JP5696926B2 - 太陽熱温水システム - Google Patents

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Description

本発明は、循環ポンプの作動により、貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱するための熱交換器と、太陽熱の集熱パネルとの間で熱媒を強制循環させることで太陽熱の集熱を温水として貯湯タンク内に蓄熱し、この温水を給湯等に利用するために用いられる太陽熱温水システムに関し、特に集熱循環回路内における熱媒量不足の発生を的確に判定して警報を発し得るようにするための技術に係る。
従来、太陽熱温水システムを対象にしたものではないが、熱媒を循環路に循環させる暖房装置を対象にして、循環路への空気侵入の伴う水崩れ等の不都合を回避するために、循環路内が熱媒の減衰によって低圧状態になれば、熱媒循環の後に熱媒補給を行うことで、循環路内を加圧状態に維持して水崩れ防止を図ることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
又、前記と同様に太陽熱温水システムを対象にしたものではないが、密閉タイプの温水ボイラーにおいて、温水ボイラーを構成するタンクの上部空間に、エア抜き手段を備えたエアタンクを一体に付設し、このエアタンク内の所定レベル位置に設けた水位センサにより内部の水位低下が出力されれば、警報を発するようにすることも提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−276956号公報 特開2010−175156号公報
ところで、太陽熱温水システムでは例えば地上に設置された貯湯タンク等のシステム本体と、例えば家屋の屋根等に設置される集熱パネルとの間に延びる循環経路は例えばPE(ポリエチレン)管等を用いて配管されているため、管壁を透過して外部から空気(酸素)が循環経路内に侵入するおそれがある。ところが、近年、太陽熱利用の普及に伴い、集熱パネルを従来よりもさらに高所(例えば3階建て家屋の屋根上)に設置することが行われるようになりつつあり、集熱パネルと貯湯タンクとの高低差がより大きくなって循環経路内がより負圧傾向に陥り易い状態になっている。このため、前記の管壁からの空気透過量も増加傾向になることが懸念されている。ここで、通常は、このような空気の透過等に起因して前記の気液分離部には液部分である熱媒の液位が所定液位よりも低下すれば、それを液位センサで検知して熱媒量不足に陥ったことの報知(渇水報知)を行うことにより循環ポンプの空回り防止等を図るようにされている。
しかしながら、前記の液位センサによる液位低下検知に基づき渇水報知を行うと、誤報の発生を招いたり、誤報に基づき誤処理の発生を招いたりするおそれが考えられる。すなわち、熱媒の循環運転が長い間実行されずに放置され、その間に循環経路を構成するPE管の管壁から透過して内部に溜まった空気が、次の循環運転の際に一気に気液分離部に流れ込んで気液分離部内が多量の空気で充満されてしまうおそれがある。この場合には、内部の熱媒の液位が液位センサよりも下回って渇水報知が実行されることになるものの、実際には熱媒量自体は不足していなければ、その渇水報知は誤報であり、誤報に基づき種々の対応処理が行われてしまうことになってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、単に液位低下の発生に基づき熱媒量不足を判定するのではなく、真に熱媒量不足に陥っているか否かについて的確に判定して、誤報の発生や誤報に起因する誤処理の発生を確実に回避し得る太陽熱温水システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、太陽熱を集熱して熱媒を加熱する集熱パネルと、貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱するための熱交換器と、循環ポンプの作動により前記集熱パネルと前記熱交換器との間で熱媒を循環させることで前記貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱して貯湯として蓄熱させる集熱循環回路とを備えた太陽熱温水システムを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記集熱循環回路内の熱媒量の如何を検知して出力する熱媒検知手段と、この熱媒検知手段により熱媒量の減少に係る検知が出力されたとき熱媒量が不足しているか否かを判定する熱媒量不足判定手段と、前記集熱循環回路内に気泡が発生し得る環境条件が成立するか否かを判定する気泡発生条件成立判定手段とを備えることとする。