JP5700394B2 - 耐食性に優れる自動車シャシ部材およびその製造法 - Google Patents

耐食性に優れる自動車シャシ部材およびその製造法 Download PDF

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本発明は、鋼板をアーク溶接法で接合して組み立てるフレーム、足廻り部材等の自動車シャシ部材に関し、特にアーク溶接部の耐食性に優れる自動車シャシ部材およびその製造方法に関する。
自動車の足廻り部材等のシャシ部材は、主に熱延鋼板をプレス成形等により所定の形状の鋼板部材に成形し、それらをアーク溶接法で接合することによって組み立てられる。その後、塗膜密着性を付与するためにリン酸塩処理を施した後、カチオン電着塗装を施して使用に供される。
カチオン電着塗装を施した熱延鋼板では飛び石によるチッピングにより塗膜が損傷するとその部分を起点に腐食が進行する。また、自動車用シャシ部材のアーク溶接では重ねすみ肉溶接を行う場合が多いが、溶接ビード部およびビード止端部近傍部ではアーク溶接時の溶接入熱により鋼板表面にFeスケールが生成し、走行中の振動による疲労によりFeスケールがカチオン電着塗膜とともに剥離して耐食性が低下する。このため、自動車用シャシ部材では腐食による板厚減少量を見込んで強度設計する必要がある。具体的には、従来、衝突安全性の観点から引張強さ340〜440MPa級の鋼種からなる板厚3〜4mmの高強度熱延鋼板を使用することが多かった。
近年、更なる衝突安全性の向上と軽量化が望まれるようになり、シャシ部材用の鋼板には590MPa以上の高強度鋼板を使用するニーズが高まっている。また、長寿命化のための防錆性能向上も求められている。そこで、引張強度が590MPa以上の鋼板に合金化溶融亜鉛系めっきを施した鋼板が自動車用シャシ部材に使用され始めている。しかしながら、亜鉛系めっき鋼板にアーク溶接を施すと、特に高温に曝される溶接ビード止端部の近くではめっき層が蒸発して消失し、その部分にFeスケールが生成してしまう。このためFeスケールごと塗膜が剥離しやすいという従前の熱延鋼板の欠点は、亜鉛系めっき鋼板を用いても改善されていない。また、溶接時にめっき層が溶融した部分では後述するように鋼素地との界面にFe濃度の高いFe−Al系合金層が生成し、亜鉛系めっき層本来の耐食性を阻害するという問題も顕在化した。
特許文献1には、一般的な溶融亜鉛めっき鋼板よりも耐食性の高い溶融Zn−Al系合金めっき鋼板や溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板をアーク溶接で接合する方法が開示されている。それによると、ステンレス鋼または銅合金の接合材料を用いて、適切な条件でアーク溶接を行えば、溶接時にビード止端部近傍部でZnは蒸発するものの、Znに比べて沸点の高いAlが残存し、Al酸化物として鋼板表面を被覆するために耐食性が向上するとされる。しかし、発明者らの検討によれば、Al酸化物はリン酸塩結晶の生成を阻害するためにカチオン電着塗膜の密着性を低下させる要因となる。このため、特許文献1の技術はチッピングや振動疲労による塗膜剥離が起きない建材には適用できるが、自動車シャシ部材では耐食性が不足する。
また、特許文献1の技術は板厚が3mmを超える亜鉛系めっき鋼板に適用されるものである。これは、板厚が3mm以下と薄い条件では、溶接時の入熱により接合部の鋼板裏面のめっき層が蒸発してめっき損傷が生じ、鋼板裏面の耐食性の劣化を招くことがあるためである。この点でも特許文献1の技術は自動車シャシ部材の軽量化ニーズには十分対応できない。
さらに、溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板をアーク溶接すると、溶融金属脆化割れが発生しやすいことが知られている(特許文献2)。この場合、アーク溶接部の疲労強度が低下して問題となることがある。特許文献1の技術では、この溶融金属脆化割れに対する特段の配慮はなされていない。
特開2006−35294号公報 特開2003−3238号公報
上述のように、アーク溶接で組み立てられる従来の自動車シャシ部材では、アーク溶接部の耐食性が不十分であるため薄肉化の設計が難しく、長寿命化と高強度・軽量化の両方を満足することができなかった。本発明は、これらの問題点を解決し、アーク溶接部の耐食性に優れる高強度の自動車シャシ部材を提供することを目的とする。
