JP5699268B1 - 断熱カバー取付け後のヒーター冷却パイプ - Google Patents

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【課題】 本発明はプラスチック成形機のシリンダーヒーター部が装着された断熱カバーによって温度が下がらない問題を解決できるようにした発明である。【解決手段】 パイプ1の両側にエアー噴出口3を空け、2層になっている断熱材の間にパイプ1挿入し2層の断熱材の間をエアーがすり抜けて行く構造にした。後ほどエアーが必要になっても、現状使用している断熱カバー5に穴を開け、断熱カバー5を初めから作り直すことなくパイプ1を挿入し、エアーを加えて冷却できることを可能にした構造である。【選択図】図1

Description

本考案は断熱カバーを装着した状態で、プラスチック成形機のシリンダー及びヒーター部を素早く冷却させるようにしたものでる。
プラスチック成形機には、製品となる樹脂を溶融させるためのシリンダーがある。このシリンダーの中心部(スクリュー)に樹脂が流れていくのだが樹脂が溶解する温度(約200〜300℃)にするためにシリンダーの外層に取付けられた電気ヒーターで温度を溶解温度まで上昇させている。むき出しになっているのでヒーターの熱は外部にも拡散し、非常にエネルギー効率が悪い。近年、このエネルギーロスを抑えるためにシリンダーを断熱カバーで保温している企業が増えてきた。しかし、昨今の射出成型工場は樹脂変えという作業(成形する製品によって樹脂を変える必要があり、溶解温度が樹脂によって違うため、300℃で成形していた製品から溶解温度が300℃よりも低い製品を成形する場合、その製品の樹脂の溶解温度が200℃あればシリンダーの温度を100℃下げなければならない)があり、温度帯を変化させなければならない。シリンダーやヒータに断熱カバーを装着すると保温力が大きいため、シリンダーの温度を下げるのが難しく、省エネルギーの効果は理解できても取り付けられない工場が多々あったが、断熱カバーに圧縮エアーの挿入口を作り、断熱カバーの装着後もシリンダーの温度を下げることができる断熱カバーが開発されている。
特許公開2010−247458
プラスチック成形機のシリンダーヒーター部に断熱カバーを装着すると保温効果で電気使用量が減り、電気代の削減に繋がるので非常にニーズがある。しかし、成形をする工場の中には樹脂替えという作業があり、製品に応じて樹脂(材料)を変えるのだがヒーターの温度帯を下げる(300℃の成形から250℃で成形しなければならないなど)作業が発生し、断熱カバーを付けたままではヒーターの温度が下がらないため断熱カバーを装着できないでいた。特許公開2010−247458で上記問題は解決したように思われたが2層になっている断熱材の上からエアーを噴射するため、広範囲までエアーが行き渡らず、冷却効果が少なかった。広範囲を冷却するために多くのエアー挿入口を作る必要があるので冷却装置の費用が高かった。また、冷却時間が長くなるため、使用している圧縮エアーの電気代が懸念された。また、エアー噴出し口付きの断熱カバーとして作成するため、エアー噴出し口無しで断熱カバーを作ったものは後ほどエアー噴出し口が必要になっても取り付けができない。
L字型の金属パイプ1の両側にエアー噴出口3を開け、エアー挿入口3から吹き出すエアーを両サイドに流す構造にする。断熱カバー5の内面はグラスウールなどの断熱材7の2層になっており、断熱カバー5の側面よりパイプ1を通す穴を開け、2層になっている断熱材7の間にパイプ1を挿入し断熱材7の間をエアーがすり抜けて行く構造にした。また、パイプ1を断熱カバーの大きさに合わせた長さにする。シリンダー8に取り付けられた後の断熱カバー5であっても、後ほどエアーが必要になれば、断熱カバー5を初めから作り直すことなく、現状使用している断熱カバー5に穴を開けパイプ1を挿入し、エアーを加えて冷却できることを可能にした。
エアーが行き渡りやすくなるので冷却効果が増えるとともに、冷却時間が減少する。エアーの噴出し時間やエアー挿入口の数も減るので無駄なコストがかからない。また、既存の断熱カバーにも使用することが可能なので、断熱カバーを作り直す費用も発生しない。
本発明の横面図面である。 本発明の正面断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1で示すように、金属のパイプ1をL字に加工し、パイプ先端部に圧縮エアーの供給ホースとジョイントするためのエアー挿入口2を取り付けロウづけする。パイプの両側にエアー噴出し口3を開け、エアー挿入口2から流れてくるエアーがエアー噴出し口3から出るようにパイプ先端4を塞ぐ。断熱カバー5は通常30mmほどの厚みになっているが側面にパイプ1が通るように20mmくらいのパイプ挿入口6の穴を開け、パイプ1を通せるようにする。図2で示すように、断熱カバー5内の断熱材7は2層になっており、パイプはその間を通すように挿入する。エアー挿入口2に圧縮エアーの供給ホース(図解なし)を取り付けエアーを入れる。エアーはパイプ1を通り、エアー噴出し口3から出、断熱材7の間を通って断熱カバー5全体に行き渡る構造にした。それにより断熱カバー5全体が冷却され、断熱カバー5に密接しているシリンダー及びヒーターも冷却される。結果、シリンダー8を局部的に冷却することなくまんべんなく全体を冷却できる。
特許公開2010−247458は断熱カバーに対し垂直方向にエアーを送り込む形になっているが、断熱カバー内部の断熱材がエアーの流通の邪魔をし、全体にエアーが行き渡らなかった。また、じゃま板を設けシリンダーを局部的に冷却させないようにしていたが、じゃま板はエアーを正面から受け急激に冷却され、シリンダーを局部的に冷却していた。本発明は2層の断熱材7の間の空気層をエアーが流通するため、断熱カバー5全体にエアーが行き渡り、シリンダー8に対し垂直方向にエアーを送り込まないため、シリンダー8の局部的な冷却も防げる。また特許公開2010−247458は断熱カバーに取り付け提供するものであったが、顧客がすでに断熱カバーを違う製品で取り付けていることも多く、また、樹脂変えが無かった顧客も後ほど樹脂変えが必要になるケースも多く、特許公開2010−247458を使用しようとすると、すでに顧客が使用している断熱カバーを破棄し、新たに特許公開2010−247458の断熱カバーを購入しなければならなかった。断熱材の特性上、正しい使用法であれば10年は劣化はしないため(断熱カバーは縫製の部分がほつれたり破れたりする)、新たに購入となると非常にロスが生じる。本発明は、既存の断熱カバーであってもパイプ挿入口2を開ければ本発明を使用することができる。
1 パイプ
2 エアー挿入口
3 エアー噴出し口
4 パイプ先端
5 断熱カバー
6 パイプ挿入口
7 断熱材
8 シリンダー

Claims (1)

  1. 金属のパイプの両サイドに穴を開け、 エアー挿入口から送られてきた圧縮エアーが両サイドの穴から外部に流通するように加工し、 2層になった断熱材の間に通るよう加工された断熱カバーの中に加工したパイプを挿入し、 圧縮エアーを流すことによって断熱材に保温されたシリンダーやヒーターを冷却することを特徴としたパイプ。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016203455A (ja) * 2015-04-20 2016-12-08 株式会社日本製鋼所 加熱シリンダのカバー

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