そして、前記熱媒量不足判定手段として、前記熱媒検知手段からの熱媒量の減少検知に係る出力を受けた後、前記気泡発生条件成立判定手段により気泡発生に係る環境条件が成立したと判定された後も、熱媒の状況を見極めるために設定された猶予時間が経過するまでの間、前記熱媒検知手段からの出力状況を監視し、前記減少検知に係る出力の解消が継続しないとき、あるいは、前記減少検知に係る出力が解消しないとき、熱媒量不足と判定し、熱媒量不足に係る警報を出力する構成とする(請求項1)。
本発明の場合、熱媒検知手段により熱媒量の減少に係る検知が出力されただけでは熱媒量不足に係る警報(エラー報知)を行わずに、気泡発生条件成立判定手段により気泡発生に係る環境条件が成立したと判定された後も、熱媒の状況を見極めるために設定された猶予時間が経過するまでの間に、熱媒検知手段からの出力状況を監視し、それでも熱媒検知手段からの減少検知に係る出力が解消されなければ、熱媒量不足に係る警報が出力されることになる。すなわち、気泡発生に係る環境条件が成立すれば、その気泡発生に伴い集熱循環回路内で熱媒が流動し、熱媒検知手段による検知状況が変化する可能性がある。これにより、熱媒検知手段からの減少検知に係る出力が解消すれば、実際には熱媒量不足は生じてはいないと判定し得ることになる。その一方、そのような熱媒の流動が生じても、なおも熱媒検知手段からの減少検知に係る出力が解消されないのであれば、実際に熱媒量の不足が生じているものと判定し得ることになる。このため、熱媒量不足についての誤検知・誤報の発生を回避し得る一方、実際に熱媒量不足が発生していると判定された場合には的確に熱媒量不足について警報を出力し得るようになる。これにより、誤報の発生や誤報に起因する誤処理の発生を確実に回避し得るようになる。
本発明の太陽熱温水システムにおいて、集熱パネルにおける熱媒の温度又はこの熱媒温度と同等の温度を検出する熱媒温度検出手段を備え、前記気泡発生条件成立判定手段として、前記熱媒温度検出手段により検出される熱媒温度が設定温度以上であれば、気泡発生に係る環境条件が成立したと判定する構成とすることができる(請求項2)。このようにすることにより、集熱パネル内の熱媒が強力な太陽熱を受けて沸騰するに至る結果、熱媒が体積膨張したり集熱パネル内に気泡が発生したりして熱媒が集熱循環回路内に流動する現象について、その発生条件が成立するか否かが的確に判定し得るようになる。この結果、熱媒量不足判定手段による判定もより的確に行い得ることになる。
又、本発明の太陽熱温水システムにおいて、循環ポンプが作動を停止した状態で経過する停止継続時間を計時するタイマを備え、前記気泡発生条件成立判定手段として、前記タイマにより計時される停止経過時間が設定時間値を超えれば、気泡発生に係る環境条件が成立したと判定する構成とすることができる(請求項3)。このようにすることにより、つまり前記の沸騰に起因して気泡が発生する場合に加え、循環ポンプが停止していれば集熱循環回路を構成する経路の管壁を透過して空気が侵入し、この侵入に伴い集熱循環回路内に気泡が発生することになるため、このような気泡発生に基づき熱媒量の如何に係る検知に影響を与える現象について、その発生条件が成立するか否かが的確に判定し得るようになる。この結果、熱媒量不足判定手段による判定もより的確に行い得ることになる。
以上、説明したように、本発明の太陽熱温水システムによれば、熱媒検知手段により熱媒量の減少に係る検知が出力されただけでは熱媒量不足に係る警報を行わずに、気泡発生条件成立判定手段により気泡発生に係る環境条件が成立したと判定された後も、熱媒の状況を見極めるために設定された猶予時間が経過するまでの間に、熱媒検知手段からの出力状況を監視し、それでも熱媒検知手段からの減少検知に係る出力が解消されなければ、熱媒量不足に係る警報を出力することになる。このため、熱媒量不足についての誤検知・誤報の発生を回避することができる一方、実際に熱媒量不足が発生していると判定された場合には的確に熱媒量不足について警報を出力することができるようになる。これにより、誤報の発生や誤報に起因する誤処理の発生を確実に回避することができるようになる。
