JP4320238B2 - Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の溶接方法 - Google Patents

Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の溶接方法 Download PDF

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本発明は、耐食性に優れたZn−Al−Mg合金めっき鋼板を、溶接部に溶融金属脆化割れを発生させることなく溶接する方法に関する。
溶融めっき鋼板は、優れた耐食性を活用し、腐食雰囲気に曝される屋根材,構造材等に広く使用されている。なかでも、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板に比較して格段に優れた耐食性を示しているので、自動車用はもとより、建築構造物や家電製品等に使用されようとしている。しかし、板状のままで使用されることはほとんどなく、何らかの手段で所要の形状に成形した後、各々の部品を溶接して最終製品を製造している。つまり、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を用いて所望製品を製造する際には、ほとんどで溶接工程が入ってくる。
溶接の種類としては、スポット溶接に代表されるような抵抗溶接と、アーク溶接に代表されるような溶融溶接がある。建築構造物や自動車の足廻り部品などでは、比較的高い接合強度が必要なことや板厚が比較的厚いこと、抵抗溶接での電極の低寿命などを考慮して、溶融溶接を用いる場合が多い。
溶融溶接は、非常に高い熱量を被溶接材に与えて溶融・凝固、場合によっては溶接ワイヤーを供給して溶接する方法である。Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶融溶接するとめっき原板である鋼母材も溶融するが、その母材表面に被覆されているめっき層も再溶融、あるいは蒸発する。
Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の場合、めっき層の融点が母材である鋼板の融点よりもかなり低いことから、溶接部の一部の領域や溶接部の周辺では、溶接中あるいは溶接後のある一定期間の間、めっき層が溶融状態で鋼板表面に存在することになる。鋼板上にめっき金属が溶融状態で存在した状態で、一定以上の引張り応力が作用すると、鋼板に割れが発生することが知られている。いわゆる「溶融金属脆化割れ」と称されているものである(例えば、非特許文献1参照)。
特に、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶融溶接しようとするとき、複数の条件が重なると、熱影響部近傍に溶融金属脆化割れが発生しやすく、問題となっている。
熱影響部近傍での溶融金属脆化割れの発生を抑制するために、溶接に先立って溶接部近傍のめっき層を除去することも行われている。しかしながら、めっき層の除去工程で粉塵を撒き散らすことになって作業環境を悪化させるばかりでなく、めっき層が除去された溶接部は、下地鋼が露出しているためめっき部に比較して耐食性が劣る。耐食性の低下は溶接部にめっき層と同種材料からなる溶射層等を形成することにより防止できるものの、溶接前のめっき層除去及び溶接後の溶射層形成と余分な工程を必要とするため、製造にかかる負荷が大きくなり、現実的ではない。
また、被溶接材の拘束方法を変更して作用する引張り応力を緩和させたり、被溶接材の残留応力を事前に低減させたりするなどの処置も施されている。しかし、この方法も、製品形状に応じて発生する応力や歪が異なるために、確実性に欠けるという問題がある。さらに溶接する際の入熱量をできるだけ低くして、発生・残存する熱応力を低減する方法もあるが、溶接する際の入熱量が少ないと十分な溶込みが得られないことがあり、溶接部の接合強度が不安定になるという問題がある。
本出願人は、特許文献1で、下地鋼の組成と溶融めっき層の組成を特定の組み合わせにすることにより、溶接時の溶融金属脆化割れを抑制する技術に関する提案をした。
また、本出願人は、鋼管製造時の溶接方法ではあるが、特許文献2で、アプセット量の調整によるメタルフロー角度の調整を、めっき層中のMg含有量に応じて行い、この調整により溶接部に加わる応力集中を緩和して溶融金属脆化割れの発生を抑制することを提案した。
しかし、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を適宜形状に成形した後溶接して構造物を構築する際に、溶接時に熱影響部に発生しやすい溶融金属脆化割れを防止する技術について、溶接手法から検討した先行例は少ない。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶融溶接する際に、めっき層を予め除去することなく、また入熱量を抑えることなく溶融溶接しても、溶接熱影響部に溶融金属脆化割れが発生することのない溶接方法を提供することを目的とする。
