JP2017120121A - 摩擦ローラ式減速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルク変動時の2つのローラ素子間の瞬間的な角速度変化を生じさせず、トルク変動時の瞬間的なグロススリップを防止可能として、高い設計トラクション係数を有し、伝達効率の高い摩擦ローラ式減速機を提供する。【解決手段】摩擦ローラ式減速機は、サンローラ13とリングローラ15と複数の中間ローラ17と連結部45とローディングカム機構20とを備える。サンローラ13は一対のローラ素子を有する。一対のローラ素子21,23同士を、軸方向相対移動が可能に且つ相対回転が不能に支持するローラ素子連結部61と、ローラ素子21を、入力軸11に対して軸方向相対移動が不能に、且つ相対回転が可能に支持する回転支持部57と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦ローラ式減速機に関する。
電気自動車、ハイブリット自動車、或いは電動四輪駆動車等の電動車両用の駆動装置や産業機械用の駆動装置に組み込んで、電動モータ等の駆動部の回転駆動力を減速或いは増速しつつ被駆動部に伝達する摩擦ローラ式変速機が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。この種の摩擦ローラ式変速機は、サンローラとリングローラとが同軸上に配置され、サンローラとリングローラとの間に、複数の中間ローラが円周方向等間隔に自転自在に配置されている。また、サンローラ又はリングローラの少なくとも一方には、ローディングカム機構が設置されて、変速機に伝達されるトルクに比例して各ローラの接触点でのトラクションドライブによる動力伝達を行うために必要な押付け力を発生させる。そして、入力軸からの回転トルクは、サンローラ、中間ローラ、リングローラを介して出力軸に伝達される。
特許文献1に記載の摩擦ローラ式変速機は、サンローラを構成する一対のサンローラ素子の両側に、それぞれローディングカム機構を備える。ローディングカム機構は、サンローラ素子及びローディングカムの相互の対向面に設けられたくさび型の溝に、玉が設置されて構成されている。ローディングカム機構は、ローディングカムを通過するトルクに比例して、2つのサンローラ素子を相互に近づけるように移動させる。これにより、各ローラ同士の接触点でトラクションドライブによる動力伝達を行うために必要な押付け力が得られる。
また、特許文献2に記載の摩擦ローラ式変速機は、リングローラを構成する一対のリングローラ素子の両側又は片側にローディングカム機構を備える。ローディングカム機構は、リングローラ素子及びローディングカムの相互に対面する対向面に設けられたくさび型の溝に、玉が設置されて構成されている。ローディングカム機構は、ローディングカムを通過するトルクに比例して、2つのリングローラ素子を相互に近づけるように移動させる。これにより、各ローラ同士の接触点でトラクションドライブによる動力伝達を行うために必要な押付け力が得られる。
特開2013−104549号公報 特開2014−40885号公報
しかしながら、特許文献1の摩擦ローラ式変速機においては、変速機にトルクが作用した場合、2つのサンローラ素子の位置は、リングローラ又は中間ローラのうち、筐体に位置が規制されたいずれかの部品の位置によって決まる。そのため、2つのサンローラ素子が相互に均等に近づくとは限らない。特に、サンローラ素子を支持する軸が軸方向に規制されている場合、各サンローラ素子の軸方向移動に不均衡が生じることがある。各サンローラ素子の軸方向移動が均等でない場合、伝達するトルクの変動時にグロススリップが発生する可能性があるため、設計トラクション係数を低く設定する必要がある。これが摩擦ローラ式変速機の伝達効率向上を阻害する要因となる。
特許文献2の摩擦ローラ式変速機においても同様に、2つのリングローラ素子を通過するトルクが一致しない場合、2つのリングローラ素子の弾性変形が一致しない場合、中間ローラが軸方向に拘束される場合等においては、トルク変動時に左右のローディングカムの角速度が揃わない現象が発生する虞がある。また、片側のリングローラ素子にローディングカムを備える摩擦ローラ式変速機では、ローディングカムが設置されている一方のリングローラ素子が、他方のリングローラに対して相対回転しながら接近するため、瞬間的に2つのリングローラ素子の角速度が異なるという現象が生じる。このため、運転条件によっては、トルク変動時に瞬間的なグロススリップが発生する虞がある。このグロススリップの発生を防止するためには、設計トラクション係数を低く設定する必要があり、伝達効率向上の妨げとなる。
そこで本発明は、トルク変動時の2つのローラ素子間の瞬間的な軸方向移動の不均衡や角速度変化を生じさせず、トルク変動時の瞬間的なグロススリップを防止して、高い設計トラクション係数を有し、伝達効率の高い摩擦ローラ式減速機を提供することを目的とする。
本発明は下記構成からなる。
(1) 入力軸と同心に配置され外周面に転がり接触面を有するサンローラと、前記サンローラの周囲に前記サンローラと同心に配置され、内周面に転がり接触面を有するリングローラと、前記サンローラと前記リングローラとの間に回転自在に支持され、前記サンローラ及び前記リングローラの前記転がり接触面にそれぞれ転がり接触する複数の中間ローラと、前記リングローラと出力軸とを連結する連結部と、前記転がり接触面における接触面圧を変更するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
前記サンローラは、前記入力軸の軸方向に並設された一対のローラ素子を有し、前記ローラ素子の転がり接触面は、一対の前記ローラ素子が互いに対向する対向側端面から該対向側端面の軸方向反対側の外側端面に向かって、前記中間ローラの自転軸中心線までの距離が短くなる傾斜面であり、
前記ローディングカム機構は、一対の前記ローラ素子のうち、いずれか一方のローラ素子の外側端面側に並設されたローディングディスクを有し、前記ローディングディスクには、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化するカム面が形成され、前記入力軸から前記ローディングディスクに伝達される前記入力軸周りの回転動を、前記カム面によって前記一方のローラ素子の軸方向移動に変換して前記接触面圧を変更するものであり、
一対の前記ローラ素子同士を、軸方向相対移動が可能に且つ相対回転が不能に支持するローラ素子連結部と、
一対の前記ローラ素子のうち、いずれか他方のローラ素子を、前記入力軸に対して軸方向相対移動が不能に、且つ相対回転が可能に支持する回転支持部と、
を備えることを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
(2) 入力軸と同心に配置され外周面に転がり接触面を有するサンローラと、前記サンローラの周囲に前記サンローラと同心に配置され、内周面に転がり接触面を有するリングローラと、前記サンローラと前記リングローラとの間に回転自在に支持され、前記サンローラ及び前記リングローラの前記転がり接触面にそれぞれ転がり接触する複数の中間ローラと、前記転がり接触面における接触面圧を変更するローディングカム機構と、前記ローディングカム機構の回転を出力軸に伝達する連結部と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
