JP5700533B2 - 超解像再生光記録媒体及びその超解像再生方法 - Google Patents

超解像再生光記録媒体及びその超解像再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、光透過性を有し、記録と超解像再生とを同一層で行うことが可能な超解像再生光記録媒体及びその超解像再生方法に関する。
デジタルビデオディスクやブルーレイディスクなどの光記録媒体では基本的に、レーザ光波長λと対物レンズの開口数NAからなる再生光学系において、記録マークとそれに隣接する未記録スペースの長さが同じである記録マーク列に関し、再生可能な記録マークの長さは、解像限界(λ/4NA)以上である。
このような光記録媒体において、解像限界以下の長さの記録マークを再生する方法として、光記録媒体にレーザ光スポットを小さくする機能を有する機能層を付加し、媒体内で実質的にNAを高める技術が検討されている。例えば、前記機能層として、GeSbTeを用い、同材料の液相化に伴う屈折率変化を利用することで、再生性能の指標である搬送波対雑音比(Carrier to Noise Ratio;CNR)の高い超解像再生が実現可能とされている(例えば、特許文献1参照)。また、Sb又はTeを含む別組成の機能層材料を用いても、同様にCNRの高い超解像再生を行うことができる。
記録可能な超解像再生を行うための光記録媒体を構成するためには、通常、前記機能層とは別に、記録層(例えば、追記型記録層)と前記2層を分離するための保護層(誘電体層と称されることもある)の計3層が必要とされる。このことは、超解像再生を行わない光記録媒体が記録層1層のみであることに比べ、より多くの層を積層する必要があることを意味する。一方、記録容量を増やす観点からは、記録層及び保護層等の積層構造を同一記録媒体内に複数設けることが検討されている。しかしながら、Sb又はTeを含む機能層材料は、波長λを405nmや650nmとするレーザ光の消衰係数kが3〜4程度と比較的高く、入射側の層からより奥の層に対してレーザ光を導くことが困難であるため、前記機能層を含む積層構造数をあまり増やすことができない問題がある。
Sb、Te、Ge、Si等の酸化物及び窒化物は、それらの単体に比べ、光透過性が高いことが知られている。また、安定に存在する化学当量の酸化物あるいは窒化物よりも、その酸素あるいは窒素の組成xが低い場合(例えば、Geの酸化物であるGeOにおいて、xが2未満の場合)は、加熱によって、Sb、Te、Ge、Si等が生成、粒子化、結晶化することで、光透過性が下がった状態を生成することができることが知られている(非特許文献1〜5参照)。ここでいう酸化物及び窒化物とは、例えば、SbO(x<1.5)、TeO(x<2)、GeO(x<2)、SiO(x<2)、SbN(x<1)、TeN(x<1.33)、GeN(x<1.33)、SiN(x<1.33)である。
ところで、貴金属酸化物を使うことにより、記録と超解像再生を同じ層で行う光記録媒体が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この光記録媒体を用いて実際に超解像再生を行うためには、別途Sb又はTeを含む光吸収層を設ける必要があり、結果として積層数を減らすことができないという問題がある。
また、GeSbTeを用いて記録と超解像再生を同じ層で行う光記録媒体が報告されている(非特許文献6参照)。GeSbTeは、アモルファス相形成による記録とその結晶化による消去が行える、書き換え型の記録材料としても知られている。しかしながら、結晶化に要する温度は約200度、超解像再生を行うための液相化に要する温度は約600度であるため、超解像再生時には記録を到底保持することができない問題がある。また、同材料では、高い光透過性を確保することは難しいという問題がある。
更に、Ge−Sb−Te(組成比不明)を用いて記録と超解像再生を同じ層で行う光記録媒体が報告されている(非特許文献7参照)。この報告では、Ge−Sb−Teにアモルファス相形成による記録を行った後、未記録部分の結晶相をエッチングで取り除き、その部分を透明誘電体材料で充填することとしている。しかしながら、エッチング及び充填等を光ディスクプレーヤ内で行うことはできないという問題がある。即ち、この報告に係る光記録媒体は、記録型というよりは、むしろ再生専用の光記録媒体であると考えられる。
また、これらの従来技術に記載の方法により超解像再生を可能とすることで、光記録媒体の記録容量を一定程度増やすことが可能となるものの、これらの方法のみでは、市場で要求される充分な記録容量を確保することができないという問題がある。
特開平 5−258345号公報 特許第4582755号公報
Applied Physics Letters,89(2006),p.011902. Chinese Physics Letters,24(2007),p.1287. Journal of Applied Physics,54(1983)p.5376−5380. Applied Physics Letters 96(2010),p.263514. Japanese Journal of Applied Physics 46 (2007),p.612−620. Technical Digest of International Symposium on Optical Memory 2000,p.224−225. Japanese Journal of Applied Physics,45(2006),p.2593−2597.