上田修三著「叢書 鉄鋼技術の流れ 第1シリーズ 第9巻 構造用鋼の溶接−低合金鋼の諸性質とメタラジー−」1997.6.1 株式会社地人書館,p274−276 特開2003−3238号公報 特開2002−115793号公報
本発明のZn−Al−Mg合金めっき鋼板の溶接方法は、その目的を達成するため、Zn−Al−Mg合金を鋼板表面にめっきしたZn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶接する際に、溶接部にMg成分除去作用を有する物質を予め塗布・載置し、あるいは供給しつつ、溶接に必要な熱量を付加することにより、溶接を行うとともに溶接時の熱でMg成分を除去することを特徴とする。
Mg成分除去作用を有する物質には、さらにAl成分除去作用をも有することが好ましい。
Mg成分及びAl成分除去作用を有する物質として、0〜100モル%のZnCl2と100〜0モル%のNH4Clの塩化物系混合物、あるいは0〜100モル%のKAlF4と100〜0モル%のK3AlF6のフッ化物系混合物が使用される。
なお、本発明では、Zn−Al−Mg合金めっき層として、Mg:0.05〜10質量%,Al:4〜22質量%を含む組成に調整されているものを想定している。さらに、任意成分として0.1質量%以下のTi,0.045質量%以下のB,あるいは2.0質量%以下のSiを含むものでもよい。
Zn−Al−Mg合金を鋼板表面にめっきした鋼板を溶接する際に、Mg成分除去作用の有する物質、さらにはAl成分除去作用をも有する物質を使用することにより、溶接時に、Mg成分が、さらにはAl成分もが溶接部から除去され、溶融めっき金属の融点が高くなって、溶接熱影響部の粗粒結晶粒の粒界に当該成分を含有する溶融金属が浸透することがなくなり、溶融金属脆化割れの発生を抑制することが可能となった。
このため、耐食性に優れるZn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶接しても、溶融金属脆化に起因する割れが発生することなく、健全な溶接部をもつ溶接製品が製造される。得られた溶接製品は、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板の本来の高耐食性を活用し、各種分野における構造部材等として使用される。
本発明者等は、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶接する際に溶接熱影響部に発生しやすい溶融金属脆化割れの発生メカニズムを次のように推察している。
Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶接すると、溶接熱で溶融したZn−Al−Mg合金はZn(融点420℃)に比較して液相線温度が低く、比較的長時間にわたって溶融状態を維持する。ちなみに、Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金の凝固終了温度は335℃である。溶接時にZn−Al−Mg合金中のAl分が下地Feと早期に反応しAl−Fe合金層となって消費されるに従って液相のAl濃度が低下し、最終的にはZn−Mg二元系になるが、Znの420℃と比較するとZn−3質量%Mgでも凝固終了温度が360℃と遥かに低い。
粗粒化した熱影響部が溶融金属に長時間曝され、かつ加熱後の冷却時に発生する引張り応力が加わることで、溶融金属が結晶粒界に侵入し、溶融金属脆化割れを引き起こす。このような溶融金属脆化割れは、通常の溶融Znめっき鋼板や溶融Zn−Alめっき鋼板ではほとんど見られないが、凝固終了温度の低いZn−Mg二元系液相が長時間存在するZn−Al−Mg合金めっき鋼板では比較的高い頻度で検出される。実際、割れが発生した溶接部を成分分析すると、Zn−Mgの存在が検証される。
Zn−Al−Mg合金中のMgの含有量が大きく影響していることは、次の予備的実験からも明らかである。
すなわち、Zn−Al−Mg合金中のMg量を3質量%から0.5質量%に減じたZn−6質量%Al−0.5質量%Mg合金をめっきした鋼板を溶接しても、同じ条件で溶接したZn−6質量%Al−3質量%Mg合金と比較すると、Mg含有量が少ない高融点合金めっき層を有する鋼板では溶接熱影響部に溶融金属脆化割れの発生はほとんど見られなかった。
同様の考え方から、Zn−Al−Mg合金のAl含有量をも低減してめっき合金の融点を高めることが、溶融金属脆化割れの防止に効果的であると推測される。
そこで、本発明者等は、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶接する際に、溶融されたZn−Al−Mg合金めっき層からMg成分を、さらにはAl成分をも除去し、融点を高めた溶融合金とすることによって、引張り応力が付加された溶接部にあっても、溶融金属の結晶粒界への侵入が抑えられ、その結果、溶融金属脆化割れの発生を抑えることができることに到達したものである。
