JP2011074030A - 口腔用ミクロゲル - Google Patents

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Abstract

【課題】流動性が低く、簡便かつ安全に使用することができ、高効率に有効成分を供給できる口腔用組成物を提供すること。
【解決手段】カチオン性殺菌剤及び寒天を含んでなり、寒天の配合量が0.3〜3質量%である、口腔用ミクロゲル。当該口腔用ミクロゲル(又は当該ミクロゲルを含有する口腔用組成物)は、歯の表面に吸着しやすく垂れにくく、歯と歯の間あるいは歯と歯茎の間に容易に侵入でき、カチオン性殺菌剤の分散溶出度も高い。
【選択図】なし

Description

本発明は、口腔用ミクロゲルに係る。より詳細には、本発明は、カチオン性殺菌剤及び寒天を含んでなる口腔用ミクロゲルに係る。
特に先進国において、高齢化社会の進行が問題となっている。オーラルケア分野においても、高齢者には、自ら歯磨きやフロスを用いて口腔内をケアすることが困難である者が多く、不十分なオーラルケアによる口腔内の汚れや菌の増加が、口腔内のトラブルを増加させている。その上、口腔内トラブルが全身性疾患を引き起こす例も少なくない。例えば、飲食物や唾液などが咽頭部へ垂れ、気管から肺に入ることで誤嚥性肺炎を起こす例が多く報告されている。
このような事例は、高齢者のみならず、事故や病気により介護が必要となった者にも同様にあてはまる。
特に、手が不自由である者の場合、通常の練歯磨剤(ゲル状のものを含む)を用いたブラッシングを行うことが困難となる。少なくとも、歯磨剤に含まれる有効成分の分散性は十分でなく、歯磨剤の最大限の効果を得ることは難しい。また、洗口剤を用いようとしても、これは液体であるために流動性が高く垂れやすいことから、誤飲の危険性があり使用しづらい。
介護者がブラッシングを行うことでケアをするとしても、特にそしゃく・えん下困難者は唾液や歯磨剤を誤嚥するおそれがある。また、口腔内のケアは細かい手作業となるため、介護者にも負担が大きい。さらに、軟膏剤のように指で口腔内に塗布することで使用する口腔用組成物を使用する場合、被介護者に介護者が指を噛まれるおそれもある。特にそしゃく・えん下困難者は、異物を口腔内に入れられると口を閉じようとすることが多く、従って介護者がオーラルケアのために指を口腔内へ入れると、指を噛まれることが多い。このため、バイトブロックを用いてケアする必要があり、不便な上、バイトブロックを用いると大きな開口が難しく十分なケアができないという問題がある。
例えば、特許文献1には、特定のゲル化剤を含む特定の粒子径を有するミクロゲル粒子を含有してなる口腔用組成物が記載され、当該口腔用組成物が薬効成分の残存感に優れスプレーにより霧状に噴霧し得ること等も記載されているが、ミクロゲル粒子からの実際の薬効成分の分散溶出性や当該口腔用組成物の誤嚥危険性については、何ら言及されていない。
このような状況であるため、流動性が低く(垂れにくく、もしくは付着保持性が高く)、簡便かつ安全に使用することができ、口腔内へ高効率に有効成分を供給できる口腔用組成物が望まれている。
特開2005−104966号公報
本発明は、流動性が低く、簡便かつ安全に使用することができ、高効率に有効成分を供給できる口腔用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、驚くべき事に、有効成分としてカチオン性殺菌剤を、ゲル化剤として寒天を含んでなるミクロゲルが、上記課題を解決し得ることを見出した。すなわち、当該ミクロゲル(又は当該ミクロゲルを含有する口腔用組成物)は、歯の表面に吸着しやすく垂れにくく、歯と歯の間あるいは歯と歯茎の間に容易に侵入でき、カチオン性殺菌剤の分散溶出度も高いことを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項の口腔用ミクロゲル又は口腔用組成物に係るものである。
項1.
カチオン性殺菌剤及び寒天を含んでなり、寒天の配合量が0.3〜3質量%である、口腔用ミクロゲル。
項2.