特に、請求項2によれば、熱媒温度検出手段により検出される熱媒温度が設定温度以上であれば、気泡発生に係る環境条件が成立したと判定する構成とすることで、気泡発生条件が成立するか否かの判定を具体的に行うことができ、循環ポンプの作動をより的確に行うことができるようになる。この結果、熱媒量不足判定手段による判定もより的確に行うことができるようになる。
又、請求項3によれば、タイマにより計時される循環ポンプの停止継続時間が設定時間値を超えれば、気泡発生に係る環境条件が成立したと判定する構成とすることで、集熱パネルにおける沸騰発生以外の事由に基づいて気泡発生した場合、すなわち、循環ポンプの作動停止状態が継続すれば、循環経路の管壁を透過して侵入する空気がより増加し気泡発生に至る場合であっても、これを前記タイマにより、気泡発生条件が成立するか否かの判定をより的確に行うことができるようになる。この結果、熱媒量不足判定手段による判定もより的確に行うことができるようになる。
本発明に係る太陽熱温水システムの実施形態を示す模式図である。 図1の太陽熱温水システムの作動制御に係る構成を示すブロック図である。 熱媒量不足判定処理に係るフローチャートである。 熱媒の液位低下とこれに続く現象に係る第1の現象例を示す説明図である。 熱媒の液位低下とこれに続く現象に係る第2の現象例を示す説明図である。 熱媒の液位低下とこれに続く現象に係る第3の現象例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る太陽熱温水システムを示す。同図中の符号1は例えば地上に設置されたシステム本体、2は内部を通る熱媒(例えば不凍液)に太陽熱を集熱させるための集熱パネル、3は貯湯タンク、4は集熱パネル2と貯湯タンク3内の熱交換器43との間に熱媒を循環させることにより熱媒の熱を貯湯タンク3内に貯湯として蓄熱する集熱循環回路、5は外部から水道水等を貯湯タンク3内に給水する給水路、6は貯湯タンク3内の貯湯を用いて給湯栓(図示省略)等に給湯するために出湯する出湯路、7はこの太陽熱温水システムの作動制御を行うコントローラである。
集熱パネル2は例えば家屋の屋根に設置され、その頂部位置近傍には集熱パネル2を構成するフィンの温度を検出する熱媒温度検出手段としての集熱パネル温度センサ21が設置されている。この集熱パネル温度センサ21により検出される前記のフィン温度は、集熱により最も昇温した状態の熱媒の熱媒温度Tsと同等であり、フィン温度の検出により熱媒温度Tsを検出するようになっている。
貯湯タンク3は、例えばステンレス鋼により密閉式に構成された密閉容器である。この貯湯タンク3には、貯湯タンク3内の底部付近の湯又は水(以下「湯水」という)の温度Ttを検出する貯湯タンク温度センサ31が設置されている。給水路5は、その上流端が外部の水道管等に接続され、下流端が図示省略の逆止弁等を介して貯湯タンク3の底部に接続されている。この給水路5には給水温度を検出する給水温度センサ51や給水流量を検出する給水流量センサ52が介装されている。又、出湯路6は、その上流端が貯湯タンク3の頂部に接続され、貯湯タンク3の頂部近傍には貯湯タンク3から出湯した湯の温度を検出する出湯温度センサ61が介装されている。
集熱循環回路4は、循環ポンプ41の作動により熱媒を循環経路42を通して集熱パネル2と貯湯タンク3内の蓄熱用熱交換器(例えばコイル型熱交換器)43との間で循環させるように構成されたものである。循環経路42は、集熱パネル2の内部に通されて昇温した高温の熱媒をその頂部近傍から導出させて貯湯タンク3内の蓄熱用熱交換器43の入側に導く往き路42aと、蓄熱用熱交換器43で熱交換されて低温になった熱媒を蓄熱用熱交換器43の出側から導出させて集熱パネル2の底部まで戻す戻り路42bとから構成されている。これら往き路42a及び戻り路42bからなる循環経路42は、システム本体1と集熱パネル2との間に延びる部分が例えばPE(ポリエチレン)管を用いて配管されている。
