することで、中間リング20と回転密封環22とを同芯状態に保持する機能を有する。
図1に示すスプリング52は、円周方向に沿って複数位置に配置される。円周方向に沿って各スプリング52の間には、回り止めピン54の基端部がスリーブカラー44に固定してある。回り止めピン54の先端部は、ホルダ56のリング板部56bおよび回転密封環22の外方凸部22bに形成してある回り止め溝または孔に係合し、その結果、回転密封環22およびホルダ56は、スリーブカラー44に対して、軸方向移動自在にしかも相対回転不可に取り付けられる。回転密封環22とスリーブカラー44との間にはOリング50が取り付けられ、それらの間からスプリング52の方向に被密封流体が漏れることを防止している。
スリーブカラー44との接合端部とは軸方向反対側のスリーブ40の軸端部には、スリーブホルダー62が複数のボルト64により取り付けられ、スリーブホルダー62とスリーブ40との間には、回転ディスク60の内方縁部がスリーブ40に対して回転不可に取り付けられている。
回転ディスク60は、図2に示すように、たとえば円周方向に3つ以上に分割されている円弧状分割体60、60、60で構成してあり、それらが円周方向に組み合わさることで、回転ディスク60を構成している。各円弧状分割体60、60、60は、ボルト64によりスリーブホルダー62およびスリーブ40(すなわち回転軸12)に対して回転不可に取り付けられる。回転ディスク60を3つ以上の円弧状分割体で構成するのは、中間リング20の内周側に形成してある内側凹溝20cに挿入しやすくするためである。
本実施形態では、中間リング20の両軸端に形成してある摺動面20a,20bよりも内周側に、一対の凸板部21および23が、回転軸12の軸方向に沿って離れて形成してあり、これらの凸部の間に、内側凹溝20cが形成してある。各凸板部21,23における凹溝20c側の側面には、それぞれ受動面21a,23aが形成してあり、凹溝20cとは軸方向に反対側の側面には、凹部70および72が形成してあり、密封環18および22の摺動面18a,22aに対して接触しないようになっている。
凹溝20cには、回転ディスク60の本体が接触しないように入り込み、回転ディスクの軸方向表裏面に形成してある能動面60a,60bが、それぞれ受動面21a,23aに対して所定の流体隙間で配置される。回転ディスク60の外周面60cも、凹溝20cの溝底面に対して所定の流体隙間をもって配置される。これらの流体隙間は、略同一であることが好ましいが、必ずしも同一では無くても良い。たとえば回転ディスク60の外周面60cと凹溝20cの溝底面との流体隙間は、能動面60a,60bと受動面21a,23aとの流体隙間よりも広くても良い。
これらの流体隙間は、その流体隙間を流通する流体の粘性力により、能動面60a,60bの回転力が、対向する各受動面21a,23aに伝わり、中間リング20を、静止密封環18に対して所定の回転速度(α)で回転させるように決定される。
所定の回転速度(α)は、回転軸12の回転速度および回転密封環22の回転速度(β)よりも小さい速度であり、流体隙間の幅や対向面積、あるいは、表面の凹凸形状、表面粗さ、親水性物質塗布などを調整することで、制御することができる。たとえば流体隙間の幅を小さく、対向面積を大きくするほど、αはβに近づく傾向にあり、逆に、流体隙間の幅を大きく、対向面積を小さくするほど、回転ディスク60の回転力の影響は、中間リング20の回転に影響を及ぼしにくくなる。
すなわち、本実施形態に係るメカニカルシール装置10では、流体隙間の幅や対向面積などを調整することで、回転ディスク60の回転により、その回転力が、流体隙間に存在する流体の粘性力として、中間リング20に伝わり、中間リング20は、強制的に所定の回転速度(α)で回転させられる。そのため、中間リング20が静止密封環18に対して回転することができなくなる状態を避けることができ、中間リング20を、安定して強制的に所定の回転速度(α)で回転させることが可能になる。
所定の回転速度(α)は、回転密封環22の回転速度(β)よりも小さい速度であり、中間リング20と静止密封環18との間の摺動面で発生する発熱は、回転密封環22を直接に静止密封環18に接触させる場合に摺動面に発生する摺動面の発熱よりも小さくなる。
そのため、本実施形態のメカニカルシール装置10では、仮に高温、高圧および/または高速回転の環境下で使用されても、回転密封環22、静止密封環18および中間リング20の異常な摩耗が少なくなり、これらの耐久性が向上する。さらに、本実施形態のメカニカルシール装置10では、従来技術と異なり、回転密封環22、中間リング20および静止密封環18の摺動面に羽根列を形成する必要がないことから、摺動面からの被密封流体の漏れも少ない。
なお、前述した中間リング20の所定の回転速度(α)は、回転密封環22の回転速度(β)に対する比率(α/β)が1未満、好ましくは1/4〜3/4、特に好ましくは1/2±1/10以内となるように決定される。
流体隙間の具体的な値は、回転密封環22、静止密封環18および中間リング20の摺動面積、材質、凸板部21,21の面積、流体の粘度、回転速度、流体温度、流体密度、などにより決定され、特に限定されないが、好ましくは0.1〜0.5mm程度が好ましい。