カチオン性殺菌剤が、第四級アンモニウム塩及び/又はビグアニド系殺菌剤である、請求項1に記載の口腔用ミクロゲル。
項3.
項1又は2に記載の口腔用ミクロゲルを含有する口腔用組成物。
本発明の口腔用ミクロゲルは、歯及び口腔粘膜の表面に吸着しやすく垂れにくいため、誤嚥しにくい。特に、そしゃく・えん下困難者であっても誤嚥のおそれが少なく、好ましい。また、歯と歯の間あるいは歯と歯茎の間に容易に侵入でき、カチオン性殺菌剤の分散溶出度が高く、カチオン性殺菌剤を高効率に口腔内のすみずみにまで供給できる。
また、本発明の口腔用ミクロゲルは、有効成分として、カチオン性殺菌剤を含む。カチオン性殺菌剤は、例えば塩化セチルピリジニウムや塩酸クロルヘキシジン等、長年口腔用組成物に使用され安全性が確立されているものが多い。そのため、使用後に吐き出しても、吐き出さずに嚥下してもよく、吐き出しあるいは嚥下が困難なヒト(例えば乳幼児や老人、障害者など)や動物であっても、安全かつ手軽に使用することができる。
さらに、本発明の口腔用ミクロゲルは、スプレー式容器に充填し、スプレー噴霧して供給を行うこともできる。例えば歯磨きのブラシ部分上へ載せるためにスプレー噴霧することはもちろん、例えば歯表面等、口腔内に直接スプレー噴霧して適用することも容易に行うことができる。
塩化セチルピリジニウム分散溶出試験の手順の概略図を示す。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の口腔用ミクロゲルは、カチオン性殺菌剤及び寒天を含んでなる。なお、ミクロゲルは、ゲルの塊(バルクゲル)を剪断して細かなゲルの粒子(すなわちミクロゲル粒子)として得ることができる。そして、このようにして得られるミクロゲル粒子が多数寄り集まった状態のもの(ミクロゲルの集合体)は流動性、粘性を有する。
ミクロゲルに含まれるカチオン性殺菌剤としては、口腔内で使用可能なものであれば特に限定されないが、第四級アンモニウム塩およびビグアニド系殺菌剤が好ましく、例えば塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンゼトニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルピリジニウム等の第四級アンモニウム塩や、塩酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アレキシジン、酢酸アレキシジン、グルコン酸アレキシジン等のビグアニド系殺菌剤等のカチオン性殺菌剤が含まれる。中でも、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジンが好ましく、特に、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジンが好ましい。なお、これらのカチオン性殺菌剤は1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
カチオン性殺菌剤の含有量は、本発明の効果を損なわない限り制限はされないが、ミクロゲルに対して0.01〜5質量%含まれることが好ましく、0.02〜4質量%含まれることがより好ましく、0.05〜3質量%含まれることがより好ましい。含有量が0.01質量%より少ないと殺菌効果が不十分な場合が多く、一方含有量が5質量%より多いと口腔内に適用した時に刺激が強すぎるおそれがあるからである。
本願の口腔用ミクロゲルは、ゲル化剤として寒天を含むものである。ミクロゲルに含まれるカチオン性殺菌剤の分散溶出性において、ゲル化剤として寒天を用いて製造したミクロゲルが特に優れており、本発明の口腔用ミクロゲルに含まれるゲル化剤は、寒天が主成分であることが好ましい。すなわち、ミクロゲルに含まれるゲル化剤全量のうち寒天が80〜100質量%であることが好ましく、90〜100質量%であることがより好ましく、95〜100質量%であることがさらに好ましい。
また、ゲル化剤の主成分として寒天を含み、かつ本発明の口腔用ミクロゲルの効果(特に、優れたカチオン性殺菌剤の分散溶出性、及び集合体となった際の垂れ防止を可能とする粘性)を損なわなければ、ミクロゲルに含まれるその他のゲル化剤の種類は特に制限されない。例えばヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガムが例示できる。寒天以外のゲル化剤を含む場合、各ゲル化剤は寒天と1又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るミクロゲルは、特に、実質的にゲル化に寄与するゲル化剤が寒天のみのミクロゲル(すなわち寒天ミクロゲル)であることが好ましい。すなわち、本発明の口腔用ミクロゲルは、特にカチオン性殺菌剤を含む口腔用寒天ミクロゲルであることが特に好ましい。
