JP5694713B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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この発明は空気入りタイヤ、なかでも、トラック、バス等の重荷重車両に用いて好適な重荷重用空気入りタイヤに関するものであり、とくに、広幅化したベルト補強層の側部部分への応力集中を抑制することで、ベルト補強層の側部部分の、その外周側に隣接するベルト層からのセパレーションを有効に防止し、タイヤの耐久性能を向上させる技術を提案するものである。
ラジアル構造とすることができるカーカスのクラウン域の外周側に、たとえば、トレッド周方向に対して5°以下の角度でコードを延在させることによって、実質的にトレッド周方向に延びるコードからなるベルト補強層を一層以上設け、かかるベルト補強層をもってタイヤの径成長を抑制する従来タイヤとしては、特許文献1〜3に開示されたものがある。
なおここで、ベルト補強層を形成するコードは、トレッド周方向に直線状、ジグザグ状、波形状等の形態で延在するものとすることができるとともに、伸長率が2%前後に到るまでは小さな引張力で大きく伸長する一方、その伸長率を越えると、大きな入力によっても伸長率が少なくなる、いわゆる、初期伸びの大きい、たとえば、ラング撚りコード、ハイエロンゲーションコード等で形成することができる。
ところで、ベルト補強層のコードを、ジグザグ状、波形状等の迂曲した延在形態とすることで、コードの初期伸びを確保するときは、リム組みしたタイヤに、JATMA、TRA、ETRTO等の規格のYEAR BOOKその他で規定される最高空気圧を充填した状態で、迂曲形態が消失するものとすることが、ベルト補強層に、径成長抑制機能を十分に発揮させる上で好ましい。
特許文献1〜3に開示された空気入りタイヤでは、操縦安定性の向上のために、コードが相互に交差して延びるベルト層を広幅として面内剪断剛性を高めることによって、タイヤが発生する横力を高めることが行なわれているが、ベルト補強層については、ショルダ側の領域に、高いたが作用を発揮するベルト補強層が存在しないことに起因する、トレッド接地面のショルダ側陸部での偏摩耗の発生を防止することを目的として、これもまた広幅化を図る傾向にある。
ここにおいて、このように、ベルト層およびベルト補強層のそれぞれを広幅に配設した場合は、タイヤの負荷転動に伴う内圧増加時に、それぞれのコードの、トレッド周方向に対する延在角度の相違に基く、ベルト補強層と、それの外周側に隣接するベルト層とのトレッド周方向の伸縮量の差に起因して、とくに、周方向伸縮量の差が顕著となる、ベルト補強層の側部部分で、前記ベルト層からのセパレーションが生じることがある。
このため従来、ベルト補強層の側部部分と、外周側の隣接ベルト層との間に層間ゴムを配設し、この層間ゴムによって、タイヤの負荷転動時の、ベルト補強層と隣接ベルト層との周方向伸縮差によって生じるトレッド周方向の層間剪断歪を吸収して、かかるセパレーションを防止するものとしている(たとえば特許文献4参照)。
特開2000−62411号公報 特開2009−184371号公報 特開2009−126363号公報 特開2005−313837号公報
ところで、ベルト補強層と、それの外周側に隣接するベルト層との間に、層間ゴムを配設した従来のタイヤでは、ベルト補強層と隣接ベルト層との間で生じる上述した層間剪断歪を吸収する層間ゴムの、トレッド周方向の大きな弾性変形の故に、トレッド周方向に伸縮変形し難いベルト補強層の側部部分に応力集中が生じ、また、ベルト補強層を広幅化したことによる、トレッドショルダ側陸部の接地圧の増加に伴って層間ゴムの発熱量が増加することに原因をおく層間ゴムそれ自体の熱劣化とも相俟って、ベルト補強層の側部部分でのセパレーションが発生し易く、この結果として、タイヤの耐久性能が低下するという問題があった。
