JP5701436B1 - 定盤ユニット - Google Patents

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【課題】セラミック製の定盤(トレーを含む)上に載置されるガラス基板を金属製の位置決めピースで位置決めするに際し、位置決めピースを、定盤上で揺れたり傾きが生じないように、適切に支持することが可能であって、ガラス基板を破損しないように、より安全に位置決めすることが可能な定盤ユニットを提供する。【解決手段】セラミック製の定盤に、ガラス基板を位置決めする穴部に挿入して、金属製の位置決めピース5を設け、位置決めピースは、その長さ方向が穴部の配列方向に沿い、その底面7bが定盤上面に当接されて、位置決めピース全体を定盤上に支持する支持ブロック部7と、支持ブロック部から一体的に垂下形成され、穴部にルーズに挿入されるピン部8と、支持ブロック部内方に形成された挿入部10とを備え、隣接する一対の位置決めピースの間には、位置決めピースが定盤上で穴部回りに回転することを規制する連結ロッド6が設けられる。【選択図】図6

Description

本発明は、セラミック製の定盤上に載置されるガラス基板を金属製の位置決めピースで位置決めするに際し、定盤に対しルーズな関係で設置しても、位置決めピースを、定盤上で傾きが生じないように適切に支持することが可能であって、より安全にガラス基板を位置決めすることが可能な定盤ユニットに関する。
液晶等の表示パネルやタッチパネルは年々薄型になっており、その基材となるガラス基板も薄くなり、製造時の取り扱いが難しくなっている。そのガラス基板に加工を行う際は、高い精度、特に平面度に対して高い精度が要求されるため、ガラス基板を加熱処理する際には、平面度の高いプレート状の定盤(トレー)に位置決めした状態で搬送することが望ましい。
このとき、定盤ユニットとして、定盤及び位置決めピンに、耐熱性に優れたセラミックを用いるとコストがかかる。また、安価な金属製の位置決めピンをセラミック製の定盤に嵌合したりネジにて螺合すると、セラミックと金属との熱膨張率の違いから、セラミック製の定盤を破損するおそれがある。このため、加熱処理するガラス基板を位置決めして保持する安価な定盤ユニットが求められている。
簡単かつ安価に製作し得る構成で、セラミック製の定盤に対し、加熱処理するガラス基板を金属製の位置決めピンで位置決めすることが可能な定盤ユニットとして、特許文献1が知られている。
特許文献1の「定盤ユニット」は、加熱処理するガラス基板がその上に載置されるセラミック製の定盤と、定盤に、ガラス基板を位置決めする位置に配列して、上下方向へ貫通形成した複数のルーズホールと、これらルーズホール内にルーズに挿入される複数の金属製の位置決めピンと、定盤上で位置決めピン同士を連結して、ルーズホールから定盤上への位置決めピンの突出状態を保持する連結部材とを備えている。連結部材は具体的には、位置決めピンに設けられた横向き貫通孔の直径よりも十分に小さな直径で形成された金属製の線材であって、横向き貫通孔内にルーズに貫通されている。
特許第5069382号公報
背景技術では、ルーズホールにルーズに挿入された位置決めピンの定盤上への突出状態を保持する連結部材が、位置決めピンの横向き貫通孔にルーズに貫通される線材であった。位置決めピンは、その熱膨張が定盤に悪影響を及ぼさないように、ルーズホールにルーズに挿入することで設置されることが重要であるが、そのために、位置決めピンは、ルーズホール内でユラユラと揺れ動いたり、振れ動いたりしてしまう。
この揺れ動き等を防止するには、位置決めピンが動かないように、何らかの方法で支持固定しなければならない。背景技術では、位置決めピンを定盤上に突出状態で保持する線材を、位置決めピンの横向き貫通孔にルーズに貫通するようにしているため、この線材では、位置決めピンを動かないようにしっかり支持することはできなかった。
このため、搬送時などに、位置決めピンが揺れ動いたり、その振れ動きによってガラス基板にぶつかったりし、これにより定盤上で位置決めピンに傾きが生じてしまうおそれがあった。そして、ルーズホールにルーズに挿入した位置決めピンは、ガラス基板を載置するときや撤去するときに引っ掛かったりし、このため、ガラス基板を破損しないように、安全な位置決め機能を確保することは難しいという課題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、セラミック製の定盤上に載置されるガラス基板を金属製の位置決めピースで位置決めするに際し、定盤に対しルーズな関係で設置しても、位置決めピースを、定盤上で揺れたり傾きが生じないように、適切に支持することが可能であって、ガラス基板を破損しないように、より安全に位置決めすることが可能な定盤ユニットを提供することを目的とする。
