JP5699491B2 - 固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法 - Google Patents

固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法、詳しくは半導体ウェーハの表層に形成された固体撮像素子に対して、固体撮像素子とは反対側の裏面側から光を入射させる裏面照射型固体撮像装置における固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法に関する。
表面照射型のCMOS固体撮像装置では、照射される光の経路、特に有効画素領域の周辺部における傾斜光の光路に多層配線が存在する。そのため、この多層配線により光の侵入が妨げられ、光の利用効率が低下し、感度も下がることが知られている。そこで、これを解消する従来技術として、表面側に多層配線が形成されたシリコンウェーハにおいて、裏面側から光を照射する裏面照射型のCMOS固体撮像装置が開発されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
以下、図4のフローシートを参照して、特許文献2の図6〜図8に開示された従来の裏面照射型固体撮像装置の製造方法を説明する。
まず、SOIウェーハ100の表面に、エピタキシャル膜101が成膜されたエピタキシャルSOIウェーハ102を準備する(図4a)。SOIウェーハ100は、単結晶シリコンからなるシリコンウェーハ103の表面に埋め込みシリコン酸化膜(SiO膜)104を介して薄膜の活性層105が形成されたものである。エピタキシャル膜101は、活性層105の表面にエピタキシャル成長させたものである。
次に、エピタキシャル膜101に、その表面側から撮像領域の画素分離領域部、半導体ウェル領域部、および、フォトセンサとなるフォトダイオード106を形成する(図4b)。
その後、エピタキシャル膜101の各単位画素セルに信号電荷を読み出す複数のMOSトランジスタを構成するソース・ドレイン領域を形成し、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する。次に、周辺回路部に別のCMOSトランジスタを構成するソース・ドレイン領域を形成し、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する。さらに、エピタキシャル膜101の表面に、層間絶縁膜107に多層配線108が形成された多層配線層109を形成する。
次に、多層配線層109の表面に、シリコン酸化膜からなる接着剤層110を形成し、接着剤層110の表面に化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing)を施して、接着剤層110の表面を平坦化する(図4c)。フォトダイオード106などが形成されたエピタキシャル膜101と、多層配線層109とからCMOS型の固体撮像素子117が構成される。
その後、多層配線層109の表面に、貼り合わせ界面側にシリコン酸化膜からなる別の接着剤層111が形成された単結晶シリコン製の支持基板112を貼り合わせ、貼り合わせウェーハ113とする(図4d)。
次いで、貼り合わせウェーハ113を表裏反転し、シリコンウェーハ103を研削砥石により残厚が10〜30μmになるまで研削する(図4e)。
その後、埋め込みシリコン酸化膜104をエッチングストップ層とし、シリコンウェーハ103の残り部分をKOH溶液によりエッチングして除去する(図4f)。エッチング液にKOH溶液を使用することで、シリコンウェーハ103と埋め込みシリコン酸化膜104との選択比を、Si:SiO=100:1以上と大きくすることができる。その結果、シリコンウェーハ103を0.2〜10μm/minでエッチングし、埋め込みシリコン酸化膜104をエッチングストップ層に利用することができる。
その後、埋め込みシリコン酸化膜104をフッ酸により除去し、活性層105の裏面が露出するように薄膜化する(図4g)。
次に、活性層105の所要位置にパッド開口を形成し、開口内を含んで配線に接続される端子部を形成する。その後、各画素のフォトダイオード106に対応した位置に、カラーフィルタ114およびマイクロレンズ115を順次形成する(図4h)。これにより、裏面照射型のCMOS固体撮像装置116が製造される。
