JP2005174669A - セッターガラス、位置決めピン及びプラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

セッターガラス、位置決めピン及びプラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract


【課題】 熱処理時のセッターガラス上のガラス基板の位置ずれを一定範囲内に抑えて、自動移載装置によるハンドリングミスの発生を防止する。
【解決手段】 セッターガラス23,63は、ガラス基板21の熱処理のために、ガラス基板21を載置した状態で熱処理炉内を搬送されるセッターガラス23,63であって、ガラス基板21が載置される基板載置領域23aの外周の複数箇所に、位置決めピン31,51が取り付けられるピン取付部33が形成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ガラス基板を熱処理する際に前記ガラス基板の支持に使用するセッターガラス及び位置決めピンと、セッターガラス及び位置決めピンを用いてガラス基板に熱処理を施すプラズマディスプレイパネルの製造方法に関するものである。
平面型の表示パネルを備えたディスプレイパネル装置の一つであるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称す)は、一対のガラス基板間に形成された気密空間内を、ストライプ状又はマトリクス状に区画して複数の放電空間を形成し、これらの複数の放電空間内に選択的に放電を発生させることにより画像表示を行うものである。
図1は、PDPの一般的な構造を示す説明図である。1は前面ガラス基板であり、表示電極2、誘電体層3及びMgO(酸化マグネシウム)等の保護膜4が設けられている。5は背面ガラス基板であり、その上にアドレス電極6,アドレス保護層7及び所定形状の隔壁8が形成されている。この前面ガラス基板1、背面ガラス基板5及び隔壁8で区画形成される微細空間が上述の放電セルであって、各々の放電セル内に、アドレス電極6が配設され、RGB各色の蛍光体層9(9a,9b,9c)が形成されている。また、この放電セル内には、ネオン,キセノン等を混合させた放電ガスが注入されている。
次に、上述のような構造を備えるPDPを製造する方法について簡単に説明する。前面ガラス基板1の片面に、表示電極2、誘電体層3及び保護膜4といったパネル構成要素を順次形成する前面パネル形成工程と、背面ガラス基板5の片面に、アドレス電極6、アドレス保護層7及び隔壁8、蛍光体層9(9a,9b,9c)といったパネル構成要素を順次形成する背面パネル形成工程とにより、前面パネルと背面パネルを形成する。そして、前面ガラス基板1と背面ガラス基板5とをそれぞれパネル構成要素が対向するように重ねて、前面ガラス基板1と背面ガラス基板5の周辺部を封着部材により封止する。その後に貼り合わされた2枚の基板間に形成された放電空間に対して排気を行い、そこに放電ガスを封入した後、エージングを行い、PDPが完成する。
上述のようなPDPの製造の際に、各パネル構成要素の形成において、前面ガラス基板または背面ガラス基板5を加熱して焼成処理を行う工程があり、このような焼成処理は、例えば、500〜600℃の加熱温度で、焼成炉内を所定速度で搬送しながら行う。
しかし、焼成炉内でのガラス基板の搬送を、搬送手段であるローラコンベヤ等の上に直に載置した状態で行うと、所定ピッチで配置された搬送ローラとの間欠的な接触による接触圧の変動等の影響でガラス基板に反りや歪が生じてしまう。また、搬送ローラとの擦れによってガラス基板に微細が傷が付いてしまうこともある。
そこで、従来より、図2に示すように、処理対象のガラス基板100は、平板状を成す耐熱性のセッターガラス101の上に載置した状態にし、このセッターガラス101を焼成炉103内の搬送手段である搬送ローラ105に乗せることで、ガラス基板100と搬送ローラ105との直接接触を防止したガラス基板の焼成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、PDP用のガラス基板の焼成時に使用して好適なセッターガラスとしては、耐熱性等の点から、結晶化ガラス板(例えば、日本電気硝子製「ネオセラムN−O」、日本ガイシ製「SINSIC」等が知られている。
