JP5693248B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(有機電子写真感光体)は、成膜性が良く、塗工によって生産できるため、生産性が高く、安価な電子写真感光体を提供できるという利点を有しており、これまで幅広い検討がなされてきた。その中でも、電子写真感光体の長寿命化や高画質化を目的とした電子写真感光体の表面の機械的強度(耐傷性など)の改良は、現在まで多くの検討がなされている。
特許文献1には、電子写真感光体の表面層の樹脂(結着樹脂)として、アクリル樹脂などの硬化性樹脂を採用する技術が開示されている。硬化性樹脂を表面層の樹脂に用いた電子写真感光体は、その表面の耐傷性の高さから、繰り返し使用に対する高い耐久性が求められる電子写真装置(高速複写機など)で使用されている。
特開2000−066424号公報
近年、電子写真装置に要求される繰り返し使用に対する耐久性のレベルはますます高まってきており、そのような要求に対して、従来の硬化性樹脂を表面層の樹脂に用いた電子写真感光体の表面の耐傷性は、十分であるとはいえないのが実情である。
本発明の目的は、耐傷性が高い電子写真感光体およびその製造方法、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、
重合性官能基を有する化合物を重合させて得られる硬化性樹脂、および
下記式(1)〜(4)のいずれかで示される化合物を含有し、
該重合性官能基を有する化合物が、
二重結合C=Cを1個のみ有する化合物、
二重結合C=Cを1個のみ有し、ハロゲンX(XはF、Cl、BrまたはI)を有する化合物、
二重結合C=Cを2個以上有する化合物、
三重結合C≡Cを1個以上有する化合物、
C=C−Ar(Arは芳香環または芳香族複素環)の構造を有する化合物、
ビニル基C=C−を有する化合物、及び、
C=C−CO−Z(ZはO、SまたはN)あるいはC=C−CN構造を有する化合物
からなる群から選択されるいずれかの化合物であることを特徴とする電子写真感光体である。
Figure 0005693248
(式(1)〜(3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、メチル基、または、エチル基を示す。)
また、本発明は、支持体、該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、
重合性官能基を有する化合物、および上記式(1)〜(4)のいずれかで示される化合物を含有する表面層用塗布液を用いて塗布膜を形成し、該塗布膜を、重合開始剤を用いて光または熱によって硬化させる、あるいは放射線を用いて硬化させることによって表面層を形成する工程を有し、
該重合性官能基を有する化合物が、
二重結合C=Cを1個のみ有する化合物、
二重結合C=Cを1個のみ有し、ハロゲンX(XはF、Cl、BrまたはI)を有する化合物、
二重結合C=Cを2個以上有する化合物、
三重結合C≡Cを1個以上有する化合物、
C=C−Ar(Arは芳香環または芳香族複素環)の構造を有する化合物、
ビニル基C=C−を有する化合物、及び、
C=C−CO−Z(ZはO、SまたはN)あるいはC=C−CN構造を有する化合物
からなる群から選択されるいずれかの化合物であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、耐傷性が高い電子写真感光体およびその製造方法、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
電子写真感光体は、一般的に、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。
本発明において、電子写真感光体の感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であってもよいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層(図1(a)および(b))であってもよい。電子写真特性の観点からは、積層型感光層が好ましい。図1中、101は支持体であり、102は下引き層であり、103は電荷発生層であり、104は電荷輸送層であり、105は保護層である。
また、本発明において、電子写真感光体の表面層とは、最表面に位置する層を意味する。例えば、図1(a)に示す層構成の電子写真感光体の場合、電子写真感光体の表面層は電荷輸送層104である。また、図1(b)に示す層構成の電子写真感光体の場合、電子写真感光体の表面層は保護層105である。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体の表面層は、重合性官能基を有する化合物を重合させて得られる硬化性樹脂を含有する。重合性官能基を有する化合物を重合させる際には、必要に応じて重合開始剤を用いてもよい。また、重合性官能基を有する化合物の重合は、熱、光(紫外線など)または放射線(電子線など)を用いて行うことができる。これらの中でも、必ずしも重合開始剤を用いる必要のない、放射線を用いた重合が好ましく、電子線を用いた重合がより好ましい。また、電子線を用いて重合性官能基を有する化合物を重合させる場合、酸素による重合阻害作用を取り除く目的で、不活性ガス雰囲気で電子線を照射した後、不活性ガス雰囲気で加熱することが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴンなどが挙げられる。
本発明において、電子写真感光体の表面層は、さらに、下記式(1)〜(4)のいずれかで示される化合物を含有する。下記式(1)〜(4)のいずれかで示される化合物は、脂環式アミン化合物の一種であり、以下「本発明に係る脂環式アミン化合物」ともいう。
