JP5695733B2 - スズおよび硝酸イオンを含む口腔ケア組成物 - Google Patents

スズおよび硝酸イオンを含む口腔ケア組成物 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
[0001]本願は、2010年4月7日付けで出願された欧州特許出願第10159201.2号(この内容は、参照により本発明に組み入れられる)に基づく優先権を主張する。
発明の分野
[0002]本発明は、口腔ケア組成物の分野、特に第一スズイオン(stannous ion)を含むマウスリンスの分野に関する。
[0003]第一スズイオンは、口腔ケア組成物の分野で数十年にわたり用いられてきた。経口用組成物中に第一スズイオンを含有させていたそもそもの理由は、経口用組成物中にフッ化物をフッ化第一スズの形態で添加するためであった。第一スズイオンをそれ自体で口腔ケア組成物に含有させるその他の理由は、その刺激を抑える作用、虫歯予防作用、および、鉱物質消失を予防する作用である。
[0004]口腔ケア組成物への第一スズイオンの添加は、第一スズイオン(2価)が特にこのような組成物に見出される主に水性の媒体中で大気の酸素による酸化を受けやすいという欠点を有する。このような酸化によって第二スズイオン(stannic ion)(4価)が生じ、これは水性媒体中で徹底的に加水分解されて不溶性の水酸基を含む物質または酸化物を形成し、沈殿や濁りを生じる。このことは、透明でおりのない溶液であることが求められる口内洗浄剤またはマウスリンスの形態の口腔ケア組成物にとって特に好ましくなく、このような沈殿または濁りの形成があると消費者にとって受け入れがたいものになる。第二スズイオンは、組成物中で溶解したままであっても、第一スズイオンよりも有効性が低い。
[0005]口腔ケア組成物を窒素のような不活性ガス下または真空中で包装することも可能であるが、このような不活性ガス雰囲気または真空は、消費者が一度包装を開けるとなくなってしまう。従って、第一スズイオンを含む口腔ケア組成物は、包装の開封後に、さらには組成物の使用期間中に(典型的には数週間、例えば3週間)、第一スズイオンを酸化から守るある種の安定化システムを必要とする。
従来技術
[0006]米国特許第5,004,597A号は、口腔ケア組成物において、第一スズイオンによる酸化で失われた第一スズイオンを、グルコン酸第一スズリザーバーから補充することができることを開示している。
[0007]欧州特許第0026539A号は、例えばマウスリンスなどの水性媒体中での、フッ化水素アミン(フッ化アミン)、例えばオラフルール(OLAFLUR)による第一スズイオンの安定化を開示している。
[0008]J. Chem. Soc. pp. 1996-2000 (1961)では、「硝酸スズ(II)の希釈溶液は相応な安定性を有する」と述べられている。これは、硝酸スズ(II)のみを含み、硝酸イオンと第一スズイオンとのモル比が正確に2:1である水溶液について述べたものである。
[0009]米国特許第5,693,314A号およびWO99/53893Aは、2成分組成物を開示しており、そのうち一つの成分は第一スズ塩を含み、他方の成分は、刺激を抑える量の硝酸カリウムを含む。これらの2種の成分は、使用前に混合することができる。また米国特許第5,693,314A号は、硝酸カリウムとフッ化第一スズとの両方を含む比較の練り歯磨きも開示している。米国特許第5,693,314A号およびWO99/53893Aの2成分系組成物において、1つの成分中の硝酸イオンが他の成分中の第一スズイオンよりも過量のモル濃度で存在するので、すなわち硝酸イオンと第一スズイオンとのモル比が2:1よりもかなり大きいので、この2成分は、適度な比率(例えば約1:1)で混合することで(特にWO99/53893、8頁31〜32行および10頁15〜19行を参照)、第一スズイオンよりもかなり過量の硝酸塩を有する組成物を与えた。米国特許第5,693,314A号に記載の前記比較の練り歯磨きは、硝酸イオン(元は硝酸カリウム)と第一スズイオン(元はフッ化第一スズ)とを、指定された質量から計算して、モル比19.4:1で含む。米国特許第5,693,314A号は、2段17〜20行で、「一つの歯みがき剤における第一スズイオンと硝酸イオンとの持続的な接触は、これらのイオンの反応につながり、NOを潜在的な毒性物質へと変換する原因となる」と述べている。
[00010]米国特許第5,603,922A号は、1または2成分の再石灰化組成物を開示している。この組成物は、カルシウム塩(例えば硝酸塩)とその他の2価カチオン(ただしこれは必ずしも第一スズイオンでなくてもよい)の塩とを含み、塩それ自身は、第一スズイオン塩の場合、塩化物または硝酸塩であり得る。実施例9のパートAにおいて、硝酸イオン(元は硝酸カルシウム)と第一スズイオン(元は塩化第一スズ)とを、指定された質量から計算して332.7:1のモル比で含む調合物が、開示されている。実施例12のパートAにおいて、硝酸イオン(元は硝酸カルシウム)と第一スズイオン(元は塩化第一スズ)とを、指定された質量から計算して464.5:1のモル比で含む調合物を開示している。
米国特許第5,004,597号 欧州特許第0026539号 米国特許第5,693,314号 WO99/53893 米国特許第5,603,922号
J. Chem. Soc. pp. 1996-2000 (1961)