寒天は、マクサ(Gelidium amansii)、オゴノリ(Gracilaria verrucosa)、オバクサ(Pterocladia capillacea)、イタニグサ(Ahnfeltia plicata) 、オオオゴノリ(Gracilaria gigas)等の海藻の細胞壁から発見された生体高分子(biopolymer)であり、構造的機能とイオン交換及び膜透析機能とを有すると考えられている。寒天は、アガロースと称される中性多糖とアガロペクチンと称される荷電ポリマーとの混合物である。アガロース骨格は、D-ガラクトピラノースと3,6-アンヒドロ-L-ガラクトピラノースとが交互に結合したアガロビオース又はネオアガロビオースを基本単位とし、D-ガラクトピラノースの1位と3,6-アンヒドロ-L-ガラクトピラノースの4位とがβ結合し、D-ガラクトピラノースの3位と3,6-アンヒドロ-L-ガラクトピラノースの1位がα結合している。アガロペクチンはアガロースと同じ繰り返し単位を有するが、おおよそ10個のD-ガラクトピラノースサブユニット毎に、硫酸基、ピルビン酸又はアセチルの官能基で置換されている。
本発明の口腔用ミクロゲルに含まれる寒天は、特に制限はされないが、高分子量の寒天であることが好ましい。具体的には、重量平均分子量が約30000以上の寒天が好ましく、30000〜1000000の寒天がより好ましく、30000〜500000の寒天がさらに好ましい。
このような寒天は市販もされており、例えば伊那食品工業社製のウルトラ寒天(AXシリーズ、BXシリーズ、UX−30)、速溶性寒天(UPシリーズ、UZ−5)、一般用寒天(Sシリーズ)等を本発明に好適に用いることができる。中でも特にUX−30、UPシリーズ、UZ−5が好ましい。
寒天は、ミクロゲルに0.3〜3質量%配合されることが好ましく、0.3〜2.5質量%配合されることがより好ましく、0.3〜2質量%配合されることがさらに好ましい。寒天配合量が0.3質量%より少ない場合、得られるミクロゲルの集合体の付着保持性が弱く誤嚥危険性が高まり、また垂れやすく歯及び口腔粘膜に吸着しにくいものとなってしまうので好ましくない。さらに、寒天含有量が0.3質量%より少ない場合カチオン性殺菌剤分散溶出度は低くなってしまう。また、寒天含有量が4質量%以上の場合、得られるミクロゲルのカチオン性殺菌剤分散溶出度が低くなり、また、当該ミクロゲルの集合体がスプレー噴霧できない程度の低い流動性しか有さない。さらに、組成物の透明性が悪くなり、着色するなど外観を損ねるおそれもある。よって、好ましくない。
なお、乳児、幼児、妊産婦、病者などの発育、健康の保持・回復などに適するという特別の用途を表示して販売される食品である特定用途食品(表示には厚生労働大臣の許可が必要:健康増進法26条)において、「そしゃく・えん下困難者用食品」として定められている食品では、20±2℃での粘度が1.5×10mPa・s以上であることを粘度基準としている。「健常者では水の様に低粘度の液体がもっとも飲み込み易いが、嚥下困難者においてはとろみのある方がかえって誤嚥を起こしにくいことが知られ」ているためである(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所ホームページ「食品機能性マニュアル」 http://www.nfri.affrc.go.jp/yakudachi/manual/12-2kouya.html)。よって、本発明のミクロゲルの集合体の粘度も、20±2℃での粘度が1.5×10mPa・s以上であることが好ましい。
本発明に係るミクロゲルは、例えば、ゲル化剤(及び必要に応じて架橋剤)、カチオン性殺菌剤及びその他任意成分を水性溶媒に溶解させ、撹拌しながら冷却し、ゲル化させながらゲルを剪断して製造することができる。また、前記水性溶媒に溶解させた後で、冷却して固めてバルクゲルとし、その後剪断して製造することもできる。