本発明にかかる定盤ユニットは、加熱処理するガラス基板が載置されるセラミック製の定盤に、ガラス基板を位置決めする位置に配列されて上下方向に貫通形成された複数の穴部に挿入して、複数の金属製の位置決めピースが設けられる定盤ユニットであって、上記位置決めピースは、その長さ方向が上記穴部の配列方向に沿い、かつ長さ方向の適宜箇所が他の部分より、最もガラス基板に近接される最大幅寸法で形成され、その底面が上記定盤上面に当接されて、該位置決めピース全体を該定盤上に支持する支持ブロック部と、該支持ブロック部の最大幅寸法位置から一体的に垂下形成され、上記穴部にルーズに挿入されるピン部と、上記支持ブロック部内方にその長さ方向に沿って形成された挿入部とを備え、隣接する一対の上記位置決めピースの間には、それらの挿入部に両端が挿入されて、該位置決めピースが上記定盤上で上記穴部回りに回転することを規制する連結ロッドが設けられ、該連結ロッドの外径は、上記挿入部に対し僅かに隙間が空くように、かつ熱膨張で相互に損傷が生じない程度に、該挿入部の内径よりも小さく形成され、上記連結ロッドの長さは、熱膨張して伸びたときに、上記支持ブロック部内方に対し、干渉しないようにゆとりを持たせ、かつ、一方に片寄ったときに抜け落ちない隙間を隔てて上記挿入部に挿入されるように、上記穴部の間隔寸法に基づいて決定されることを特徴とする。
前記位置決めピースには、前記支持ブロック部から前記ピン部にわたり上下方向に貫通されて、上記挿入部と連通する通孔が形成されることを特徴とする。
前記支持ブロック部には、前記定盤上に載置されるガラス基板の外周縁部に面して、スロープが形成されることを特徴とする。
本発明にかかる定盤ユニットにあっては、セラミック製の定盤上に載置されるガラス基板を金属製の位置決めピースで位置決めするに際し、定盤に対しルーズな関係で設置しても、位置決めピースを、定盤上で揺れたり傾きが生じないように、適切に支持することができ、ガラス基板を破損しないように、より安全に位置決めすることができる。
本発明に係る定盤ユニットの好適な一実施形態を示す、位置決めピース及び連結ロッドを定盤に設置する前の様子を示す斜視図である。 図1に示した定盤ユニットに採用される位置決めピースを説明する説明図であって、図2(a)は平面図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。 図1に示した定盤ユニットに採用される連結ロッドを示す側面図である。 図1に示した定盤ユニットであって、位置決めピース及び連結ロッドを定盤に設置して、ガラス基板を位置決めしている様子を示す斜視図である。 図4の要部を拡大して説明する説明図であって、図5(a)は平面図、図5(b)は正面断面図である。 図1に示した位置決めピースの変形例を示す、連結ロッドで連結した状態の斜視図である。
以下に、本発明にかかる定盤ユニットの好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る定盤ユニットの好適な一実施形態を示す、位置決めピース及び連結ロッドを定盤に設置する前の様子を示す斜視図である。図2は、図1に示した定盤ユニットに採用される位置決めピースを説明する説明図であって、図2(a)は平面図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。図3は、図1に示した定盤ユニットに採用される連結ロッドを示す側面図である。図4は、図1に示した定盤ユニットであって、位置決めピース及び連結ロッドを定盤に設置して、ガラス基板を位置決めしている様子を示す斜視図である。図5は、図4の要部を拡大して説明する説明図であって、図5(a)は平面図、図5(b)は正面断面図である。
本実施形態にかかる定盤ユニット1は、例えば、携帯用通信機器の表示パネルやタッチパネルに用いられる、厚さがおおよそ1mm以下の薄板状のガラス基板2を加熱処理する際に、ガラス基板2を定盤3上に位置決めして加熱炉内に搬送するときに用いられる。定盤ユニット1には、上記のように用いられるプレート状のトレー等も含まれる。本実施形態においては、長方形状のガラス基板2が載置される定盤ユニット1を例に挙げて説明する。