Figure 0005693248
上記式(1)〜(3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、メチル基、または、エチル基を示す。式(1)〜(3)中のR〜Rが炭素数3以上の基である場合や、式(4)中のメチル基が炭素数2以上の基である場合、本発明の効果は得られない。
表面層用塗布液中の本発明に係る脂環式アミン化合物の含有量は、耐傷性を高める観点から、表面層用塗布液中の重合性官能基を有する化合物および本発明に係る脂環式アミン化合物の合計の含有量に対して0.5質量%以上であることが好ましい。一方、電気特性の悪化を抑える観点から、表面層用塗布液中の重合性官能基を有する化合物および本発明に係る脂環式アミン化合物の合計の含有量に対して10質量%以下であることが好ましい。すなわち、表面層用塗布液中の本発明に係る脂環式アミン化合物の含有量は、表面層用塗布液中の重合性官能基を有する化合物および本発明に係る脂環式アミン化合物の合計の含有量に対して0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましい。電子写真感光体の表面層には、本発明に係る脂環式アミン化合物を1種のみを含有させてもよく、2種以上を含有させてもよい。電子写真感光体の表面層に本発明に係る脂環式アミン化合物を2種以上含有させる場合、上記含有量は、2種以上の脂環式アミン化合物の合計の含有量である。
また、表面層用塗布液中の重合性官能基を有する化合物および本発明に係る脂環式アミン化合物の合計の含有量は、耐傷性を高める観点から、表面層用塗布液中の固形分の合計の含有量に対して80質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
以下に、本発明に係る脂環式アミン化合物を具体的に挙げる。
Figure 0005693248
また、本発明の電子写真感光体の表面層に用いられる重合性官能基を有する化合物とは、重合させることで硬化性樹脂を形成できる化合物である。具体的には、例えば、オレフィン化合物(二重結合C=Cを1個のみ有する化合物。)や、ハロゲン化オレフィン化合物(二重結合C=Cを1個のみ有し、ハロゲンX(XはF、Cl、BrまたはI)を有する化合物。)や、ジエン化合物(二重結合C=Cを2個以上有する化合物。)や、アセチレン化合物(三重結合C≡Cを1個以上有する化合物。)や、スチレン化合物(C=C−Ar(Arは芳香環または芳香族複素環)の構造を有する化合物。)や、ビニル化合物(ビニル基C=C−を有する化合物。)、アクリル酸化合物(C=C−CO−Z(ZはO、SまたはN)あるいはC=C−CN構造を有する化合物。)や、環状エーテル化合物(環に−O−結合を有する環状化合物。)や、ラクトン化合物(環に−CO−O−結合を有する環状化合物。)や、ラクタム化合物(環に−NH−CO−結合を有する環状化合物。)や、環状アミン化合物(環に−NH−結合を有する環状化合物。)や、環状スルフィド化合物(環にS原子を有する環状化合物。)や、環状カーボナート化合物(環に−O−CO−O−結合を有する環状化合物。)や、環状酸無水物(環に−CO−O−CO−結合を有する環状化合物。)や、環状イミノエーテル化合物(環に−N=C−O−結合を有する環状化合物。)や、アミノ酸−N−カルボン酸無水物(環に−O−CO−N=C−CO−結合を有する環状化合物。)や、環状イミド化合物(環に−CO−NH−CO−結合、−NH−CO−O−結合または−NH−CO−NH−結合を有する環状化合物。)や、環状含リン化合物(環にP原子を有する環状化合物。)や、環状含シリコン化合物(環にSi原子を有する環状化合物。)や、環状オレフィン化合物(環が炭素または炭素多重結合からなる環状化合物。)や、フェノール化合物(芳香族ヒドロキシル構造を有する化合物。)や、メラミン・尿素化合物(メラミン類または尿素誘導体。)や、ジアミン化合物(ジアミン誘導体、ポリアミンも含む。)や、ジカルボン酸類化合物(ジカルボン酸(エステル)誘導体。)や、オキシカルボン酸化合物(オキシカルボン酸(エステル)誘導体。)や、アミノカルボン酸化合物(アミノカルボン酸(エステル)誘導体。)や、ジオール化合物(フリーOH基を2基以上有するポリオール。)や、ジイソシアナート化合物(イソ(チオ)シアナート誘導体。)や、含硫黄化合物(含硫黄(S)モノマー類。)や、含リン化合物(含リン(P)モノマー類。)や、芳香族エーテル化合物(芳香族炭化水素基同士が酸素で結合された化合物。)や、ジハロゲン化合物(酸ハライド以外の炭素−ハロゲン結合を複数有する化合物。)や、アルデヒド化合物(アルデヒド基を有する化合物。)や、ジケトン化合物や、炭酸誘導体化合物や、アニリン誘導体化合物や、ケイ素化合物などが挙げられる。
また、上記重合性官能基を有する化合物は、電気特性の観点から、分子中に電荷輸送性構造を有している化合物であることが好ましい。電荷輸送性構造としては、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの構造が挙げられる。
また、上記重合性官能基は、重合効率の観点から、アクリル基(アクリロイルオキシ基:CH=CHCOO−)またはメタクリル基(メタクリロイルオキシ基:CH=C(CH)COO−)であることが好ましい。
さらには、電子写真感光体の表面層に十分な3次元網目構造を形成する観点から、上記重合性官能基を有する化合物は、2つ以上の重合性官能基を有する電荷輸送性化合物であることが好ましい。
さらには、上記重合性官能基を有する化合物は、下記式(5)で示される化合物であることが好ましい。下記式(5)で示される化合物は、重合効率のよいモノアミン構造を有している。また、重合性官能基数が過剰になると表面層の内部応力が高まる傾向にあるが、下記式(5)で示される化合物は、重合性官能基数が抑えられた構造となっている。上記重合性官能基を有する化合物として、下記式(5)で示される化合物を用いることによって、耐傷性に加えて、耐摩耗性を高めることができる。