特開2001−28239号公報
ところが、従来のセッターガラス101は、表面が平滑な単純な平板状のため、載置されているガラス基板100が熱処理による昇温によって反りや歪みを生じた際などに、ガラス基板100がセッターガラス101上を動いてしまい、その結果、セッターガラス101上のガラス基板100の位置が、当初の載置位置からずれてしまう。
セッターガラス101上のガラス基板100の位置が当初の載置位置から一定以上ずれると、自動移載装置によるハンドリングができず、ラインの停止等の障害を招き、生産性の低下といった問題を招くことになる。
例えば、ガラス基板の焼成装置等に装備される自動移載装置は、図3(a)に示すように、移載用アームの先端に装備された楔状の爪111をセッターガラス101とガラス基板100との間に差し込んだ後、爪111を上方に引き上げることによって、ガラス基板100の取り出しを行う。ところが、ガラス基板100に一定以上の位置ずれが生じていると、図3(b)に示すように、一方の爪111(図3(b)において左側の爪111)がセッターガラス101とガラス基板100との間に差し込めなかったり、或いは、差し込めても十分な引っ掛かりが得られず、爪111を引き上げた際に、ガラス基板100が持ち上げられないという不都合が生じてしまう。
更に、一枚のセッターガラス101上に、複数枚のガラス基板100を敷き並べて、複数枚のガラス基板100を同時に焼成するような場合、従来の単純な平板状のセッターガラス101では、位置ずれを起こしたガラス基板100同士が相互干渉して、破損等による歩留まりの低下を招く虞もあった。
そこで、このような不都合の発生を防止するべく、セッターガラス101上のガラス基板100を載置する範囲に、粗面加工を施したり、溝を刻設することが提案された。
しかし、このような対応では、焼成時のガラス基板100上の温度分布が影響を受けて、安定した焼成処理が困難になることが判明し、実用化には至っていない。
本発明が解決しようとする課題としては、上述した従来技術において、熱処理時にセッターガラス上に載置されているガラス基板の位置ずれが生じるという問題が一例として挙げられる。
上記課題を解決するために、請求項1に記載のセッターガラスは、ガラス基板の熱処理のために、前記ガラス基板を載置した状態で熱処理炉内を搬送されるセッターガラスであって、前記ガラス基板が載置される基板載置領域の外周の複数箇所に、位置決めピンが取り付けられるピン取付部が形成されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の位置決めピンは、請求項1〜5のいずれかに記載のセッターガラスに用いる位置決めピンであって、前記位置決めピンは、前記ガラス基板が載置される側の第1の孔径よりも径が大きい頭部と、前記第1の孔径よりも径が小さい嵌合軸部と、
前記嵌合軸部を分割するスリットと、前記スリットによって分割された前記嵌合軸部の軸部片の先端外周に設けられ前記ピン取付部の内壁に当接する凸部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項9に記載の位置決めピンは、請求項1〜5のいずれかに記載のセッターガラスに用いる位置決めピンであって、前記位置決めピンは、前記ピン取付部の載置面側の第1の孔径よりも外径が大きく、その外周面が前記ガラス基板の移動を制限する雌ねじと、
前記第1の孔径よりも径が小さいねじ部と前記第1の孔径よりも径が大きい頭部とを備える雄ねじと、を備えることを特徴とする。
また、請求項11に記載のPDPの製造方法は、請求項1〜5のいずれかに記載のセッターガラスを用いて、前記セッターガラスの基板載置領域にガラス基板を載置して熱処理炉内に搬送し、前記ガラス基板への熱処理を実施する工程を含むことを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係るセッターガラスの一例を挙げ図4及び図5を参照して説明する。
本発明の実施の形態に係るセッターガラス23は、図4及び図5に示すように、ガラス基板21が載置される基板載置領域23aの外周の複数箇所に、ガラス基板21の外周面に接することでガラス基板21の面方向の移動を制限する位置決めピン31が取り付けられるピン取付部33が(例えば、セッターガラス厚み方向に形成された貫通孔や凹部等)として形成されている。
