JP5698201B2 - 不斉酸化によるチオ置換アリールメタンスルフィニル誘導体の単一鏡像異性体のエナンチオ選択的合成法 - Google Patents
不斉酸化によるチオ置換アリールメタンスルフィニル誘導体の単一鏡像異性体のエナンチオ選択的合成法 Download PDFInfo
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Description
本発明は、アリールメタンスルフィニル誘導体の単一の鏡像異性体又は鏡像異性的に富んだ形態のエナンチオ選択的合成法に関する。
本明細書中に開示される化合物は、モダフィニルの生物学的及びキラル類似体に関連した合成したアリールメタンスルフィニル誘導体である。モダフィニル、C15H15NO2Sは、2−(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミド又は2−[(ジフェニルメチル)スルフィニル]アセトアミドとしても知られ、覚醒促進作用を有する合成したアセトアミド誘導体であり、仏国特許第78 05 510号及び米国特許第4,177,290号(「290特許」)に記載されている。これら全ての分子は、共通して、それらの構造において、硫黄原子で立体中心を共有し、したがって、鏡像異性体の対として存在する。両鏡像異性体は、差別的な立体化学的に依存して代謝及び酵素阻害を提示してもよい。新規立体異性薬物の開発に関するFDA及び登録機関の政策綱領により、医薬として関心の高いキラルスルホキシドの両鏡像異性体は合成され、それらの生物学的活性が決定される必要がある。高い鏡像体純度を有するキラルスルホキシドの合成が現在の関心事である。
しかしながら、官能化硫化物、顕著にはエステル基を有するものの不斉酸化は、これらの条件下で、中程度のエナンチオ選択性を進めることが判明した。
これらの結果はまた、この手法のエナンチオ選択性が構造及び顕著には基質の官能性に非常に依存する。より具体的には、硫黄に近接したエステル基を有する硫化物の酸化は、ほとんど不斉導入しない。
硫化物の不斉酸化のためのいくつかの条件を変更することによってエナンチオ選択性を改善する試みがなされている。例えば、Kagan及び共同研究者ら(Zhao,S.;Samuel O.;Kagan,H.B.,Tetrahedron 1987;43.(21、5135−5144)は、酸化のエナンチオ選択性がtert−ブチルヒドロペルオキシドの代わりにクメンペルオキシドを用いることによって増加できたことを見出した(ee 96%まで)。しかしながら、これらの条件は、硫黄原子に近接したエステル、アミド又はカルボン酸官能基を有する硫化物の酸化の問題を解決しない。
本発明は、アリールメタンスルフィニル誘導体の単一の鏡像異性体のエナンチオ選択的合成の新規な方法を提供し、この方法において、高収率と共に非常に高いエナンチオ選択性が得られる。
本発明はまた、高純度、有意には97〜98%よりも高い純度で、対応するプロキラル硫化物からの単一の鏡像異性体又は鏡像異性的に富んだ形態としてスルホキシドを製造するための方法を提供する。
更なる利点として、この方法は、環境的に低毒素であり、相対的に低コストである触媒として少量のチタン化合物を使用する。
本発明はまた、単一の鏡像異性体として又は鏡像異性的に富んだ形態でアリールメタンスルフィニルアセトアミドを製造するためのいくつかの方法を提供する。好都合には、これらの工程は、出発原料として適切なアリールアルコール又はチオールを用いた場合、3工程又はそれより少ない回数に限定される。
アリールメタンスルフィニル誘導体前駆体、特に酢酸アリールメタンスルフィニル、そのアミド及びエステルの不斉酸化は、塩基の存在下でのチタンキラル複合体を介した反応を達成することによって、96%の及びそれを超えた非常に高いエナンチオ選択性を有して達成され得ることが見出される。
Arは、
U、V及びWは、結合、CH2、CR23R24、O、S(O)y、NR11、C(=O)、CHOH、CHOR14、C=NOR14又はC=NNR12R13から独立して選択され;
環A、B及びCは、H、F、Cl、Br、I、OR22、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5若しくは6員のへテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、OC(=O)NR23R24、及びNR21C(=S)R22から選択される1〜3個の基で場合により置換され;
環Dは、C1−C6アルキル、フェニル、及び5〜10員のヘテロアリールから選択される1個の基で場合により置換され;
R2は、H、F、Cl、Br、I、OR16、NR17R18、NHOH、NO2、CN、CF3、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、アルキニル、C(=O)R16、CO2R16、OC(=O)R16、C(=O)NR17R18、NR15C(=O)R16、NR15CO2R16、OC(=O)NR17R18及びNR15C(=S)R16から選択され、
あるいは、2個のR2基が組み合わさって、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はプロピレンジオキシ基を形成してもよく;
(式中、
R3は、H、F、Cl、Br、I、OR16、OCF3、NR17R18、NHOH、NO2、CN、CF3、CH2OR16、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5若しくは6員のヘテロアリール、C7−C10アリールアルキル、C(=O)R16、CO2R16、OC(=O)R16、C(=O)NR17R18、NR15C(=O)R16、NR15CO2R16、OC(=O)NR17R18、NR15C(=S)R16、及びNR15S(=O)2R16から選択され、
