JP2001201875A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成装置

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JP2001201875A
JP2001201875A JP2000010585A JP2000010585A JP2001201875A JP 2001201875 A JP2001201875 A JP 2001201875A JP 2000010585 A JP2000010585 A JP 2000010585A JP 2000010585 A JP2000010585 A JP 2000010585A JP 2001201875 A JP2001201875 A JP 2001201875A
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Shinichi Hamaguchi
進一 濱口
Toyoko Shibata
豊子 芝田
Shingo Fujimoto
信吾 藤本
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電荷輸送物質との相溶性に優れ、繰
り返し使用による電位安定性が良好で、かつ減耗の少な
い耐久性に優れた樹脂層を有する電子写真感光体とその
製造方法、及び該電子写真感光体を用いた画像形成装置
を提供することにある。 【解決手段】 導電性支持体上に1層以上の樹脂層を有
する電子写真感光体において、該樹脂層の少なくとも一
層が活性水素を有する樹脂と、ジオール化合物と2官能
イソシアネート化合物の縮合化合物との架橋反応により
生成した樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電潜像を形成させ
るための電子写真感光体に関する。詳しくは繰り返し使
用による電位安定性が良好で、減耗の少ない耐久性に優
れた電子写真感光体とその製造方法、及び該電子写真感
光体を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、セレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、シリコン等の無機光導
電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体
が、広く用いられてきた。しかし、これらは感度、熱安
定性、耐湿性、耐久性等において必ずしも満足し得るも
のではなく、また一部の無機感光体では感光体中に有害
な物質を含むため、廃棄に際しての問題がある。
【0003】これら無機感光体の持つ欠点を克服する目
的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする感光層を
有する有機感光体の研究・開発が近年盛んに行われてい
る。特に電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に
それぞれ分担させた機能分離型の感光体は、それぞれの
材料を広い範囲から選択することができ、任意の性能を
有する感光体を比較的容易に作製し得ることから多くの
研究がなされており、一部実用に供されているものがあ
る。
【0004】このような有機感光体は、コロナ帯電、ト
ナー現像、紙への転写及びクリーニング処理等の電気
的、機械的外力が加えられるため、感光体の内部及び表
面において様々な性能の劣化現象が現れる。
【0005】具体的には帯電極で発生するオゾン、窒素
酸化物(NOX)等の放電生成物や露光時の紫外線等に
より画像ボケや帯電電位、感度の低下や残留電位の上昇
といった電位特性の変化、また現像、クリーニング時の
摩擦による減耗や傷の発生、転写紙からの紙粉やトナー
の付着(フィルミング)といったものから画像品質低下
が生じ、それらに対する耐久性が要求される。
【0006】特に現像、クリーニング時の摩擦による減
耗や傷の発生に対する技術的対策として感光体の膜強度
を向上するために架橋剤を用いて3次元架橋構造を形成
する事で、感光体の減耗を抑制することが検討されてい
る。例えば感光体表面層にポリウレタンプレポリマーと
イソシアネート架橋剤を熱架橋硬化させることで形成さ
れる3次元架橋構造を形成する方法である。しかしなが
ら通常のイソシアネート架橋剤では分子量の小さなジイ
ソシアネート架橋剤は蒸気圧の低さ、高い反応性等から
取り扱いには注意が必要であり、またアダクト変性やウ
レトンイミン変性等の市販変性品では繰り返しに伴う電
子写真特性の悪化などの問題が発生していた。また一般
にこれらの架橋剤から得られる塗膜は電荷輸送物質との
相溶性に劣り感光体設計に制約が大きいことが問題であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題点を鑑み、電荷輸送物質との相溶性に優れ、繰り返し
使用による電位安定性が良好で、かつ減耗の少ない耐久
性に優れた樹脂層を有する電子写真感光体とその製造方
法、及び該電子写真感光体を用いた画像形成装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
以下の手段において解決された。
【0009】1.導電性支持体上に1層以上の樹脂層を
有する電子写真感光体において、該樹脂層の少なくとも
一層が活性水素を有する樹脂と、ジオール化合物と2官
能イソシアネート化合物の縮合化合物との架橋反応によ
り生成した樹脂を含有することを特徴とする電子写真感
光体。
【0010】2.導電性支持体上に1層以上の樹脂層を
有する電子写真感光体において、該感光体の表面層が活
性水素を有する樹脂と、ジオール化合物と2官能イソシ
アネート化合物の縮合化合物との架橋反応により生成し
た樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0011】3.前記表面層に電荷輸送物質を含んでい
ることを特徴とする前記2記載の電子写真感光体。
【0012】4.前記表面層に導電性粒子を含んでいる
ことを特徴とする前記2又は3に記載の電子写真感光
体。
【0013】5.前記活性水素を持つ樹脂が下記一般式
(A)の繰り返し単位を有することを特徴とする前記1
〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0014】
【化2】
【0015】一般式(A)中、R1〜R8は各々独立に水
素原子、ハロゲン原子、メチル、エチル等のアルキル
基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基またはフェニ
ル等のアリール基を示す。R9、R10は各々独立に水素
原子、メチル、エチル等のアルキル基またはフェニル等
のアリール基を示す。またR9、R10が互いに結合して
環を形成しても良い。
【0016】6.導電性支持体上に電荷発生物質及び電
荷輸送物質の少なくとも一方を含有する1層以上の樹脂
層を有する電子写真感光体の製造方法において、該樹脂
層の少なくとも1層が活性水素を持つ樹脂と、ジオール
化合物と2官能イソシアネート化合物の縮合化合物とを
混合した塗布液組成物を調整し、該組成物を塗布後、加
熱乾燥することにより形成されることを特徴とする電子
写真感光体の製造方法。
【0017】7.前記活性水素を持つ樹脂が前記一般式
(A)の繰り返し単位を有することを特徴とする前記6
に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0018】8.前記1〜5のいずれか1項記載の電子
写真感光体を用い、少なくとも帯電、像露光、現像、ク
リーニングの工程を有し、反転現像法によって現像を行
う工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装
置。
【0019】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明の感光体の層構成は電荷発生物質と電荷輸送物質と
がバインダー樹脂中に分散された単層構成でもよく、ま
たバインダー樹脂中に電荷発生物質を含む電荷発生層と
バインダー樹脂中に電荷輸送物質を含む電荷輸送層が積
層された複数の樹脂層から形成された層構成でもよい。
また電荷発生層と電荷輸送層の上に保護機能を合わせ持
つ第二の電荷輸送層を設けてもよい。また必要に応じて
導電性支持体と感光層との間に中間層を設けてもよい。
【0020】これらの樹脂層のうち少なくとも一層に活
性水素を有する樹脂と、ジオール化合物と2官能イソシ
アネート化合物の縮合化合物との架橋反応により生成し
た樹脂が含有されていればよい。この樹脂層が表面層と
して用いられてもよい。
【0021】本発明の活性水素を含む樹脂としてはアク
リル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂等が使用することができる。ここで
本発明の活性水素とは水酸基又はアミノ基を形成してい
る水素原子を示し、これら活性水素を有する樹脂はその
水酸基、或いはアミノ基を有する部分で前記縮合化合物
との反応性が高く、この部分での架橋反応が起こりやす
い。さらに本発明で最も好ましく用いられる活性水素を
有する樹脂は前記一般式(A)で表される繰り返し単位
を含む樹脂であり、更に好ましくは前記一般式(A)で
表される繰り返し単位を必須成分として下記一般式
(B)及び一般式(C)で表される繰り返し単位の少な
くとも1種を含有する樹脂であることが好ましい。
【0022】
【化3】
【0023】一般式(B)、一般式(C)中、R1〜R8
は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、メチル、エチル
等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基
またはフェニル等のアリール基を示す。またR9、R10
は各々独立に水素原子、メチル、エチル等のアルキル基
またはフェニル等のアリール基を示す。またR9、R1 0
が互いに結合して環を形成しても良い。
【0024】一般式(B)中、X1はフッ素原子または
ケイ素原子を含有する有機残基を示す。X1の具体例と
しては例えばトリメチルシリル基、トリス(トリメチル
シリルオキシ)シリル基、トリス(トリメチルシリルオ
キシ)シリルプロピル基、11H−イコサフルオロデカ
ノイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、ウンデカフル
オロヘキサノイル基等が挙げられる。
【0025】一般式(C)中、X2は芳香族環を含有す
る基を示す。X2の具体例としては例えばベンゾイル
基、フェニルアセチル基、フェニルプロピオニル基、シ
ンナモイル基等が挙げられる。
【0026】前記一般式(A)で表される繰り返し単位
を必須成分として下記一般式(B)及び一般式(C)で
表される繰り返し単位の少なくとも1種を含有する樹脂
の組成比は一般式(A)繰り返し単位のモル分率は1〜
40%、一般式(B)繰り返し単位のモル分率は0〜4
0%、一般式(C)繰り返し単位のモル分率は0〜60
%が好ましく、特には一般式(A)繰り返し単位のモル
分率は1〜40%、一般式(B)繰り返し単位のモル分
率は5〜30%、一般式(C)繰り返し単位のモル分率
は10〜50%がより好ましい。
【0027】またこの樹脂の分子量は、一般式(A)、
一般式(B)及び一般式(C)で表される繰り返し単位
の合計重合度n=50〜200位、ポリスチレン換算の
数平均分子量Mnにて10,000〜50,000が好
ましく、特には20,000〜30,000が好まし
い。
【0028】以下に前記一般式(A)〜一般式(C)の
繰り返し単位(重合単位)の具体例について述べるがこ
