JP5699677B2 - ガラス融液撹拌装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス融液を撹拌するガラス融液撹拌装置に関する。
近年、光学用、電子用の精密部品にガラス材料が多く使われるようになり、それら部品の性能、信頼性の面から、従来のものよりも脈理や異物等の内部欠点の少ない高品質のガラスを要求されるようになっている。このため、ガラス溶融装置に設けられた撹拌装置によって、溶融ガラスを不均質とならないよう撹拌することにより強制的に対流を起こし、溶融したガラスの不均質から生じる脈理等が生じないようにしている(たとえば特許文献1参照)。
特開平8−73225号公報
脈理の発生原因としては、メルティングセグリゲーション等のガラス化反応の制御不足、ガラスの原料を溶融する溶融窯や溶融ガラスの撹拌容器等を構成する耐火物(ZrOを含んだ電鋳耐火物が一般的である)から溶出する成分の混入、溶融ガラスの表層部における特定成分の揮発や温度制御の不備等、多岐に渡る。特に、溶融窯を構成する耐火物に起因する異物成分やガラス原料に含まれる揮発成分に起因する溶融ガラスの表層部の異質ガラス成分は、溶融ガラスの大半を占める均質なガラス成分とは組成が異なり、これら組成が異なるガラス成分が撹拌装置の側壁を沿って流出孔に至ることで流出し、ガラス製品において脈理として認識されることがある。
本発明は、上記の事情に対処してなされたものであり、均質性の高い溶融ガラスを供給できるガラス融液撹拌装置を提供することを目的とする。
上記を達成するため、本発明は、ガラス融液を撹拌するガラス融液撹拌装置において、上下に貫通してガラス融液を流出させる流出孔が形成された底部とその底部から立ち上がる側壁とを備えて前記ガラス融液を貯える撹拌槽と、回転軸の周りを回転して前記撹拌槽に貯えられた前記ガラス融液を撹拌する撹拌翼と、前記底部から上方に突出して撹拌時に前記底部に沿って前記側壁から前記流出孔に向かって流れる前記ガラス融液を上昇させる突起と、を具備し、前記流出孔は前記回転軸の鉛直下方に形成され、前記流出孔と前記側壁との間には前記流出孔から離れた位置に少なくとも1つの前記突起が存在し、前記突起は前記流出孔の全体を囲うように配置されていることを特徴とする。
また、上下に貫通してガラス融液を流出させる流出孔が形成された底部とその底部から立ち上がる側壁とを備えて前記ガラス融液を貯える撹拌槽と、回転軸の周りを回転して前記撹拌槽に貯えられた前記ガラス融液を撹拌する撹拌翼と、前記底部から上方に突出して撹拌時に前記底部に沿って前記側壁から前記流出孔に向かって流れる前記ガラス融液を上昇させる突起と、を具備し、前記流出孔は前記回転翼の回転外周と前記回転軸との間の鉛直下方に形成され、前記回転軸から側壁に向かって前記突起を見込む領域は、前記回転軸から前記側壁に向かって前記流出孔を見込む領域を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ガラス製品内部でのガラス成分の均質性を高めることができる。
本発明に係るガラス融液撹拌装置の第1の実施の形態における図2および図3のI−I矢視立断面図である。 図1のII−II矢視上面図である。 図1のIII−III矢視横断面図である 本発明に係るガラス融液撹拌装置の第1の実施の形態においてルツボ内でのガラス融液の鉛直方向の流れを模式的に示す横断面図である。 本発明に係るガラス融液撹拌装置の第1の実施の形態においてルツボの底部近傍でのガラス融液の水平方向の流れを模式的に示す横断面図である。 本発明に係るガラス融液撹拌装置の第1の実施の形態の変形例における突起の断面図である。 本発明に係るガラス融液撹拌装置の第1の実施の形態の変形例における突起の断面図である。 本発明に係るガラス融液撹拌装置の第2の実施の形態におけるルツボの底部の上面図である。 本発明に係るガラス融液撹拌装置の第3の実施の形態を用いたガラス溶融システムの模式的ブロック図である。 本発明に係るガラス融液撹拌装置の第3の実施の形態におけるガラス融液撹拌装置の立断面図である。