あるいは、2個のR3基が組み合わさって、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はプロピレンジオキシ基を形成してもよい)}
であり;
R1は、CN、C(=O)R14、CO2R11、C(=O)NR12R13、C(=O)NR21OR22、C(=NR11)NR12R13、OC(=O)R11、OC(=O)NR12R13、NR12R13、NR21NR12R13、NR21C(=O)R14、NR21C(=O)NR12R13、NR21S(O)2R11、NR21S(O)2NR12R13から選択され;
R11は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、C6−C10アリール、アリールアルキルから独立して選択され、ここで、前記アルキル、アリール、アリールアルキル基は1〜3個のR20基で場合により置換され;
R12及びR13は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C6−C10アリール、及びNR23R24から各々独立して選択され、又はR12及びR13は、それらに結合している窒素と一緒になって、3〜7員の複素環を形成し、ここで、前記アルキル及びアリール基並びに複素環は、1〜3個のR20基で場合により置換され;
R15は、出現するごとに、H、C1−C6アルキルから独立して選択され;
R16は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル及びC6−C10アリールから独立して選択され、ここで、前記アルキル及びアリール基は、1〜3個のR20基で場合により置換され;
R17及びR18は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル及びC6−C10アリールから各々独立して選択され、又はR17及びR18は、それらに結合している窒素と一緒になって、3〜7員の複素環を形成し、ここで、前記アルキル及びアリール基並びに複素環は、1〜2個のオキソ基で場合により置換され;
R20は、出現するごとに、F、Cl、Br、I、OR22、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、1〜3個のOHによって場合により置換されるC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、0〜1個のOR25によって置換されたフェニル、5〜6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、及びOC(=O)NR23R24から独立して選択され;
R22は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C1−C6アルキル−OH及びC6−C10アリールから独立して選択され;
R23及びR24は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル及びC6−C10から各々独立して選択され、又はR23及びR24は、それらに結合している窒素と一緒になって、1〜3個のオキソ基で場合により置換される3〜7員の複素環を形成し;
R25は、出現するごとに、H、F、Cl、Br、C1−C6アルキル及びC1−C6アルキルオキシから独立して選択され;
xは、1、2、3又は4であり;
yは、0、1又は2である]
で表されるスルホキシド化合物を製造する方法であって、
で表されるプロキラル硫化物を金属キラルリガンド複合体、塩基及び酸化剤と有機溶媒中で接触させる工程;そして、場合により
b)得られた式(I)のスルホキシドを分離する工程
を含む。
鏡像異性体の対に関して、鏡像異性体E2と比較した鏡像異性体E1の鏡像体過剰率(ee)は、下記の方程式:
%鏡像体過剰率={(E1−E2)/(E1+E2)}×100
を用いて計算することができる。
純度は、スルホンのような副産物、及び未反応の硫化物を顕著に含むかもしれない他の材料の量と比較した鏡像異性体E1及びE2の量を意味する。純度は、同様にHPLCによって決定してもよい。
本明細書中で使用するとき、用語「金属キラルリガンド複合体」は、金属化合物、キラルリガンド、及び場合により水から構成される複合体を意味する。
本明細書中で使用されるとき、用語「アルキル」は、直鎖又は分岐した1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、ヘキシル等を意味する。アルコキシ、アルコキシカルボニル及びアルキルアミノカルボニル基のようなアルキル含有基のアルキル部分は、上記で定義したアルキルと同じ意味をもつ。低級アルキル基が好ましく、1〜4個の炭素を含有する上記で定義したアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルである。例えば、「C1−C4アルキル」のような記号表示は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキルラジカルを意味する。
本明細書中で使用されるとき、用語「炭素環」、「炭素環式の」又は「カルボシクリル」は、飽和した、部分的に飽和した又は不飽和であって、3〜10個の環炭素原子を含有する置換又は未置換の安定な単環式又は二環式炭化水素環系を意味する。したがって、炭素環式基は、芳香族又は非芳香族であってもよく、本明細書中で定義したシクロアルキル及びアリール化合物を含む。炭素環式基の環内炭素原子を連結する結合は、一重、二重、三重又は縮合した芳香族部分の部分であってもよい。
酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸のような無機酸、並びに酢酸、クエン酸、プロピオン酸、酒石酸、グルタミン酸、サリチル酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、コハク酸、及び安息香酸のような有機酸、そして、関連する無機酸及び有機酸を含む。
