以下、図面を参照しつつ、コンピュータ、その制御方法及び制御プログラムについて説明する。ただし、本発明が図面又は以下に記載される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
このコンピュータは、プレイヤからの指示に基づいてゲームを進行させる。コンピュータは、プレイヤが指定した第1のゲーム媒体にプレイヤが現在所持している1以上の第2のゲーム媒体を合成して、第1のゲーム媒体のパラメータ値を例えば最大値まで強化できる機能を提供する。例えば、コンピュータは、「自動強化合成」のボタン等を表示させて、プレイヤからの自動強化合成の指示を受け付ける。プレイヤがそのボタン等を操作したことに応じて、コンピュータは、プレイヤが所持する素材の中から、指定されたゲーム媒体のパラメータ値を例えば最大値等の特定の水準以上に変化させるために必要な素材及びその個数を選択し、選択された素材を指定されたゲーム媒体に合成する。これにより、このコンピュータは、プレイヤが現在所持している複数の素材をゲーム媒体に合成させるときのプレイヤの操作入力を容易にする。
コンピュータは、上記の各処理を実行可能であればよく、サーバでも携帯端末でもよいし、あるいは据置端末であってもよい。また、ゲーム媒体とは、ゲームの進行のためにプレイヤによって用いられる電子データの総称であり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ及びアバタを含む。ゲーム媒体は、ゲームの進行に応じ、プレイヤによってゲーム内で取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄及び/又は贈与等され得るが、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものには限られない。以下では、第1のゲーム媒体がカードバトルゲームのカードであり、第2のゲーム媒体がカードに合成されるアイテム等の素材である場合の例を説明する。
図1は、ゲームシステム1の概略構成の一例を示す図である。
ゲームシステム1は、少なくとも一台の携帯端末2と、サーバ3とを備える。携帯端末2とサーバ3は、例えば、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6及びインターネット7等の通信ネットワークを介して相互に接続される。携帯端末2で実行されるプログラム(例えば、閲覧プログラム)と、サーバ3で実行されるプログラム(例えば、ゲームプログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol, HTTP)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。
なお、携帯端末2としては多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)を想定するが、本発明はこれに限定されない。携帯端末2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ、タブレット端末、タブレットPC、ノートPC等でもよい。
図2は、携帯端末2の概略構成の一例を示す図である。
携帯端末2は、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6、及びインターネット7を介してサーバ3に接続し、サーバ3と通信を行う。携帯端末2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、操作部23と、表示部24と、端末処理部25とを備える。携帯端末2は、プレイヤによる操作部23(ボタン等)の操作に応じて、ゲームの進行をサーバ3に要求する。また、携帯端末2は、サーバ3からゲームの進行に係る表示データを受信して表示する。
端末通信部21は、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を備え、携帯端末2を無線通信ネットワークに接続する。端末通信部21は、基地局4により割り当てられるチャネルを介して、基地局4との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局4との間で通信を行う。端末通信部21は、端末処理部25から供給されたデータをサーバ3等に送信し、サーバ3等から受信したデータを端末処理部25に供給する。
端末記憶部22は、例えば、半導体メモリ装置を備える。端末記憶部22は、端末処理部25での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラムや、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部22は、ドライバプログラムとして、操作部23を制御する入力デバイスドライバプログラムや、表示部24を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、アプリケーションプログラムとして、ゲームの進行に係る表示データの取得及び表示を行うプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、データとして、ゲームの進行に係る表示データや、映像データ、画像データ等を記憶する。さらに、端末記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを記憶してもよい。
操作部23は、携帯端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネルやキーボタン等である。プレイヤは、操作部23を用いて、文字や数字、記号等を入力することができる。操作部23は、プレイヤにより操作されると、その操作に対応する信号を生成する。そして、生成された信号は、プレイヤの指示として、端末処理部25に供給される。
表示部24も、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、例えば液晶タッチパネルディスプレイにより操作部23と一体化されていてもよい。表示部24は、端末処理部25から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。
端末処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、携帯端末2の全体的な動作を統括的に制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラムや操作部23の操作等に基づいて携帯端末2の各種処理が適切な手順で実行されるように、端末通信部21や表示部24等の動作を制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部25は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
