JP5702108B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品の技術分野において、該物品の表面シート側からエンボス加工を施して凹状のエンボス部を形成し、該エンボス部によって液を所望の方向へと案内する技術が知られている。例えば吸収性物品の長手方向中央域における左右の側部域に、曲線的な非直線状の不連続な複数のエンボス部を形成することで、液が物品の前後端部へ向けて流れ出ないようにすることが提案されている(特許文献1参照)。
別の技術として、表面シートの表面側から付与した表面エンボスと、これとは別に、表面エンボスの付与領域に、透液性表面シートを積層する前に吸収体に付与した吸収体エンボスを有する構造の吸収性物品も提案されている(特許文献2参照)。表面エンボスはドット状エンボスであり、かつ吸収体エンボスは線状エンボスであり、表面エンボスは、吸収体エンボスに対して重なることなく隣接して形成されている。
国際公開第2004/078085号パンプレット 特開2005−160702号公報
しかし、前記の各文献に記載の技術は、排泄された液が過度に広がることを防止するにとどまり、物品と着用者の身体との間に隙間が発生することを防止したり、物品のフィット性を高めたりすることについては、改良の余地が残されている。物品と着用者の身体との間に隙間が発生することを防止したり、物品のフィット性を高めたりすることは、特に長い装着時間が想定されている夜用の吸収性物品において重要である。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
前記の課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討した結果、排泄部対向域に隆起部を有する吸収性物品において、該隆起部の周縁部に特定の形状の圧縮部を形成することで、液広がりの防止とフィット性の向上とを両立させ得ることを知見した。
本発明は前記の知見に基づきなされたものであり、表面シート、裏面シート及び両シート間に配された吸収体を具備し、該吸収体が、着用者の身体側に向けて隆起する隆起部を排泄部対向域に有する縦長の吸収性物品であって、
前記隆起部における左右の周縁部に沿って、前記表面シートと前記吸収体とを接合し、かつ物品の長手方向に延びる連続圧縮部が形成されており、
前記隆起部における前後の長手方向周縁部のうちの少なくとも一方に、前記表面シートと前記吸収体とを接合し、かつ物品の幅方向に延びる複数の線状の圧縮部がそれぞれ互いに離間して配置された集合体からなる非連続圧縮部群が形成されており、
前記非連続圧縮部群の複数の前記圧縮部それぞれを物品の長手方向に沿ってみたときに、前記隆起部の幅方向両側部間の領域において、一の圧縮部が他の圧縮部と、幅方向の位置が重なる重なり部を有し、それによって物品の長手方向に沿ってみたときに、前記領域において、複数の前記圧縮部が物品の幅方向にわたり見かけ上途切れなく連なっている吸収性物品を提供することで、前記の課題を解決したものである。
本発明によれば、排泄された液が表面シートの面方向に沿って過度に広がることが防止されるとともに、装着状態において着用者の身体との間に隙間が生じづらく、フィット性が向上した吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキンを、その表面シート側からみた平面図である。 図2は、図1におけるII−II線断面図である。 図3は、図1に示すナプキンにおける前方隆起部と後方隆起部との間を拡大して示す模式図である。 図4は、図1に示すナプキンの装着状態を示す斜視図である。 図5は、図1に示すナプキンにおける前方隆起部と後方隆起部との間を拡大して示す模式図(図3相当図)である。 図6は、図1に示すナプキンにおける前方隆起部と後方隆起部との間を拡大して示す模式図(図3相当図)である。 図7は、図1に示すナプキンにおける前方隆起部と後方隆起部との間を拡大して示す模式図(図3相当図)である。 図8は、本発明の吸収性物品の他の実施形態としての生理用ナプキンを、その表面シート側からみた平面図である。 図9は、実施例1〜4及び比較例1で用いた生理用ナプキンの寸法を示す平面図である。 図10は、実施例1〜4及び比較例1それぞれの第1非連続圧縮部群の配置パターン及び寸法を示す図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の一実施形態のとしての生理用ナプキンが示されている。同図に示すナプキン10は、肌当接面を形成する表面シート11、非肌当接面を形成する裏面シート(図示せず)及び両シート間に介在する吸収体12を有する。ナプキン10は、実質的に縦長の形状を有するものである。同図においては、長手方向の上側がナプキン10の装着状態における前方側であり、下側がナプキン10の装着状態における後方側である。
表面シート11、裏面シート及び吸収体12の構成材料としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを特に制限なく用いることができる。例えば表面シート11としては、不織布や穿孔フィルム等の液透過性のシート材料を用いることができる。裏面シートとしては、樹脂フィルムや不織布積層体等の液不透過性シート材料又は液難透過性シート材料を用いることができる。裏面シートは水蒸気透過性を有していてもよい。吸収体12としては、木材パルプの積繊体又は木材パルプと高吸収性ポリマーとの混合物の積繊体を用いることができる。