本明細書中で使用されるとき、「[...]−[...]の間」は包括範囲を意味する。
Ar1は、0〜5個のR3によって場合により置換されるC6−C10アリール;0〜5個のR3によって場合により置換されるC5−C10シクロアルケニル;0〜5個のR3によって場合により置換されるC5−C10員のヘテロアリール基であり、ここで、前記ヘテロアリールは、N、O、S又はSeから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み、ここで、R3は、H、F、Cl、Br、I、OR16、OCF3、NR17R18、NHOH、NO2、CN、CF3、CH2OR16、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5又は6員のヘテロアリール、C7−C10アリールアルキル、C(=O)R16、CO2R16、OC(=O)R16、C(=O)NR17R18、NR15C(=O)R16、NR15CO2R16、及びO(C=O)NR17R18から選択され;その代わりに、2個のR3基が組み合わさって、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、又はプロピレンジオキシ基を形成してもよく;
R1は、CN、C(=O)R14、CO2R11、C(=O)NR12R13、C(=O)NR21OR22、OC(=O)R11、OC(=O)NR12R13、NR12R13、NR21NR12R13、NR21C(=O)R14、NR21C(=O)NR12R13から選択され;
R2は、H、F、Cl、Br、I、OR16、NR17R18、NHOH、NO2、CN、CF3、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、C(=O)R16、CO2R16、OC(=O)R16、C(=O)NR17R18、NR15C(=O)R16、NR15CO2R16、及びOC(=O)NR17R18、及びNR15C(=S)R16から選択され;その代わりに、2個のR2基が組み合わさって、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、又はプロピレンジオキシ基を形成してもよく;
R12及びR13は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C6−C10アリール、及びNR23R24から各々独立して選択され、あるいはR12及びR13は、それらに結合している窒素と一緒になって、3〜7員の複素環を形成し;
R15は、出現するごとに、H、C1−C6アルキルから独立して選択され;
R16は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、及びC6−C10アリールから独立して選択され、ここで、前記アルキル及びアリール基は、1〜3個のR20基で場合により置換され;
R20は、出現するごとに、F、Cl、Br、I、OR22、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、1〜3個のOHで場合により置換されるC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、0から1個のOR25によって置換されたフェニル、5又は6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、及びOC(=O)NR23R24から独立して選択され;
R22は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C1−C6アルキル−OH及びC6−C10アリールから独立して選択され;
R23及びR24は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、及びC6−C10アリールから各々独立して選択され、あるいは、R23及びR24は、それらに結合している窒素と一緒になって、1〜3個のオキソ基で場合により置換される3〜7員の複素環式基を形成し;
R25は、出現するごとに、H、F、Cl、Br、C1−C6アルキル、C1−C6アルキルオキシから独立して選択され;
xは、1、2、3又は4である)
で表されるスルホキシド化合物を製造するための方法に関し、
で表されるプロキラル硫化物を金属キメラリガンド複合体、塩基及び酸化剤と有機溶媒中で接触させる工程;そして、場合により
b)得られた式(Ia)のスルホキシドを分離する工程
を含む。
Ar1は、0〜5個のR3によって場合により置換されるC6−C10アリール;0〜5個のR3によって場合により置換されるC5−C10シクロアルケニル;0〜5個のR3によって場合により置換されるC5−C10員のヘテロアリール基であり、ここで、前記ヘテロアリールは、N、O、S又はSeから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含み、ここで、R3は、H、F、Cl、Br、I、OR16、OCF3、NR17R18、NHOH、NO2、CN、CF3、CH2OR16、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5又は6員のヘテロアリール、C7−C10アリールアルキル、C(=O)R16、CO2R16、OC(=O)R16、C(=O)NR17R18、NR15C(=O)R16、NR15CO2R16、及びO(C=O)NR17R18から選択され;その代わりに、2個のR3基が組み合わさって、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、又はプロピレンジオキシ基を形成してもよく;