特開2008−258201号公報 特許第4046067号公報 特開2005−353996号公報
このように、特許文献2の方法によれば、まずSOIウェーハ100において、エピタキシャル膜101の内部からその表面上にわたってCMOS固体撮像素子117を製作する。その後、シリコンウェーハ103の表面側に支持基板112を貼り合わせる。次に、エッチングストップ法を利用して、必要な厚さまでシリコンウェーハ103を薄肉化し、支持基板112にCMOS固体撮像素子117を載せ替えるという方法を採用していた。
この方法によれば、近年、デバイス製造部門から要請されているCMOS固体撮像素子117の厚さばらつきの低減に対応することができる。厚さばらつきが発生すれば、CMOS固体撮像素子117に対する光の入射強度にばらつきが生じ、色ムラが発生するおそれがある。しかしながら、従来法で使用される薄膜の活性層105にエピタキシャル膜101が成膜されたエピタキシャルSOIウェーハ102は高価であった。しかも、薄膜の活性層105にエピタキシャル膜101を成膜するので、単層のシリコンウェーハにエピタキシャル膜を成膜する場合に比べて、スリップなどの欠陥が多発していた。
そこで、これを解決するため、SOIウェーハに代えて、シリコンウェーハの表面に2層のエピタキシャル膜が成膜されたエピタキシャルシリコンウェーハを使用し、エッチングストップシリコンウェーハを薄膜化する方法が開発されている。しかしながら、この方法によれば、CMOS固体撮像装置116の使用の初期段階では理想的なドーパントの濃度比率を保てるが、デバイス熱処理などが加わることで不純物拡散が発生する。これにより、エッチストップに必要なドーパントの濃度比ではなくなり、濃度勾配が緩やかになることで、不均一なエッチングが進行し、上述したCMOS固体撮像素子117の厚さばらつきに問題が生じていた。
また、CMOS固体撮像素子の厚さばらつきの低減に対応する別の従来技術として、特許文献3に示すように、半導体基板の表面に半導体基板と異なる材料の埋め込み層からなる終点検出部(研磨ストップ層)が形成されたものが開発されている。この半導体基板は、その裏面から終点検出部が臨む位置まで半導体基板が研磨により薄膜化され、その後、半導体基板の表面側に固体撮像素子が形成され、かつ半導体基板の表面側に支持基板が貼り合わされることで裏面照射型の固体撮像素子を含む半導体装置を作製するものである。しかしながら、この方法では、研磨ストップ層である終点検出部を半導体基板に作製しなければならず、その分、工程数が増加してコスト高を招いていた。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、以下のように構成すれば、上述した問題はすべて解消することを知見し、この発明を完成させた。すなわち、まずSOIウェーハに代わるシリコンウェーハの表層に固体撮像素子を形成し、その後、固体撮像素子の表面に支持基板を貼り合わせて貼り合わせウェーハを作製する。次に、シリコンウェーハを、その裏面側から固体撮像素子の近くまで研削してウェーハ層(半導体ウェーハ層)とする。次いで、ウェーハ層を研磨などで鏡面化し、その鏡面仕上げした面から、固体撮像素子までの残厚を測定する。その後、得られた残厚データに基づき、ウェーハ層を、その鏡面化された面から所定厚さまで、プラズマエッチング量を制御してプラズマエッチングすることで平坦化する。
この発明は、固体撮像素子の厚さばらつきを低減した裏面照射型固体撮像装置を工程数の増加を招くことなく低コストで製造することができる固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法を提供する。
また、この発明は、SOIウェーハの活性層にエピタキシャル膜を成膜する場合に比べて、エピタキシャル膜にスリップなどの欠陥が発生し難い固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法を提供する。