又、システム本体1内に形成された戻り路42bには半密閉式のアキュームタンク44が介装され、このアキュームタンク44の頂部は連通管451を介してリザーブタンク45の底部と連通されている。この連通管451を通してアキュームタンク44内からあふれた熱媒及び/又は空気をリザーブタンク45内に逃がすようになっている。これらアキュームタンク44とリザーブタンク45との組み合わせにより気液分離部が構成されている。さらに、アキュームタンク44には底部側の所定液位位置に下限液位として設定された低液位における熱媒の存在を検出する低液位センサとして低液位電極441が配設されている。この低液位電極441が熱媒を通して通電状態(ON出力)になればアキュームタンク44内の熱媒の液位が下限液位以上あり、非通電状態(OFF出力)になれば熱媒の液位は下限液位未満まで低下していることが検知されることになる。この低液位電極441が熱媒検知手段を構成し、低液位電極441からの出力情報に基づいて後述の熱媒量不足判定手段73により熱媒量不足と判定されてエラー報知が出力されたときには、コントローラ7により循環ポンプ41の作動が強制的に停止されるようになっており、これにより、循環ポンプ41の空回り作動の発生を回避するようになっている。
循環ポンプ41は可変流量ポンプ(例えばDCポンプ)により構成され、その吐出能力が増減調整可能となっている。DCポンプの場合、電流値を増大すれば回転数が増加して吐出量が増大し、電流値を低減すれば回転数が低下して吐出量が低減する。
以上の太陽熱温水システムはリモコン71からの入力設定信号・操作信号の出力、温度センサ21,31や低液位電極441等からの検出信号の出力を受けて、コントローラ7により作動制御されるようになっている。コントローラ7は、MPUやメモリ等を備え、予め搭載されたプログラムの実行や制御回路により各種制御が行われるようになっている。そして、コントローラ7は、作動制御のために、図2に示すように集熱運転を行う集熱運転制御手段72や図示省略の給湯制御手段等を備える他、特に本実施形態で特徴的な制御構成として、集熱循環回路4内の熱媒量が不足しているか否かを判定する熱媒量不足判定手段73、集熱パネル2において沸騰が発生する条件が成立しているか否かを判定する沸騰条件成立判定手段74、並びに、熱媒量不足判定手段73での判定処理に用いる第1タイマ75、第2タイマ76及び第3タイマ77を備えている。
まず、集熱運転制御手段72による集熱運転制御について簡単に説明すると、貯湯タンク3の蓄熱量は不足していることを例えば貯湯タンク温度センサ31により検出される湯水温度Ttに基づいて確認し、かつ、集熱パネル温度センサ21により検出される熱媒温度Tsが前記の湯水温度Ttよりも所定の温度差α℃(例えば6℃)以上の高温であることを確認し、これらの開始条件の成立を確認した上で循環ポンプ41を作動させて集熱運転が開始される。
これにより、集熱パネル2から高温の熱媒が往き路42aを通して蓄熱用熱交換器43に供給され、蓄熱用熱交換器43において貯湯タンク3内の湯水を熱交換加熱することにより低温になった熱媒が戻り路42bを通して集熱パネル2に戻される。集熱パネル2に戻された熱媒は集熱パネル2内を頂部に進行する間に再加熱され、再び高温になった熱媒が往き路42aを通して蓄熱用熱交換器43に供給されるというように循環される。そして、貯湯タンク3内の湯水が熱交換加熱されることにより、熱媒に担持された集熱熱量が貯湯タンク3内の湯水に移動し、貯湯として貯湯タンク3内に蓄熱されることになる。
熱媒量不足判定手段73は、低液位電極441からの検知信号が通常状態であるON出力からOFF出力に変わることにより処理が開始されるようになっている。本来は、低液位電極441からOFF出力があれば、即座に熱媒量不足であるとしてエラー報知を行って循環ポンプ41の作動を禁止(集熱運転の禁止)するなどの対応処理を実行するようにしていたが、本実施形態では、低液位電極441からOFF出力があっても、一時的かつ偶発的なものである可能性があるため、熱媒量不足の可能性有りとして後述の渇水カウンタにより仮のエラー状態にするだけでエラー報知を即座には行わずに、所定の期間にわたり待機状態にしその間に熱媒量不足判定手段73により後述の如き所定の判定処理を行うようにし、低液位電極441からの出力がON出力に回復しない等の所定の場合にエラー報知を行うようにしている。