Figure 0005693248
上記式(5)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または、メチル基を示す。Arは、フェニル基、または、メチル基で置換されたフェニル基を示す。mおよびnは、それぞれ独立に、0〜5の整数である。メチル基で置換されたフェニル基としては、例えば、トリル基、キシリル基などが挙げられる。これらの中でも、キシリル基が好ましく、3,4−キシリル基がより好ましい。また、RおよびRは、同一の基であることが好ましい。また、mおよびnは、3であることが好ましい。また、mおよびnは、同一であることが好ましい。
以下に、上記式(5)で示される化合物の具体例を挙げる。
Figure 0005693248
Figure 0005693248
上記重合性官能基を有する化合物は、硬化性樹脂を含有する表面層を形成する際に、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
電子写真感光体の支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよく、例えば、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属製の支持体や、表面に導電性皮膜を設けた金属、プラスチック、紙製の支持体などが挙げられる。また、支持体の形状としては、例えば、円筒状、フィルム状などが挙げられる。これらの中でも、円筒状のアルミニウム製の支持体が、機械強度、電子写真特性およびコストの点で優れている。また、素管のまま支持体として用いてもよいが、素管の表面に対して切削、ホーニングなどの物理処理や、陽極酸化処理や、酸などを用いた化学処理などを施したものを支持体として用いてよい。素管に対して切削、ホーニングなどの物理処理を行うことにより、表面粗さをRz値で0.1μm以上3.0μm以下に処理した支持体は、優れた干渉縞抑制機能を有している。
支持体と感光層または後述の下引き層との間には、必要に応じて、導電層(図1中不図示)を設けることもできる。導電層は、支持体自体に干渉縞抑制機能を持たせた場合は必ずしも必要ではないが、素管のまま支持体として用い、これの上に導電層を形成することにより、簡便な方法により干渉縞抑制機能を付与することができる。このため、生産性、コストの面から非常に有用である。導電層は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、硫酸バリウムなどの無機粒子をフェノール樹脂などの硬化性樹脂とともに適当な溶剤に分散し、必要に応じて粗し粒子を加えて導電層用塗布液を調製し、これを支持体上に塗布した後、この塗布膜を加熱して乾燥させることによって形成することができる。導電層の膜厚は、干渉縞抑制機能、支持体上の欠陥の被覆といった観点から、10μm以上30μm以下であることが好ましい。
支持体または導電層の上には、支持体との密着性確保、感光層の電気的破壊の保護、感光層のキャリア注入性の改良などの目的のために、下引き層を設けてもよい。
下引き層は、樹脂を溶剤に溶解させて得られる下引き層用塗布液を塗布し、この塗布膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。
支持体、導電層または下引き層の上には感光層が設けられる。
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾなどのアゾ顔料や、ガリウムフタロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、ペリレン顔料などが挙げられる。これらの中でも、環境変動時の特性安定性の観点から、ガリウムフタロシアニンが好ましい。さらには、高感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および2θ=28.2°±0.3°の位置に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層の結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの絶縁性樹脂が挙げられる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルポレンなどの有機光導電性ポリマーを用いることもできる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生物質および必要に応じて結着樹脂を含有する電荷発生層用塗布液を塗布し、この塗布膜を乾燥させることによって形成することができる。電荷発生層用塗布液は、電荷発生物質だけを溶剤に加えて分散処理した後に結着樹脂を加えて調製してもよいし、電荷発生物質と結着樹脂を一緒に溶剤に加えて分散処理して調製してもよい。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層の結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの絶縁性樹脂が挙げられる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルポレンなどの有機光導電性ポリマーを用いることもできる。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および必要に応じて結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、この塗布膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の表面層の構成は、上述のとおりである。さらに、表面層には、導電性粒子、紫外線吸収剤、耐摩耗性改良剤などを含有させてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化スズ粒子などの金属酸化物が挙げられる。耐摩耗性改良剤としては、例えば、フッ素原子含有樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子などが挙げられる。