請求項1に記載の発明は、半導体ウェーハの表層に固体撮像素子を形成し、その後、前記固体撮像素子を形成した面にシリコン酸化膜を形成し、その後、前記シリコン酸化膜の表面に化学的機械的研磨を施し、前記シリコン酸化膜の表面を平坦化し、その後、前記半導体ウェーハの表面に支持基板の表面を常温で接触させて貼り合わせウェーハを作製し、その後、前記貼り合わせウェーハに貼り合わせ熱処理を行い、この貼り合わせ熱処理後、前記半導体ウェーハを、該半導体ウェーハの裏面側から前記固体撮像素子までの間に半導体ウェーハ層を残して研削し、この研削後、該半導体ウェーハ層の研削面を研磨またはエッチングにより鏡面化し、該半導体ウェーハ層の鏡面化された面から、前記固体撮像素子までの厚さを測定して残厚データを取得し、該残厚データに基づき、前記半導体ウェーハ層を、該半導体ウェーハ層の鏡面化された面から所定の厚さまで、プラズマエッチング量を制御してプラズマエッチングする固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法である。
請求項1に記載の発明によれば、まず半導体ウェーハの表層に固体撮像素子を形成し、次に半導体ウェーハの表面に支持基板を貼り合わせて貼り合わせウェーハを作製する。その後、半導体ウェーハを、その裏面側から固体撮像素子までの間に半導体ウェーハ層が残るように研削し、次いで半導体ウェーハ層の研削面を研磨またはエッチングにより鏡面化する。その後、鏡面仕上げした面から固体撮像素子までの厚さを測定し、得られた残厚データに基づき、半導体ウェーハ層を、その鏡面化された面から所定の厚さまで、プラズマエッチング量を制御してプラズマエッチングすることで平坦化する。
裏面照射型固体撮像素子にとって重要な厚さとは、加工面から固体撮像素子までの厚さである。ここで重要な点は、貼り合わせ界面から固体撮像素子までの厚さではなく、加工面(半導体ウェーハ層の鏡面化された面)から固体撮像素子までの厚さである。
このように、エッチングストップを伴った従来の高価なSOIウェーハの薄膜化に代えて、半導体ウェーハ層の鏡面化された面から固体撮像素子までの厚さを測定し、得られた残厚データに基づき、半導体ウェーハ層を、その鏡面化された面から所定の厚さまで、プラズマエッチング量を制御しながらプラズマエッチングする方法を採用したので、固体撮像素子の厚さばらつきを低減した裏面照射型固体撮像装置を工程数の増加を招くことなく低コストで製造することができる。
半導体ウェーハとしては、単結晶シリコンウェーハを採用することができる。
半導体ウェーハには、p型のドーパント(Bなど)またはn型のドーパント(P、As、Sbなど)を添加し、所定の比抵抗とすることができる。
固体撮像素子としては、例えばCMOS型のものを採用することができる。その他、CCD型のものなどでもよい。ここでの固体撮像素子は、撮像領域の画素分離領域部、半導体ウェル領域部およびフォトダイオードが形成されたエピタキシャル膜と、多層配線層とから構成されている。
支持基板の素材としては、例えば、単結晶シリコンウェーハ、ガラス基板などを採用することができる。
支持基板の貼り合わせ界面には、接着剤層としてシリコン酸化膜を積層してもよい。
半導体ウェーハ層とは、半導体ウェーハを研削などにより薄膜化した層状の部分である。
半導体ウェーハの研削では、半導体ウェーハの裏面(貼り合わせ面とは反対側の面)を、例えば#320のレジノイド研削砥石で粗研削し、ついで#2000のレジノイド研削砥石により仕上げ研削を行なう。
研削後の半導体ウェーハ層の残厚は10〜30μmである。10μm未満では研削ダメージが素子形成層に及ぶおそれがある。また、30μmを超えれば、薄膜化のためのエッチングの時間が長くなる。
半導体ウェーハ層の研削面の鏡面化方法は、研磨(鏡面研磨)またはエッチング(鏡面エッチング)またはその組み合わせである。半導体ウェーハ層の鏡面化された面の平坦度は、固体撮像素子までの半導体ウェーハ層の厚さばらつきで、現状の研削技術の精度では0.5〜2μmである。2μmを超えれば、プラズマエッチングの時間が長くなり、平坦化の精度が悪化するおそれがある。
半導体ウェーハ層の残りの厚さの測定方法としては、例えばFTIR法または光干渉法、エリプソメトリ法などを採用することができる。
「所定の厚さ」とは、プラズマエッチング後、厚さが2〜7μmの薄い半導体ウェーハ層が残存する厚さ(深さ)を意味する。
プラズマエッチングとしては、DCP(ドライ・ケミカル・プラナリゼーション)を採用することができる。DCPとは、シリコンと反応してラジカルを発生するガスを用いてエッチングするもので、ガスの種類としては、例えば、六フッ化イオウガスが使われる。
請求項2に記載の発明は、前記鏡面化された面のうねり部の厚さに合わせて、前記鏡面化された面に沿ったプラズマの移動速度を変更する請求項1に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法である。
