JP5701360B2 - 弁装置 - Google Patents
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すなわち、本発明に係る弁装置は、流体入口側の上流流路と流体出口側の下流流路とが弁室を介して互いに交差する方向に連続する構成とされ、前記弁室を区画する隔壁の前記上流流路の開口部に、下流に進むに従って漸次拡径する弁座が設けられた弁箱と、前記弁座に着座可能な環状シール部が設けられ、前記弁座に対して進退可能に構成され、進退方向に所定の長さを有する柱状体に形成された弁体とを備え、前記流体から前記弁体に対して作用する励振力を低減させる励振力低減手段を備え、該励振力低減手段は、前記弁座と前記環状シール部との間から流出した流体を、前記弁体から離間させる離間促進部であり、前記離間促進部は、前記弁体の軸線に沿って略一定の径となった外周部の全体を覆う被覆部材が設けられて、前記被覆部材は前記環状シール部の下流側の端部よりも大径に構成されてなることを特徴とする。
さらに、弁体の外周部に被覆部材が設けることで弁体の固有振動数を変化させて自励振動を抑制することもできるし、この被覆部材を加工して弁体の固有振動数を変化させて自励振動を抑制することもできる。
また、比較的に加工が容易で、弁座と環状シール部との密着性に影響を与えることもない。
また、緩傾斜部及び上段部と、弁体との間隙を流れる流体の乱れを低減すると共に圧力損失を低減することができる。
(第一参考例)
図1は、本発明の第一参考例に係る玉形弁(弁装置)1の全体構成を示す概略全体構成図である。図1に示すように、玉形弁1は、弁箱10と、弁体20とを備えている。なお、図中の弁体20の軸線をPとする。
下流流路12は、弁室13から流体出口10bまで一方向に延在している。
弁室13は、隔壁14によって区画されており、隔壁14には上流流路11の開口部11aと、下流流路12の開口部12aとが、相互に交差する方向に開口している。
隔壁14に形成された上流流路11の開口部11aの縁部には、下流に進むに従って漸次拡径するテーパ状の弁座15が形成されている。
環状シール部21は、弁座15に面接触して弁座15に着座可能となっており、着座時に上流流路11の流体Fを封止する。
この弁体20は、弁棒29と連結されており、軸方向において、弁座15に対して進退可能に構成されている。
図2及び図3に示すように、離間促進部30は、弁体20の外周部22から径方向に鍔状に延出しており、外周部22の全周に設けられている。この離間促進部30は、軸方向の下流側において環状シール部21と隣接しており、弁全閉時において、環状シール部21と弁座15との密着性に干渉しない位置に形成されている。
まず、環状シール部21が弁座15に密着した状態(着座状態)から僅かに離間すると、上流流路11において封止されていた流体Fが、微小な間隙に入り込み、噴流となって環状シール部21に沿って流れる。
このようにして、噴流となった流体Fが連続的に流れたとしても、離間促進部30の端部30aで剥離することにより、外周部22から離間して流れるため、弁体20の外周部22に再付着しない。
より具体的には、離間促進部30が、外周部22から径方向に鍔状に延出すると共に、環状シール部21と隣接しているので、噴流となった流体Fが剥離する位置が固定され、剥離位置の変動が抑制される。これにより、簡素な構成で弁体20に生じる流体力の作用方向を固定し、弁体20に生じる自励振動を抑止ことができる。
これら図5及び図6から明らかなように、離間促進部30を有する玉形弁1によれば、弁体20の自励振動を高い効果で低減させることができる。
続いて、本発明の第二参考例に係る玉形弁2について、説明する。
図7は、玉形弁2の要部拡大断面図であり、図8は、図7におけるII−II線断面図である。なお、図7及び図8において、図1から図6と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7及び図8に示すように、離間促進部50は、弁体20の外周部22から径方向に鍔状に延出しており、外周部22のうち、下流流路12側の一部に設けられている。この離間促進部50は、図8に示すように、周方向における両端部50b,50cと、軸線Pとが形成する中心角θが略110度となった円弧状のものである。なお、離間促進部50の中心角θは、45度から180度の範囲に設定すると好適である。
まず、環状シール部21が弁座15に密着した状態(着座状態)から僅かに離間すると、流体Fが噴流となって環状シール部21に沿って流れる。
