JP5693411B2 - 発光素子搭載用基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、発光ダイオード等や半導体レーザ等の発光素子を搭載するための発光素子搭載用基板の製造方法に関する。
近年、LED(発光ダイオード)やLD(半導体レーザ)等の発光素子の高輝度化や白色化に伴い、照明や携帯電話や大型液晶テレビのバックライト等の多様な分野で発光素子が光源として多く用いられてきている。
このような発光素子を用いた光源には、高信頼,長寿命、高発光効率、低発熱量、高速応答、耐衝撃性、小型化、軽量化、耐環境性等の特性が求められる。特に、長期にわたって高い発光効率を維持できることが要求される。
これらの要求を満たすために、また、外部からの機械的な衝撃や化学的な作用に対する保護や、プリント回路基板等の外部基板への実装性(電気的な接続の信頼性等)の向上等を目的に、発光素子は一般に、発光素子搭載用基板に搭載され、蛍光体の成分を含有する透明な樹脂等で封止された発光装置として用いられている。発光素子搭載用基板として一般的なものは、上面に発光素子の搭載部を有する平板部と、搭載部を取り囲むように平板部の上面に積層された枠部とを備えている。枠部の内側面は、一般に、搭載部に搭載される発光素子から外部への光の反射率を高めるために、外側に開くように傾斜している。
発光素子搭載用基板は、例えば平板部および枠部がセラミック材料からなる場合であれば、未焼結のセラミック材料が所定の形状に成形され、焼成されて製作される。つまり、平板部となる平板状のセラミックグリーンシート上に枠部となる枠状のセラミックグリーンシートを、発光素子の搭載部を囲むように積層した後、焼成して製作する。
このような発光素子搭載用基板の製造方法において、光の利用効率を向上させるために枠部の内側面を上部ほど外側に開くように傾斜させるときには、枠状のセラミックグリーンシートの内側面を傾斜させておく必要がある。内側面が傾斜した枠状のセラミックグリーンシートは、セラミックグリーンシートに金型を用いて打ち抜き加工を施して枠状に成形する際に、枠の内側面が傾斜するように打ち抜き加工することによって作製される。
例えば、引用文献1に示されているように、セラミックグリーンシートを厚み方向に打ち抜くための打ち抜きピン(ピン)と、ピンの挿入孔を有する上金型および下金型(ダイス)を用いてセラミックグリーンシートに貫通孔を設け、枠状に成形する。挿入孔の孔径は、下金型の方が上金型よりも大きい。この上下の金型の間にセラミックグリーンシートを挟んで、挿入孔を通して打ち抜きピンでセラミックグリーンシートを厚み方向に打ち抜いて貫通孔を設け、セラミックグリーンシートを枠状に成形する。
この時、打ち抜きピンが入る側(上金型側)で挿入孔の開口(孔径)が小さく、出る側(下金型側)で開口が大きい。打ち抜き加工されてなる枠状のセラミックグリーンシートにおいて、貫通孔の孔径(開口の大きさ)は、打ち抜きピンがセラミックグリーンシートに入る側では打ち抜きピンの径と略同等となり、打ち抜きピンが下金型を通って出て行く側では下金型の挿入孔の孔径と略同等となる。この孔径の差に応じて、枠状シートの内側面が傾斜する。言い換えれば、貫通孔の小さい孔径となる側から打ち抜きピンで打ち抜くことで、上金型の挿入孔の縁から下金型の挿入孔の縁にかけてセラミックグリーンシートに斜め方向に応力を作用させて、この応力でセラミックグリーンシートを斜め方向に断裂
させて(裂いて)、傾斜した内側面を有する枠状のセラミックグリーンシートを作製することができる。
特開2006−303366号公報 特開2004−335518号公報 特開2006−100688号公報
しかしながら、上記のような方法を用いて傾斜した内側面を有する枠状のセラミックグリーンシートを作製すると、セラミックグリーンシートを、打ち抜きピンで直接に打ち抜かれる部分よりも外側に向けて、応力で斜め方向に裂くことによって内側面が傾斜した貫通孔を形成することになる。そのため、作製された枠状のセラミックグリーンシートの内側面が破断面になって表面粗さが大きくなりやすい。したがって、枠部の内側面における光の反射率を高くすることが難しくなる傾向があるという問題があった。
特に、近年、より一層の光の反射率の向上が求められているため、枠部の内側面について、その表面粗さを低く抑えながら、上部ほど外側に開くように傾斜させることが可能な製造方法が求められるようになってきている。
また、発光素子搭載用配線基板の上面に発光素子が搭載された発光装置を小型化するためには、発光素子搭載用基板の枠部の幅が小さい(狭い)方がよい。しかしながら、上記従来技術の製造方法においては、枠部の内側面を傾斜させるため、枠部の幅を小さくすることが難しい。つまり、打ち抜き加工の際にセラミックグリーンシートを応力で厚み方向に斜めに裂くことによって内側面を傾斜させるため、枠部の幅が小さくなる(つまり、たわみやすくなる)と、この応力でセラミックグリーンシートに変形が生じやすくなる。そのため、小型化が難しいという問題があった。
本発明は、このような従来の問題に鑑みて完成されたものであり、その目的は、枠部の内側面を傾斜させて製作することが容易であり、生産性の向上や小型化において有効な発光素子搭載用基板の製造方法を提供することにある。
本発明の一つの態様による発光素子搭載用基板の製造方法は、上面に発光素子が搭載される搭載部を備える平板部と、該平板部の前記上面に前記搭載部を囲むように積層された枠部とを備え、該枠部の内側面が下部から上部に向かって外側に広がるように傾斜している発光素子搭載用基板の製造方法であって、以下の工程を備える。