[00011]本発明は、酸化に対する第一スズイオンの安定性を改善した第一スズイオンを含む口腔ケア組成物を提供することを目的とする。
[00012]上記目的は、a)水相;b)水相中で溶媒和された第一スズイオン;c)水相中で溶媒和された硝酸塩(ここで前記硝酸塩の総含量は、水相中の硝酸塩として測定できる窒素のモル量が、溶媒和された第一スズイオンのモル量の2倍よりも少なくなるような量である);および、d)矯味矯臭剤を含む口腔ケア組成物によって解決される。
[00013]本発明のその他の形態および本発明のあらゆる形態の好ましい実施態様は請求項に記載された通りである。
[00014]意外なことに、水溶液中で硝酸塩と第一スズイオンとが、遊離の硝酸塩として測定できる窒素と第一スズイオンとのモル比が2:1よりも小さいモル比で混合すると、硝酸塩は第一スズイオンとそれほど反応しないことが最初に見出された。さらに意外なことに、このような場合において、第一スズイオンはさらに、大気の酸素による酸化に対して安定化されることも見出された。
[00015]本発明の口腔ケア組成物は、どのような調合物でもよく、例えば練り歯磨き、デンタルジェル、塗布溶液(touch solution)、マウスリンスなどであり得る。好ましくは、本発明の口腔ケア組成物はマウスリンスである。
[00016]本発明の口腔ケア組成物は、水相を含む。従って、水相は、同意語として「水性組成物」とも称される。「水相」は、典型的には、液相に基づき30質量%〜99質量%、好ましくは40質量%〜95質量%の水を含むものと理解される。水相は液体であってもよく、ここで液体とは、室温で1000mPa・s以下の動的粘度を有することを意味する。水相はゲルまたはシロップの形態であってもよく、これらは、口腔ケア調合物に許容される水溶性のゲル化剤または増粘剤を添加することによって、または、グリセロールまたはプロピレングリコールなどの水よりも高い粘度を有する共溶媒を添加することによって得ることができる。水相中に懸濁または分散または混合することができ、任意に口腔ケア調合物を水で20倍に希釈した後に、ろ過、沈殿、浮選または遠心分離などの物理的固液分離操作によって口腔ケア調合物全体から分離することができるような例えば研磨剤などの未溶解のあらゆる固体は、水相の一部ではないと理解される。水相は、所定量の、例えば水相に基づいて1〜15体積%のエタノールを含んでいてもよい。好ましくは、水相は、上述の動的粘度を有する液体であり、水相のpHは、典型的には3.0〜6.0の範囲、好ましくは4.0〜6.0の範囲、最も好ましくは4.0〜5.0の範囲である。
[00017]本発明の口腔ケア組成物は、「水相中で溶媒和された第一スズイオン」を含む。この用語は、液相中で、正規の酸化状態である2価(+II)のあらゆるイオン性スズの化学種を包含することを目的とする。このようなスズ種の例は、水和第一スズイオン、第一スズイオンの可溶性のイオン性または非イオン性錯体、および、第一スズイオンのイオン性ヒドロキソ錯体である。溶媒和された第一スズイオンの量は、典型的には水相に基づき100〜2500ppm、好ましくは150〜1000ppm、より好ましくは150〜500ppmの量の溶媒和された第一スズイオンである。溶媒和された第一スズイオンの含量は、電位差測定によって決定してもよい(実施例10を参照)。溶媒和された第一スズイオンは、医薬的に許容される第一スズ塩から誘導してもよい。このような第一スズ塩としては、例えば塩化第一スズ、フッ化第一スズ、水酸化第一スズ、硫酸第一スズが挙げられ、なかでもフッ化第一スズが好ましい。上述の従来技術で「硝酸第一スズ(硝酸スズ(II))」として示されたものは、経口用組成物中で、硝酸塩として測定できる窒素と第一スズイオンとのモル比が2:1を示すと予想され、これは本発明に係るものではないことから、単独の第一スズイオン源として、同時に単独の硝酸イオン源として不適切である。
[00018]本発明の口腔ケア組成物は、水相中で溶媒和された硝酸塩を含む。用語「硝酸塩」は、それぞれ1つまたはそれより多くの(カチオンに配位した、または、対アニオンとしての)NO 成分を含むあらゆる水溶性無機化学種を包含する。硝酸塩の例は、経口用組成物の水相中に存在する金属カチオン(例えば第一スズイオン)のニトラト錯体、溶媒和された硝酸塩の対アニオン、および、解離していない硝酸である。溶媒和された硝酸アニオンは、水分子によって溶媒和された硝酸アニオンであって、対イオンとして実質的に錯化されていないカチオン(例えばナトリウム、カリウムカチオン)またはフッ化アミンのカチオン(以下参照)を有する硝酸アニオンと考えられる。通常これらの硝酸塩はいずれも互いに熱力学的平衡の状態であると予想されるため、これらの硝酸塩それぞれのモル量を個別に決定することは不可能である。しかしながら、これら全ての硝酸塩に共通の特徴は、これらは、アルカリ化されると、硝酸が脱プロトン化されることによって、および/または、ニトラト錯体から金属カチオンが不溶性水酸化物または酸化物として沈殿することによって、溶媒和された硝酸アニオンに変換されることである。経口用組成物の水相中で溶媒和された硝酸塩の全ての総含量、すなわち、経口用組成物においてアルカリ化の後に(ただし、酸化などのその他の何らかの化学変換または追加の化学変換が起っていない状態で)硝酸塩アニオンとして測定できる窒素のモル量(実施例11を参照)が、水相中で溶媒和された第一スズイオンのモル量の2倍より少ないことが、本発明の目的にとって必須である。水相中で溶媒和された硝酸塩が、それぞれNO 部分を(配位した状態で、または、アニオンとして)一つだけ含むと考えられる場合、これらのNO 部分のモル量、従って溶媒和された硝酸塩それ自身のモル量は、前記窒素のモル量に等しい。このような場合、前述の硝酸塩として測定できる窒素のモル量と溶媒和された第一スズイオンとの比率は、略して「硝酸塩と第一スズイオンとのモル比」とも言える。