図1には示していないが、ナプキン10は、表面シート11の側における左右の側部に、ナプキン10の長手方向に延びる防漏カフを備えていてもよい。この防漏カフとしては、例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−245306号公報や特開2006−239162号公報に記載のものを採用することができるが、これらに限られない。
ナプキン10は、その排泄部対向域Dにおいて、吸収体12の側縁から側方に延出する一対のウイング部13を有している。排泄部対向域Dは、ナプキン10を装着した状態において、着用者の体液排泄部に臨む領域である。ウイング部13は例えば、表面シート11及び/又は裏面シートが、吸収体12の側縁から側方に延出した部位によって形成することができる。あるいは、表面シートや裏面シートとは別のシート材料を用いてウイング部13を形成することもできる。ウイング部13における非肌当接面には、該ウイング部13をショーツ等の着衣に固着させるための粘着部14が設けられている。
ナプキン10は、主として終夜装着されることを想定したものであり、その全長が、通常のナプキンよりも長くなっている。つまり、ナプキン10はいわゆる夜用のものである。したがってナプキン10は、夜用のナプキンに特有の部材である後方フラップ部15を一対有している。後方フラップ部15は、ナプキン10における排泄部対向域Dよりも後方側に位置している。後方フラップ部15は、吸収体12の側縁から側方に延出している。後方フラップ部15の側方への延出幅は、後方に向かうに連れて漸次増加している。尤も、後方フラップ部15の形状はこれに限られず、弧状、矩形状、台形状などの形状とすることもできる。上述したウイング部13と同様に、後方フラップ部15は例えば、表面シート11及び/又は裏面シートが、吸収体12の側縁から側方に延出した部位によって形成することができる。あるいは、表面シートや裏面シートとは別のシート材料を用いて後方フラップ部15を形成することもできる。後方フラップ部15における非肌当接面には、該後方フラップ部15をショーツ等の着衣に固着させるための粘着部16が設けられている。上述したウイング部13は、これを折り返してショーツ等の着衣の外面に固着させるのに対して、後方フラップ部15は、これを折り返すことなく、ショーツ等の着衣の内面に固着され、ナプキン10の装着状態において、着用者の臀部の一部又は全体を広く覆う。これによって、就寝中に排泄された液が着用者の肌を伝わり後ろ側に漏れ出ても、後方フラップ部15によって吸収されるので、液漏れが効果的に防止される。この観点から、後方フラップ部15は吸収紙等を始めとする吸液性のシートを備えていることが好ましい。
ナプキン10の吸収体12は段差構造になっている。詳細には、図2に示すように、吸収体12は、下部吸収体17と、その上に配置された2つの上部吸収体18,19を有している。2つの上部吸収体のうち、ナプキン10の前方側に位置する前方上部吸収体18は、排泄部対向域Dに形成されている。一方、ナプキン10の後方側に位置する後方上部吸収体19は、前方上部吸収体18から所定の距離を隔てて該前方上部吸収体18よりもナプキン10の後方側に形成されている。前方上部吸収体18は、一対のウイング部13の間に位置し、また後方上部吸収体19は、一対の後方フラップ部15の間に位置している。
下部吸収体17は、2つの上部吸収体18,19よりも寸法が大きいものであり、吸収体12を平面視すると、2つの上部吸収体18,19の周縁から下部吸収体17が延出した状態になっている。つまり、2つの上部吸収体18,19は、下部吸収体17の上面から着用者の身体側に向けて隆起した状態になっている。その結果、吸収体12は、排泄部対向域Dに前方隆起部20を有し、かつ該前方隆起部20よりもナプキンの後方側に後方隆起部21を有したものなっている。ナプキン10の装着状態において前方隆起部20は、着用者の体液排泄部に臨むように位置する。一方、後方隆起部21は、着用者の臀裂に位置する。なお、吸収体12においては、前方隆起部20及び後方隆起部21が形成されるようにさえなっていれば、該吸収体12が下部吸収体17及び2つの上部吸収体18,19から構成されていることは要せず、これらを一体的に形成してもよい。
再び図1に戻ると、排泄部対向域Dにおいては、前方隆起部20における左右の側縁に沿って、ナプキンの長手方向に延びる長手方向前方連続圧縮部22が一対形成されている。長手方向前方連続圧縮部22においては、表面シート11と吸収体12とが熱を伴うか又は伴わない圧密化によって結合されている。長手方向前方連続圧縮部22は凹状の連続溝になっている。
排泄部対向域Dよりも後方側においては、後方隆起部21における左右の側縁に沿って、ナプキンの長手方向に延びる長手方向後方連続圧縮部23が一対形成されている。上述した長手方向前方連続圧縮部22と同様に、長手方向後方連続圧縮部23においても、表面シート11と吸収体12とが熱を伴うか又は伴わない圧密化によって結合されている。長手方向後方連続圧縮部23は凹状の連続溝になっている。また、長手方向前方連続圧縮部22の後端は、長手方向後方連続圧縮部23の前端と滑らかに連なっており、両圧縮部22,23によって1本の連続した圧縮部をなしている。