発明者らは詳細な研究の結果、特定のアーク溶接条件で溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板をアーク溶接したときに、ビード止端部近くでめっき層が蒸発しても、その周囲で溶融しためっき金属が溶接後の降温過程でビード止端部まで速やかに濡れ拡がる現象を実現させることが可能となることを見出した。そして、濡れ拡がったZn−Al−Mg系合金層および、その下地に形成されるFe−Al系合金層の組成などを、溶接条件によって適切にコントロールすれば、溶接部での耐食性を安定して向上させることができることがわかった。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明では、板厚1.0〜3.0mmの溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板部材同士をアーク溶接で接合した接合部を持つ部材であって、
溶接前にめっき層を有していた鋼板表面は溶接ビード止端部まで連続的にZn−Al−Mg系合金層で覆われており、そのZn−Al−Mg系合金層と鋼素地の間にはFe−Al系合金層が存在し、
溶接ビード止端部からの距離が2mm以内の鋼板表層部において、Zn−Al−Mg系合金層は平均Al濃度:0.2〜22.0質量%、平均Mg濃度:1.0〜10.0質量%、且つFe−Al系合金層は平均Fe濃度:70.0質量%以下である自動車シャシ部材が提供される。
溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板部材とは、溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板を素材として成形加工した部材であって、切断端面、打抜き面、穴開け部など板厚方向の断面が露出している部分を除く表面に溶融Zn−Al−Mg系合金めっき層を有するものをいう。板厚は、めっき層を含めない「めっき原板」の板厚を意味する。溶接ビード止端部は、母材の面と溶接ビードの表面とが交わる位置である。
前記溶融Zn−Al−Mg系合金めっきの組成は、質量%で、Al:3.0〜22.0%、Mg:0.05〜10.0%、Ti:0〜0.10%、B:0〜0.05%、Si:0〜2.0%、Fe:0〜2.0%、残部Znおよび不可避的不純物からなるものであることがより好適である。
前記溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板のめっき原板は、質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.10〜1.50%、Mn:1.00〜2.50%、Al:0.010〜0.100%、Ti:0.010〜0.100%、B:0.0001〜0.0100%であり、必要に応じてさらにNb、Cr、Mo、Pの1種以上を合計1.00%以下の範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるものであることがより好適である。
上記の自動車シャシ部材の製造方法として、溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板部材同士をアーク溶接接合するに際し、片面当たりのめっき付着量が20〜250g/m2の溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板部材を使用し、下記(1)式で表される溶接入熱Q(J/cm)をめっき付着量に応じて下記(2)式の成立範囲にコントロールする製造法が採用できる。
Q=(I×V)/v …(1)
13W+1140≦Q≦15W+8720 …(2)
ただし、I:溶接電流(A)、V:アーク電圧(V)、v:溶接速度(cm/sec)、W:片面当たりのめっき付着量(g/m2
本発明によれば、従来の自動車シャシ部材で問題となっていたアーク溶接部のビード止端部近傍部における耐食性低下が回避され、高強度と高耐食性に優れた自動車シャシを構築することが可能となった。これにより、部材の長寿命化が実現され、また薄肉化による軽量化のニーズにも対応できる。
重ねすみ肉溶接継手の溶接部断面構造を模式的に示した図。 鋼板部材が従来の熱延鋼板である場合の溶接継手断面構造を模式的に示した図。 高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板のアーク溶接時において、アークが通り過ぎた直後の高温の溶接部近傍の断面状態を模式的に示した図。 図3の状態から冷却された従来の高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板溶接継手の断面構造を模式的に示した図。 図3の状態から冷却された本発明の高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板溶接継手の断面構造を模式的に示した図。 溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板をアーク溶接した場合の止端部近傍の被覆状態と溶接部外観に及ぼすめっき付着量Wと溶接入熱Qの影響を例示したグラフ。 耐溶融金属脆化割れ性を調べるための溶接実験方法を示した図。 耐食性試験等に用いた重ねすみ肉溶接継手の形状を模式的に示した図。 複合腐食試験(CCT)条件を示した図。