本発明は、従来技術における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、超解像再生を実現しつつ、記録を行う層と再生を行う層とを1つの層とすることで、使用材料数の減少に伴う低コスト化と、製造プロセス数の削減による製造効率の向上を期待することができ、更に記録容量に優れた超解像再生光記録媒体及びその超解像再生方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 記録レーザを照射して記録マークが形成されるとともに、再生レーザを照射して前記記録マークが読み出し可能とされ、前記再生レーザの波長をλとし、対物レンズの開口数をNAとしたとき、λ/4NAで表される前記再生レーザからなる光学系の解像限界よりも短いマーク長の記録マークを含む超解像再生光記録媒体であって、少なくとも、基板と、前記記録マークの形成及び前記記録マークの読み出しを1つの層で行う記録兼再生層とを有し、前記記録兼再生層が光透過性を有し、前記基板上に複数配され、前記記録マークが、未記録状態の前記記録兼再生層の層形成材料に対して前記記録レーザを照射して生ずる熱反応性生成物により形成され、前記層形成材料が、GeO x、 GeN 、SiO 、SiN 、SbO 、SbN 、TeO 、TeN 及びこれらの2元素化合物を含む多元素化合物の少なくともいずれかを含有することを特徴とする超解像再生光記録媒体。
ただし、前記xは、前記2元素化合物が安定して存在する場合の化学当量よりも小さい値を示す。
<2> 記録兼再生層の消衰係数が、使用する記録レーザ及び再生レーザのいずれかの光の波長において、0.01〜2.0である前記<1>に記載の超解像再生光記録媒体。
> 記録兼再生層が2つの保護層で挟持されてなる積層構造を有し、前記積層構造がスペーサ層を介して複数配される前記<1>から<>のいずれかに記載の超解像再生光記録媒体。
> 積層構造が、少なくとも3つ配される前記<>に記載の超解像再生光記録媒体。
> 前記<1>から<>のいずれかに記載の超解像再生光記録媒体に対する超解像再生方法であって、記録兼再生層に記録レーザを照射して生成する熱反応性生成物によって超解像再生を行うことを特徴とする超解像再生方法。
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決することができ、超解像再生を実現しつつ、記録を行う層と再生を行う層とを1つの層とすることで、使用材料数の減少に伴う低コスト化と、製造プロセス数の削減による製造効率の向上を期待することができ、更に記録容量に優れた超解像再生光記録媒体及びその超解像再生方法を提供することができる。
図1は、試験例に係る超解像再生光記録媒体10の構造を説明する断面図である。 図2は、前記超解像再生光記録媒体10における記録マークのマーク長とCNRとの関係を示すグラフである。 図3は、前記超解像再生光記録媒体10のマーク長が150nmである記録マークに対する再生レーザ光パワーとCNRとの関係を示すグラフである。 図4は、本発明の一実施例に係る超解像再生光記録媒体110の構造を説明する断面図である。 図5は、本発明の他の実施例に係る超解像再生光記録媒体210の構造を説明する断面図である。 図6は、前記超解像再生光記録媒体210に対する再生レーザ光パワーとCNRとの関係を示すグラフである。
(超解像再生光記録媒体及びその超解像再生方法)
本発明の超解像再生光記録媒体は、記録レーザを照射して記録マークが形成されるとともに、再生レーザを照射して前記記録マークが読み出し可能とされ、前記再生レーザの波長をλとし、対物レンズの開口数をNAとしたとき、λ/4NAで表される前記再生レーザからなる光学系の解像限界よりも短いマーク長の記録マークを含み、その構造としては、少なくとも、基板と記録兼再生層とを有し、必要に応じて、その他の部材が配される。
<記録兼再生層>
前記記録兼再生層は、前記記録マークの形成及び前記記録マークの読み出しを1つの層で行うこととしてなる。また、該記録兼再生層は、光透過性を有し、前記基板上に複数配される。
前記記録兼再生層における記録マークの形成方法としては、超解像再生可能な記録マークを形成することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、未記録状態の記録兼再生層の層形成材料に対して記録レーザを照射して生ずる熱反応生成物により前記記録マークを形成することが好ましい。
前記層形成材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Ge、Si、Sb、Te、Bi、Sn、Zn、Co、Mo、Wのいずれかの元素と、O及びNのいずれかの元素とを含む化合物が挙げられるが、中でも、Ge、Si、Sb及びTeのいずれかの元素と、O及びNのいずれかの元素とを含む熱反応性化合物が好ましい。このような層形成材料により層形成すると、光透過性に優れた記録兼再生層が得られやすい。