請求項2に記載の発明によれば、半導体ウェーハ層の鏡面化された面のうねり部の厚さに合わせて、鏡面化された面に沿ったプラズマの移動速度を変更する。具体的には、このうねり部の厚さが厚い部分ではプラズマの移動速度を遅く、逆に、このうねり部の厚さが薄い部分ではプラズマの移動速度を速くする。このため、固体撮像素子までの半導体ウェーハ層の厚さばらつきが低減でき、この結果、素子間の性能ばらつきを抑えることができるという効果が得られる。
請求項3に記載の発明は、前記半導体ウェーハは、単層のエピタキシャル膜が表面に成膜されたエピタキシャルシリコンウェーハで、前記固体撮像素子は、前記エピタキシャル膜の表層に形成される請求項1または請求項2に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法である。
請求項3に記載の発明によれば、半導体ウェーハとして、単層のエピタキシャル膜が成膜されたエピタキシャルシリコンウェーハを採用したので、SOIウェーハを使用する従来法の場合のように、薄膜の活性層にエピタキシャル膜を成膜する必要がない。これにより、エピタキシャル膜にスリップなどの欠陥が発生しにくく、高品質のエピタキシャル膜が得られる。
エピタキシャル膜の素材としては、例えば単結晶シリコンを採用することができる。
エピタキシャル膜の成膜方法としては、気相エピタキシャル法、液相エピタキシャル法、固相エピタキシャル法の何れを採用してもよい。このうち、気相エピタキシャル法としては、例えば常圧気相エピタキシャル法、減圧気相エピタキシャル法、有機金属気相エピタキシャル法などを採用することができる。気相エピタキシャル法では、例えばエピタキシャルシリコンウェーハを横置き状態(表裏面が水平な状態)でウェーハ収納部に収納する、平面視して円形で、ウェーハが1枚または複数枚載置可能なサセプタが使用される。気相エピタキシャル法は、ウェーハと同じ素材をエピタキシャル成長させるホモエピタキシでも、ウェーハと異なる素材(GaAsなど)をエピタキシャル成長させるヘテロエピタキシでもよい。
エピタキシャル膜の厚さは、10μm以下、好ましくは2〜7μmである。10μmを超えれば、コストアップという不都合が生じる。
エピタキシャル膜には、p型のドーパントまたはn型のドーパントを添加し、所定の比抵抗とすることができる。
請求項4に記載の発明は、前記半導体ウェーハ層のプラズマエッチング面を仕上げ研磨する請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法である。
請求項4に記載の発明によれば、半導体ウェーハ層のプラズマエッチング面を仕上げ研磨するので、プラズマエッチング面の面粗さを向上させることができる。
仕上げ研磨では、例えば片面を仕上げ研磨する装置を使用する。すなわち、仕上げ研磨用の不織布を使用し、研磨量は0.01〜1μm程度である。
請求項5に記載の発明は、前記半導体ウェーハ層のプラズマエッチングされた面の平坦度が、前記固体撮像素子までの前記半導体ウェーハ層の厚さばらつきで0.5μm以下である請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法である。
請求項5に記載の発明によれば、半導体ウェーハ層の厚さばらつきで0.5μm以下としたので、素子間の性能ばらつきを抑えることができるという効果が得られる。
半導体ウェーハ層のプラズマエッチング面の平坦度が、厚さばらつきで0.5μmを超えれば、後工程でのプラズマエッチング面の平坦度の修正が難しく、素子間の性能ばらつきが大きくなる。半導体ウェーハ層のプラズマエッチングされた面の平坦度は、半導体ウェーハ層の厚さばらつきが、できるだけ小さくなる値、例えば0.2μm以下が好ましい。
請求項6に記載の発明は、前記プラズマエッチング後、前記固体撮像素子までの前記半導体ウェーハ層の厚さが、2〜7μmである請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法である。
請求項6に記載の発明によれば、プラズマエッチング後において、固体撮像素子までの半導体ウェーハ層の厚さを2〜7μmとしたので、固体撮像素子の厚みに合わせて均一に薄膜化できるという効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、エッチングストップを伴った従来法の高価なSOIウェーハの薄膜化に代えて、半導体ウェーハ層の鏡面化された面から固体撮像素子までの厚さを測定し、得られた残厚データに基づき、半導体ウェーハ層を、半導体ウェーハ層の鏡面化された面から所定厚さまで、プラズマエッチング量を制御しながらプラズマエッチングすることで平坦化する方法を採用したので、固体撮像素子の厚さばらつきを低減した裏面照射型固体撮像装置を工程数の増加を招くことなく低コストで製造することができる。