沸騰条件成立判定手段74は、循環経路42内に気泡が発生する環境条件が成立するか否かを判定するものであり、例えば、集熱パネル41内の熱媒が強力な太陽熱を受けて沸騰するに至る結果、熱媒が体積膨張したり集熱パネル内に気泡が発生して、熱媒が集熱パネルから半密閉式の集熱循環回路内に下降してしまうような現象が生じるような条件が成立しているか否かを判定するようになっている。そして、この判定結果を前記の熱媒量不足判定手段73による判定処理に利用するようになっている。この沸騰条件成立か否かの判定は次のようにして行う。
すなわち、第1の判定処理として、集熱パネル温度センサ21により検出される熱媒温度Tsが、熱媒が沸騰する温度として予め設定した沸騰温度Tfを超えたか否かで判定する。沸騰温度Tfとしては、熱媒が不凍液である場合には、例えば80℃である。具体的には、熱媒温度Tsが沸騰温度Tfを超えた状態が所定の設定継続時間継続した後、さらに設定経過時間が経過することの条件が成立すれば、沸騰条件成立と判定する。
第2の判定処理として、循環ポンプ41が作動停止状態を継続している経過時間(停止継続時間)が設定時間ts(例えば100時間)以上になっているか否かを第3タイマ77による計時により判定する。作動停止状態が設定時間ts以上継続していることという条件が成立すれば、循環経路42のPE管により構成されている部分の管壁から空気が内部に侵入し所定量以上の気泡が発生している、つまり前記の沸騰した場合と同様な現象が生じているものと判定し、沸騰条件成立と判定する。要するに、沸騰条件成立判定手段74は、集熱パネル2における沸騰発生に伴う気泡発生加えて、循環経路42の管壁を透過して空気が侵入することに伴う気泡発生の双方について、沸騰条件が成立するものとして扱っているのである。
次に、熱媒量不足判定手段73や、沸騰条件成立判定手段74に基づく処理について図3のフローチャートを参照しつつ説明する。これらの処理は前記の集熱運転制御と並行して実行される。
まず、低液位電極441からの検知信号がON出力からOFF出力に変わったことで判定処理を開始し(ステップS1でYES)、渇水カウンタに「1」を設定して仮のエラー状態が発生したことを保存し、第1タイマ75をスタートさせる(ステップS2)。なお、循環ポンプ41は作動を停止させる。この第1タイマ75は前記の沸騰条件成立判定に用いる第3タイマ77と同等の時間設定(例えば100時間)にすればよく、この第1タイマ75による計時が終了するまでの時間だけ待機し、この待機時間が経過する間に熱媒量不足についての判定を行う。なお、渇水カウンタは「0」が正常状態、「1」が仮のエラー状態(仮の熱媒量不足状態)、「2」が真のエラー状態(真の熱媒量不足状態)を表す。
次に、沸騰条件が成立するか否かを判定し(ステップS3)、沸騰条件が成立すれば(ステップS3でYES)、第2タイマ76をスタートさせる(ステップS4)。第2タイマ76には、沸騰現象が生じれば集熱パネル2内の熱媒が体積膨張してアキュームタンク44に熱媒が戻されたり、それが冷えればリザーブタンク45にあふれた熱媒がアキュームタンクに戻されたりすることから、沸騰現象により生じる熱媒の動きを見極めるための時間(例えば48時間)が設定されている。つまり、実際に熱媒量不足(渇水)の状態に陥っていても、沸騰現象が生じると前記の如くアキュームタンク44に熱媒が戻って低液位電極44が一時的にON出力状態になる場合も考えられることから、状況を正確に見極めるための猶予時間を設定しているのである。
そして、沸騰が生じていれば熱媒がアキュームタンク44に戻って液位が回復することから、低液位電極44からの検知信号がON出力を継続しているか否かを判定し(ステップS5)、ON出力であれば、第2タイマ76がタイムアップするまで継続するか否かを確認する(ステップS5でYES,ステップS6でNO)。低液位電極441がON出力状態を第2タイマ76のタイムアップするまで継続すれば(ステップS6でYES)、ステップS1のOFF出力は一時的・偶発的なものであり、実際には熱媒量不足には至っていないものと判定し、渇水カウンタをリセット(「0」に戻す)する。つまりエラー報知や、それに続く処理は行わない。
