JP5489479B2 - 口腔用ミクロゲル - Google Patents

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Description

本発明は、口腔用ミクロゲルに係る。より詳細には、本発明は、フッ素化合物及び寒天を含む口腔用ミクロゲルに係る。
フッ化物イオン(F)は、歯の表面に作用し、歯をう蝕原性菌(例えばミュータンス連鎖球菌)の作る酸に溶けにくい抵抗性のある歯質にすることができる。また、う蝕のごく初期段階では、フッ化物イオンは歯の再石灰化を促進し、酸に溶けた部分のエナメル質を捕集し、耐酸性を向上させ得る。さらに、フッ化物イオンはう蝕原性菌の発育を抑え、酸を作る能力を阻害する作用も持つ。
このため、口腔衛生の分野では、フッ化物イオンを供給するフッ素化合物(例えばフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムなど)が、多量摂取により毒性を示すにもかかわらず、適切な適用量管理のもと、う蝕予防のために利用されてきた。
具体的な利用方法としては、例えば、(i)歯の表面に直接フッ素化合物配合組成物(例えばリン酸酸性フッ化物溶液)を塗布する方法、(ii)比較的低濃度のフッ素化合物配合組成物(例えば溶液)を少量口にふくみ洗口する方法、あるいは(iii)フッ素化合物配合歯磨組成物を用いて歯磨きを行う方法等が挙げられる。
いずれの方法においても、歯の表面に効率よくフッ化物イオンを供給することが重要であり、これまでにも、例えば、う蝕防止のためフッ素化合物を含有させた様々な歯磨組成物が開示されている(例えば特許文献1〜3)。
しかしながら、これらはフッ化物イオンの歯表面への供給を主目的の一つとしたものではなく、必ずしも高効率にフッ化物イオンを歯表面へ供給できるものではなかった。
特開2004−244384号公報 特開2002−302429号公報 特開2002−114656号公報
本発明は、簡便かつ安全に、歯の表面に効率よくフッ化物イオンを供給することができる口腔用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、驚くべき事に、フッ素化合物及び寒天を含むミクロゲルが、歯の表面に吸着しやすく垂れにくく、歯と歯の間あるいは歯と歯茎の間に容易に侵入でき、フッ化物イオンの分散溶出度が高いことを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項の口腔用ミクロゲルに係るものである。
項1.
フッ素化合物及び寒天を含む口腔用ミクロゲル。
項2.
フッ素化合物が、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム及びフッ化スズからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の口腔用ミクロゲル。
項3.
寒天の含有量が0.3〜1.5重量%である、請求項1又は2に記載の口腔用ミクロゲル。
本発明の口腔用ミクロゲルは、歯の表面に吸着しやすく垂れにくく、歯と歯の間あるいは歯と歯茎の間に容易に侵入でき、フッ化物イオンの分散溶出度が高く、フッ化物イオンを高効率に歯の表面のすみずみにまで供給できる。
また、本発明の口腔用ミクロゲルは、効率的にフッ化物イオンを供給できるため低濃度でも効果を奏する。そのため、使用後に吐き出しても、吐き出さずに嚥下してもよく、吐き出しあるいは嚥下が困難なヒト(例えば乳幼児や老人、障害者など)や動物であっても、安全かつ手軽に使用することができる。
さらに、本発明の口腔用ミクロゲルは、スプレー式容器に充填し、スプレー噴霧して供給を行うこともできる。例えば歯磨きのブラシ部分上へ載せるためにスプレー噴霧することはもちろん、歯表面に直接スプレー噴霧して適用することも容易に行うことができる。
各被験ゲルについての、30秒までのフッ化物イオン分散溶出度の経時変化を示したグラフである。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の口腔用ミクロゲルは、フッ素化合物及び寒天を含むミクロゲルに係る。