[00019]前記硝酸塩は、組成物の水相に硝酸ナトリウムまたは硝酸カリウムを添加することによって得ることもできる。また従来技術の「硝酸第一スズ」も用いることが可能であるが、その場合、その他の第一スズ塩と合わせて、硝酸塩として測定できる窒素と溶媒和された第一スズイオンとのモル比が本発明に従って2:1より小さくなるようにする。約0.66:1のモル比の硝酸イオンと第一スズイオンとは、特にそれらが添加される水相が水和酸化スズ(II)への加水分解を防ぐために前もって少量の酸で酸性化されている場合、結晶質のいわゆる「塩基性」硝酸第一スズ(式:Sn(OH)(NOで示されると考えられる)を用いて同時に添加することもできる。続いてこのような組成物は、ナトリウムとカリウムの両方を除去してもよい。このような塩は結晶性形状で製造される場合があり、このような塩は室温では安定であるが、それより高温では爆発する可能性がある。塩化第一スズの添加によって第一スズイオンが溶媒和された水相に硝酸銀を添加することによって、硝酸塩を組成物の水相中で生成させてもよい。このプロセスにおいて、相当量の塩化物が水相中に存在する場合、添加された全ての銀イオンが塩化銀として定量的に沈殿する可能性がある。このプロセスにおいて相当量の塩化物が残存するということは、硝酸第一スズに変換されていない塩化第一スズが相当量存在することに等しく、これはすなわち、硝酸塩として測定できる窒素のモル量が、第一スズイオンのモル量の2倍より少ないという本発明の要件に合致している。略すると、これは、硝酸銀を添加すると塩化銀が沈殿する可能性があるような場合、硝酸塩として測定できる窒素のモル量は、本発明に従って、第一スズイオンのモル量の2倍よりもさらに少ない量であるということを意味する。
[00020]本発明の口腔ケア組成物はさらに、矯味矯臭剤を含む。この矯味矯臭剤は、好ましくは、水相中で溶媒和にされた、分散されている、または乳化されている。本発明の口腔ケア組成物に包含させることが可能な矯味矯臭剤の典型的な下位分類は、以下の通りである:
i)植物原料から得られた精油または抽出物、例えばバジル油、苦扁桃油、苦扁桃油、シトロネラ油、柑橘類の油、リンゴ、ユーカリまたはスペアミント抽出物、ユーカリプトス・シトリオドラ(Eucalyptus citriodora)の油、ユーカリ油、アニス油、アネトール、カモミール油、スペアミント油、ライム油、マンダリン油、チョウジ油、オレンジ油、柑橘類の油、ペパーミント油、スペアミント油、セージ油、タイム油、バニリン、ウインターグリーン油、肉桂油、または、桂皮油;
ii)「温かい」または「熱い」感覚を起こす天然または合成化合物、例えば、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ジンゲロール、パラドール(paradol)、ショウガオール、ピペリン、パプリカ粉末、チリペッパー粉末、パプリカ抽出物、コショウ抽出物;チリペッパー抽出物;ショウガの根の抽出物、アフラモムム・メレグエタ(Aframomum melgueta)抽出物、オランダセンニチ(Spilanthes acmella)の抽出物、バンウコン(Kaempferia galanga)の抽出物、アルピニア・ガランガ(Alpinia galanga)の抽出物、カルボン酸N−バニリルアミド、具体的にはノナン酸N−バニリルアミド、2−ノネン酸アミド、具体的には2−ノネン酸N−イソブチルアミド、および、2−ノネン酸N−4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルアミド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、具体的には4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルn−ブチルエーテル、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3,4−ジメトキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、3,4−メチレンジオキシベンジルアルコールのアルキルエーテル、(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸アミド、具体的には(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸N−n−オクチルアミド、ニコチンアルデヒド、ニコチン酸メチル、ニコチン酸プロピル、ニコチン酸2−ブトキシエチル、ニコチン酸ベンジル、および、1−アセトキシカビコール;
