JP5699920B2 - 車両用音響装置 - Google Patents

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本発明は、車両用音響装置に関する。
従来、車両において聴覚情報を提供する装置の一つとして、車両用音響装置が知られている。例えば車両用音響装置としては、方向指示ランプを点滅させるメカニカルリレーの作動音を、当該点滅時のターン音として提供するものがあった。しかし、近年、方向指示ランプの点滅にメカニカルリレーが使われなくなってきたことに伴い、ターン音を擬似的に再現する必要性が生まれている。
そこで、特許文献1に開示の車両用音響装置では、擬似的な作動音を再現するために、制御回路により複数の発信回路を制御することで、周波数の異なる複数の音響成分信号を生成し、それら音響成分信号同士を時系列に合成して音響部としてのスピーカから出力している。
特許第4033578号公報
さて、再現対象となる実際の作動音は、複数の周波数の音波が重なり合った音である。これに対し、特許文献1に開示の車両用音響装置において擬似的に再現される作動音は、各発信回路から出力される各音響成分信号の振幅が重ね合わされないように制御されていることに起因して、単一周波数の音波を時系列につなげただけの音となっている。即ち、特許文献1に開示の車両用音響装置から出力される作動音は、複数の周波数の音波が重なり合っていない。そのため、再現対象の作動音と擬似的な作動音とで音色の差が大きくなり、車両の乗員に違和感を与えてしまうという問題がある。
そこで、こうした問題解決のために本発明者が鋭意研究を行ったところ、以下のことが明らかになった。例えば専用の音声ICを用いることによれば、メモリから取得したデータに基づく音声波形を生成し、アンプICへと出力することで、再現対象の作動音を忠実に再現することが可能となる。しかし、専用の音声ICを用いた車両用音響装置は、一般に高価なものとなってしまうという問題があった。
一方、制御回路に設けたパルスパターンジェネレータポートからパルス幅変調信号を出力させることによれば、比較的安価な汎用の積分回路により出力信号を積分することで変換されたアナログ信号を音響部に出力することで、再現対象の作動音を忠実に再現することも可能である。しかし、パルスパターンジェネレータポートからパルス幅変調波形を出力するためには、制御回路により複雑な計算が必要であり、制御回路の処理負荷が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、制御回路の処理負荷を軽減しつつ、実際の作動音に近い音色を擬似的に再現する車両用音響装置を、提供することにある。
請求項1に記載の発明は、車両における特定の作動音を擬似的に再現する車両用音響装置であって、デューティー比が一定となる複数の音響成分信号をそれぞれ個別に出力する複数の信号出力部を有し、各信号出力部から出力する各音響成分信号の周波数を制御する制御回路と、各信号出力部から出力された各音響成分信号同士を加算して、それら音響成分信号の振幅を互いに重ね合わせることにより、音響合成信号を生成する加算回路と、加算回路により生成された音響合成信号を擬似的な作動音に変換する音響部とを備え、制御回路は、特定の作動音において音圧レベルが最大となる主音波成分に対応した周波数に制御する主音響成分信号と、特定の作動音において音圧レベルが主音響成分信号よりも小さい副音波成分に対応した周波数に制御する副音響成分信号とを、それぞれ音響成分信号として生成する。
このような請求項1に記載の発明では、制御回路の各信号出力部からそれぞれ個別に出力された各音響成分信号同士が加算回路により加算されることで、それら音響成分信号の振幅が互いに重ね合わされて、一つの音響合成信号が生成されることになる。故に、かかる音響合成信号が音響部により変換されることで擬似的に再現される作動音(以下、解決手段の欄では、「擬似作動音」という)は、重ね合わせ前の各音響成分信号に対応する周波数の音波同士が重なり合ったものとなる。ここで特に、音響成分信号のうち主音響成分信号と副音響成分信号とはそれぞれ、再現対象の特定作動音を構成する最大音圧レベルの主音波成分の対応周波数と、主音波成分よりも小さい音圧レベルにて当該特定作動音を構成する副音波成分の対応周波数とに、制御される。これにより擬似作動音については、主音響成分信号と副音響成分信号とに対応する周波数の主音波成分と副音波成分とが重なり合って再現されることになるので、それら主音波成分と副音波成分とを含んだ再現対象の特定作動音に近い音色を実現できる。