ミクロゲルに含まれるフッ素化合物としては、口腔内で使用可能であって、口腔内でフッ化物イオンの供給源となるものであれば特に限定されず、例えばフッ化物塩(フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化リチウム等)、モノフルオロリン酸塩(モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、モノフルオロリン酸アンモニウム等)等の無機性フッ素化合物、フッ化アミン等の有機性フッ素化合物が挙げられる。中でも安全性、溶解性等の点からフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズが好ましい。さらに、フッ素化物がイオン化されやすく風味を損なわないという点からフッ化ナトリウムがより好ましい。なお、これらのフッ素化合物は1又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フッ素化合物は、ミクロゲルに対するフッ化物イオン濃度で換算して100〜22600ppmとなるように含まれることが好ましく、100〜1000ppmとなるように含まれることがより好ましい。また、幼年期の子供のためには100〜500ppmとなるように含まれることがさらに好ましい。
本願の口腔用ミクロゲルは、ゲル化剤として寒天を含むものである。ミクロゲルに含まれるフッ素化合物から供給されるフッ化物イオンの分散溶出性において、ゲル化剤として寒天を用いて製造したミクロゲルが特に優れており、本発明の口腔用ミクロゲルに含まれるゲル化剤は、寒天が主成分であることが好ましい。すなわち、ミクロゲルに含まれるゲル化剤全量のうち寒天が80〜100重量%であることが好ましく、90〜100重量%であることがより好ましく、95〜100重量%であることがさらに好ましい。
また、ゲル化剤の主成分として寒天を含み、かつ本発明の口腔用ミクロゲルの効果(特に、優れたフッ化物イオンの分散溶出性)を損なわなければ、ミクロゲルに含まれるその他のゲル化剤の種類は特に制限されない。例えばヒドロキシエチルセルロース、ジェランガム、キサンタンガムが例示できる。なお、寒天以外のゲル化剤を含む場合、各ゲル化剤は寒天と1又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
寒天は、ミクロゲルに0.3〜1.5重量%含まれることが好ましく、0.4〜1.3重量%含まれることがより好ましい。寒天含有量が0.1重量%以下の場合、得られるミクロゲルの集合体の粘性が弱く、歯に吸着しにくく垂れやすいものとなってしまうので好ましくない。また、寒天含有量が2.0重量%以上の場合、得られるミクロゲルのフッ化物イオン分散溶出度が低くなる上、当該ミクロゲルの集合体がスプレー噴霧ができない程度の低い流動性しか有さないため、好ましくない。
本発明に係るミクロゲルは、特に、実質的にゲル化に寄与するゲル化剤が寒天のみのミクロゲル(すなわち寒天ミクロゲル)であることが好ましい。すなわち、本発明の口腔用ミクロゲルは、特にフッ素化合物を含む口腔用寒天ミクロゲルであることが好ましい。
本発明に係るミクロゲルは、例えば、ゲル化剤(及び必要に応じて架橋剤)、フッ素化合物及びその他任意成分を水性溶媒に溶解させ、撹拌しながら冷却し、ゲル化させながらゲルを剪断して製造することができる。また、前記水性溶媒に溶解させた後で、冷却して固めて、その後で剪断して製造することもできる。
なお、本発明に係るミクロゲルは、ゲル化剤として寒天を主成分として含むことが好ましいものであるが、寒天を溶解させるには溶媒を加熱することが好ましい。例えば溶媒として水を用いる場合、80〜100℃に加熱することが好ましい。これにゲル化剤(及び必要に応じて架橋剤)、フッ素化合物及びその他任意成分を溶解させ、撹拌しながら冷却し、ゲル化させながらゲルを剪断して(又は一度ゲル化させたものを剪断して)細かなゲルの粒子(すなわちミクロゲル粒子)が多数寄り集まった状態のもの(集合体)を得ることができる。ミクロゲルの集合体は流動性を有する。このようにして得られるミクロゲルの集合体を、そのまま口腔用組成物として用いることができる。さらに、このようにして得られるミクロゲルの集合体に種々の成分を混合し、好ましくは均一分散させて、口腔用組成物として利用することもできる。
ミクロゲル製造のための剪断は公知の方法により行うことができ、例えばT.K. Homo Disper(特殊機化工業)を用いて行うことができる。具体的には、例えば製造例1に記載の条件により、製造することができる。
