JP5693485B2 - 三相コンバータ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、回転機を駆動する電力変換手段に接続され、商用電源等の三相交流電源を直流電圧へ可逆変換する三相コンバータ装置に関するものである。
三相コンバータ装置は、回転機を駆動するインバータ等の電力変換手段を主とする負荷と商用電源等の三相交流電源との間に配置され、三相交流電源を直流電圧へ変換したり、回転機の減速時等に発生するエネルギを三相交流電源へ回生したりする装置である。
この三相コンバータ装置は、相毎にダイオードからなる整流素子とこの整流素子に対して逆並列に接続されたIGBTやトランジスタなどのスイッチング素子との組を2つ直列接続した3つのアームを有する電力変換部と、これらの計6個のスイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御手段とを備える。
通常、三相コンバータ装置と上記負荷との間には、平滑コンデンサが接続されており、回転機の力行時には整流素子群によって整流された直流電圧で充電される。制御回路は、平滑コンデンサの端子電圧が回転機の減速時等に上昇して三相交流電源の電圧よりも高くなると、計6個のスイッチング素子を三相交流電源の電圧位相に同期させてオン/オフ駆動することにより、平滑コンデンサに蓄積された電力を三相交流電源に回生させる。
その際、力率向上のために、三相交流電源の線間電圧のゼロクロス点検出によって生成される位相検出信号と三相交流電源の検出電圧とに基づいて、上アームと下アームの各スイッチング素子について、三相交流電源の電圧位相の変化に同期させて時分割でスイッチング動作を行う。
しかし、このような三相コンバータ装置では、三相交流電源の線間電圧のゼロクロス点とスイッチング素子のオン/オフ動作タイミングとが一致するため、スイッチング素子のオン/オフ動作に起因して発生するスパイク状の歪み電圧の影響を受けて電源位相の検出を誤る場合が生じ、スイッチング素子を誤ってオン動作させるなどスイッチング動作が不安定になることがある。
このような不具合を防止するために、従来技術では、例えば、三相交流電源の電圧位相を相電圧のゼロクロスに基づいて検出し、この相電圧の位相検出信号に基づいてスイッチング素子をオン/オフ駆動して、三相交流電源の電圧位相をスイッチング素子のオン/オフ駆動するタイミングからずれた所で検出するようにした三相コンバータ装置が提案されている(例えば下記の特許文献1参照)。
また、他の従来技術では、線間電圧の絶対値が予め設定されている電圧値以下になった時に転流信号を出力するゼロクロス判定器を備え、転流信号が入力された後に予め設定された期間回生停止指令を出力することで、線間電圧のゼロクロス近傍において全てのスイッチング素子をオフし、線間電圧のゼロクロスのタイミングとスイッチング素子のオン/オフ動作のタイミングとをずらすようにした三相コンバータ装置が提案されている(例えば下記の特許文献2参照)。
さらに、他の従来技術では、電力変換部の通電すべき相を、三相交流電源の各相の検出電圧に基づいて通電相指令を出力するのと並行して、通電すべき相が変わることを示す転流信号と、前記電力変換部の直流側から交流電源側へ流れる電流において無通電状態であることを示す無通電信号とを電力変換部へ出力し、転流信号が出力されてから無通電信号が出力されるまで回生停止指令をオンし、回生停止指令がオフの時のみ、前記通電相指令に基づいて電力変換部が電力回生動作を行うようにして、前記特許文献2と同様の効果に加えて、スイッチング素子の保護が確実に行えるようにした三相コンバータ装置が提案されている(例えば下記の特許文献3参照)。
また、上記と異なる課題として、三相コンバータ装置においては、回生エネルギを三相交流電源へ回生する際、電力変換部の直流側から三相交流電源側へ流れる電流に歪みが生じると、三相コンバータ装置に接続されている回転機を駆動するインバータ等の負荷に対して制御性能が低下するなどの影響を及ぼすことから、歪みの少ない回生電流を三相交流電源側へ回生できるように電力変換部を制御する必要がある。
このような課題を解決するために、従来技術では、例えば電力変換部の負荷側の直流電圧検出値と三相交流電源側の各相の交流電圧検出値の大小関係に応じて電流の一番多く流れるスイッチング素子を常時オンし、この常時オンするスイッチング素子以外の相を前記大小関係からオン/オフデューティを時間の経過に応じて連続的に変化するようにPWM(パルス幅変調)制御し、スイッチング素子へ流れる電流量を連続的に増加または減少させ、これによって、歪みの少ない回生電流となるように制御する三相コンバータ装置が提案されている(例えば下記の特許文献4参照)。
特許第4094412号公報 特開2000−253686号公報 特許第3263518号公報 特開平8−186986号公報
ところで、三相コンバータ装置においては、スイッチング動作の安定性を確保することに加えて、負荷側から三相交流電源側へ電力回生する際には、回生可能な電力量の大きさに応じて回生電力量を調整することが望ましい。
しかし、従来、三相コンバータ装置では、回生動作時において負荷から回生される回生電力の大きさとは無関係に、常に三相交流電源の1周期当たり120°の区間にわたって各スイッチング素子がオン状態となるので、回生電力量の調節ができていないのが実情である。このため、回生電力が大きい場合は安定に回生されるが、回生電力が小さい場合には、回生モードに切り換わった直後に急激に三相コンバータ装置と負荷との間の直流電圧が下降する、いわゆる過回生状態となる。
このように、直流電圧が急激に低下する過回生状態になると、回生動作が停止されて力行モードに戻り、直流電圧が再度上昇して回生動作レベルに達すると、再度回生動作が開始されるといったように、回生モードと力行モードの状態が頻繁に繰り返されて不安定となり、直流電圧が変動する。そして、このような直流電圧の変動が生じると、回生電流の歪み、あるいは負荷側が回転機を駆動するインバータ等の電力変換手段である場合には、速度・トルク変動等の回転機制御性能の低下の原因となり、制御安定性に欠けたものとなる。