まず、環状シール部21の下流側における端部21aに到達した流体Fのうち、離間促進部50が形成されている部分における流体Fは、離間促進部50に沿って径方向外方に流れた後に、離間促進部50の下流側の端部50aにおいて弁体20から剥離する。この後、端部50aにおいて剥離した流体Fは、外周部22から離間して流れて外周部22に再付着することがない。
図9に示すように、玉形弁2は、上流流路11から弁室13に流体Fが流れ出す時間0sからしばらくの間は、流体力が僅かに不安定な推移となるが、その後は全体的に変位と流体力とがほぼ一定の範囲(振幅)で推移する。このように、図6に示す従来の玉形弁と比較して、玉形弁2は、極めて安定的な挙動となっている。なお、図5と比較すると、全体的に、変位と流体力との双方の値が0を下回って推移しているが、これは上述したように、弁体20が片振れした状態となるためであり、動特性としては安定している。
続いて、本発明の第一実施形態に係る玉形弁3について説明する。
図10は、玉形弁3の要部拡大断面図である。なお、図10において、図1から図9と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
より具体的には、環状シール部21の下流側の端部21aにおける径よりも、外周部23の径が小さく構成されており、下流側の端部21aが先鋭なものとなっている。このように、端部21aよりも小径に構成された外周部23が玉形弁3の離間促進部とされている(以下、適宜「離間促進部23」と称する。)
まず、環状シール部21が弁座15に密着した状態(着座状態)から僅かに離間すると、流体Fが噴流となって環状シール部21に沿って流れ、端部21aで剥離する。そして、離間促進部(外周部)23から離間した状態で、軸方向に向かって流れ、離間促進部(外周部)23に再付着することがない。
続いて、本発明の第二実施形態に係る玉形弁4について、説明する。
図11は、玉形弁4の要部断面図である。なお、図11において、図1から図10と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第三実施形態に係る玉形弁5について、説明する。
図12は、玉形弁5の要部断面図であり、図13は、図12における要部IIIの拡大図である。なお、図12及び図13において、図1から図11と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
環状シール部21と弁座15との間を通過した流体Fは、緩傾斜部16と弁体20との間隙、上段部17と弁体20との間隙の順に流れて、弁室13に流入する。この際、緩傾斜部16と弁体20との間隙から、相対的に小さくなった上段部17と弁体20との間隙に流入する流体Fは、縮流となって弁室13に流入し、径方向外方に向けて弁体20から離間する。
すなわち、流体Fが弁体20の外周部22に沿って流れないので、流体Fが外周部22に再付着することを抑制し、弁体20の自励振動を抑止することができる。
また、比較的に加工が容易で、弁座15と環状シール部21との密着性に影響を与えることもない。
また、本実施形態では、図12に示すように、環状端面24aを平面としたが、径方向内方側から外方側に向かうに従って漸次上段部17に近接する先細形状(テーパ形状)としてもよい。
同様に、環状シール部21が弁座15から僅かに離間した場合において緩傾斜部16と弁体20との間隙が大となり、上段部17と弁体20との間隙が小となる関係(流路R1)を満たすことを条件として、径方向内方側から外方側に向かうに従って漸次上段部17から離間する先細形状(テーパ形状)としてもよい。
これら先細形状とした場合においても、環状端面24aと上段部17との間に僅かな隙間が形成されるようにしてもよいし、環状シール部21と弁座15との密着性を妨げないことを条件として環状端面24aと上段部17とが接触する構成としてもよい。
次に、本発明の第四実施形態に係る玉形弁6について、説明する。
図14は、玉形弁6の要部断面図であり、図15は、図14における要部IVの拡大図である。なお、図14及び図15において、図1から図13と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
環状シール部21と弁座15との間を通過した流体Fは、緩傾斜部16と弁体20との間隙から、相対的に小さくなった上段部17と弁体20との間隙に流入すると、縮流となり、流速が増加した状態で弁室13に流入する。
この流れの過程においては、緩傾斜部16及び上段部17と、弁体20との間隙を流れる流体Fが、環状曲面24bに沿って安定的に流れる。
なお、本実施形態では、図14に示すように、弁体20側をR加工としたが、弁座15側をR加工としてもよい。
次に、本発明の第三参考例に係る玉形弁7について、説明する。