そして、本発明者等は、さらに検討を続け、Zn−Al−Mg合金めっき層からMg成分及びAl成分を除去する作用を有する物質として、0〜100モル%のZnCl2と100〜0モル%のNH4Clの塩化物系混合物、あるいは0〜100モル%のKAlF4と100〜0モル%のK3AlF6のフッ化物系混合物が有効であることを見いだした。
これらの塩化物系混合物あるいはフッ化物系混合物にあっては、それぞれ単独の塩化物あるいはフッ化物でもMg成分及びAl成分の除去作用を有しているが、それぞれ同量程度の混合物で、かつ水溶液として用いることが好ましい。
次に、ZnCl2+NH4Clの混合物が有するMg成分及びAl成分除去作用について説明する。
ZnCl2+NH4Clの混合物は、約400℃程度に分解温度を有し、水溶性と潮解性を呈する物質である。通常、鋼板に溶融亜鉛めっきを施す際、鋼板表面を活性化し、また表面酸化を抑えるためにフラックスとして使用されている物質であるが、本発明では、溶接時にMg成分及びAl成分を除去させるために使用する。
この物質のMg成分及びAl成分除去作用について次の方法で検討した。まず、当該ZnCl2とNH4Clのモル比1:1の混合物を水溶液としてZn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっきを施した鋼板上に塗布し、乾燥後、溶接時の熱影響温度である500〜600℃に短時間加熱した。加熱後のめっき鋼板の断面組織を観察したところ、鋼の表面にFe−Zn系金属化合物層を介してZn層が形成されていた。SEM−EDX分析結果から、いずれの層からもMg成分及びAl成分は検出されなかった。塗布されたZnCl2+NH4Cl混合物の作用により、加熱時にMg成分及びAl成分が併せて除去されたものである。
ZnCl2+NH4Cl混合物の作用により、加熱時にMg成分及びAl成分が優先的に除去される理由については、次のように推測される。
乾燥されているとはいえ、ZnCl2+NH4Cl混合物の塗布面にはH2Oが残存している。このH2Oによりめっき層中のMgやAlがイオン化し、順次塩化物の塩素イオンと結合して、
・ Mg+ZnCl2 → MgCl2+Zn
・ 2Al+3ZnCl2 → 2AlCl3+3Zn
・ Mg+2NH4Cl → MgCl2+2NH3+H2
・ Al+3NH4Cl → AlCl3+3NH3+3/2H2
の反応式にしたがい、Mg,Alの塩化物を形成することで、めっき層中からMg及びAlが除去される。また、めっき層中のMg,Alは高温に加熱されることで酸化物を形成し、酸化によっても減少する。
なお、Mg成分及びAl成分除去作用を有する塩化物系の物質は潮解性を有しているために、溶接後、表面に残存している水分を吸収しつつ、その強い腐食性の影響でめっき鋼材に錆が発生しやすいので、残存物を溶接後速やかに洗い落とすことが好ましい。
次に、KAlF4+K3AlF6の混合物が有するMg成分及びAl成分除去作用について説明する。
KAlF4+K3AlF6の混合物は、約550〜600℃程度に分解温度を有し、通常、Al合金をろう付けする際にフラックスとして使用されている物質であるが、本発明では、溶接時にMg成分及びAl成分を除去させるために使用する。
このKAlF4+K3AlF6混合物のMg成分及びAl成分除去作用について次の方法で検討した。まず、当該KAlF4とK3AlF6のモル比1:1の混合物を水溶液として、Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっきを施した鋼板上に塗布し、乾燥後、溶接時の熱影響温度である550〜600℃に短時間加熱した。加熱後のめっき鋼板の断面組織を観察したところ、鋼板表面にFe−Zn系金属間化合物層が生成し、その上層部には細かに分断されたFe−Al系金属間化合物が分散しているZn層が形成されていた。Zn層からはMg成分及びAl成分はほとんど検出されなかった。塗布されたKAlF4+K3AlF6混合物の作用により、加熱時にMg成分が優先的に除去されたものである。また、AlはFe−Al系金属間化合物の形成によって、めっき層から除去されたものである。
KAlF4+K3AlF6混合物の作用により、加熱時にMg成分及びAl成分が優先的に除去される理由については、次のように推測される。
乾燥されているとはいえ、KAlF4+K3AlF6混合物の塗布面にはH2Oが残存している。このH2Oによりめっき層中のMgがイオン化し、
・ 3Mg+2KAlF4 → 2MgF3+MgF2+2Al
の反応式にしたがい、Mgフッ化物を形成し、めっき層中からMgが除去される。また、めっき層中のAlはFe−Al系金属間化合物を形成することで減少する。さらに、高温に加熱されるので、めっき層中のMg,Alの一部は酸化物を形成して減少する。
以上、Mg成分及びAl成分除去作用を有する物質の作用について説明したが、このような物質は、上記態様で説明したように、水溶液として溶接する箇所に予め塗布し、乾燥後溶接してもよいが、Mg成分及びAl成分除去作用を有する物質を、例えば固着剤を用いて溶接棒の表面に固着させ、溶接時に被溶接箇所に供給するようにしてもよい。