すなわち、
互いに焼結温度が異なる絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料を準備する工程と、
前記絶縁層用ガラスセラミック材料および前記拘束層用ガラスセラミック材料を、それぞれ平板状に形成するとともに積層して、前記絶縁層用ガラスセラミック材料前記拘束層用ガラスセラミック材料とが交互に、最上層が前記拘束層用ガラスセラミック材料となるように積層された平板状積層体を作製する工程と、
該平板状積層体の上面に発光素子の搭載部となる領域を設けるとともに、前記絶縁層用ガラスセラミック材料を前記平板状積層体の上面に、前記搭載部となる領域を取り囲む枠状に積層して積層体を作製し、該積層体を焼成する工程とを備えており、前記平板状積層体の上面に枠状に積層する前記絶縁層用ガラスセラミック材料の焼成による収縮率を、下部よりも上部において大きくする。
本発明の一つの態様による発光素子搭載用基板の製造方法によれば、上記各工程を備え、最上層を拘束層とした平板状積層体の上面に絶縁層用ガラスセラミック材料を、搭載部となる領域を取り囲む枠状に積層して積層体を作製して、絶縁層用ガラスセラミック材料の焼成による収縮率を下部よりも上部において大きくし、この積層体を焼成することから、絶縁層用ガラスセラミック材料からなる、枠部となる枠状の部分の下面のみが、平板状積層体の最上層の拘束層と接するため、焼成時には、枠状の部分のうち下面のみが平面方向の収縮が抑制(拘束)される。そのため、枠状の部分の下面から上面側に向かって、枠状の部分に対する平面方向の収縮抑制(拘束)力が漸次減少するため、枠状の部分は上側ほど平面方向に大きく収縮する(収縮量が大きい)。その結果、枠状の部分、つまり焼成後の枠部の内側面が下部から上部に向かって上側に開くように傾斜する。また、この製造方法によれば、セラミックグリーンシートに対して従来のように応力で裂くような加工を施すことなく枠部の内側面を傾斜させることができるため、枠部の内側面を破断面等の粗い表面とすることがない。また、枠部の幅を小さくしても、その内側面を容易に傾斜させることができる。そのため、枠部の内側面を、この内側面の表面粗さを小さく抑えながら傾斜させることができる。したがって、枠部の内側面を傾斜させて製作することが容易であり、小型化が可能で高反射率の発光素子搭載用基板の製造方法を提供することができる。
(a)〜(c)は、それぞれ本発明の発光素子搭載用基板の製造方法の一例を工程順に示す断面図である。 本発明の製造方法で製作した発光素子搭載用基板の一例を示す断面図である。 本発明の製造方法で製作した発光素子搭載用基板の他の例を示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の製造方法で製作した発光素子搭載用基板を用いて作製した発光装置の一例を示す断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明の発光素子搭載用基板の製造方法の他の例を工程順に示す断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明の発光素子搭載用基板の製造方法の他の例を工程順に示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の発光素子搭載用基板の製造方法の他の例を工程順に示す断面図である。
本発明の発光素子搭載用基板およびその製造方法について、添付の図面を参照しつつ説明する。発光素子は、LED(発光ダイオード)やLD(半導体レーザ)等である。なお、以下の説明において、光(可視光)の反射率を単に反射率という場合がある。
図1に本発明の発光素子搭載用基板の製造方法の一例を示す。図1(a)〜(c)は、それぞれ本発明の発光素子搭載用基板の製造方法を工程順に示す断面図である。
本発明の製造方法で製作される発光素子搭載用基板は、例えば図2に示すような、上面に発光素子が搭載される搭載部7を備える平板部(符号なし)と、平板部の上面に搭載部7を囲むように積層された枠部3とを備え、枠部3の内側面が下部から上部に向かって外側に広がるように傾斜している発光素子搭載用基板9である。
まず、互いに焼結温度が異なる絶縁層用ガラスセラミック材料(図示せず)および拘束層用ガラスセラミック材料(図示せず)を準備する。
絶縁層用ガラスセラミック材料は、焼成によってガラスセラミック焼結体となる材料であり、平板部を構成する焼結絶縁層1となるものである。絶縁層用ガラスセラミック材料としては、例えば、ホウケイ酸系ガラスやリチウムケイ酸系ガラス等のガラス成分と酸化アルミニウムや酸化カルシウム等のセラミック成分とを主成分とするガラスセラミック材料を挙げることができる。
拘束層用ガラスセラミック材料は、焼成によってガラスセラミック焼結体となる材料であり、焼結絶縁層1の焼成時の収縮を抑制するためのものである。拘束層用ガラスセラミック材料は、平板部を構成する焼結拘束層2となる。拘束層用ガラスセラミック材料としては、絶縁層用ガラスセラミック材料と焼結温度が異なるガラスセラミック材料が用いられ、例えば、ホウケイ酸系ガラスやリチウムケイ酸系ガラス等のガラス成分と酸化アルミニウムや酸化カルシウム等のセラミック成分とを主成分とするガラスセラミック材料を挙げることができる。この材料について、ガラス成分を調整することによって焼結温度を絶縁層用ガラスセラミック材料と異ならせることができる。