本発明に係るミクロゲルは、ゲル化剤として寒天を主成分として含んでなることが好ましいものであるが、寒天を溶解させるには溶媒を加熱することが好ましい。例えば溶媒として水を用いる場合、80〜100℃に加熱することが好ましい。これにゲル化剤である寒天(並びに必要に応じて他のゲル化剤及び架橋剤)、カチオン性殺菌剤及びその他任意成分を溶解させ、撹拌しながら冷却し、ゲル化させながらゲルを剪断して(又は一度ゲル化させバルクゲルとしたものを剪断して)細かなゲルの粒子(すなわちミクロゲル粒子)が多数寄り集まった状態のもの(ミクロゲルの集合体)を得ることができる。ミクロゲルの集合体は流動性・粘性を有する。このようにして得られるミクロゲルの集合体を、そのまま口腔用組成物として用いることができる。さらに、このようにして得られるミクロゲルの集合体に種々の成分を混合し、好ましくは種々の成分をミクロゲルの集合体に均一分散させて、口腔用組成物として利用することもできる。
ミクロゲル製造のための剪断は公知の方法により行うことができ、例えばT.K. Homo Disper(特殊機化工業)を用いて行うことができる。
本発明に係るミクロゲルの平均粒子径は、0.01〜1000μmであることが好ましく、15〜300μmであることがより好ましい。なお、平均粒子径は、レーザ回折・散乱法によって求めることができ、例えばレーザー回析方式粒度分布測定装置(島津製作所)を用いて測定することができる。平均粒子径が1000μmより大きいと、当該ミクロゲルの集合体が、流動体として均一性を有さず、均一な粘性を得られない上、美的外観も損なわれる。また、ミクロゲルの粒子が大きいため、歯と歯の間あるいは歯と歯茎の間に侵入しづらい上、スプレー噴霧により用いる際スプレーのノズルにつまって上手く噴霧が行えないことがある。一方、平均粒子径が0.01μmより小さいと、当該ミクロゲルの集合体の流動性が高くなりすぎて垂れやすくなり、使用しづらく、誤嚥の危険性も大きくなる。
また、本発明に係るミクロゲルの集合体の降伏値は、0.2〜10Paであることが好ましく、0.5〜7Paであることがより好ましい。降伏値が0.2Paを下回ると、口腔内の付着保持性が悪くなり、降伏値が10Paを超えると、流動性が悪くなる。なお、降伏値(Sc)は、例えばE型回転粘度計(ブルックフィールド)を用いて、25℃において剪断速度(D)を0.5→1.0→2.0→5.0→10(1/sec)と上昇させながら剪断応力(S)を測定し、それらをCASSONの流動方程式
Figure 2011074030
を用いることで求めることができる。
本発明の口腔用ミクロゲルには、当該ミクロゲルが有する効果を損なわない限り、ミクロゲルの製造時にカチオン性殺菌剤及びゲル化剤以外の任意成分を適量配合することもできる。このような任意成分としては、例えば口腔用組成物に適宜配合される成分(湿潤剤、香料、甘味剤、防腐剤、着力剤、pH調整剤、安定化剤、界面活性剤、矯味剤、研磨剤など)を挙げることができる。また、配合量は、当該ミクロゲルが有する効果、及び当該ミクロゲルを含有する口腔用組成物が有する効果を損なわない範囲において適宜設定することができる。
配合できる湿潤剤としては、本発明の効果を損なわない程度において、エタノール、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース等が挙げられる。これらの中でも、本発明に係るミクロゲルの噴霧性及び香味の観点からグリセリンが特に好ましい。湿潤剤は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができ、その配合量は通常5〜30質量%であり、好ましくは10〜25質量%を配合することができる。
香料としては、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、ウインターグリーン、サリチル酸メチル、シネオール、チモール、丁字油、ユーカリ油、ローズマリー油、セージ油、レモン油、オレンジ油、オシメン油、シトロネロール、メチルオイゲノール等が例示できる。これらの香料は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
甘味剤としては、例えばサッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、α−メトキシシンナミックアルデヒド、スクラロース、キシリトール、パラチノース、還元パラチノース、エリスリトール、マルチトール等を配合することができる。これらの中でも、本発明に係るミクロゲルに含まれるフッ化物イオンの助剤として作用するという観点から、キシリトール、パラチノース、還元パラチノース、エリスリトールがより好ましく、その中でも特に還元パラチノースが好ましい。これらの甘味剤は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