なお、前記熱反応性化合物とは、熱が加わると、その構成の一部が、分離して生成、粒子化、結晶化する化合物を指す。
前記熱反応性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GeO、GeN、SiO、SiN、SbO、SbN、TeO、TeN及びこれらの2元素化合物を含む多元素化合物の少なくともいずれかを含有する化合物であることが好ましい。なお、前記多元素化合物とは、前記2元素以外の元素を含む化合物一般を指す。
これらの熱反応性化合物は、光透過性が高く、組成比xを変更することで記録に必要な光吸収とのバランスをとることもできる。前記超解像再生光記録媒体においては、記録層を多層化する観点から、前記記録兼再生層が光透過性を有する必要があるが、再生特性に優れた記録マークを形成するためには、前記記録レーザからの光吸収を受けて効率よく熱反応生成物が生成されることが好ましく、前記光透過性と光吸収のバランスが求められる。
例えば、前記GeOは、前記記録レーザの照射により、GeO→Ge+GeOの熱反応を経てGe微結晶を生成させて記録マークを形成し、Geが生成された部分(記録部)と、Geが生成されていない部分との反射率の差を利用して記録を可能とし、前記記録部に生成したGeによって超解像再生を可能とする。該熱反応させる前のGeO試料のxを2(GeO)よりも小さくしていくと光吸収性が高まる傾向にあり、前記熱反応に基づくGe微結晶が得られやすい。したがって、組成比xを調整することで、光透過性と光吸収のバランスをとりながら記録と超解像再生を行うことができる。
なお、前記層形成材料としては、前記酸化物材料に限定されることはなく、例えば、SbOやTeOのように、あらかじめSbとSbや、TeとTeOが混在した材料を選択することもできる。前記記録レーザの照射により、SbやTeが結晶化、粒子化して得られた記録部の光吸収率が未記録部のそれより高くなった結果、前記再生レーザの照射により、記録部の温度が上昇し、超解像再生を行うことが可能となる。
前記熱反応性化合物において、前記xとしては、前記2元素化合物が安定して存在する場合の化学当量よりも小さい値を示す材料が特に好ましい。
具体的には、GeO、SiO、TeOにおけるxの上限値としては、x<2が好ましく、SbOにおけるxの上限値としては、x<1.5が好ましく、SiN、GeN及びTeNにおけるxの上限値としては、x<1.33が好ましく、SbNにおけるxの上限値としては、x<1が好ましい。
一方で、前記xが小さすぎると、前記2元素化合物を構成するGe、Si、Te、Sbの単体と実質的に変りがなく、十分な光透過性が得られないため、前記xの下限値としては、以下の値が好ましい。
即ち、GeO、SiO、TeOにおけるxの下限値としては、x>0.2が好ましく、SbOにおけるxの下限値としては、x>0.27が好ましく、SiN、GeN及びTeNにおけるxの下限値としては、x>0.33が好ましく、SbNにおけるxの下限値としては、x>0.1が好ましい。
なお、現時点で、こうしたGe、Si、Sb、及びTeの少なくともいずれかを含む材料を用いて超解像再生できる理由は十分明らかでないが、高温化又は液相化に伴う屈折率変化に加え、サイズ縮小に伴う非線形光学効果が発現するためと推察される。
前記記録兼再生層を用いる光記録媒体の光学設計において、レーザ光で記録するためには、光吸収率を低くし過ぎることはできず、また、前記記録兼再生層を含む積層構造を増やすことで記録容量を増やすためには、1積層あたりの光透過率を十分高くすることが求められる。反射率について、光量を有効活用し、前記積層構造数を増やすためにも、前記積層構造あたりの反射率は、光ディスク評価機にとって問題が生じない程度に低い方が好ましい。通常再生時(非超解像再生時)の反射率を低く設計しておくことは、超解像再生時にレーザ光スポット内の一部分に生成する超解像スポット部分からの反射光強度を増やすことに繋がるため好ましく、このことは、前記積層構造数を増やすときの反射率設計の指針とも合致する。そのため、例えば、前記記録兼再生層を構成する前記熱反応性化合物の組成比xと、その膜厚を制御することにより、主に光吸収率を調整し、その前後に挟持する透明な保護層の膜厚を制御することにより、反射率を調整することが好ましい。
前記記録兼再生層の消衰係数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、使用する記録レーザ及び再生レーザのいずれかの光の波長において、0.01〜2.0が好ましい。
前記消衰係数が0.01未満であると、前記記録兼再生層の光吸収率を10%程度確保するのに必要な膜厚が数100nm必要となり、前記消衰係数が2.0を超えると、前記記録兼再生層を3層以上とする光記録媒体の反射率を1%程度確保するのに必要な膜厚が10nm程度以下となる。
<基板>
前記基板は、前記記録兼再生層を含む記録媒体の各構成層を支持するものとして配される。