これを達成するための方法としては、それぞれのガラス組成を変えることにより、ガラスの軟化点を変える方法が最も簡便な方法として考えられる。その他の方法として、ガラス成分とセラミック成分の量比を変えることや、TiO,CeO,SnOなどの核形
成材を添加する方法を挙げることができる。
絶縁層用ガラスセラミック材料と拘束層用ガラスセラミック材料とは、例えばそれぞれのガラス成分の軟化点が互いに80℃以上異なるものを用いるようにすればよい。絶縁層用ガラスセラミック材料のガラス成分と拘束層用ガラスセラミック材料のガラス成分とは、どちらの方がより軟化点が低いものであってもよい。
絶縁層用ガラスセラミック材料よりも拘束層用ガラスセラミック材料の方が焼結温度が低い場合の一例を挙げると、絶縁層用および拘束用それぞれのガラスセラミック材料の組成は以下のようにすればよい。
すなわち、例えば、絶縁層用ガラスセラミック材料が下記組成のガラス30〜100質量%
と、下記組成のセラミックス0〜70質量%とから構成され、拘束層用ガラスセラミック材料が下記組成のガラス40〜90質量%と、下記組成のセラミックス10〜60質量%とから構成されたものとすればよい。
絶縁層用ガラスセラミック材料のガラスは、SiOを20〜60質量%と、Alを10〜25質量%と、MgOを8〜35質量%と、BaOを10〜20質量%とを含み、さらにB,Y,CaO,SrO,NaO,SnO,P,ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%を含む。
絶縁層用ガラスセラミック材料のセラミックスは、Al,SiO,MgTiO,CaZrO,CaTiO,BaTi,SrTiO,ZrO,TiO,AlN,Siから選ばれる少なくとも1種を含む。
拘束層用ガラスセラミック材料のガラスは、SiOを10〜30質量%と、Alを1〜9質量%と、MgOを5〜30質量%と、BaOを21〜35質量%と、Bを10〜30質量%とを含み、さらにY,CaO,SrO,ZnO,TiO,NaO,SnO,P,ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%含む。
拘束層用ガラスセラミック材料のセラミックスは、Al,SiO,MgTiO
,CaZrO,CaTiO,BaTi,SrTiO,ZrO,TiO,AlNおよびSiから選ばれる少なくとも1種を含む。
上記の絶縁層用ガラスセラミック材料に含まれるガラスは、軟化点が780〜810℃、結晶化点が880〜900℃程度あり、拘束層用ガラスセラミック材料に含まれるガラスは、軟化点が630〜650℃、結晶化点が760〜800℃程度である。また、絶縁層用ガラスセラミック材料の焼結温度は850〜950℃程度であり、拘束層用ガラスセラミック材料の焼結温度は750〜850℃程度である。
なお、上記各組成の絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料は、焼結温度がガラスの軟化点および結晶化点に応じて変化する。ガラスの軟化点、結晶化点は組成によって変わってくるので、目的の軟化点および結晶化点の組成を持つガラスを適宜選択する。
焼成による平板部の反りを抑制するためには、拘束層用ガラスセラミック材料に含まれるガラスの結晶化点が、絶縁層用ガラスセラミック材料に含まれるガラスの軟化点より低くなるように選定すればよい。
すなわち、このような選定をすることで、拘束層用ガラスセラミック材料が焼結し、収縮がほぼ終了した後で、絶縁層用ガラスセラミックの焼結、収縮が開始するので、両方の材料が同時に収縮する際に生じる平板部の反りを抑制できる。つまり、一方の材料が収縮しようとするときには、他方の材料が未だ収縮していないか、または既に収縮を終えているため、一方の材料の収縮が抑制される。
上記のようにセラミックスとガラスの組成比を変えることで、絶縁層用ガラスセラミック材料と拘束層用ガラスセラミック材料との間で互いに焼結時の収縮のタイミングをずらすことができる。これによって、焼結絶縁層1と焼結拘束層2とが積層されてなる平板部の平面方向への収縮を抑制することができる。
このような絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料について、図1(a)に示すように、それぞれ平板状に形成するとともに積層して、絶縁層11と拘束層12とが交互に、最上層が拘束層12となるように積層された平板状積層体(符号なし)を作製する。
絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料をそれぞれ平板状に形成するとともに積層するには、例えば、絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料をそれぞれ、有機溶剤およびバインダ等とともにシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製し、これを所定の形状および寸法の平板状に加工して、これらの平板状のセラミックグリーンシートを絶縁層11または拘束層12として積層すればよい。
なお、絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料をそれぞれ平板状に形成するとともに積層する方法としては、例えば絶縁層用ガラスセラミック材料を上記のような方法でセラミックグリーンシートに成形し、その後、拘束用ガラスセラミック材料を有機溶剤およびバインダ等とともに混練してペースト状とし、この拘束用セラミックペーストを絶縁層用ガラスセラミック材料を用いて成形したセラミックグリーンシート上に層状に成形しながら、絶縁層11と拘束層12が交互に配置されるように積層する方法も挙げることができる。ただし、この実施の形態の説明では、絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料をともにセラミックグリーンシートに成形して積層する方法を例に挙げて説明する。