前述の特許文献1〜3においては、三相交流電源の線間電圧のゼロクロス点とスイッチング素子のオン/オフ動作タイミングとをずらしてスイッチング素子の誤動作を抑制することに主眼が置かれており、回生可能な電力量の大きさに応じて回生電力量を調整することまでは考慮されていない。このため、回生可能な電力量が小さい場合に上記の過回生状態となる恐れがある。特に、特許文献3においては、回生電流が小さい場合に回生停止指令がオンとなる時間が、回生電流が大きい場合と比較して短くなるため、一層、過回生状態になり易くなる。
また、負荷側から三相交流電源へ回生可能な電力量の大きさに応じて回生電力量を調整して回生時の制御安定性を確保するためには、特許文献4記載のように、PWM(パルス幅変調)制御することによって、スイッチング素子へ流れる電流量を連続的に増加または減少させる方式を適用することが可能である。
しかし、PWM(パルス幅変調)制御を行うと、オン/オフ動作の回数に応じてスイッチング素子で発生するスイッチング損失が増加し、三相コンバータ装置における変換効率の低下や発熱が生じる。さらに、スイッチング周波数成分に係わる高調波(回生)電流が発生し、この高調波電流を抑制するために、三相交流電源と三相コンバータ装置との間に容量の大きい交流リアクトルを挿入したり、あるいは三相コンバータ装置と直流側負荷との間に直流リアクトルを挿入することが必要となり、装置全体の小型化を妨げる要因となる。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、回生電力が大きい場合の回生能力を十分に確保した上で、回生電力が小さい場合の三相交流電源への回生電力量を抑制して過回生状態になるのを防ぐとともに、回生時の制御安定性を従来より少ないスイッチング回数で実現することができて、電力変換部のスイッチング損失を低減することが可能な三相コンバータ装置を提供することを目的としている。
この発明は、三相交流電源からの交流電力を直流電力に可逆変換する電力変換部と、上記三相交流電源の電圧位相を検出する位相検出手段と、上記三相交流電源と上記電力変換部との間を流れる三相交流電流を検出する電流検出手段と、上記電力変換部の出力側の直流電圧を検出する直流電圧検出手段とを備え、上記電力変換部は、上記三相交流電源の各相毎に整流素子とこの整流素子に対して逆並列に接続されたスイッチング素子の組を直列接続した3つのアームを有する一方、上記直流電力を上記三相交流電源に回生させる回生モードの時には、上記位相検出手段で検出された上記電圧位相に基づいて各相アームのスイッチング素子をオン/オフ駆動する駆動信号を出力する駆動信号出力手段を備えた三相コンバータ装置において、
上記駆動信号出力手段は、上記回生モードにおいて、上記位相検出手段で検出された上記三相交流電源の電圧位相に基づき、各相の電圧の大きさが入れ替わる度に、電圧が最大の相と電圧が最小の相とを判定し、3つの上アームと3つの下アームのうち、電圧が最大の相に接続される上アームのスイッチング素子と電圧が最小の相に接続される下アームのスイッチング素子が共にオンとなるようにオン動作時間が設定された基準の駆動信号を設定するとともに、上記電流検出手段で検出される上記三相交流電流に基づいて直流量を演算してこの直流量の大きさに応じたオフ動作時間を設定し、このオフ動作時間により、上記基準の駆動信号の上記オン動作時間が短くなるように調整したオン補正駆動信号を出力し、上記オン補正駆動信号について、上記三相交流電源の電圧が最大の相に接続される上アーム側のスイッチング素子と電圧が最小の相に接続される下アーム側のスイッチング素子のオン/オフ動作のタイミングを互いに一致させるものであり、上記オン補正駆動信号は、上記基準の駆動信号の上記オン動作時間の前端にオンのタイミングを遅らせる上記オフ動作時間と、上記基準の駆動信号の上記オン動作時間の後端にオフのタイミングを早める上記オフ動作時間とが確保されたものであるとともに、上記基準の駆動信号の中央に2倍の上記オフ動作時間が確保されたものである、ことを特徴としている。
この発明によれば、負荷側から三相交流電源側へ電力回生する際に、回生可能な電力量の大きさに応じたオフ動作時間を設け、このオフ動作時間によって各相アームのスイッチング素子をオン/オフ駆動する基準の駆動信号のオン動作時間を短縮化したオン補正駆動信号を出力するので、回生可能な電力量の大きさに応じて回生電力量が調整される。これにより、回生電力が大きい場合の回生能力を十分に確保した上で、回生電力が小さい場合の三相交流電源への回生電力量を抑制して過回生状態になるのを防ぐことができる。しかも、回生時の制御安定性を従来より少ないスイッチング回数で実現できるので、電力変換部のスイッチング損失を低減することが可能になる。さらに、この発明では、上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子とでオン/オフそれぞれのタイミングを合わせることによって、各スイッチング素子の内、一つのスイッチング素子をオンするだけでは流せなかった回生電流を流せるようになる。
この発明の実施の形態1において、三相交流電源と負荷との間に接続された三相コンバータ装置の一例を示す構成図である。 図1の構成において、交流回転機とこれを駆動するインバータ等の電力変換手段で構成される負荷を示すブロック図である。 同三相コンバータ装置の駆動信号出力手段の一例を示すブロック図である。 三相コンバータ装置で一般的に行われている回生動作時のスイッチング素子駆動用の「基準の駆動信号」の出力タイミングを示すタイムチャートである。 図4に示すスイッチング素子駆動用の「基準の駆動信号」を生成する場合において、R相−S相間の線間電圧位相θcvと「基準の駆動信号」との相互関係を示す図表である。 この発明の実施の形態1において、電流振幅Iaに応じたオフ動作時間toffを設定する場合の両者の関係を示す特性図である。 駆動信号生成部において、図6に示した関係で求まるオフ動作時間toffにより各スイッチング素子に対する「基準の駆動信号」のオン動作時間を短くして得られるオン補正駆動信号の出力タイミングを示すタイムチャートである。 図7に示すオン補正駆動信号を生成する場合において、R相−S相間の線間電圧位相θcvとオン補正駆動信号との相互関係を示す図表である。 この発明の実施の形態1の変形例を示すもので、駆動信号生成部において、「基準の駆動信号」から第2の駆動信号および第3の駆動信号(オン補正駆動信号)を生成する場合の、各駆動信号の対応関係を示すタイムチャートである。 図9に示す第3の駆動信号(オン補正駆動信号)を生成する場合において、R相−S相間の線間電圧位相θcvと第3の駆動信号(オン補正駆動信号)との相互関係を示す図表である。 この発明の実施の形態2に係る三相コンバータ装置における駆動信号出力手段の構成の一例を示すブロック図である。 同三相コンバータ装置の駆動信号出力手段において、フィルタリング処理を施した回転軸上の電流Icfの大きさに応じたオフ動作時間toffを設定する場合の両者の関係を示す特性図である。 図1に示した構成に対して交流リアクトルと直流リアクトルとを付加した三相コンバータ装置の一例を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1において三相交流電源と負荷との間に接続された三相コンバータ装置を示す構成図である。