本実施形態では、回転ディスクと60と中間リング20との間の流体隙間には、内部隙間30に存在する被密封流体が導入されるように、回転ディスク60が、回転軸12の軸方向に沿って回転密封環22と静止密封環18との間で、中間リング20の内周に位置して配置される。被密封流体を、流体隙間に導入させることで、被密封流体とは別の流体を流体隙間に存在させる必要がなく、密封構造がシンプルになる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、中間リング20の内周側には、一対の凸板部21および23以外に、さらに軸方向に離れて他の凸板部を設けても良く、それらの凸板部の間の各凹溝に、回転リング60をそれぞれ所定の流体隙間で2以上配置するようにしても良い。あるいは、中間リング20の内周側には、少なくとも一つの凸板部21または23が形成してあれば良く、当該凸板部21または23の表面に単一の受動面21aまたは23aが形成してあれば、本発明の作用効果を奏することができる。なお、単一の受動面21aまたは23aの内、いずれが第1受動面であっても良く、それに対向する回転ディスク60の表面が第1能動面となる。
ただし、前述した実施形態に示すように、回転ディスク60の軸方向の両側に形成してある能動面60a,60bと、中間リング20の一対の凸板部21および23間の凹溝20cの側面に形成してある受動面21a,23aとが、それぞれ対向することが好ましい。このように構成することで、これらの流体隙間に存在する流体の粘性力を介しての回転力の伝達が安定し、中間リング20を、より安定的に回転させることが可能になる。
また本発明では、流体隙間を構成する能動面60a,60bと、受動面21a,23aとの少なくともいずれか一方に、流体の粘性力を増大させるための溝、凹凸などを形成しても良い。また本発明では、中間リング20に形成する凹溝20cの溝深さは、特に限定されず、中間リング20の外周面近くにまで位置させても良い。その場合には、回転ディスク60の外径も、溝深さに応じて大きくすることができ、流体隙間における能動面60a,60bと、受動面21a,23aとの対向面積が増大する。
さらに本発明では、回転ディスク60に形成してある能動面60a,60bは、回転軸12の軸芯Zに対して交差していれば良いが、中間リング20を軸方向に可能な限り移動させない観点からは、能動面60a,60bおよび受動面21a,23aは、軸芯Zに対して略垂直であることが好ましい。
さらに上述した実施形態では、アウトサイド側メカニカルシール装置について説明したが、本発明の構造は、インサイド型メカニカルシール装置にも適用することができる。また上述した実施形態では、中間リング20の内周側に、凸部21および/または23と凹溝20cとを形成したが、これらの凸部および/または凹溝は、中間リング20の外周側に形成しても良い。その場合には、前述した回転リング60は、中間リング20の外周側に配置される。
10… メカニカルシール装置
12… 回転軸
14… ケーシング
16… シールカバー
18… 静止密封環
18a… 摺動面
20… 中間リング
20a,20b… 摺動面
20c… 凹溝
21,23… 凸板部
21a,23a… 受動面(いずれか一方が第1受動面、他方が第2受動面)
22… 回転密封環
22a… 摺動面
32,52… スプリング
36,56… ホルダ
60… 回転ディスク
60a,60b… 能動面(いずれか一方が第1能動面、他方が第2能動面)
60c… 外周面

Claims (4)

  1. 回転軸と当該回転軸を覆うケーシングとの間の被密封流体を密封するメカニカルシール装置であって、
    前記回転軸と一体的に回転する回転密封環と、
    前記ケーシングに対して相対回転不可に取り付けられる静止密封環と、
    前記回転軸の軸方向に沿って前記回転密封環と前記静止密封環に挟まれて、前記回転密封環および前記静止密封環の双方と摺動し、前記回転密封環および前記静止密封環の双方に対して相対回転可能に配置される中間リングと、
    前記回転軸と一体的に回転するように前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸と交差するように前記中間リングに形成してある第1受動面に対して所定の第1流体隙間で向き合って配置される第1能動面を持つ回転ディスクと、を有するメカニカルシール装置。
  2. 前記第1流体隙間に前記被密封流体が存在するように、前記回転ディスクが、前記回転軸の軸方向に沿って前記回転密封環と前記静止密封環との間で、前記中間リングの内周または外周に位置して配置される請求項1に記載のメカニカルシール装置。
  3. 前記中間リングの内周側または外周側には、少なくとも一つの凸板部が形成してあり、当該凸板部の表面に前記第1受動面が形成してある請求項1または2に記載のメカニカルシール装置。
  4. 前記中間リングの内周側または外周側には、前記回転軸の軸方向に沿って離れた少なくとも二つの凸板部が形成してあり、これらの二つの凸板部の間には、リング状の凹溝が形成され、当該凹溝の内部に前記回転ディスクの少なくとも一部が入り込み、
    前記凹溝の対向する内壁面の内の一方が前記第1受動面となり、他方が第2受動面となり、前記回転ディスクの前記第1能動面の反対側の面が第2能動面となり、
    前記第2受動面に対して、前記第2能動面が、所定の第2流体隙間で向き合って配置される請求項1〜3のいずれかに記載のメカニカルシール装置。
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