前方隆起部20における前後の長手方向周縁部のうち、ナプキン10の前方側の長手方向周縁部には、ナプキン10の幅方向に延びる幅方向前方連続圧縮部24が形成されている。この幅方向前方連続圧縮部24の詳細については、上述した長手方向前方連続圧縮部22についての説明が適宜適用される。幅方向前方連続圧縮部24は、ナプキンの前方側に向けた凸状の曲線となっている。幅方向前方連続圧縮部24の左右の端部は、上述した一対の長手方向前方連続圧縮部22の前端と滑らかに連なっている。
排泄部対向域Dよりも後方側においては、後方隆起部21における前後の長手方向周縁部のうち、ナプキン10の後方側の長手方向周縁部に、ナプキン10の幅方向に延びる幅方向後方連続圧縮部25が形成されている。この幅方向後方連続圧縮部25の詳細については、上述した長手方向後方連続圧縮部23についての説明が適宜適用される。幅方向後方連続圧縮部25は、ナプキンの後方側に向けた凸状の曲線となっている。幅方向後方連続圧縮部25の左右の端部は、上述した一対の長手方向後方連続圧縮部23の後端と滑らかに連なっている。
以上のとおり、長手方向に延びる前方連続圧縮部22及び後方連続圧縮部23と、幅方向に延びる前方連続圧縮部24及び後方連続圧縮部25は、これらが滑らかに連なっているので、これらの圧縮部からなる閉じた連続線がナプキン10の表面シート11の側に形成されることになる。そして、この閉じた連続線の内側に前方隆起部20及び後方隆起部21が位置している。このような連続線が形成されていることで、特に排泄部対向域Dに長手方向に延びる前方連続圧縮部22が形成されていることで、凹状の溝部からなるこれらの圧縮部に液が案内されて流れるので、該液が表面シート11の面方向に沿って過度に広がることが効果的に防止される。また、これらの圧縮部はナプキン変形の可撓軸として作用し、ナプキン10の装着状態において、ナプキン10が着用者の身体とフィットするように首尾良く変形しやすくなる。
ナプキン10が上述の連続圧縮部を有することに加え、該ナプキン10は非連続圧縮部も有している。この非連続圧縮部は、前方隆起部20における前後の長手方向周縁部のうち、ナプキン10の後方側の長手方向周縁部に形成されている。図1においては、この非連続圧縮部を構成する各圧縮部が符号26で示されている。以下、この圧縮部を「第1圧縮部」という。第1圧縮部26は線状のもので複数個形成されており、これら複数個の第1圧縮部26がそれぞれ離間して配置された集合体から第1非連続圧縮部群27が形成されている。先に述べた後方隆起部21は、第1非連続圧縮部群27を挟んで前方隆起部20よりもナプキン10の後方側に位置している。
第1非連続圧縮部群27を構成する各第1圧縮部26は、ナプキン10の概ね幅方向に延びるように形成されている。各第1圧縮部26においては、表面シート11と吸収体12とが熱を伴うか又は伴わない圧密化によって結合されている。各第1圧縮部26は凹状の溝部になっている。
第1圧縮部26からなる非連続圧縮部においては、厚みTnとT0との比であるTn/T0が、好ましくは0.85以上、更に好ましくは0.9以上である。ここで厚みTnは、凹状に形成された第1圧縮部26の延びる方向において、隣り合う該第1圧縮部26どうしを結んだ部位の中間位置でのナプキン10の厚みである。T0は、連続圧縮部及び非連続圧縮部のいずれもが形成されていない領域(連続圧縮部及び非連続圧縮部と同じ構成を有する部位であって、かつ連続圧縮部及び非連続圧縮部から20mm以上離間した部分)でのナプキン10の厚みである。一方、連続圧縮部においては、その厚みTsと前記T0との比であるTs/T0が0.8未満であることが好ましい。連続圧縮部は、その形状安定性の点から、複数の厚みを有する構造であることが好ましい。
前記の厚みTn、Ts及びT0は次のようにして測定される。すなわち、厚みT0の形成領域において、カトーテック製KES−G5を使用して0.5g/cm2荷重時の厚みを、異なる3ヶ所(可能であれば表面シート及び吸収体だけで)計測してT0を測定する。厚みTnの形成部位では、第1圧縮部26の延びる方向の切断面から、厚みTsの形成部位では第1圧縮部26の延びる方向に略直交する切断面から、キーエンス製マイクロスコープVHX−1000を使用して、該当部分の表面シートと吸収体下部の間の距離を、異なる3ヶ所(又は異なるサンプル)において測定する。そして3点の測定値の平均値を厚みTn及びTsとする。各計測は、23℃・50%RH環境下で行う。KES−G5システムは、計測プログラムと測定本体から構成されており、計測プログラムの条件は、試料:布・フィルム、SENS:2、力計の種類:1kg、SPEED RANGE:0.1−2cm/sec(0.2mm/sec)、DEF感度:5mm/、加圧面積2cm2、測定荷重:5.0gf/cm2(上限荷重50gf/cm2)、繰り返し回数1回とする。また、切断面を計測する場合は、切断後10分以内に計測を終了するようにする。
本実施形態のナプキン10は、第1非連続圧縮部群27を構成する各第1圧縮部26の配置パターンに特徴の一つを有する。詳細には、第1非連続圧縮部群27の各第1圧縮部26をナプキン10の長手方向に沿ってみたときに、前方隆起部20の幅方向両側部間の領域W(図3参照)において、一の第1圧縮部26が他の第1圧縮部26と幅方向の位置が重なる重なり部を有している。その結果、ナプキン10の長手方向に沿ってみたときに、前記領域Wにおいて、複数の第1圧縮部26がナプキン10の幅方向にわたり見かけ上途切れなく連なっている。例えば図3に示す実施形態では第1非連続圧縮部群27が5個の第1圧縮部26a〜26eから構成されているところ、そのうちの一つである第1圧縮部26aに着目すると、ナプキン10の長手方向に沿ってみたときに、この圧縮部26aは、他の第1圧縮部である圧縮部26c及び26dと重なり部を有している。また、第1圧縮部26bに着目すると、ナプキン10の長手方向に沿ってみたときに、この圧縮部26bは、他の第1圧縮部である圧縮部26d及び26eと重なり部を有している。他の第1圧縮部についても同様である。そして、第1圧縮部26a〜26eは、ナプキン10の長手方向に沿ってみたときに、前方隆起部20の幅方向両側部間の領域W内において、生理用ナプキン10の幅方向にわたり見かけ上途切れなく連なっている。