定盤ユニット1は基本的には、図1及び図4に示すように、加熱処理するガラス基板2がその上に載置されるセラミック製の定盤3と、この定盤3に、ガラス基板2を位置決めする位置に配列して、上下方向へ貫通形成した複数の穴部4と、これら複数の穴部4それぞれに配置される複数の金属製の位置決めピース5と、定盤3上で位置決めピース5同士の間に設けられる金属製の連結ロッド6とを備える。
図1に示すように、セラミック製の定盤3は、載置されるガラス基板2よりも大きな面積を有する。定盤3には、ガラス基板2が位置決めされて載置される載置領域Rを囲むように、ガラス基板2を位置決めする位置に8つの穴部4が配列される。穴部4の数は必要に応じて設定される。穴部4の内面は、その軸が上下方向に沿う円筒面で形成される。8つの穴部4は、少なくともガラス基板2が有する4つの辺2aを位置決めできるように、当該4つの各辺2aに沿う配置で2箇所ずつ設けられる。
図2には、定盤ユニット1を構成する位置決めピース5の一例が示されている。位置決めピース5は、支持ブロック部7とピン部8とが一体的に形成される。支持ブロック部7の平面外形輪郭は図2(a)に示すように、左右長さ方向の中央部が最も幅広であって、左右長さ方向両端部に向かうにつれて次第に幅狭となる紡錘形状で、もしくは勾配を付けて形成される。
支持ブロック部7の高さは図2(b)に示すように、左右長さ方向で同一高さとされ、頂面7a及び底面7bは平坦面で形成される。支持ブロック部7の頂面7aは図2(a)及び(c)に示すように、支持ブロック部7の左右長さ方向にその両端部間にわたってほぼ一定幅で、長方形状に形成される。支持ブロック部7の底面7bは、上述した紡錘形状等で形成される。
支持ブロック部7の表裏の幅方向両側面はそれぞれ、下方側面部が迫り出し部7cとして、上方側面部がスロープ7dとして形成される。詳細には、支持ブロック部7の幅方向で表裏一対の下方側面部はそれぞれ、紡錘形状の底面7bからほぼ垂直に立ち上げて形成され、支持ブロック部7の左右長さ方向両端部から中央部に向けて次第に外側へ迫り出す迫り出し部7cとして形成される。迫り出し部7cの最も迫り出された部位が迫り出し尖端7eとされる。上方側面部は、長方形状の頂面7aから迫り出し部7cの上端に向けて下り傾斜のスロープ7dとして形成される。
支持ブロック部7の外形寸法は、少なくとも支持ブロック部7の左右長さ方向寸法が定盤3に形成される穴部4の内径よりも大きく形成される。支持ブロック部7の幅方向最大寸法(迫り出し尖端7e位置の幅寸法)は、穴部4に挿入されるピン部8の外径寸法と同一とされる。すなわち、ピン部8と迫り出し尖端7eとは、段差がなく、滑らかに連続するように形成される。そして、ピン部8よりも外側の支持ブロック部7の底面7bは、定盤3の上面に面接触される。支持ブロック部7の左右長さ方向両端部の端面7fは、底面7bから頂面7aにわたりほぼ垂直に形成される。
図示例では、支持ブロック部7は、左右長さ方向で、中央部に対し左右部分が同じ形態で形成されている。しかしながら、最大幅寸法の迫り出し尖端7eを含む中央部に対して、右側寸法が左側寸法よりも短いなど、同じ形態でなくても良い。また、支持ブロック部7は、その幅方向についても、表裏で同じ形態で形成されているが、表裏で異なる形態であっても良い。しかしながら、図示例のように左右長さ方向及び表裏幅方向で同じ形態であれば、使用する向きを問わないので、取り扱い時の利便性を高めることができる。
ピン部8は、支持ブロック部7の底面7bにこれより下方へ垂下されて形成される。ピン部8は、支持ブロック部7の迫り出し尖端7e位置、すなわち最大幅寸法の位置に合わせて配置される。図示例にあっては、迫り出し尖端7e位置が支持ブロック部7の左右長さ方向中央部であるので、ピン部8は当該中央部に設けられている。ピン部8は、その軸が上下方向に沿う円柱体で形成される。
ピン部8の外径寸法は、ガラス基板2を定盤3に載置するときや定盤3から撤去するときに引っ掛からないように、支持ブロック部7の最大幅寸法(迫り出し尖端7e位置の幅寸法)と同じに設定されると共に、定盤3に形成された穴部4に挿入できるように、当該穴部4の内径寸法よりも小さく形成される。本実施形態に係る定盤ユニット1は、加熱処理に用いられるため、穴部4が形成されているセラミック製の定盤3と、穴部4に挿入される金属製のピン部8との熱膨張率の違いを考慮し、加熱処理により熱膨張したピン部8が定盤3に損傷を与えないように配慮して、穴部4の内径が決定される。