前記リングローラは、前記入力軸の軸方向に並設された一対のローラ素子を有し、前記リングローラの転がり接触面は、一対の前記ローラ素子が互いに対向する対向側端面から該対向側端面の軸方向反対側の外側端面に向かって、前記中間ローラの自転軸中心線までの距離が短くなる傾斜面であり、
前記ローディングカム機構は、一対の前記ローラ素子のうち、いずれか一方のローラ素子の外側端面側に並設されたローディングディスクを有し、前記ローディングディスクには、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化するカム面が形成され、前記一方のローラ素子から前記ローディングディスクに伝達される前記入力軸周りの回転動を、前記カム面によって前記一方のローラ素子の軸方向移動に変換して前記接触面圧を変更するものであり、
一対の前記ローラ素子同士を、軸方向相対移動が可能に且つ相対回転が不能に支持するローラ素子連結部と、
前記ローディングディスクを、前記出力軸に対して軸方向相対移動が不能に、且つ相対回転が可能に支持する回転支持部と、
を備えることを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
本発明によれば、摩擦ローラ式減速機に伝達されるトルクが変動した場合でも、2つのローラ素子間の瞬間的な軸方向移動の不均衡や角速度変化を生じさせることなく、トルク変動時の瞬間的なグロススリップを防止することができる。これにより、摩擦ローラ式減速機の伝達効率を向上できる。
第1構成例の摩擦ローラ式減速機の断面図である。 図1に示す摩擦ローラ式減速機の要部拡大図である。 入力軸とこの入力軸に挿着される各部材の一部断面図である。 図3に示す各部材の分解斜視図である。 中間シャフトにスプライン嵌合する一対のサンローラ素子の斜視図である。 ローディングディスクのカム面が形成された側の側面図である。 ローディングカム機構の図6におけるA−A線断面矢視図であって、(A)は入力軸にトルクが負荷されていない状態を示す断面図、(B)は入力軸にトルクが負荷されている状態を示す断面図である。 第2構成例の摩擦ローラ式減速機の断面図である。 図8に示す摩擦ローラ式減速機の要部拡大図である。 一対のリングローラ素子、及びローディングディスクと連結部との連結機構を示す一部断面斜視図である。 変形例の摩擦ローラ式減速機におけるローディングカム機構の要部拡大図である。 第3構成例の摩擦ローラ式減速機の部分破断斜視図である。 図12に示す摩擦ローラ式減速機の断面図である。 図12に示す摩擦ローラ式減速機の組立工程の一部を示す分解断面図である。 図12及び図13に示す摩擦ローラ式減速機をその入力軸側から見た正面図である。 図12及び図13に示す摩擦ローラ式減速機のスラストニードル軸受とその近傍部分を示す部分破断斜視図である。
以下、本発明の各構成例について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1構成例)
図1は第1構成例の摩擦ローラ式減速機の断面図、図2は摩擦ローラ式減速機の要部拡大図である。
摩擦ローラ式減速機100は、入力軸11と、サンローラ13と、リングローラ15と、複数個の中間ローラ17と、リングローラ15に接続される出力軸19と、ローディングカム機構20とを備える。この摩擦ローラ式減速機100は、図示しない電動モータ等の駆動軸に結合した入力軸11によりサンローラ13が回転駆動される。このサンローラ13の回転は、複数個の中間ローラ17を介してリングローラ15に伝達され、連結部45を介して出力軸19に取り出される。
図1、図2に示すように、入力軸11は、入力軸11の基端側に形成され、先端側を臨む側面を有する段付部51と、この段付部51から入力軸11の先端に向かって段付部51の外径よりも細径にされた細径軸部53と、を有する。細径軸部53には、基端側から予圧ばね(皿バネ)63、ローディングディスク55、トルク伝達用の転動体である玉79、中間シャフト61、及び中間シャフト61にスプライン嵌合するサンローラ13、アンギュラ玉軸受57、止め輪59がこの順で配設される。
入力軸11の基端側は、玉軸受16を介して軸Ax1上に支持される。また、図示はしないが、出力軸19も同一の軸Ax1上で支持される。入力軸11の細径軸部53の先端には、出力軸19の端部軸穴71の内周面に転がり接触するニードル軸受73が配置される。入力軸11には、軸方向に沿って給油路12が形成され、給油路12内には潤滑油が供給される。給油路12内の潤滑油は、径方向に延びる噴出口から各摺動部に向けて噴射供給される。
リングローラ15は、全体を円環状に形成され、サンローラ13の外周側に入力軸11及びサンローラ13と同心に配置される。リングローラ15の内周面39は、軸方向の中央部に向かうに従って内径が大きくなる方向に傾斜しており、中間ローラ17との転がり接触面となっている。リングローラ15は、出力軸19に接続された連結部45に、軸方向及び回転方向に固定された状態で支持されており、出力軸19と一体に回転する。
サンローラ13の外周面31,33とリングローラ15の内周面39との間の環状空間には、円周方向に沿って複数の中間ローラ17が配置される。各中間ローラ17の外周面43は、サンローラ13とリングローラ15の転がり接触面にそれぞれ転がり接触する。そして、中間ローラ17は、入力軸11と平行な自転軸Ax2、すなわち、自転軸となる支持軸47を中心として、回転自在に中間ローラホルダ41に支持される。
中間ローラホルダ41は、キャリア42に支持され、各中間ローラ17の支持軸47を軸受(ラジアル軸受)49により回転自在に支持する。中間ローラ17の外周面43は、母線形状が部分円弧状の凸曲面で、それぞれサンローラ13の外周面31,33とリングローラ15の内周面39に転がり接触する。
サンローラ13は、入力軸11の軸Ax1方向(以下、軸方向と称する)に沿って配置された一対のサンローラ素子21,23を有する。サンローラ素子21の外周面31は、対向側端面25からこの対向側端面25とは反対側の外側端面35に向かうに従って外径が大きくなる傾斜面を有する。また、サンローラ素子23の外周面33も同様に、対向側端面27からこの対向側端面27とは反対側の外側端面37に向かうに従って外径が大きくなる傾斜面を有する。これら両傾斜面は、中間ローラ17との転がり接触面とされている。つまり、サンローラ13全体としての転がり接触面は、軸方向中間部で小さく、両端部に向かうに従って大きくなっている。
図3は入力軸11とこの入力軸11に挿着される各部材の一部断面図、図4は図3に示す各部材の分解斜視図、図5は中間シャフトにスプライン嵌合する一対のサンローラ素子の斜視図である。
一対のサンローラ素子21,23は、内周面に雌スプライン21a,23aが形成される。中間シャフト61は、円筒体の軸方向両端部の外周面に雄スプライン61a,61bが形成され、内周面が入力軸11の細径軸部53に回転自在に嵌合する。
サンローラ素子21の雌スプライン21aは、中間シャフト61の雄スプライン61aにスプライン嵌合する。また、サンローラ素子23の雌スプライン23aは、雄スプライン61bにスプライン嵌合する。そして、一対のサンローラ素子21,23は、軸方向に互いに対面し合う対向側端面25,27同士の間に隙間29を設けた状態で、互いに同心に配置される。