Yは、C1−C6アルキレンであり;
R1は、CN、C(=O)R14、CO2R11、C(=O)NR12R13、C(=O)NR21OR22、OC(=O)R11、OC(=O)NR12R13、NR12R13、NR21NR12R13、NR21C(=O)R14、NR21C(=O)NR12R13から選択され;
R2は、H、F、Cl、Br、I、OR16、NR17R18、NHOH、NO2、CN、CF3、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、C(=O)R16、CO2R16、OC(=O)R16、C(=O)NR17R18、NR15C(=O)R16、NR15CO2R16、及びOC(=O)NR17R18、及びNR15C(=S)R16から選択され;その代わりに、2個のR2基が組み合わさって、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、又はプロピレンジオキシ基を形成してもよく;
R12及びR13は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C6−C10アリール、及びNR23R24から各々独立して選択され、あるいはR12及びR13は、それらに結合している窒素と一緒になって、3〜7員の複素環を形成し、ここで、前記アルキル及びアリール基並びに複素環式基は、1〜3個のR20基で場合により置換され;
R15は、出現するごとに、H、C1−C6アルキルから独立して選択され;
R16は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、及びC6−C10アリールから独立して選択され、ここで、前記アルキル及びアリール基は、1〜3個のR20基で場合により置換され;
R20は、出現するごとに、F、Cl、Br、I、OR22、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、1〜3個のOHで場合により置換されるC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、0から1個のOR26によって置換され例えばフェニル、5又は6員のヘテロアリール、アリールアルキル、=O、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、及びOC(=O)NR23R24から独立して選択され;
R22は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C1−C6アルキル−OH及びC6−C10アリールから独立して選択され;
R23及びR24は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、及びC6−C10アリールから各々独立して選択され、あるいは、R23及びR24は、それらに結合している窒素と一緒になって、1〜3個のオキソ基で場合により置換される3〜7員の複素環式基を形成し;
R25は、出現するごとに、H、F、Cl、Br、C1−C6アルキル、C1−C6アルキルオキシから独立して選択され;
xは、1、2、3又は4である)
で表されるスルホキシド化合物を製造するための方法に関し、
で表されるプロキラル硫化物を金属キメラリガンド複合体、塩基及び酸化剤と有機溶媒中で接触させる工程;そして、場合により
b)得られた式(Ib)のスルホキシドを分離する工程
を含む。
Uは、結合、CH2、CR23R24、O、S(O)y、NR11、C(=O)、CHOH、CHOR14、C=NOR14又はC=NNR12R13から選択され;
環A及びBは、H、F、Cl、Br、I、OR22、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5又は6員のヘテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)R22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、及びOC(=O)NR23R24から選択される1〜3個の基で場合により置換され;
R1は、CN、C(=O)R14、CO2R11、C(=O)NR12R13、C(=O)NR21OR22、OC(=O)R11、OC(=O)NR12R13、NR12R13、NR21NR12R13、NR21C(=O)R14、NR21C(=O)NR12R13から選択され;
R12及びR13は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C6−C10アリール、及びNR23R24から各々独立して選択され、あるいはR12及びR13は、それらに結合している窒素と一緒になって、3〜7員の複素環を形成し、ここで、前記アルキル及びアリール基及び複素環式基は、1〜3個のR20基で場合により置換され;
R22は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C1−C6アルキル−OH及びC6−C10アリールから独立して選択され;
R23及びR24は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、及びC6−C10アリールから各々独立して選択され、あるいはR23及びR24は、それらに結合している窒素と一緒になって、1〜3個のオキソ基で場合により置換される3〜7員の複素環式基を形成し;
R25は、出現するごとに、H、F、Cl、Br、C1−C6アルキル、C1−C6アルキルオキシから独立して選択され;
yは、0、1又は2である)
で表されるスルホキシド化合物を製造するための方法に関し、
で表されるプロキラル硫化物を金属キメラリガンド複合体、塩基及び酸化剤と有機溶媒中で接触させる工程;そして、場合により