れによって本発明の化合物が限定されるものではない。
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】本発明のジオール化合物と2官能イソシア
ネート化合物の縮合化合物を得るためには2価のイソシ
アネート化合物が用いられる。このイソシアネート化合
物の具体例としては、メチレンジフェニルジイソシアネ
ート、トルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレ
ンジシクロヘキシルジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ナフ
タレンジイソシアネート等、市販されている2官能のイ
ソシアネート化合物が挙げられる。硬化、塗布膜形成後
の劣化による変色のおそれのないヘキサメチレンジイソ
シアネート、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネー
ト、水添キシリレンジイソシアネート等の飽和炭化水素
系のイソシアネート化合物がより好ましい。
【0038】ジオール化合物としては分子量が500以
下でイソシアネートに活性な水酸基を2つもつ化合物が
好ましく、2つの水酸基が異なる種であっても構わな
い。また2種以上のジオール化合物を同時に使用しても
構わない。ジオール化合物の具体例として次のような化
合物があげられるが、これに限定されるものではない。
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,
2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタ
ンジオール、p−キシリレングリコール、1,4−ビス
(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサノン、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン、4,4′−ビフェノール、α,α′
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプ
ロピルベンゼン、4,4′−(1−αメチルベンジリデ
ン)ビスフェノール。
【0039】これらジオール化合物の中でバインダーと
の相溶性や、イソシアネートの反応性のよいフェノール
系ジオール化合物の使用がより好ましい。
【0040】本発明のジオール化合物と2官能イソシア
ネート化合物の縮合化合物は2官能のイソシアネート化
合物とジオール化合物を予め溶液中で反応させて形成さ
れる。該縮合化合物と活性水素を持つ樹脂とが塗布膜形
成後架橋反応を起こすことにより、3次元架橋構造体を
乾燥膜中に形成する。
【0041】前記縮合化合物はイソシアネート化合物と
ジオール化合物の溶液中での撹拌によって容易に作製で
きるが、場合によってはトリエチルアミン等の3級アミ
ンや有機金属化合物等の触媒を加えてもよい。イソシア
ネート化合物とジオール化合物の混合比率はジオール化
合物水酸基1に対してイソシアネート基が1.5〜3、
好ましくは2倍モル比であればよい。添加比が小さすぎ
ると樹脂との架橋反応がうまく進行せず、多すぎるとモ
ノマーイソシアネートが多く残り、残留モノマーイソシ
アネートが揮発したりして、溶液中での反応のコントロ
ールが難しくなる。生成した縮合化合物は2分子のイソ
シアネートと1分子のジオール化合物からなる架橋剤だ
けでなく、さらに、3分子のイソシアネートと2分子の
ジオール、4分子のイソシアネートと3分子のジオー
ル、等々からなる架橋剤の混合物である。
【0042】生成した前記縮合化合物は調液後速やかに
塗布液に混合され、塗布に供される事が望ましい。この
塗布液にはバインダーとして活性水素を有する樹脂の
他、必要に応じて電荷輸送物質、電荷発生物質、酸化防
止剤、その他添加物が入っていてもよく、また必要に応
じて塗布液を予め分散処理を行っておくことが望まし
い。
【0043】本発明の架橋樹脂の製造に用いられる水酸
基を有する樹脂と前記縮合化合物との割合は、該樹脂中
の水酸基の量によって決定される。一般には、樹脂中の
水酸基(OH基)1個に対して前記縮合化合物の反応点
1個が対応する為、樹脂中の前記OH基と、予め作製さ
れる前記縮合化合物の残留NCO基との比NCO/OH
比が0.1〜3であることが望ましく、0.5〜2であ
ることが更に望ましい。前記縮合化合物が少なすぎると
所望の機械的強度が得られず、また多すぎると帯電電
位、感度、残留電位等の電位特性が悪化する。
【0044】本発明の架橋樹脂の作製には水酸基を有す
る樹脂と前記縮合化合物との架橋反応の触媒として第3
級アミンまたは有機金属化合物が使用されることが望ま
しい。
【0045】第3級アミン触媒の具体例としてはトリエ
チレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、
テトラメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルプ
ロピレンジアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エー
テル、ジシクロヘキシルメチルアミン、メチレンビス
(ジメチルシクロヘキシル)アミン、トリエチルアミ
ン、ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、
4,4′−オキシジエチレンジモルホリン、N,N′−
ジエチルピペラジン、N−メチル−N′−ヒドロキシエ
チルピペラジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]ウンデセン等が挙げられる。
【0046】また有機金属化合物触媒の具体例としては
スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチン
ジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチ
ンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、
ジブチルチンマリエート等)、鉄、クロム、ニッケル、
亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸塩、アセチルアセトン錯
化合物等が挙げられる。
【0047】触媒の量としては樹脂100質量部に対し
0.01〜20質量部が好ましく、特には0.05〜5
質量部が好ましい。触媒の添加量が少ないと、架橋時間
の長時間化や、硬化不足による機械耐久性の低下を招き
やすく、また多すぎると、塗布液のポットライフ短縮や
電子写真感度の低下を招く。
【0048】本発明の感光体に用いられる電荷発生物質
としては公知のどのようなものでの使用できるが、例え
ば以下のようなものが挙げられる。即ち、種々のフタロ
シアニン化合物、A型、B型及びY型のチタニルフタロ
シアニン、X型及びτ型の無金属フタロシアニン、銅フ
タロシアニンに代表される他の金属フタロシアニン類、
ナフタロシアニン類、またこれら2種のフタロシアニン
の混晶が挙げられる。またアゾ化合物、ピリリウム化合
物、ペリレン系化合物、シアニン系化合物、スクアリウ
ム化合物、多環キノン化合物が挙げられる。
【0049】また本発明の感光体に用いられる電荷輸送
物質としては公知のどのようなものでも使用でき、例え
ばトリアリールアミン化合物、トリアリールアミンスチ
リル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物が挙
げられる。電荷輸送物質の具体例としては以下のような
ものが挙げられる。
【0050】
【化12】
【0051】
【化13】
【0052】
【化14】
【0053】
【化15】
【0054】
【化16】
【0055】
【化17】
【0056】
【化18】
【0057】
【化19】
【0058】本発明の架橋樹脂層には該層の抵抗制御を
するための導電性物質が含まれてることが好ましい。導
電性物質としては、無機、有機導電性化合物のいずれも
使用することができるが、好ましくは、アルミニウム、
銅、亜鉛、等の金属粉末または、スズ、亜鉛、アンチモ
ン、チタン、及びインジウム等の導電性を有する金属酸
化物の粉末である。金属酸化物は複合酸化物であっても
よく、また二種以上の酸化物の混合物であってもよい。
これら導電性物質の形状は該樹脂層に均一に分散できる
大きさであればよいが、具体的には、平均一次粒径が
0.5μm以下、好ましくは0.05μm以下、0.0
5μm以上であればよい。
【0059】本発明の感光体を構成する感光層、樹脂
層、表面層は、それぞれの調整した塗布液をアプリケー
ター、バーコーター、ディップコーター、円形スライド
ホッパー等の塗布機を用いて塗布、加熱乾燥・架橋して
形成することができる。
【0060】塗布液の調製に使用される溶媒としては、
例えばトルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンク
ロライド、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化
水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケト
ン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノ
ール、エタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソル
ブ等のアルコール類及びこの誘導体;テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエ
ーテル類;ピリジンやジエチルアミン等のアミン類;
N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;その他脂
肪酸及びフェノール類;二硫化炭素や燐酸トリエチル等
の硫黄、燐化合物等の1種又は2種以上を用いることが
できる。
【0061】前記塗布液を塗布して形成される本発明の
樹脂層、表面層の加熱乾燥条件は使用する溶剤種等の塗
布液組成物によって異なるが、およそ60〜160℃の
範囲で10分〜2時間の加熱が好ましく、より好ましく
は90〜110℃の範囲で10分〜2時間の加熱が好ま
しい。また必要に応じて加熱乾燥の後、架橋反応を完結
させるために室温〜60℃の範囲で3時間〜5日間程度
の加温を行っても良い。
【0062】本発明の感光体の層構成において、電荷発
生層はバインダー樹脂と電荷発生物質との割合がバイン
ダー樹脂100質量部に対し50質量部〜600質量部
が好ましい。また電荷輸送層はバインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10質量部以上〜150質量部未満が好ましい。
【0063】電荷輸送層が2層構成であり、上層が表面
層となる場合、上層の電荷輸送物質と下層の電荷輸送物
質が異なっていてもよい。また上層の電荷輸送物質と下
層の電荷輸送物質の各層バインダー樹脂に対する割合は
比率が変更されてもよい。このばあい下層の電荷輸送物
質の添加比率が上層の電荷輸送物質の添加比率よりも高
いほうが電気特性と機械的耐久性両方の面で好ましい。
【0064】また本発明の架橋樹脂を含有する樹脂層、
表面層以外の感光層には以下の樹脂が使用できる。例え
ばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化
ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂ならびに、これ
らの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合
体樹脂。またこれらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0065】また上記の樹脂を本発明の架橋樹脂を含有
する樹脂層、表面層に併用しても良い。
【0066】本発明の感光体を構成する導電性支持体と
しては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板・金属ド
ラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムな
どを蒸着したプラスチックフィルム、又は導電性物質を
塗布した紙・プラスチックフィルム・ドラムを使用する
ことができる。
【0067】本発明の感光体に用いられる中間層として
は、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂
ならびに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以
上を含む共重合体樹脂が挙げられる。またシランカップ
リング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を
熱硬化させた硬化性金属樹脂化合物が挙げられる。中間
層の膜厚は、0.01〜2μmが好ましい。
【0068】また本発明の感光体には、その他、感色性
補正の染料や酸化防止剤等の添加剤を添加しても良い。
【0069】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0070】図1は本発明の電子写真感光体を有する画
像形成装置の1例を示す断面図である。
【0071】図1に於いて10は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯
電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロ
ナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電
に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすため
に発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行
って感光体周面の除電をしてもよい。
【0072】感光体への一様帯電ののち像露光器13に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等
を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0073】その静電潜像は次いで現像器14で現像さ
れる。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキ
ャリアとから成る現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14
が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内
蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によ
って行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとし
てそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電
制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからな
るもので、現像剤は図示していない層形成手段によって
現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規
制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時
通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直
流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われ
る。
【0074】カラー画像形成に於いては、1色目の顕像
化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコ
ロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の
潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色
目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感
光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0075】一方モノクロの電子写真装置では現像器1
4は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成
することができる。
【0076】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域
へと給紙される。
【0077】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)1
8が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が
一括して転写される。
【0078】次いで記録紙Pは転写ローラとほぼ同時に
圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除