位置決めピース5には、支持ブロック部7の頂面7aからピン部8の下端にわたりこれらを上下方向に貫通して、通孔9が形成される。通孔9は、上下方向に真っ直ぐに形成することが好ましいが、貫通形態で形成されれば、上下方向に真っ直ぐでなくても良い。
また、支持ブロック部7内方には、その左右長さ方向一端部の端面7fから左右長さ方向に沿って、通孔9に連通する挿入部10が形成される。挿入部10は図示例では、一端が支持ブロック部7外方へ開放され、他端が通孔9に連通される水平方向に真っ直ぐな孔11で形成される。孔11は、支持ブロック部7の表裏幅方向中央に位置させて形成される。通孔9は図示例では、支持ブロック部7の表裏幅方向中央部に形成されているが、孔11と連通される限り、当該中央部から位置をずらして形成してもよい。
本実施形態では、通孔9を形成する場合が示されていて、挿入部10である孔11は一端及び他端双方が開放されている。通孔9は形成しなくてもよく、通孔9を形成しない場合、挿入部10は、一端が開放され、他端が閉鎖された凹孔として形成される。しかしながら、凹孔の場合は、挿入部10を加工した際の切り屑や微細な粉塵が凹孔の奥に残ってしまうおそれがあり、定盤ユニット1を搬送するときの振動等で切り屑等が凹孔から外部に出てきてしまい、それがガラス基板2の表面に付着すると、ガラス基板2の加熱処理や後工程の加工に悪影響を及ぼし、製品不良となってしまう可能性があるため、通孔9を形成することが好ましい。
連結ロッド6は図3に示すように、真っ直ぐな棒状体で形成される。連結ロッド6の外径は、孔11に対し僅かに隙間が空くように、かつ熱膨張で相互に損傷が生じない程度に、孔11の内径よりも小さく形成される。図4に示すように、連結ロッド6の端部6aは、位置決めピース5の挿入部10の孔11にその長さ方向に沿って挿抜自在に挿入される。
連結ロッド6は図5に示すように、熱膨張して伸びたときに、その端部6aが向かい合う通孔9の内面9aと干渉しないように、当該内面9aに対し、ゆとりを持たせ、かつ連結ロッド6が一方に片寄ったときに抜け落ちない隙間を隔てて挿入されるように、穴部4の間隔寸法P(図1及び図5(b)参照)が決定される。言い換えれば、穴部4の間隔寸法Pに基づいて、連結ロッド6の長さが決定される。通孔9が形成されず、挿入部10が凹孔である場合には、連結ロッド6の端部6aが、閉鎖された他端に対し、ゆとりを持たせ、かつ連結ロッド6が一方に片寄ったときに抜け落ちない隙間を隔てて挿入されるように、穴部4の間隔寸法Pが決定される。
隣接する一対の位置決めピース5に対して、連結ロッド6の両端6aが挿入されることにより、後述するように、ピン部8が穴部4に挿入されて定盤3上に設置された一対の位置決めピース5それぞれが、定盤3上で穴部4回りに回転することが阻止される。
図4及び図5には、位置決めピース5及び連結ロッド6により、ガラス基板2を定盤3上で位置決めしている状態が示されている。定盤ユニット1にガラス基板2を載置する際には、8個の位置決めピース5と4本の連結ロッド6が用いられる。
位置決めピース5のピン部8を定盤3の穴部4に挿入する前に、予め一対の位置決めピース5に連結ロッド6を差し込んでセットしておく。すなわち、連結ロッド6の両端6aが、隣接して配置される一対の位置決めピース5の孔11に挿入され、これら一対の位置決めピース5及び一本の連結ロッド6からなる一組が、定盤3に対し取り付けられる。
一対の位置決めピース5は、一本の連結ロッド4で連結されることにより、一直線上に並べられ、それらのピン部8は、長方形状のガラス基板2を位置決めする位置に配列された8つの穴部4のうち、ガラス基板2の外周縁部回りの各辺2aに面して隣接する2つの穴部4にルーズに挿入される。これにより、ガラス基板2の載置領域Rの四辺は、4組の連結ロッド6及び一対の位置決めピース5によって包囲される。
連結ロッド6は、穴部4にピン部8を挿入したときに、一対の位置決めピース5の各通孔9に対し、熱膨張で伸長してもゆとりのある隙間が空くように、かつ一方に片寄った場合でも抜け落ちないように、その長さが設定されている。連結ロッド6で連結された状態で、穴部4にピン部8が挿入された各位置決めピース5の支持ブロック部7は、その左右長さ方向が穴部4の配列方向に沿わされる。また、支持ブロック部7は、その左右長さ方向中央部及びその付近、具体的には迫り出し尖端7eが最もガラス基板2に近接して位置される。