着色剤としては、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等が例示できる。これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
pH調整剤としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウム等が例示でき、これらは、組成物のpHが5〜7の範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、乳酸カルシウム、ラノリン、トリアセチン、ヒマシ油、硫酸マグネシウム等が例示できる。これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を配合し得、具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−アシルザルコシネート、N−アシルグルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−アシルタウレート、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等が例示できる。これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
矯味剤としては、チャエキス、チャ乾留液、プロポリスエキス、グルタミン酸ナトリウム等が例示できる。これらは単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
研磨剤としては、例えば第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水和物、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂等を用いることができる。これらの研磨剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果を損なわない程度であれば、カチオン性殺菌剤以外の薬効成分として、例えばモノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第一錫などのフッ化物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素(リテックエンザイム)等の酵素;トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、グリセロリン酸、クロロフィル、グルコン酸銅、塩化ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物、クロルヘキシジン塩類、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;酢酸−dl−α−トコフェロール、酢酸ピリドキシン、アスコルビン酸またはその塩等のビタミン類;アロエ、イチョウ葉、アガリクス、ウーロン茶、カミツレ、カリン、ギムネマ、クマザサ、甜茶、杜仲茶、ドクダミ、ハトムギ、メグスリノキ、ヨモギ、緑茶、ルイボス、レモンバーム、ローズマリー、クラブミン、ラカンカ、シソ、クランベリー、ノコギリソウ、エルダー、リコリス、ハッカ、ユーカリ、ガラナ、カンゾウ、ボダイジュ、ホップ、カカオ、クワ葉、タイム、オウゴン等の植物抽出物等を配合してもよい。これらの薬効成分は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
なお、これらの任意成分、薬効成分は、上述のようにミクロゲルの製造時に配合させてもよいし、ミクロゲルを製造した後、ミクロゲルの集合体に混合(好ましくは均一分散)させてもよい。
本発明の口腔用ミクロゲルは、例えば、当該ミクロゲルの集合体をそのまま口腔用組成物として用いることができる。本発明の口腔用ミクロゲルの集合体からなる口腔用組成物は、歯の表面に吸着しやすく垂れにくく、歯と歯の間あるいは歯と歯茎の間に容易に侵入でき、カチオン性殺菌剤の分散溶出度が高く、カチオン性殺菌剤を高効率に歯の表面等口腔内のすみずみにまで供給できる。また、上述のように本発明の口腔用ミクロゲルの集合体に任意成分、薬効成分を混合したもの(好ましくは均一分散させたもの)を口腔用組成物とすることもできる。なお、本発明の口腔用ミクロゲルは、他の口腔用組成物に配合して用いることもできる。