これにより、一対のサンローラ素子21,23同士は、中間シャフト61の雄スプライン61a,61bにそれぞれスプライン嵌合し、相対回転不能、且つ軸方向に相対移動自在に配置される。つまり、一対のサンローラ素子21,23は、それぞれの軸方向移動を可能に且つ相対回転を不能にする連結機構である中間シャフト61によって連結される。なお、一対のサンローラ素子21,23同士の連結は、スプラインに限らず、キー、ピン等で連結してもよい。
中間シャフト61は、後述するように軸方向一端側に配置されたローディングディスク55、及び軸方向他端側に配置されたアンギュラ玉軸受57との間に設けられる。図4,図5に示すように、中間シャフト61の先端部には、径方向に延びる給油溝61cが形成され、図3に示すように、給油溝61cから噴射される潤滑油がアンギュラ玉軸受57に供給される。
アンギュラ玉軸受57は、図3に示すように、入力軸11の細径軸部53に、サンローラ素子21の外側端面35に対向して取り付けられる。アンギュラ玉軸受57は、内輪57bの背面57cが、細径軸部53の溝に係合固定された止め輪59に当接する。また、外輪57aの背面57dが、サンローラ素子21の外側端面35に当接する。
これにより、アンギュラ玉軸受57は、サンローラ素子21を細径軸部53に対して回転自在に支持し、細径軸部53の先端側へのスラスト荷重を受け止める。
変速機に伝達されるトルクが変動すると、以下に説明するローディングカム機構20の作用により、サンローラ素子23が入力軸11に対して軸方向移動すると共に、サンローラ素子21,23が中間シャフト61と共に僅かに相対回転する。アンギュラ玉軸受57は、このサンローラ13の入力軸11との瞬間的な相対回転を許容し、スラスト荷重を支持する。
次に、ローディングカム機構20について詳細に説明する。
図2に示すように、ローディングカム機構20は、入力軸11の段付部51に対向して細径軸部53に嵌合するローディングディスク55と、サンローラ素子23と、ローディングディスク55及びサンローラ素子23で挟持される転動体である玉79とを備える。ローディングカム機構20は、入力軸11の伝達トルクの増加に伴って、リングローラ15と、中間ローラ17と、サンローラ素子21の弾性変形に追従するように、サンローラ素子23をサンローラ素子21に向けて軸方向に移動させる。これにより、サンローラ素子21,23、リングローラ15、及び中間ローラ17の各転がり接触面における接触面圧を変更する。
段付部51のローディングディスク55に対面する側端部には、図4に示すように、径方向へ突出する凸部67aと凹部67bとを有する係合爪部67が形成される。また、ローディングディスク55の段付部51に対面する側端部には、軸方向へ突出する凸部69a及び凹部69bを有する係合爪部69が形成される。これら係合爪部67,69は、凸部69aと凹部67bとが係合し、凸部67aと凹部69bとが係合する。これにより、ローディングディスク55が、入力軸11に対して軸方向相対移動が可能に、且つ相対回転が不能となる。
つまり、ローディングディスク55は、入力軸11の段付部51側が、入力軸11に対して相対回転不能に固定される。これにより、段付部51(入力軸11)からの回転トルクがローディングディスク55に伝達される。その際、予圧ばね63からの予圧力が、サンローラ素子23側に同時に伝達される。
図6はローディングディスク55のカム面75が形成された側の側面図である。
ローディングディスク55には、サンローラ素子23の外側端面37(図3参照)に対向する端面に、円周方向に沿って複数(本構成では3箇所)の第1のカム面75が等間隔で設けてある。また、サンローラ素子23の外側端面37にも同様に、第1のカム面75に対応して複数(本構成では3箇所)の第2のカム面77が設けてある。第1のカム面75と第2のカム面77との間には、それぞれ一つずつ玉79が挟持される。
第1のカム面75及び第2のカム面77は、それぞれ軸方向の深さが円周方向に沿って漸次変化して、円周方向に沿った中央部が最も深く、カム面の円周方向端部(両端部)に向かうに従って浅くなる形状を有する。
図7(A),(B)は、ローディングカム機構20の図6におけるA−A線断面矢視図であって、(A)は入力軸11にトルクが負荷されていない状態を示す断面図、(B)は入力軸11にトルクが負荷されている状態を示す断面図である。
図7(A)に示すように、ローディングカム機構20は、入力軸11にトルクが負荷されていない状態では、各玉79が、第1のカム面75と第2のカム面77の最も深くなった部分に位置する。この状態では予圧ばね63(図3参照)の弾性力によってサンローラ素子23が他方のサンローラ素子21に向けて押圧される予圧力が働いている。
そして、入力軸11が回転駆動されると、図7(B)に示すように、入力軸11の回転駆動力が、入力軸11から係合爪部67,69を介してローディングディスク55に伝達され、ローディングディスク55が回転駆動される。ローディングディスク55が回転駆動されると、ローディングディスク55とサンローラ素子23との間の玉79が、第1のカム面75と第2のカム面77の浅くなった部分に移動する。
その結果、ローディングディスク55とサンローラ素子23とが、僅かに相対回転しつつ、両者間の軸方向距離が拡がる。すなわち、サンローラ素子23は、予圧ばね63から生じる弾性力と、各カム面75,77に玉79が接触しつつトルク伝達することにより発生する推力とによって、サンローラ素子21に向けて軸方向に押圧される。また、サンローラ素子23は、玉79を介してローディングディスク55から回転トルクが加わり、回転駆動される。これにより、図3に示すように、サンローラ素子23がスプライン嵌合する中間シャフト61が回転駆動され、中間シャフト61にスプライン嵌合するサンローラ素子23も回転駆動される。
ローディングカム機構20が発生する軸方向の押圧力により、サンローラ素子21,23の軸方向距離が縮まると、図2に示すように、サンローラ素子21,23の外周面31,33と、中間ローラ17の外周面43との転がり接触面の接触面圧が上昇する。
また、この接触面圧の上昇に伴って、リングローラ15の内周面39と各中間ローラ17の外周面43との転がり接触部の接触面圧も上昇する。その結果、入力軸11と出力軸19との間に存在する、動力伝達に供される各ローラの転がり接触部の接触面圧が、入力軸11と出力軸19との間で伝達すべき回転トルクの大きさに応じて上昇する。
この状態で入力軸11が更に回転駆動されると、入力軸11の回転が、サンローラ13から各中間ローラ17に伝達され、これら各中間ローラ17がサンローラ13の周囲で、各自転軸Ax2を中心に自転する。各中間ローラ17の自転運動は、リングローラ15に伝達される。そして、リングローラ15に伝達された回転トルクは、連結部45を介して出力軸19に伝達される。
このとき、中間ローラ17、リングローラ15は、サンローラ素子23の軸方向移動に伴って、それぞれ軸方向に調芯される。