本発明に係るガラス融液撹拌装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係るガラス融液撹拌装置の第1の実施の形態における図2および図3のI−I矢視立断面図である。図2は、図1のII−II矢視上面図である。図3は、図1のIII−III矢視横断面図である。
ガラス融液撹拌装置10は、ガラス融液を貯えるルツボ20を備えている。ルツボ20は、内部に撹拌翼12が設けられており撹拌槽として機能する。ルツボ20は、底部22と側壁24とを備えた有底筒形の容器であり、底部22に突起14を備えている。ルツボ20の底部22は、円形に形成され、ガラス融液の流出孔26が上下に貫通している。底部22の外壁には、流出孔26に連通する排出配管28が接続されている。側壁24は、滑らかな曲線を描きながら底部22の外縁から立ち上がっている。つまり、側壁24と底部22との間には、R部が形成されている。側壁24は、たとえば上方ほど広がっている。ルツボ20は、底部22が水平になるように配置される。
撹拌翼12は、たとえば水平に延びる上端13および下端15を持つ2枚の平板である。これらの撹拌翼12は、鉛直方向の異なる位置に、互いに直交するように設けられている。撹拌翼12の中心には、底部22の中心の鉛直上方で、鉛直方向に延びるシャフト16が取り付けられている。シャフト16には、図示しないモータなどの回転手段が取り付けられている。シャフト16は、回転する。シャフト16の回転により、撹拌翼12は、シャフト16を通る回転軸91の周りを図2に破線で示した回転方向19に回転する。シャフト16を通る回転軸91は、ルツボ20の中心と一致している。本実施の形態では、ルツボ20はシャフト16を回転軸とする回転対称体としたが、多角形の底部を持つ容器であってもよい。また、撹拌翼12の形状は、ガラス融液30が底部22において側壁24から突起14方向に向かう流れを形成しうるものであればどのようなものであってもよい。これにより、ガラス融液30は、突起14において流れを上向きに変えられる。このような撹拌翼12の形状としては、本実施の形態で用いているパドル翼の他に、例えばタービン翼、プロヘラ翼、ヘリカルリボン翼なども適用できる。
流出孔26は、撹拌翼12の回転外周と、回転軸91との間の下方に設けられている。すなわち、流出孔26はシャフト16の直下に形成されているのではなく、底部22の中心からずれた位置にオフセットされている。
突起14は、底部22から上方に突出して底部22の上面を線状に延びている。突起14は、流出孔26が隣接する側壁24と流出孔26との間を横切るように設けられている。突起14は、たとえば底部22の中心を中心とする中心角が180度の円弧状に形成されている。
突起14は、ルツボ20の底部22の上面に溶接されている。突起14と撹拌翼12の下端15との間には、両者が接触しないよう一定のクリアランスが存在する。
図4は、本実施の形態においてルツボ内でのガラス融液の鉛直方向の流れを模式的に示す横断面図である。図5は、本実施の形態においてルツボの底部近傍でのガラス融液の水平方向の流れを模式的に示す横断面図である。図5には、ガラス融液の回転軸91から流出孔26を見込む角度αを破線で、ガラス融液の回転軸91から突起14を見込む角度βを一点鎖線で示した。また、図5には、ガラス融液の回転軸91の位置を明確にするため、この回転軸91で交差する「×」印を付した。
ルツボ20内のガラス融液30は、撹拌翼12によって撹拌される。これにより、ガラス融液30には、撹拌翼12の回転と同じ方向への流れが生じる。
撹拌されたガラス融液30は、流出孔26から矢印32の方向に流出する。排出配管28に着脱可能な栓を取り付けて、ガラス融液30が十分撹拌された後に、ガラス融液30が流出するようにしてもよい。