また、ミクロゲルのカチオン性殺菌剤含有量を上述の範囲とすることで、当該ミクロゲルを含有してなる口腔用組成物を日々使用し続けてもカチオン性殺菌剤由来の毒性がでることは通常はないと考えられる。特に、口腔用組成物用として長年使用されてきたカチオン性殺菌剤(例えば塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン等)は安全性が実証されている。よって、本発明の口腔用組成物は、配合されるその他の成分にもよるが、使用後に吐き出しても、吐き出さずに嚥下してもよく、この点においても、吐き出しあるいは嚥下が困難なヒト(例えば乳幼児や老人、障害者など)や動物が、安全かつ手軽に使用できる。
本発明の口腔用ミクロゲルからなる口腔用組成物又は当該ミクロゲルを含有してなる口腔用組成物の容器は特に限定されず、フィルムやガラス瓶などの口腔用組成物用容器として通常用いられるものを用いることができる。また、容器の形状は特に制限されず、ボトル充填や、スプレー式容器、ピローパック状、スティック状、カップ状等を挙げることができる。特に、スプレー式容器に充填して利用する場合は、当該口腔用組成物はノズルにより筋状ではなく霧状に吐出され得る。当該口腔用組成物に含有されるミクロゲルは前述の平均粒子径を有し、独立して存在しており、スプレー時にノズル詰まりや糸曳きを生じさせない。このように、当該口腔用組成物は、スプレー式容器に充填して、スプレー噴霧供給を行うこともでき、例えば歯磨きのブラシ部分上へ載せるためにはもちろん、歯の表面に直接適用することも容易に行うことができる。
本発明の口腔用ミクロゲルからなる口腔用組成物又は当該ミクロゲルを含有してなる口腔用組成物の剤形は特に制限されないが、例えば常法により液状歯磨、液体歯磨、洗口剤、口中清涼剤、口腔湿潤剤等の剤形に調整することができる。また、上述のようにスプレー噴霧可能であり、使用後に嚥下も可能との特徴を有するため、簡便性や携帯性に優れた商品を提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
まず、実施例1〜5及び比較例1〜6のゲルを、以下の製造例1〜3に記載の方法にて調製した。実施例1〜5、及び比較例3、5、6については製造例1、比較例1、2については製造例2、比較例4については製造例3に記載の方法にて調製した。なお、表1に記載の組成の数値は質量%を示す。
製造例1:実施例1〜5、比較例3、5、6の製造
表1に記載の組成に従って、90℃に加熱したイオン交換水に各成分を添加して均一に溶解させ、撹拌しながら40℃まで放置冷却し、その後さらに撹拌しながら5℃まで氷冷した。その後、T.K. Homo Disper(特殊機化工業)を用いて、回転数10000rpmで2分間剪断し、真空ポンプで脱泡して、ミクロゲルを製造した。
以下の試験には、当該ミクロゲルを所定量用いた。
製造例2:比較例1、2の製造
表1に記載の組成に従って、各成分をイオン交換水に添加して均一に溶解させ、バルクゲル(ゲルの塊)を作製した。
以下の試験には、当該バルクゲルを所定量用いた。
製造例3:比較例4の製造
表1に記載の組成に従って、90℃に加熱したイオン交換水に各成分を添加して均一に溶解させ、氷冷にて1時間放置し、バルクゲル(ゲルの塊)を作製した。
以下の試験には、当該バルクゲルを所定量用いた。
試験例1:塩化セチルピリジニウム分散溶出試験
本塩化セチルピリジニウム分散溶出試験の手順の概略図を図1に示す。
プロペラミキサー用ローターの円形アクリル板上に10gの被検ゲル(すなわち、各実施例及び比較例のミクロゲル又はバルクゲル)をそれぞれ秤量した。なお、比較例1、2、4、6については、バルクゲルあるいはミクロゲルを10gさじですくい取って円形アクリル板上にのせた。また、実施例1〜5、比較例3、5については、スプレー容器(三谷バルブ製)に充填し、スプレー噴霧して10gを円形アクリル板上にのせた。
このローターをプロペラミキサーに装着後、SLS入りクエン酸緩衝液1Lの入ったビーカーにゆっくり浸漬し回転数50rpmで撹拌した。撹拌を開始して30秒後にビーカー内の溶液をそれぞれ0.5mL採取した。なお、SLS入りクエン酸緩衝液は、水5000mLにクエン酸一水和物21g、クエン酸二水素ナトリウム23.2gを溶かし、ラウリル硫酸ナトリウム14.4gを溶解させて作成した。
次に、当該採取溶液中の塩化セチルピリジニウム濃度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて調べた。具体的には、次のようにして塩化セチルピリジニウムを定量した。40℃に保温したリクロソルブRPセレクトB(Lichrosorb RP select B, 4.0mmφ×250mm)をHPLCに用いる分離カラムとし、抽出溶媒を溶離液として使用した。流速は毎分1mLとし、258nmの吸光度を測定することにより塩化セチルピリジニウムを検出した。また、塩化セチルピリジニウム標準品で作成した検量線を用いて、検出した塩化セチルピリジニウムを定量した。