よって、本構成の摩擦ローラ式減速機100の各ローラの接触面圧は、入力軸11と出力軸19との間で伝達すべき回転トルクの大きさに応じて適正化され、回転トルクの増加に伴って接触面圧がスムーズに増加する。その結果、各ローラ部で過大な滑りが発生することがなく、また、これら各ローラ部の接触面圧が過大になることに伴う転がり抵抗の増大を防止できる。
また、一対のサンローラ素子21,23は、中間シャフト61の雄スプライン61a,61bにそれぞれスプライン嵌合して、軸方向移動可能、且つ相対回転を不能に連結される。そのため、サンローラ素子21,23は相互に同期して回転する。その結果、入力軸11から伝達されるトルクが変動した場合でも、一対のサンローラ素子21,23間の瞬間的な角速度変化や軸方向移動がなく、トルク変動時の瞬間的なグロススリップが防止される。これにより、トラクション係数を高く設定することができ、摩擦ローラ式減速機100の伝達効率が向上する。
なお、予圧ばね63の予圧力は、中間ローラ17側からサンローラ13にトルクが伝達される場合、トラクションドライブに要する必要な最低限の押し付け力を付与するのに有効に作用する。
上記は入力軸11側から出力軸19側にトルクが伝達される場合の挙動であるが、反対に、出力軸19側から入力軸11側にトルクが伝達される場合も同様の効果が得られる。つまり、出力軸19からのトルクは、連結部45の円筒部45aからリングローラ15に伝達され、リングローラ15から中間ローラ17に伝達される。中間ローラ17に伝達されたトルクは、一対のサンローラ素子21,23に伝達される。
サンローラ素子23に伝達されたトルクは、ローディングディスク55との間に回転差を発生させるが、この回転差は、アンギュラ玉軸受57により吸収される。また、サンローラ素子21,23は、中間シャフト61により軸方向移動可能、且つ相対回転を不能に連結されているため、一対のリングローラ素子121,123間の瞬間的な角速度変化がなく、トルク変動時の瞬間的なグロススリップが防止される。
(第2構成例)
次に、リングローラが一対のローラ素子からなる第2構成例の摩擦ローラ式減速機について説明する。
本構成の摩擦ローラ式減速機200は、ローディングカム機構及びローラ素子がリングローラ側に設けられている以外は、第1構成例の摩擦ローラ式減速機100と同様の構成である。そのため、以降の説明においては、同一の部分や部材には、同一の符号を付することで、その説明を省略、または簡略化する。
図8は摩擦ローラ式減速機200の断面図、図9は摩擦ローラ式減速機200の要部拡大図である。
本構成の摩擦ローラ式減速機200は、入力軸11に接続されるサンローラ13と、リングローラ15と、複数の中間ローラ17と、出力軸19に接続される連結部45と、ローディングカム機構20Aを備える。
サンローラ13は、入力軸11の一端部に形成された中実構造のローラであり、入力軸11と一体に回転する。サンローラ13の外周面13aは、軸断面の外縁形状が単一円弧状の凹曲線であり、中間ローラ17との転がり接触面となる。入力軸11からの回転トルクは、外周面13aに接する各中間ローラ17に伝達される。
リングローラ15は、サンローラ13の周囲にサンローラ13と同心に配置される。リングローラ15の内周面39は、中間ローラ17との転がり接触面となる。本構成のリングローラ15は、入力軸11の軸方向に並設された一対のリングローラ素子121,123を有する。
各リングローラ素子121,123の転がり接触面121a,123aは、図9に示すように、リングローラ素子121,123の互いに対向する対向側端面25,27から、これら対向側端面25,27の軸方向反対側の外側端面35,37に向かって、中間ローラ17の自転軸Ax2までの距離が短くなる傾斜面とされる。これら傾斜面は、軸断面の外縁形状が直線状である以外にも、単一円弧状の凹曲線となる凹曲面であってもよい。
図8に示すように、サンローラ13の外周面13aとリングローラ15の内周面39との間の環状空間には、複数の中間ローラ17が配置される。中間ローラ17は、軸受49(ニードルベアリング)を介して、入力軸11と平行な支持軸47に回転自在に且つ軸方向に移動可能に、それぞれ中間ローラホルダ41によって支持される。各中間ローラ17の外周面43は、サンローラ13とリングローラ15の転がり接触面にそれぞれ転がり接触する。
中間ローラホルダ41は、図示しないモータ等の固定側に接続される固定側の部材であるキャリア42に支持される。各中間ローラホルダ41は、サンローラ13の周囲で円周方向に沿って均等配置される。また、中間ローラホルダ41は、図示しない揺動軸を中心としてキャリア42に揺動自在に支持されることで、中間ローラ17が、サンローラ13の中心軸となる軸Ax1からの半径距離を可変に支持される。
リングローラ15の外周側には、有底円筒状の連結部45が配置される。連結部45は、リングローラ15やローディングカム機構20A等を内径部に収容する円筒部45aと、出力軸19に接続される底部45bとを備える。円筒部45aと底部45bとは、それぞれ別体に形成されて、後述するように組み合わされる。
連結部45の円筒部45aの内径側には、底部45b側から順に、波板状の予圧ばね63、アンギュラ玉軸受57A、ローディングディスク55、玉79、リングローラ素子123、121、止め輪59が配置される。
図10は一対のリングローラ素子121,123、及びローディングディスク55と連結部45との連結機構を示す一部断面斜視図である。
一方のリングローラ素子121の対向側端面25には、軸方向へ突出する凸部81a及び凹部81bを有する係合爪部81が形成される。また、他方のリングローラ素子123の対向側端面27には、軸方向へ突出する凸部83a及び凹部83bを有する係合爪部83が形成される。これら係合爪部81,83は、凸部81aと凹部83b、凸部83aと凹部81bとが相互に係合することで、一対のリングローラ素子121,123が、軸方向に相対移動可能、且つ回転方向に関して固定される。つまり、一対のリングローラ素子121,123は、それぞれの軸方向移動を可能に、且つ相対回転を不能にする連結機構(係合爪部81,83)によって連結される。
図10に示すように、連結部45の底部45bには、ローディングディスク55に対面する対向側端面に、軸方向に沿って凹溝68が形成される。また、ローディングディスク55には、底部45bに対面する対向側端面に軸方向へ突出する凸部70が形成される。凹溝68と凸部70は、相互に係合することで、ローディングディスク55と連結部45の底部45bとを、軸方向に相対移動可能、かつ回転方向に関して固定する。
そして、図9に示すように、アンギュラ玉軸受57Aは、ローディングディスク55と連結部45の円筒部45aとの間に配置される。このアンギュラ玉軸受57Aは、内輪57bの背面57cが、ローディングディスク55のフランジ端面55aに当接して固定される。また、外輪57aの背面57dが、連結部45の円筒部45aの軸方向内側端面46にすき間嵌めされる。
止め輪59Aは、リングローラ素子121の軸方向位置を規制して、リングローラ素子121を円筒部45aから抜け止めする。また、止め輪59Aは、リングローラ素子121を回転方向に固定して、連結部45の円筒部45aとの相対回転を阻止する。つまり、リングローラ素子121は円筒部45aと一体に回転する。