図1に、重ねすみ肉溶接継手の溶接部断面構造を模式的に例示する。自動車シャシにはアーク溶接によるこの種の溶接継手が多用されている。鋼板部材である母材1、母材1’が重ねられて配置され、母材1の表面と母材1’の端面に溶接ビード2が形成され、両部材が接合されている。
図2〜図5は、図1に示した止端部3の近傍に相当する部位の溶接継手断面構造を拡大して模式的に示したものである。
図2に、鋼板部材が従来の熱延鋼板である場合の溶接継手断面構造を模式的に示す。母材1の表面には、溶接ビード2の止端部3の近傍に、溶接入熱で母材1が高温に曝されたことに起因してFeスケール4が形成されている。Feスケール4は母材1との密着性に劣るため、このような状態で塗装を施した場合には、自動車の振動が繰り返されると止端部3近傍の塗膜がFeスケール4と共に母材から剥離して脱落しやすい。塗膜が脱落すればその部分の耐食性が確保されないため、腐食しろを見込んで厚肉の設計を余儀なくされる。なお、図2中のFeスケール4の厚さは誇張して描いてある。
図3に、高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板のアーク溶接時において、アークが通り過ぎた直後の高温の溶接部近傍の断面状態を模式的に示す。母材1の表面は、溶接前に均一なめっき層7に覆われていたが、アークの通過によって止端部3の近くでは溶融しためっき層由来金属が蒸発して消失している(めっき層蒸発領域9)。それより止端部3からの距離が大きい部分では、元のめっき層7が溶融してZn−Al−Mg系溶融金属8となるが、蒸発による消失には至っていない。さらに止端部3からの距離が大きくなると、元のめっき層7が溶融せずに存在している。なお、図3中、Zn−Al−Mg系溶融金属8およびめっき層7の厚さは誇張して描いてある。
図4に、図3の状態から冷却された従来の高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板溶接継手の断面構造を模式的に示す。溶接時にめっき層が蒸発した止端部3近傍の領域(図3のめっき層蒸発領域9)にはFeスケール4が形成されている。その隣には溶融凝固領域10があり、この領域には蒸発せずに残ったZn−Al−Mg系溶融金属(図3の符号8)が凝固して存在している。さらに止端部3から遠い領域にはめっき層未溶融領域11があり、この領域には元のめっき層(図3の符号7)が存在している。符号5はZn−Al−Mg系合金層であり、これは、溶融凝固した金属と元のめっき層の部分によって構成される。Zn−Al−Mg系合金層5と母材1との間にはFe−Al系合金層6が介在している。Fe−Al系合金層6は母材成分のFeとめっき成分のAlが反応したものであり、Zn−Al−Mg系合金層5と母材1との密着性を担う。ただし、溶融凝固領域10のFe−Al系合金層6は、元のめっき層の下に存在するものより厚く成長する。この層が過度に成長すると逆にめっき密着性が低下する。また、Fe−Al系合金層6中のFe濃度が過大になると耐食性を損なうようになる。図4に示した断面構造ではFeスケール4の生成が塗膜剥離の原因となり、耐食性を劣化させる。なお、図4中、Feスケール4、Zn−Al−Mg系合金層5およびFe−Al系合金層6の厚さは誇張して描いてある。
図5に、図3の状態から冷却された本発明の高強度溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板溶接継手の断面構造を模式的に示す。この場合、溶接時にめっき層が蒸発した止端部3近傍の領域(図3のめっき層蒸発領域9)に図3のZn−Al−Mg系溶融金属8が濡れ拡がり、めっき層未溶融領域11より止端部3寄りの領域の全体が溶融凝固領域10となっている。すなわち、後述するようにアーク溶接条件を適正化することによって溶接後の冷却過程で速やかに図3のZn−Al−Mg系溶融金属8が止端部3まで流動して、母材1の鋼素地表面を覆い尽くす。このため、図4に示したFeスケール4は形成されない。このように溶接前にめっき層を有していた母材1の表面が、溶接時に未溶融であっためっき層から溶接ビード止端部まで連続的にZn−Al−Mg系合金層で覆われていて、且つ、止端部3近傍におけるZn−Al−Mg系合金層5、およびその下地に存在するFe−Al系合金層6の化学組成が適正範囲に調整されている場合に、溶接部近傍での良好な耐食性が維持される。そのような溶接継手は後述図6に示した適正範囲のアーク溶接条件によって実現される。なお、図5中、Zn−Al−Mg系合金層5およびFe−Al系合金層6の厚さは誇張して描いてある。