本発明に係るミクロゲルの平均粒子径は、0.01〜1000μmであることが好ましく、15〜300μmであることがより好ましい。なお、平均粒子径は、例えばレーザー回析方式粒度分布測定装置(島津製作所)を用いて測定することができる。平均粒子径が1000μmより大きいと、当該ミクロゲルの集合体が、流動体として均一性を持った美的外観が得られない。また、ミクロゲルの粒子が大きいため、歯と歯の間あるいは歯と歯茎の間に侵入しづらい上、スプレー噴霧により用いる際スプレーのノズルにつまって上手く噴霧が行えないことがある。一方、平均粒子径が0.01μmより小さいと、当該ミクロゲルの集合体の流動性が高くなりすぎて垂れやすくなってしまう。
また、本発明に係るミクロゲルの集合体の降伏値は、0.2〜10Paであることが好ましく、0.5〜7Paであることがより好ましい。降伏値が0.2Paを下回ると、口腔内の滞留性が悪くなり、降伏値が10Paを超えると、流動性が悪くなる。なお、降伏値(Sc)は、例えばE型回転粘度計(ブルックフィールド)を用いて、25℃において剪断速度(D)を0.5→1.0→2.0→5.0→10(1/sec)と上昇させながら剪断応力(S)を測定し、CASSONの流動方程式
Figure 0005489479
を用いることで求めることができる。
本発明の口腔用ミクロゲルには、当該ミクロゲルが有する効果を損なわない限り、ミクロゲルの製造時にフッ素化合物及びゲル化剤以外の任意成分を適量配合することもできる。このような任意成分としては、例えば口腔用組成物に適宜配合される成分(湿潤剤、香料、甘味剤、防腐剤、着力剤、pH調整剤、安定化剤、矯味剤、研磨剤など)を挙げることができる。また、配合量は、当該ミクロゲルが有する効果、及び当該ミクロゲルを含有する口腔用組成物が有する効果を損なわない範囲において適宜設定することができる。
配合できる湿潤剤としては、本発明の効果を損なわない程度において、エタノール、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース等が挙げられる。これらの中でも、本発明に係るミクロゲルの噴霧性及び香味の観点からグリセリンが特に好ましい。湿潤剤は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができ、その配合量は通常5〜30重量%であり、好ましくは10〜25重量%を配合することができる。
香料としては、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、ウインターグリーン、サリチル酸メチル、シネオール、チモール、丁字油、ユーカリ油、ローズマリー油、セージ油、レモン油、オレンジ油、オシメン油、シトロネロール、メチルオイゲノール等が例示できる。これらの香料は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
甘味剤としては、例えばサッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、α−メトキシシンナミックアルデヒド、スクラロース、キシリトール、パラチノース、還元パラチノース、エリスリトール、マルチトール等を配合することができる。これらの中でも、本発明に係るミクロゲルに含まれるフッ化物イオンの助剤として作用するという観点から、キシリトール、パラチノース、還元パラチノース、エリスリトールがより好ましく、その中でも特に還元パラチノースが好ましい。これらの甘味剤は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
着色剤としては、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等が例示できる。これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
pH調整剤としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウム等が例示でき、これらは、組成物のpHが5〜7の範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、乳酸カルシウム、ラノリン、トリアセチン、ヒマシ油、硫酸マグネシウム等が例示できる。これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
矯味剤としては、チャエキス、チャ乾留液、プロポリスエキス、グルタミン酸ナトリウム等が例示できる。これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