第1圧縮部26a〜26eが上述したパターンで配置されていることで、ナプキン10の排泄部対向域Dに液が排泄された場合、該液がナプキン10の長手方向に沿って後方部へ向けて流れ出るときに、いずれかの第1圧縮部26a〜26eによってその流れが阻止されるので、該液が表面シート10の面方向に沿って過度に広がることが効果的に防止される。この観点からは、第1圧縮部26a〜26eは、非連続であるよりも、ナプキン10の幅方向に延びる連続圧縮部であることが有利ではないかとの考えもある。しかし前方隆起部20の後方側に、ナプキン10の幅方向に延びる連続圧縮部を形成すると、該連続圧縮部の剛性が高いことに起因して(圧縮部は表面シート11と吸収体12とが結合した部位なので)、前方隆起部20の後方側においてナプキン10が首尾良く変形することができず、ナプキン10と着用者の身体との間に隙間が生じやすくなってしまう。この隙間の発生は、ナプキン10のフィット性の低下につながり、液漏れの原因となる。これに対して、前方隆起部20の後方側において本実施形態のように非連続の圧縮部を形成すれば、圧縮部の形成に起因する剛性の増大が連続の圧縮部を形成した場合よりも低減されるので、前方隆起部20の後方側においてナプキン10が首尾良く変形するようになる。特に、前方隆起部及び後方隆起部という2つの隆起部が存在しているナプキンの場合、両隆起部の間においてナプキンが首尾良く変形しないと、両隆起部の間においてナプキンと着用者の身体との間に隙間が非常に発生しやすいが、本実施形態によれば、図4に示すように、両隆起部20,21の間においてナプキン10が首尾良く変形するので、両隆起部20,21の間においてナプキン10と着用者の身体との間に隙間が生じづらい。この結果、排泄された液が身体の表面を伝いづらくなり、吸収体に直ちに吸収されるので、ナプキン10の側縁部に液が達して横漏れが生じることが効果的に防止される。更に、非連続圧縮部を構成する各第1圧縮部26からなるナプキン幅方向に延びる圧縮部列が、後述するようにナプキン10の長手方向に直列に複数形成され、かつ各圧縮部列を構成する第1圧縮部26は、ナプキンの幅方向に互い違いに配置されているので、ナプキン10の側縁部までに至る液の流出経路が長くなり、防漏性を一層高めることができる。
このように、本実施形態のナプキン10によれば、複数の圧縮部26a〜26eを非連続の特定のパターンで配置してなる第1非連続圧縮部群27を、前方隆起部20の後方側に形成することで、排泄された液が表面シート10の面方向に沿って過度に広がることが効果的に防止されるという有利な効果と、ナプキン10と着用者の身体との間に隙間が生じづらくなるという有利な効果が奏される。これらの効果を一層顕著なものとする観点から、第1非連続圧縮部群27は、5個以上の非連続な圧縮部の集合体から構成されていることが好ましい。特に、以下に述べるように、複数の第1圧縮部がナプキン10の幅方向に延びる列をなすように配列され、かつ該列を複数配置することが好ましい。
第1非連続圧縮部群27を構成する各第1圧縮部26は、上述のとおりナプキン10の幅方向に延びている。そして第1非連続圧縮部群27は、複数の第1圧縮部26a,26bから構成される第1の圧縮部列と、同じく複数の第1圧縮部26c,26d,26eから構成される第2の圧縮部列とを少なくとも有していることが好ましい。各圧縮部列はいずれナプキン10の幅方向に延びている。また各圧縮部列はナプキン10の長手方向に沿って配置されている。第1の圧縮部列の圧縮部26a,26bと、第2の圧縮部列の圧縮部26c,26d,26eは、ナプキン10の幅方向に互い違いに配置されている。特に第1の圧縮部列及び第2の圧縮部列はいずれも、ナプキン10の長手方向端部へ向けて凸状の破線を描くように配置されていることが好ましい。例えば、図3に示すようなパターンで第1圧縮部26a〜26eを配置すれば、ナプキン10の後方側に位置する2つの第1圧縮部26a,26bを滑らかに連ねることで、ナプキン10の後方側の端部へ向けた第1の凸状の軌跡が描かれる。また、ナプキン10の前方側に位置する3つの第1圧縮部26c,26d,26eを滑らかに連ねることで、ナプキン10の後方側の端部へ向けた第2の凸状の軌跡が描かれる。このように、本実施形態においては、凸状の軌跡が二重に描かれるように各第1圧縮部26a〜26eが配置されている。このような配置パターンを採用することで、前方隆起部20と後方隆起部21との間においてナプキン10が一層首尾良く変形するようになる。
第1の圧縮部列においては、非連続圧縮部である第1圧縮部26どうしの間は、上述のとおり厚みTnを有し、前記のTn/T0の値が上述の範囲内であることが好ましい。また第1の圧縮部列においては、第1圧縮部26どうしの間隔は、非連続圧縮部群27の可撓性の向上及びナプキンの防漏性の向上の観点から、5〜15mmであることが好ましい。第2の圧縮部列においても同様である。同様の観点から、ナプキン10の長手方向における第1の圧縮部列と第2の圧縮部列との間隔は、7〜15mmであることが好ましい。