〔アーク溶接条件〕
図6に、板厚2mm、めっき付着量20〜250g/m2の溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mgめっき鋼板を用いて、アーク溶接により図1に示したタイプの重ねすみ肉溶接継手を作製し、めっき付着量Wと溶接入熱Qを種々変化させた場合の、止端部3近傍の被覆状態、およびアーク溶接部外観に及ぼす影響を調べた結果を例示する。溶接ガスはAr+20vol.%CO2とした。溶接入熱Qは溶接電流Iと溶接速度vを変化させることによって調整した。溶接入熱Q(J/cm)の値は前記(1)式により定まる。図5に対応する溶接部近傍の断面を走査型電子顕微鏡で観察した。ビード止端部3までZn−Al−Mg系合金層5が形成され、かつスパッタが発生しないか軽微であるものを○、ビード止端部3近傍のめっき層が蒸発により消失したままの箇所(Zn−Al−Mg系合金層不存在部)が見られるものを×とした。また、アーク溶接部の外観を目視観察して、スパッタの発生が多く製品としての良好な外観を有していないと判断されるものを△とした。そして、○評価のものを合格と判定した。
図6からわかるように、溶接入熱Qが前記(2)式の範囲内であればビード止端部3までZn−Al−Mg系合金層5が形成された。また、これらのものは止端部3近傍におけるZn−Al−Mg系合金層5の厚さおよび化学組成、並びにその下地に存在するFe−Al系合金層6の化学組成が後述する適正範囲に調整されており、溶接部近傍での耐食性に優れるものであることが別途確認されている。
これに対し、溶接入熱Qが図6中のQ<13W+1140の領域では、ビード止端部3までめっき層由来の溶融金属が到達しない状態となる。
一方、溶接入熱Qが図6中のQ>15W+8720の領域では、ビード止端部3までZn−Al−Mg系合金層5で覆われたが、入熱過多でスパッタが著しく発生した。スパッタが著しいと塗装外観を損ねる。また、溶接入熱Qが過大になると後述するようにFe−Al系合金層6が厚く成長するとともにFe濃度が高くなり、Zn−Al−Mg系合金層5中のAl濃度の低下や密着性低下を招く。
板厚1mmおよび3mmの材料を用いて同様の調査を行った結果、溶接入熱Qが上記(2)式の範囲内であれば図6と同様の結果となることが確認された。なお、溶接入熱Qが本発明の範囲より小さい場合にめっき層が消失したままとなる原因は明確になっていないが、溶接入熱Qが元のめっき層7の溶融量あるいはZn−Al−Mg系溶融金属8(図3)の流動性に影響を及ぼしているものと推察される。
自動車シャシ部材を想定したアーク溶接において、止端部3近傍のめっき層が蒸発して消失するのは、通常、止端部から最大2mmまでの範囲となる。したがって、止端部3から2.0mm以内の領域(以下、単に「止端部近傍2mm領域」という)に形成される被覆層についての特性によって、溶接部の耐食性改善効果を評価することができる。図5中には、止端部近傍2mm領域を符号12で示した。
以下、各合金層、めっき浴、およびめっき原板の化学組成における「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。
〔止端部近傍2mm領域におけるZn−Al−Mg系合金層〕
種々検討の結果、止端部近傍2mm領域において、Zn−Al−Mg系合金層5の平均Al濃度は0.2〜22.0%、平均Mg濃度は1.0〜10.0%である必要がある。この領域の平均Al濃度が0.2%未満では耐食性改善効果が不十分であり、22.0%を超えても耐食性改善効果は飽和する。また、この領域の平均Mg濃度が1.0%未満では耐食性改善効果が不十分であり、10.0%を超えても耐食性改善効果は飽和する。この領域でのZn−Al−Mg系合金層5の組成は、めっき層7の組成および溶接条件(特にFe−Al系合金層6の成長の仕方)によってコントロールすることができる。溶融めっき層7の組成を後述の範囲とすることがZn−Al−Mg系合金層5の組成を適正化する上で有利となる。
止端部近傍2mm領域におけるZn−Al−Mg系合金層5の平均厚さは、1.0μm以上であることがより好ましい。それより薄くても耐食性改善効果は得られるが、高耐食性が得られる寿命を考慮すると1.0μm以上であることが有利となる。上限は、元のめっき層によって制約を受けるが、通常40μm以下の範囲で十分である。なお、この領域に生成されるZn−Al−Mg系合金層5には元のめっき層7に由来するTi、B、Si等の元素や母材1の成分元素(特にFe)が不可避的に含まれていて構わない。
〔止端部近傍2mm領域におけるFe−Al系合金層〕