流出孔26からのガラス融液30の流出により、ガラス融液30の液面31は徐々に下降していく。ガラス融液30の液面31が上側の撹拌翼12の上端13に近づいた状態において、ガラス融液30は、主として外向流と下降流と内向流とを含む矢印33に示した方向に流れる。外向流は、液面31に沿って側壁24に向かう流れである。下降流は、ガラス融液30が側壁24近傍に到達した後、側壁24に沿って下降する流れである。内向流は、ガラス融液30の下降流が底部22近傍に到達した後、底部22に沿ってシャフト16の下方に向かう流れである。
ガラス融液30は、撹拌翼12の回転方向に流れているため、上述の外向流は、水平面内では、回転軸91から半径方向に直線的に流れるのではなく、半径方向から回転方向下流側に流れる成分も含まれる。同様に、上述の下降流は、側壁に沿って鉛直下方に流れる成分だけではなく、回転方向下流側に流れる成分も含まれる。上述の内向流は、回転軸91に向かう半径方向に直線的に流れるのではなく、側壁24の近傍から回転方向下流側に流れ、その後、シャフト16の下方に向かうことになる。シャフト16の下方に到達したガラス融液30の大部分は、矢印34に示すように旋回しながらシャフト16の近傍を上昇していく。流出孔26の近傍まで到達したガラス融液30の一部は、流出孔26から流出することになる。
液面31近傍のガラス融液30は、液面31上方の雰囲気によって冷却されることなどにより、他の部分と性状が異なる場合がある。また、ガラス融液30が揮発成分を含む場合、液面31での揮発成分の蒸発により、他の部分と組成が異なる。また、側壁24近傍および、側壁24と底面22からなるR部は十分な撹拌による均質化作用が得られにくく、他の部分と性状が異なる場合がある。
これら他の部分と性状ないしは組成が異なるガラス成分を含むガラス融液30の少なくとも一部は、他の部分と混合されることなく、側壁24に沿って下降し、その後、底部22に沿って中央に向かう。ルツボ20の底部22の中央に到達したガラス融液30は、底部22に形成された突起14により、矢印35に示すように、突起14によって上向きに流れの方向を変えられる。そして上向きに流れの方向を変えられたガラス融液30は、底部22に沿って流れてシャフト16の下方近傍に到達し、シャフト16の下方近傍の旋回上昇流に巻き込まれ、旋回しながら上昇する。このため、流出孔26から流出するガラス融液30の大部分には、側壁24に沿って下降した性状ないしは組成の異なるガラス成分を含むガラス融液30が存在しない。その結果、流出孔26から流出するガラス融液30の均質性が向上する。流出孔26から流出するガラス融液30の均質性が高まることにより、脈理の発生が抑制される。つまり、本実施の形態のガラス融液撹拌装置10を用いて撹拌したガラス融液30を用いて製造されるガラス製品の内部でのガラス成分の均質性が向上する。
なお、底部22を沿ったガラス融液30が突起14によってシャフト16下方近傍に存在する旋回上昇流に到達するよう、突起14の高さや位置を適宜調整したり、温度を変化させるなどしてガラス融液30の粘性を所定の値以下としたり、撹拌翼12の回転速度を上げてガラス融液30の速度を上げるなどしてもよい。突起14の高さは、突起14の高さをH、撹拌翼12の下端15と底部22とのクリアランスをCとした場合、0.1≦H/C≦0.95であることが好ましい。H/Cが0.1未満であると、撹拌条件やガラス融液30の粘度によらず、底部22に沿って中央部に向かう異質ガラス成分が、シャフト16下方近傍の旋回上昇流に巻き込まれにくくなり、流出孔26から流出するリスクが高くなる。また、H/Cが0.95を超えると、突起14と撹拌翼12とが接触するおそれがある。より好ましくは、0.2≦H/C≦0.8である。
本実施の形態において、突起14が流出孔26の全体を囲んでいるわけではないが、流出孔26がガラス融液30の回転軸91となるルツボ20の中央部からオフセットされているため、底部22を沿ったガラス融液30が流出孔26に到達する前にシャフト16の下方近傍に存在する旋回上昇流に到達することで流出孔26から排出されることはない。また、ガラス融液30が残りわずかとなった際は、突起14が存在しない側からガラス融液30を排出可能である。