この発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、ベルト補強層と、それの外周側に隣接するベルト層との周方向伸縮差による層間剪断歪を、層間ゴムで十分に吸収してなお、ベルト補強層の側部部分への応力集中、および、層間ゴムそれ自体の熱劣化を効果的に抑制することにより、ベルト補強層のセパレーションを防止し、耐久性能を向上させたタイヤを提供するにある。
この発明の空気入りタイヤは、ビード部間にトロイド状に延びる、少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設されて、コードをトレッド周方向に向けて延在させてなる少なくとも一層のベルト補強層と、ベルト補強層の外周側に配設されて、コードをトレッド周方向に対して傾斜させて直状に延在させてなるベルト層の二層以上と、該ベルト層の外周側に配設されて、トレッド接地面を形成するトレッドゴムとを具え、
前記ベルト補強層およびベルト層のそれぞれの各側縁を、前記トレッド接地面の、最もトレッドショルダ側に位置するそれぞれのショルダ周溝の形成位置よりトレッド幅方向外側に位置させるとともに、ベルト補強層の外周側に隣接するベルト層を、ベルト補強層および他のベルト層に比して幅の広い広幅ベルト層とし、
前記広幅ベルト層の内周側に隣接するベルト補強層の側部部分と、該広幅ベルト層との間に、トレッド幅方向で、該ベルト補強層の側縁側に向けて厚みを漸増させた層間ゴムを配設してなるものであって、
前記層間ゴムを、100%モジュラスの異なる二種類以上のゴム材料から構成し、該層間ゴムの、ベルト補強層の側部部分との接触域のゴム材料を、層間ゴムの残部を形成するゴム材料に比して、100%モジュラスの大きい硬質ゴム材料とし、該硬質ゴム材料の厚みを、トレッド幅方向で、ベルト補強層の側縁側に向けて漸増させてなるものである。
ここで、「ベルト補強層の側部部分」とは、トレッド幅方向外側で、該外側に向かうに従い前記広幅ベルト層から離隔するベルト補強層の、広幅ベルト層から離隔する部分をいうものとする。
なお、ここでいう「100%モジュラス」は、室温で、JIS K6251に規定する引張り試験を行って算出した100%伸張時の引張モジュラスを意味する。
また好ましくは、層間ゴムの前記硬質ゴム材料の100%モジュラスを、5.0MPa、より好ましくは6.0MPa以上とする。
そしてまた好ましくは、適応リムに組み付けて規定内圧を充填した姿勢で、前記広幅ベルト層の側縁位置と、該位置からトレッド幅方向内側に30mm隔てた位置との間に、ベルト補強層の側縁および、他のベルト層の側縁のそれぞれを配置する。
ここにおいて、「適応リム」とは、タイヤサイズに応じて下記の規格に規定されたリムをいい、「規定内圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、「最大負荷能力」とは、下記の規格でタイヤに負荷されることが許容される最大の質量をいう。
そして、その規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであり、例えば、アメリカ合衆国では、“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“The European Tyre and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