絶縁層11および拘束層12を形成するそれぞれのセラミックグリーンシートは、例えば、前述したガラス成分およびセラミック成分の粉末を原料粉末とし、これを有機溶剤および有機バインダ等とともに混練して作製したセラミックペーストを、ドクターブレード法やリップコータ法等のシート成形技術を採用してシート状(帯状)に成形することによって準備することができる。
セラミックグリーンシートの厚みは約50〜300μm程度である。また、絶縁層11の外形
は、例えば平面視における外辺の長さが約2.5mm〜10mm程度の長方形板状や正方形板
状である。シート状(帯状)に成形したセラミックグリーンシートを上記の形状および寸法に加工するためには、例えば、金型を用いた機械的な打ち抜き加工を施して、所定の形状および寸法に切断すればよい。なお、平板状積層体の厚みは、例えば約300〜1500μm
程度である。
次に、図1(b)に示すように、平板状積層体の上面に発光素子の搭載部となる領域17を設けるとともに、絶縁層用ガラスセラミック材料を平板状積層体の上面に、搭載部となる領域17を取り囲む枠状に積層する。
平板状積層体の上面の、発光素子の搭載部となる領域17は、図2に示す発光素子搭載用基板9において平板部の上面の中央部の搭載部7に相当する領域であり、この領域内に発光素子(図示せず)が搭載される。
また、絶縁層用ガラスセラミック材料を平板状積層体の上面に、搭載部となる領域17を取り囲む枠状に積層するには、例えば、絶縁層用ガラスセラミック材料を有機溶剤およびバインダ等とともにシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製し、これを所定の形状および寸法の平板状に加工した後、その中央部分に機械的な打ち抜き加工等の孔あけ加工を施して枠状のセラミックグリーンシート(枠状シート)13を作製し、この枠状シート13を平板状積層体の上面に積層すればよい。
この場合、枠状シート13を作製するためのセラミックグリーンシートは、絶縁層11を作製するために用いたセラミックグリーンシートと同様にして作製することができる。絶縁層用ガラスセラミック材料を用いて成形した1つの帯状のセラミックグリーンシートから、打ち抜き加工によって、絶縁層11用の平板状のセラミックグリーンシートおよび枠状シート13の両方を作製することもできる。
なお、この実施の形態の例において、平板状積層体の上下面および枠状シート13の内側面には、金属ペースト15を所定のパターンに塗布している。これらの金属ペースト15は、焼成後の発光素子搭載用基板9において金属層5となるものである。金属層5は、搭載部7に搭載される発光素子を電気的に接続するための接続パッド(符号なし)や、発光素子搭載用基板9を外部電気回路(図示せず)に電気的に接続するための接続パッド(符号なし),発光素子からの光を外部に反射するための反射層(符号なし)等として機能する。
図2に示す例においては、平板部の上面に形成された金属層5が、搭載部7に搭載される発光素子の電極とボンディングワイヤ等を介して電気的に接続される接続パッドである。また、平板部の下面に形成された金属層5が、発光素子搭載用基板9(発光素子搭載用基板9に発光素子を搭載してなる発光装置)を外部電気回路に電気的に接続するための接続パッドである。また、枠部3の内側面に形成された金属層5が、発光素子からの光を上部に反射するための反射層である。金属層5を反射層として枠部3の内側面に形成した場合であっても、金属層5の表面粗さが、その下地である枠部3の内側面の表面粗さの影響を受けるため、枠部3の内側面の表面粗さを小さく抑える必要があることに変わりはない
金属ペースト15は、例えば、金属層5の電気抵抗を低く抑えることや、金属層5の光反射率を高くすること等を考慮して、銀または銀を主成分とする導体材料を用いて作製される。金属ペースト15は、銀を用いる場合であれば、銀の粉末を有機溶剤およびバインダとともに混練してペースト状とすることによって作製する。
銀を主成分とする導体材料としては、銀の粉末に炭酸セシウムや炭酸ルビジウム,炭酸ストロンチウム等のアルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素の炭酸塩の粉末を添加したものを挙げることができる。この場合、金属層5における光の反射率を高くする上で、銀を主成分とする導体材料における銀の含有率を95〜100質量%程度とすることが好ま
しい。
なお、銀を主成分とする導体材料を用いた金属ペースト15において、上記の炭酸塩等の添加物は、例えば金属ペースト15の表面にガラスペースト(図示せず)を塗布して被覆し、同時焼成するような場合に特に有効である。すなわち、上記の炭酸塩等の添加物は焼成時に分解してイオン化しやすく、ガラスペーストに銀よりも先に拡散するため、銀がガラスペーストにイオン化して拡散するのを抑制する。上記のアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素の材料は、焼成後のガラスペースト(ガラス層3)内において無色透明であるため、ガラス層3における光の透過を妨げることがない。金属ペースト15の表面をガラスペーストで被覆し、同時焼成した場合には、焼成後の発光素子搭載用基板9において金属層5の酸化や硫化等を効果的に抑制することができる。