この実施の形態1の三相コンバータ装置は、電力変換部1、位相検出手段2、電流検出手段3(3a、3b)、直流電圧検出手段4、および駆動信号出力手段5を備え、三相(R相、S相、T相)の交流電圧を発生する三相交流電源6と、負荷7との間に接続されている。また、電力変換部1と負荷7との間には、負荷7に対して並列に平滑コンデンサ21が接続されており、力行時には電力変換部1によって整流された直流電圧により、また回生時には負荷7からの回生電力によって充電され、三相コンバータ装置の出力側のPN間電圧Vpnの安定化(脈動低減)に寄与する。なお、図1において、三相コンバータ装置の負荷7側出力端子のP側が正極側、N側が負極側である。
上記の負荷7は、図2に示すように、例えば交流回転機71とこれを駆動するインバータ等の電力変換手段72とで構成されており、電力変換手段72の直流側に三相コンバータ装置が接続され、電力変換手段72の交流側に交流回転機71が接続されている。そして、交流回転機71が電力変換手段72から電力の供給を受けて電動機として動作する場合が力行、交流回転機71が電力変換手段72へ電力を供給する発電機として動作する場合が回生となる。
三相コンバータ装置が備える電力変換部1は、R相、S相、T相の計3つのアーム11a、11b、11cを有し、各アーム11a、11b、11cは、整流素子としてのダイオードD1〜D6と、これらの各ダイオードD1〜D6に対して逆並列に接続されたIGBTやトランジスタなどのスイッチング素子Q1〜Q6の組が上下2つ直列に接続されて構成されている。これらの計6個のスイッチング素子Q1〜Q6は、駆動信号出力手段5から出力される駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNによってオン/オフ駆動される。
すなわち、駆動信号RPによりR相上側(P側)のスイッチング素子Q1が、駆動信号RNによりR相下側(N側)のスイッチング素子Q2が、駆動信号SPによりS相上側(P側)のスイッチング素子Q3が、駆動信号SNによりS相下側(N側)のスイッチング素子Q4が、駆動信号TPによりT相上側(P側)のスイッチング素子Q5が、駆動信号TNによりT相下側(N側)のスイッチング素子Q6が、それぞれオン/オフ駆動される。
ここで、三相コンバータ装置における電力の流れが三相交流電源6から負荷7の方向となる力行時は、計6個の各スイッチング素子Q1〜Q6の全てをオフ状態にし、周知のダイオードブリッジを用いた整流回路と同様に、計6個のダイオードD1〜D6による整流作用によって三相交流電源6から出力される三相電圧が若干脈動を伴う直流電圧に変換され、平滑コンデンサ21によって直流電圧に平滑化される。
一方、三相コンバータ装置における電力の流れが負荷7から三相交流電源6の方向となる回生時において、計6個の各スイッチング素子Q1〜Q6が全てオフ状態であるならば、PN間電圧Vpnが上昇するが、ダイオードD1〜D6が逆阻止状態となるため、回生電力は三相交流電源6側へは回生されない。そこで、回生時に負荷7側から平滑コンデンサ21に蓄積された電力を三相交流電源6へ回生させるためには、各スイッチング素子Q1〜Q6を三相交流電源6の電圧位相に基づいて生成される駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNによってオン/オフ動作させる必要がある。なお、各スイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフの制御動作については後に詳述する。
位相検出手段2は、各スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフ動作させるタイミングの基準となる、三相交流電源6から出力される三相電圧の線間電圧の電圧位相θcvを検出するものである。この場合の位相検出手段2としては、例えば周知のPLL(位相同期回路)を用いたもの、あるいは、三相交流電源6の周波数が予め判明していて周波数変動が小さい場合は、線間電圧のゼロクロス点を検出してこのゼロクロス点を基準に交流電源の周波数に基づいて位相変化を求めるようなものであってもよい。
なお、ここでは、位相検出手段2は、R相−S相(RS間)の線間電圧Vrsの電圧位相θcvを検出するものとして、以下説明するが、他の線間(ST間、TR間)の電圧位相を検出する構成であっても同様に実施可能である。勿論、全ての線間について電圧位相を検出する構成であってもよい。
電流検出手段3(3a、3b)は、例えば周知の電流センサ等を用いて、三相交流電源6と電力変換部1との間を流れる各相の電流を検出する。図1では、R相電流IrとS相電流Isの2つの相の電流を検出する構成を示しており、残りのT相電流Itは、検出した2つの相の電流Ir、Isを用いてIt=−Ir−Isの関係から求めることができる。勿論全相の電流Ir、Is、Itを全て検出する構成としてもよい。さらに、各相の電流Ir、Is、Itを直接検出する方法以外に、周知の技術である、電力変換部1と負荷7との間を流れるDCリンク電流から相電流Ir、Is、Itを検出する方法でもよい。
直流電圧検出手段4は、負荷7側からの電力を三相交流電源6へ回生させる必要性の有無を判定するためのもので、例えば周知の電圧センサ等を用いて、三相コンバータ装置の出力側のPN間電圧、すなわち平滑コンデンサ21の端子電圧Vpnを検出する。