b)得られた式(Ic)のスルホキシドを分離する工程
を含む。
V及びWは、結合、CH2、CR23R24、O、S(O)y、NR11、C(=O)、CHOH、CHOR14、C=NOR14又はC=NNR12R13から独立して選択され;
環Cは、H、F、Cl、Br、I、OR22、NR23R24、NHOH、NO2、CN、CF3、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、3〜7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、5又は6員のヘテロアリール、アリールアルキル、C(=O)R22、CO2R22、OC(=O)NR22、C(=O)NR23R24、NR21C(=O)R22、NR21CO2R22、及びOC(=O)NR23R24から選択される1〜3個の基で場合により置換されてもよく;
環Dは、C1−C6アルキル、フェニル、及び5〜10員のヘテロアリールから選択される1個の基で場合により置換され;
R1は、CN、C(=O)R14、CO2R11、C(=O)NR12R13、C(=O)NR21OR22、OC(=O)R11、OC(=O)NR12R13、NR12R13、NR21NR12R13、NR21C(=O)R14、NR21C(=O)NR12R13から選択され;
R12及びR13は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C6−C10アリール、及びNR23R24から各々独立して選択され、あるいはR12及びR13は、それらに結合している窒素と一緒になって、3〜7員の複素環を形成し、ここで、前記アルキル及びアリール基並びに複素環式基は、1〜3個のR20基で場合により置換され、ここで、前記アルキル及びアリール基並びに複素環は、1〜3個のR20基で場合により置換され;
R22は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、C1−C6アルキル−OH及びC6−C10アリールから独立して選択され;
R23及びR24は、出現するごとに、H、C1−C6アルキル、及びC6−C10アリールから各々独立して選択され、あるいはR23及びR24は、それらに結合している窒素と一緒になって、1〜3個のオキソ基で場合により置換される3〜7員の複素環式基を形成し;
R25は、出現するごとに、H、F、Cl、Br、C1−C6アルキル、C1−C6アルキルオキシから独立して選択され;
yは、0、1又は2である)
で表されるスルホキシド化合物を製造するための方法に関し、
で表されるプロキラル硫化物を金属キメラリガンド複合体、塩基及び酸化剤と有機溶媒中で接触させる工程;そして、場合により
b)得られた式(IId)のスルホキシドを分離する工程
を含む。
V及びWは、結合、CH2、O、NH、C(=O)、CHOH、CHOCH3、C=NOCH3又はC=NNH2、及びフェニルによって置換された環Dから独立して選択され、そして、より好ましくは、Wは結合であり、そしてVはO、NH、S、及びフェニルによって置換された環Dから選択される。
最も好ましくは、R1は、CN、CO2R11、C(=O)NH2又はC(=O)NHOHから選択される。
好ましくは、Yは、CH2又はCH2CH2であり、より好ましくは、YはCH2である。
スルホキシドは、式(Ib)の化合物である場合、Xは、好ましくはOである。
好ましくは、R3基は、F、Cl、Br、I、顕著にはClである。
つまり、Ar1基は、フェニル、4−クロロフェニル及び3,4−ジクロロフェニル基から顕著に選択される。
好ましくは、Ar1又はAr1−Xは、フェニル環E上でオルト位に位置される。
−式(Ia)で表されるスルホキシドであって、ここで、Ar1は、環E上でオルト位である4−クロロフェニルであり、R2はHであり、YはCH2であり、R1は−C(=O)NH2であり、(−)又は(+)−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニルアセトアミドと称する;
−式(Ia)で表されるスルホキシドであって、ここで、Ar1は、環E上でオルト位であるフェニルであり、R2はHであり、YはCH2であり、R1は−C(=O)NH2であり、(−)又は(+)2−[([1,1’−ビフェニル]−2−イルメチル)スルフィニル]アセトアミドと称する;
−式(Ib)で表されるスルホキシドであって、ここで、Ar1は3,4−ジクロロフェニルであり、XはOであり、Ar1−X−基は、環E上でオルト位にあって、R2はHであり、YはCH2であり、R1は−C(=O)NH2であり、(−)又は(+)2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ベンジル]スルフィニルアセトアミドと称する;
並びに、これらの対応する酸(R1=CO2H)及びエステル(R1=CO2R11)である。
酸化反応は、有機溶媒中で実行される。驚くべきことに、溶媒は、本発明によれば、酸化のエナンチオ選択性に不可欠ではない。それ故、溶媒は、産業上の観点から適した条件並びに環境的側面に関して選ばれてもよい。適した有機溶媒は、顕著にはトルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン及び塩化メチレンであり、そして、当業者によって容易に決定され得る。環境的観点から、非塩素化溶媒が好ましい。この点について、酢酸エチル及びトルエンが特に好ましい。
金属キラルリガンド複合体は、キラルリガンド及び金属化合物から製造される。
金属化合物は、好ましくは、チタン、ジルコニウム、バナジウム又はマンガン化合物であり、より好ましくは、チタン化合物である。
で表されるものを含む。
R’は低級アルキル又はアルコキシである)
のシッフ塩基を含む。