前記基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のガラス材料、プラスチック材料からなる基板を挙げることができる。また、レーザ光による記録及び再生を前記基板を通じて行わない光学系に用いられる場合には、前記基板は、レーザ光に対して光学的に不透明であってもよい。
前記基板の形状としては、特に制限はなく、平板状のものや溝付きのものから目的に応じて適宜選択することができるが、レーザ光を基板上に走査させる際のガイドの役割を付与する観点から、溝付きの形状(凹凸形状)のものが好ましい。この溝は、前記基板上に配される各層においても形成させることができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護層、反射層、スペーサ層等が挙げられる。
−保護層−
前記保護層は、前記記録兼再生層を保護する役割を有し、前記記録兼再生層の表面及び裏面側から該記録兼再生層を挟持するように配される。前記超解像再生光記録媒体としては、特に制限はないが、前記記録兼再生層が前記2つの保護層で挟持されてなる積層構造を複数有することが好ましい。
前記保護層の形成材料としては、前記役割を果たすものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Si、SiO、SiC、TiO、ZnS、ZrO、Ta及びこれらのうち2種類以上から成る混合物を挙げることができるが、中でもZnS−SiOが好ましい。
前記ZnS−SiOに関し、ZnSとSiOの混合比(ZnS:SiO)としては、特に制限はないが、90mol%:10mol%〜60mol%:40mol%が好ましい。
−スペーサ層−
前記スペーサ層は、前記超解像再生記録媒体に複数配される前記各記録兼再生層を光学的に分離する役割を有し、隣接する前記記録兼再生層の間に配される。また、前記記録兼再生層が前記2つの保護層で挟持されてなる積層構造を複数有する場合には、隣接する前記積層構造の間に配される。
前記スペーサ層の形成材料としては、前記各記録兼再生層を光学的に分離することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明樹脂材料、透明フィルム等が挙げられる。
−反射層−
前記反射層は、前記記録兼再生層を含む積層構造の反射率の調整や温度制御する役割を有し、前記保護層を設ける場合は、前記積層構造の一方の面側、前記保護層を設けない場合は、前記記録兼再生層の一方の面側で、いずれも入射光から見て遠い方の面側に配される。
また、前記反射層は、レーザ光のガイドを行う目的で、前記溝付き基板上に配されてもよい。
前記反射層の形成材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Ag、Al、Au等の金属及びこれらを含む合金などが挙げられる。
(実施例1)
図1に示すように、ランド幅とグルーブ幅が340nm、グルーブ溝の深さが39nmの溝付きポリカーボネート基板1上に、(ZnS)85(SiO15(ZnS−SiOのZnS:SiOが85mol%:15mol%)からなる第1の保護層2aを厚み86nmで形成し、前記第1の保護層2a上に酸化ゲルマニウム(GeO)からなる記録兼再生層3を厚み47nmで形成し、前記記録兼再生層3上に(ZnS)85(SiO15からなる第2の保護層2bを厚み40nmで形成し、試験例に係る超解像再生光記録媒体10を製造した。なお、図1中、前記第1の保護層2aと前記記録兼再生層3と前記第2の保護層2bとで構成される積層体を積層構造体5としている。
ここで、前記第1及び第2の保護層2a、2bに係る(ZnS)85(SiO15層は、(ZnS)85(SiO15からなるターゲットをアルゴン雰囲気中でスパッタリングすることで形成した。
また、前記記録兼再生層3に係るGeO層は、ターゲットにゲルマニウム(Ge)を使い、アルゴンガスと酸素ガスの流量比が78:22のガス雰囲気において、反応性スパッタリング法により形成した。
得られたGeO層の光学定数は、波長405nmの光に対し、屈折率nが1.98、消衰係数kが0.07であった。
なお、前記屈折率n及び前記消衰係数kは、シリコンウェーハ上に成膜したGeOの単独膜について、分光エリプソメータ(ジェー・エー・ウーラム社製、VASE)を用いて測定したものである。
また、前記試験例に係る超解像再生光記録媒体10の積層構造体5における光透過率は、以下の光学計算から約84%と見積もられ、高い光透過性が得られた。
前記光学計算は、フレネルの式を用いて行った。
例えば、下記参考文献では、GeOの組成比xと複素屈折率の関係を0.27≦x≦2.0の範囲で系統的に調べた結果が報告されている。それによると、組成比xが増えるに従い、屈折率n、消衰係数kとも減少し、x=2.0では波長約400nmにおいて、屈折率n=約1.6、消衰係数k=約0.03になることが示されている。
したがって、前記測定に係るGeO層の光学定数(屈折率n、消衰係数k)から、GeOにおける組成比xは、x<2.0であると推察される。
参考文献:Applied Optics,33(1994),p.1203−1208.