連結部45の円筒部45aは、出力軸19側の一端部に、内径側へ向けて突出するフランジ部72が形成される。このフランジ部72の一部を環状に切欠いた切欠き部に、予圧ばね63が装着される。予圧ばね63は、入力軸11から伝達される回転トルクが小さい場合に、アンギュラ玉軸受57Aとローディングディスク55と介してリングローラ素子123に予圧を付与する。この予圧によって、各リングローラ素子121,123と中間ローラ17との転がり接触面における接触面圧が所定値以上に確保される。
上記構成のリングローラ15及びローディングカム機構20Aによれば、入力軸からのトルクがリングローラ素子121,123に伝達される。リングローラ素子121,123は、図10に示す係合爪部81,83の係合によって回転方向に関して一体となって回転する。また、リングローラ素子123の回転は、カム面75,77に挟持された玉79を介してローディングディスク55に伝達される。リングローラ素子123とローディングディスク55との間には、前述したローディングカム機構20Aの作用により、双方の相対回転に伴う軸方向変位と、ローディングディスク55との相対的な回転変位を生じる。
軸方向変位については、図9に示すように、ローディングディスク55が、アンギュラ玉軸受57Aを介して連結部45の円筒部45aに軸方向に関して規制されるため、発生した軸方向変位は、リングローラ素子123がリングローラ素子121に向かう方向に作用する。
回転変位については、リングローラ素子123がリングローラ素子121の係合爪部81,83によって相対回転が阻止されるため、ローディングディスク55がリングローラ素子123に対して相対回転するように作用する。ローディングディスク55の回転変位は、アンギュラ玉軸受57Aによって吸収され、連結部45の円筒部45aに伝達されない。また、ローディングディスク55の凸部70は、連結部45の底部45bの凹溝68と係合しているため、ローディングディスク55の回転変位は、底部45bを介して出力軸19に伝達される。
そして、軸方向変位を伴ったローディングディスク55の回転変位が、トルクに応じた最大変位量に達すると、リングローラ素子123とローディングディスク55とが一体となって回転する。そうすると、中間ローラ17からのトルクは、リングローラ素子121,123、玉79、ローディングディスク55(凸部70)、連結部45の底部45b(出力軸18)の順で伝達される。
このときのリングローラ素子123に伝達されたトルクの約半分は、係合爪部81,83を介してリングローラ素子121に伝達される。また、ローディングカム機構20Aと予圧ばね63とによって発生する軸方向力に応じて、中間ローラ17とリングローラ素子121,123との間に必要な法線力が付与される。
以上より、中間ローラ17からリングローラ素子121,123にトルクが伝達されると、リングローラ素子121,123が連結部45の円筒部45aと共に回転する。その際、リングローラ素子123とローディングディスク55とは、相対回転して、ローディングディスク55と円筒部45aとの間に回転差が生じるが、この回転差は、アンギュラ玉軸受57Aにより吸収される。これにより、リングローラ素子121,123は、相対回転が阻止されると共に、リングローラ素子123の軸方向移動がなされる。
この場合、2つのリングローラ素子121と123との間の瞬間的な角速度変化を生じさせることなく、トルク変動時の瞬間的なグロススリップを防止でき、摩擦ローラ式減速機200の伝達効率を向上させることができる。
上記は入力軸11側から出力軸19側にトルクが伝達される場合の挙動であるが、反対に、出力軸19側から入力軸11側にトルクが伝達される場合も同様の効果が得られる。ローディングディスク55は、伝達されたトルクによって回転変位する。その際、ローディングディスク55からリングローラ素子123に玉79を介して軸方向力が負荷され、リングローラ素子123が軸方向変位する。一方、ローディングディスク55の回転変位は、連結部45の円筒部45aとの間に回転差を生じさせるが、この回転差は、アンギュラ玉軸受57Aにより吸収される。これにより、ローディングディスク55の回転変位は、連結部45の円筒部45aに伝達されることがない。
ここで用いるローディングカム機構20Aは、第一構成例と同様に、ローディングディスク55の端面(リングローラ素子123の外側端面37に対向する端面)に形成された複数(本構成では3箇所)の第1のカム面75と、リングローラ素子123の外側端面37に形成された複数(本構成では3箇所)の第2のカム面77と、第1及び第2のカム面75,77との間に挟持される玉79と、により構成される。
上記構成の摩擦ローラ式減速機200は、入力軸11から入力される回転トルクが、サンローラ13から各中間ローラ17に伝達され、更に、各中間ローラ17からリングローラ15に減速されて伝達される。リングローラ15は連結部45を介して出力軸19と接続されており、これにより、入力軸11の回転が出力軸19に減速して伝達される。
よって、本構成の摩擦ローラ式減速機200の各ローラの接触面圧は、入力軸11と出力軸19との間で伝達すべき回転トルクの大きさに応じて適正化され、回転トルクの増加に伴って接触面圧がスムーズに増加する。その結果、各ローラ部で過大な滑りが発生することがなく、また、これら各ローラ部の接触面圧が過大になることに伴う転がり抵抗の増大を防止できる。
また、一対のリングローラ素子121,123は、係合爪部81,83により軸方向移動可能、且つ相対回転を不能に連結されて、完全に同期して回転するので、トルクが変動した場合でも、一対のリングローラ素子121,123間の瞬間的な角速度変化がなく、トルク変動時の瞬間的なグロススリップが防止される。これにより、トラクション係数を高く設定することができ、摩擦ローラ式減速機200の伝達効率が向上する。
次に、上記した第2構成例の摩擦ローラ式減速機200におけるローディングカム機構20Aの変形例を説明する。
図11は本変形例のローディングカム機構20Bの要部拡大図である。本構成のローディングカム機構20Bは、図10に示すローディングカム機構20Aのアンギュラ玉軸受57Aをスラストニードル軸受に変更した点以外は、ローディングカム機構20Aと同様の構成である。
前述したローディングカム機構20Aにおいては、アンギュラ玉軸受57Aを用いている。アンギュラ玉軸受は、転動体と内外輪とが所定の接触角を有して接触する。そのため、リングローラ15の回転に応じて転動体に遠心力が作用した場合、内外輪に軸方向力を発生させる。
内外輪に発生した軸方向力は、リングローラ素子123のトラクション面にも作用する。このため、各ローラのトラクション面には、ローディングカム機構20Bが発生した軸方向力と、アンギュラ玉軸受が発生した軸方向力との2つの力が作用する。そのため、減速機の回転速度やアンギュラ玉軸受の転動体、転動体荷重等の条件によっては、必要とされる押し付け力よりも過剰な荷重がトラクション面に作用する場合がある。
しかし、本変形例の構成のように、アンギュラ玉軸受57Aに代えてスラストニードル軸受91を用いる場合には、転動体(ころ)に作用する遠心力が軸方向力に変換されることがない。その結果、減速機の高速回転時であっても、トラクション面に過剰な荷重が作用することを防止できる。
(第3構成例)
次に、第2構成例の摩擦ローラ式減速機の他の構成例について説明する。