また、このMg成分及びAl成分除去作用を有する物質の使用量は、少量でもそれなりの効果は発揮する。しかしある程度の量でその効果は飽和するので、多すぎることはコスト的に好ましくない。また、塩化物系の物質を多量に用いると、その後の洗浄作業に負担がかかり、生産性を低下させることになる。溶接されるめっき鋼板の板厚やめっき厚あるいは溶接時の入熱量等を考慮しつつ、適宜決められる。
実施例1;
Zn−Al−Mg合金めっき鋼板として、表1に示す組成の板厚4.0mmの熱延鋼板を原板とし、片面当り90g/m2の付着量で溶融Zn−Al−Mg合金めっきを施したものを使用した。図1に示すように、100mm×100mmに切り出しためっき鋼板1を台(図示せず)上にクランプし、このめっき鋼板1上に、20mmφの丸棒体2を載置して、その周囲を図1中3で示す方向にボス溶接した。
ボス溶接条件はシールドガスとしてCO2を用い、溶接電流を217A,溶接電圧を25.5V,溶接速度を0.3m/分,トーチ角を45度,後退角を10度,シールドガスの流量を20l/分とした。溶接ワイヤーには直径1.2mmのYGW12を用いた。入熱条件の影響をみるために、溶接電流を241A,溶接電圧を27.0Vとした条件、及び溶接電流を269A,溶接電圧を29.6Vとした条件でも行った。
ボス溶接すると、図1中4で示すようなラップされた溶接ビードが形成され、ビード端から約7mmの範囲(図中破線で示される範囲の内側)に熱影響部5が形成されていた。
Figure 0004320238
この実施例では、Mg成分及びAl成分除去作用を有する物質として、ZnCl2を単独で、またZnCl2とNH4Clをモル比1:1で混合して用い、これらを水溶液にして丸棒体2の周囲に塗布した。熱風を吹き付けて乾燥させた後、上記溶接条件でボス溶接した。
溶接後、速やかに表面残存物を水洗除去した。
溶接されたものの表面を目視観察しても、いずれの熱影響部近傍にも割れは観察されなかった。入熱量の影響も認められなかった。
また、この溶接体の熱影響部の断面を顕微鏡観察するとともに、成分分析を行った。
その結果を、図2と表2に示す。なお、表2で示した分析値は、図2中の指示箇所を、
SEM−EDXで分析した測定値である、
この結果からもわかるように、めっき層は、溶接時の加熱によってMg成分及びAl成分はほとんど除去され、Fe−Zn系金属化合物層へと変化している。
Figure 0004320238
実施例2;
実施例1で用いたものと全く同じめっき鋼板を用い、Mg成分及びAl成分除去作用を有する物質としてモル比1:1のKAlF4+K3AlF6混合物を用いた以外は、実施例1と同じ条件でボス溶接した。
この実施例でも、溶接されたものの表面の熱影響部近傍に、割れは観察されなかった。
比較例;
Mg成分及びAl成分除去作用を有する物質を用いずに、実施例1,2と同じ素材を使用し、実施例1,2と同じ条件でボス溶接した。
溶接されたものの表面を目視観察すると、ラップビード部の熱影響部近傍に割れが発生していた。
上記実施例1,2及び比較例の溶接結果をまとめると、表3に示す通りとなる。
なお、表3中、○は割れなしを,×は割れありを表わす。
以上の結果から、Mg成分及びAl成分除去作用を有する物質を溶接部に供給して溶接を行うと、溶融めっき金属からMg成分及びAl成分が除去され、溶融めっき金属はZnを主体としたものとなって溶融温度が高くなる。このため、溶接後の冷却時に溶接熱影響部に引張りの応力が作用しても、溶融温度が高くなっためっき金属の結晶粒界への侵入が抑制され、結果的に溶融金属脆化に起因した割れの発生がなくなっている。
Figure 0004320238
ボス溶接試験方法を模式的に説明する図 塩化物を塗布して溶接した際の熱影響部の断面観察画面

Claims (4)

  1. Zn−Al−Mg合金を鋼板表面にめっきしたZn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶接する際に、溶接部にMg成分除去作用を有する物質を予め塗布・載置し、あるいは供給しつつ、溶接に必要な熱量を付加することにより、溶接を行うとともに溶接時の熱でMg成分を除去することを特徴とするZn−Al−Mg合金めっき鋼板の溶接方法。
  2. Mg成分除去作用を有する物質として、さらにAl成分除去作用をも有する物質を用い、溶接時の熱でMg成分及びAl成分を除去することを特徴とする請求項1記載のZn−Al−Mg合金めっき鋼板の溶接方法。
  3. Mg成分及びAl成分除去作用を有する物質として、0〜100モル%のZnCl2と100〜0モル%のNH4Clの塩化物系混合物を用いることを特徴とする請求項2に記載のZn−Al−Mg合金めっき鋼板の溶接方法。
  4. Mg成分及びAl成分除去作用を有する物質として、0〜100モル%のKAlF4と100〜0モル%のK3AlF6のフッ化物系混合物を用いることを特徴とする請求項2に記載のZn−Al−Mg合金めっき鋼板の溶接方法。
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