以上のステップS1〜ステップS7に対応する現象例を図4に基づいて説明すると、まず、第1段階(図4の上段部分参照)でアキュームタンク44の上部に空気が溜まりアキュームタンク44内の熱媒液位が低液位電極441よりも低下して低液位電極441がOFF出力状態になったとしても、第2段階(同図の中段部分参照)として集熱パネル2で沸騰が生じて熱媒が体積膨張し、熱媒がアキュームタンク44に戻って低液位電極441はON出力状態に回復する。この際にアキュームタンク44内の上部に溜まっていた空気が熱媒と共に連通管451を通してリザーブタンク45にあふれて押し出される。第3段階として(同図の下段部分参照)、沸騰後に熱媒が冷えてくると、循環経路42内が負圧傾向となるため、リザーブタンク45内から熱媒がアキュームタンク44内に戻され、循環経路42内に熱媒が充満されることになる。このような図4の現象例の場合には、沸騰した後に熱媒が冷えるまでの間に低液位電極441は継続してON出力状態になる。以上の現象の成立に基づいて、実際には熱媒量不足には至っていない、渇水カウンタによる熱媒量不足との仮の検知は誤検知である、と判定するのである。
一方、沸騰条件が成立し(ステップS3でYES)、一旦は低液位電極がON出力状態に回復したものの、そのON出力が第2タイマ76がタイムアップするまでは継続しない場合(ステップS4,ステップS5でYES,ステップS6でNO,ステップS5でNOの順)、あるいは、沸騰条件が成立したものの(ステップS3でYES)、低液位電極441はON出力とはならずにOFF出力のままを維持する場合(ステップS4,ステップS5でNOの順)、次の処理を行う。すなわち、渇水カウンタを「+1」にして合計「2」とし(ステップS8)、例えばリモコン71を用いて熱媒量不足である旨のエラー報知を行う(ステップS9)。このエラー報知に基づいてコントローラ7では循環ポンプ41の作動禁止等の処理を行う。
以上のステップS5での判定が「NO」となる場合に対応する現象例を図5に基づいて説明すると、まず、第1段階(図5の上段部分参照)で例えば循環経路42内に侵入して溜まった空気が一気にアキュームタンク44内に流入し熱媒がリザーブタンク45に押し出されてしまって低液位電極441がOFF出力状態になり、第2段階(同図の中段部分参照)として集熱パネル2で沸騰が生じると熱媒が体積膨張し、熱媒がアキュームタンク44に戻るため、低液位電極441は一旦はON出力状態に回復する。この際にリザーブタンク45内の熱媒もアキュームタンク44内に戻る。第3段階として(同図の下段部分参照)、沸騰後に熱媒が冷えてくると、循環経路42内が負圧傾向となるため、アキュームタンク44からリザーブタンク45内を吸引することになるものの、リザーブタンク45内はほぼ空状態になってるため、空気を吸い込むこととなってアキュームタンク44内は空の状態のままとなる。このような図5の現象例の場合には、真に熱媒量が不足していると判定し、渇水カウンタを「2」としてエラー報知を行う。
一方、ステップS3での沸騰条件が成立するか否かの判定を第1タイマ75がタイムアップするまで行うが(ステップS3でNO,ステップS10でNO)、沸騰条件が成立しないまま第1タイマ75がタイムアップしてしまった場合(ステップS10でYES)には、ステップS9に移って例えばリモコン71を用いて熱媒量不足である旨のエラー報知を行う。これは、真に熱媒量不足か否かの判定は不明であるものの、第1タイマ75の待機時間(熱媒量不足判定手段73による判定時間)を延ばし過ぎると、真に熱媒量不足が発生している場合にエラー報知の遅れにつながるため、第1タイマ75のタイムアップすれば仮の渇水カウンタの登録に基づいてエラー報知を行うようにしている。
このような場合に対応する現象例を図6に基づいて説明すると、まず、第1段階(図6の上段部分参照)でアキュームタンク44の上部に空気が溜まりアキュームタンク44内の熱媒液位が低液位電極441よりも低下して低液位電極441がOFF出力状態になり、第2段階(同図の下段部分参照)として、第1タイマ75の待機時間が経過しても沸騰しないためアキュームタンク44の上部には空気が溜まったままの状態で推移することになる。このような現象例の場合には、実際に熱媒量不足が発生している可能性もあるため、エラー報知を行うようにしている。