本構成例においても、リングローラ15が一対のローラ素子からなり、アンギュラ玉軸受57Aに代えてスラストニードル軸受91を備えている。
図12は第3構成例の摩擦ローラ式減速機300の部分破断斜視図、図13は図12に示す摩擦ローラ式減速機300の断面図である。
本構成の摩擦ローラ式減速機300は、入力軸11に接続されるサンローラ13と、リングローラ15と、複数の中間ローラ17と、出力軸19に接続される連結部45と、ローディングカム機構20Bを備える。
リングローラ15の外周側には連結部45が配置される。連結部45の内周側には、出力軸19側から順に、スラストニードル軸受91,ローディングディスク55と玉79とリングローラ素子123からなるローディングカム機構20B,リングローラ素子121,波板状の予圧ばね63,ばね押さえ部材150が配置される。
スラストニードル軸受91は、ローディングディスク55の玉79側と反対側の側面55aと、連結部45の出力軸19側の軸方向一端部に形成されたフランジ部72との間に配置される。
連結部45の出力軸19側には、出力軸19の端部に設けられた連結用ディスク(回転支持部)98が配置される。連結用ディスク98の外周部には、複数の凸部145が周方向に等間隔に形成される。また、ローディングディスク55には、側面55aから出力軸19側に延出される円筒部74が一体に形成される。円筒部74は出力軸19と互いに同軸に配置される。円筒部74の内周部には軸方向に延びる複数の凹部146が周方向に等間隔で形成されている。凸部145と凹部146は、相互に係合することで、ローディングディスク55と出力軸19とを回転方向に関して固定する。
連結部45の入力軸11側の端部147には、ばね押え部材150が固定される。ばね押え部材150は、連結部45の端部147に嵌入される円環状の部材である。ばね押え部材150は、端部147の端面147aに接する外周部151と、端部147の内周面に嵌合する内周部152と、を有する。内周部152のリングローラ15に対面する部分には、リングローラ素子121が当接する。すなわち、ばね押え部材150は、リングローラ素子121の軸方向位置を規制して、リングローラ素子121を連結部45から抜け止めする。また、ばね押え部材150は、リングローラ素子121と連結部45と一体に回転する。
ばね押え部材150の内周部152には、環状に切欠いた切欠き部153が形成される。この切欠き部153に、予圧ばね63が装着される。予圧ばね63は、切欠き部153の底面(ばね座面)153aに圧接する。予圧ばね63は、入力軸11から伝達される回転トルクが小さい場合に、リングローラ素子121に予圧を付与する。この予圧によって、各リングローラ素子121,123と中間ローラ17との転がり接触面における接触面圧が所定値以上に確保される。低トルク領域では、ばね押え部材150とリングローラ15は互いに離間しており、予圧ばね63がリングローラ15を付勢している。伝達トルクが上昇しローディングディスク55の推力が予圧ばね63の予圧荷重を超えると、予圧ばね63が圧縮され、ばね押え部材150とリングローラ15が互いに当接する。
図14は、図12に示す摩擦ローラ式減速機300の組立工程の一部を示している。連結部45の内部には、前述したように、フランジ部72側から順に、スラストニードル軸受91、ローディングカム機構20B及びリングローラ15が配置される。このように組み付けられた状態で、予圧ばね63を取り付けたばね押え部材150を連結部45に固定する。ばね押え部材150は、複数のボルト154により連結部45に固定される。これにより、摩擦ローラ式減速機300の組み立てが完了する。
本構成例によれば、図14の状態で、連結部45の端部147の端面147aとリングローラ15の外側端面37との距離D1と、ばね押え部材150の連結部45との接合面151aと切欠き部153のばね座面153aとの距離D2を測定し、両者の差の値(D1−D2)を求めることにより、予圧ばね63による予圧荷重を適正に管理することが可能となる。すなわち、上記差の値(D1−D2)は摩擦ローラ式減速機300の組み立て後における予圧ばね63の圧縮長に相当する。そこで、ばね押え部材150を連結部45に固定する前段階で、この値(D1−D2)に基づいて、適正な予圧荷重が得られるように、予圧ばね63を選定し、或いは、スペーサ(シム)等を介装してばね潰し代を調整することができる。
このように、予圧ばね63による予圧荷重を適正に管理可能としたことにより、必要以上の予圧荷重の発生によるトルク伝達効率の低下を防止し、従来よりも高性能の摩擦ローラ式減速機を実現し得る。
ところで、予圧荷重の伝達経路は、リングローラ15、中間ローラ17、サンローラ13、ローディングカム機構20、連結部45といった複数の部品で構成され、予圧ばね63の潰し代はこれら各部品の寸法バラツキと弾性変形によって変化する。このため従来は、予圧ばね63のばね定数のバラツキの下限で、ばね潰し代が最も小さくなる条件で、必要最低限の予圧荷重が得られるように設計していた。このため、ばね定数のバラツキが大きい状況下では、必要以上に大きい予圧荷重が発生しやすくなり、トルク伝達効率の低下を招くという問題があった。仮に、ばね定数のバラツキの上限で、ばね潰し代が最も大きくなる状況が生じた場合、必要以上の最も大きい予圧荷重が発生し、伝達効率が最も低下することになる。予圧ばね63が機能するトルク領域は、車両が定速巡航する低トルク領域であり、このトルク領域での伝達効率の低下は、車両の航続可能距離などに大きな悪影響を及ぼす。
しかし、本構成例によれば、予圧荷重の適正管理が容易となり、特に低トルク領域における摩擦ローラ式減速機内部でのトルク損失を最小限に抑制することが可能となる。また、ばね潰し代を調整して予圧荷重を適正化することで、各部品の精度のばらつきを吸収し得るので、摩擦ローラ式減速機の製造コストの低減も可能となる。
図15は、図12及び図13に示す摩擦ローラ式減速機300を入力軸11側から見た正面図である。図14に示すように、ばね押え部材150の内周部152には、入力軸11方向に延びる切り欠き部152aが設けられており,この切り欠き部152aを通してリングローラ15の外側端面37を視認し得る構造になっている。
本構成例によれば、摩擦ローラ式減速機300を組み立てた後、すなわち、ばね押え部材150を連結部45に固定した後に、リングローラ15の外側端面37とばね押え部材150のばね座面153aとの距離を測定できる。よって、各部品の寸法バラツキ及び弾性変形の影響を受けた実際の状態のばね潰し代を測定することが可能となる。
図16は、図12及び図13に示す摩擦ローラ式減速機300のスラストニードル軸受91とその近傍部分を示す部分破断斜視図である。スラストニードル軸受91は、ローディングディスク55の円筒部74の外側に配置されてる。円筒部74には、スラストニードル軸受91に臨ませて、潤滑油の流路となる貫通孔161が複数箇所に設けられている。貫通孔161は、円筒部74を径方向に貫通している。スラストニードル軸受91は、多数のころ92を保持した第1リング(ころ保持器)93と、第1リング93に保持されたころ92が接触する第2リング94と、を有する。第1リング93はローディングディスク55に固定される。第2リング94は連結部45のフランジ部72に固定される。