支持ブロック部7は、ピン部8が穴部4に挿入されることで、紡錘形状等の平坦な底面7bが定盤3上面に面接触で当接され、位置決めピース5全体が定盤3上に支持されるので、支持ブロック部7、ひいては位置決めピース5の揺れ動きなどが規制される。同時に、定盤3上に支持された一対の位置決めピース5は、連結ロッド6の両端6aが挿入されているので、定盤3上で穴部4回りに回転することが規制される。
従って、位置決めピース5は、その左右長さ方向両端部がガラス基板2の載置領域Rにはみ出すなど、定盤3上でその向きが変わることが防止され、載置領域Rに干渉しないように位置固定される。従ってまた、位置決めピース5は、その迫り出し尖端7e及びスロープ7dが載置領域Rに面するように位置される。
ガラス基板2は、定盤3上方からが搬入され、載置領域Rに載置される。このとき、ガラス基板2は、たとえ若干の位置がずれていても、ガラス基板2の外周縁部の各辺2aが各位置決めピース5のスロープ7dを利用して案内されて、損傷が生じることなく適切かつ円滑に載置領域Rに導かれ、かつ迫り出し尖端7eで的確に位置決めされて、載置領域Rに設置される。
本実施形態に係る定盤ユニット1によれば、セラミック製の定盤3上に載置されるガラス基板2を金属製の位置決めピース5で位置決めするに際し、穴部4にルーズに挿入されるピン部8を含む位置決めピース5に、その長さ方向が穴部4の配列方向に沿い、定盤3上面に当接する底面7bを有して位置決めピース5を定盤3上に支持する支持ブロック部7を備えたので、定盤3上面と底面7bとの面接触によって位置決めピース5を定盤3上に設置することができ、ピン部8と穴部4のルーズな関係で位置決めピース5を定盤3に設置しても、位置決めピース5を、これが定盤3上で揺れ動いたり傾きが生じたりしないように、適切に支持することができ、ガラス基板2が、搬送時の振動や載置・撤去の時に引っ掛かりによって破損されることがないように、位置決めすることができる。
支持ブロック部7を、その長さ方向の適宜箇所が他の部分より、最もガラス基板2に近接される最大幅寸法位置(迫り出し尖端7e位置)を有するように形成し、具体的には左右長さ方向中央部及びその付近が最もガラス基板2に近接する外形形態で形成し、支持ブロック部7の当該最大幅寸法位置からピン部8を垂下形成したので、載置領域Rに載置されたガラス基板2を、たとえこれが動こうとしても、その外周縁部回りからピン部8と支持ブロック部7によって適切に位置保持することができる。
隣接する一対の位置決めピース5の挿入部10に、連結ロッド6の両端6aを挿入して、定盤3上に設置した位置決めピース5が定盤3上で穴部4回りに回転することを規制するようにしたので、支持ブロック部7が載置領域Rにはみ出し、位置決めピース5がガラス基板2と上下に重なるような事態を確実に防止することができる。
本実施形態と背景技術(特許文献1:特許第5069382号公報)との対比については、当該背景技術は、ルーズホール内にルーズに挿入される位置決めピンを、当該位置決めピンの横向き貫通孔内にルーズに貫通される連結部材で連結することにより、定盤上への位置決めピンの突出状態を保持する構成を備えているが、背景技術の当該構成では、位置決めピンが揺れ動いたり振れ動いたりしないように適切に支持することができず、従って、ガラス基板が破損されないように、安全に位置決めすることが困難であるが、上記構成を備える本実施形態にあっては、背景技術とは異なり、ピン部8と穴部4をルーズな関係としても、位置決めピース5を的確に支持することができ、また、ガラス基板2との位置的干渉も確実に防止して、当該ガラス基板2を定盤3上に位置保持する位置決め機能を大幅に改善することができる。
支持ブロック部7の平面外形形態を、その長さ方向中央部が最も幅広な紡錘形状で、もしくはテーパを付けて形成したので、連結ロッド6と挿入部10(孔11)の隙間によって位置決めピース5が僅かながら回転しても、支持ブロック部7が載置領域Rにはみ出すことを確実に防止することができる。
挿入部10を、凹孔もしくは通孔9に連通する孔11で構成し、挿入部10を支持ブロック部7の反対側へ貫通させないようにしているので、挿入部10を介して支持ブロック部7に挿入した連結ロッド6が支持ブロック部7の左右長さ方向一端部から他端部へ向かって抜け出て脱落してしまうことを防止できる。