端末処理部25は、少なくとも閲覧実行部251を備える。これらの各部は、端末処理部25が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして携帯端末2に実装されてもよい。
閲覧実行部251は、ゲームの進行に係る表示データの取得及び表示を行う。即ち、プレイヤからの指示に応じて、ゲームの進行に係る表示データの取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。また、閲覧実行部251は、対応する表示データを、サーバ3から端末通信部21を介して受信する。閲覧実行部251は、受信した表示データに基づいて描画データを作成する。即ち、閲覧実行部251は、受信した表示データを解析して制御データ及び内容データを特定し、特定した制御データに基づいて同じく特定した内容データをレイアウトし、描画データを作成する。そして、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力する。
図3は、サーバ3の概略構成の一例を示す図である。
サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを備える。サーバ3は、携帯端末2からの要求に応じてゲームを進行させる。また、サーバ3は、ゲームの進行に係る表示データを作成して携帯端末2に送信する。
サーバ通信部31は、サーバ3をインターネット7に接続するための通信インターフェース回路を備え、インターネット7との間で通信を行う。そして、サーバ通信部31は、携帯端末2等から受信したデータをサーバ処理部33に供給する。また、サーバ通信部31は、サーバ処理部33から供給されたデータを携帯端末2等に送信する。
サーバ記憶部32は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを備える。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラムや、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部32は、アプリケーションプログラムとして、ゲームを進行させ、その結果に係る表示データを作成するゲームプログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部32は、データとして、図4(a)〜図4(e)を用いて後述する各種テーブル、並びにプレイヤ、カード、及び敵キャラクタに係る画像データ等を記憶する。さらに、サーバ記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを記憶してもよい。
サーバ処理部33は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部33は、例えばCPUであり、サーバ3の全体的な動作を統括的に制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラム等に基づいてサーバ3の各種処理が適切な手順で実行されるように、サーバ通信部31等の動作を制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部33は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
ここで、ゲームシステム1で用いられるカードについて説明する。カードは、ゲームシステム1が提供するゲーム内で、例えば、プレイヤがクエストやミッション等のイベントをクリアすることにより入手可能である。各カードには、ゲームの進行において適宜参照される属性情報として、例えば、レベル及びその上限値や、経験値、攻撃力、防御力、体力(又はHP(ヒットポイント))、スキル(特殊効果)のレベル及び発動率、一ターンにおける攻撃回数、一対戦における防御回数等が設定される。これらの属性情報は、第1のゲーム媒体のパラメータ値の一例である。また、各カードには、他の属性情報として、複数の種類のうちの何れか1つが割り当てられるとともに、希少度として、そのカードの入手の困難さを示す複数段階(ランク)のうちの何れか1つが割り当てられる。なお、パラメータ値としては、上記した属性情報のうちの一部のみを含んでもよい。
以下では、各カードがパラメータ値としてカードレベル及びその上限値、装備レベル、スキルレベル、経験値、攻撃力並びに防御力を有し、さらに、種類として「近」、「中」、「遠」及び「全」の4種類うちの何れか1つと、希少度として☆1〜☆4の4段階のうちの何れか1つを有する場合の例を説明する。なお、希少度の☆の数が多いほど、そのカードは入手が困難であることを示す。
カードレベルは、そのカードキャラクタの強さの程度を表す数値であり、特定の素材をそのカードに合成して経験値を集めることにより上昇する。装備レベルは、カードレベルとは独立した、そのカードキャラクタの強さの程度を表す数値であり、特定の素材をそのカードに合成してカードレベルのものとは異なる経験値を集めることにより上昇する。スキルレベルは、例えば、そのカードキャラクタが発動可能な特殊効果の強さの程度を表す数値であり、特定の素材をそのカードに合成することにより上昇する。攻撃力と防御力は、カードレベル又は装備レベルが高いほど上昇する。したがって、カードレベル、装備レベル及びスキルレベルが高いほど、そのカードキャラクタはより強力になる。
次に、カードに合成される素材について説明する。各素材は複数のグループの何れかに属しており、各素材には、属性情報の一例として、カードと同様に希少度が設定されている。以下では、素材のグループとして、レベル強化素材、限界突破素材、装備強化素材及びスキル強化素材の4種類があり、各素材に希少度として☆1〜☆4の4段階のうちの何れか1つが設定されている場合の例を説明する。ただし、希少度のランクの個数は素材のグループごとに異なっていてもよいし、希少度が設定されていない素材のグループがあってもよい。
レベル強化素材は、カードレベルの経験値を上昇させるための素材である。レベル強化素材は、属性情報の一例としてポイントを有し、カードに合成されることによって、そのポイントの分だけカードレベルの経験値を上昇させる。レベル強化素材のポイントは、例えば、希少度の☆の数が多いものほど高くなる。また、各レベル強化素材には、属性情報の一例として、カードの種類に対応して「近」、「中」、「遠」及び「全」の4種類うちの何れか1つが設定されている。合成されるカードとレベル強化素材の種類が一致した場合には、レベル強化素材によるカードレベルの経験値の上昇幅に一定量のボーナスが加算(例えば10%加算等)される。