さらに請求項1に記載の発明では、制御回路の各信号出力部からそれぞれ個別に出力される各音響成分信号はいずれも、デューティー比が一定の信号であればよいので、パルス幅変調信号である場合と比較して、制御回路の処理負荷が低減され得る。しかも、各音響成分信号のデューティー比を一定としても、周波数のそれぞれ異なる各音響成分信号を加算して擬似作動音に変換することで、上述の如く再現対象の特定作動音に近い音色を実現できるので、専用の音声ICを用いなくても済む。
以上の如き請求項1に記載の発明によれば、制御回路の処理負荷を軽減しつつ、実際の特定作動音に近い音色を擬似作動音により再現する車両用音響装置を、提供することが可能である。
請求項2に記載の発明によると、副音響成分信号の周波数は、主音響成分信号の周波数よりも高い周波数であり、制御回路は、主音波成分の音圧レベルに対応した振幅に制御する主音響成分信号と、副音波成分の音圧レベルに対応した振幅に制御する副音響成分信号とを、それぞれ音響成分信号として生成する。この発明の主音響成分信号と副音響成分信号とはそれぞれ、再現対象の特定作動音を構成する最大音圧レベルの主音波成分の対応振幅と、主音波成分よりも小さい音圧レベルにて当該特定作動音を構成する副音波成分の対応振幅とに、制御される。これにより擬似作動音については、各音響成分信号に周波数だけでなく、振幅をも対応した主音波成分と副音波成分とが重なり合って再現されることになるので、それら音波成分を含む特定作動音に対して、音色の再現性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によると、制御回路は、主音響成分信号の周波数を基本周波数としたとき、副音響成分信号の周波数を当該基本周波数の整数倍に制御する。ここで一般に、再現対象となる特定作動音について、高調波成分として低い音圧レベルとなる副音波成分の周波数は、最大音圧レベルの主音波成分の周波数に対して整数倍となる。そこで、この発明では、主音波成分に対応した主音響成分信号の周波数である基本周波数に対して、副音波成分に対応した副音響成分信号の周波数が整数倍に制御されることになる。これによれば、主音響成分信号と副音響成分信号とを合成した音響合成信号から変換される擬似作動音は、主音波成分に対して周波数が整数倍の副音波成分、即ち高調波成分が重なり合ったものとなるので、特定作動音に対する音色の再現性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によると、制御回路は、特定の作動音における主音波成分の周波数の変化に対応するように、主音響成分信号の周波数を可変制御する。この発明において主音響成分信号の周波数は、その可変制御により、再現対象の特定作動音における主音波成分の周波数変化に対応させられるので、当該特定作動音に対する擬似作動音の音色の再現性が向上する。
請求項5に記載の発明によると、制御回路は、主音波成分の周波数が変化する時期に対応するように、主音響成分信号の周波数及び副音響成分信号の信号特性を可変制御する。この発明において主音響成分信号の周波数だけでなく、副音響成分信号の信号特性も、可変制御により主音波成分の周波数変化に対応させられるので、当該特定作動音に対する擬似作動音の音色の再現性がさらに向上する。したがって、主音響成分信号の周波数変化にもかかわらず、副音響成分信号が追従して変化しないことで、擬似作動音の音色に関して車両の乗員に違和感を与えることを、抑制できるのである。
請求項6に記載の発明によると、複数の信号出力部は、主音響成分信号を出力する一つの主信号出力部と、副音響成分信号を出力する二つ以上の副信号出力部とである。この発明では、一つの主信号出力部から出力される主音響成分信号と、二つ以上の副信号出力部から出力される各副音響成分信号とが合成されて、音響合成信号として擬似作動音に変換されることになる。これにより擬似作動音については、主音響成分信号に対応した一つの主音波成分と、各副音響成分信号に対応した二つ以上の副音波成分とが重なり合って再現されることになるので、それら音波成分を含むような特定作動音に対して音色の再現性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によると、各信号出力部から出力された各音響成分信号をそれぞれ個別に積分処理する複数の積分回路を備え、加算回路は、各積分回路により積分処理された後の各音響成分信号同士を加算する。この発明において各音響成分信号は、積分回路によりそれぞれ個別に積分処理されることで、高周波成分が平滑化された後に、加算回路での加算処理に供されることになる。故に、かかる加算回路により各音響成分信号が合成されて音響合成信号として擬似作動音に変換されることによれば、当該擬似作動音は、車両の乗員にとって耳障りなノイズが除かれて、再現対象の特定作動音に近づけられた音色となるのである。