ナプキン10と着用者の身体との間に生じる隙間を一層低減させる観点から、第1非連続圧縮部群27においては、これをナプキン10の幅方向に沿ってみたときに、一の第1圧縮部が他の第1圧縮部と重なり部を有さないように各第1圧縮部26a〜26eを配置することも好ましい。例えば図3に示す実施形態では、第1非連続圧縮部群27に、幅方向に延びる直線を引いたとき(同図中、この線を一点鎖線33で示す)、この一点鎖線33は、いずれの第1圧縮部26a〜26eとも交差しないものとなる。このことは、第1非連続圧縮部群27の領域内に、非圧縮部がナプキン10の幅方向に延びるように形成されていることを意味する。この非圧縮部は、その剛性が圧縮部よりも低いので、前方隆起部20の後方側においてナプキン10をその幅方向に沿って曲げ変形させると、該非圧縮部に沿ってナプキン10容易に変形する。その結果、ナプキン10と着用者の身体との間に隙間が一層生じづらくなる。
本実施形態のナプキン10においては、後方隆起部21における前後の長手方向周縁部のうち、ナプキン10の後方側の長手方向周縁部に、線状の第2圧縮部28が複数個形成され、これらの圧縮部28の集合体から構成される第2非連続圧縮部群29が形成されている。第2非連続圧縮部群29は、後方隆起部21の後端と、幅方向後方連続圧縮部25との間に位置している。各第2圧縮部28は、ナプキン10の概ね幅方向に延びている。各第2圧縮部28においては、表面シート11と吸収体12とが熱を伴うか又は伴わない圧密化によって結合されている。各第2圧縮部28は凹状の溝部になっている。
第2非連続圧縮部群29においては、該第2非連続圧縮部群29をナプキン10の長手方向に沿ってみたときに、少なくとも後方隆起部21の幅方向両側部間の領域において、一の第2圧縮部28が他の第2圧縮部28と重なり部を有するように各第2圧縮部28が配置されていることが好ましい。このような配置状態は、先に述べた第1非連続圧縮部群27における第1圧縮部26の配置状態と同様である。したがって、第2非連続圧縮部群29に関して特に説明しない点については、先に述べた第1非連続圧縮部群27に関する説明が適宜適用される。第2非連続圧縮部群29においてこのような構成を採用することで、後方隆起部21の後方側において、排泄された液が表面シート10の面方向に沿って過度に広がることが効果的に防止されるという有利な効果と、ナプキン10と着用者の身体との間に隙間が生じづらくなるという有利な効果が奏される。これらの効果を一層顕著なものとする観点から、第2非連続圧縮部群29は5個以上の非連続な圧縮部の集合体から構成されていることが好ましい。
また、第2非連続圧縮部群29においては、該第2非連続圧縮部群29を構成する複数の第2圧縮部28は、該第2圧縮部28を仮想的に連ねたときに、ナプキン10の後方側へ向けた凸状の軌跡を描くように配置されていることが好ましい。更に、第2非連続圧縮部群29においては、これをナプキン10の幅方向に沿ってみたときに、一の第2圧縮部28が他の第2圧縮部28と重なり部を有さないように各第2圧縮部28を配置することも好ましい。このような構成を採用することで、ナプキン10と着用者の身体との間に生じる隙間を一層低減させることが可能になる。
本実施形態のナプキン10においては、前方隆起部20における前後の長手方向周縁部のうち、ナプキン10の前方側の長手方向周縁部に、線状の第3圧縮部30が複数個形成され、これらの圧縮部30の集合体から構成される第3非連続圧縮部群31が形成されている。第3非連続圧縮部群31は、前方隆起部20の前端と、幅方向前方連続圧縮部24との間に位置している。各第3圧縮部30は、ナプキン10の概ね幅方向に延びている。各第3圧縮部30においては、表面シート11と吸収体12とが熱を伴うか又は伴わない圧密化によって結合されている。各第2圧縮部30は凹状の溝部になっている。
第3非連続圧縮部群31においては、該第3非連続圧縮部群31をナプキン10の長手方向に沿ってみたときに、少なくとも前方隆起部20の幅方向両側部間の領域において、一の第3圧縮部30が他の第3圧縮部30と重なり部を有するように各第3圧縮部30が配置されていることが好ましい。このような配置状態は、先に述べた第1非連続圧縮部群27における第1圧縮部26の配置状態と同様である。したがって、第3非連続圧縮部群31に関して特に説明しない点については、先に述べた第1非連続圧縮部群27に関する説明が適宜適用される。第3非連続圧縮部群31においてこのような構成を採用することで、前方隆起部20の前方側において、排泄された液が表面シート10の面方向に沿って過度に広がることが効果的に防止されるという有利な効果と、ナプキン10と着用者の身体との間に隙間が生じづらくなるという有利な効果が奏される。これらの効果を一層顕著なものとする観点から、第3非連続圧縮部群30は5個以上の非連続な圧縮部の集合体から構成されていることが好ましい。
また、第3非連続圧縮部群31においては、該第3非連続圧縮部群31を構成する複数の第3圧縮部30は、該第3圧縮部30を仮想的に連ねたときに、ナプキン10の前方側へ向けた凸状の軌跡を描くように配置されていることが好ましい。更に、第3非連続圧縮部群31においては、これをナプキン10の幅方向に沿ってみたときに、一の第3圧縮部30が他の第3圧縮部30と重なり部を有さないように各第3圧縮部30を配置することも好ましい。このような構成を採用することで、ナプキン10と着用者の身体との間に生じる隙間を一層低減させることが可能になる。