限界突破素材は、カードレベルの上限値を変化させるための素材である。限界突破に成功すると、例えば、当初100であったカードレベルの上限値が、それよりも大きい120等に上昇する。限界突破素材は、属性情報の一例として、その素材をカードに合成させたときに限界突破に成功する確率の値を有する。例えば、希少度が低い☆1ランクでは成功確率が数%だが、希少度が高くなるにつれて成功確率も高くなり、希少度が最高の☆4ランクでは成功確率が100%になるとする。したがって、合成する限界突破素材の希少度のランクが高いほど、限界突破に成功しやすくなる。なお、限界突破素材を合成に使用したときは、限界突破に成功したか否かにかかわらず、対象のカードのカードレベル及び/又は装備レベルの経験値を上昇させてもよい。
装備強化素材は、カードの装備レベルの経験値を上昇させるための素材である。装備強化素材は、属性情報の一例としてポイントを有し、カードに合成されることによって、そのポイントの分だけ装備レベルの経験値を上昇させる。装備強化素材のポイントは、例えば、希少度の☆の数が多いものほど高くなる。
スキル強化素材は、カードのスキルレベルを1段階上げるための素材である。スキル強化素材は、属性情報の一例として、その素材をカードに合成させたときにスキルレベルの上昇に成功する確率の値を有する。例えば、希少度が低い☆1ランクでは成功確率が数%だが、希少度が高くなるにつれて成功確率も高くなり、希少度が最高の☆4ランクでは成功確率が100%になるとする。したがって、合成するスキル強化素材の希少度のランクが高いほど、スキルレベルの上昇に成功しやすくなる。なお、スキル強化素材を合成に使用したときは、スキルレベルの上昇に成功したか否かにかかわらず、対象のカードのカードレベル及び/又は装備レベルの経験値を上昇させてもよい。
図4(a)〜図4(e)は、サーバ記憶部32が記憶する各種テーブルのデータ構造の一例を示す図である。サーバ記憶部32は、第1及び第2のゲーム媒体の情報の一例として、以下で説明する図4(b)〜図4(e)のテーブルを記憶する。
図4(a)は、プレイヤを管理するプレイヤテーブルを示す。プレイヤテーブルには、各プレイヤについて、当該プレイヤの識別番号(ID)、名前、画像データのファイル名、当該プレイヤが所持するカード及び素材の情報等が記憶される。所持カードの情報と所持素材の情報の詳細は、図4(d)及び図4(e)を用いて後述する。
図4(b)は、カードの種類を管理するカードテーブルを示す。カードテーブルには、各カードについて、当該カードのID、名称、画像データのファイル名、種類、希少度等が記憶される。
図4(c)は、素材の種類を管理する素材テーブルを示す。素材テーブルには、素材のグループごとに、各素材について、当該素材のID、名称、画像データのファイル名、種類、希少度、グループ名、ポイント(経験値)又は成功確率等が記憶される。
図4(d)は、プレイヤが所持するカードを管理する所持カードテーブルを示す。所持カードテーブルは、プレイヤごとに記憶される。所持カードテーブルには、対象プレイヤが所持するカードのID、当該カードのカードレベル及びその経験値、装備レベル及びその経験値、並びにスキルレベル等が記憶される。
図4(e)は、プレイヤが所持する素材を管理する所持素材テーブルを示す。所持素材テーブルは、プレイヤごとに記憶される。所持素材テーブルには、対象プレイヤが所持する素材のID、当該素材の所持個数等が記憶される。
図5(a)及び図5(b)は、携帯端末2の表示画面の一例を示す図である。
図5(a)は、ゲーム開始時等に表示部24に表示されるホーム画面500を示す。ホーム画面500は、サーバ3から受信されたホーム画面表示データに基づいて表示される。画面中央部には、「探検にいく」ボタン501、「カードを強化」ボタン502、「設定する」ボタン503等の複数のボタンが一覧表示される。「探検にいく」ボタン501の押下によりゲーム進行要求が、「カードを強化」ボタン502の押下によりカードの強化合成を行うための画面の要求(強化画面要求)が、「設定する」ボタン503の押下により自動強化合成の条件を設定するための画面の要求(設定画面要求)が、それぞれサーバ3に送信される。
図5(b)は、ホーム画面500で「設定する」ボタン503が押下されたときに表示部24に表示される設定画面510を示す。設定画面510は、サーバ3から受信された設定画面表示データに基づいて表示される。設定画面510では、プレイヤは、自動強化合成に用いられる素材の種類、使用順序、個数といった、素材の選択に関する各種条件を事前に指定することができる。プレイヤにより指定された条件を示すデータは、条件設定データとしてサーバ3に送信される。
例えば、図5(b)に符号511で示すように、プレイヤは、素材のグループごとに、自動強化合成用の素材として、自分が所持する素材を希少度が高い順に使用するか、低い順に使用するかを指定することができる。即ち、設定画面510では、プレイヤは、素材のグループごとに、自分が所持する素材の希少度に関して、自動強化合成用の素材が選択されるときの優先順位等の条件を指定可能である。あるいは、設定画面では、希少度のランクがいくつの素材のみ使用を許可するという指定や、特定の希少度のランク及び/又は特定のグループの素材の使用を許可しないという指定ができてもよい。
また、図5(b)に符号512で示すように、プレイヤは、素材のグループごとに、自動強化合成に使用可能な素材の上限数を指定することができる。図5(b)では、強化合成の成否が確率により決まる限界突破素材とスキル強化素材についてのみ使用上限数を指定できる場合の例を示している。特に、強化合成の成否が確率により決まる素材は、使用してもカードキャラクタの強化に失敗する可能性があるため、自動で使用される素材の優先順位や使用上限数をプレイヤに事前に指定させることが好ましい。これにより、使いすぎに対するセイフティーネットを提供することが可能になる。なお、強化合成の成否が確率によらないレベル強化素材と装備強化素材についても、使用上限数を指定できてもよい。
また、設定画面510においてプレイヤが戻るボタン513を押下すると、自動強化合成の条件の設定は中止され、再びホーム画面500が表示される。
図6(a)〜図6(d)は、自動強化合成の第1の実行例を説明するための図である。
第1の実行例では、プレイヤが以下の素材を所持していると仮定する。
レベル強化素材:素材a近☆2×10個、素材a近☆3×8個、素材b中☆2×5個
限界突破素材:素材u☆2×5個、素材u☆3×5個、素材v☆2×5個
装備強化素材:素材A☆3×5個、素材B☆4×8個
スキル強化素材:素材s1☆1×5個、s1☆2×10個
例えば、「素材a近☆2」とは、素材aの種類が「近」であり、希少度が「☆2」であることを意味する。プレイヤが所持している素材を図6(a)の表にまとめて示す。また、各素材による経験値の上昇幅(ポイント)及び合成の成功確率は、図6(b)の表に示す通りであると仮定する。
また、事前指定された自動強化合成の条件は、以下の通りであると仮定する。
レベル強化素材、限界突破素材及び装備強化素材は希少度の低いものから選択する。
スキル強化素材は希少度の高いものから選択する。
レベル強化素材、限界突破素材及び装備強化素材は使用上限数を制限しない。
スキル強化素材は使用上限数を5個とする。
事前指定された自動強化合成の条件を図6(c)の表にまとめて示す。