請求項2に記載の発明によれば、半導体ウェーハ層の鏡面化された面のうねり部の厚さに合わせて、鏡面化された面に沿ったプラズマの移動速度を変更するため、固体撮像素子までの半導体ウェーハ層の厚さばらつきが低減でき、この結果、素子間の性能ばらつきを抑えることができる。
請求項3に記載の発明によれば、半導体ウェーハとして、単層のエピタキシャル膜が成膜されたエピタキシャルシリコンウェーハを採用したので、SOIウェーハを使用する従来法の場合のように、薄膜の活性層にエピタキシャル膜を成膜する必要がない。これにより、エピタキシャル膜にスリップなどの欠陥が発生し難く、高品質のエピタキシャル膜が得られる。
請求項4に記載の発明によれば、半導体ウェーハ層のプラズマエッチング面を仕上げ研磨するので、プラズマエッチング面の面粗さを向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、半導体ウェーハ層のプラズマエッチングされた面の平坦度を、固体撮像素子までの半導体ウェーハ層の厚さばらつきで0.5μm以下としたので、素子間の性能ばらつきを抑えることができるという効果が得られる。
請求項6に記載の発明によれば、プラズマエッチング後において、固体撮像素子までの半導体ウェーハ層の厚さを2〜7μmとしたので、固体撮像素子の厚みに合わせて均一に薄膜化できるという効果が得られる。
この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるベース基板へのエピタキシャル膜の成膜工程を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法における撮像素子形成工程を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法における多層配線層への接着剤層の形成工程を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるベース基板と支持基板との貼り合わせ工程を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるベース基板の研削および研磨工程を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるベース基板の研磨面の厚さ測定およびプラズマエッチング工程を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるベース基板のプラズマエッチング面へのカラーフィルタおよびマイクロレンズの形成工程を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法で使用されるDCP装置の模式的な正面図である。 この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法における半導体ウェーハのプラズマエッチング工程を示す要部拡大断面図である。 従来手段に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるSOIウェーハへのエピタキシャル膜の成膜工程を示す縦断面図である。 従来手段に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法における撮像素子形成工程を示す縦断面図である。 従来手段に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法における多層配線層への接着剤層の形成工程を示す縦断面図である。 従来手段に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるSOIウェーハと支持基板との貼り合わせ工程を示す縦断面図である。 従来手段に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるSOIウェーハの研削工程を示す縦断面図である。 