金属キラルリガンド複合体の好ましい例は、C2−対称ジオール又はC3−対称トリアルカノールアミンチタン(IV)複合体、C3−対称トリアルカノールアミンジルコニウム(IV)複合体、キラル(サレン)マンガン(III)複合体、キラル(サレン)バナジウム(IV)複合体、顕著にはFernandezら、Chem.Rev.2003;103(9):3651−3706に記載されたものである。
金属キラルリガンド複合体の化学量論は変化してもよく、本発明にとって重要でない。
本発明の好ましい側面に従って、金属キラル複合体の製造は、さらに水を含む。実際に、金属キラルリガンド複合体における水の存在は、反応のエナンチオ選択性と関係することが見出されている。
この方法で使用される金属キラルリガンド複合体の量は、重要ではない。しかしながら、プロキラル硫化物と比較して、0.50当量未満、特に0.05〜0.30当量、そして最も好ましくは0.1〜0.30当量を用いることが有利であることが見出されている。驚くべきことに、非常に低い量(例えば、0.05当量)の複合体でさえ、優れた結果を伴って本発明による方法に使用されてもよい。
1つの好ましい実施態様に従って、金属キラルリガンド複合体の製造は、プロキラル硫化物の存在下で行われ、即ち、キラル複合体の製造のために使用される成分が導入される前に、プロキラル硫化物は反応槽に充填される。
実際には、金属キラルリガンド複合体の反応速度論は、カップリング温度及び反応時間に依存するらしいことが見出されている。つまり、温度が高くなれば、反応時間は短くなる。逆に、温度が低くなれば、反応時間が長くなる。
本発明による不斉酸化は、塩基の存在下で実行される。
実際には、塩基が酸化中に存在する場合、反応のエナンチオ選択性が驚くべきことに増加する。つまり、99%を超えるエナンチオ選択性が観察されてもよい。塩基の導入の順序は重要ではないが、ただし、酸化剤の前に添加される。塩基は、プロキラル硫化物の前又は後に、好ましくは金属キラルリガンド複合体が形成された後に導入されてもよい。
別の好ましい実施態様において、塩基は、金属キラルリガンド複合体及びプロキラル硫化物と数分間、好ましくはエナンチオ選択性を増加するために酸化剤を添加する前の少なくとも3分間接触される。
塩基は、反応混合物に溶解性であるべきである。好ましくは、それは、有機塩基、例えば、アミンである。特に適した塩基は、アミン、好ましくは第四級アミン、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、ジメチル−エタノールアミン、トリエタノールアミン、及び最も好ましくは、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン及びトリエチルアミンである。
驚くべきことに、この方法は、Kagan及び共同研究者により記載されるように、良好なエナンチオ選択性を得るために不可欠な−20℃のような非常に低温を必要としない。この特徴は、このような低温が長期の反応時間に帰着するので特に興味深い。
好ましい実施態様において、酸化剤は、硫化物、金属キラルリガンド複合体、及び塩基と0〜60℃、好ましくは15〜40℃の温度、より好ましくは室温、即ち約20〜25℃で接触される。
硫化物アミドの量と比較して2当量未満の酸化剤の量は、一般的には好ましく、特に好ましい量は、0.8〜1.2当量、より好ましくは1.0当量である。
酸化反応中に形成したスルホキシドは、慣用的な手法に従って分離されてもよい。
つまり、文献に記載される通り、反応混合物は、金属塩を含有するゲルの形成に帰着する水又は水酸化ナトリウム水溶液で処理されてもよい。このゲルは、ろ過され、有機溶媒を用いて十分に洗浄されてもよい。ろ過物は、有機溶媒で抽出されてもよい。所望の鏡像異性体を得るために有機溶媒又は水性溶媒で結晶化してもよい。
好ましい態様に従って、この方法は、工程b)で得られた分離された生産物の結晶化の工程c)をさらに含む。
ケトン、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、シクロヘキサノンが言及されてもよい。
他の適した溶媒は、当業者に容易に決定され得る。
驚くべきことに、結晶化溶媒中の水の存在は、増大した鏡像体過剰率及び純度の到達を可能にする。加えて、有機溶媒/水の混合物を用いた結晶化工程は、好都合に、この方法で利用される有機溶媒の体積の減少を可能にする。
つまり、本発明の好ましい実施態様において、この方法は、鏡像体過剰率を改善するための優先晶出の工程をさらに含む。
好都合には、式(I)のスルホキシド化合物は、顕著には工程b)の最終で、少なくとも80%、より好ましくは少なくとも95%、及び最も好ましくは少なくとも99%の鏡像体過剰率で得られる。
別の特定の実施態様に従って、式(I)又は(Ia)、(Ib)、(Ic)、及び(Id)(ここで、R1はCNである)のスルホキシド化合物の鏡像異性体は、それらの対応するアミド、即ち、式(I)又は(Ia)、(Ib)、(Ic)、及び(Id)(ここで、R1は−C(=O)NH2である)のスルホキシド化合物に変換されてもよい。
材料及び方法
各硫化物化合物については、鏡像体過剰率又は化学的純度の測定のための実験条件は、当該技術分野において既知の適切なクロマトグラフィー法によって設けなければならない。
開発した方法の実施例は下記の通りである:
鏡像体過剰率の測定
鏡像体過剰率の値は、得られた各々の鏡像異性体の相対量の目安を与える。この値は、2種の鏡像異性体についての相対的パーセントの間の相違として定義した。
カラム:AGP(150×4.0mm;5μm)
オーブンの温度:25℃
流速:0.8ml/分
波長:DADλ=230nm
で測定した。
−溶離液:酢酸アンモニウム 5mM/無水エタノール(82.5/17.5v/v)
(+)及び(−)2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニルアセトアミドについての保持時間は、それぞれ4.4分及び6.8分であった。