図5〜図7には、第1非連続圧縮部群27の別の形態がそれぞれ示されている。図5においては、第1非連続圧縮部群27を構成する複数の第1圧縮部26を仮想的に連ねたときに、三角形の二辺からなる凸状の軌跡が、ナプキン10の後方側へ向けて形成されるように、各第1圧縮部26が配置されている。この三角形の二辺からなる凸状の軌跡は、これが二重に描かれるように各第1圧縮部26が配置されている。第1圧縮部26についてのその他の配置パターンは、図3に示す実施形態と同様である。図5に示す実施形態によれば、図3に示す実施形態よりも、後方隆起部21において、ナプキン10を幅方向沿って曲げ変形させやすくなる。
図6においては、第1非連続圧縮部群27において、ナプキン10の幅方向に延びるように仮想的に引いた線32に対して前後対称となるように各第1圧縮部26が配置されている。詳細には、仮想線32よりもナプキンの前方側に位置する複数の第1圧縮部26aは、これらを仮想的に連ねたときに、三角形の二辺からなる凸状の軌跡が、ナプキン10の後方側へ向けて形成されるように配置されている。かつ複数の第1圧縮部26aは、この三角形の二辺からなる凸状の軌跡が二重に描かれるように配置されている。一方、仮想線32よりもナプキンの後方側に位置する複数の第1圧縮部26bは、これらを仮想的に連ねたときに、三角形の二辺からなる凸状の軌跡が、ナプキン10の前方側へ向けて形成されるように配置されている。かつ複数の第1圧縮部26bは、この三角形の二辺からなる凸状の軌跡が二重に描かれるように配置されている。図6に示す実施形態によれば、上述した図5に示す実施形態よりも、後方隆起部21において、ナプキン10を幅方向沿って一層曲げ変形させやすくなる。
図7においては、第1非連続圧縮部群27を構成する各第1圧縮部26は、これらを仮想的に連ねたときに、ナプキン10の後方側へ向けた凸状の軌跡を描くように配置されている。これとともに各第1圧縮部26は、これらを仮想的に連ねたときに、ナプキン10の前方側へ向けた凸状の軌跡を描くようにも配置されている。更に第1非連続圧縮部群27は、ナプキン10の幅方向の略中央の位置に、ナプキン10の長手方向に延びる線状の長手方向圧縮部34を更に有している。長手方向圧縮部34はその一端が自由端になっている。また、手方向圧縮部34はその他端が、ナプキンの幅方向に延びる第1圧縮部26に接続されている。詳細には、長手方向圧縮部34は後方側の一端が自由端になっており、前方側の一端が第1圧縮部26に接続されている。図7に示す実施形態によれば、図6に示す実施形態と同様の有利な効果が奏される。更に図7に示す実施形態によれば、長手方向圧縮部34が形成されていることに起因して、後方隆起部21がナプキン10の長手方向に沿って一層曲げ変形しやすくなる。
図8に示す実施形態は、これまでに説明してきた実施形態と異なり、ナプキン10は、前方隆起部20のみを有し、後方隆起部を有していない。そして、前方隆起部20の後方側に、複数の圧縮部26の集合体から構成される非連続圧縮部群27が形成されている。非連続圧縮部群27を構成する各圧縮部26の配置のパターンは、先に述べた図3に示すパターンと同様とすることができる。あるいは、図5〜図7のいずれかのパターンとすることもできる。
なお、図8に示す実施形態においては、前方隆起部20の後方側にも、複数の圧縮部の集合体から構成される非連続圧縮部群を形成してもよい。この非連続圧縮部群は、図1に示す実施形態における第3非連続圧縮部群と同様の構成とすることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記の実施形態に制限されない。例えば図1に示す実施形態のナプキン10においては、後方隆起部21の後方側に第2非連続圧縮部群29を形成し、かつ前方隆起部20の前方側に第3非連続圧縮部群31を形成したが、これらの圧縮部群29,31のうちの少なくとも一方は形成しなくてもよい。この場合、第2非連続圧縮部群29を形成しないときには、第1非連続圧縮部群27及び第3非連続圧縮部群31のうちの一方は形成しなくてもよい。
また、図1に示す実施形態のナプキン10においては、前方隆起部20の幅方向両側部間の領域Wの左右の側方部においても、該領域Wからの延長部分としての非連続圧縮部が形成されていてもよい。そして該側方部においても、一の非連続圧縮部が他の非連続圧縮部と、幅方向の位置が重なる重なり部を有し、それによってナプキン10の長手方向に沿ってみたときに、複数の該非連続圧縮部による見かけ上途切れない圧縮部がナプキン10の幅方向にわたり形成されるようにしてもよい。
また、図8に示す実施形態においては、前方隆起部20の後方側に、非連続圧縮部群27が形成されていたが、これに代えて前方隆起部20の前方側に、非連続圧縮部群を形成してもよい。
また本発明の吸収性物品は、上述のとおり生理用ナプキンに適用した場合に特に有効であるが、生理用ナプキン以外の吸収性物品に適用することは何ら差し支えない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示す形態の生理用ナプキンを製造した。このナプキンの寸法は図9に示すとおりである。表面シート11としては、繊度2.2dtexの芯鞘型熱融着性繊維からなる坪量30g/m2のエアスルー不織布を用いた。裏面シートとしては、坪量27g/m2の液不透性ポリエチレンフィルムを用いた。下部吸収体17としては、フラップパルプと高吸収性ポリマーの混合積繊体(坪量255g/m2、荷重3kPaにおける厚み4mm)を用いた。前方上部吸収体18としては、フラップパルプと高吸収性ポリマーの混合積繊体(坪量450g/m2、荷重3kPaにおける厚み5mm)を用いた。後方上部吸収体19としては、フラップパルプと高吸収性ポリマーの混合積繊体(坪量450g/m2、荷重3kPaにおける厚み5mm)を用いた。連続圧縮部22,23,24,25の幅は3mmであった。非連続圧縮部群27,29,31の詳細は図10に示すとおりである。