また、金属ペースト15について、銀または銀を主成分とする導体材料を用いて作製した場合には、焼成後の銀の平均粒径が約2〜3μmとなるように、導体の粉末を調整することが望ましい。粒径が大きすぎると、金属層5の表面が粗くなる傾向があり、金属層5自体の反射率を十分に高くすることが難しくなる傾向がある、また、小さすぎると、ガラスセラミックグリーンシート11に含まれるガラス成分が銀の表面まで拡散しやすくなる可能性があり、ガラス層3の透明度が低くなる可能性があり、反射率が低下する可能性がある。
上記被覆用のガラスペーストを作製するためのガラス材料としては、軟化点が、絶縁層11および拘束層12に含まれるガラス成分の軟化点よりも高く、かつ銀の融点(約961℃)
よりも低いものが好ましい。このようなガラス材料の組成としては、例えば、SiOおよびBを含み、かつ、CaO,SrO,Al,MgOおよびBaOの1種以上を含むホウケイ酸系のガラス等を挙げることができる。
また、図1に示す例においては、平板状積層体を厚み方向に貫通する貫通孔(符号なし)を形成し、この貫通孔内に貫通導体用の金属ペースト14を充填している。貫通孔内に充填した貫通導体用の金属ペースト14は、焼成後の発光素子搭載用基板9において貫通導体4となるものである。貫通導体4は、例えば平板状積層体(絶縁基体の平板部)の上下面の金属層5間を互いに電気的に接続するためのものである。貫通孔内に充填する貫通導体用の金属ペースト14は、例えば上記と同様に銀または銀を主成分とする導体材料の粉末を用いて作製することができる。
そして、図1(c)に示すような積層体について、電気炉等を用いて、絶縁層用ガラスセラミック材料(絶縁層11)および拘束層用ガラスセラミック材料(拘束層12)のうち焼結温度が低いものから順に焼結するように昇温させて、焼成を行なう。
焼成の間、平板部(平板状積層体)においては、例えば、拘束層12の焼結温度が絶縁層
11の焼結温度よりも低い場合であれば、まず拘束層12が焼結し、絶縁層11が焼結しない。そのため、拘束層12が焼結する間、その平面方向の収縮は、まだ焼結が始まっていない絶縁層11によって拘束され、平面方向の寸法の変化が抑制される。その後、さらに昇温して絶縁層11が焼結する際には、すでに焼結した拘束層12によって絶縁層11の平面方向の収縮が拘束され、平面方向の寸法の変化が抑制される。したがって、平板部の平面方向の寸法精度を高くすることができる。
なお、絶縁層11の方が拘束層12よりも焼結温度が低い場合には、この逆になる。この場合にも、絶縁層11および拘束層12の平面方向の収縮を、互いに拘束し合って抑制することができる。
また、この焼成の間、枠部3(枠状シート13)においては、前述したように、その下面側の平面方向の収縮が拘束層12によって抑制される。また、枠部3(枠状シート13)の上面側においては、平面方向の収縮を拘束するものがなく、平面方向に収縮する。そのため、枠部3(枠状シート13)は、縦断面(各辺部分における長さ方向と直交する方向における断面)が、上面側が小さい台形状になり、内側面が、下部から上部に向かって外側に開くように傾斜する。
このような発光素子搭載用基板の製造方法によれば、上記各工程を備え、最上層を拘束層12とした平板状積層体の上面に絶縁層用ガラスセラミック材料を、搭載部となる領域17を取り囲む枠状に積層して積層体を作製し、この積層体を焼成することから、絶縁層用ガラスセラミック材料からなる枠部3(枠状シート13)の下面のみが、平板状積層体の最上層の拘束層12と接するため、焼成時には、枠部3(枠状シート13)のうち下面のみが平面方向の収縮が抑制(拘束)される。そのため、枠部3(枠状シート13)の上面側に向かって、枠部3(枠状シート13)に対する平面方向の収縮抑制(拘束)力が漸次減少するため、枠部3(枠状シート13)は上側ほど平面方向に収縮する(収縮量が大きい)。その結果、枠部3の内側面が上側に開くように傾斜する。同時に、枠部3の外側面も傾斜または湾曲する。
また、この製造方法によれば、セラミックグリーンシートに対して従来のように大きな応力で斜めに裂くような加工を施すことなく枠部3の内側面を傾斜させることができるため、枠部3の内側面を破断面等の粗い表面とすることがない。そのため、枠部3の内側面を、この内側面の表面粗さを小さく抑えながら傾斜させることができる。また、枠部3の幅を小さくする場合でも、その枠部3の内側面を容易に傾斜させることができる。したがって、小型化が可能で、高反射率の発光素子搭載用基板の製造方法を提供することができる。
以上の工程によって、図2に示すような発光素子搭載用基板9を作製することができる。作製した発光素子搭載用基板9は、平板状の焼結絶縁層1と焼結拘束層2とが積層されてなる平板部の上面の中央部に発光素子の搭載部7を有し、この搭載部7を取り囲むように枠部3が積層されている。また、平板部の上面の搭載部7および下面に金属層5が形成され、平板部を厚み方向に貫通する貫通導体4を介して金属層5が互いに電気的に接続されている。
このような発光素子搭載用基板9について、搭載部7に発光素子を搭載するとともに発光素子の電極をボンディングワイヤ等を介して搭載部7の金属層5に電気的に接続し、その後、枠部3の内側を透光性の樹脂材料で充填して発光素子を封止すれば発光装置が作製される。この発光装置について、平板部の下面の金属層5を外部電気回路にはんだや導電性接着剤等を介して電気的および機械的に接続し、外部電気回路から金属層5および貫通導体4を介して発光素子に電力を供給すれば発光素子が光電変換によって発光する。発光