次に、駆動信号出力手段5は、図3に示すように、振幅演算器51と駆動信号生成部52とを有する。
振幅演算器51は、電流検出手段3(3a、3b)で検出された三相交流電流Ir、Isから残りの三相交流電源Itを求めた後、これらの三相交流電流Ir、Is、Itに基づいて、三相交流電流Ir、Is、Itの直流量としての振幅Iaを次の(1)式により演算する。
Figure 0005693485
仮に、三相交流電流が下記の(2)式のような振幅I0、周波数ω0の平衡した三相交流電流であるとすると、(3)式の関係が成り立つことから、(4)式のように電流振幅Iaを得ることができる。
Figure 0005693485
Figure 0005693485
Figure 0005693485
ただし、三相交流電源6と電力変換部1との間を流れる電流は、実際は(2)式に示されるような正弦波電流ではなく、高調波成分を多く含むことから、図3には図示していないが、振幅演算器51で(1)式に基づいて得られた電流振幅Iaに対し、フィルタリング処理を施して高調波脈動成分を除去した直流量を得るようにすることが好ましい。
駆動信号生成部52は、電力変換部1を構成する前述の各スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフ駆動するための駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNを以下のようにして生成する。
前述のように、各スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフ動作させるのは回生時のみであることから、駆動信号生成部52は、まず、三相コンバータ装置の出力側のPN間電圧Vpnに基づいて、回生動作させるモード(以下、回生モードという)か、力行動作させるモード(以下、力行モードという)かを判定する。
ここで、負荷7の発電動作等によりPN間電圧Vpnが上昇し、予め設定した所定の閾値Vup以上になると、駆動信号生成部52は、位相検出手段2で検出した三相交流電源6の電圧位相θcvに基づいて生成される駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNにより各スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフ駆動する回生モードを開始する。なお、この場合の閾値Vupの好適例としては、三相交流電源6の波高値相当に所定のマージンを加えた値に設定するとよい。
なお、三相交流電源6が電圧変動の小さい安定した電源で、三相交流電源6の電圧波高値が一定かつ電源仕様から既知であるならば、予め閾値Vupをオフラインで設定すればよい。これに対して、三相交流電源6の電圧変動が大きい場合は、電圧変動にも対応可能なように、電源電圧波高値を検出可能な交流電圧検出手段を線間に配置し、検出したこの波高値に応じて閾値Vupをオンラインで演算して設定するようにしてもよい。なお、回生モードから力行モードへ切り換える際の判断基準となる後述の閾値Vdnについても同様である。
そして、回生モードが開始すると、駆動信号生成部52が駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNを出力して各スイッチング素子Q1〜Q6がオン/オフ駆動されるので、負荷7から各スイッチング素子Q1〜Q6のいずれかを介して三相交流電源6に向かう三相の回生電流が生じ、この回生電流が電流検出手段3(3a、3b)によって検出される。
一方、回生動作に伴ってPN間電圧Vpnが次第に低下し、所定の閾値Vdn以下になると、駆動信号生成部52は、各駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNの出力を停止し、各スイッチング素子Q1〜Q6が全てオフ状態になる力行モードに切り換える。これにより、回生動作が必要ない時には力行モードとなり、必要なときのみ回生動作を行うことができる。
ただし、必ずしもPN間電圧Vpnが低下して閾値Vdn以下になると、その直後に各スイッチング素子Q1〜Q6を全てオフ状態にして力行モードに切り換えなくても、例えば後述の「基準の駆動信号」やオン補正駆動信号においてオンすべきスイッチング素子がオフに切り換わるタイミングを待った後に力行モードに切り換えてもよい。このようにすれば三相がバランスした安定な回生動作が行える。
また、回生電力(回生電流)が小さい場合は、PN間電圧Vpnが閾値Vdn以下にならない状態で回生モードを停止してもよい。なぜなら、回生電力(回生電流)が小さい場合は、PN間電圧Vpnは緩やかに上昇するため、直ぐに回生モードへは戻らない。よって、回生モードから力行モードへの切り換え(回生モードの停止)を、PN間電圧Vpnの閾値Vdnで判断する代わりに、回生電流の大きさで判断するようにしてもよい。すなわち、三相交流電流から得られる直流量(ここでは電流振幅Ia)が所定の閾値(Idnとする)以下になると回生モードを停止するといったように、三相交流電流から得られる直流量Iaの大小で判断してもよい。このようにすれば、回生電力が小さい時に生じ易い間欠的な回生動作が発生しにくくなり、より回生動作が安定する。
次に、回生モードにおける駆動信号生成部52による駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNの生成、および各駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNによる各スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング動作について、以下詳しく説明する。
ここでは、先ず最初に、一般的な(周知の)三相コンバータ装置の回生モードにおけるスイッチング動作について説明した上で、次に、この発明にかかる実施の形態1のスイッチング動作について説明する。
回生モードにおいて一般的に行われているスイッチング動作では、力率の向上を目的として、三相交流電源6の電圧位相θcvの変化に同期させて時分割でスイッチング動作を行う。すなわち、駆動信号生成部52は、後述するように、位相検出手段2で検出された三相交流電源6の電圧位相θcvに基づき、各相の電圧の大きさが入れ替わる度に、3つの上アームQ1、Q3、Q5と3つの下アームQ2、Q4、Q6のうち、電圧が最大の相に接続される上アームのスイッチング素子と電圧が最小の相に接続される下アームのスイッチング素子とを共にオン、その他のスイッチング素子はオフとなるように時分割でスイッチング動作を行う。