本発明の車両用音響装置の第一実施形態を示すブロック図である。 図1の各信号出力部から出力され、それぞれ(a)積分回路への入力前の主音響成分信号、(b)積分回路により変換された主音響成分信号、(c)積分回路への入力前の副音響成分信号、(d)積分回路により変換された副音響成分信号、(e)加算回路により変換された音響合成信号、のタイムチャートを示す。 本発明の車両用音響装置の第二実施形態を示すブロック図である。 本発明の車両用音響装置の第一実施形態の変形例を示すブロック図である。 図1の各信号出力部から出力され、それぞれ(a)積分回路への入力前の主音響成分信号、(b)積分回路から出力された主音響成分信号、(c)積分回路への入力前の副音響成分信号、(d)積分回路から出力された副音響成分信号、(e)加算回路から出力された音響合成信号、のタイムチャートの変形例を示す。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
図1に示すように、本発明の第一実施形態による車両用音響装置1は、制御回路2、一対の積分回路3a、3b、加算回路4、音響部5及び抵抗素子R1、R2を備え、車両における特定の作動音として、方向指示ランプ点滅時のターン音を擬似的に再現する。尚、以下の説明では、車両用音響装置1により再現される作動音としてのターン音を、「擬似作動音」という。また、以下の説明では、かかる擬似作動音に対して再現対象のターン音を、「再現対象音」という。
制御回路2は、CPU20a及びメモリ20bを含むマイクロコンピュータ20と、それに電気接続される一対の信号出力部21a、21bとを有している。マイクロコンピュータ20においてCPU20aは、メモリ20bに記憶のコンピュータプログラムを実行することによって、各信号出力部21a、21bからそれぞれ個別に出力する音響成分信号を生成する。各信号出力部21a、21bは、PPG(Pulse PatternGenerator)又はS/G(Sound Generator)等から構成され、マイクロコンピュータ20によって生成された音響成分信号をデジタル信号として、互いに同期させて出力する。
各積分回路3a、3bは、例えばコンデンサ及び抵抗素子等から構成される汎用のCRフィルタであり、それぞれ対応する信号出力部21a、21bに電気接続されている。各積分回路3a、3bは、対応する信号出力部21a、21bから出力の各音響成分信号をそれぞれ積分して、デジタル信号からアナログ信号へ変換する。このとき各積分回路3a、3bは、それぞれに設定された時定数に対応して、入力されたデジタル信号の立上がりの応答速度を遅らせると共に、アナログ信号の出力タイミングを互いに同期させる。
加算回路4は、例えばオペアンプ等から構成される汎用の加算回路であり、積分回路3a、3bの双方に電気接続されている。加算回路4は、各積分回路3a、3bによりアナログ信号へと変換された各音響成分信号同士を加算して、一つの音響合成信号を生成する。加算回路4により加算される前の各音響成分信号は、上述したように各信号出力部21a、21bからの出力タイミングが同期され且つ積分回路3a、3bからの出力タイミングも同期されているため、再現対象音に対応する一つの音響合成信号を当該加算によって生成することができる。
音響部5は、増幅器50及びスピーカ51等から構成され、スピーカ51の出力部を運転席に向けて配置されている。増幅器50は、例えばリニアアンプ型の増幅IC等であり、加算回路4と電気接続されている。増幅器50は、加算回路4により生成された音響合成信号の振幅を増幅して、スピーカ51へと出力する。スピーカ51は、汎用の車両スピーカであり、増幅器50に電気接続されている。スピーカ51は、増幅器50から出力された増幅後の音響合成信号を、擬似作動音の各音波成分に変換して車両内へ出力する。即ち、スピーカ51から再現出力される擬似作動音の各音波成分の周波数と音圧レベルとは、音響合成信号の周波数と振幅とに対応したものとなる。
抵抗素子R1は、各積分回路3a、3bと加算回路4との間を電気接続する経路上に、また抵抗素子R2は、当該経路と車両の接地端子との間にそれぞれ設けられている。これら各抵抗素子R1、R2の抵抗値を調整することにより、各積分回路3a、3bから加算回路4に入力される各音響成分信号の振幅が調整される。
(擬似作動音の生成)
上述した第一実施形態の車両用音響装置1による擬似作動音の生成は、本発明に従う特徴的なものとなっており、以下では、その詳細を説明する。