この発明の空気入りタイヤによれば、層間ゴムの、ベルト補強層との接触域のゴム材料を、残部のゴム材料に比して100%モジュラスの大きい硬質ゴム材料としたことにより、タイヤの負荷転動時に、ベルト補強層と、そのベルト補強層の外周側に隣接する広幅ベルト層との間の層間ゴムの、残部のゴム材料がとくに大きく弾性変形して、コードの延在角度の相違に起因する大きな層間剪断歪を吸収し、この一方で、ベルト補強層との接触域の、100%モジュラスの大きい硬質ゴム材料は、残部ゴム部材の大きな弾性変形の、ベルト補強層への伝播を遮断して、ベルト補強層の側部部分への応力集中を緩和するべく機能して、その側部部分の応力集中を抑制することができる。
また、層間ゴムの一部を形成するゴム材料を、100%モジュラスの大きい硬質ゴム材料としたことで、層間ゴムの全体を100%モジュラスの小さいゴム材料から形成した場合に比して、層間ゴムの発熱量を低減させることができるので、ベルト補強層の広幅化に起因して、トレッドショルダ側陸部の接地圧が増加しても、層間ゴムの熱劣化を有効に抑制することができる。
これがため、このタイヤによれば、ベルト補強層のセパレーションを効果的に防止することができ、耐久性能が大きく高まることになる。
ここにおいて、層間ゴムの硬質ゴム材料の厚みを、トレッド幅方向で、ベルト補強層の側縁側に向けて漸増させたときは、タイヤの負荷転動に際し、大きな層間剪断変形が生じる、ベルト補強層の側縁への応力集中を、硬質ゴム材料で十分に緩和させてなお、層間剪断変形を吸収する残部ゴム材料の所要の体積を確保することができるので、タイヤの耐久性能を一層向上させることができる。
ここで、層間ゴムの残部のゴム材料の100%モジュラスを、たとえば5.0MPa未満とするのに対し、層間ゴムの硬質ゴム材料の100%モジュラスを、5.0MPa以上としたときは、層間ゴムの硬質ゴム材料により、残部ゴム材料の大きな弾性変形に起因する、ベルト補強層の側部部分の変形が十分に軽減されて、ベルト補強層の側部部分でのセパレーションをより有効に防止することができる。
これを言い換えれば、硬質ゴム材料の100%モジュラスを5.0MPa未満とした場合には、硬質ゴム部材と残部ゴム部材との100%モジュラスの差があまりないことから、上述したような、硬質ゴム材料による、ベルト補強層の側部部分への応力集中を抑制する効果および、層間ゴムそれ自体の熱劣化を防止する効果を十分に得ることができない。
ところで、適応リムに組み付けて規定内圧を充填した姿勢で、前記広幅ベルト層の側縁位置と、該位置からトレッド幅方向内側に30mm隔てた位置との間に、ベルト補強層の側縁および、他のベルト層の側縁のそれぞれを配置したときは、ベルト補強層の側縁位置にとくに集中する層間剪断歪を効果的に低減させることが可能であり、ベルトセパレーション耐久性を向上させることができる。
この発明の実施の形態をトレッド半部について示す、トレッド幅方向の部分断面図である。 実施例タイヤの要部を拡大して示す、トレッド幅方向の部分断面半図である。
図1に示すところにおいて、1は、図示しない一対のビード部間にトロイダルに延在する、たとえば一枚のカーカスプライからなる、ラジアル構造とすることができるカーカスを示し、2および3のそれぞれは、カーカス1のクラウン域の外周側に配設されて、たとえば、並列に配置した複数本の直状もしくは迂曲コードをゴム被覆した、3〜20mm幅のリボン状のストリップを、タイヤ軸線の周りに螺旋状に巻回して形成してなり、トレッド周方向に対して5°以下の角度で延在するコード(ここでは、「トレッド周方向に延在するコード」という)にて形成される、ここでは二層のベルト補強層のそれぞれを示す。
なお、ベルト補強層は、一層もしくは三層以上配設することも可能である。
ここで、ベルト補強層2、3のコードは、前述したような、初期延びの大きい、ラング撚りスチールコードやハイエロンゲーションスチールコード、あるいは有機繊維コード等とすることができる他、トレッド周方向に対してジグザグ状、クランク状、波形状等の迂曲形態で延在するスチールコードとすることもできる。