従来手段に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるエッチングストップ法を利用したSOIウェーハの一部を構成するシリコンウェーハの除去工程を示す縦断面図である。 従来手段に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるエッチングストップ法を利用したSOIウェーハの一部を構成する埋め込みシリコン酸化膜の除去工程を示す縦断面図である。 従来手段に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法におけるSOIウェーハの一部を構成する活性層の表面へのカラーフィルタおよびマイクロレンズの形成工程を示す縦断面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
以下、図1のフローシートを参照して、この発明の実施例1に係る固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法が利用された裏面照射型固体撮像装置の製造方法を説明する。
まず、エピタキシャルシリコンウェーハ10を準備する(図1a)。
エピタキシャルシリコンウェーハ10は、CZ法により引き上げられたシリコン単結晶を加工して得られた直径が300mm、ボロンドープによる比抵抗が1.0Ω・cmのベース基板(半導体ウェーハ)11を本体とする。エピタキシャルシリコンウェーハ10は、ベース基板11の表面のみに、気相エピタキシャル法により単結晶シリコンからなるエピタキシャル膜12が1層成長した2層構造のウェーハである。
エピタキシャル膜12を成膜する際には、枚葉式の気相エピタキシャル成長装置が使用される。気相エピタキシャル成長装置は、上下にヒータが配設されたチャンバの中央部に、平面視して円形で、ベース基板11が1枚載置されるサセプタが水平配置されたものである。チャンバの一側部には、チャンバの上部空間に、キャリアガス(Hガス)とソースガス(SiHClガス)とを、ウェーハ表面に対して平行に流すガス供給口が配設されている。また、チャンバの他側部には、ガスの排気口が形成されている。
エピタキシャル成長時には、ベース基板11をサセプタに載置し、ベース基板11の表面にエピタキシャル膜12を成長させる。すなわち、キャリアガスとソースガスとを、対応するガス供給口を通して反応室へ導入する。炉内圧力を100±20KPaとし、1000℃〜1150℃のベース基板11の表面に、ソースガスの熱分解または還元によって生成したシリコンを、反応速度3.5〜4.5μm/分で析出させる。これにより、ベース基板11の表面上にシリコン単結晶からなる厚さ5μm程度のエピタキシャル膜12が成膜される。こうして、エピタキシャルシリコンウェーハ10が作製される。
次に、エピタキシャル膜12に、その表面側から撮像領域の画素分離領域部、半導体ウェル領域部およびフォトセンサとなるフォトダイオード(固体撮像素子)13を形成する(図1b)。具体的には、エピタキシャル膜12の撮像領域部に各画素領域部に対応してフォトダイオード13と複数のMOSトランジスタを形成し、周辺領域の周辺回路部にCMOSトランジスタを形成する。さらに、エピタキシャル膜12の表面に、層間絶縁膜14に多層配線15が埋め込まれた多層配線層16を形成する。
次いで、多層配線層16の貼り合わせ界面側の面に、厚さ0.2μmのシリコン酸化膜である接着剤層17を、例えば減圧CVD法により形成する(図1c)。なお、フォトダイオード13などが形成されたエピタキシャル膜12と、多層配線層16とからCMOS型の固体撮像素子40が構成される。
その後、接着剤層17の表面に化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing)を施し、貼り合わされる接着剤層17の表面の平坦度を高める。
次いで、ベース基板11に形成された多層配線層16の表面に、単結晶シリコンウェーハからなる支持基板19を貼り合わせる(図1d)。
この場合、まず多層配線層16との貼り合わせ側となる面に、シリコン酸化膜からなる別の接着剤層18が形成された支持基板19を準備する。支持基板19は、ベース基板11と同一のシリコンウェーハである。