本実施の形態において、突起14は、底部22に沿って半円状に延びている。しかし、突起14は、液面31近傍で性状変化する等した異質ガラス成分を含むガラス融液30が側壁24に沿って下降し流出孔26に到達する範囲において側壁24と流出孔26の間を横切っていれば、ごく短いものであってもよい。また、突起14は、底部22に沿って直線状に延びたものを単数もしくは複数用いてもよい。
したがって、ガラス融液30の回転軸91となるシャフト16の下方から突起14を見込む角度がその回転軸91の位置から流出孔26を見込む角度と同じであれば、突起14を底部22に沿ったガラス融液30の流れの途中に正確に配置することにより、側壁24に沿って下降して底部22に沿って中央に向かうガラス融液30が直接流出孔26に流れ込むことはない。しかし、ガラス融液30の流れは、撹拌翼12の回転速度やガラス融液30の粘性などによって変化する。そこで、本実施の形態では、図5に示すように、ガラス融液の回転軸91から流出孔26を見込む角度βをその回転軸91の位置から流出孔26を見込む角度αよりも大きくしている。これにより、ガラス融液30の流れが変動した場合であっても、底部22におけるガラス融液30の流れを上向きにコントロールすることで、流出したガラスにおける脈理の発生を抑制することができる。
また、底部22に沿って延びる長さがごく短い突起14であっても、そのような突起14を複数設けることにより、液面31近傍で性状変化して側壁24に沿って下降したガラス融液30が流出孔26に到達する前に上昇させることができる。このようなごく短い突起14は、たとえば側壁24と流出孔26の間を横切るような線状に配列させたり、その配列を複数設けたりしてもよい。このような場合には、隣り合う突起14の間隔は、ガラス融液30の粘性などを考慮して設定する。
また、本実施の形態では、突起14は、流出孔26に対して、ガラス融液30の回転方向の下流側まで延びている。このため、ガラス融液30の回転方向が反対になった場合でも、同じ効果が得られる。
図6は、本実施の形態の変形例における突起の断面図である。図7は、本実施の形態の他の変形例における突起の断面図である。
図6および図7に示す変形例では、突起41,42には斜面51,52が形成されている。これらの斜面51,52は、上昇しながら側壁24から遠ざかる面である。斜面51,52は、側壁24に向かう側に形成されている。図6に示す斜面51は弧を描きながら上昇するのに対して、図7に示す斜面52は直線的に上昇している。
このようにこれらの変形例では、突起41,42の側壁24に向かう側、すなわち、ガラス融液30の底部22近傍における流れの上流側に、斜面51,52が形成されている。このため、側壁24に沿って下降した後、底部22に沿って中央部に向かうガラス融液30は、突起41,42によって上昇しやすくなる。
[第2の実施の形態]
図8は、本発明に係るガラス融液撹拌装置の第2の実施の形態におけるルツボの底部の上面図である。
本実施の形態では、底部22には複数の突起14を設けている。これらの突起14は、底部22の中心からの距離が異なる2つの円周上に設けられている。同じ円周上には、たとえば4つの突起14を設けていて、隣り合う突起14の間には隙間71を設けている。また、底部22の中心からの距離が異なる円周上の突起14は、この隙間71に対応する位置に配置されている。
このように、本実施の形態では、流出孔26と側壁24との間に、少なくとも1つの突起14が存在している。このため、側壁24の全周のいずれの位置から底部22に下降してきたガラス融液であっても、必ず1度は突起14にぶつかることになる。このため、側壁24の全周のいずれの位置から底部22に下降してきた性状ないしは組成が異なるガラス成分(異質ガラス成分)を含むガラス融液30は、突起14によって上向きに流れの方向を変えられる。これにより、異質ガラス成分を含むガラス融液は、シャフト16下方近傍の旋回上昇流に巻き込まれることで撹拌される。その結果、流出孔26から流出するガラス融液30の均質性がさらに向上する。つまり、本実施の形態のガラス融液撹拌装置10を用いて撹拌したガラス融液30を用いて製造されるガラス製品の内部でのガラス成分の均質性がさらに向上し、脈理の発生が抑制される。