iii)「冷却」効果がある天然または合成化合物、例えば、代表的なものとしては1−メントールであるが、以下のもの:メントングリセロールアセタール、乳酸メンチル、置換メンチル−3−カルボン酸アミド(例えばメンチル−3−カルボン酸N−エチルアミド)、2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3−メントキシプロパン−1,2−ジオール、2−ヒドロキシエチルメンチル炭酸塩、2−ヒドロキシプロピルメンチル炭酸塩、N−アセチルグリシンメンチルエステル、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えばメンチル3−ヒドロキシ酪酸塩)、コハク酸モノメンチル、2−メルカプトシクロデカノン、メンチル2−ピロリジン−5−オンカルボン酸塩、2,3−ジヒドロキシ−p−メンタン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3−メンチル3,6−ジ−およびトリ−オキサアルカノエート、3−メンチルメトキシアセタート、イシリン(icillin)、ならびに、1−メンチルメチルエーテルが挙げられる。
[00021]本発明の口腔ケア組成物は、例えば上記で概説したものなどの1種または数種の矯味矯臭剤を含んでもよい。矯味矯臭剤の種類および量は、口腔ケア組成物のために達成しようとする目的の味に応じて決定される。矯味矯臭剤の総量は、典型的には口腔ケア組成物に基づき0.01%〜0.5%であり、好ましくは0.03%〜0.3質量%である。
[00022]矯味矯臭剤または数種の矯味矯臭剤は水溶性であってもよく、このような場合、容易に溶解することは、水相中でこれらの物質を溶媒和にするのに役立つと予想される。あるいは矯味矯臭剤は水溶性が低いかまたは水不溶性であってもよく、このような場合、これらは、適切な共溶媒を用いて可溶化してもよく、例えば上述したように水相に基づいて1〜15体積%のエタノールを用いて可溶化してもよい。また矯味矯臭剤は、口腔ケア組成物の分野でよく知られているような一般的な界面活性剤を用いて、可溶化されていてもよいし、分散されていてもよいし、または、乳化されていてもよい。界面活性剤の好ましい下位分類は、非イオン性(例えば硬化ヒマシ油、カチオン性界面活性剤(例えば脂肪族アミンまたはフッ化アミンの酸付加塩)、および、両性イオン性界面活性剤(例えばコカミドプロピルベタイン)である。
[00023]シムライズ(Symrise)、マン・フィス(Mane Fils)、ジボダン(Givaudan)、フィルメニッヒ(Firmenich)、または、インターナショナル・フレグランス(International Fragrances)などの工業用香料会社は、口腔ケア組成物で用いることが可能なそのままの状態ですぐに使用できる矯味矯臭剤の混合物を提供する。
[00024]本発明の口腔ケア組成物は、好ましくはフッ化物を含んでいてもよい。口腔ケア組成物中のフッ化物の含量は、典型的には組成物に基づき50〜2000ppmであり、好ましくは100〜1000ppmである。フッ化物は、組成物の液相中に溶解していることが好ましい。口腔ケア組成物中のフッ化物含量は、フッ化物に選択的な電極を用いた電位差測定によって決定してもよい(実施例12を参照)。フッ化物は、口腔ケア組成物において一般的に用いられるあらゆるフッ化物イオン源の形態で口腔ケア組成物に添加されてもよく、例えばフッ化第一スズ、フッ化ナトリウムまたはフッ化アミンとして添加されてもよい。後者のものが好ましく;利用可能なフッ化水素アミンの例としては、米国特許第3,083,143A号、WO98/22427AおよびWO2009/130319Aで説明されているものが挙げられる(これら3つの公報は、参照によりそれらの全体が組み入れられる)。特に好ましくは、N,N’N’−トリス(2−ヒドロキシエチル)−N−オクタデセニル−1,3−ジアミノプロパン遊離塩基にモル等量のフッ化水素酸を添加することによって製造されたフッ化水素アミンであり、このフッ化アミンは、オラフルール(Olaflur)として知られている。
[00025]本発明の口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物に用いることができる着色剤を含んでいてもよい。しかしながら、一重項酸素を増感させる特性を有する色素を実質的に含まないことが好ましく、このような色素の例は、トリアリールメタン色素およびそれらの誘導体であり、具体的には、パテントブルーV(Patent Blue V)(E131;[4−(α−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−ヒドロキシ−2,4−ジスルホフェニル−メチリデン)−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]ジエチルアンモニウム水酸化物のナトリウムまたはカルシウム塩、分子内塩)である。「実質的に含まない」とは、経口用組成物において、このような一重項を増感させる色素の総量が0.05質量%未満、好ましくは0.001質量%未満であることと理解される。「実質的に含まない」は、このような色素がまったく存在しないことを意味する場合もあるし、または、このような色素がゼロではなく最小限の量で存在する場合を意味する場合もあし、ここで最小限の量は典型的には0.00001質量%である。
[00026]また本発明の口腔ケア調合物は、非齲食性の甘味剤である糖アルコールを含んでいてもよい。それらの例は、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、リビトール、および、マルチトールである。これらの糖アルコールの典型的な総含量の範囲は、口腔ケア組成物に基づき5%〜45質量%である。これらの糖アルコールは、液相に溶解していることが好ましい。