さらに、指定されたカードの種類は「近」であり、カードレベル、装備レベル及びスキルレベルはすべて1であり、カードレベルと装備レベルの経験値はともに0であると仮定する。また、カードレベルと装備レベルの上限値はともに100であり、限界突破に成功すると、カードレベルの上限値は150まで上昇すると仮定する。カードレベルと装備レベルについて、各レベルを上昇させるために必要な通算の経験値は、図6(d)の表に示す通りであると仮定する。
以上の仮定の下で、プレイヤが所持する素材を用いて、指定されたカードのパラメータを最大値に強化するために必要な素材の組合せの選択例を、以下で説明する。
限界突破に成功すればカードレベルの上限値が上昇するため、サーバ処理部33は、まず、限界突破素材を選択する。限界突破素材は希少度の低いものから上限数を制限せずに使用するように設定されているため、サーバ処理部33は、素材u☆2×5個、素材v☆2×5個、素材u☆3×5個を、この順序で限界突破に成功するまで使用するように選択する。限界突破に失敗し続けた場合には、プレイヤが所持している限界突破素材はすべて使用されるが、限界突破に成功したら、その時点で限界突破素材の使用は停止する。
次に、サーバ処理部33は、レベル強化素材を選択する。指定されたカードの種類は「近」であるから、プレイヤが所持しているレベル強化素材の中で、素材a近☆2又は素材a近☆3を使用すれば、カードと素材の種類が一致するため、カードレベルの経験値の上昇幅にボーナスが加算される。ここでは、そのボーナスを、素材のポイントの20%と仮定する。そこで、サーバ処理部33は、種類が一致する素材から優先して選択し、それだけでは素材がレベル上昇に不足する場合には、種類が一致しない素材を選択する。レベル強化素材は希少度の低いものから上限数を制限せずに使用するように設定されているため、サーバ処理部33は、素材a近☆2を5個使用することを選択する。限界突破に成功すると仮定すると、素材a近☆2×5個のポイントは2500×5個×1.2=15000であり、カードレベルを1から上限の150まで上昇させるために必要な経験値の上昇幅に一致するため、サーバ処理部33は、必要な素材は素材a近☆2×5個だけでよいと判断する。なお、希少度や種類が同一の素材が複数種類ある場合には、例えば使用個数が少なく済む素材を選択してもよい。
次に、サーバ処理部33は、装備強化素材を選択する。事前指定された条件に従って、希少度の低い素材A☆3を優先的に選択すると、素材A☆3×5個と素材B☆4×5個のポイントは500×5個+1500×5個=10000であり、装備レベルを1から上限の100まで上昇させるために必要な経験値の上昇幅に一致する。このため、サーバ処理部33は、必要な素材は素材A☆3×5個と素材B☆4×5個であると判断する。この場合、プレイヤが所持している素材B☆4は3個余る。
最後に、サーバ処理部33は、スキル強化素材を選択する。スキル強化素材は希少度の高いものから上限数5個の範囲内で使用するように設定されているため、サーバ処理部33は、素材s1☆2×5個のみを選択する。
このように、サーバ処理部33は、レベル強化素材はカードと種類が一致する素材を優先して、事前指定された条件に従って各グループの素材を選択する。以上をまとめると、第1の実行例では、次の素材が選択される。
レベル強化素材:素材a☆2×5個
限界突破素材:素材u☆2×5個、素材v☆2×5個、素材u☆3×5個
装備強化素材:素材A☆3×5個、素材B☆4×5個
スキル強化素材:素材s1☆2×5個
4つのグループの選択及び使用の順序は上記のものに限らず、どのような順序でもよい。ただし、限界突破に成功すればレベル上限が上がるため、限界突破素材はレベル強化素材より先に使うことが好ましい。
図7(a)〜図7(c)は、第1の実行例における携帯端末2の表示画面の一例を示す図である。
図7(a)は、ホーム画面500で「カードを強化」ボタン502が押下されたときに表示部24に表示される強化画面700を示す。強化画面700は、サーバ3から受信された強化画面表示データに基づいて表示される。強化画面700では、プレイヤは、自分が所持するカードの中から1枚を指定し、そのカードに対する自動強化合成の実行を指示することができる。
画面左上の符号701で示す部分には、指定されたカードの名称、攻撃力、防御力、種類、スキルレベル等の各種パラメータが表示され、右上にはカード画像702が表示される。また、画面中央には、指定されたカードのカードレベル情報703及び装備レベル情報704として、カードレベルと装備レベルの現在値及び上限値、並びに次のレベルに達するまでに必要な経験値を示すゲージがそれぞれ表示される。図示した例では、カードレベルの現在値は1、上限値は100であり、現在のカードレベルの経験値は0である。また、装備レベルの現在値は1、上限値は100であり、現在の装備レベルの経験値は0である。
また、画面下部には、自動強化ボタン705、手動強化ボタン706及び戻るボタン707が表示される。プレイヤが自動強化ボタン705を押下すると、自動強化合成を実行するために素材を選択する指示(素材選択要求)が、サーバ3に送信される。これにより、サーバ処理部33は、事前指定された条件に従って、プレイヤが現在所持している各素材の種類、希少度、ポイント(経験値)又は成功確率等のパラメータに基づいて、指定されたカードのカードレベル、装備レベル及びスキルレベル等のパラメータ値を例えば最大値まで強化するために必要な素材及びその個数を選択する。プレイヤが手動強化ボタン706を押下すると、従来のゲームと同様に、指定されたカードに合成される素材を逐一プレイヤが選択して強化合成を行うための画面が表示される。また、プレイヤが戻るボタン707を押下すると、強化合成の実行は中止され、再びホーム画面500が表示される。
図7(b)は、強化画面700で自動強化ボタン705が押下され、自動強化合成用の素材が選択されたときに表示部24に表示される確認画面710を示す。図7(b)に示す確認画面710は、指定されたカードのパラメータ値を最大値まで強化するために必要な素材をすべて選択できた場合に表示部24に表示される確認画面であり、サーバ3から受信された確認画面表示データに基づいて表示される。確認画面710では、プレイヤは、自動強化合成により消費される素材とその個数を確認し、自動強化合成を実行するか否かを指示することができる。
確認画面710の中央の符号711で示す部分には、素材のグループごとに、選択された素材の画像とその個数が表示される。また、確認画面710の下部には、実行ボタン712及び戻るボタン713が表示される。プレイヤが実行ボタン712を押下すると、強化実行要求がサーバ3に送信される。これにより、サーバ処理部33は、指定されたカードに選択された各素材を選択された個数だけ合成して、カードの各パラメータ値を強化する。第1の実行例では、プレイヤには各パラメータ値が最大値まで強化されたカードが付与され、その後再びホーム画面500が表示される。また、プレイヤが戻るボタン713を押下すると、自動強化合成の実行は中止され、再びホーム画面500が表示される。