ピン部8の外径寸法を、支持ブロック部7の最大幅寸法(迫り出し尖端7e位置の幅寸法)と同じに設定したので、ガラス基板2を定盤3に載置するときや定盤3から撤去するときに引っ掛かりが生じることを確実に防止することができる。
位置決めピース5に、支持ブロック部7からピン部8にわたり上下方向に貫通させて、孔11と連通する通孔9を形成したので、孔11の中に塵埃が入り込んでも、内部に溜まらないように排出することができる。位置決めピース5を、支持ブロック部7とピン部8とを上下に配置して構成したので、取り扱うときに上下を取り違えることを防止できる。
位置決めピース5の外形形態は、上記実施形態で説明した機能を備えるものであれば、どのようなものであってもよい。図6には、位置決めピース5の外形形態について、変形例が示されている。同一構成については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。変形例に係る位置決めピース5では、支持ブロック部7は直方体形状に形成され、円柱体状のピン部8の左右両側に、左右一対で一体的に設けられて構成される。言い換えれば、支持ブロック部7から見ると、上記実施形態と同様に、当該支持ブロック部7からピン部8が一体的に垂下形成された形態である。支持ブロック部7よりも高い位置には、ピン部8の直上に配置して、上方へ向かって窄まる形態の円錐台部8aが形成される。円錐台部8aは、ピン部8に滑らかに連続して、上記のスロープ7dとして機能される。ピン部8の外径寸法は、支持ブロック部7の幅方向寸法よりも大きく設定され、これによりピン部8が上記の迫り出し部7cとして機能され、そしてピン部8の外周面が、上記の迫り出し尖端7eと同様に、ガラス基板2を的確に位置決めするようになっている。
1 定盤ユニット
2 ガラス基板
2a ガラス基板の辺
3 定盤(トレー等)
4 穴部
5 位置決めピース
6 連結ロッド
6a 連結ロッドの端部
7 支持ブロック部
7a 頂面
7b 底面
7c 迫り出し部
7d スロープ
7e 迫り出し尖端
7f 端面
8 ピン部
8a 円錐台部
9 通孔
9a 通孔の内面
10 挿入部
11 孔
P 穴部の間隔寸法

Claims (3)

  1. 加熱処理するガラス基板が載置されるセラミック製の定盤に、ガラス基板を位置決めする位置に配列されて上下方向に貫通形成された複数の穴部に挿入して、複数の金属製の位置決めピースが設けられる定盤ユニットであって、
    上記位置決めピースは、その長さ方向が上記穴部の配列方向に沿い、かつ長さ方向の適宜箇所が他の部分より、最もガラス基板に近接される最大幅寸法で形成され、その底面が上記定盤上面に当接されて、該位置決めピース全体を該定盤上に支持する支持ブロック部と、該支持ブロック部の最大幅寸法位置から一体的に垂下形成され、上記穴部にルーズに挿入されるピン部と、上記支持ブロック部内方にその長さ方向に沿って形成された挿入部とを備え、
    隣接する一対の上記位置決めピースの間には、それらの挿入部に両端が挿入されて、該位置決めピースが上記定盤上で上記穴部回りに回転することを規制する連結ロッドが設けられ、
    該連結ロッドの外径は、上記挿入部に対し僅かに隙間が空くように、かつ熱膨張で相互に損傷が生じない程度に、該挿入部の内径よりも小さく形成され、
    上記連結ロッドの長さは、熱膨張して伸びたときに、上記支持ブロック部内方に対し、干渉しないようにゆとりを持たせ、かつ、一方に片寄ったときに抜け落ちない隙間を隔てて上記挿入部に挿入されるように、上記穴部の間隔寸法に基づいて決定されることを特徴とする定盤ユニット。
  2. 前記位置決めピースには、前記支持ブロック部から前記ピン部にわたり上下方向に貫通されて、上記挿入部と連通する通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の定盤ユニット。
  3. 前記支持ブロック部には、前記定盤上に載置されるガラス基板の外周縁部に面して、スロープが形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の定盤ユニット。
JP2014151250A 2014-07-24 2014-07-24 定盤ユニット Active JP5701436B1 (ja)

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