−溶離液:酢酸アンモニウム 20mM pH5(濃酢酸)+7.5% n−プロパノール
酢酸2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニルの鏡像異性体の保持時間は、それぞれ6.8分及び9.7分であった。
カラム:キラルセルAD−H(150×4.6分;5μm)
オーブンの温度:25℃
溶離液:n−ヘプタン/無水エタノール 70/30(v/v)
流速:1.0ml/分
波長:DADλ=220nm
メチル2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニルアセテート鏡像異性体の保持時間は、それぞれ7.2分及び9.2分であった。
あるいは、
カラム:AGP−キラル(150×4mm;5μm)
オーブン温度:30℃
溶離液:0.5%(v/v)ペンタン−1−オール/酢酸アンモニウム 20mM
流速:0.8ml/分
波長:DADλ=230mm
(+)及び(−)2−[([1,1’−ビフェニル]−2−イルメチル)スルフィニル]アセトアミド鏡像異性体の保持時間は、それぞれ6.8分及び8.1分であった。
実施例における純度の値は、存在する生産物の総量と比較して、分離後に得られた鏡像異性体の量の比として定義した。測定した試験の不純物は、主に変化していない親化合物(プロキラル硫化物)及び処理中の過剰な酸化に起因したスルホン、可能性のある分解産物、プロキラル硫化物の合成の中間体であった。
カラム:Zorbax Eclipse XDB C8(150×4.6mm;5μm)
オーブンの温度:25℃
溶離液:A=水+0.1% トリフルオロ酢酸
B=アセトニトリル+0.1% トリフルオロ酢酸
並びに20分で90%Aから100%Bの勾配
流速:1ml/分
波長:DADλ=220nm
−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニル]酢酸についての保持時間:11.0分
−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルホニル]酢酸についての保持時間:12.5分
−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルファニル]酢酸についての保持時間:14.4分
−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニル]アセトアミドについての保持時間:10.0分
−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルホニル]アセトアミドについての保持時間:11.6分
−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルファニル]アセトアミドについての保持時間:12.9分
又は
−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニル]アセテートについての保持時間:12.8分
−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルホニル]アセテートについての保持時間:14.5分
−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルファニル]アセテートについての保持時間:16.9分。
(−)−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニルアセトアミドの不斉合成
溶媒(3.5vol対チオアセトアミド)中の(S,S)−(−)−ジエチル−タートレート(2.47g;0.012mol;0.4当量)の溶液は、同溶媒の6.5vol(対チオアセトアミド)を含有する、羽根を有するリアクター中に導入した。溶液を撹拌し、50℃まで加熱して、その後、0.2当量のチタン(IV)テトライソプロポキシド(1.71g;1.77mL;0.006mol;0.2当量)及び水(混合物中で0.095当量を達するためのQSP)を添加し、1時間、50℃で撹拌し続けた。これらの条件において、得られたキラルチタン複合体は、DET/Ti(OiPr)4/H2O:2/1/0.475の化学量論を有し、そして、チオアセトアミドと比較して0.2当量に相当した。50℃で1時間撹拌後、1.0当量(8.75g;0.03mol)の2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルファニルアセトアミドを添加し、30分間接触させた。20℃まで冷却後、引き続いて0.2当量(0.61g;0.84mL;0.006mol)のトリエチルアミンを添加し、およそ10分後、1.0当量(4.75g;5.0mL;0.03mol)のクメンヒドロペルオキシドを5分未満で添加した。
表1に報告されるように、実験は種々の溶媒中で行い、実験条件は、上記の一般的手法と同様であった。
沈殿物が反応混合物中に観察された場合、撹拌速度を上げた。適切な沈殿時間後、沈殿物をろ過し、洗浄し、そして約30℃で真空下で乾燥させた。
酢酸2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルファニルの不斉酸化によって直接的な沈殿物は形成しなかった。反応の終了時に、混合物を炭酸カリウム水溶液(0.6M)で抽出した。水相を酢酸エチルで洗浄し、HCl(4N)で酸性にした。得られた沈殿物をろ過し、水で洗浄し、そして35℃で真空下で乾燥させた。
(−)又は(+)2−[([1,1’−ビフェニル]−2−イルメチル)スルフィニル]アセトアミドの不斉合成