なおここで、ベルト補強層2、3のコードを、初期伸びの大きいコードとする場合は、リム組みしたタイヤに、JATMA、TRA、ETRTO等の規格のYEAR BOOKその他で規定される最高空気圧を充填した状態で初期伸びが消失するものとし、また、ジグザグ状等の迂曲形態で延在するコードとする場合は、上記の最高空気圧を充填した状態で迂曲形態が消失するものとすることが、ベルト補強層2、3に、径成長抑制機能を十分に発揮させる上で好ましい。
そして、ベルト補強層3の外周側には、トレッド周方向に対して、たとえば40〜50°の角度で傾斜して直線状に延びるコードからなるベルト層の二層以上、図では二層のベルト層4、5を配設し、ここでは、これらのベルト層4、5のそれぞれを形成するコードを、トレッド周方向に対して相互に逆方向に延在させる。
また、このようなベルト層4、5のさらに外周側にはトレッド接地面を形成するトレッドゴム6を配設し、かかるトレッドゴム6に、たとえば、トレッド半部で四本の周溝7〜10を形成する。
ここにおいて、この空気入りタイヤでは、面内剪断剛性を高めて、タイヤが発生する横力を高めるとともに、トレッド接地面のショルダ側陸部での偏摩耗を防止すること等を目的として、ベルト補強層2、3およびベルト層4、5のそれぞれの側縁を、トレッド接地面の、最もトレッドショルダ側に位置するショルダ周溝7の形成位置よりトレッド幅方向外側に位置させるとともに、ベルト補強層3の外周側に隣接するベルト層4を、ベルト補強層2、3および他のベルト層5のいずれにも比して幅の広い広幅ベルト層とする。
またここでは、このように幅広く配設したベルト層4の内周側に隣接するベルト補強層3の側部部分3aと、その広幅ベルト層4との間に、トレッド幅方向で、該ベルト補強層3の側縁側に向けて厚みを漸増させた層間ゴム11を配設し、この層間ゴム11に、タイヤの負荷転動時に、コードの、トレッド周方向に対する傾斜角度が大きい広幅ベルト層4が、コードの同様の傾斜角度が小さいベルト補強層3に比して、トレッド周方向に大きく伸縮変形することに起因する、それらの層間の剪断変形を吸収させることで、ベルト補強層3の、とくに側部部分3aでの、広幅ベルト層4からのセパレーションを防止する。
なお、図に示すところでは、この層間ゴム11は、トレッド幅方向にほぼ平行に延びる広幅ベルト層4と、実質的にカーカス1の外周面に沿って延びるベルト補強層2、3とによって、ベルト補強層3の側部部分で形成される、広幅ベルト層4とベルト補強層3との離隔領域に設けたものであり、層間ゴム11のトレッド幅方向の断面形状は、略三角形状をなす。
このように、ベルト補強層3の側部部分3aと広幅ベルト層4との間に、層間ゴム11を設けた場合は、タイヤの負荷転動時に、層間ゴム11が、広幅ベルト層4の伸縮変形を受けて大きく弾性変形するため、層間ゴム11のこの大きな弾性変形によって、トレッド周方向に伸縮し難いベルト補強層3の側部部分3aに応力の集中を招くおそれがあることから、この発明の空気入りタイヤでは、層間ゴム11を、100%モジュラスの異なる二種類以上、図では二種類のゴム材料から構成し、層間ゴム11の、ベルト補強層3の側部部分3aとの接触域のゴム材料11aを、残部を形成するゴム材料11bに比して、100%モジュラスの大きい硬質ゴム材料とする。
このことによれば、層間剪断変形に対し、100%モジュラスの小さい残部ゴム材料11bが、大きく弾性変形して、ベルト補強層3の側部部分3aと広幅ベルト層4との間の剪断変形を十分に吸収するのに対し、ベルト補強層3との接触域に位置する硬質ゴム材料11aは、残部ゴム材料11bの大きな弾性変形の、ベルト補強層3の側部部分3aへの伝播を遮断するべく機能することになる。
しかもここでは、層間ゴム11の一部を、100%モジュラスの大きい硬質ゴム材料11aとしたことで、層間ゴム11全体としての変形量が減少し、層間ゴムそれ自体の発熱量もまた低減されることになるので、層間ゴムの熱劣化をも有効に抑制することができる。