また、ガラス融液30は、突起14の間の隙間71および突起14が配置された2つの円周の間を通って流出孔26まで到達することができる。つまり、突起14の間の隙間71および突起14が配置された2つの円周の間は、ガラス排出流路となる。このため、ガラス融液30が残りわずかとなった際は、このルツボ20中に投入されたガラス融液のほとんどを排出することができる。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明に係るガラス融液撹拌装置の第3の実施の形態を用いたガラス溶融システムの模式的ブロック図である。
このガラス溶融システム80は、溶融窯81と、ライザ82と、清澄槽83と、ガラス融液撹拌装置84と、成型装置85と、を有する。溶融窯81は、最上流に配置され、ガラスの原料(珪砂(けいしゃ)、ソーダ灰、石灰石など)を加熱して溶融する。ライザ82は、溶融窯81の下流に設けられ、溶融したガラスを高所へ輸送する。清澄槽83は、ライザ82の下流側に設けられ、ガラス化反応により発生するHO、CO、Oなどの気体あるいは溶融時に巻き込まれた空気が原因で溶融ガラス中に生じた気泡を溶融ガラスから取り除く。清澄槽83は、リファイナとも呼ばれる。ガラス融液撹拌装置84は、清澄槽83の下流側に設けられている。清澄槽83とガラス融液撹拌装置84との間には、輸送管94が延びている。ガラス融液撹拌装置84は、清澄槽83から輸送管94を通じて溶融したガラスを撹拌して均質化する。成型装置85は、ガラス融液撹拌装置84の下方に配置されている。ガラス融液撹拌装置84と成型装置85との間には、排出配管28が延びている。成型装置85は、排出配管28を通じてガラス融液撹拌装置84から供給される撹拌後の溶融ガラスを成形する。
図10は、本実施の形態におけるガラス融液撹拌装置の立断面図である。図10において、破線の矢印はガラス融液の流れの方向を示している。
ガラス融液撹拌装置84は、撹拌槽93とシャフト17と撹拌翼92とを備えている。撹拌槽93は、たとえば鉛直方向に延びる円筒状に形成される。撹拌槽93へ溶融ガラスを導入する輸送管94は、たとえば撹拌槽93の側面に接続されている。撹拌槽93の底部中央には、流出孔26が形成されている。シャフト17は、たとえば撹拌槽93の中心軸上に位置している。撹拌翼92は、シャフト17から水平方向に突出し、撹拌槽93に収容されている。シャフト17の回転により回転する撹拌翼92は、撹拌槽93内の溶融ガラスを撹拌する。撹拌槽93の底部には、環状の突起14が流出孔26を囲うように設けられている。
脈理の発生原因となる他の部分と性状や組成が異なるガラス成分(異質ガラス成分)は、ガラスの原料を溶融する溶融窯81を構成する耐火物から溶出する成分の混入等よって発生する。これら不均質なガラス成分を含むガラス融液は、上流から下流まで耐火物表面、すなわちガラス融液の搬送経路における内壁近傍を沿って移動する。そのため、輸送管94の内壁近傍から撹拌槽93に流入した異質ガラス成分を含むガラス融液は、撹拌槽93の側壁近傍を沿って下降し、流出孔に流れることになる。
本実施の形態では、流出孔26を囲うように環状の突起14を設けることで、流出孔26からの異質ガラス成分を含むガラス融液の流出を抑制する。
具体的には、流出孔26からのガラス融液30の流出によりガラス融液30の液面31は変動しないものの、撹拌槽93内のガラス融液自体は徐々に下降していく。撹拌翼92の回転により、ガラス融液30は、主として外向流と下降流と内向流とを含む方向に流れる。外向流は、液面(不図示)に沿って側壁に向かう流れである。下降流は、ガラス融液30が側壁近傍に到達した後、側壁に沿って下降する流れである。内向流は、ガラス融液30の下降流が底部22近傍に到達した後、底部22に沿ってシャフト17の下方に向かう流れである。底部22の異質ガラス成分を含むガラス融液は、流出孔26に向う際、突起14により上向きに流れが変わることで、撹拌翼92によって生じる旋回上昇流に巻き込まれ、流出孔26からの流出が抑制される。