図4は、回生モードにおいて駆動信号生成部52で生成される各スイッチング素子Q1〜Q6に対する駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNの出力タイミングを示すタイムチャートである。ここで、図4(a)は三相交流電源6の各線間電圧Vrs、Vst、Vtrを、同図(b)は各相電圧Vr、Vs、Vtを、同図(c)は各スイッチング素子Q1〜Q6を駆動する駆動信号を、それぞれ表している。
図4(c)において、三相交流電源6の相電圧Vr、Vs、Vtの中でR相電圧Vrが三相電圧の中で最も大きくなる120°の区間において、「RP:ON」と表記されている部分は、この区間でR相上側(P側)のスイッチング素子Q1をオンさせる駆動信号RPを生成することを示している。同様に、三相交流電源6の相電圧の中でR相電圧Vrが三相電圧の中で最も小さくなる120°の区間において、「RN:ON」と表記されている部分は、この区間でR相下側(N側)のスイッチング素子Q2をオンさせる駆動信号RNを生成することを示している。他相(S相、T相)についてもR相と同様に駆動信号SP、TP、SN、TNを生成する。
図4に示されている各駆動信号RP、SP、TP、RN、SN、TNは、上述の通り一般的なスイッチング動作に基づく駆動信号であることから、これらを総括して、以下、「基準の駆動信号」と称することとする。
この「基準の駆動信号」の生成過程において、図1に示した構成の場合、三相交流電源6の相電圧Vr、Vs、Vtを直接に検出することは困難であることから、実際には、以下に説明するように、位相検出手段2によってR相−S相間(RS間)の線間電圧Vrsの電圧位相θcvを検出し、この検出した電圧位相θcvに基づいて「基準の駆動信号」RP、SP、TP、RN、SN、TNを生成する。なお、ここでは、線間電圧Vrsの電圧位相θcvに基づいて、「基準の駆動信号」RP、SP、TP、RN、SN、TNを生成する場合について説明するが、他の線間(ST間、TR間)の電圧位相を検出する構成においても同様な考え方に基づけば実施可能である。
RS間の線間電圧Vrsが以下の(5)式のような振幅V0、周波数ω0であり、電圧位相θcvが0°の時に瞬時値が零となる正弦波電圧として表されるものとすると、電圧位相θcvとスイッチング素子Q1〜Q6を駆動する「基準の駆動信号」との関係は、図5の表の通りに示される。なお、図5中の横線はオフを意味する。
Figure 0005693485
この図5の表に示される関係をもつ「基準の駆動信号」により各スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフ駆動することにより、回生電流を負荷7から三相交流電源6へ流すことができる。
しかし、三相コンバータ装置で一般的に行われている回生動作では、図4および図5に示したように、負荷7から回生される電力の大きさとは無関係に、常に交流電源の1周期当たり120°の区間にわたって各スイッチング素子Q1〜Q6がオン状態となるため、回生電力量の調節ができない。よって、回生電力が大きい時は安定に回生されるが、回生電力が小さい時は、回生モードに切り換わった直後に急激にPN間電圧Vpnが下降する、いわゆる過回生状態となって、再度力行モードに戻り、PN間電圧Vpnが再度上昇するといったように、頻繁に回生の開始と停止が繰り返されてしまい、間欠的に回生動作が行われて不安定となる。
そこで、この実施の形態1では、回生電力量を調整できるように、駆動信号生成部52は、振幅演算器51で前述の(1)式あるいは(3)式で得られる直流量(ここでは電流振幅Ia)の大きさに応じたオフ動作時間toffを設定し、このオフ動作時間toffに基づいて、「基準の駆動信号」RP、SP、TP、RN、SN、TN(図4(c)、図5参照)のオン動作時間を調整した駆動信号(以下、これをオン補正駆動信号と称する)を生成し、これによって、回生動作の不安定要因を無くすようにしている。
図6は、電流振幅Iaとオフ動作時間toffとの関係を示しており、駆動信号生成部52は、回生電力量に対応した回生電流の電流振幅Iaが予め設定した一定の基準値In1を越えると、一般的に行われている回生動作と同様に、toff=0に設定して「基準の駆動信号」(図4(c)、図5参照)を出力し、回生電流の電流振幅Iaが基準値In1よりも小さくなると、その電流振幅Iaの大きさに従ってオフ動作時間toffを大きくして、「基準の駆動信号」のオン動作時間を短縮したオン補正駆動信号を出力する。なお、図6中のtn1はオフ動作時間toffの最大値である。
図7は、上記のようにしてオフ動作時間toffを設けることによって、「基準の駆動信号」のオン動作時間が短くなるように調整したオン補正駆動信号の出力タイミングを示すタイムチャートである。ここで、図7(a)は三相交流電源6の各線間電圧Vrs、Vst、Vtrを、同図(b)はオン補正駆動信号を、それぞれ表している。図7の見方は図4の場合と同じである。
図7(b)に示すように、オン補正駆動信号は、図4(c)に示した「基準の駆動信号」に対してオフ動作時間toffを設定する分、各スイッチング素子Q1〜Q6のオン動作時間が減少する。この場合、各スイッチング素子Q1〜Q6の内、1つの素子のみオンするだけでは回生電流を流せないため、上アーム側のスイッチング素子Q1、Q3、Q5と下アーム側のスイッチング素子Q2、Q4、Q6とでオン/オフそれぞれのタイミングを合わせる必要がある。
これを実現するためには、各スイッチング素子Q1〜Q6に設定される三相交流電源6の1周期当たり120°のオン状態となる各区間について、その区間の両端と中央にそれぞれオフ動作時間toffを設ける必要がある。すなわち、各オン補正駆動信号は、「基準の駆動信号」に対して、そのオンのタイミングを遅らせた上で、「基準の駆動信号」のオン区間の中央にオフする期間を設け、さらにオフのタイミングを早める動作が必要となる。つまり、両端にオフ動作時間toff(すなわち、「基準の駆動信号」に対してオンのタイミングを遅らせる時間とオフのタイミングを早める時間)を確保するとともに、オン区間の中央の箇所では2倍のオフ動作時間2・toffを確保する必要がある。