具体的な貼り合わせ方法としては、まず接着剤層17,18の表面同士を窒素プラズマに曝した後、常温で接触させ、多層配線層16と支持基板19とを貼り合わせ、これにより貼り合わせウェーハ20を得る。その後、貼り合わせウェーハ20を熱酸化炉に挿入し、貼り合わせ熱処理を行って貼り合わせ強度を高める。このとき、貼り合わせ熱処理の加熱温度は350℃である。貼り合わせ熱処理の時間は8時間である。熱酸化炉内の雰囲気ガスには酸素が用いられている。
次に、貼り合わせウェーハ20を表裏反転し、ベース基板11をその貼り合わせ側とは反対側から研削し、ベース基板11を薄膜化してウェーハ層(半導体ウェーハ層)11Aとする(図1e)。ここでは、#320のレジノイド研削砥石で粗研削し、ついで#2000のレジノイド研削砥石により、仕上げ研削を行なう。研削後のウェーハ層11Aは15μmである。
その後、ウェーハ層11Aの研削面を仕上げ研磨装置により研磨し、この研削面を鏡面化する。仕上げ研磨装置には、軟質プラスチックフォームの表面に発泡表面層が形成された仕上げ研磨用の不織布が使用される。ここでの研磨量は9μmである。
次いで、ウェーハ層11Aの鏡面化された面から、フォトダイオード13(エピタキシャル膜12と多層配線層16との界面)までの厚さを測定し、残厚データを取得する。残厚の測定には、KLA Tencor社製のAcumap測定装置が使用される。
次に、測定された残厚データ(約6μm)に基づき、ウェーハ層11Aを、その鏡面化された面から、エピタキシャル膜12との界面に達する直前(残厚約5μm)までプラズマエッチングする(図1f)。プラズマエッチング後、ウェーハ層11Aのプラズマエッチングされた面の平坦度は、固体撮像素子40までのウェーハ層11Aの厚さばらつきで0.1μm程度まで高められる。
プラズマエッチングには、スピードファム社製のDCP(ドライケミカルプラナリゼーション)装置が用いられる。DCP装置は、一般的なプラズマエッチング装置に比べて、小径ヘッドによる局所的なエッチング制御ができるという利点がある。
以下、図2および図3を参照して、DCP装置50の構成と、DCP装置50によるプラズマエッチング方法とを具体的に説明する。
図2に示すDCP装置50は、ウェーハ層11Aの鏡面化された面に対してプラズマアシスト化学エッチングを施す。このプラズマエッチングは、吸引ポンプP1,P2により負圧化されたエッチング反応炉Stにおいて、エッチングガスSFを100〜1000cc/分で炉内に流しながら、マイクロ波電源51を用いて周波数2.45GHz、電力300〜600ワットのマイクロ波を連続的に印加する。これにより、プラズマ放電管52からエッチングガスSFが励起されてプラズマが発生する。すなわち、エッチングガスSFがプラズマ放電管52内でプラズマのエネルギを受け、化学的に活性化する。
その後、貼り合わせウェーハ20を保持したチャック53を、ウェーハ層11Aの鏡面化された面に沿って、この鏡面化された面のうねり部(起伏部)の厚さに合わせて移動速度を変更しながら動かす(図3)。これにより、プラズマにより励起されたラジカル種54が、ウェーハ層11Aの所定位置へと順次供給される。その結果、プラズマ領域下のシリコンが、約1μm/秒のエッチングレート、エッチング量1〜5μmで、上記うねり部の厚さ(例えば1〜5μm)に合わせてエッチングされる。その際、前記残厚データに基づき、ウェーハ層11Aの鏡面化された面の他の部分も一連にプラズマエッチングされる。これにより、ウェーハ層11Aのプラズマエッチング面の全体から、凹凸が完全に除去される。なお、図2中のA(B)は貼り合わせウェーハ20の板厚測定機である。
このように、実施例1では、エッチングストップを伴った従来法の高価なSOIウェーハの薄膜化に代えて、ウェーハ層11Aの鏡面化された面からフォトダイオード13までの厚さを測定し、得られた残厚データに基づき、このウェーハ層11Aを、ウェーハ層11Aの鏡面化された面から所定厚さまで、ウェーハ層11Aの鏡面化された面に沿ったプラズマの移動速度を変更しながらプラズマエッチング量を制御してDCPによるプラズマエッチングを行う方法を採用した。これにより、固体撮像素子40の厚さばらつきを低減した後述する裏面照射型固体撮像装置30を、従来法に比べて工程数の増加を招くことなく低コストで製造することができる。その結果、固体撮像素子40に対する光の入射強度のばらつきが低減し、色ムラを防止することができる。
その後、ウェーハ層11Aのプラズマエッチング面には、前記仕上げ研磨用の不織布を使用する仕上げ研磨装置により仕上げ研磨される。ここでの研磨量は0.1μmである。これにより、プラズマエッチング面の面粗さを向上させることができる。