表面層の膜厚は、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。
表面層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、メチラール、テトラヒドロフラン、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、4−メチルモルホリン、N,N‘−ジメチルシクロヘキシルアミン、メチルセロソルブ、メトキシプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
電子写真感光体の層構成が図1(a)に示す層構成である場合、電荷発生層の上に電荷輸送能を持たせた上記表面層が形成され、図1(b)に示す層構成である場合、電荷輸送層の上に上記表面層が形成される。
また、上記各層を形成する際は、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図2に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5内に収容されたトナーで正規現像または反転現像によりトナー像として顕画化される。電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像は、転写手段6により転写材7に順次転写されていく。ここで、転写材7は、不図示の給紙部から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写手段は、一次転写部材、中間転写体および二次転写部材を有する中間転写方式の転写手段であってもよい。
トナー像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体の表面から分離され、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーなどの付着物の除去を受けて清浄面化される。転写残りトナーを現像器などで回収することもできる。さらに、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとしてもよい。また、該プロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に装着する構成であってもよい。例えば、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9からなる群より選択される少なくとも1つの手段を電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらのみに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〔実施例1〕
支持体として、外径30.4mmのアルミニウムシリンダー(引き抜き管)を用いた。
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆されている酸化チタン粒子50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部、および、シリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量:3000)0.002部を、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置に入れ、2時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの導電層を形成した。
次に、ナイロン6−66−610−12四元ナイロン共重合体樹脂(商品名:CM8000、東レ(株)製)2.5部およびN−メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス製)7.5部を、メタノール100部およびブタノール90部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を上記導電層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.85μmの下引き層を形成した。
次に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部をシクロヘキサノン130部に溶解させた液に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)11部を添加した。これに直径1mmのガラスビーズ500部を加えて、18℃の冷却水で冷却しつつ1800rpmの条件でさらに2時間分散処理した。分散処理が終了した液に酢酸エチル300部およびシクロヘキサノン160部を加えて希釈して、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を上記下引き層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.14μmの電荷発生層を形成した。なお、上記電荷発生層用塗布液中のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径(メジアン)を、液相沈降法を基本原理とした堀場製作所製の遠心式粒度測定装置(CAPA700)を用いて測定したところ、0.10μmであった。