RS間の線間電圧Vrsが前述の(5)式のように、正弦波電圧として表されるものとすると、電圧位相θcvとオフ動作時間toffを確保したオン補正駆動信号との関係は、図8の表に示すようになる。ただし、表中のオフ動作時間toffに対応した角度θoff[°]は、ω0の単位を[rad/s]とし、また、オフ動作時間toffの単位を[sec]とした場合、次の(6)式で表される。なお、図8中の横線はオフを意味する。
Figure 0005693485
このように、図6に示した関係により、三相交流電流から得られる直流量(ここでは電流振幅Ia)に応じたオフ動作時間toffを予め設定することにより、回生電力が大きい場合には従来通りに回生能力を確保し、また回生電力が小さい場合には直流量(電流振幅Ia)に応じて「基準の駆動信号」のオン動作時間を短くすることで、回生電力量を抑制して過回生状態になることを防ぐことができ、回生時の制御安定性が向上する。また、特許文献4に開示されているようなPWM(パルス幅変調)制御は行わず、「基準の駆動信号」のオン動作時間を短縮化することで回生時の制御安定性を確保するので、特許文献4の場合と比較して、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング回数が少なく、スイッチング素子Q1〜Q6で発生するスイッチング損失が低減され、三相コンバータ装置における変換効率の低下や発熱が抑えられる。
図1ないし図8に示した実施の形態1について、次のような変形例を加えることが可能である。
すなわち、上記の実施の形態1においては、回生電力が大きい場合、「基準の駆動信号」によって一般的に行われている回生動作と同様な動作が行われるが、特許文献1に開示されているように、三相交流電源6の線間電圧Vrs、Vst、Vtrのゼロクロス点とスイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフ駆動の動作タイミングとが一致することに起因する歪み電圧の影響を回避し、スイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフ駆動する際の相電流変化を緩やかにするためには、駆動信号出力手段5の駆動信号生成部52より、次のようにして駆動信号を生成してもよい。
まず、「基準の駆動信号」に対して各相アーム11a、11b、11cのスイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフ駆動のタイミングを、三相交流電源6の線間電圧Vrs、Vst、Vtrのゼロクロス点と一致しないように所定時間tshだけ先行させた第2の駆動信号を生成した上で、次に、図6に示した特性図から、この第2の駆動信号に対してオフ動作時間toffを設定することでオン動作時間を短くするように調整した第3の駆動信号を生成する。そして、この第3の駆動信号をオン補正駆動信号として各スイッチング素子Q1〜Q6を駆動するようにしてもよい。
図9は、上記の「基準の駆動信号」、第2の駆動信号、および第3の駆動信号(オン補正駆動信号)の相互の対応関係を示すタイムチャートである。ここで、図9(a)は三相交流電源6の各線間電圧Vrs、Vst、Vtrを、同図(b)は各相電圧Vr、Vs、Vtを、同図(c)は各スイッチング素子Q1〜Q6を駆動する「基準の駆動信号」を、同図(d)は第2の駆動信号を、同図(e)は第3の駆動信号(オン補正駆動信号)を、それぞれ表している。
また、RS間の線間電圧Vrsが前述の(5)式のように正弦波電圧として表されるとすると、電圧位相θcvと第3の駆動信号との関係は、図10の表に示すようになる。ただし、表中の第2の駆動信号の先行時間tshに対応した角度θsh[°]は、ω0の単位を[rad/s]、tshの単位を[sec]とした場合、次の(7)式で表される。なお、図10中の横線はオフを意味する。
Figure 0005693485
このようにすれば、特に回生電力が大きい場合の線間電圧Vrs、Vst、Vtrのゼロクロス点とスイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフ駆動のタイミングとの一致に起因する歪み電圧の影響を回避することができ、スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフ駆動する際の相電流変化も緩やかにできるので都合がよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、回生電力が大きい場合には、回生能力を確実に確保できるとともに、回生電力が小さい場合には、直流量(電流振幅Ia)に応じて「基準の駆動信号」のオン動作時間を短くすることで、三相交流電源6への回生電力量を抑制して過回生状態になるのを防ぐことができる。これにより、回生電力が小さい時に生じ易い間欠的な回生動作が発生しにくくなり、回生時の制御安定性が向上する。また、回生時の制御安定性向上をより少ないスイッチング回数で実現できるので、電力変換部1のスイッチング損失を低減でき、三相コンバータ装置における変換効率の低下や発熱を抑えることができる。
また、前記「基準の駆動信号」から生成されるオン補正駆動信号に基づいて各スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフ駆動することで、回生時の力率が向上し、回生電力の有効分を大きく取ることができる。
さらに、図9および図10に示したように、第3の駆動信号をオン補正駆動信号として各相アーム11a、11b、11cのスイッチング素子Q1〜Q6を駆動することで、特に回生電力が大きい時の線間電圧Vrs、Vst、Vtrのゼロクロス点とスイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフ駆動のタイミングとの一致に起因する歪み電圧の影響を回避することができ、スイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフ切換の際の相電流変化を緩やかにできる。
実施の形態2.