図16は、玉形弁7の要部断面図であり、図17は、図16における要部Vの拡大図である。なお、図16及び図17において、図1から図15と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
渦流形成部90は、三つの渦流形成溝90a〜90cからなっており、これら渦流形成溝90a〜90cは、それぞれ弁座15に同心状に形成された環状溝となっている。
また、本参考例においては、複数の渦流形成溝90a〜90cを同心状に設ける構成としたが、必ずしも同心状に設けなくてもよい。
また、本参考例においては、複数の渦流形成溝90a〜90cを設ける構成としたが、一つだけ設ける構成としてもよい。
また、本参考例においては、渦流形成溝90a〜90cをそれぞれ環状に連通する構成としたが、周方向に区切った断続的な複数の溝やハニカム状にしてもよい。
例えば、上述した各参考例及び実施の形態では、玉形弁に本発明を適用した場合について、説明したが、その他の構造の弁、例えば、アングル弁についても本発明を好適に適用することができる。
10…弁箱
10a…流体入口
10b…流体出口
11…上流流路
12…下流流路
13…弁室
14…隔壁
15…弁座
16…緩傾斜部
17…上段部
20…弁体
21…環状シール部
21a…端部
22…外周部
23…外周部(離間促進部)
24…被覆部材
24a…環状端面(環状平面部)
24b…環状曲面(環状曲面部)
29…弁棒
30,50…離間促進部
90…渦流形成部
90a〜90c…渦流形成溝
R1…流路
R2…流路
F…流体
P…軸線
Claims (3)
- 流体入口側の上流流路と流体出口側の下流流路とが弁室を介して互いに交差する方向に連続する構成とされ、前記弁室を区画する隔壁の前記上流流路の開口部に、下流に進むに従って漸次拡径する弁座が設けられた弁箱と、
前記弁座に着座可能な環状シール部が設けられ、前記弁座に対して進退可能に構成され、進退方向に所定の長さを有する柱状体に形成された弁体とを備え、
前記流体から前記弁体に対して作用する励振力を低減させる励振力低減手段を備え、該励振力低減手段は、前記弁座と前記環状シール部との間から流出した流体を、前記弁体から離間させる離間促進部であり、
前記離間促進部は、前記弁体の軸線に沿って略一定の径となった外周部の全体を覆う被覆部材が設けられて、前記被覆部材は前記環状シール部の下流側の端部よりも大径に構成されてなることを特徴とする弁装置。 - 流体入口側の上流流路と流体出口側の下流流路とが弁室を介して互いに交差する方向に連続する構成とされ、前記弁室を区画する隔壁の前記上流流路の開口部に、下流に進むに従って漸次拡径する弁座が設けられた弁箱と、
前記弁座に着座可能な環状シール部が設けられ、前記弁座に対して進退可能に構成された弁体とを備え、
前記流体から前記弁体に対して作用する励振力を低減させる励振力低減手段を備え、該励振力低減手段は、前記弁座と前記環状シール部との間から流出した流体を、前記弁体から離間させる離間促進部であり、
前記隔壁は、前記弁座から径方向外方側に連続して形成され、前記弁座よりも緩やかに傾斜した緩傾斜部と、前記緩傾斜部から径方向外方側に連続して形成された上段部を有し、
前記弁体は、前記環状シール部と前記弁体の外周部との間において、前記緩傾斜部よりも径方向外方側に延在する環状平面部を有し、
前記離間促進部は、前記弁体の軸方向に沿った断面において、前記緩傾斜部と前記弁体との間隙が大とされ、前記上段部と前記弁体との間隙が小とされた流路であることを特徴とする弁装置。 - 流体入口側の上流流路と流体出口側の下流流路とが弁室を介して互いに交差する方向に連続する構成とされ、前記弁室を区画する隔壁の前記上流流路の開口部に、下流に進むに従って漸次拡径する弁座が設けられた弁箱と、
前記弁座に着座可能な環状シール部が設けられ、前記弁座に対して進退可能に構成された弁体とを備え、
前記流体から前記弁体に対して作用する励振力を低減させる励振力低減手段を備え、該励振力低減手段は、前記弁座と前記環状シール部との間から流出した流体を、前記弁体から離間させる離間促進部であり、
前記隔壁は、前記弁座から径方向外方側に連続して形成され、前記弁座よりも緩やかに傾斜した緩傾斜部と、前記緩傾斜部から径方向外方側に連続して形成された上段部を有し、
前記弁体は、前記環状シール部と前記弁体の外周部との間において、前記緩傾斜部よりも径方向外方側に延在する環状曲面部を有し、
前記離間促進部は、前記弁体の軸方向に沿った断面において、前記緩傾斜部と前記弁体との間隙が大とされ、前記上段部と前記弁体との間隙が小とされた流路であることを特徴とする弁装置。
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