酢酸エチル(27mL)中のジエチル−タートレート[(S,S)−(−)DET]又は[(R,R)−(+)DET](2.47g;0.012mol;0.4当量)の溶液を酢酸エチル(50mL)中の2−[([1,1’−ビフェニル]−2−イルメチルスルファニル]アセトアミド(7.70g;0.03mol;1.0当量)に室温で撹拌しながら添加した。混合物を油浴中で撹拌しながら完全に溶解するまで50℃まで加熱した。次に、0.2当量のチタン(IV)テトライソプロポキシド(1.71g;1.77mL;0.006mol;0.02当量)及び水(試薬及び既に導入した溶媒中に存在する水の全量を考慮して26μL)を引き続いて添加した。これらの条件において、得られたキラルチタン複合体は、DET/Ti(OiPr)4/H2O:2/1/0.5の化学量論を有し、そして、チオアセトアミドと比較して0.2当量に相当した。撹拌は、少なくとも50分間、50℃で維持した。
得られた結果を表2に報告した。
(−)又は(+)2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ベンジル]スルフィニルアセトアミドの不斉合成
プロトコール1
完全に溶解するまで40℃まで加熱した溶媒(70mL)中の2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ベンジル]スルファニルアセトアミド(12g;0.035mol;1.0当量)の溶液に、同溶媒(50mL)中の酒石酸ジエチル(2.89g;0.014mol;0.4当量)の溶液を添加し、この混合物を撹拌しながら50℃まで加熱した。次に、0.2当量のチタン(IV)テトライソプロポキシド(1.99g;2.07mL;0.007mol)及び水(反応混合物中で0.003mol、0.095当量を得るために既に導入した試薬及び溶媒に存在する水の全量を考慮して21.85μL)を引き続いて10分おきに添加した。これらの条件において、得られたキラルチタン複合体は、DET/Ti(OiPr)4/H2O:2/1/0.475の化学量論を有し、チオアセトアミド出発原料と比較して0.2当量に相当した。反応混合物の撹拌は、1時間50℃で維持した。
約1時間、撹拌しながら接触後、形成した沈殿物をろ過によって分離し、酢酸エチルで洗浄した。
50℃まで加熱した溶媒(120mL)中の酒石酸ジエチル(2.89g;0.014mol;0.4当量)の溶液に、チタン(IV)テトライソプロポキシド(1.99g;2.07mL;0.007mol)及び水(反応混合物中で0.003mol、0.095当量を得るために既に導入した試薬及び溶媒に存在する水の全量を考慮して23.03μL)を引き続いて5分おきに添加した。これらの条件において、得られたキラルチタン複合体は、DET/Ti(OiPr)4/H2O:2/1/0.475の化学量論を有し、スルファニルアセトアミド出発原料と比較して0.2当量に相当した。反応混合物の撹拌は、1時間50℃で維持した。次に、2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ベンジル]スルファニルアセトアミド(12g;0.035mol;1.0当量)を添加し、混合物を50℃で15分撹拌した。
4種類の異なる実験の結果を表3に報告した。
実施例5は、不斉酸化から得られた結晶化した最終生成物に適用し、そして、標的とした鏡像異性体の鏡像異性的に富んだ形態をえるために、及び/又は例えば初期のプロキラル硫化物及び/又はスルホンのような不純物を除去することによってより高純度を達成するために、ろ過によって分離してもよい。
Claims (10)
- (−)−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニルアセトアミド;
(+)−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニルアセトアミド;
(−)−2−[([1,1’−ビフェニル]−2−イルメチル)スルフィニル]アセトアミド;
(+)−2−[([1,1’−ビフェニル]−2−イルメチル)スルフィニル]アセトアミド;
(−)−2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ベンジル]スルフィニルアセトアミド;及び
(+)−2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ベンジル]スルフィニルアセトアミド
から選択される化合物であって、80%超の鏡像体過剰率を有する、前記化合物。 - (−)−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニルアセトアミドである、請求項1に記載の化合物。
- (+)−2−[2−(4−クロロフェニル)ベンジル]スルフィニルアセトアミドである、請求項1に記載の化合物。
- (−)−2−[([1,1’−ビフェニル]−2−イルメチル)スルフィニル]アセトアミドである、請求項1に記載の化合物。
- (+)−2−[([1,1’−ビフェニル]−2−イルメチル)スルフィニル]アセトアミドである、請求項1に記載の化合物。
- (−)−2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ベンジル]スルフィニルアセトアミドである、請求項1に記載の化合物。
- (+)−2−[2−(3,4−ジクロロフェノキシ)−ベンジル]スルフィニルアセトアミドである、請求項1に記載の化合物。
- 90%超の鏡像体過剰率を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
- 95%超の鏡像体過剰率を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
- 99%超の鏡像体過剰率を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
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