Fe−Al系合金層6はアーク溶接後の冷却時にZn−Al−Mg系溶融金属8と母材1との合金化反応によって生成し、母材1とZn−Al−Mg系合金層5の密着性向上に寄与する。ただし、止端部近傍2mm領域におけるFe−Al系合金層6中の平均Fe濃度は70.0%以下であることが重要である。それを超えると、Fe−Al系合金層6が脆くなり密着性が低下することがわかった。
Fe−Al系合金層6の厚さが厚くなるほど、Fe−Al系合金層6を形成するために必要なAlがZn−Al−Mg系合金層5から消費されて、Zn−Al−Mg系合金層5の厚さおよびAl濃度が不足する状態が生じやすい。また、Fe−Al系合金層6は本質的に脆いので、過度に厚くなるとZn−Al−Mg系合金層5の密着性が低下しやすくなる。種々検討の結果、止端部近傍2mm領域において、各合金層の厚さには下記(3)式の関係が成立していることが、密着性の向上にはより効果的である。
[Fe−Al系合金層6の平均厚さ]/[Fe−Al系合金層6とZn−Al−Mg系合金層5からなる合金層全体の平均厚さ]≦0.5 …(3)
なお、この領域に生成されるFe−Al系合金層6には元のめっき層7に由来するTi、B、Si等の元素や母材のFe以外の成分元素が不可避的に含まれていて構わない。
〔元の溶融Zn−Al−Mg系合金めっき層〕
止端部近傍2mm領域におけるZn−Al−Mg系合金層5の組成を上述の適正範囲に調整するためには、元のめっき層7におけるAl濃度を3.0%以上、Mg濃度を1.0%以上としておくことが有利となる。特にAlは溶接入力Qが比較的大きい場合やめっき付着量が比較的少ない場合などに、Fe−Al系合金層6の成長に消費されやすい傾向があり、その場合には大幅な濃度低下が生じることもある。具体的な溶融Zn−Al−Mg系合金めっき層7の組成範囲としては、質量%で、Al:3.0〜22.0%、Mg:0.05〜10.0%、Ti:0〜0.10%、B:0〜0.05%、Si:0〜2.0%、Fe:0〜2.0%、残部Znおよび不可避的不純物からなるものが好適な対象となる。溶融めっき層の化学組成は、溶融めっき浴の組成をほぼ反映したものとなる。
Alは、めっき鋼板の耐食性向上に有効であり、また、めっき浴においてMg酸化物系ドロスの発生を抑制する。溶融めっき浴のAl含有量を3.0%以上とすればこれらの作用を発揮させることができるが、4.0%以上とすることがより好ましい。一方、Al含有量が22.0%を超えると、めっき層7の下地に脆いFe−Al合金層6が過剰に成長するようになり、めっき密着性の低下を招く要因となる。優れためっき密着性を確保するには15.0%以下のAl含有量とすることが好ましく、10.0%以下に管理しても構わない。
Mgは、めっき層表面に均一な腐食生成物を生成させてめっき鋼板の耐食性を著しく高める作用を呈する。その作用は溶融めっき浴のMg含有量が0.05%以上の範囲で発現するが、本発明では止端部近傍2mm領域におけるZn−Al−Mg系合金層5の平均Mg濃度を1.0%以上とするために、めっき層7中のMg濃度も1.0%以上とすることが有利となる。一方、Mg含有量が10.0%を超えるとMg酸化物系ドロスが発生し易くなり、高品質のめっき層を得ることが難しくなる。
溶融めっき浴中にTi、Bを含有させると、溶融めっき時における製造条件の自由度が拡大する等のメリットがある。このため、必要に応じてTi、Bの1種または2種を添加することができる。その添加量はTiの場合0.0005%以上、Bの場合0.0001%以上とすることがより効果的である。ただし、めっき層中のTiやBの含有量が過剰になると析出物の生成に起因しためっき層表面の外観不良を引き起こす要因となる。めっき浴にTiを添加する場合は0.10%以下の範囲、Bを添加する場合は0.05%以下の範囲とする。
溶融めっき浴中にSiを含有させると、母材1とめっき層7の界面に生成するFe−Al合金層6の過剰な成長が抑制され、溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板の加工性を向上させる上で有利となる。したがって、必要に応じてSiを含有させることができる。その場合は、溶融めっき浴のSi含有量を0.005%以上とすることがより効果的である。ただし、過剰のSi含有は溶融めっき浴中のドロス量を増大させる要因となるので、めっき浴中のSi含有量は2.0%以下に制限される。
溶融めっき浴中には、鋼板を浸漬・通過させる関係上、一般にはFeの混入が避けられない。Zn−Al−Mg系めっき浴中のFe含有量は概ね2.0%程度まで許容される。
溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板のめっき付着量(片面当たり)は20〜250g/m2とすることが好ましい。めっき付着量を片面当たり20g/m2以上とすることにより、アーク溶接時にビード止端部まで濡れ拡がるに足るZn−Al−Mg系溶融金属8(図3)の量を確保する溶接条件を設定しやすい。ただし、めっき付着量が250g/m2を超えると溶接時にブローホールが発生しやすくなる。ブローホールが発生すると溶接強度が低下する。
〔めっき原板〕
自動車シャシ用の溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板としては高強度であり、耐溶融金属脆化割れ性に優れるものであることが特に好適な対象となる。そのような鋼板として、質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.10〜1.50%、Mn:1.00〜2.50%、Al:0.010〜0.100%、Ti:0.010〜0.100%、B:0.0001〜0.0100%であり、必要に応じてさらにNb、Cr、Mo、Pの1種以上を合計1.00%以下の範囲で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼種をめっき原板に採用することが好ましい。各成分元素について簡単に説明する。
Cは、高強度化に必要な元素である。0.05%未満では590MPa以上の引張強度を得るのが難しくなり、0.25%を超えると延性が低下してプレス成形性が悪くなる。
Siは、延性を低下させることなく高強度化するのに有効な元素である。0.10%未満では強度向上効果が小さく、1.50%を超えると溶融めっきラインでの還元加熱時に鋼板表面にSiが濃化して酸化物となりめっき性を阻害する場合がある。
Mnは、Siと同様に高強度化に有効である。1.00%未満では強度向上効果が小さく、2.50%を超えると溶融めっきラインでの還元加熱時に鋼板表面にMnが濃化して酸化物となりめっき性を阻害しやすい。
Alは、製鋼時に脱酸剤として添加される。0.010%未満の含有量では脱酸効果が小さく、0.100%を超えるとSi、Mnと同様に還元加熱時に鋼板表面に濃化して酸化物となりめっき性を阻害する恐れがある。
Tiは、炭化物の析出強化により強度向上に寄与する元素である。0.010%未満では強度向上効果が小さく、0.100%を超えると再結晶温度が著しく高くなる。
Bは、アーク溶接時に熱影響部のオーステナイト粒界に偏析して、溶融したZn−Al−Mg系めっき層による溶融金属脆化割れを抑制する作用を呈する。0.0001%未満では溶融金属脆化割れ抑制効果が小さく、0.0100%を超えて添加しても効果が飽和するとともにコストアップとなる。
Nb、Cr、Mo、Pは、Bと同様にアーク溶接時に熱影響部のオーステナイト粒界に偏析して溶融金属脆化割れを抑制する作用を呈する。このため必要に応じてこれらの元素の1種以上を含有する鋼種を採用すればよい。これらの元素の合計含有量が0.01%以上確保されていることがより効果的である。ただし、これらの合計含有量が1.0%を超えても効果が飽和するとともにコストアップとなる。個々の元素については、Nbは0.10%以下の範囲がより好ましく、0.01〜0.10%であることが一層効果的である。Crは0.70%以下の範囲がより好ましく、0.10〜0.70%であることが一層効果的である。Moは0.50%以下の範囲がより好ましく、0.10〜0.50%であることが一層効果的である。Pは0.50%以下の範囲がより好ましく、0.05〜0.50%であることが一層効果的である。
〔めっき鋼板の板厚〕
自動車シャシ用途を考慮すると、上記の化学組成を有するめっき原板を使用した場合、板厚が1.0mm未満ではアーク溶接部の疲労強度が不足しやすい。一方、板厚が3.0mmを超えると溶接入熱Qを大きくする必要があり、スパッタが発生しやすくなる。板厚3.0mm以下であれば軽量化の観点からも従来の熱延鋼板材に対して有利となる。
〔アーク溶接〕
アーク溶接の手法は、本発明で規定した条件以外は特に限定されない。アーク溶接法ではシールドガスとして一般にAr、CO2またはAr+CO2の混合ガスが使用されるが、本発明ではシールドガスの種類、組成は特に限定されない。また、溶接ワイヤーも特に限定されず、軟鋼用のYGW12、Znめっき用のYGW14、590〜780MPa級高張力鋼用のYGW21等を用いればよい。
表1に示す組成の板厚2mm、板幅1000mmの冷延鋼帯を溶融めっきラインに通板して表2に示すめっき条件で溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造し、機械的性質と溶融金属脆化割れ性を調査した。
Figure 0005700394
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〔機械的性質の試験方法〕