〔実施例2〜4及び比較例1〕
実施例1で用いた第1非連続圧縮部群の配置パターンに代えて、図10に示す配置パターンの第1非連続圧縮部群を形成した。第2及び第3非連続圧縮部群の配置パターンについては、実施例1と同様にした。これら以外は実施例1と同様にして図1に示す形態の生理用ナプキンを製造した。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたナプキンについて、以下の方法でナプキンのよれ率を測定した。また、以下の方法で第1非連続圧縮部群の柔軟性、ナプキンのフィット性、後方隆起部のよれにくさ、後方隆起部の幅方向への曲げやすさを評価した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔ナプキンのよれ率〕
ナプキンの表面シート上に、10mmマスの格子を縦横に油性ペンで描く。このナプキンを、女性の人体モデルの股間部から臀部の溝に沿って後方側の領域に装着させる。この領域は、着用者の就寝中の姿勢に起因してナプキンの変形(よれ)が大きい領域である。この領域における40mm×40mmの正方形のマスに対して、そのマスに対応するナプキン装着後の歪んだ図形の面積を画像解析によって求める。そして以下の式からよれ率を算出する。
よれ率(%)=[{装着前のマスの面積−装着後の歪んだマスの面積}/装着前のマスの面積]×100
前記の画像解析は次の方法で行う。光源としてサンライト(SL−230K2;LPL(株)社製)を用いる。レンズ(24mm/F2.8Dニッコールレンズ)を接続したCCDカメラ(HV−37;日立電子(株)社製)を用いてナプキンを撮影し、画像をビデオボード〔スペクトラ3200;カノープス(株)社製〕に取り込む。取り込まれた画像をNEXUS社製の画像解析ソフトNEW QUBE(ver.4.20)によって歪んだ図形を二値化処理し、前記の面積を算出する。
〔第1非連続圧縮部群の柔軟性〕
第1非連続圧縮部の柔軟性は、第1非連続圧縮部群の長手方向における曲げ剛性によって求められる。曲げ剛性は次のようにして測定される。温度23℃、湿度50%RHの試験室にて、JIS L1096(一般織物試験方法)に規定された剛軟性測定法に適合した(株)大栄科学精器製作所製:ハンドロメーター試験機を使用する。試験片として、第1非連続圧縮部群が中央部に位置し、製品の長手方向の長さが50mm、幅方向の長さが50mmとなるようにナプキンを切断する。スロット間を20mmに調整した試料台上に、試験片を、該試験片の測定部位たる第1非連続圧縮部群の長手方向中央がスロット間の中心に位置し、かつ試験片の幅方向がスロットと平行となるように配置する。この場合、表面シート側が上向きになり、かつ試験片が試料台と水平となるようにする。試験片の幅方向における両端は5mm以上が試料台に載っているように試験片を配置する。試験片は試料台に固定しない。試料台の表面から8mm下方の位置(最下位置)まで下降するように調整したブレードを、試験片の上方から一定速度(200mm/min)で下降させる。そして、該試験片を長さ方向前後に押圧したときの指示計(荷重計)が示す最高値(cN)を読み取る。測定は5回行い、その平均値を剛性値とする。算出された剛性値に基づき、以下の基準で第1非連続圧縮部群の柔軟性を評価する。
◎:剛性値が20cN/cm未満
○:剛性値が20cN/cm以上、30cN/cm未満
△:剛性値が30cN/cm以上、40cN/cm未満
×:剛性値が40cN/cm以上
〔ナプキンのフィット性〕
ナプキン表面の種々の位置に小型の圧力センサーを配置させた後、ナプキンを、女性の標準人体モデル(Lサイズ相当)の股間部から臀部の溝に沿って装着させる。圧力センサーの示す数値が0.1kPa以下の箇所をフィットしていない箇所と見なし油性ペンでその箇所にチェックを入れる。チェックされた箇所を写真で撮影し、画像解析ソフトを用いてその面積を測定する。測定された面積に基づき、以下の基準でナプキンのフィット性を評価する。
◎:フィットしていない箇所の面積が50cm2未満
○:フィットしていない箇所の面積が50cm2以上、100cm2未満
△:フィットしていない箇所の面積が100cm2以上、150cm2未満
×:フィットしていない箇所の面積が150cm2以上
〔後方隆起部のよれにくさ〕
ナプキンの表面シート上に10mmマスの格子を縦横に油性ペンで描く。このナプキンを、女性の人体モデルの股間部から臀部の溝に沿って後方側の領域に装着させる。後方隆起部に描かれたマスに対して、そのマスに対応する箇所のナプキン装着後の歪んだ図形の面積を、前述のナプキンのよれ率の測定方法と同様の方法で測定する。測定された面積から、前述のナプキンのよれ率の算出方法と同様の方法で、後方隆起部のよれ率を算出する。算出された後方隆起部のよれ率に基づき、以下の基準で後方隆起部のよれにくさを評価する。
◎:後方隆起部のよれ率が15%未満
○:後方隆起部のよれ率が15%以上、20%未満
△:後方隆起部のよれ率が20%以上、30%未満
×:後方隆起部のよれ率が30%以上
〔後方隆起部の幅方向への曲げやすさ〕