図7(c)は、確認画面710で実行ボタン712が押下され、自動強化合成が実行された後に表示される結果表示画面720を示す。この画面では、自動強化合成に使用された素材の情報721と、自動強化合成によりカードキャラクタの各パラメータ値が強化されたことを示す文字情報722が表示される。図7(a)に示した自動強化合成の実行前と比べると、カードレベルの現在値と上限値がともに150に上昇し、装備レベルが100に上昇し、スキルレベルが5に上昇したことが示されている。
なお、図7(b)の確認画面710は、必ずしも表示されなくてもよい。例えば、図7(a)の強化画面700において自動強化ボタン705が押下されたら、プレイヤに更なる操作を要求することなく、サーバ処理部33は、素材の選択と選択された素材の合成を続けて行い、図7(c)の結果表示画面720を表示させてもよい。
図8(a)〜図8(d)は、自動強化合成の第2の実行例を説明するための図である。
第2の実行例では、プレイヤが以下の素材のみを所持していると仮定する。
レベル強化素材:素材a近☆2×2個、素材b中☆2×1個
装備強化素材:素材A☆3×5個、素材B☆4×4個
プレイヤが所持している素材を図8(a)の表にまとめて示す。これ以外の各条件は、第1の実行例と同一であり、図8(b)〜図8(d)の表に示す通りであると仮定する。以上の仮定の下で、プレイヤが所持する素材を用いて、指定されたカードのパラメータを最大値に強化するために必要な素材の組合せの選択例を、以下で説明する。
まず、第2の実行例ではプレイヤは限界突破素材及びスキル強化素材を所持していないため、限界突破素材とスキル強化素材は選択されない。
また、レベル強化素材については、サーバ処理部33は、カードレベルを上限の100まで上昇させるために必要な素材を選択する。指定されたカードの種類が「近」であり、レベル強化素材については希少度の低いものから上限数を制限せずに使用するように設定されているため、サーバ処理部33は、プレイヤが所持している素材a近☆2×2個と素材b中☆2×1個をすべて使用することを選択する。これらのポイントの合計は2500×2個×1.2+2000×1個=8000であり、カードレベルを1から上限の100まで上昇させるために必要な経験値10000と比べると、2000だけ足りない。したがって、サーバ処理部33は、例えば、ポイントが2000の素材b中☆2が1個不足していると判断する。
また、装備強化素材については、希少度の低いものから上限数を制限せずに使用するように設定されているため、サーバ処理部33は、プレイヤが所持している素材A☆3×5個と素材B☆4×4個をすべて使用することを選択する。これらのポイントの合計は500×5個+1500×4個=8500であり、装備レベルを1から上限の100まで上昇させるために必要な経験値10000と比べると、1500だけ足りない。したがって、サーバ処理部33は、例えば、ポイントが1500の素材B☆4が1個不足していると判断する。
以上をまとめると、第2の実行例では、プレイヤが所持している上記のすべての素材が選択される。
図9は、第2の実行例における携帯端末2の表示画面の一例を示す図である。図9に示す確認画面900は、指定されたカードのパラメータ値を最大値まで強化するために必要な素材が不足している場合に表示部24に表示される確認画面であり、サーバ3から受信された確認画面示データに基づいて表示される。確認画面900では、プレイヤは、自動強化合成により消費される素材とその個数、及び不足している素材を確認し、自動強化合成を実行するか否かを指示することができる。
確認画面900の上部の符号901で示す部分には、素材のグループごとに、選択された素材の画像とその個数が表示される。また、確認画面900の中央には、不足している素材の情報902が表示される。この例では、レベル強化素材と装備強化素材が不足しているため、カードレベルと装備レベルは最大にならない旨を示す文字情報が表示される。なお、各グループの素材について、不足している素材の名称及び/又はその不足数も併せて表示してもよい。
また、不足情報902の下側には、実行ボタン903と戻るボタン904が表示される。プレイヤが実行ボタン903を押下すると、強化実行要求がサーバ3に送信される。これにより、サーバ処理部33は、指定されたカードに選択された各素材を選択された個数だけ合成して、カードの各パラメータ値を強化する。第2の実行例では、プレイヤには、例えばカードレベルと装備レベルが80まで、いわば不完全な状態に強化されたカードが付与され、その後再びホーム画面500が表示される。また、プレイヤが戻るボタン904を押下すると、自動強化合成の実行は中止され、再びホーム画面500が表示される。
さらに、確認画面900の下部には、不足している素材の入手情報も表示される。確認画面900では、一例として、不足している装備強化素材は「□□イベント」で入手可能である旨を示す文字情報905と、そのイベントをプレイするための遷移ボタン906が表示される。プレイヤが遷移ボタン906を押下すると、そのイベントの画面が表示され、プレイヤはイベントをプレイすることができる。このように、確認画面900では、不足している素材の入手手段がプレイヤに提案される。
なお、必要な素材が不足している場合にも、プレイヤに実行ボタン903の操作を要求することなく、サーバ処理部33は、プレイヤが所持している範囲内で選択された素材の合成を自動的に行ってもよい。この場合、自動強化合成の実行後に表示される確認画面では、図9の確認画面900と同様に、自動強化合成に使用された素材の情報や、不足している素材の名称、不足数及び入手情報、不足している素材を入手できる画面への遷移ボタン等を表示してもよい。
以上の機能を実現するために、サーバ処理部33は、制御部331と、ゲーム進行部332と、条件設定部333と、素材選択部334と、情報提示部335と、合成実行部336とを備える。これらの各部は、サーバ処理部33が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。
制御部331は、ゲームの開始及び進行を制御し、ゲーム進行部332、条件設定部333、素材選択部334、情報提示部335及び合成実行部336に処理の実行を適宜指示する。制御部331は、サーバ通信部31を介して、携帯端末2との間で必要なデータをやり取りする。
携帯端末2からホーム画面要求を受信すると、制御部331は、その設定画面要求に含まれるプレイヤのIDを特定する。そして、制御部331は、ゲーム進行等の指示を受け付けるボタン等を所定のレイアウトで対象プレイヤの携帯端末2に表示させるためのホーム画面表示データを作成し、そのデータを携帯端末2に送信する。
携帯端末2からゲーム進行要求を受信すると、制御部331は、受信したゲーム進行要求をパラメータとして、ゲーム進行部332に処理の実行を指示する。制御部331は、ゲーム進行部332により返戻されたゲーム進行画面表示データを携帯端末2に送信する。