図2(a)に示すように制御回路2は、一方の信号出力部21aから出力する音響成分信号として、主音響成分信号Smを生成する。このとき、主音響成分信号Smについて制御回路2は、再現対象音を周波数分析したときに音圧レベルが最大となる主音波成分の周波数及び音圧レベルにそれぞれ対応する周波数及び振幅と、一定のデューティー比とをもって生成する。ここで特に、主音響成分信号Smの周波数について制御回路2は、再現対象音における主音波成分の周波数変化に対応するように、可変制御する。その結果、本実施形態では、主音響成分信号Smの周波数が図2(a)の如き主音波成分の周波数変化のタイミングtvにて、小さくなる。さらに、本実施形態の制御回路2は、主音響成分信号Smの「信号特性」として図2(a)の如き継続出力期間Pmを、再現対象音の継続時間と実質等しくなるようにも制御する。
一方、図2(c)に示すように制御回路2は、他方の信号出力部21bから出力する音響成分信号として、副音響成分信号Ssを生成する。ここで特に、副音響成分信号Ssについて制御回路2は、再現対象音を周波数分析したときに音圧レベルが主音響成分信号smよりも小さい副音波成分の周波数及び音圧レベルにそれぞれ対応する周波数及び振幅と、一定のデューティー比とをもって生成する。ここで特に、副音響成分信号Ssの周波数について制御回路2は、再現対象音における主音波成分に対応した主音響成分信号Smの基本周波数に対して、再現対象音における副音波成分に対応した整数倍となるように、当該基本周波数よりも高く制御する。また、副音響成分信号Ssの振幅について制御回路2は、再現対象音における主音波成分に対応した主音響成分信号Smの振幅よりも、小さくなるように制御する。さらに、本実施形態の制御回路2は、副音響成分信号Ssの「信号特性」として図2(c)の如き継続出力期間Psを、再現対象音における主音波成分の周波数変化に対応させて可変制御する。その結果、副音響成分信号Smの継続出力期間Pcは、上述の如き主音波及び主音響成分信号Smの周波数変化のタイミングtvにて、短くなる。
以上の如き制御回路2の各信号出力部21a、21bから、それぞれ対応する音響成分信号Sm、Ssを受ける積分回路3a、3bは、図2(b)、(c)に示すように、それら信号Sm、Ssを個別に積分処理する。その結果、各積分回路3a、3bから出力される音響成分信号Sm、Ssは、CRフィルタの時定数に応じて高周波成分が平滑化されたものとなる。
さらに、各積分回路3a、3bにより積分処理された後の音響成分信号Sm、Ssを受ける加算回路4は、図2(e)に示すように、各音響成分信号Sm、Ssの振幅を互いに重ね合わせるようにして、それら信号Sm、Ss同士を加算した音響合成信号Scを生成する。ここで特に、振幅の重ね合わせとは、継続出力期間Pmの主音響成分信号Smに対して、当該期間Pm内且つ当該期間Pmよりも短い継続出力期間Ssの副音響成分信号Smを合成することで、図2(e)の期間Pcの如く実現される。したがって、本実施形態では、振幅の重ね合わせ期間Pcが副音響成分信号Smの継続出力期間Psと実質等しくなる。
こうして加算回路4により合成された音響合成信号Scは、音響部5により変換されて、当該音響部5のスピーカ51から車両内に出力されることで、再現対象音の主音波成分と副音波成分とを含んだ擬似作動音として再現されることになる。
(作用効果)
上述した第一実施形態の車両用音響装置1による作用効果を、以下に詳細に説明する。
第一実施形態によると、制御回路2の各信号出力部21a、21bからそれぞれ個別に出力された各音響成分信号Sm、Ss同士が加算回路4により加算されることで、それら信号Sm、Ssの振幅が互いに重ね合わされて、一つの音響合成信号Ssが生成される。これによれば、かかる音響合成信号Ssが音響部5により変換されることで擬似的に再現される擬似作動音は、重ね合わせ前の各音響成分信号Sm、Ssに対応する周波数の音波同士が重なり合ったものとなる。ここで特に、主音響成分信号Smと副音響成分信号Ssとはそれぞれ、再現対象音を構成する最大音圧レベルの主音波成分の対応周波数と、主音波成分よりも小さい音圧レベルにて再現対象音を構成する副音波成分の対応周波数とに、制御される。これにより擬似作動音については、主音響成分信号Smと副音響成分信号Ssとに対応する周波数の主音波成分と副音波成分とが重なり合って再現されるので、それら主音波成分と副音波成分とを含んだ再現対象音に近い音色を実現できるのである。