[00027]本発明の口腔ケア組成物は、3.0〜約6.0の生理学的に許容できるpH値に調節されていてもよく、好ましくは約4.0〜約6.0、より好ましくは約4.0〜約5.0の範囲に調節されていてもよい。これは、例えば二水素クエン酸塩/一水素クエン酸塩;乳酸/乳酸塩、または、グルコン酸/グルコン酸塩緩衝液などの一般的な緩衝系を用いて達成してもよい。口腔ケア組成物の正確な望ましいpHは、酸(例えば塩酸)または塩基(例えば水酸化ナトリウム)を添加することによって調節することにより達成してもよい。
[00028]本発明の組成物がマウスリンスの場合、本組成物は、懸濁または沈殿した固体を実質的に、好ましくは完全に含まないか、または濁りがない透明な溶液である。
[00029]あらゆるタイプの本発明の口腔ケア組成物中の追加の任意の構成要素としては、例えば以下が挙げられる:
−甘味料、具体的には人工甘味料、例えばサッカリン、アセスルファム、ネオタム(neotam)、シクラマート、もしくはスクラロース;天然の高甘味度甘味料、例えばタウマチン、ステビオサイド、もしくはグリシルリジン;または、C(3〜5)糖アルコール以外の糖アルコール、例えばソルビトール、キシリトール、マルチトール、または、マンニトール。これらは、組成物に基づき0%〜0.2%の量、好ましくは0.005%〜0.1質量%の量で存在していてもよい。
−抗菌剤および/または保存剤、例えばクロルヘキシジン、トリクロサン、第四級アンモニウム化合物(例えば塩化ベンザルコニウム)、または、パラベン(例えばメチルまたはプロピルパラベン)。口腔ケア組成物中の抗菌剤の量は、口腔ケア組成物に基づき典型的には0〜約0.5%、好ましくは0.05〜0.1質量%である。
−乳化剤または可溶化剤、主として上述した水性媒体への溶解性が低いことが多い矯味矯臭剤および/または抗菌剤と一緒に使用される。このような乳化剤の例は、中性界面活性剤(例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、または、糖類の脂肪酸)、アニオン性界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、カチオン性界面活性剤(例えば式(I)のアンモニウムカチオン)、または、両性イオン性界面活性剤である。このような界面活性剤または可溶化剤は、口腔ケア組成物に基づき典型的には0%〜2%、好ましくは0.2%〜1.5質量%の量で存在していてもよい。
−チキソトロープ剤、例えば可溶性グレードのヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、または、ムチンであり、これらは、口腔ケア組成物に揺変性の挙動を付与するのに有効な量で含まれる。
−安定剤、例えばポリビニルピロリドン。
[00030]具体的には練り歯磨きまたはデンタルジェルなどの固相を有する本発明の口腔ケア組成物の場合の追加の任意の構成要素は、研磨剤、例えば無機研磨剤(例えばシリカ、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、または、ピロリン酸第一スズ)、または、有機研磨剤(例えばポリエチレン、塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、(メタ)アクリレートとその他のオレフィン系単量体とのコポリマー、ポリアミド、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、硬化されて粉砕されたエポキシ樹脂、またはポリエステル)である。
[00031]第一スズイオンは、水溶液中で、溶媒和された硝酸塩によって酸化に対して安定化されることがわかったことから、本発明の目的は、このような安定化プロセスを提供することである。また本発明は、本発明の口腔ケア組成物を貯蔵する、または、貯蔵後に取出すための1つの区画を有する容器にも関する。第一スズイオンは、このような硝酸塩によって酸化に対して高度に安定化されることがわかったことから、このような容器の1つの同じ区画(component)に第一スズイオンと硝酸塩とを含む長期間保存可能な口腔ケア組成物(例えば3週間)を提供することも可能になり;さらに、このような口腔ケア組成物を酸素ガスに対して特別な予防措置を取らずに扱うことも可能になった。従って、組成物を本発明の貯蔵容器(storage container)または貯蔵及び取出容器(storage and dispensing container)に充填する前に溶解したガス状の酸素を除去するために組成物を脱気する必要をなくすることが可能である。さらに、具体的には本発明の練り歯磨きに用いられる研磨剤などの口腔ケア組成物の成分を前もって脱気する必要もなくすることが可能である。このような研磨剤はかなり多孔質であり、高い比表面積を有し、このような研磨剤を練り歯磨きに添加した後に除去するのが難しいガス状の酸素または空気を相当量含む可能性がある。従って本発明の口腔ケア組成物は、本発明の貯蔵容器または貯蔵及び取出容器に充填されたあとに、ある程度の溶媒和された酸素ガスを含む可能性がある。窒素またはその他の不活性ガスで本発明の貯蔵容器または貯蔵及び取出容器をパージしたり、または、それらを本発明の口腔ケア組成物に充填する前および/またはその後に上記容器を排気したりする必要をなくすることが可能である。上記容器の1つの区画が、本発明の口腔ケア組成物で全て充填されていてもよい。しかしながら、一般的には、上記容器の1つの区画が組成物で全て充填されているのではなく、気相も含むものと予想される。この気相は、当業界において一般的な例としては、例えば純粋な窒素などの保護ガス雰囲気であってもよいし、または、真空であってもよい。しかしながら、好ましくはこのような気相は、単に空気である。