また、基板載置領域23aの外形寸法は、ガラス基板21の外形寸法に揃えられている。
また、ピン取付部33の装備位置は、基板載置領域23aの縁から所定の離間距離L1,L2を有して設定されている。この所定の離間距離L1,L2は、ピン取付部33に取り付けた位置決めピン31でガラス基板21を完全に挟み込んでしまうと、熱処理時にガラス基板21が膨張して割れてしまうなどのおそれがあるので、遊びを持たせたものである。
また、この所定の離間距離L1,L2は、図3で説明した自動移載装置において、移載用アームの先端に装備された楔状の爪111をガラス基板21の端縁の下に差し込んでガラス基板21を持ち上げることができるように、ガラス基板21の面方向の移動を制限する距離に設定されている。
また、ピン取付部33が貫通孔である場合は、後述する図6に示すように、ガラス基板21が載置される側(載置面側)の第1の孔径D1よりもガラス基板21が載置されない側(非載置面側)の孔径D2が大きい構造をなしている。本実施の形態の場合、ガラス基板が載置されない側から載置される側に向かって孔径が狭くなるように内壁が傾斜しているので、非載置面側の第2の孔径D2は非載置面側に向かって徐々に増大して、テーパ孔状の傾斜部33aを形成しているが、一定の径で拡径した座ぐりとすることも可能である。
なお、位置決めピン31の嵌合軸部43をピン取付部33に挿通し易くするために、ピン取付部33の載置面側にも、テーパ孔状のピン誘導部33bを装備してもよい。
本実施の形態におけるセッターガラス23では、図4に示すように、予め基板載置領域23aの外周に装備された各ピン取付部33に後述する位置決めピン31,51等を立設した状態にしておいて、その基板載置領域23aの上にガラス基板21を載置すれば、熱処理時にセッターガラス23上に載置されているガラス基板21が熱膨張等によって位置ずれしても、位置ずれ量が所定値に達すると、ガラス基板21の外周が何れかの位置決めピン31,51等に接することで、それ以上の移動が拘束される。
従って、セッターガラス23上のガラス基板21の位置ずれを一定範囲内に抑えることができ、熱処理終了後にガラス基板21をセッターガラス23上から引き上げる際に、自動移載装置によるハンドリングミスの発生を防止することができる。
従って、自動移載装置によるハンドリングミスで、ガラス基板21を破損したり、或いはラインが稼働停止になることがなくなり、ガラス基板21に対して熱処理を実施する装置の生産性を向上させることができる。
また、ピン取付部33に取り付けた位置決めピン31,51等によってガラス基板21の位置ずれを一定範囲内に抑制できるため、基板載置領域23a自体にはガラス基板21の移動を抑制するための粗面化や溝の刻設が不要になる。
従って、基板載置領域23aは、ガラス基板21に対して均等な面接触となって、粗面化や溝の刻設を行っていた場合のような温度分布への影響を防止でき、安定した加熱処理によって、加熱不良等の発生を防止して、製品歩留まりの向上を図ることもできる。
本発明の実施の形態に係る位置決めピンの一例を挙げ図6及び図7を参照して説明する。
本発明の実施の形態に係る一例である位置決めピン31は、図6及び図7に示すように、ピン取付部33の載置面側の第1の孔径D1よりも径d1が大きく設定されて、外周面がガラス基板21の移動を制限する頭部41と、ピン取付部33の載置面側の第1の孔径D1よりも径d2が小さく設定されてセッターガラス23の載置面側からピン取付部33に挿通される嵌合軸部43と、この嵌合軸部43の先端側を弾性変形可能に分割したスリット45と、このスリット45によって分割された軸部片43aの先端外周に突設されてピン取付部33の非載置面側の内壁の傾斜部33aに弾性係合する凸部46とを備えた構造である。
図7に示すように、傾斜部33aに凸部46が弾性による反発力で当接すると、この反発力の図7の縦方向に生じる分力がセッターガラス23を押し上げる向きに働き、位置決めピン31がピン取付部33から抜けにくくなるように作用する。
また、この凸部46は、ピン取付部33の内壁に当接して弾性変形することによって、ピン取付部33に装着し易いように、先端側の端面がピン取付部33に装着するときに案内面となるように傾斜した形状形状となっている。