次に、下記式(6)で示される化合物(電荷輸送物質)5部、
Figure 0005693248
下記式(7)で示される化合物(電荷輸送物質)5部、
Figure 0005693248
および、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン70部およびジメトキシメタン30部の混合溶剤に溶解させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、上記式(5−1)で示される化合物47.5部および上記式(1−1)で示される化合物2.5部を、n−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)25部を加えることによって、保護層用塗布液(表面層用塗布液)を調製した。この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布して、これを5分間50℃で加熱処理した。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧80kV、吸収線量19000Gyの条件で1.5秒間電子線を照射した。引き続き、窒素雰囲気下にて、30秒間100℃で加熱処理を行った。なお、電子線の照射から30秒間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、20分間90℃で加熱処理を行うことによって、膜厚が5.0μmの保護層(第二電荷輸送層)を形成した。
このようにして、支持体、導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有し、保護層が表面層である電子写真感光体1を作製(製造)した。
保護層中の上記式(1−1)で示される化合物の含有量を、次のようにして確認した。すなわち、パーキンエルマージャパン(株)製TurboMatrixATDにより加熱脱着法で目的物を捕集したのち、サーモエレクトロン(株)社製Finnigan Trace GCとFinnigan Trace DSQによるガスクロマトグラフ質量分析を行うことで、保護層中の上記式(1−1)で示される化合物を定量した。電子写真感光体1の保護層中の上記式(1−1)で示される化合物の含有量は、保護層全質量に対して5質量%であった。この値は、保護層用塗布液中の固形分の合計の含有量に対する上記式(1−1)で示される化合物の含有量の割合(2.5部/(47.5部+2.5部)×100=5[質量%])と一致していた。以下の例も同様である。
〔実施例2〜4〕
実施例1において、保護層用塗布液(表面層用塗布液)の調製に用いた上記式(5−1)で示される化合物および上記式(1−1)で示される化合物の量を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体2〜4を作製した。
〔実施例5〕
実施例1において、保護層用塗布液(表面層用塗布液)の調製を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体5を作製した。
・保護層用塗布液の調製
上記式(5−1)で示される化合物37.5部、上記式(1−1)で示される化合物2.5部、および、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子(商品名:ルブロンL2、ダイキン(株)製)10部、ならびに、n−プロパノール25部、および、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)25部を超高圧分散機に入れ、分散処理することによって、保護層用塗布液を調製した。
〔実施例6〜12〕
実施例1において、保護層用塗布液(表面層用塗布液)の調製に用いた上記式(1−1)で示される化合物または上記式(5−1)で示される化合物を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体6〜12を作製した。
〔実施例13〕
実施例1と同様にして、支持体上に導電層、下引き層、電荷発生層および電荷輸送層をこの順に形成した。
次に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:DPHA、ダイセル・サイテック(株)製)(重合性官能基であるアクリル基を有し、電荷輸送性構造を有さない化合物)23部、下記式(10)で示される化合物(重合性官能基であるアクリル基を有し、電荷輸送性構造(トリアリールアミン構造)を有する化合物)22部、
Figure 0005693248
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)(光重合開始剤)2.5部、および、上記式(1−1)で示される化合物2.5部を、n−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)25部を加えることによって、保護層用塗布液(表面層用塗布液)を調製した。
この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布して、これを5分間50℃で加熱処理し、その後、メタルハライドランプを用いて、照射強度:500mW/cmの条件で20秒間光照射し、次いで30分間100℃で加熱処理を行うことによって、膜厚が4.8μmの保護層(第二電荷輸送層)を形成した。