また、連結部45のフランジ部72側の外周面には、スラストニードル軸受91に臨ませて切欠部162が軸方向に沿って形成されている。切欠部162は連結部45の円周方向に沿った複数箇所に設けられる。これにより、切欠部162を通してスラストニードル軸受91及びローディングディスク55が部分的に露出する。
本構成例によれば、入力軸11の内部に形成される図示しない給油溝から噴射される潤滑油が、遠心力によりキャリア42内の油路を流れて円筒部74の内径面に供給され、円筒部74の貫通孔161を通してスラストニードル軸受91に供給される。このため、スラストニードル軸受91の第1リング93と第2リング94との焼付きや、ころ92の摩耗等を未然に防止できる。
また、スラストニードル軸受91に供給された潤滑油は、連結部45の外周面に設けられた切欠部162を通して外部に排出される。このため、潤滑油がローディングディスク55の円筒部74の内側に滞留することはない。
上記各構成の摩擦ローラ式減速機は、例えば、電気自動車,ハイブリッド自動車,あるいは電動四輪駆動車などに用いられる電動車両の駆動装置に好適に使用できる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、ローディングカム機構を構成する玉は、ころに置き換えても良い。また、アンギュラ玉軸受は、軸方向力を伝達でき、且つ相対回転を許容できる形式の軸受であれば形式は限定されない。換言すれば、ラジアル円筒ころ軸受や,ラジアルニードル軸受等のラジアル方向の荷重しか受けられないものは不適である。また、サンローラ素子にアンギュラ玉軸受の外輪軌道面を一体に形成してもよい。更に、止め輪は,コッタ等軸方向力を伝達可能なその他の手段を用いることもできる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 入力軸と同心に配置され外周面に転がり接触面を有するサンローラと、前記サンローラの周囲に前記サンローラと同心に配置され、内周面に転がり接触面を有するリングローラと、前記サンローラと前記リングローラとの間に回転自在に支持され、前記サンローラ及び前記リングローラの前記転がり接触面にそれぞれ転がり接触する複数の中間ローラと、前記リングローラと出力軸とを連結する連結部と、前記転がり接触面における接触面圧を変更するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
前記サンローラは、前記入力軸の軸方向に並設された一対のローラ素子を有し、前記ローラ素子の転がり接触面は、一対の前記ローラ素子が互いに対向する対向側端面から該対向側端面の軸方向反対側の外側端面に向かって、前記中間ローラの自転軸中心線までの距離が短くなる傾斜面であり、
前記ローディングカム機構は、一対の前記ローラ素子のうち、いずれか一方のローラ素子の外側端面側に並設されたローディングディスクを有し、前記ローディングディスクには、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化するカム面が形成され、前記入力軸から前記ローディングディスクに伝達される前記入力軸周りの回転動を、前記カム面によって前記一方のローラ素子の軸方向移動に変換して前記接触面圧を変更するものであり、
一対の前記ローラ素子同士を、軸方向相対移動が可能に且つ相対回転が不能に支持するローラ素子連結部と、
一対の前記ローラ素子のうち、いずれか他方のローラ素子を、前記入力軸に対して軸方向相対移動が不能に、且つ相対回転が可能に支持する回転支持部と、
を備えることを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
この摩擦ローラ式減速機100によれば、一対のローラ素子21,23同士を、軸方向相対移動が可能に且つ相対回転が不能に支持する中間シャフト61(ローラ素子連結部)と、ローラ素子21を、入力軸11に対して軸方向相対移動が不能に、且つ相対回転が可能に支持するアンギュラ玉軸受57(回転支持部)と、を備える。これにより、ローディングカム機構20にトルクが伝達され、入力軸11と一体に回転するローディングディスク55がサンローラ素子23に対して相対回転しても、サンローラ素子21とサンローラ素子23とは、中間シャフト61により連結され、軸方向移動が可能に且つ相対回転が不能となっているため、サンローラ素子21とサンローラ素子23とが同位相で回転し続けることができる。また、サンローラ素子21は、アンギュラ玉軸受57により入力軸11に対して軸方向移動が不能に且つ相対回転可能に支持されるため、サンローラ素子23から中間ローラ17を介して伝達される軸方向力を受け止めることができる。また、ローディングディスク55とサンローラ素子23との回転差は、アンギュラ玉軸受57により吸収される。これにより、トルク変動時の瞬間的なグロススリップを防止でき、摩擦ローラ式減速機100の伝達効率を向上させることができる。
(2) 入力軸と同心に配置され外周面に転がり接触面を有するサンローラと、前記サンローラの周囲に前記サンローラと同心に配置され、内周面に転がり接触面を有するリングローラと、前記サンローラと前記リングローラとの間に回転自在に支持され、前記サンローラ及び前記リングローラの前記転がり接触面にそれぞれ転がり接触する複数の中間ローラと、前記転がり接触面における接触面圧を変更するローディングカム機構と、前記ローディングカム機構の回転を出力軸に伝達する連結部と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
前記リングローラは、前記入力軸の軸方向に並設された一対のローラ素子を有し、前記リングローラの転がり接触面は、一対の前記ローラ素子が互いに対向する対向側端面から該対向側端面の軸方向反対側の外側端面に向かって、前記中間ローラの自転軸中心線までの距離が短くなる傾斜面であり、
前記ローディングカム機構は、一対の前記ローラ素子のうち、いずれか一方のローラ素子の外側端面側に並設されたローディングディスクを有し、前記ローディングディスクには、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化するカム面が形成され、前記一方のローラ素子から前記ローディングディスクに伝達される前記入力軸周りの回転動を、前記カム面によって前記一方のローラ素子の軸方向移動に変換して前記接触面圧を変更するものであり、
一対の前記ローラ素子同士を、軸方向相対移動が可能に且つ相対回転が不能に支持するローラ素子連結部と、
前記ローディングディスクを、前記出力軸に対して軸方向相対移動が不能に、且つ相対回転が可能に支持する回転支持部と、
を備えることを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