また、凸部46は、ピン取付部33の内壁に当接して弾性変形することによって、ピン取付部33から抜けやすいように、先端側とは反対側の端面がピン取付部33から抜くときに案内面となるように傾斜した形状となっている。
なお、この位置決めピン31は、例えば、ステンレス鋼等の金属製の丸棒等を切削加工等によって、頭部41と嵌合軸部43とを一体構造に製造でき、スリット45の寸法を調整することによって、ピン取付部33への弾性係合力を調整することができる。
また、位置決めピン31は、嵌合軸部43をセッターガラス23の載置面側からピン取付部33に嵌合装着すると、嵌合軸部43の先端の凸部46が、ピン取付部33の傾斜部33aに弾性係合されるので、位置決めピン31のセッターガラス23への取り付けが容易にできる。
また、位置決めピン31のセッターガラス23への取り付けが、適宜接着剤を使用した接着等による固定ではなく、着脱が可能な弾性係合のため、経時変化等で基板載置領域23aに反りが発生した場合には、位置決めピン31を取り外した状態にすることで、基板載置領域23aに再研磨処理を実施することが可能になる。
従って、セッターガラス23の基板載置領域23aを、再研磨処理によって、当初の平坦度に維持し、長期に渡って良好に使用可能になる。
次に、本発明の実施の形態に係る位置決めピンの他の一例を挙げ図8を参照して説明する。
本発明の実施の形態に係る他の一例である位置決めピン51は、図8(a)に示すように、互いに別体の雌ねじ53と雄ねじ55とから構成されている。これらの雌ねじ53と雄ねじ55は、例えば、耐熱性に優れたセラミックス製がよい。
雌ねじ53は、ピン取付部33の載置面側の第1の孔径D1よりも大きいものであり、図8(c)に示すように、ピン取付部33の載置面側に設置され、その外周面がガラス基板21の移動を制限するように作用するものである。この雌ねじ53は、図8(b)に示すように、その中心部に螺旋状のねじ溝を設けたねじ孔53aが形成されると共に、ねじ孔53aの内周面の一部に、軸方向に貫通した凹部53bが連設されている。
雄ねじ55は、螺旋状のねじ溝を設けたねじ部56と、このねじ部56の先端から軸方向に延出した螺旋状のねじ溝を設けていない軸部57と、軸部57から半径方向に突起が突出した突出軸部58とを備えた構成である。
また、図8(b)及び図8(c)に示すように、雄ねじ55の軸部57の長さL3は、雌ねじ53の軸方向の長さL4よりも長く、且つ、雌ねじ53のねじ孔53aの直径r1は、突出軸部58の径r2よりも小さい。
また、ねじ部56は、ピン取付部33の載置面側の第1の孔径D1よりも外径が小さく設定されてセッターガラス23のピン取付部33に挿通されると共に、雌ねじ53のねじ孔53aに螺合する。即ち、雄ねじ55と雌ねじ53は、螺合によって、係脱可能にされている。
また、突出軸部58は、図8(c)に示すように、雌ねじ53の凹部53bにその凸部の位置が合致するようにして挿通し、雌ねじ53の反対側に通り抜けることができる。
雄ねじ55の根元側には、図8(a)及び図8(c)に示すように、ピン取付部33の載置面側の第1の孔径よりも径が大きい頭部59が一体形成されている。この頭部59は、例えば、皿ねじの頭部などであり、雄ねじ55をセッターガラス23を挟んで雌ねじ53に螺入すると、図8(c)に示すように傾斜部33aに当接する。
なお、図8(c)においては、頭部59がピン取付部33の非載置面側の第2の孔径よりも径が大きく、頭部59がセッターガラス23の非載置面(底面)から突出した状態で取り付けられているが、頭部59は第2の孔径と径がほぼ同じか、あるいは小さいものでもよく、頭部59が、セッターガラス23の非載置面(底面)から突出しない状態で取り付けられるようにしてもよい。
なお、位置決めピン51を用いた場合には、セッターガラス23のピン取付部33は、必ずしも載置面側の第1の孔径D1よりも非載置面側の第2の孔径D2が大きい構造でなくてもよく、傾斜部33aがない貫通孔であってもよい。そして、ピン取付部33が傾斜部33aがない貫通孔の場合には、上述の頭部59はセッターガラス23の非載置面に当接する。
また、雄ねじ55は、ねじ部56の径よりも半径方向に突出した突出軸部58を備えているので、熱処理を繰り返すことにより、加熱・冷却による熱膨張や収縮でねじが外れたとしても、雌ねじ53のねじ孔53aの直径r1が突出軸部58の径r2よりも小さいことにより、突出軸部58が雌ねじ53の上面に引っ掛かり、外れることを防ぐことができる。