研磨剤としては、例えば第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水和物、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂等を用いることができる。これらの研磨剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果を損なわない程度であれば、フッ素化合物以外の薬効成分として、例えばデキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素(リテックエンザイム)等の酵素;トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、グリセロリン酸、クロロフィル、グルコン酸銅、塩化ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物、クロルヘキシジン塩類、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;酢酸−dl−α−トコフェロール、酢酸ピリドキシン、アスコルビン酸またはその塩等のビタミン類;アロエ、イチョウ葉、アガリクス、ウーロン茶、カミツレ、カリン、ギムネマ、クマザサ、甜茶、杜仲茶、ドクダミ、ハトムギ、メグスリノキ、ヨモギ、緑茶、ルイボス、レモンバーム、ローズマリー、クラブミン、ラカンカ、シソ、クランベリー、ノコギリソウ、エルダー、リコリス、ハッカ、ユーカリ、ガラナ、カンゾウ、ボダイジュ、ホップ、カカオ、クワ葉、タイム、オウゴン等の植物抽出物等を配合してもよい。これらの薬効成分は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
なお、これらの任意成分、薬効成分は、上述のようにミクロゲルの製造時に配合させてもよいし、ミクロゲルを製造した後、ミクロゲルの集合体に混合(好ましくは均一分散)させてもよい。
本発明の口腔用ミクロゲルは、例えば、当該ミクロゲルの集合体をそのまま口腔用組成物として用いることができる。本発明の口腔用ミクロゲルの集合体からなる口腔用組成物は、歯の表面に吸着しやすく垂れにくく、歯と歯の間あるいは歯と歯茎の間に容易に侵入でき、フッ化物イオンの分散溶出度が高く、フッ化物イオンを高効率に歯の表面のすみずみにまで供給できる。また、上述のように本発明の口腔用ミクロゲルの集合体に任意成分、薬効成分を混合したものを口腔用組成物とすることもできる。なお、本発明の口腔用ミクロゲルは、口腔用組成物に配合して用いることもできる。
また、ミクロゲルのフッ素化合物含有量を上述の範囲とすることで、当該ミクロゲルを含有してなる口腔用組成物を日々使用し続けてもフッ素化合物由来の毒性がでることはないと考えられる。よって、本発明の口腔用組成物は、配合されるその他の成分にもよるが、使用後に吐き出しても、吐き出さずに嚥下してもよく、吐き出しあるいは嚥下が困難なヒト(例えば乳幼児や老人、障害者など)や動物であっても、安全かつ手軽に使用することができる。
本発明の口腔用ミクロゲル又は当該ミクロゲルを含有してなる口腔用組成物の容器は特に限定されず、フィルムやガラス瓶などの口腔用組成物用容器として通常用いられるものを用いることができる。また、容器の形状は特に制限されず、ボトル充填や、スプレー式容器、ピローパック状、スティック状、チューブ状、カップ状等を挙げることができる。特に、スプレー式容器に充填して利用する場合は、当該口腔用組成物はノズルにより霧状に吐出され得る。当該口腔用組成物に含有されるミクロゲルは前述の平均粒子径を有し、独立して存在しており、スプレー時にノズル詰まりや糸曳きを生じさせない。このように、本発明のミクロゲルを含有してなる口腔用組成物は、スプレー式容器に充填して、スプレー噴霧供給を行うこともでき、例えば歯磨きのブラシ部分上へ載せるためにはもちろん、歯の表面に直接適用することも容易に行うことができる。
本発明のミクロゲルを含有してなる口腔用組成物の剤形は特に制限されないが、例えば練歯磨剤、液状歯磨、液体歯磨、洗口剤、口中清涼剤、口腔湿潤剤、軟膏剤等の剤形に調整することができる。また、上述のようにスプレー噴霧可能であり、使用後嚥下してもよいものとすることも可能との特徴を有するため、簡便性や携帯性に優れた商品を提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