[00032]本発明の1つの区画を有する貯蔵容器の例は、製造もしくは包装施設中の、貯蔵タンク、ボトル、キャニスターまたは容器である。本発明のマウスリンスまたは塗布溶液(touching solution)を含む1つの区画を有する貯蔵及び取出容器の特に好ましい例は、キャップのあるボトルまたはバイアルであり、ここでキャップは、ボトルから取ると、同時に規定された約10mlの口腔ケア組成物のアリコートが分取できるようなカップとしても機能するものでもよい。このような容器の壁は「多層」の壁であってもよく、これは、壁が、酸素の透過性を低くするための異なる材料の多数の層からなることを意味することもあるし、または、壁は、例えばプラスチックのような材料1種のみからなる「単層」の壁であってもよい。本発明の練り歯磨きまたはデンタルジェルを含む1つの区画を有する貯蔵及び取出容器の特に好ましい例は、スクイーズチューブである。これらの容器はいずれも、それらに本発明の組成物を入れたら閉じられることが好ましい。ガス漏れしないように閉じてもよいが必ずしもそうでなくてもよい。液漏れしないように閉じることが好ましい。
[00033]ここで本発明を、以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。
実施例1〜9:マウスリンス調合物
[00034]以下の実施例において、表に列挙した全ての成分の量は、マウスリンス全量に対する質量パーセントで示される。
Figure 0005695733
実施例10:本発明の口腔ケア組成物の水相中で溶媒和された第一スズイオンのモル量の測定
[00035]メトローム(Metrohm, スイス)の白金複合電極タイプ6.1204.310、および、メトローム(スイス)の電位差計タイトランド(Titrando)809を使用した。電極の較正はマニュアルに従って行った。
[00036]100mlの容器中に10.0000gの口腔ケア組成物を正確に量り(±0.1mg)、サンプル中に含まれる正規の酸化状態+IIのスズより多くヨウ素が添加されるように、水40ml、32質量%のHCl(5ml)、および0.05Mの標準KI溶液の既知のアリコート(v ml)を添加した(vの典型的な値は5mlである)。
[00037]電極をサンプル溶液に浸し、正規の酸化状態+IIのスズによってIに還元されていない残りのヨウ素を、0.1Mの標準Na溶液で滴定の終点まで滴定した。用いられたNa溶液の量(ml)をvとして記録した。
[00038]サンプル中に含まれる第一スズイオンの量は、経口用組成物に基づくppm[Sn+II]として、以下のようにして得られる:
[Sn+II]=593.45(v−v)。
[00039]経口用組成物が固体をまったく含まない水相で構成される場合、上記の10.0000gの口腔ケア組成物中で溶媒和された第一スズイオンのモル量Sn2+ aq(ミリモル)は、上記の[Sn+II]から以下のようにして得られる:
Sn2+ aq=8.425×l0−5×[Sn+II]。
[00040]一方で、経口用組成物が水相および固体を含む場合、別の10.0000gの口腔ケア組成物を40.0000gの水で希釈し、ろ過し、ろ過して得られた固体を一定の質量になるまで乾燥させた。これらの乾燥固体の質量(グラム)をmと指定した。上記の10.0000gの口腔ケア組成物の水相中で溶媒和された第一スズイオンのモル量Sn2+ aq(ミリモル)、を、上記の[Sn+II]から以下のようにして得た:
Sn2+ aq=8.425×10−6×(10−m)×[Sn+II]。
実施例11:本発明の口腔ケア組成物における硝酸塩含量の測定
[00041]1.0000g±0.1mgの口腔ケア組成物を容器中に正確に量って入れ、水を添加して、総質量を20.0000g±0.1mgとした。上清溶液20マイクロリットルのサンプルを用いてイオンクロマトグラフィーで測定を行った:
機器:EluGenカートリッジKOHを装着した溶出液生成装置EG40を含むオートサンプラーAS50を備えたダイオネクス(Dionex)のIC25イオンクロマトグラフ。
カラム:充填済みカラムのイオンパックAG14A(直径4mm,長さ50mm)を備えたダイオネクスのイオンパック(IonPac AS)14(直径4mm,長さ250mm)。
制御システム:ダイオネクスのアニオン・セルフ・リジェネレーション・サプレッサー(Anion Self Regenerating Suppressor;ASRS-ULTRA II, 直径4mm)。
溶出液:40mM水酸化カリウム溶液。このアルカリ性溶出液は、サンプルと接触させる際に、含まれる全ての硝酸塩を硝酸アニオンに変換した。
流速:0.9ml/分。