前記試験例に係る超解像再生光記録媒体10の特性の測定は、レーザ光の波長(λ)が405nmであり、対物レンズの開口数(NA)が0.65である光学系からなる光ディスク評価装置(パルステック工業株式会社製、DDU−1000)を用いて行った。また、前記測定において、レーザ光は、前記溝付き基板1側から入射させた。
超解像再生の試験例に係る超解像再生光記録媒体10に対し、線速度2.2m/sにおいて、様々な長さのマークを、5mW〜8mWのレーザ光パワーで記録した。
記録後の前記光記録媒体10を1.0mWのレーザ光パワーで再生すると、図2に示すように、記録マーク長が200nmの記録マークに対しては約36dBのCNR特性が得られ、記録マーク長が300nm〜800nmの記録マークに対しては40dB以上のCNR特性を得られており、高いCNR特性を確認することができた。
ただし、前記光ディスク評価装置における解像限界は、約155nm(=λ/4NA)である。そのため、図2に示すように、記録マーク長が150nmの記録マークにおけるCNRは、約8dBと低い結果となった。
そこで、前記150nmの記録マークに対する再生レーザ光パワーを1.0mWから上げていくと、図3に示すように、CNR特性を向上させることができた。前記再生レーザ光パワーが3.5mWのとき、CNRが約36dBとなり、良好な超解像再生が可能であった。
<計算例>
記録兼再生層を複数配した本発明の実施例に係る超解像再生光記録媒体の特性を確認するため、図4に示す超解像再生光記録媒体を想定し、反射率特性の計算を行った。
即ち、厚みが86nmの第1の保護層102a(形成材料:(ZnS)85(SiO15)と、厚みが47nmの記録兼再生層103(形成材料:GeO)と、厚みが40nmの第2の保護層102b(形成材料:(ZnS)85(SiO15)とを積層させた3層の積層構造体105a,105b,105cが、樹脂製のスペーサ層104(屈折率n=1.55)を介して形成され、3つめの積層構造体105cが溝付きポリカーボネート基板101(屈折率n=1.63)に支持される超解像再生光記録媒体110を想定し、3つの積層構造体105a,105b,105cに対する光の反射率を計算した。なお、ここでは、用いる光の波長を405nmとし、積層構造体105a側からレーザ光Lを入射させた条件とした。
ここで、反射率の計算は、以下の手順にて行った。まず各積層構造体を単位とする反射率及び光透過率をフレネルの式を使って計算した。レーザ光入射側から見て最表面にある積層構造体105aについては、計算結果をそのまま光記録媒体としての反射率とした。レーザ光入射側から見て、奥にある積層構造体105bについては、その間にある積層構造体105aの光透過率を、光が通過する回数(2回)分だけ積層構造単位の反射率に乗算することで、光記録媒体としての反射率を算出した。レーザ光入射側から見て最も奥にある積層構造体105cについては、その間にある積層構造体105aと105bの光透過率を、光が通過する回数(2回)分だけ積層構造単位の反射率に乗算することで、光記録媒体としての反射率を算出した。
レーザ光入射側に近い順、即ち積層構造体105a、積層構造体105b、積層構造体105cの反射率は、この順でそれぞれ約3.0%、約2.3%、約1.3%と十分高くなり、この超解像再生記録媒体110は、少なくとも記録兼再生層を3層とした多層化が可能であると試算された。
(実施例2)
図5に示すように、市販DVDと同一規格の溝付きポリカーボネート基板201上に、Ag98PdCuからなる反射膜206を10nm形成し、樹脂材料からなるスペーサ層204aを約260μm形成した。スペーサ層204a上に、(ZnS)85(SiO15からなる第1の保護層202bを40nmの厚みで、GeOからなる記録兼再生層203を47nmの厚みで、(ZnS)85(SiO15からなる第2の保護層202aを86nmの厚みで、この順に積層し、積層構造205cを作製した。