素子で発生した光は、搭載部7に形成した金属層5に加えて枠部3の内側面に形成した金属層5によっても反射され、外部上側に向かって照射される。
このような発光装置は、街灯や車載ヘッドライト、一般照明等の各種の照明用や液晶TV等の表示用等に用いられる。
なお、本発明の発光素子搭載用基板の製造方法によれば、前述したように、上記工程によって枠部3の内側面を傾斜させるため、枠部3の外側面も内側面と同様に傾斜する。外側面は、内側面とは逆に内側、つまり搭載部7側に傾斜する。
この場合、枠部3の外側面は、その上部のみが傾斜する場合がある。これは、例えば図3に示すように、このような発光素子搭載用基板9となる基板領域を母基板(符号なし)に複数個配列し、この母基板の各基板領域の境界(破線で示す箇所)に沿って分割用の溝(符号なし)を形成する場合があることによる。なお、図3は、本発明の製造方法で製作した発光素子搭載用基板9の他の例を示す断面図である。図3において図2と同様の部位には同様の符号を付している。図3に示す例において、母基板を分割用の溝部分において破断させれば、複数の発光素子搭載用基板9に分割される。
このような場合には、隣り合う基板領域の間で枠部3(枠状に積層された絶縁層用ガラスセラミック材料)同士がつながる。そのため、個片の発光素子搭載用基板9においては、隣り合う枠部3同士がつながっている部分では枠部3の外側面が傾斜せず、分割溝が形成されている範囲(つまり上部)のみが傾斜する。
枠部3の内側面および外側面ともに傾斜した発光素子搭載用基板9の場合には、前述した効果に加えて、以下のような効果を得ることもできる。
すなわち、例えば図4に示すように、樹脂材料やガラス材料等の封止材8で発光素子(符号なし)が搭載された搭載部7(枠部3の内側)を封止するときに、発光素子搭載用基板9の搭載部7から枠部3の上面を越えて傾斜した外側面にかけて封止材8が接合する場合、封止材8の発光素子搭載用基板9に対する接合面積を、枠部3の外側面が垂直な平面である場合に比べて大きくすることができる。そのため、封止材8と発光素子搭載用基板9との接合強度をより大きくして、熱膨張差による封止材8の剥がれをより効果的に防止することができる。なお、図4(a)および(b)は、それぞれ、本発明の製造方法で製作した発光素子搭載用基板9を用いて作製した発光装置の一例である。図4において図1と同様の部分には同様の符号を付している。また、わかりやすくするために、封止材8にはハッチングを施していない。
したがって、この場合には、発光素子の封止の信頼性をより高くすることができる。なお、図4(a)は、封止材8が枠部3の外側面まで接合されている例であり、図4(b)は、封止材8が枠部3の外側面から平板部の側面にかけて、より広い面積で接合されている場合である。図4(a)に示す例の場合には、封止材8の張り出しの範囲を抑えて発光装置の小型化を図るときに、より有利である。図4(b)に示す例の場合には、封止材8の発光素子搭載用基板9に対する接合面積をより大きくして接合強度を高めるときに、より有利である。
封止材8を平板部の外側面にかけて封止することで、気密性をさらに向上させることができる。すなわち、平板部は焼結絶縁層1と焼結拘束層2とで構成されているので、平板部を構成する各層の外側面は凹状に湾曲しているため、この凹状の部分に封止材8が入り込むため、封止材8の接合強度がより向上する。
また、枠部3の内側面および外側面は、それぞれ、傾斜した平面ではなく凹状に湾曲した面であってもよい。枠部3の内側面が凹状に湾曲している場合には、反射された光の指向性を高くすることができる。
本発明の発光素子搭載用基板の製造方法によれば、このような形状の枠部3を形成することも可能である。つまり、枠部3(枠状シート13)の下面と平板部の上面(拘束層12)の接合面積(枠部3の幅)と枠部3の高さを適宜設定することで、所望の凹状の湾曲形状にすることが可能である。
例えば、拘束層12による枠状シート13に対する焼成時の横方向への収縮を抑制する効果は、拘束層12から離れるに従って(枠状シート13の上側に近付くほど)、加速度的に低くなる傾向がある。そのため、側面の縦断面を2次曲線状にすることが容易である。したがって、枠部3の内側面を、凹状に湾曲した面とすることができる。
この場合、枠部3(枠状シート13)と平板部(平板状積層体の最上層の拘束層12)との接合面積に比べて枠部3の高さが高いほど、枠部3の内側面が湾曲しやすくなる。また、例えば、枠部3の幅を大きくするほど、枠部3の内側面を大きく湾曲させることができ、枠部3の高さを低くするほど枠部3の内側面を大きく湾曲させることができる。
また、本発明の発光素子搭載用基板の製造方法において、前述したように、このような発光素子搭載用基板9となる基板領域を母基板に複数個配列して、いわゆる多数個取りの形態で発光素子搭載用基板9を製作するようにしてもよい。
多数個取りの形態で発光素子搭載用基板9を製作する場合の一例を図5(a)〜(c)に示す。なお、図5(a)〜(c)は、それぞれ本発明の発光素子搭載用基板の製造法の他の例を工程順に示す断面図である。図5において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