[00042]サンプルのイオンクロマトグラムにおける硝酸塩ピークの面積から、硝酸塩のモル量対ピーク面積の検量線を用いて20マイクロリットルのサンプルから生じた硝酸アニオン{NO }のモル量を評価した。この検量線は、既知の、ただし様々なモル量の硝酸カリウムを有効範囲内で含む溶液の20マイクロリットルのアリコートを同じイオンクロマトグラフィー条件下で測定することによって作製した。
[00043]口腔ケア組成物が水相のみからなり、{NO }がマイクロモルで示されている場合、上記の1.0000gの口腔ケア組成物中の硝酸塩として測定できる窒素のモル量({N}(ミリモル)と示される)はそのまま{NO }と同じである。
[00044]あるいは、経口用組成物が液相(水相)および固体(例えば研磨剤)を含む場合、別の1.0000gの口腔ケア組成物を20.0000gの水で希釈し、ろ過し、ろ過して得られた固体を一定の質量になるまで乾燥させた。これらの乾燥固体の質量(グラム)をmと指定した。上記の1.0000gの口腔ケア組成物の水相中の硝酸塩として測定できる窒素のモル量(ミリモル)({N}(ミリモル)と示される)は、上記の{NO }から以下のようにして得られる:
{N}=(1−m)×{NO }。
[00045]水相中に存在する全ての溶媒和された硝酸塩が、それぞれ1つのNO 成分を(配位した状態で、または、アニオンとして)含むと考えられる場合、これらのNO 成分のモル量、従って硝酸塩それ自身のモル量、は{N}と同じである。
実施例12:本発明の口腔ケア組成物中での電位差によるフッ化物の測定
[00046]メトローム(スイス)のフッ化物選択的な電極タイプ6.0502.150、pH/イオンメーター692、メトローム(スイス)、および、Ag/AgCl参照電極タイプ6.0750.100、メトローム(スイス)を使用した。
[00047]全体のイオン強度を調節した緩衝液(TISAB)が必要なため、以下のようにして作製した:水2リットル中の160mgのNaOH水溶液を製造した(溶液1);25gの1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸、290gのNaClおよび285mlの氷酢酸を水2リットルに溶解させた(溶液2);続いて溶液1と溶液2を混合し、5リットルになるように水を充填した。
[00048]フッ化物に選択的な電極の較正はpH/イオンメーターのマニュアルに従って行った。
[00049]1.0000g±0.1mgの口腔ケア組成物を正確に量り50mlプラスチック製容器に入れ、20.0000g±0.1mgの質量になるまで水を充填し、上述したTISAB緩衝液20mlを添加した。フッ化物に選択的な電極と参照電極をサンプルに浸し、5分後にpH/イオンメーターのマニュアルに従って電位を読み取った。測定された応答値に40(口腔ケア組成物から測定されたサンプルへの全体の希釈係数)を掛けて、口腔ケア組成物サンプルの質量(g)で割ることによりフッ化物濃度(ppm)を計算した。
実施例13:硝酸塩を含まない、1モル当量の硝酸塩の存在下、および、2モル当量の硝酸塩の存在下での第一スズイオンの安定性
[00050]400mlの蒸留水中の211mgのSnFの水溶液を3つ製造した。従ってこれらの溶液は、初期状態で400ppmの溶媒和されたSnFを含む。第一の溶液は、硝酸カリウムを含まない溶液であり、続いて第二の溶液は、136mg(第一スズイオンに基づき1モル当量)の硝酸カリウムを添加したものであり、第三の溶液は、272mg(第一スズイオンに基づき2モル当量)の硝酸カリウムを添加したものである。これらの溶液の製造において、空気からのさらなる保護は行わなかった。チオ硫酸ナトリウムと既知の過量のヨウ素とを用いた一般的なヨウ素滴定によってSn2+含量を測定し(実施例10を参照)、これと同じ測定を21日の間隔を置いて行った。溶液を室温、暗所で保存した。長期にわたるこれら3種の溶液におけるSn2+濃度(ppm)の経過は以下の表に示した通りである:
Figure 0005695733
[00051]溶液2と溶液3の両方は、実験誤差の範囲内で21日間にわたり十分な安定性を示した。それらに対して、溶液1は、水溶液中の溶解空気の酸素含量に基づき平均して1日あたり約11ppmのSn2+ aqの割合で酸化された。従って、第一スズイオンに基づき1モル当量の添加された硝酸塩(溶液2)は、第一スズイオンに基づき2モル当量の硝酸塩と同程度に第一スズイオンを安定化する作用を有すると結論付けることができる(溶液3)。観察された約3週間の期間において硝酸塩と第一スズイオンとの化学量論的な比率は、硝酸イオンの安定化力に何の影響もなかったようである。
実施例14:異なる貯蔵条件下での第一スズイオン溶液の安定性
[00052]初期の第一スズイオン(元はフッ化第一スズ)含量が400ppmの水溶液を3つ製造した。第一の溶液は硝酸塩を含まないが、第二および第三の溶液は、340ppmの硝酸塩(元は硝酸カリウム,第一スズイオンに基づき1モル当量の硝酸塩)を含む。表1は、左から2番目の列に、第一の溶液を、脱気しないで、さらに酸素に対して何の対策もとらないで、通常の日光の中で、透明ボトル中で保存した場合の第一スズイオン濃度(ppm)の時間依存性を示す。表1の右から2番目の列は、第二の溶液を脱気しないで、さらに酸素に対して何の対策もとらないで、通常の日光の中で、透明ボトル中で保存した場合の第一スズイオン濃度の時間依存性を示す。表1の右の列は、第三の溶液を脱気しないで、さらに酸素に対して何の対策もとらないで、ただし暗所で保存した場合の第一スズイオン濃度の時間依存性を示す。
Figure 0005695733