以上の位置決めピン51は、雌ねじ53と雄ねじ55とを螺合によって着脱できるため、雌ねじ53や雄ねじ55に対しセラミックスのような弾性変形の無い材質を使うことができる。
なお、本発明の位置決めピンは、セッターガラスのピン取付部に嵌合可能に形成され、ガラス基板の外周面に接することでガラス基板の面方向の移動を制限する位置決めピンであれば、構造や、材質は、上述の位置決めピン31,51などに限らなくてもよい。
図9は、本発明の実施の形態に係るセッターガラスの変形例を示したものである。
図9に示したセッターガラス63は、複数枚のガラス基板21を載置できるように、その載置面に基板載置領域23aが複数装備されると共に、各基板載置領域23a毎にその外周の複数箇所に位置決めピンを装着するためのピン取付部33が配置されている。
このセッターガラス63では、1枚のセッターガラス63上に複数枚のガラス基板21を敷き並べて、複数枚のガラス基板21に対して同時に熱処理を実施する場合に、各ガラス基板21毎に位置決めピンによって所定の距離以上の移動が制限されるため、搬送時の各ガラス基板21の位置ずれがいずれも一定範囲内に抑制され、ガラス基板21同士が干渉し合うことを防止することができて、ガラス基板21同士の干渉によってガラス基板21が破損したり傷付くことを防止することができる。
従って、ガラス基板21に対して熱処理を実施する装置において、ガラス基板21を複数枚ずつ効率良く熱処理することが可能になり、ガラス基板21の生産性向上を図ることができる。
なお、図9では、2つの基板載置領域23aが装備されているが、3つ以上の基板載置領域23aを装備できるように、ピン取付部33を配置してもよい。
また、多数のピン取付部を設け、任意のピン取付部のみに位置決めピンを装着することにより、基板載置領域23aの数や位置や大きさ等を変えることができるようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係るPDPの製造方法について図10を参照して説明する。
図10は、本発明の実施の形態に係るセッターガラスを用いた、ガラス基板の熱処理を行う装置の一例である焼成装置を示したものである。
図10に示した焼成装置では、焼成対象のガラス基板21を載置した平板状の(位置決めピン31が既に取り付けてある)セッターガラス23を搬送ローラ25によって熱処理炉27内に搬出・搬入して、ガラス基板21への熱処理を実施する。
熱処理炉27は、一端側(図4では、左側)が搬入口27aとなっていて、他端側が搬出口27bとなっていて、中間部が所定温度に加熱する加熱室27cになっている。搬送ローラ25は、一定間隔で装備されていて、セッターガラス23を、搬入口27aから加熱室27cを通って搬出口27bに水平搬送する。
なお、搬入口27a及び搬出口27bには、図示せぬ自動移載装置が装備されている。この自動移載装置は、前述の図3で説明した構成のもので、移載用アームの先端に装備された楔状の爪111をガラス基板21の端縁の下に差し込んでガラス基板21を持ち上げる。
上記の図10の焼成装置で熱処理されるガラス基板21としては、図1で示したようなPDPを製造する際の前面ガラス基板1上または背面ガラス基板5がある。
PDPを構成する前面ガラス基板1や背面ガラス基板5を製造する際、前面ガラス基板1上または背面ガラス基板5は前述のセッターガラス23,63に載置した状態で焼結炉内に水平搬送して、前面ガラス基板1や背面ガラス基板5に対する焼結処理を実施すると、セッターガラス23,63にガラス基板の位置ずれを制限する位置決めピンが装備されているため、位置ずれによってガラス基板が搬送手段に干渉して破損することを防止でき、また、焼成処理終了後にガラス基板をセッターガラス23,63上から引き上げる際に、自動移載装置によるハンドリングミスの発生を防止することができる。
従って、自動移載装置によるハンドリングミスで、ガラス基板を破損したり、或いはラインが稼働停止になることがなくなり、ガラス基板に対して熱処理を実施する装置の生産性を向上させて、高品位のPDPの生産性を向上させることができる。
なお、本発明の実施の形態に係るセッターガラスの有用性は、その上に載置されたガラス基板に加えられる加熱温度に左右されない。PDP用のガラス基板の焼成処理のように500〜600℃の高温加熱に限らず、数十℃〜数100℃程度の加熱処理が必要となる各種装置のガラス基板の加熱処理に利用しても良い。