このようにして、支持体、導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有し、保護層が表面層である電子写真感光体1を作製した。
〔実施例14〜19〕
実施例13において、保護層用塗布液(表面層用塗布液)の調製に用いた上記式(1−1)で示される化合物を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体14〜19を作製した。
Figure 0005693248
〔比較例1〕
実施例1において、保護層用塗布液(表面層用塗布液)の調製に用いた上記式(1−1)で示される化合物を用いず、上記式(5−1)で示される化合物の量を50部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体C1を作製した。
〔比較例2〕
実施例5において、保護層用塗布液(表面層用塗布液)の調製に用いた上記式(1−1)で示される化合物を用いず、上記式(5−1)で示される化合物の量を40部に変更した以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体C2を作製した。
〔比較例3〕
実施例1と同様にして、支持体上に導電層、下引き層および電荷発生層をこの順に形成した。
次に、上記式(6)で示される化合物(電荷輸送物質)5部、上記式(7)で示される化合物(電荷輸送物質)5部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)10部、および、上記式(1−1)で示される化合物1部を、モノクロロベンゼン70部およびジメトキシメタン30部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が17μmの電荷輸送層を形成した。
次に、上記式(5−1)で示される化合物(重合性官能基であるアクリル基を有し、電荷輸送性構造(トリアリールアミン構造)を有する化合物)50部を、n−プロパノール25部に溶解させ、さらに1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)25部を加えることによって、保護層用塗布液(表面層用塗布液)を調製した。
この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布して、これを5分間50℃で加熱処理した。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧80kV、吸収線量19000Gyの条件で1.5秒間電子線を照射した。引き続き、窒素雰囲気下にて、30秒間100℃で加熱処理を行った。なお、電子線の照射から30秒間の加熱処理までの酸素濃度は19ppmであった。次に、大気中において、20分間90℃で加熱処理を行うことによって、膜厚が4.8μmの保護層(第二電荷輸送層)を形成した。
このようにして、支持体、導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有し、保護層が表面層である電子写真感光体C3を作製した。
〔比較例4〜32〕
実施例1において、保護層用塗布液(表面層用塗布液)の調製に用いた上記式(1−1)で示される化合物を表2に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体C4〜8を作製した。
〔比較例33〕
実施例13において、保護層用塗布液(表面層用塗布液)の調製に用いた上記式(1−1)で示される化合物を用いなかった以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体C33を作製した。
〔比較例34〕
実施例1と同様にして、支持体上に導電層、下引き層および電荷発生層をこの順に形成した。
次に、上記式(6)で示される化合物(電荷輸送物質)5部、上記式(7)で示される化合物(電荷輸送物質)5部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)10部、および、上記式(1−1)で示される化合物1部を、モノクロロベンゼン70部およびジメトキシメタン30部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が17μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、支持体、導電層、下引き層、電荷発生層および電荷輸送層を有し、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体C34を作製した。
〔比較例35〕
比較例34において、電荷輸送層用塗布液の調製に用いた上記式(1−1)で示される化合物を用いなかった以外は、実施例34と同様にして電子写真感光体C35を作製した。
Figure 0005693248
表2中、式(B−1)〜(B−4)、(C−1)〜(C−24)は、それぞれ、下記式(B−1)〜(B−4)、(C−1)〜(C−24)で示される化合物であり、いずれも、脂環式アミン化合物の一種である。また、下記式(C−2)で示される化合物は、平均重合度p=14の重合体である。
Figure 0005693248
Figure 0005693248
Figure 0005693248
Figure 0005693248
〔評価〕
電子写真感光体1〜19およびC1〜C35を、キヤノン(株)製の電子写真方式の複写機(商品名:iR4570)に装着して、23℃/40%RHの環境で、暗部電位−750V、明部電位−160Vに設定して、20万枚の通紙耐久試験を行った。その際、通紙耐久試験前(初期)と1万枚通紙後に電位測定を行い、明部電位変動量(=1万枚通紙後の明部電位−初期の明部電位)の大きさを確認した。また、5万枚通紙後の電子写真感光体の表面層の摩耗量(μm)を確認した。さらに、目視にて、1万枚ごとの、電子写真感光体の表面の傷の発生に起因する画像欠陥(傷画像)の有無を確認した。結果を表3および4に示す。