積層構造205c上に、厚み約14μmのスペーサ層204bと、積層構造205cと同様の構造を有する積層構造205bと、厚み約14μmのスペーサ層204cと、積層構造205cと同様の構造を有する積層構造205aと、厚み約41μmのスペーサ層204dとを、この順に形成し、記録兼再生層203を3層有する実施例2における超解像再生光記録媒体210を作製した。
ここで前記各スペーサ層は、紫外線硬化樹脂を塗布してスピンコートし、紫外線ランプにて樹脂を硬化する方法で形成した。
また、反射膜206は、Ag98PdCuからなるターゲットをアルゴン雰囲気中でスパッタリングすることで形成した。
また、前記各記録兼再生層及び前記各保護層は、実施例1と同様の方法により形成した。
実施例2における超解像再生光記録媒体210の特性の測定は、レーザ光の波長が405nmであり、対物レンズの開口数(NA)が0.85である光学系からなる光ディスク評価装置(パルステック工業株式会社製、ODU−1000)を用いて行った。本装置における基板溝の走査は、405nmのレーザ光と同軸上に設けた波長650nmの別のレーザ光を用いた。また前記測定において、両レーザ光は、基板とは反対側から入射させた。
実施例2における超解像再生光記録媒体210に対し、最も基板側に近い積層構造205cに、線速度2.46m/sにおいて、115nmの長さのマークを22mWのレーザ光パワーで記録した。前記光ディスク評価装置における解像限界は、約119nmである。そのため、1.0mWのレーザ光パワーで再生すると、図6に示すように、CNRは約6dBと低い結果となった。
そこで、前記115nmの記録マークに対する再生レーザ光パワーを1.0mWから挙げていくと、図6に示すように、CNR特性を向上させることができた。前記再生レーザ光パワーが3.0mWのとき、CNRが約28dBとなり、良好な超解像再生が可能であった。
1、101、201 溝付き基板(基板)
2a、102a、202b 第1の保護層
2b、102b、202a 第2の保護層
3、103、203 記録兼再生層
5、105a、105b、105c、205a、205b、205c 積層構造体
206 反射膜
10、110、210 超解像再生光記録媒体
104、204a、204b、204c、204d スペーサ層
L レーザ光

Claims (5)

  1. 記録レーザを照射して記録マークが形成されるとともに、再生レーザを照射して前記記録マークが読み出し可能とされ、前記再生レーザの波長をλとし、対物レンズの開口数をNAとしたとき、λ/4NAで表される前記再生レーザからなる光学系の解像限界よりも短いマーク長の記録マークを含む超解像再生光記録媒体であって、
    少なくとも、基板と、前記記録マークの形成及び前記記録マークの読み出しを1つの層で行う記録兼再生層とを有し、
    前記記録兼再生層が光透過性を有し、前記基板上に複数配され
    前記記録マークが、未記録状態の前記記録兼再生層の層形成材料に対して前記記録レーザを照射して生じる熱反応性生成物により形成され、
    前記層形成材料が、GeO x、 GeN 、SiO 、SiN 、SbO 、SbN 、TeO 、TeN 及びこれらの2元素化合物を含む多元素化合物の少なくともいずれかを含有することを特徴とする超解像再生光記録媒体。
    ただし、前記xは、前記2元素化合物が安定して存在する場合の化学当量よりも小さい値を示す。
  2. 記録兼再生層の消衰係数が、使用する記録レーザ及び再生レーザのいずれかの光の波長において、0.01〜2.0である請求項1に記載の超解像再生光記録媒体。
  3. 記録兼再生層が2つの保護層で挟持されてなる積層構造を有し、前記積層構造がスペーサ層を介して複数配される請求項1から2のいずれかに記載の超解像再生光記録媒体。
  4. 積層構造が、少なくとも3つ配される請求項3に記載の超解像再生光記録媒体。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の超解像再生光記録媒体に対する超解像再生方法であって、記録兼再生層に記録レーザを照射して生成する熱反応性生成物によって超解像再生を行うことを特徴とする超解像再生方法。
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