以上詳述したように、本発明の実施の形態に係るセッターガラス23,63は、ガラス基板21の熱処理のために、ガラス基板21を載置した状態で熱処理炉内を搬送されるセッターガラス23,63であり、ガラス基板21が載置される基板載置領域23aの外周の複数箇所に、位置決めピン31,51が取り付けられるピン取付部33が形成されている。
このように形成されたセッターガラス23,63において、予め基板載置領域の外周に装備された各ピン取付部33に位置決めピン31,51を立設した状態にしておいて、その基板載置領域23aの上にガラス基板21を載置すれば、熱処理時にセッターガラス23,63上に載置されているガラス基板21が熱膨張等によって位置ずれしても、位置ずれ量が所定値に達すると、ガラス基板の外周が何れかの位置決めピン31に接することで、それ以上の移動が拘束される。
従って、セッターガラス23,63上のガラス基板21の位置ずれを一定範囲内に抑えることができ、熱処理終了後にガラス基板をセッターガラス上から引き上げる際に、自動移載装置によるハンドリングミスの発生を防止することができる。
また、本発明の実施の形態に係る位置決めピン31は、ガラス基板21が載置される側の第1の孔径D1よりも径が大きい頭部41と、第1の孔径D1よりも径が小さい嵌合軸部43と、嵌合軸部43を分割するスリット45と、スリット45によって分割された嵌合軸部43の軸部片43aの先端外周に設けられピン取付部33の内壁に当接する凸部と、
を備えるので、嵌合軸部43の先端の凸部46が、ピン取付部33の傾斜部33aに弾性係合されるので、位置決めピン31のセッターガラス23への取り付けが容易にできる。
また、位置決めピン31のセッターガラス23への取り付けが、適宜接着剤を使用した接着等による固定ではなく、着脱が可能な弾性係合のため、経時変化等で基板載置領域23aに反りが発生した場合には、位置決めピン31を取り外した状態にすることで、基板載置領域23aに再研磨処理を実施することが可能になる。
従って、セッターガラス23の基板載置領域23aを、再研磨処理によって、当初の平坦度に維持し、長期に渡って良好に使用可能になる。
また、本発明の実施の形態に係る位置決めピン51は、ピン取付部33の載置面側の第1の孔径D1よりも外径が大きく、その外周面がガラス基板21の移動を制限する雌ねじ53と、第1の孔径D1よりも径が小さいねじ部56と第1の孔径D1よりも径が大きい頭部59とを備える雄ねじ55と、を備えるので、雄ねじ55とを螺合によって着脱できるため、雌ねじ53や雄ねじ55に対しセラミックスのような弾性変形の無い材質を使うことができる。
また、本発明の実施の形態に係るPDPの製造方法は、セッターガラス23,63に、位置決めピン31,51を取り付け、基板載置領域23aにガラス基板21を載置して熱処理炉内に搬送し、ガラス基板21への熱処理を実施する。
このように、ガラス基板の熱処理時に使用するセッターガラス23,63にガラス基板21の位置ずれを制限する位置決めピンが装備されているため、位置ずれによってガラス基板が搬送手段に干渉して破損することを防止でき、また、熱処理終了後にガラス基板をセッターガラス上から引き上げる際に、自動移載装置によるハンドリングミスの発生を防止することができる。
従って、自動移載装置によるハンドリングミスで、ガラス基板を破損したり、或いはラインが稼働停止になることがなくなり、ガラス基板に対して熱処理を実施する装置の生産性を向上させて、高品位のPDPの生産性を向上させることができる。
PDPの概略構成を示す分解斜視図である。 従来のガラス基板の焼成方法の説明図である。 従来のセッターガラス上から熱処理後のガラス基板を引き上げる作業の説明図である。 本発明に係るセッターガラスを使ったガラス基板の焼成方法の説明図である。 本発明の実施の形態に係るセッターガラスに位置決めピンが取り付けられた状態の斜視図である。 本発明の実施の形態に係るセッターガラスの上面図である。 本発明の実施の形態に係る位置決めピンと図6のセッターガラスに設けられたピン取付部(貫通孔)の断面図である。 本発明の実施の形態に係る位置決めピンがセッターガラスに取り付けられた状態の断面図である。 本発明の実施の形態に係る位置決めピンの他の実施の形態を示したもので、(a)は位置決めピンの分解側面図、(b)は(a)のB矢視図、(c)はセッターガラスに取り付けた状態の側面図である。 本発明に係るセッターガラスの他の実施の形態の平面図である。