まず、各実施例及び比較例のゲルを、以下の製造例1〜3に記載の方法にて調製した。実施例1〜5、比較例4、6、7については製造例1、比較例1〜3については製造例2、比較例5については製造例3に記載の方法にて調製した。
製造例1:実施例1〜5、比較例4、6、7の製造
表1に記載の組成に従って、各成分を90℃に加熱したイオン交換水に添加して均一に溶解させ、撹拌しながら40℃まで放置冷却し、その後さらに撹拌しながら5℃まで氷冷した。その後、T.K. Homo Disper(特殊機化工業)を用いて、回転数10000rpmで2分間剪断し、真空ポンプで脱泡して、ミクロゲルを製造した。
以下の試験には、当該ミクロゲルを所定量用いた。
製造例2:比較例1〜3の製造
表1に記載の組成に従って、各成分をイオン交換水に添加して均一に溶解させ、バルクゲル(ゲルの塊)を作製した。
以下の試験には、当該バルクゲルを所定量用いた。
製造例3:比較例5の製造
表1に記載の組成に従って、各成分を90℃に加熱したイオン交換水に添加して均一に溶解させ、氷冷にて1時間放置し、バルクゲル(ゲルの塊)を作製した。
以下の試験には、当該バルクゲルを所定量用いた。
試験例1:フッ化物イオン分散溶出試験
プロペラミキサー用ローターの円形アクリル板上に1gの被検ゲル(すなわち、各実施例及び比較例のミクロゲル又はバルクゲル)をそれぞれ秤量した。なお、比較例1、2、3、5、7については、バルクゲルあるいはミクロゲルから1gをさじですくい取って円形アクリル板上にのせた。また、実施例2〜5、比較例4、6については、スプレー容器(三谷バルブ)に充填し、スプレー噴霧して1gを円形アクリル板上にのせた。実施例1については、さじですくい取って円形アクリル板上にのせた場合と、スプレー噴霧して円形アクリル板状にのせた場合の両ケースを検討した。
このローターをプロペラミキサーに装着後、蒸留水1Lの入ったビーカーにゆっくり浸漬し回転数50rpmで撹拌した。撹拌して2、8、16、24及び30秒後にビーカー内の溶液をそれぞれ0.5mL採取した。
次に、当該採取溶液中のフッ化物イオン濃度を調べた。フッ化ナトリウムを含む薬剤を用いた場合は、採取溶液0.5mLにTISAB II(ORION)を0.5mL加え、フッ化物イオン複合電極(ORION)を用いてフッ化物イオン濃度を測定した。モノフルオロリン酸ナトリウムを含む薬剤を用いた場合は、試料0.5mLに過塩素酸0.01mLを加え水浴上で10分加熱した後、TISAB II(ORION)を0.51mL加え、フッ化物イオン複合電極(ORION)を用いてフッ化物イオン濃度を測定した。フッ化物イオンの分散溶出度(%)は各被験ゲル中のフッ素化合物が含有するフッ化物イオンが全て分散した時のフッ化物イオン濃度を100%として算出した。特に6種の被験ゲルについては、30秒までのフッ化物イオン分散溶出度の経時変化を示したグラフを図1に示す。なお、当該被験ゲル中、実施例1については「さじすくい取り」の場合と「スプレー噴霧」の場合の両ケースの結果を図1に示す。
また、フッ化物イオン分散溶出性は下記評価基準により評価した。評価結果を表1に示す。なお、実施例1については、表1には「スプレー噴霧して円形アクリル板状にのせた場合」の検討結果を示した。
<評価基準>
○:30秒経過後70%以上溶出
△:30秒経過後40%以上70%未満溶出
×:30秒経過後40%未満溶出
試験例2:垂れ性試験
0.5gの被験ゲルを用紙に秤量し、当該用紙を垂直に保ったまま30秒静置した。次に、初めに乗せた場所の中心から流れた試料の先端までの距離を測定し、下記基準により垂れ性を評価した。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
○:10cm未満
△:10cm以上20cm未満
×:20cm以上
試験例3:スプレー性試験
各被験ゲルをスプレー容器(三谷バルブ)に充填し、ノズルを上にして垂直に立てた状態でスプレーした。吐出状況を下記基準により評価した。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
○:霧状に広がる。
△:霧状に広がらず、直線状に吐出される。
×:吐出されない。
Figure 0005489479