以上の実施形態の場合、低液位電極441がOFF出力状態に変わったとしても、単にOFF出力が生じただけで熱媒量不足のエラー報知を行わずに、少なくとも集熱パネル2での沸騰(気泡の発生)が生じるであろう時間値だけ待機し、その間に熱媒量不足判定手段73により真に熱媒量不足に陥っているか否かを判定し、それでも低液位電極441が安定的なON出力状態に回復しない場合にエラー報知が行われることになる。このため、熱媒量不足についての誤検知・誤報の発生を回避することができる一方、実際に熱媒量不足が発生していると判定された場合には的確に熱媒量不足についてエラー報知をすることができるようになる。これにより、誤報の発生や誤報に起因する誤処理の発生を確実に回避することができるようになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、沸騰条件成立判定手段74による判定処理として集熱パネル温度センサ21により検出される熱媒温度Tsが熱媒が沸騰温度Tfを超えたか否か、あるいは、循環ポンプ41の停止継続時間が設定時間tsを超えたか否か、によって判定を行うようにしているが、これに限らず、例えば外気温等の雰囲気温度検出手段を設け、この検出温度が沸騰を生じるであろうと予測されるような温度値と同等以上になることで沸騰条件成立と判定するようにしてもよい。このような温度値としては、晴天の日中に太陽光が照射されている場合の温度値(例えば25℃以上)を設定し、この温度値を日中の所定時間内に所定回数(例えば3回)以上発生したことをもって沸騰条件成立と判定するようにすればよい。
又、前記実施形態では熱交換器43が貯湯タンク3内に設置された例を示したが、これに限らず、熱交換器が貯湯タンク3の外部に設置され、この熱交換器に対し集熱循環回路の熱媒を熱源側に循環供給する一方、貯湯タンク3内の湯水を他の循環ポンプにより被加熱側に循環供給することで、貯湯タンク内の湯水が熱媒により熱交換加熱されるように構成された太陽熱温水システムも本発明に含まれる。
2 集熱パネル
3 貯湯タンク
4 集熱循環回路
21 集熱パネル温度センサ(熱媒温度検出手段)
41 循環ポンプ
71 リモコン(警報を出力する報知手段)
73 熱媒量不足判定手段
74 沸騰条件成立判定手段(気泡発生条件成立判定手段)
77 第3タイマ(循環ポンプの停止継続時間を計時するタイマ)
441 低液位電極(熱媒検知手段)

Claims (3)

  1. 太陽熱を集熱して熱媒を加熱する集熱パネルと、貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱するための熱交換器と、循環ポンプの作動により前記集熱パネルと前記熱交換器との間で熱媒を循環させることで前記貯湯タンク内の湯水を熱交換加熱して貯湯として蓄熱させる集熱循環回路とを備えた太陽熱温水システムであって、
    前記集熱循環回路内の熱媒量の如何を検知して出力する熱媒検知手段と、この熱媒検知手段により熱媒量の減少に係る検知が出力されたとき熱媒量が不足しているか否かを判定する熱媒量不足判定手段と、前記集熱循環回路内に気泡が発生し得る環境条件が成立するか否かを判定する気泡発生条件成立判定手段とを備え、
    前記熱媒量不足判定手段は、前記熱媒検知手段からの熱媒量の減少検知に係る出力を受けた後、前記気泡発生条件成立判定手段により気泡発生に係る環境条件が成立したと判定された後も、熱媒の状況を見極めるために設定された猶予時間が経過するまでの間、前記熱媒検知手段からの出力状況を監視し、前記減少検知に係る出力の解消が継続しないとき、あるいは、前記減少検知に係る出力が解消しないとき、熱媒量不足と判定し、熱媒量不足に係る警報を出力するように構成されている、
    ことを特徴とする太陽熱温水システム。
  2. 請求項1に記載の太陽熱温水システムであって、
    集熱パネルにおける熱媒の温度又はこの熱媒温度と同等の温度を検出する熱媒温度検出手段を備え、
    前記気泡発生条件成立判定手段は、前記熱媒温度検出手段により検出される熱媒温度が設定温度以上であれば、気泡発生に係る環境条件が成立したと判定するように構成されている、太陽熱温水システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の太陽熱温水システムであって、
    前記循環ポンプが作動を停止した状態で経過する停止継続時間を計時するタイマを備え、
    前記気泡発生条件成立判定手段は、前記タイマにより計時される停止経過時間が設定時間値を超えれば、気泡発生に係る環境条件が成立したと判定するように構成されている、太陽熱温水システム。
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