この摩擦ローラ式減速機200によれば、一対のローラ素子121,123同士を、軸方向相対移動が可能に且つ相対回転が不能に支持する係合爪部81,83(連結部)と、ローディングディスク55を、出力軸19に対して軸方向相対移動が不能に、且つ相対回転が可能に支持するアンギュラ玉軸受57A(回転支持部)とを備える。これにより、ローディングカム機構20Aにトルクが伝達されても、アンギュラ玉軸受57Aによりローディングディスク55がリングローラ素子123に対して相対回転可能となる。また、ローディングカム機構20Aによる軸方向移動は、アンギュラ玉軸受57Aがローディングディスク55の軸方向移動を不能にするため、リングローラ素子123に作用する。リングローラ素子121とリングローラ素子123とは、係合爪部81,83により連結され、軸方向移動が可能に且つ相対回転が不能となっているため、リングローラ素子121とリングローラ素子123とが同位相で回転し続けることができる。これにより、トルク変動時の瞬間的なグロススリップを防止でき、摩擦ローラ式減速機200の伝達効率を向上させることができる。なお、アンギュラ玉軸受57Aに代えてスラストニードル軸受91を用いる場合には、スラストニードル軸受から遠心力に起因する軸方向力が生じることがなく、トラクション面に過剰な荷重が作用することを防止できる。
(3) 前記連結部の内側の軸方向一端部に、前記回転支持部に回り止めされる円筒部を有する前記ローディングカム機構、前記リングローラ、軸方向に予圧荷重を付与する予圧ばね、前記予圧ばねを収容するばね押さえ部材と、がこの順で配置される、(2)に記載の摩擦ローラ式減速機。
この摩擦ローラ式減速機300によれば、予圧荷重の適正管理が容易となり、特に低トルク領域における摩擦ローラ式減速機内部でのトルク損失を最小限に抑制することが可能となる。また、ばね潰し代を調整して予圧荷重を適正化することで、各部品の精度のばらつきを吸収し得るので、摩擦ローラ式減速機の製造コストの低減も可能となる。
(4)前記回転支持部は、前記ローディングディスクの円筒部の内側に配置され、当該円筒部には、径方向に貫通して、潤滑油の流路となる貫通孔が設けられる、(2)又は(3)に記載の摩擦ローラ式減速機。
この摩擦ローラ式減速機によれば、入力軸に形成された給油路等から各摺動部に供給される潤滑油が、ローディングディスク55の円筒部70Aに設けられた貫通孔161を通して回転支持部であるスラストニードル軸受91に供給されるため、スラストニードル軸受91の焼付き及び摩耗を防止できる。
11 入力軸
13 サンローラ
13a 外周面
15 リングローラ
17 中間ローラ
19 出力軸
20,20A ローディングカム機構
21,23 サンローラ素子(ローラ素子)
25,27 対向側端面
31,33 外周面
35,37 外側端面
39 内周面
45 連結部
45a 円筒部
45b 底部
55 ローディングディスク
57,57A アンギュラ玉軸受(回転支持部)
59,59A 止め輪
61 中間シャフト(ローラ素子連結部)
63 予圧ばね
75,77 カム面
79 玉
81,83 係合爪部(ローラ素子連結部)
91 スラストニードル軸受(回転支持部)
98 連結用ディスク(回転支持部)
100,200,300 摩擦ローラ式減速機
121,123 リングローラ素子(ローラ素子)
150 ばね押え部材
153 切欠き部
161 貫通孔
162 切欠部
Ax2 自転軸(中間ローラの自転軸中心線)

Claims (4)

  1. 入力軸と同心に配置され外周面に転がり接触面を有するサンローラと、前記サンローラの周囲に前記サンローラと同心に配置され、内周面に転がり接触面を有するリングローラと、前記サンローラと前記リングローラとの間に回転自在に支持され、前記サンローラ及び前記リングローラの前記転がり接触面にそれぞれ転がり接触する複数の中間ローラと、
    前記リングローラと出力軸とを連結する連結部と、前記転がり接触面における接触面圧を変更するローディングカム機構と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
    前記サンローラは、前記入力軸の軸方向に並設された一対のローラ素子を有し、前記ローラ素子の転がり接触面は、一対の前記ローラ素子が互いに対向する対向側端面から該対向側端面の軸方向反対側の外側端面に向かって、前記中間ローラの自転軸中心線までの距離が短くなる傾斜面であり、
    前記ローディングカム機構は、一対の前記ローラ素子のうち、いずれか一方のローラ素子の外側端面側に並設されたローディングディスクを有し、前記ローディングディスクには、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化するカム面が形成され、前記入力軸から前記ローディングディスクに伝達される前記入力軸周りの回転動を、前記カム面によって前記一方のローラ素子の軸方向移動に変換して前記接触面圧を変更するものであり、
    一対の前記ローラ素子同士を、軸方向相対移動が可能に且つ相対回転が不能に支持するローラ素子連結部と、
    一対の前記ローラ素子のうち、いずれか他方のローラ素子を、前記入力軸に対して軸方向相対移動が不能に、且つ相対回転が可能に支持する回転支持部と、
    を備えることを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
  2. 入力軸と同心に配置され外周面に転がり接触面を有するサンローラと、前記サンローラの周囲に前記サンローラと同心に配置され、内周面に転がり接触面を有するリングローラと、前記サンローラと前記リングローラとの間に回転自在に支持され、前記サンローラ及び前記リングローラの前記転がり接触面にそれぞれ転がり接触する複数の中間ローラと、
    前記転がり接触面における接触面圧を変更するローディングカム機構と、前記ローディングカム機構の回転を出力軸に伝達する連結部と、を備える摩擦ローラ式減速機であって、
    前記リングローラは、前記入力軸の軸方向に並設された一対のローラ素子を有し、前記リングローラの転がり接触面は、一対の前記ローラ素子が互いに対向する対向側端面から該対向側端面の軸方向反対側の外側端面に向かって、前記中間ローラの自転軸中心線までの距離が短くなる傾斜面であり、
    前記ローディングカム機構は、一対の前記ローラ素子のうち、いずれか一方のローラ素子の外側端面側に並設されたローディングディスクを有し、前記ローディングディスクには、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化するカム面が形成され、前記一方のローラ素子から前記ローディングディスクに伝達される前記入力軸周りの回転動を、前記カム面によって前記一方のローラ素子の軸方向移動に変換して前記接触面圧を変更するものであり、
    一対の前記ローラ素子同士を、軸方向相対移動が可能に且つ相対回転が不能に支持するローラ素子連結部と、
    前記ローディングディスクを、前記出力軸に対して軸方向相対移動が不能に、且つ相対回転が可能に支持する回転支持部と、
    を備えることを特徴とする摩擦ローラ式減速機。
  3. 前記連結部の内側の軸方向一端部に、前記回転支持部に回り止めされる円筒部を有する前記ローディングカム機構、前記リングローラ、軸方向に予圧荷重を付与する予圧ばね、前記予圧ばねを収容するばね押さえ部材と、がこの順で配置される、請求項2に記載の摩擦ローラ式減速機。
  4. 前記回転支持部は、前記ローディングディスクの円筒部の内側に配置され、当該円筒部には、径方向に貫通して、潤滑油の流路となる貫通孔が設けられる、請求項2又は請求項3に記載の摩擦ローラ式減速機。
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