これらの結果として、このタイヤによれば、ベルト補強層3の側部部分3aでのセパレーションを効果的に防止して、耐久性能を大きく高めることができる。
ここで、層間ゴム11の硬質ゴム材料11aの厚みは、トレッド幅方向に均一なものとしたり、あるいは、トレッドセンタ側に向けて漸増させたりすることも可能であるが、硬質ゴム材料11aによって、大きな層間剪断変形が生じる、ベルト補強層3の側縁への応力集中を十分に緩和させてなお、層間剪断変形を吸収する残部ゴム材料11bの所要の体積を確保するとの観点からは、硬質ゴム材料11aの厚みを、図1に示すように、トレッド幅方向で、ベルト補強層3の側縁側に向けて漸増させることが好ましい。
またここで、残部ゴム材料11bの100%は、5.0MPa未満とすることができるのに対し、硬質ゴム材料11aの100%モジュラスは、5.0MPa以上とすることが、ベルト補強層3に、上述したようなセパレーション防止機能をより効果的に発揮させる上で好ましい。
そしてまた、硬質ゴム材料の100%モジュラスは、ベルト補強層3のコーティングゴムの、5.0〜8.0MPaとすることができる100%モジュラス以下とすることが好ましい。
なおここで、より好ましくは、硬質ゴム材料11aの100%モジュラスを、コーティングゴムの100%モジュラス未満で、かつ、残部ゴム材料11bの100%モジュラスを超えるものとする。
ここにおいて、トレッド幅方向で、ベルト補強層3の側縁側に向けて厚みを漸増させた層間ゴム11は、ゴムボリュームの増大に伴う発熱量の増大を抑制するため、適応リムに組み付けて規定内圧を充填した姿勢で、ベルト補強層3の側縁と対応する位置、つまり、ベルト補強層3の側縁を通ってタイヤ中心軸線と直交する線分上で5mm程度の厚みを有するものとすることができ、なかでも、同様に厚みを漸増させた硬質ゴム材料11aの、ベルト補強層3の側縁対応位置での厚みは、1mm程度とすることができる。
また、同様の内圧充填姿勢で、硬質ゴム材料11aは、トレッド幅方向で、たとえば20mm〜30mmの範囲にわたって配設することができる。
なお、硬質ゴム材料11aは、少なくとも、ベルト補強層3の側部部分3aとの接触域に配置されていればよく、図1に示すように、硬質ゴム材料11aを、ベルト補強層3の側縁よりもトレッド幅方向外側の領域まで配設することは必須の構成ではない。
ところで、ベルト補強層3の側縁およびベルト層5の側縁のそれぞれは、適応リムに組み付けたタイヤに規定内圧を充填した姿勢で、広幅ベルト層4の側縁から、トレッド幅方向内側に30mm隔てた位置の間に配置することが好ましい。
また、タイヤのショルダー域の偏摩耗を十分有効に防止するために、好ましくは、ベルト補強層3の幅を、トレッド幅の80%以上とし、また、操縦安定性等の運動性能の確保のためには、ベルト補強層3の外周側に隣接する広幅ベルト層4の幅を、トレッド幅の80%以上とし、その他のベルト層、図ではベルト層5の幅を、トレッド幅の80%以上とすることが好ましい。
そしてまた好ましくは、図では二層のベルト層4、5のコード交錯幅を、トレッド幅の80%以上とする。
トラック・バス用の、サイズが495/45R22.5のタイヤを、17.00×22.5のリムに組み付けるとともに、充填空気圧を900Pa、負荷荷重を56.8kNの条件の下、以下の二種類の試験をそれぞれ行い、それらの各試験結果を、従来タイヤ1をコントロールとして指数評価し、諸元とともに表1に示す。
(耐久性試験)
ベルト補強層のセパレーション故障が発生するまで走行させ、その走行距離を測定した。表1に示す耐久距離は、指数値が大きいほど故障までの走行距離が長く、耐久性能に優れることを示す。
(摩耗試験)