また、第一実施形態によると、制御回路2の各信号出力部21a、21bからそれぞれ個別に出力される各音響成分信号Sm、Ssはいずれも、デューティー比が一定の信号であればよいので、パルス幅変調信号である場合と比較して、制御回路2の処理負荷が低減され得る。しかも、各音響成分信号Sm、Scのデューティー比を一定としても、周波数のそれぞれ異なる各音響成分信号Sm、Scを加算して擬似作動音に変換することで、上述の如く再現対象音に近い音色を実現できるので、専用の音声ICを用いなくても済むのである。
さらに、第一実施形態において主音響成分信号Smと副音響成分信号Ssとはそれぞれ、再現対象音を構成する最大音圧レベルの主音波成分の対応振幅と、主音波成分よりも小さい音圧レベルにて再現対象音を構成する副音波成分の対応振幅とに、制御される。これにより擬似作動音については、各音響成分信号Sm、Ssに周波数だけでなく、振幅をも対応した主音波成分と副音波成分とが重なり合って再現されるので、それら音波成分を含む作動音に対して、音色の再現性を向上させることができるのである。
またさらに、第一実施形態によると、再現対象音としてのターン音については一般に、高調波成分として低い音圧レベルとなる副音波成分の周波数が、最大音圧レベルの主音波成分の周波数に対して整数倍となる。そこで、第一実施形態では、主音波成分に対応した主音響成分信号Smの基本周波数に対して、副音波成分に対応した副音響成分信号Ssの周波数が整数倍に制御されることになる。これによれば、主音響成分信号Smと副音響成分信号Ssとを合成した音響合成信号Scから変換される擬似作動音は、主音波成分に対して周波数が整数倍の副音波成分、即ち高調波成分が重なり合ったものとなるので、再現対象音に対する音色の再現性を向上させることができる。
加えて、第一実施形態において主音響成分信号Smの周波数は、その可変制御により、再現対象音における主音波成分の周波数変化に対応させられるので、再現対象音に対する擬似作動音の音色の再現性を向上させ得る。それと共に第一実施形態では、主音響成分信号Smの周波数だけでなく、副音響成分信号Ssの「信号特性」としての継続出力期間Psも、可変制御によって主音波成分の周波数変化に対応させられるので、再現対象音に対する擬似作動音の音色の再現性がさらに向上させ得る。故に、主音響成分信号Smの周波数変化にもかかわらず、副音響成分信号Ssが追従して変化しないことで、擬似作動音の音色に関して車両の乗員に違和感を与えることを、抑制できるのである。
さらに加えて、第一実施形態において各音響成分信号Ss、smは、それぞれ対応する積分回路3a、3bにより個別に積分処理されることで、高周波成分が平滑化された後に、加算回路4での加算処理に供されることになる。これによれば、かかる加算回路4により各音響成分信号Sm、Scが合成されて音響合成信号Scとして擬似作動音に変換されることによれば、当該擬似作動音は、車両の乗員にとって耳障りなノイズが除かれて、再現対象音に近づけられた音色となるのである。
ここまで説明したことから、第一実施形態によれば、制御回路2の処理負荷を軽減しつつ、実際の再現対象音に近い音色を擬似作動音により再現する車両用音響装置1を、提供することが可能である。
(第二実施形態)
図3に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態の車両用音響装置101では、副音響成分信号Ssを出力する二つ以上の副信号出力部21bが、制御回路102に設けられている。ここで、各副信号出力部21bから出力の副音響成分信号Ssは、第一実施形態で説明した周波数、振幅、デューティ比及び継続出力期間Pcの条件を満たす範囲で、再現対象音を周波数分析したときに異なる周波数となる二つ以上の副音波成分と対応するように、生成される。
また、二つ以上の副信号出力部21bに応じて第二実施形態では、積分回路3b及び抵抗素子R1、R2の組が副信号出力部121bの数と同数組、設けられている。これにより、各副信号出力部121bから各積分回路3bへ出力されて積分処理された副音響成分信号Ssは、それら積分回路3bと電気接続された加算回路4により、一主信号出力部121aから積分回路3aへ出力されて積分処理された主音響成分信号Smと合成される。そして、かかる合成の結果として得られる音響合成信号Ssが音響部5により変換されて車両内に出力される擬似作動音は、主音響成分信号Smに対応した一つの主音波成分と、各副音響成分信号Ssに対応した二つ以上の副音波成分とが重なり合って再現されることになる。