そして、当該定量値から、塩化セチルピリジニウムの溶出割合を算出した。
結果を表1に示す。なお、以下の評価基準での評価も併せて表1に示す。
<評価基準>
○:30秒経過後70%以上溶出
△:30秒経過後40%以上70%未満溶出
×:30秒経過後40%未満溶出
試験例2:垂れ性試験
0.5gの被験ゲルを用紙に秤量し、当該用紙を垂直に保ったまま30秒静置した。次に、初めに乗せた場所の中心から流れた試料の先端までの距離を測定し、下記基準により垂れ性を評価した。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
○:10cm未満
△:10cm以上20cm未満
×:20cm以上
試験例3:スプレー性試験
各被験ゲルをスプレー容器(三谷バルブ)に充填し、ノズルを上にして垂直に立てた状態でスプレーした。吐出状況を下記基準により評価した。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
○:霧状に広がる。
△:霧状に広がらず、筋状(直線状)に吐出される。
×:吐出されない。
Figure 2011074030
試験例4:粘性試験
比較例7、8、及び実施例6のゲルを、次のようにして製造した。表2に記載の組成に従って、各成分を90℃に加熱したイオン交換水に添加して均一に溶解させ、撹拌(100rpm)しながら15℃まで冷却した。その後、T.K. Homo Disper(特殊機化工業)を用いて、回転数3000rpmで1分間剪断し、真空ポンプで脱泡して、ミクロゲルを製造した。なお、比較例7の組成は比較例5と同一である。
実施例7のゲルを、次のようにして製造した。表2に記載の組成に従って、各成分を90℃に加熱したイオン交換水に添加して均一に溶解させ、撹拌(500rpm)しながら15℃まで冷却した。その後、T.K. Homo Disper(特殊機化工業)を用いて、回転数5000rpmで1分間剪断し、真空ポンプで脱泡して、ミクロゲルを製造した。
実施例8のゲルを、次のようにして製造した。表2に記載の組成に従って、各成分を90℃に加熱したイオン交換水に添加して均一に溶解させ、撹拌(500rpm)しながら15℃まで冷却した。その後、T.K. Homo Disper(特殊機化工業)を用いて、回転数7000rpmで1分間剪断し、真空ポンプで脱泡して、ミクロゲルを製造した。
なお、表2に記載の組成の数値は質量%を示す。
そして、20℃±2℃において、各例のミクロゲルの集合体の粘度をBL型粘度計で測定した。具体的には、比較例7、8及び実施例6はローターNo.2を使用し、実施例7、8はローターNo.3を使用して、12rpm、2分間(粘度管に充填)の条件で粘度を測定した。
測定により得られた粘度値を表2に示す。また、当該粘度値が1.5×10mPa・s以上であるものを“誤嚥危険性「○」”、1.5×10mPa・sより小さいものを“誤嚥危険性「×」”と評価した結果も併せて表2に示す。さらに、比較例7〜8及び実施例6〜8について、上記試験例3と同様にして垂れ性試験を行った結果も併せて表2に示す。
Figure 2011074030
以上の結果から、塩化セチルピリジニウム及び寒天を含んでなるミクロゲルは、分散溶出性及びスプレー性に優れており、特に寒天の含有量が0.4〜3質量%のものは垂れ性も悪くなく、誤嚥危険性も小さいことがわかった。また、このような効果は、他のゲル化剤を用いたときには得られないことがわかった。

Claims (3)

  1. カチオン性殺菌剤及び寒天を含んでなり、寒天の配合量が0.3〜3質量%である、口腔用ミクロゲル。
  2. カチオン性殺菌剤が、第四級アンモニウム塩及び/又はビグアニド系殺菌剤である、請求項1に記載の口腔用ミクロゲル。
  3. 請求項1又は2に記載の口腔用ミクロゲルを含有する口腔用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013193969A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Nippon Zettoc Co Ltd ゲル状口腔用組成物

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