速度73km/hで回転させたドラム上で、供試タイヤを、所定の速度で一定距離走行させ、走行後の各供試タイヤのトレッドゴムの摩耗量を測定して評価した。表1に示す耐摩耗性能は、指数値が小さいほど摩耗量が少なく、耐摩耗性能に優れることを示す。
なお、実施例タイヤ1〜3のそれぞれは、図2に示すように、層間ゴム11の厚みを、ベルト補強層3の側縁側に向けて漸増させるとともに、層間ゴム11を、ベルト補強層3の側縁位置で終端させたこと以外は、図1に示す構造を有するものとし、また、従来タイヤ1〜3のそれぞれは、層間ゴムから、硬質ゴム材料部分を省いて、層間ゴム全体を100%モジュラスの小さいゴム材料で形成したことを除いて、実施例タイヤ1と同様の構成を有するものとした。
ここで、表1に示す、層間ゴムの厚みは、層間ゴム全体の、ベルト補強層の側縁対応位置でのゴム厚みをいうものである。
またここで、表1の、ベルト層のそれぞれのコード角度の項目における、「R40」は、ベルト層の展開平面視で、コードが、タイヤ周方向に対して右上がりの40°の姿勢で延在することを意味し、この一方で、「L40」は、同様の平面視で、コードが、タイヤ周方向に対して左上がりの40°の姿勢で延在することを意味する。
表1の結果から、いずれの実施例タイヤ1〜3も、従来例タイヤ1〜3に比して、耐久距離が長く、また、摩耗量が少ないことから、この発明によれば、ベルト補強層のセパレーションを防止して、タイヤの耐久性能を高めることができるとともに、トレッド接地面の摩耗量を低減できることが解かった。
1 カーカス
2、3 ベルト補強層
3a 側部部分
4、5 ベルト層
6 トレッドゴム
7〜10 周溝
11 層間ゴム
11a 硬質ゴム材料
11b 残部ゴム材料

Claims (3)

  1. ビード部間にトロイド状に延びる、少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設されて、コードをトレッド周方向に向けて延在させてなる少なくとも一層のベルト補強層と、ベルト補強層の外周側に配設されて、コードをトレッド周方向に対して傾斜させて直状に延在させてなるベルト層の二層以上と、該ベルト層の外周側に配設されて、トレッド接地面を形成するトレッドゴムとを具え、
    前記ベルト補強層およびベルト層のそれぞれの各側縁を、前記トレッド接地面の、最もトレッドショルダ側に位置するそれぞれのショルダ周溝の形成位置よりトレッド幅方向外側に位置させるとともに、ベルト補強層の外周側に隣接するベルト層を、ベルト補強層および他のベルト層に比して幅の広い広幅ベルト層とし、
    前記広幅ベルト層の内周側に隣接するベルト補強層の側部部分と、該広幅ベルト層との間に、トレッド幅方向で、該ベルト補強層の側縁側に向けて厚みを漸増させた層間ゴムを配設してなる空気入りタイヤであって、
    前記層間ゴムを、100%モジュラスの異なる二種類以上のゴム材料から構成し、該層間ゴムの、ベルト補強層の側部部分との接触域のゴム材料を、層間ゴムの残部を形成するゴム材料に比して、100%モジュラスの大きい硬質ゴム材料とし、該硬質ゴム材料の厚みを、トレッド幅方向で、ベルト補強層の側縁側に向けて漸増させてなる空気入りタイヤ。
  2. 層間ゴムの前記硬質ゴム材料の100%モジュラスを、5.0MPa以上としてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 適応リムに組み付けて規定内圧を充填した姿勢で、前記広幅ベルト層の側縁位置と、該位置からトレッド幅方向内側に30mm隔てた位置との間に、ベルト補強層の側縁および、他のベルト層の側縁のそれぞれを配置してなる請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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