したがって、一つの主音波成分と共に二つ以上の副音波成分を含むような再現対象音に対して、音色の再現性を向上させることができるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に積分回路3a、3bについては、図4に変形例(同図は、第一実施形態の変形例)を示すように、積分回路3a、3bの代わりに、インダクタとコンデンサを利用したローパスフィルタ203a、203bを採用してもよいし、積分回路3a、3b自体を設けないようにしてもよい。また、主音響成分信号Smについて図5に変形例(同図は、第一実施形態の変形例)を示すように、継続出力期間Pm中の周波数を変化させずに一定とする制御を、制御回路1,101により行なってもよい。さらに、副音響成分信号Ssについて図5に変形例を示すように、同信号Ssの継続出力期間Psを主音響成分信号Smの継続出力期間Pmと実質一致させる制御を、制御回路1,101により行なってもよい。またさらに、副音響成分信号Ssの周波数については、主音響成分信号Smの周波数よりも低くなるように、制御回路1,101によって制御してもよいし、主音響成分信号Smの基本周波数よりも高い範囲で当該基本周波数の整数倍とならないように、制御回路1,101によって制御してもよい。さらに加えて、副音響成分信号Ssの「信号特性」としては、主音波成分の周波数変化に応じて継続出力期間Pmを制御回路1,101により可変制御する以外にも、例えば周波数や振幅等を制御回路1,101により可変制御してもよいのである。
1、101 車両用音響装置、2、102 制御回路、3a、3b 積分回路、4 加算回路、5 音響部、21a 主信号出力部、21b 副信号出力部、50 増幅器、51 スピーカ、Pm、Ps 継続出力期間、Pc 振幅の重ね合わせ期間、Sm 主音響成分信号、Ss 副音響成分信号、Sc 音響合成信号、tv 周波数変化のタイミング

Claims (7)

  1. 車両における特定の作動音を擬似的に再現する車両用音響装置であって、
    デューティー比が一定となる複数の音響成分信号をそれぞれ個別に出力する複数の信号出力部を有し、前記各信号出力部から出力する前記各音響成分信号の周波数を制御する制御回路と、
    前記各信号出力部から出力された前記各音響成分信号同士を加算して、それら音響成分信号の振幅を互いに重ね合わせることにより、音響合成信号を生成する加算回路と、
    前記加算回路により生成された前記音響合成信号を擬似的な作動音に変換する音響部とを備え、
    前記制御回路は、前記特定の作動音において音圧レベルが最大となる主音波成分に対応した周波数に制御する主音響成分信号と、前記特定の作動音において音圧レベルが前記主音響成分信号よりも小さい副音波成分に対応した周波数に制御する副音響成分信号とを、それぞれ前記音響成分信号として生成することを特徴とする車両用音響装置。
  2. 前記副音響成分信号の周波数は、前記主音響成分信号の周波数よりも高い周波数であり、
    前記制御回路は、前記主音波成分の音圧レベルに対応した振幅に制御する前記主音響成分信号と、前記副音波成分の音圧レベルに対応した振幅に制御する前記副音響成分信号とを、それぞれ前記音響成分信号として生成することを特徴とする請求項1に記載の車両用音響装置。
  3. 前記制御回路は、前記主音響成分信号の周波数を基本周波数としたとき、前記副音響成分信号の周波数を当該基本周波数の整数倍に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用音響装置。
  4. 前記制御回路は、前記特定の作動音における前記主音波成分の周波数の変化に対応するように、前記主音響成分信号の周波数を可変制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用音響装置。
  5. 前記制御回路は、前記主音波成分の周波数の変化に対応するように、前記主音響成分信号の周波数及び前記副音響成分信号の信号特性を可変制御することを特徴とする請求項4に記載の車両用音響装置。
  6. 複数の前記信号出力部は、前記主音響成分信号を出力する一つの主信号出力部と、前記副音響成分信号を出力する二つ以上の副信号出力部とであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用音響装置。
  7. 前記各信号出力部から出力された前記各音響成分信号をそれぞれ個別に積分処理する複数の積分回路を備え、
    前記加算回路は、前記各積分回路により積分処理された後の前記各音響成分信号同士を加算することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用音響装置。
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