以下の例では、絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料をともにセラミックグリーンシートに成形して積層する場合を例に挙げて説明する。また、各工程は基本的には上記個片の場合(図1等に示す例)と同様であり、この同様の点についての説明は省略する。
まず、図5(a)に示すように、絶縁層11と拘束層12とを積層して、拘束層12が最上面(枠部3が積層される面)に積層されるように平板状積層体を作製するとともに、枠状シート13を準備する。絶縁層11および拘束層12は、上記と同様に絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料を用いて形成することができる。枠状シート13も、上記と同様の材料を用いて準備することができる。この場合、複数の貫通孔を、絶縁層用ガラスセラミック材料を用いて作製したセラミックグリーンシートに形成すればよい。
次に、図5(b)に示すように、枠状シート13を平板状積層体の上面に積層する。積層の際には、平板状積層体の上面に配置した複数の搭載部となる領域17のそれぞれが、枠状シート13の貫通孔内に位置するように位置合わせする。
そして、この積層体を焼成すれば、図5(d)に示すように発光素子搭載用基板9を多数個取りの形態で製作することができる。この多数個取りの形態の発光素子搭載用基板9について、個片に分割すれば、複数の発光素子搭載用基板9を製作することができる。なお、個片の発光素子搭載用基板9への分割は、発光素子(図5では図示せず)を搭載した後に行なってもよいし、さらに搭載した発光素子を上記のような封止材(図5では図示せ
ず)で封止した後に行なうようにしてもよい。
この場合、分割溝を設けておけば、前述したように各発光素子搭載用基板9の枠部3の外側面も傾斜する。また、分割溝を設けておかなければ、各発光素子搭載用基板の枠部3の外側面は垂直な平面(上下面に対して直交する平面)になる。各基板領域における枠部3が、内側に傾斜した内側部と、隣接した基板領域の境界で分割した垂直面で構成されるようにした場合には、母基板上により多くの基板領域を確保することが可能となる。分割溝を形成しない場合には、母基板の分割は、例えばダイシング加工で行なう。
なお、多数個取りの形態で発光素子搭載用基板9を製作するとき、発光素子搭載用基板9となる領域の境界に分割溝を設ける場合には、図3に示した例よりも分割溝を深くして、平板部にまで達するような深さで設けるようにしてもよい。
図6(a)〜(c)は、それぞれこのように深い分割溝を形成した場合の発光素子搭載用基板の製造方法の一例を示す断面図である。図6において図1および図5と同様の部位には同様の符号を付している。
図6(a)は、セラミックグリーンシートの積層体に分割溝を形成する工程を示す。分割溝は、枠状シート13を厚み方向に貫通し、さらに平板状積層体の最上層の拘束層12も貫通して、その下の絶縁層11にまで達している。分割溝を深くした場合には、焼成後、個片の発光素子搭載用基板9への分割がより容易になる。
図6(b)は、上記の積層体を焼成した工程後の状態である。焼成の際に、隣り合う発光素子搭載用基板9となる領域の間で互いにつながっていない部分(例えば、上から最上層の拘束層12や上側の絶縁層11)では、分割溝内に露出している側面が、この側面の上下方向の中間部分が凹むように湾曲する。
この多数個取りの形態の発光素子搭載用基板9を、発光素子の搭載や封止材8による封止を行なった後、分割溝を形成した位置において破断させて個片に分割すれば、複数の発光素子搭載用基板9または発光装置を製作することができる。発光素子の搭載および封止材8による封止は、個片の発光素子搭載用基板9に分割した後に行なうようにしてもよい。
図6(c)に示すような発光素子搭載用基板9は、上記のように絶縁層11と拘束層12との拘束の効果に応じて分割溝内に露出していた側面がそれぞれに湾曲し、凹凸が比較的大きい。そのため、封止材8を、枠部3の上面を越えて枠部3の外側面(さらに平板部の側面)まで覆うようなものとしたときに、この封止材8が枠部3の外側面や平板部の側面の凹凸部分にかみこみ、いわゆるアンカー効果によって封止材8の発光素子搭載用基板9に対する接合強度をより効果的に高めることができる。
また、多数個取りの形態の発光素子搭載用基板9について、発光素子の搭載および封止材8による封止を行なった後にダイシング加工で個片に分割する場合には、ダイシング時に、複雑に凹凸になった側面に封止材8がかみ込んでいるので、ダイシングブレードとの接触やダイシング加工に伴う応力によって封止材8が枠部3の外側面から剥がれるようなことも抑制できる。
なお、多数個取りの形態で発光素子搭載用基板9を製作する場合に、個片への分割をダイシング加工で行なうのであれば分割溝は必ずしも必要ではない。しかし、このような分割溝を設けておくと、ダイシング加工時のダイシングブレードの位置決めを容易とすることや、ダイシングすべきセラミック材料(平板部や枠部3)の厚みを薄くしてダイシング
加工自体をしやすくすること等の効果を得ることができる。加えて、上記のように発光素子搭載用基板9の外側面に凹凸を形成して封止材8の接合を補強する効果も得られる。
上記発光素子搭載用基板の製造方法において、平板状積層体の上面に枠状に積層する絶縁層用ガラスセラミック材料内に、拘束層用ガラスセラミック材料を層状に配置する工程をさらに含んでいてもよい。