携帯端末2から設定画面要求を受信すると、制御部331は、受信した設定画面要求等をパラメータとして、条件設定部333に処理の実行を指示する。制御部331は、条件設定部333により返戻された設定画面表示データを携帯端末2に送信し、携帯端末2から受信した条件設定データを条件設定部333に通知する。
携帯端末2から強化画面要求を受信すると、制御部331は、その強化画面要求に含まれるプレイヤのIDを特定する。そして、制御部331は、自動強化合成用の素材選択等の指示を受け付けるボタン等を所定のレイアウトで表示させるための強化画面表示データを作成し、そのデータを携帯端末2に送信する。また、携帯端末2から素材選択要求を受信すると、制御部331は、受信した素材選択要求をパラメータとして、素材選択部334と情報提示部335に処理の実行を順次指示する。制御部331は、情報提示部335により返戻された確認画面表示データを携帯端末2に送信する。さらに、携帯端末2から強化実行要求を受信すると、制御部331は、受信した強化実行要求等をパラメータとして、合成実行部336に処理の実行を指示する。
なお、制御部331は、携帯端末2から素材選択要求を受信したことに応じて、素材選択部334、合成実行部336及び情報提示部335の順序で処理の実行を指示してもよい。この場合、携帯端末2から強化実行要求を受信することなく、合成実行部336により自動強化合成が実行される。制御部331は、その後で、情報提示部335により返戻された確認画面表示データを携帯端末2に送信してもよい。
ゲーム進行部332は、ゲーム内のイベントの進行やプレイヤと敵キャラクタとの対戦を制御して、ゲームを進行させる。例えば、携帯端末2に表示されるホーム画面500において「探検にいく」ボタン501が押下されるか、確認画面900において遷移ボタン906が押下されると、ゲーム進行部332には、制御部331からゲーム進行要求が与えられる。すると、ゲーム進行部332は、例えばイベントや敵キャラクタとの対戦の進行に応じた画面を対象プレイヤの携帯端末2に表示させるためのゲーム進行画面表示データを作成し、そのデータを制御部331に返戻する。
条件設定部333は、制御部331から設定画面要求が与えられると、その設定画面要求に含まれるプレイヤのIDを特定する。そして、条件設定部333は、自動強化合成の条件の事前指定を受け付けるボタン等を所定のレイアウトで対象プレイヤの携帯端末2に表示させるための設定画面表示データを作成し、そのデータを制御部331に返戻する。
条件設定部333は、素材の各グループについて、素材選択部334が自動強化合成に必要な素材を選択する際の条件の指定を条件設定データとして携帯端末2から受け付け、そのデータをサーバ記憶部32に記憶する。例えば、条件設定部333は、素材の各グループについて、素材選択部334が素材を選択する際の希少度に関する優先順位の指定を受け付ける。また、条件設定部333は、一のグループの中から選択される素材の個数の上限値の指定を受け付ける。この一のグループは、例えば、素材をカードに合成したときにカードのパラメータ値を変化させることに成功する確率をパラメータ値として有する、限界突破素材とスキル強化素材のグループであることが好ましい。
あるいは、条件設定部333は、素材のグループごとに、その素材を自動強化合成に使用するか否かをプレイヤが指定できる設定画面を携帯端末2に提示して、グループごとの素材の使用可否の指定を受け付けてもよい。また、条件設定部333は、自動強化合成での使用を禁止する素材をプレイヤが指定(例外設定)できる設定画面を携帯端末2に提示して、選択が禁止される素材の指定を受け付けてもよい。また、条件設定部333は、自動強化により到達するパラメータの上限値をプレイヤが指定できる設定画面を携帯端末2に提示して、例えばカードレベルや装備レベルをいくつまで強化するといった強化の目標水準の指定(特定の水準の指定)を受け付けてもよい。あるいは、条件設定部333は、自動強化合成に使用される素材のグループの優先度をプレイヤが指定できる設定画面を携帯端末2に提示して、その優先度の指定を受け付けてもよい。
素材選択部334は、制御部331から素材選択要求が与えられると、素材の各グループについて、サーバ記憶部32に記憶されている自動強化合成の条件に従って、指定されたカードの自動強化合成に必要な素材を選択する。その際、素材選択部334は、対象プレイヤの所持素材テーブルと素材テーブルを参照することにより、プレイヤが所持する素材が有する種類、希少度、ポイント(経験値)又は合成の成功確率等の属性情報、及び各素材の個数を取得する。また、素材選択部334は、対象プレイヤの所持カードテーブルとカードテーブルを参照することにより、指定されたカードの種類、カードレベル及びその経験値、装備レベル及びその経験値、並びにスキルレベル等のパラメータ値を取得する。そして、素材選択部334は、得られた各素材の属性情報に基づいて、プレイヤが所持する素材の中から、指定されたカードのカードレベル及びその上限値、装備レベル並びにスキルレベル等のパラメータ値を特定の水準以上に変化させるために必要な素材及び素材の個数を選択する。素材選択部334による素材の選択は、第1の実行例及び第2の実行例を用いて上述したように行われる。
なお、例えば、限界突破素材又はスキル強化素材として、例えば希少度が☆1のものなど、合成の成功確率が低い素材しか使用できない場合には、素材選択部334は、限界突破素材及び/又はスキル強化素材は使用しないと判断してもよい。
また、上記の特定の水準を最大値以外に設定する(カードの各パラメータを必ずしも最大値まで強化させない)場合には、素材選択部334は、プレイヤが所持している素材に応じて、一部のグループの素材のみを選択してもよい。例えば、「カードレベルを100にする」ことを特定の水準とする場合には、素材選択部334は、プレイヤが所持しているレベル強化素材でカードレベルを100まで強化できるならば、装備強化素材は使用しないと判断してもよい。あるいは、素材選択部334は、プレイヤが所持しているレベル強化素材ではカードレベルを例えば特定の水準に達しない80までしか強化できないならば、装備強化素材も使用すると判断してもよい。このように、素材選択部334は、設定されている特定の水準と実際に強化可能な各パラメータの水準との関係に応じて、自動強化合成用に選択する素材のグループを変更してもよい。あるいは、使用される素材のグループの優先度が設定されている場合には、素材選択部334は、その優先度に従って各グループの素材を選択してもよい。
また、素材の合成方法によって、例えば攻撃力が最強のパターンや、防御力が最強のパターン、スキルレベルが最強のパターン等のように、1つのカードキャラクタを複数の最強パターンの何れかに強化できる場合には、素材選択部334は、各パターンについて、指定されたカードの自動強化合成に必要な素材を選択してもよい。即ち、素材選択部334は、プレイヤが所持する素材の中から、指定されたカードが有する攻撃力、防御力等の複数のパラメータ値のそれぞれについて、そのパラメータ値を特定の水準以上に変化させるために必要な素材及び素材の個数を選択してもよい。この場合、確認画面や条件設定画面において、どのパターンの強化合成を実行するかを、プレイヤに選択させてもよい。