次に、薄膜化されたウェーハ層11Aの裏面に、パシベーション膜となる例えばシリコン窒化膜、シリコン酸化膜をプラズマCVD法により形成する。
次いで、ウェーハ層11Aの固体撮像素子形成領域の所要の部分に、多層配線15と接続するためのパッド(端子)導出用の開口を形成し、この開口を通じてパッドを形成する。
その後、各フォトダイオード16に対応した位置に、対応する色のカラーフィルタ21を形成し、さらにその上にマイクロレンズ22を形成することで、裏面照射型固体撮像装置30が製造される(図1g)。
このように、ベース基板11として、単層式のシリコンウェーハを採用したので、高価なSOIウェーハを使用する場合に比べて裏面照射型固体撮像装置30のコスト低減が図れる。しかも、従来のように、SOIウェーハの活性層にエピタキシャル膜を成膜する必要がなく、高品質のエピタキシャル膜12が得られる。
ここで、実施例1の裏面照射型固体撮像装置30について、実際に、シリコンウェーハの面内での固体撮像素子40の厚さばらつきを測定する試験を行った結果を報告する。
測定装置としては、KLA Tencor社製のAcumapを使用した。その結果、この厚さばらつきは、ウェーハ面内で0.1μm未満で、高価なSOIウェーハを使用せずに、良好な膜厚均一性を得ることができた。また、固体撮像素子までの半導体ウェーハ層の厚さは、4μmで、高品質のエピタキシャル成長層のみが残存するという効果が得られた。
この発明は、裏面照射型CMOSイメージセンサなどの製造に有用である。
11 ベース基板(半導体ウェーハ)、
11A ウェーハ層(半導体ウェーハ層)、
12 エピタキシャル膜、
19 支持基板、
20 貼り合わせウェーハ、
30 裏面照射型固体撮像装置、
40 固体撮像素子。

Claims (6)

  1. 半導体ウェーハの表層に固体撮像素子を形成し、
    その後、前記固体撮像素子を形成した面にシリコン酸化膜を形成し、
    その後、前記シリコン酸化膜の表面に化学的機械的研磨を施し、前記シリコン酸化膜の表面を平坦化し、
    その後、前記半導体ウェーハの表面に支持基板の表面を常温で接触させて貼り合わせウェーハを作製し、
    その後、前記貼り合わせウェーハに貼り合わせ熱処理を行い、
    この貼り合わせ熱処理後、前記半導体ウェーハを、該半導体ウェーハの裏面側から前記固体撮像素子までの間に半導体ウェーハ層を残して研削し、
    この研削後、該半導体ウェーハ層の研削面を研磨またはエッチングにより鏡面化し、
    該半導体ウェーハ層の鏡面化された面から、前記固体撮像素子までの厚さを測定して残厚データを取得し、
    該残厚データに基づき、前記半導体ウェーハ層を、該半導体ウェーハ層の鏡面化された面から所定の厚さまで、プラズマエッチング量を制御してプラズマエッチングする固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法。
  2. 前記鏡面化された面のうねり部の厚さに合わせて、前記鏡面化された面に沿ったプラズマの移動速度を変更する請求項1に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法。
  3. 前記半導体ウェーハは、単層のエピタキシャル膜が表面に成膜されたエピタキシャルシリコンウェーハで、
    前記固体撮像素子は、前記エピタキシャル膜の表層に形成される請求項1または請求項2に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法。
  4. 前記半導体ウェーハ層のプラズマエッチング面を仕上げ研磨する請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法。
  5. 前記半導体ウェーハ層のプラズマエッチングされた面の平坦度が、前記固体撮像素子までの前記半導体ウェーハ層の厚さばらつきで0.5μm以下である請求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法。
  6. 前記プラズマエッチング後、前記固体撮像素子までの前記半導体ウェーハ層の厚さが、2〜7μmである請求項1〜請求項5のうち、何れか1項に記載の固体撮像素子用半導体ウェーハの薄膜化制御方法。
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