Figure 0005693248
Figure 0005693248

比較例34および35では、表面層の摩耗量が大きすぎて5万枚通紙まで至らず、通紙耐久試験を途中で中止した。
101 支持体
102 下引き層
103 電荷発生層
104 電荷輸送層
105 保護層
106 感光層
107 表面層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (10)

  1. 支持体、該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
    該電子写真感光体の表面層が、
    重合性官能基を有する化合物を重合させて得られる硬化性樹脂、および
    下記式(1)〜(4)のいずれかで示される化合物
    を含有し、
    該重合性官能基を有する化合物が、
    二重結合C=Cを1個のみ有する化合物、
    二重結合C=Cを1個のみ有し、ハロゲンX(XはF、Cl、BrまたはI)を有する化合物、
    二重結合C=Cを2個以上有する化合物、
    三重結合C≡Cを1個以上有する化合物、
    C=C−Ar(Arは芳香環または芳香族複素環)の構造を有する化合物、
    ビニル基C=C−を有する化合物、及び、
    C=C−CO−Z(ZはO、SまたはN)あるいはC=C−CN構造を有する化合物
    からなる群から選択されるいずれかの化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0005693248

    (式(1)〜(3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、メチル基、または、エチル基を示す。)
  2. 前記重合性官能基を有する化合物が、2つ以上の重合性官能基を有する化合物である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記重合性官能基を有する化合物が、下記式(5)で示される化合物である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
    Figure 0005693248

    (式(5)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または、メチル基を示す。Arは、フェニル基、または、メチル基で置換されたフェニル基を示す。mおよびnは、それぞれ独立に、0〜5の整数である。)
  4. 支持体、該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、
    重合性官能基を有する化合物、および下記式(1)〜(4)のいずれかで示される化合物を含有する表面層用塗布液を用いて塗布膜を形成し、該塗布膜を、重合開始剤を用いて光または熱によって硬化させる、あるいは放射線を用いて硬化させることによって表面層を形成する工程を有し、
    該重合性官能基を有する化合物が、
    二重結合C=Cを1個のみ有する化合物、
    二重結合C=Cを1個のみ有し、ハロゲンX(XはF、Cl、BrまたはI)を有する化合物、
    二重結合C=Cを2個以上有する化合物、
    三重結合C≡Cを1個以上有する化合物、
    C=C−Ar(Arは芳香環または芳香族複素環)の構造を有する化合物、
    ビニル基C=C−を有する化合物、及び、
    C=C−CO−Z(ZはO、SまたはN)あるいはC=C−CN構造を有する化合物
    からなる群から選択されるいずれかの化合物であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0005693248

    (式(1)〜(3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、メチル基、または、エチル基を示す。)
  5. 前記重合性官能基を有する化合物が、2つ以上の重合性官能基を有する化合物である請求項4に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記重合性官能基を有する化合物が、下記式(5)で示される化合物である請求項4または5に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Figure 0005693248

    (式(5)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または、メチル基を示す。Arは、フェニル基、または、メチル基で置換されたフェニル基を示す。mおよびnは、それぞれ独立に、0〜5の整数である。)
  7. 前記表面層用塗布液中の前記式(1)〜(4)のいずれかで示される化合物の含有量が、前記表面層用塗布液中の前記重合性官能基を有する化合物および前記式(1)〜(4)のいずれかで示される化合物の合計の含有量に対して0.5質量%以上10質量%以下である請求項4〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記塗布膜に放射線を照射することによって、前記重合性官能基を有する化合物を重合させ、前記塗布膜を硬化させる請求項4〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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