あるいは、条件設定部333を設けず、自動強化合成の条件の事前指定をプレイヤに要求しないで、素材選択部334は、予め定められた基準により自動強化合成に必要な素材を選択してもよい。
情報提示部335は、素材選択部334が自動強化合成に必要な素材を選択したときに、選択された素材及びその素材の個数をプレイヤに通知するための情報を生成する。その際、例えば、情報提示部335は、素材テーブルを参照することにより、選択された素材の画像をサーバ記憶部32から取得する。そして、情報提示部335は、選択された素材の画像や自動強化合成の実行指示を受け付けるボタン等を所定のレイアウトで対象プレイヤの携帯端末2に表示させるための確認画面表示データを作成し、そのデータを制御部331に返戻する。
また、情報提示部335は、プレイヤが所持している素材だけでは指定されたカードのパラメータ値を特定の水準以上に強化できない場合には、不足している素材及びその素材の不足数をプレイヤに教示するための情報を生成する。さらに、情報提示部335は、不足している素材の入手方法をプレイヤに教示するための情報を生成する。即ち、情報提示部335は、例えば、不足している素材の画像及び/又は不足数を強調表示し、不足している素材の入手方法を示した文字情報等を表示するための確認画面表示データを作成する。この場合の文字情報は、例えば、どのクエストやイベントをクリアすればどの素材が何個入手できるかといったものでもよいし、不足している素材はゲーム内のどのショップで購入可能であるといったものでもよい。
あるいは、情報提示部335は、不足している素材の入手方法の詳細を示したヘルプ画面に遷移するためのボタンを表示した確認画面表示データを作成してもよい。また、情報提示部335は、不足している素材を入手可能なイベントやクエスト、ショップ等へのリンクボタンを表示した確認画面表示データを作成し、プレイヤがそのボタンを押下したらリンク先へ画面遷移できるようにしてもよい。
また、イベントやショップだけでなく、例えば複数のプレイヤ間で素材を交換できるようにしてもよい。この場合、情報提示部335は、プレイヤテーブル及び各プレイヤの所持カードテーブルの情報に基づいて、不足している素材をどのプレイヤから入手可能であるかを確認画面でプレイヤに通知してもよい。
なお、イベント等に画面遷移した後で、そのイベントをクリアするなどして、不足している素材をプレイヤが取得したときには、情報提示部335は、対象プレイヤの携帯端末2に再度確認画面を表示させて、プレイヤが自動強化合成の実行を指示できるようにしてもよい。
合成実行部336は、制御部331から強化実行要求が与えられると、その指示に応じて、素材選択部334により選択された素材を指定されたカードに合成する。あるいは、合成実行部336は、強化実行要求が与えられなくても、合成実行部336により素材が選択されたら、その素材を指定されたカードに合成してもよい。即ち、合成実行部336は、必要な素材とその個数が選択されたら、プレイヤからの指示に応じてその素材をカードに合成してもよいし、プレイヤからの指示によらずに自動的にその素材をカードに合成してもよい。また、合成実行部336は、対象プレイヤの所持素材テーブルにおいて、自動強化合成で消費された素材の所持個数の数値を更新するとともに、対象プレイヤの所持カードテーブルにおいて、自動強化合成されたカードのパラメータ値を更新する。
図10は、ゲームシステム1の動作シーケンスの一例を示す図である。以下に説明する動作シーケンスは、予め端末記憶部22及びサーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部25及びサーバ処理部33により、携帯端末2及びサーバ3の各要素と協働して実行される。
まず、プレイヤが操作部23を介して端末処理部25にゲームプログラムの実行を指示すると、端末処理部25は、当該プログラムに基づいて処理を開始する。当該プログラムにより実現される閲覧実行部251は、端末通信部21を介して、プレイヤのID等を含むホーム画面要求をサーバ3に送信する(ステップS100)。携帯端末2からホーム画面要求を受信すると、制御部331は、そのホーム画面要求に含まれるプレイヤのIDを特定し、ホーム画面表示データを作成する(ステップS101)。制御部331は、作成したホーム画面表示データを対象プレイヤの携帯端末2に送信する(ステップS102)。サーバ3から端末通信部21を介してホーム画面表示データを受信すると、閲覧実行部251は、受信データに基づき描画データを作成して、表示部24にホーム画面500を表示させる(ステップS103)。
ホーム画面500において、プレイヤにより操作部23を介して自動強化合成の条件の事前指定が指示されると、閲覧実行部251は、プレイヤのIDを含む設定画面要求をサーバ3に送信する(ステップS110)。携帯端末2から設定画面要求を受信すると、条件設定部333は、その設定画面要求に含まれるプレイヤのIDを特定し、設定画面表示データを作成する(ステップS111)。条件設定部333は、作成した設定画面表示データを制御部331に返戻し、制御部331は、そのデータを対象プレイヤの携帯端末2に送信する(ステップS112)。サーバ3から端末通信部21を介して設定画面表示データを受信すると、閲覧実行部251は、受信データに基づき描画データを作成して、表示部24に設定画面510を表示させる(ステップS113)。
設定画面510において、プレイヤにより操作部23を介して自動強化合成の条件が入力されると、閲覧実行部251は、そのデータを、プレイヤのIDを含む条件設定データとして、サーバ3に送信する(ステップS114)。携帯端末2から条件設定データを受信すると、条件設定部333は、そのデータをサーバ記憶部32に記憶する(ステップS115)。
また、ホーム画面500において、プレイヤにより操作部23を介してカードの強化合成が指示されると、閲覧実行部251は、プレイヤのIDを含む強化画面要求をサーバ3に送信する(ステップS120)。携帯端末2から強化画面要求を受信すると、制御部331は、その強化画面要求に含まれるプレイヤのIDを特定し、強化画面表示データを作成する(ステップS121)。制御部331は、作成した強化画面表示データを対象プレイヤの携帯端末2に送信する(ステップS122)。サーバ3から端末通信部21を介して強化画面表示データを受信すると、閲覧実行部251は、受信データに基づき描画データを作成して、表示部24に強化画面700を表示させる(ステップS123)。
強化画面700において、プレイヤにより操作部23を介して自動強化合成用の素材の選択が指示されると、閲覧実行部251は、プレイヤのIDを含む素材選択要求をサーバ3に送信する(ステップS130)。携帯端末2から素材選択要求を受信すると、素材選択部334は、自動強化合成に必要な素材を選択する(ステップS131)。続いて、情報提示部335は、確認画面表示データを作成する(ステップS132)。情報提示部335は、作成した確認画面表示データを制御部331に返戻し、制御部331は、そのデータを対象プレイヤの携帯端末2に送信する(ステップS133)。サーバ3から端末通信部21を介して確認画面表示データを受信すると、閲覧実行部251は、受信データに基づき描画データを作成して、表示部24に確認画面710又は確認画面900を表示させる(ステップS134)。