[00053]第一の溶液において、溶媒和された第一スズイオンの量は、21日間にわたり元のレベルの約10分の1に減少したことがわかる(左から2番目の列)。第二の溶液において、第一スズイオン濃度は、21日の貯蔵期間にわたり最初のレベルから半減した(右から2番目の列)。第三の溶液において、21日の貯蔵期間にわたり第一スズイオン濃度はまったく減少しなかったことが観察された(右の列)。
実施例15:異なる貯蔵条件下でのマウスリンスの安定性
[00054]本発明の出願人によって販売されているメリドール(meridol)マウスリンス溶液に類似した3種のマウスリンスを製造した(この配合は、本発明の実施例7の配合と類似している)。第一のマウスリンスは硝酸塩を含まないが、第二および第三のマウスリンスは、340ppmの硝酸塩(元は硝酸カリウム,第一スズイオンに基づき1モル当量の硝酸塩)を含む。表2は、左から2番目の列において、第一のマウスリンスを脱気しないで、さらに酸素に対して何の対策もとらないで、通常の日光の中で、透明ボトル中で21日間保存した場合の第一スズイオン濃度の時間依存性(ppm)を示す。表2の右から2番目の列は、同じ貯蔵条件下での第二のマウスリンスの第一スズイオン濃度の時間依存性を示す。表2の右の列は、第三のマウスリンスを、同様に酸素ガスに対して何の予防措置もとらずに、同様に21日の貯蔵期間にわたり暗所で保存した場合の第一スズイオン濃度の時間依存性を示す。表2に記載の値は、全てのケースにおいて、6回の独立した測定の平均値に標準偏差を加えた値である(実施例10を参照)。
Figure 0005695733
[00055]これらの3種のマウスリンスの挙動は、実施例14の3種の溶液の挙動と類似していた。

Claims (11)

  1. a)水相;
    b)水相中で溶媒和された第一スズイオン;
    c)水相中で溶媒和された硝酸塩(ここで前記硝酸塩の総含量は、水相中の硝酸塩として測定できる窒素のモル量が、溶媒和された第一スズイオンの0.1〜1.8倍のモル量になるような量である);および、
    d)矯味矯臭剤、
    を含む口腔ケア組成物であって、
    前記水相が、100〜400ppmの溶媒和された第一スズイオンを含む、上記口腔ケア組成物
  2. 前記水相が、50〜2000ppmの溶媒和されたフッ化物イオンを含む、請求項に記載の口腔ケア組成物。
  3. 前記組成物が水相で構成されており、かつ、マウスリンスである、請求項1または2に記載の口腔ケア組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物を含む、1つの区画を有する貯蔵容器または1つの区画を有する貯蔵及び取出容器。
  5. 前記口腔ケア組成物が、溶媒和された酸素ガスを含む、請求項に記載の1つの区画を有する貯蔵容器または1つの区画を有する貯蔵及び取出容器。
  6. 気相をさらに含み、気体が空気である、請求項またはに記載の1つの区画を有する貯蔵容器または1つの区画を有する貯蔵及び取出容器。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物の貯蔵方法であって、該方法は、
    a)請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物を、1つの区画を有する貯蔵及び取出容器に充填する工程(ここで、
    a1)組成物を容器に充填する前に脱気しない、または、
    a2)組成物を容器に充填する前に不活性ガスでパージしない、または、
    a3)組成物を容器に充填する前に排気しない、または、
    a4)組成物を容器に充填した後に不活性ガスでパージしない、または、
    a5)組成物を容器に充填した後に排気しない);
    b)a)から得られた容器を閉じる工程;および、
    c)b)から得られた容器を貯蔵に付す工程、
    を含む、上記方法。
  8. 工程a)において:
    a1)容器に充填する前に組成物を脱気しない、および、
    a2)組成物を充填する前に容器を不活性ガスでパージしない、および、
    a3)組成物を充填する前に容器を排気しない、および、
    a4)組成物を充填した後に容器を不活性ガスでパージしない、および、
    a5)組成物を充填した後に容器を排気しない、
    請求項に記載の方法。
  9. 水相中で溶媒和された第一スズイオンを酸化に対して安定化する方法であって、該方法は、溶媒和された第一スズイオンを硝酸塩と接触させることを含み、ここで用いられる硝酸塩の総量は、水相中の遊離の硝酸塩として測定できる窒素のモル量が、溶媒和された第一スズイオンの0.1〜1.8倍のモル量になるような量であって、前記水相が、100〜400ppmの溶媒和された第一スズイオンを含む、上記方法。
  10. 水相中で溶媒和された第一スズイオンを酸化に対して安定化するための硝酸塩の使用であって、用いられる硝酸塩の総量は、水相中の遊離の硝酸塩として測定できる窒素のモル量が、溶媒和された第一スズイオンの0.1〜1.8倍のモル量になるような量であって、前記水相が、100〜400ppmの溶媒和された第一スズイオンを含む、上記使用。
  11. 水性である、請求項1または2に記載の口腔ケア組成物。
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