圧延方向と平行にJIS5号引張試験片を採取し、JIS Z2241に従い常温で引張試験を行い、0.2%耐力(YS)、引張強さ(TS)、全伸び(T.El)を測定した。
〔耐溶融金属脆化割れ性の試験方法〕
図7に示すように、100mm×75mmの試験片14の中央部に直径20mm、長さ25mmの棒鋼のボス(突起)15を垂直に立て、アーク溶接した。溶接開始点からボス15の周囲を1周して、溶接開始点を過ぎた後もさらにビードを重ねて溶接を進め、溶接ビード16の重なり部分17ができたところで溶接を終了した。溶接中、試験片14は平板上に拘束された状態とした。この試験は実験的に溶接割れが生じやすい状況としたものである。溶接条件は以下のとおりである。
(アーク溶接条件)
・溶接電流:160A
・アーク電圧:20V
・溶接速度:0.4m/min
・溶接ワイヤー:YGW14
・シールドガス:Ar−20vol.%CO2、流量20L/min
溶接後、ボス15の中心軸を通り、且つビード重なり部分17を通る切断面20について、ビード重なり部分17近傍の試験片14部分を光学顕微鏡で観察することにより、試験片14に観測される最も深い割れの深さ(最大割れ深さ)を測定した。この割れは「溶融金属脆化割れ」であると判断される。
これらの試験結果を表3に示す。
Figure 0005700394
表3からわかるように、鋼A〜Lをめっき原板に用いた溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板は、張強さが590MPa以上であり、且つ優れた耐溶融金属脆化割れ性を呈する。鋼A〜Lは前述の化学組成を有するものである。したがって、特に耐溶融金属脆化割れ性を重視する場合は前述の化学組成を有するめっき原板を採用することが有利となる。
実施例1で用いた鋼A、C、E、F、H、I、K、Lの冷延鋼帯(板厚2mm、板幅1000mm)を溶融めっきラインに通板して、表4に示す種々のめっき条件で溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板を製造し、得られためっき鋼板から100mm×100mmのサンプルを採取し、同種のめっき鋼板サンプル2枚を図8に模式的に示すように重ねすみ肉アーク溶接にて接合した。溶接条件は表5に示す範囲で溶接電流とアーク電圧を変化させることにより種々の溶接入熱Qに調整した。得られた溶接継手サンプルの止端部近傍2mm領域におけるZn−Al−Mg系合金層5およびFe−Al系合金層6について、平均厚さ測定、元素分析を行った。また、溶接部のスパッタ発生状況、および溶接部の耐食性を調べた。
Figure 0005700394
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〔止端部近傍2mm領域の各合金層の平均厚さ想定方法〕
溶接継手サンプルの溶接ビードに垂直な断面について、図5に模式的に示した断面に相当する部分をSEM観察し、ビード止端部3からの距離で0.1mm位置から1.9mm位置までほぼ等間隔で10視野の断面写真(倍率2000〜5000倍)を撮影し、各位置におけるZn−Al−Mg系合金層5およびFe−Al系合金層6の厚さを測定し、それらの平均値をそれぞれ止端部近傍2mm領域のZn−Al−Mg系合金層およびFe−Al系合金層の平均厚さとした。
〔止端部近傍2mm領域の各合金層の元素分析方法〕
上記の厚さ測定(断面写真撮影)を行った各位置において、SEMに付設のエネルギー分散型蛍光X線分析装置を用いてZn−Al−Mg系合金層5中のAl濃度およびMg濃度、並びにFe−Al系合金層6中のFe濃度を測定し、各視野の平均値を止端部近傍2mm領域の上記各元素濃度とした。
〔溶接部のスパッタ発生状況の調査方法〕
アーク溶接部の外観を目視観察して、スパッタの発生が認められないか軽微であるため製品として十分に良好な外観を有していると判断されるものを○(良好)、それ以外を×(不良)と判断した。
〔溶接部の耐食性試験方法〕
上記の溶接継手サンプルに表6に示す条件で表面調整とリン酸塩処理を施し、表7に示す条件でカチオン電着塗装を施した。カチオン電着塗装したサンプルに、振動による疲労をシミュレートするために溶接方向と垂直方向に応力50N/mm2、試験回数1×105回の試験条件で疲労試験を施した後、図9に示す条件の複合腐食試験(CCT)に供し、CCT250サイクル後の赤錆発生有無を調査した。溶接部に赤錆の発生が認められないものを○(良好)、それ以外を×(不良)と判定した。
結果を表8に示す。
Figure 0005700394
Figure 0005700394
Figure 0005700394
表8に示すように、本発明に従う試験No.1〜15のものは溶接ビード止端部まで連続的にZn−Al−Mg系合金層で覆われており、スパッタの発生状況および溶接部耐食性は良好であった。