実施例1〜5の結果から、フッ素化合物及び寒天を含むミクロゲルは、水性溶媒(蒸留水)にいれてから5〜10秒程度で含有するフッ化物イオンのほぼ100%を溶出でき、フッ化物イオン分散溶出性に優れていることがわかった(表1及び図1)。さらに、実施例1の「さじですくい取って円形アクリル板上にのせた場合」の検討と「スプレー噴霧して円形アクリル板状にのせた場合」の検討の比較から、スプレー噴霧することで、フッ化物イオンがより素早く溶出することがわかった。また逆に、「さじですくい取って円形アクリル板上にのせた場合」はフッ化物イオンが徐々に溶出しており、フッ素化合物及び寒天を含むミクロゲルをスプレー噴霧せず、例えば塗布するなどすれば、徐放性を示すこともわかった(図1)。
また、比較例1〜3、5の結果から、たとえゲル化剤として寒天を用いた場合(比較例5)でも、ミクロゲルとしなければ良好な分散溶出性、垂れ性、スプレー性は得られないことがわかった(表1及び図1)。
さらに、比較例4の結果から、寒天以外のゲル化剤(ジェランガム)を用いた場合は、ミクロゲルとしても、良好な分散溶出性は得られないことが分かった(表1及び図1)。
比較例6、7の結果から、たとえゲル化剤として寒天を用いて製造したミクロゲルであっても、寒天含有量が0.1重量%以下の場合、良好な垂れ性が得られないこと、及び寒天含有量が2.0重量%以上の場合、得られるミクロゲルのフッ化物イオン分散溶出度が悪くなり、良好なスプレー性も得られないことがわかった(表1)。
以上のことから、フッ素化合物及び寒天を含むミクロゲルであれば、フッ化物イオン分散溶出性に優れ、垂れにくく、スプレー噴霧が可能であり、口腔用ミクロゲルとして用いるのに好適であり、また、当該ミクロゲルの集合体はそのまま口腔用組成物として用い得ることが確認できた。
以下に本発明の口腔用ミクロゲルの処方例を示す。以下の各処方例では、記載する成分は全てミクロゲル製造時に用いられたものであり、全ての成分はミクロゲルの粒子内に含まれている。また、得られるミクロゲルの集合体はそのまま口腔用組成物として用いることができる。なお、各数値は重量%を示す。

処方例1
寒天 0.5
フッ化ナトリウム 0.2
POE(2モル)アルキル(C12-14)スルホコハク酸2ナトリウム 0.2
ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
サッカリンナトリウム 0.01
ポリエチレングリコール400 5.0
エタノール 5.0
リンゴ酸 0.3
安息香酸ナトリウム 0.2
香料 0.2
精製水 残
全量 100.0

処方例2
寒天 0.4
キサンタンガム 0.05
フッ化スズ 0.4
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.2
ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5
ステビアエキス(ステビオサイド70%配合) 0.04
安息香酸ナトリウム 0.2
香料 0.2
精製水 残
全量 100.0

処方例3
寒天 1.3
ヒドロキシエチルロース 0.05
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.35
炭酸カルシウム 15.0
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
プロピレングリコール 2.0
グルコン酸亜鉛 0.3
キシリトール 5.0
サッカリンナトリウム 0.2
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
香料 0.2
精製水 残
全量 100.0

処方例4
寒天 0.5
フッ化ナトリウム 0.2
ソルビット液(70%) 15.0
増粘性シリカ 3.0
リン酸二水素ナトリウム 0.1
リン酸水素二ナトリウム 0.1
グリセリン 10.0
サッカリンナトリウム 0.05
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
香料 0.1
精製水 残
全量 100.0

Claims (2)

  1. フッ素化合物及びゲル化剤を含む口腔用ミクロゲルであって、ゲル化剤が寒天からなり、寒天の含有量が0.41.3重量%である、口腔用ミクロゲル。
  2. フッ素化合物が、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム及びフッ化スズからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の口腔用ミクロゲル。
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