その結果、流出孔26から流出するガラス融液30の均質性が向上する。そのため、撹拌槽においてガラス融液の液面がほぼ一定である連続的にガラスを溶融するガラス溶融システムにおける撹拌装置においても、流出したガラス融液により形成されるガラス製品での脈理の発生を抑制できる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
10…ガラス融液撹拌装置、12…撹拌翼、14…突起、16…シャフト、17…シャフト、19…回転方向、20…ルツボ、22…底部、24…側壁、26…流出孔、28…排出配管、30…ガラス融液、31…液面、41…突起、42…突起、51…斜面、52…斜面、71…隙間、80…ガラス溶融システム、81…溶融窯、82…ライザ、83…清澄槽、84…ガラス融液撹拌装置、85…成型装置、91…回転軸、92…撹拌翼、93…撹拌槽、94…輸送管

Claims (8)

  1. 上下に貫通してガラス融液を流出させる流出孔が形成された底部とその底部から立ち上がる側壁とを備えて前記ガラス融液を貯える撹拌槽と、
    回転軸の周りを回転して前記撹拌槽に貯えられた前記ガラス融液を撹拌する撹拌翼と、
    前記底部から上方に突出して撹拌時に前記底部に沿って前記側壁から前記流出孔に向かって流れる前記ガラス融液を上昇させる突起と、
    を具備し、
    前記流出孔は前記回転軸の鉛直下方に形成され、
    前記流出孔と前記側壁との間には前記流出孔から離れた位置に少なくとも1つの前記突起が存在し、
    前記突起は前記流出孔の全体を囲うように配置されている
    ことを特徴とするガラス融液撹拌装置。
  2. 上下に貫通してガラス融液を流出させる流出孔が形成された底部とその底部から立ち上がる側壁とを備えて前記ガラス融液を貯える撹拌槽と、
    回転軸の周りを回転して前記撹拌槽に貯えられた前記ガラス融液を撹拌する撹拌翼と、
    前記底部から上方に突出して撹拌時に前記底部に沿って前記側壁から前記流出孔に向かって流れる前記ガラス融液を上昇させる突起と、
    を具備し、
    前記流出孔は前記回転翼の回転外周と前記回転軸との間の鉛直下方に形成され、
    前記回転軸から側壁に向かって前記突起を見込む領域は、前記回転軸から前記側壁に向かって前記流出孔を見込む領域を含む
    ことを特徴とするガラス融液撹拌装置。
  3. 前記回転軸から前記側壁に向かって前記突起を見込む角度は前記回転軸から前記側壁に向かって前記流出孔を見込む角度よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のガラス融液撹拌装置。
  4. 前記流出孔と前記側壁との間には少なくとも1つの前記突起が存在することを特徴とする請求項2または3に記載のガラス融液撹拌装置。
  5. 前記突起は前記底部に沿って線状に延びていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のガラス融液撹拌装置。
  6. 前記底部上のすべての前記突起を通り前記流出孔を囲む閉曲線には前記突起が存在しないガラス排出流路が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のガラス融液撹拌装置。
  7. 前記ガラス融液は揮発成分を含有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のガラス融液撹拌装置。
  8. 前記突起は上昇しながら前記側壁から遠ざかる斜面が前記側壁に向かう側に形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のガラス融液撹拌装置。
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