これに対し、比較例No.21、22は溶接ビード止端部まで連続的にZn−Al−Mg系合金層で覆われたが、止端部近傍2mm領域においてZn−Al−Mg系合金層5のAl濃度およびMg濃度が低く、また、Fe−Al系合金層6のFe濃度が高いために疲労試験で局部的にFe−Al系合金層6と母材1との界面で剥離して溶接部耐食性に劣った。No.23、25、27、29、31は溶接入熱Qが過小であったことにより溶接時に溶融しためっき層由来金属の濡れ拡がりが不十分となり、Zn−Al−Mg系合金層不存在部が生じ、その部分にFeスケール4が生成した。その結果、疲労試験でFeスケール4と母材1の界面で剥離して溶接部耐食性に劣った。No.24、26、28は溶接入熱Qが過大であったことによりスパッタが多く発生した。またFe−Al系合金層6のFe濃度が高くなり疲労試験で局部的にFe−Al系合金層6と母材1との界面で剥離して溶接部耐食性にも劣った。No.30、32は溶接入熱Qがかなり高いのでスパッタの発生が著しく増大し、溶接部で赤錆は発生しなかったもののスパッタが付着した部分を起点にして白錆が発生した。
1、1’ 母材
2 溶接ビード
3 止端部
4 Feスケール
5 Zn−Al−Mg系合金層
6 Fe−Al系合金層
7 めっき層
8 Zn−Al−Mg系溶融金属
9 めっき層蒸発領域
10 溶融凝固領域
11 めっき層未溶融領域
12 止端部近傍2mm領域
14 試験片
15 ボス
16 溶接ビード
17 ビード重なり部分
18 溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板
19 溶接ビード
20 切断面

Claims (6)

  1. 板厚1.0〜3.0mmの溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板部材同士をアーク溶接で接合した接合部を持つ部材であって、
    溶接前にめっき層を有していた鋼板表面は溶接ビード止端部まで連続的にZn−Al−Mg系合金層で覆われており、そのZn−Al−Mg系合金層と鋼素地の間にはFe−Al系合金層が存在し、
    溶接ビード止端部からの距離が2mm以内の鋼板表層部において、Zn−Al−Mg系合金層は平均Al濃度:0.2〜22.0質量%、平均Mg濃度:1.0〜10.0質量%、且つFe−Al系合金層は平均Fe濃度:70.0質量%以下である自動車シャシ部材。
  2. 前記溶融Zn−Al−Mg系合金めっきの組成は、質量%で、Al:3.0〜22.0%、Mg:0.05〜10.0%、Ti:0〜0.10%、B:0〜0.05%、Si:0〜2.0%、Fe:0〜2.0%、残部Znおよび不可避的不純物からなるものである請求項1に記載の自動車シャシ部材。
  3. 前記溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板のめっき原板は、質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.10〜1.50%、Mn:1.00〜2.50%、Al:0.010〜0.100%、Ti:0.010〜0.100%、B:0.0001〜0.0100%、残部Feおよび不可避的不純物からなるものである請求項1または2に記載の自動車シャシ部材。
  4. めっき原板は、さらにNb、Cr、Mo、Pの1種以上を合計1.00%以下の範囲で含有する請求項3に記載の自動車シャシ部材。
  5. 前記アーク溶接による、白錆発生の起点となるスパッタの付着が認められない請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車シャシ部材。
  6. 溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板部材同士をアーク溶接接合するに際し、片面当たりのめっき付着量が20〜250g/m2の溶融Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板部材を使用し、下記(1)式で表される溶接入熱Q(J/cm)をめっき付着量に応じて下記(2)式の成立範囲にコントロールする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車シャシ部材の製造法。
    Q=(I×V)/v …(1)
    13W+1140≦Q≦15W+8720 …(2)
    ただし、I:溶接電流(A)、V:アーク電圧(V)、v:溶接速度(cm/sec)、W:片面当たりのめっき付着量(g/m2
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