図11は、この発明の実施の形態2における三相コンバータ装置における駆動信号出力手段の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2の三相コンバータ装置において、その全体構成は図1に示した実施の形態1の場合と基本的に同じであるが、駆動信号出力手段5の構成が、図3に示した実施の形態1の場合と異なっている。なお、実施の形態1と同一の構成部分には同一の符号を付してここでは詳しい説明を省略する。
この実施の形態2において、駆動信号出力手段5aは、座標変換器53、フィルタ54、および駆動信号生成部52aを有する。
ここに、座標変換器53は、電流検出手段3(3a、3b)で検出された三相交流電流Ir、Isと、位相検出手段2で検出したR相−S相間(RS間)の線間電圧Vrsの電圧位相θcvに基づいて、次の(8)式により三相交流電流Ir、Isの直流量である回転軸座標上の電流Icに変換する。この変換処理により、電流検出手段3(3a、3b)で検出される三相交流電流Ir、Is間の位相ずれの影響を除くことができる。
Figure 0005693485
フィルタ54は、回転軸座標上の電流Icに含まれる高調波成分を除去するためのローパスフィルタで構成されており、フィルタリングされた後の回転軸座標上の電流Icfが得られる。この処理により、三相交流電流検出時に重畳されるノイズの影響がほとんど無くなり、このノイズに対してロバスト性を確保することができる。
駆動信号生成部52aは、実施の形態1における駆動信号生成部52と概ね同じ動作を行うものであり、以下、実施の形態1の場合との相違点についてのみ説明する。
実施の形態1と同様に、駆動信号生成部52aは、直流電圧検出手段4で検出されるPN間電圧Vpnが上昇して閾値Vupを越えると、力行モードから回生モードへ切り換え、また、PN間電圧Vpnが低下して閾値Vdnを下回ると、回生モードから力行モードに切り換える。
なお、実施の形態1で説明したのと同様に、回生電力が小さい場合は、回生モードを停止して力行モードに切り替える場合の判断基準として、上記の閾値Vdnを用いる代わりに、フィルタ54によりフィルタリングされた回転軸座標上の電流Icfを用いてもよい。すなわち、この電流Icfは、回生時において負値となることから、力行モードへ切り替える際の判定基準となる閾値をIdn2(正値)とすると、Icfが−Idn2以上、あるいは|Icf|がId2以下になると回生モードを停止して力行モードに移行させるようにしてもよい。
また、この実施の形態2においても、回生モードにおいて回生電力量を調整できるように、駆動信号生成部52aは、「基準の駆動信号」に基づいた基準のオン動作時間に対して、設定するオフ動作時間toffを上記のフィルタリングされた回転軸座標上の電流Icfの大きさに基づいて設定し、このオフ動作時間toffによって、「基準の駆動信号」(図4(c)、図5参照)のオン動作時間を短く調整したオン補正駆動信号を出力することによって、過回生状態が生じるのを抑制する。
図12は、フィルタリングされた回転軸座標上の電流Icfとオフ動作時間toffとの関係を示している。なお、この回転軸座標上の電流Icfは、上述のように回生時において負値となることから、この電流Icfの絶対値|Icf|を求めて正の値として扱うか、負値のまま扱うかでオフ動作時間toffの設定の仕方が異なる。
図12(a)は電流Icfを絶対値|Icf|で扱った場合の|Icf|とオフ動作時間toffとの関係を示し、同図(b)がこの電流Icfを負値のまま扱った場合のIcfとオフ動作時間toffとの関係を示している。なお、図12中のIn2はオフ動作時間toffを設定するか否かの基準値、tn2はオフ動作時間の最大値である。
したがって、例えば図12(a)の関係を採用する場合、駆動信号生成部52aは、|Icf|が予め設定した基準値In2を越えると、一般的に行われている回生動作と同様に、toff=0に設定して「基準の駆動信号」(図4(c)、図5参照)を出力し、|Icf|が基準値In2よりも小さくなると、その|Icf|の大きさに従ってオフ動作時間toffを大きくして、「基準の駆動信号」のオン動作時間を短縮したオン補正駆動信号を出力する。
以上のように、この実施の形態2においても、回生電力が大きい場合には、回生能力を確実に確保できるとともに、回生電力が小さい場合には、回転軸座標上の電流Icfに応じて「基準の駆動信号」のオン動作時間を短くすることで、三相交流電源6への回生電力量を抑制して過回生状態になるのを防ぐことができる。これにより、回生電力が小さい時に生じ易い間欠的な回生動作が発生しにくくなり、回生時の制御安定性が向上する。また、回生時の制御安定性向上をより少ないスイッチング回数で実現できるので、電力変換部のスイッチング損失を低減でき、三相コンバータ装置における変換効率の低下や発熱を抑えることができる。さらに、フィルタリングされた回転軸座標上の電流Icfを用いるので、三相交流電流検出時に重畳されるノイズの影響を最小化でき、回生動作やスイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフ時間調整を安定化することができる。
なお、この発明は上記の実施の形態1、2の構成のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1、2の構成に対して各種の変形を加えたり、あるいは上記の実施の形態1、2を適宜に組み合わせた構成とすることが可能である。