後方隆起部の幅方向への曲げやすさは、後方隆起部の幅方向における曲げ剛性によって求められる。後方隆起部の幅方向における曲げ剛性は次のようにして測定される。温度23℃、湿度50%の試験室にて、JIS L1096(一般織物試験方法)に規定された剛軟性測定法に適合した(株)大栄科学精器製作所製:ハンドロメーター試験機を使用する。試験片として、後方隆起部が中央部に位置し、製品の長手方向の長さが80mmとなるようにナプキンを切断する。スロット間を40mmに調整した試料台上に(後方隆起部が直接装置に触れない状態)、試験片を、該試験片の測定部位たる後方隆起部がスロット間の中心に位置し、かつ試験片の長手方向がスロットと平行となるように配置する。この場合、表面シート側が下向きになり、かつ試験片が試料台と水平となるようにし、後方隆起部が肌側にフィットする後方隆起部周辺の曲げ易さを測定する。試験片の幅方向における両端は5mm以上が試料台に載っているように試験片を配置する。試験片は試料台に固定しない。試料台の表面から8mm下方の位置(最下位置)まで下降するように調整したブレードを、試験片の上方から一定速度(200mm/min)で下降させる。そして、該試験片を長さ方向前後に押圧したときの指示計(荷重計)が示す最高値(cN)を読み取る。測定は5回行い、その平均値に後方隆起部の長手方向長さで除した値を剛性値とする。剛性値に基づき、以下の基準により後方隆起部の幅方向における曲げ剛性を評価する。
◎:剛性値が18cN/cm未満
○:剛性値が18cN/cm以上、21cN/cm未満
△:剛性値が21cN/cm以上、28cN/cm未満
×:剛性値が28cN/cm以上
なお、本実施形態では、7cmの後方隆起部を有しているため、得られた平均値を7cmで除したが、後方隆起部がサンプルの大きさより長くなる場合は、後方隆起部の長手方向長さが8cmとなる。また、測定時のスロット幅は、40mmを基本とするが、後方隆起部の幅が40mmを超える場合は、後方隆起部が直接スロットに触れない位置に調整する。
Figure 0005702108
表1に示す結果から明らかなように、各実施例のナプキン(本発明品)は、比較例のナプキンに比べて、装着に起因するナプキンのよれが少ないことが判る。また、第1非連続圧縮部群は柔軟であり、更にナプキンのフィット性が良好であることが判る。特に、実施例3及び4の配置パターンの第1非連続圧縮部群を採用すると、ナプキンの後方隆起部におけるよれの起こりにくさやナプキンの曲げやすさが一層良好になることが判る。
10 生理用ナプキン
11 表面シート
12 吸収体
17 下部吸収体
18 前方上部吸収体
19 後方上部吸収体
20 前方隆起部
21 後方隆起部
22 長手方向前方連続圧縮部
23 長手方向後方連続圧縮部
24 幅方向前方連続圧縮部
25 幅方向後方連続圧縮部
26 第1圧縮部
27 第1非連続圧縮部群
28 第2圧縮部
29 第2非連続圧縮部群
30 第3圧縮部
31 第3非連続圧縮部群
34 長手方向圧縮部

Claims (4)

  1. 表面シート、裏面シート及び両シート間に配された吸収体を具備し、該吸収体が、着用者の身体側に向けて隆起する前方隆起部を排泄部対向域に有するとともに、該前方隆起部よりも後方側に後方隆起部を有する縦長の吸収性物品であって、
    前記前方隆起部における左右の周縁部に沿って、前記表面シートと前記吸収体とを接合し、かつ物品の長手方向に延びる連続圧縮部が形成されており、
    前記前方隆起部における前後の長手方向周縁部のうち少なくとも物品の後方側の長手方向周縁部に、前記表面シートと前記吸収体とを接合し、かつ物品の幅方向に延びる複数の線状の圧縮部がそれぞれ互いに離間して配置された集合体からなる非連続圧縮部群が形成されており、
    前記吸収体は、前記非連続圧縮部群を挟んで前記前方隆起部よりも物品の後方側に、前記後方隆起部を有し、
    前記非連続圧縮部群は、複数の圧縮部が列状に配置されてなる第1の圧縮部列及び第2の圧縮部列を有し、
    第1の圧縮部列と第2の圧縮部列は、物品の幅方向に延びているとともに、物品の長手方向に沿って配置され、かつ物品の長手方向の後方側の端部へ向けて凸状の破線を描くように配置され、
    第1の圧縮部列の圧縮部と第2の圧縮部列の圧縮部は、物品の幅方向に互い違いに配置されており、
    前記非連続圧縮部群の複数の前記圧縮部それぞれを物品の長手方向に沿ってみたときに、前記隆起部の幅方向両側部間の領域において、一の圧縮部が他の圧縮部と、幅方向の位置が重なる重なり部を有し、それによって物品の長手方向に沿ってみたときに、前記領域において、複数の前記圧縮部が物品の幅方向にわたり見かけ上途切れなく連なっている吸収性物品。
  2. 前記後方隆起部における前後の長手方向周縁部のうち、物品の後方側の長手方向周縁部に、前記表面シートと前記吸収体とを接合し、かつ物品の幅方向に延びる複数の線状の第2圧縮部の集合体からなる第2非連続圧縮部群が形成されている請求項に記載の吸収性物品。
  3. 前記非連続圧縮部群においては、物品の幅方向に延びるように仮想的に引いた線に対して対称となるように各圧縮部が配置されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記非連続圧縮部群は、5個以上の前記圧縮部の集合体からなる請求項1ないしのいずれか一項に記載の吸収性物品。
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