すなわち、例えば図7(a)に示すように、平板状積層体の上面に絶縁層用ガラスセラミック材料を枠状に積層する際に、絶縁層用ガラスセラミック材料を2回以上に分けて積層して複数の枠状シート13を形成し、その層間に拘束層用ガラスセラミック材料を層状に(つまり枠状の拘束層12を)配置するようにしてもよい。その後、この積層体を焼成すれば、例えば図7(b)に示すような、枠部3の上部のみが傾斜した発光素子搭載用基板9を作製することができる。なお、図7(a)および(b)は、それぞれ本発明の発光素子搭載用基板の製造方法の他の例を工程順に示す断面図である。図7において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
枠状の拘束層12を形成する拘束層用ガラスセラミック材料としては、平板状積層体の拘束層12を形成する拘束層用ガラスセラミック材料と同様の材料(ホウケイ酸系ガラスやリチウムケイ酸系ガラス等のガラス成分と酸化アルミニウムや酸化カルシウム等のセラミック成分とを主成分とするガラスセラミック材料等)を用いることができる。
この枠状の拘束層12(枠状に積層する拘束層用ガラスセラミック材料)は、平板状積層体における拘束層12と同様に、セラミックグリーンシートに成形して積層することができ、また、拘束用ペーストとして積層することもできる。
なお、枠状の絶縁層用ガラスセラミック材料の最上面に拘束層用ガラスセラミック材料を層状に積層すると、枠部3全体の平面方向の収縮が抑制されるため、枠部3の内側面を傾斜させることができなくなる。そのため、拘束層ガラスセラミック材料は、枠状の絶縁層用ガラスセラミック材料の内部に、つまり枠状シート13同士の層間に配置する必要がある。
枠状シート13の層間に配置する枠状の拘束層12は、例えば平板状積層体内に積層された拘束層12の厚みと同じ程度に設定すればよい。また、枠状の拘束層12は、1層に限らず、2層以上が配置されていてもよい。
また、枠状のガラスセラミック材料内における拘束層用ガラスセラミック材料の配置の位置(枠部3の厚み方向における位置)は、枠部3のうち内側面を傾斜させようとする範囲や枠状シート13の厚み等に応じて、適宜設定すればよい。
なお、枠部3の内側面のうち上部のみを傾斜させた発光素子搭載用基板9は、例えば搭載部7にサブマウント(ペルチェ素子等)(図示せず)を介して発光素子を搭載する場合に、その発光素子の発光部分と反射面としての枠部3の内側面の傾斜させた部分とを対応させるような用途に使用してもよい。
また、上記発光素子搭載用基板の製造方法において、平板状積層体の上面に枠状に積層する絶縁層用ガラスセラミック材料の焼成による収縮率を、下部よりも上部において大きくするようにしてもよい。
この場合には、絶縁層用ガラスセラミック材料により形成される枠状の絶縁層11の焼成時の収縮を、平板状積層体の上面に積層した枠状の部分の上部において下部よりも大きく
することができる。そのため、焼成後の発光素子搭載用基板9について、枠部3の内側面の傾斜をより大きく(より外側に開いた形状に)することができる。
なお、平板状積層体の上面に枠状に積層する絶縁層用ガラスセラミック材料について、その焼成時の収縮率を上記のように下部よりも上部において大きくするのは、枠状の絶縁層11内に拘束層12を配置した場合であってもよく、配置していない場合であってもよい。いずれの場合においても、枠部3の内側面の傾斜を大きくすることができる。
平板状積層体の上面に枠状に積層する絶縁層用ガラスセラミック材料の焼成による収縮率を、下部よりも上部において大きくするには、例えば、上部において下部よりも絶縁層用ガラスセラミック材料のガラス成分の割合を大きくすればよい。また、セラミック粒子径を上部において下部よりも小さくしてもよい。
1・・・焼結絶縁層
2・・・焼結拘束層
3・・・枠部
4・・・貫通導体
5・・・金属層
7・・・搭載部
8・・・封止材
9・・・発光素子搭載用基板
11・・・絶縁層
12・・・拘束層
13・・・枠状シート
14・・・貫通導体用の金属ペースト
15・・・金属ペースト
17・・・搭載部となる領域

Claims (2)

  1. 上面に発光素子が搭載される搭載部を備える平板部と、該平板部の前記上面に前記搭載部を囲むように積層された枠部とを備え、該枠部の内側面が下部から上部に向かって外側に広がるように傾斜している発光素子搭載用基板の製造方法であって、
    互いに焼結温度が異なる絶縁層用ガラスセラミック材料および拘束層用ガラスセラミック材料を準備する工程と、
    前記絶縁層用ガラスセラミック材料および前記拘束層用ガラスセラミック材料を、それぞれ平板状に形成するとともに積層して、前記絶縁層用ガラスセラミック材料前記拘束層用ガラスセラミック材料とが交互に、最上層が前記拘束層用ガラスセラミック材料となるように積層された平板状積層体を作製する工程と、
    該平板状積層体の上面に発光素子の搭載部となる領域を設けるとともに、前記絶縁層用ガラスセラミック材料を前記平板状積層体の上面に、前記搭載部となる領域を取り囲む枠状に積層して積層体を作製し、該積層体を焼成する工程とを備えており、
    前記平板状積層体の上面に枠状に積層する前記絶縁層用ガラスセラミック材料の焼成による収縮率を、下部よりも上部において大きくすることを特徴とする発光素子搭載用基板の製造方法。
  2. 前記平板状積層体の上面に枠状に積層する前記絶縁層用ガラスセラミック材料内に、前記拘束層用ガラスセラミック材料を層状に配置する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の発光素子搭載用基板の製造方法。
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