例えば、上記の実施の形態1、2の三相コンバータ装置は、全体構成として図1に示すものを前提として説明したが、これに限らず、電力変換部1のスイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング周波数成分に係わる高調波電流を抑制する上では、図13に示すように、三相交流電源6と電力変換部1との間に交流リアクトル22を、また電力変換部1と負荷7との間に直流リアクトル23を共に挿入したり、あるいは両リアクトル22、23の片方のみを挿入した構成とすることが可能である。
1 電力変換部、2 位相検出手段、3(3a,3b) 電流検出手段、
4 直流電圧検出手段、5,5a 駆動信号出力手段、6 三相交流電源、
7 負荷、11a〜11c アーム、Q1〜Q6 スイッチング素子、
21 平滑コンデンサ、51 振幅演算器、52,52a 駆動信号生成部、
53 座標変換器、54 フィルタ。

Claims (7)

  1. 三相交流電源からの交流電力を直流電力に可逆変換する電力変換部と、上記三相交流電源の電圧位相を検出する位相検出手段と、上記三相交流電源と上記電力変換部との間を流れる三相交流電流を検出する電流検出手段と、上記電力変換部の出力側の直流電圧を検出する直流電圧検出手段とを備え、上記電力変換部は、上記三相交流電源の各相毎に整流素子とこの整流素子に対して逆並列に接続されたスイッチング素子の組を直列接続した3つのアームを有する一方、上記直流電力を上記三相交流電源に回生させる回生モードの時には、上記位相検出手段で検出された上記電圧位相に基づいて各相アームのスイッチング素子をオン/オフ駆動する駆動信号を出力する駆動信号出力手段を備えた三相コンバータ装置において、
    上記駆動信号出力手段は、上記回生モーにおいて、上記位相検出手段で検出された上記三相交流電源の電圧位相に基づき、各相の電圧の大きさが入れ替わる度に、電圧が最大の相と電圧が最小の相とを判定し、3つの上アームと3つの下アームのうち、電圧が最大の相に接続される上アームのスイッチング素子と電圧が最小の相に接続される下アームのスイッチング素子が共にオンとなるようにオン動作時間が設定された基準の駆動信号を設定するとともに、上記電流検出手段で検出される上記三相交流電流に基づいて直流量を演算してこの直流量の大きさに応じたオフ動作時間を設定し、このオフ動作時間により、上記基準の駆動信号の上記オン動作時間が短くなるように調整したオン補正駆動信号を出力し、上記オン補正駆動信号について、上記三相交流電源の電圧が最大の相に接続される上アーム側のスイッチング素子と電圧が最小の相に接続される下アーム側のスイッチング素子のオン/オフ動作のタイミングを互いに一致させるものであり、上記オン補正駆動信号は、上記基準の駆動信号の上記オン動作時間の前端にオンのタイミングを遅らせる上記オフ動作時間と、上記基準の駆動信号の上記オン動作時間の後端にオフのタイミングを早める上記オフ動作時間とが確保されたものであるとともに、上記基準の駆動信号の中央に2倍の上記オフ動作時間が確保されたものである、ことを特徴とする三相コンバータ装置。
  2. 上記駆動信号出力手段は、上記直流電圧検出手段で検出される上記直流電圧の大きさに基づいて上記回生モードの停止の有無を判定するものである、ことを特徴とする請求項1に記載の三相コンバータ装置。
  3. 上記駆動信号出力手段は、上記電流検出手段で検出される上記三相交流電流に基づいて直流量を演算してこの直流量の絶対値の大きさに基づいて上記回生モードの停止の有無を判定するものである、ことを特徴とする請求項1に記載の三相コンバータ装置。
  4. 上記駆動信号出力手段は、上記回生モードにおいて、上記電流検出手段で検出される上記三相交流電流に基づいて直流量を演算してこの直流量の絶対値の大きさに応じて上記オン動作時間を短くする調整を行うか否かを判定するものである、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の三相コンバータ装置。
  5. 上記駆動信号出力手段は、上記基準の駆動信号に対して各相アームのスイッチング素子のオン/オフ動作のタイミングを所定時間だけずらせた第2の駆動信号を生成し、この第2の駆動信号に対して上記三相交流電流に基づいて演算した直流量の大きさに応じたオフ動作時間を設けることでオン動作時間が短くなるように調整した第3の駆動信号を生成し、この第3の駆動信号を上記オン補正駆動信号として出力するものである、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の三相コンバータ装置。
  6. 上記駆動信号出力手段による上記三相交流電流に基づく直流量の演算は、上記三相交流電流の各相の二乗和の平方根から求めるものである、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の三相コンバータ装置。
  7. 上記駆動信号出力手段による上記三相交流電流に基づく直流量の演算は、上記電流検出手段で検出される上記三相交流電流を、上記位相検出手段で検出される上記三相交流電源の電圧位相に基づいて回転軸座標上の電流に座標変換し、この回転座標軸上の電流に対してフィルタリング処理を施すことで上記直流量を得るものである、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の三相コンバータ装置。
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