確認画面710又は確認画面900において、プレイヤにより操作部23を介して自動強化合成の実行が指示されると、閲覧実行部251は、プレイヤのIDを含む強化実行要求をサーバ3に送信する(ステップS135)。携帯端末2から強化実行要求を受信すると、合成実行部336は、ステップS131で選択された素材を用いて自動強化合成を実行する(ステップS136)。以上で、ゲームシステム1の処理は終了する。
なお、上記した通り、ステップS135で携帯端末2からサーバ3に強化実行要求が送信されることなく、ステップS131の素材選択に続いて、合成実行部336が自動的にステップS136の自動強化合成を実行してもよい。この場合、ステップS132〜S134の処理は、ステップS136の自動強化合成の実行後に行われる。
図11は、サーバ3による自動強化合成の動作フローの一例を示す図である。
まず、制御部331は、携帯端末2に強化画面表示データを送信し、携帯端末2に強化画面700を表示させる(ステップS200)。これに応じて、制御部331が手動強化又は中止の指示を受信した場合(ステップS201でNo)には、処理は終了する。一方、制御部331が携帯端末2から自動強化合成の指示(素材選択要求)を受信した場合(ステップS201でYes)には、処理は後続するステップS202に進む。
続いて、素材選択部334は、サーバ記憶部32に記憶されている各種テーブル等を参照することにより、対象プレイヤが所持する各素材の属性情報及び個数、指定されたカードの属性情報、並びに事前設定された自動強化合成の条件を取得する(ステップS202)。そして、素材選択部334は、得られた各素材の属性情報に基づいて、自動強化合成に必要な素材及びその個数を選択する(ステップS203)。
ステップS203で必要な素材をすべて選択できた場合(ステップS204でYes)には、制御部331は、携帯端末2に確認画面表示データを送信し、必要な素材を選択できたことを示す確認画面710を携帯端末2に表示させる(ステップS205)。続いて、制御部331が自動強化合成の実行指示(強化実行要求)を受信した場合(ステップS206でYes)には、合成実行部336が自動強化合成を実行して(ステップS207)、処理は終了する。一方、制御部331が自動強化合成の中止の指示を受信した場合(ステップS206でNo)には、そのまま処理は終了する。
また、ステップS203で必要な素材を選択できなかった場合(ステップS204でNo)には、制御部331は、携帯端末2に確認画面表示データを送信し、必要な素材が不足している旨とその素材を入手可能なイベントへのリンクボタンを示した確認画面900を携帯端末2に表示させる(ステップS208)。続いて、制御部331が自動強化合成の実行指示(強化実行要求)を受信した場合(ステップS209でYes)には、合成実行部336が自動強化合成を実行して(ステップS210)、処理は終了する。一方、制御部331が自動強化合成の実行指示ではなく(ステップS209でNo)、不足している素材を入手可能なイベントへの遷移の指示を受信した場合(ステップS211でYes)には、ゲーム進行部332がそのイベントを実行して(ステップS212)、処理は終了する。また、制御部331が自動強化合成の中止の指示を受信した場合(ステップS211でNo)には、そのまま処理は終了する。
なお、上記の通り、ステップS206,S209で制御部331が強化実行要求を受信することなく、ステップS204に続いて合成実行部336がステップS207,S210の自動強化合成を実行してもよい。この場合には、例えば自動強化合成の実行後に、ステップS205,S208の確認画面表示データの送信が行われる。
以上説明してきたように、ゲームシステム1では、プレイヤが指定したカードにプレイヤが現在所持している複数の素材を合成して、そのゲーム媒体のパラメータ値を例えば最大値まで強化できる自動強化合成の機能を提供することにより、プレイヤが強化合成を行うときの操作入力の負担が軽減され、強化合成におけるユーザビリティが向上する。これにより、プレイヤにとっては、例えば、カードの各パラメータ値が最大値に達するまで繰り返し強化合成を行う手間が省かれるとともに、使用可能な素材が複数種類ある場合に、適切な素材の使用方法を考える手間も省かれる。
なお、上記で説明した素材はデジタルコンテンツであればどのようなものでもよく、例えば素材がカードでありカード同士の合成が行われる場合でも、上記の自動強化合成の機能は適用可能である。
また、例えば各素材にコストの値が設定され、合成される素材のコストの総計がコスト上限値以下である場合のみ強化合成が許可されるような場合にも、上記の自動強化合成の機能は適用可能である。この場合、素材選択部334は、素材の種類や、希少度、使用上限数等の条件に加えて、選択する素材のコストの総計がコスト上限値以下になるという条件の下で、自動強化合成に必要な素材を選択すればよい。
また、上述したサーバ処理部33の各機能は、携帯端末2の端末処理部25で実行してもよい。この場合、カードテーブル、素材テーブル、並びに携帯端末2のプレイヤ自身の所持カードテーブル及び所持素材テーブルを端末記憶部22に記憶しておけば、処理の都度サーバ3と通信を行う必要はなく、携帯端末2だけで上記の自動強化合成の機能を実現することも可能である。
また、ネットワークを介してプレイヤ端末と接続されたサーバ装置として本発明のコンピュータが機能する場合には、そのコンピュータが提供するゲームは、サーバ装置とプレイヤ端末のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。この場合には、例えば、ゲームの進行画面を、サーバ装置が生成したデータに基づいてプレイヤ端末に表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面等を、プレイヤ端末にインストールされているネイティブアプリによって表示されるネイティブ表示としてもよい。
なお、端末処理部25及びサーバ処理部33が備える各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、半導体記録媒体、磁気記録媒体、光記録媒体等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供され、その記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて端末記憶部22及びサーバ記憶部32にインストールされてもよい。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。