符号の説明
21 ガラス基板
23,63 セッターガラス
27 熱処理炉
31,51 位置決めピン
33 ピン取付部
33a 傾斜部
41 頭部
43 嵌合軸部
43a 軸部片
45 スリット
46 凸部
53 雌ねじ
53a ねじ孔
53b 溝部
55 雄ねじ
57 軸部
58 突出軸部
59 頭部


Claims (11)

  1. ガラス基板の熱処理のために、前記ガラス基板を載置した状態で熱処理炉内を搬送されるセッターガラスであって、
    前記ガラス基板が載置される基板載置領域の外周の複数箇所に、位置決めピンが取り付けられるピン取付部が形成されていることを特徴とするセッターガラス。
  2. 前記ピン取付部は、セッターガラス厚み方向に形成された貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載のセッターガラス。
  3. 前記貫通孔は、前記ガラス基板が載置される側の第1の孔径よりも、前記ガラス基板が載置されない側の第2の孔径の方が大きいことを特徴とする請求項2に記載のセッターガラス。
  4. 前記貫通孔は、前記ガラス基板が載置されない側から載置される側に向かって孔径が狭くなるように内壁が傾斜していることを特徴とする請求項3に記載のセッターガラス。
  5. 前記ピン取付部に位置決めピンが取り付けられることによって、複数の基板載置領域が形成されるように前記ピン取付部が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセッターガラス。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のセッターガラスに用いる位置決めピンであって、
    前記位置決めピンは、
    前記ガラス基板が載置される側の第1の孔径よりも径が大きい頭部と、
    前記第1の孔径よりも径が小さい嵌合軸部と、
    前記嵌合軸部を分割するスリットと、
    前記スリットによって分割された前記嵌合軸部の軸部片の先端外周に設けられ前記ピン取付部の内壁に当接する凸部と、
    を備えることを特徴とする位置決めピン。
  7. 前記凸部は、先端側の端面が前記ピン取付部に装着するときに案内面となるように傾斜した形状であることを特徴とする請求項6に記載の位置決めピン。
  8. 前記凸部は、前記先端側とは反対側の端面が前記ピン取付部から抜くときに案内面となるように傾斜した形状であることを特徴とする請求項7に記載の位置決めピン。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載のセッターガラスに用いる位置決めピンであって、
    前記位置決めピンは、
    前記ピン取付部の載置面側の第1の孔径よりも外径が大きく、その外周面が前記ガラス基板の移動を制限する雌ねじと、
    前記第1の孔径よりも径が小さいねじ部と前記第1の孔径よりも径が大きい頭部とを備える雄ねじと、
    を備えることを特徴とする位置決めピン。
  10. 前記雄ねじは、前記ねじ部の先端面に該ねじ部より小径の軸部を有し、さらに、前記軸部の先端側に、前記ねじ部の径よりも半径方向に突出した突出軸部を備え、
    一方、前記雌ねじには、ねじ孔の内周面の一部に、軸方向に貫通した凹部が前記突出軸部を通り抜け可能に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の位置決めピン。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載のセッターガラスを用いて、前記セッターガラスの基板載置領域にガラス基板を載置して熱処理炉内に搬送し、前記ガラス基板への熱処理を実施する工程を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5701436B1 (ja) * 2014-07-24 2015-04-15 中外炉工業株式会社 定盤ユニット

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