電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定
着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ2
02の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ロ
ーラ21を介して装置外部に排出される。なお前記の転
写ローラ18及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感
光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像
の形成に備える。
【0079】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
10は、クリーニング器22のブレード221の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による
除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わ
せて形成する場合には、前記のブレード221は感光体
面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の
周面より退避する。
【0080】尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離
器及びクリーニング器を一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0081】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0082】像露光は、画像形成装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読
み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの
駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われ
る。
【0083】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器13は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0084】本発明の感光体は、電子写真複写機、レー
ザービームプリンタ、CRTプリンタ、電子写真式製版
システム等に用いることができる。その際の光源とし
て、He−Neレーザ、半導体レーザ(780nm,6
80nm等)、LED、ハロゲンランプ等の各種光源が
使用できる。
【0085】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0086】重合体合成例1 フェノキシ樹脂「PKHJ」(フェノキシアソシエイツ
社)10部を脱水テトラヒドロフラン(THF)80部
に溶解した溶液に、トリエチルアミン3.4部、トリス
(トリメチルシリルオキシ)クロロシラン4.1部、塩
化3−フェニルプロピオニル2.7部を加えて、窒素気
流中、撹拌下6時間加熱環流反応させた。反応液を放冷
後、撹拌下のメタノール600部にゆっくり滴下して樹
脂を析出させる。本再沈精製操作を数回行った後、得ら
れた析出物を減圧下加熱乾燥して、重合体(P−1)を
10部得た。
【0087】得られた重合体の各単位の組成比はNMR
法より分析し、重合体(P−1)に記載の組成比であっ
た。また重合体の分子量はGPC法より分析し、ポリス
チレン換算の数平均分子量Mnにて22,000、Mw
/Mnにて3.1であった。
【0088】重合体合成例2 フェノキシ樹脂「PKHJ」(フェノキシアソシエイツ
社)10部を脱水テトラヒドロフラン(THF)80部
に溶解した溶液に、トリエチルアミン2.2部、塩化1
1H−イコサフルオロデカノイル4部、塩化ベンゾイル
2.2部を加えて、窒素気流中、撹拌下6時間加熱環流
反応させた。反応液を放冷後、撹拌下のメタノール60
0部にゆっくり滴下して樹脂を析出させる。本再沈精製
操作を数回行った後、得られた析出物を減圧下加熱乾燥
して、重合体(P−2)を10部得た。
【0089】得られた重合体の各単位の組成比はNMR
法より分析し、重合体(P−2)に記載の組成比であっ
た。また重合体の分子量はGPC法より分析し、ポリス
チレン換算の数平均分子量Mnにて25,000、Mw
/Mnにて2.9であった。
【0090】
【化20】
【0091】
【化21】
【0092】ジオール化合物と2官能イソシアネート化
合物の縮合化合物合成例 テトラヒドロフラン溶媒10部中、キシリレンジイソシ
アネート(D−1)6部に対して2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(E−1)をモル比が(D
−1):(E−1)=2:1となるように加え、トリエ
チルアミンを触媒量加えて2時間撹拌、ジオール−イソ
シアネートの縮合化合物溶液(F−1)を得た。この前
記縮合化合物溶液は調整後そのまま感光体塗布液に加え
た。
【0093】同様にして各種イソシアネート(D−1)
〜(D−4)とジオール(E−1)〜(E−4)をそれ
ぞれ指定のモル比で加えて前記縮合化合物溶液(F−
2)〜(F−8)を得た。前記縮合化合物の合成一覧を
表1に示す。
【0094】
【化22】
【0095】
【化23】
【0096】
【表1】
【0097】実施例1 円筒形アルミドラム上に、ポリアミド樹脂「X1874
M」(ダイセルヒュルス社製)15部をメタノール:n
−ブタノール=9:1の混合溶媒100部に溶解した中
間層塗布液を浸漬塗布し、厚さ0.5μmの中間層を設
けた。
【0098】その上に、電荷発生物質としてX線回折に
おける最大ピークのブラッグ角2θが27.2度を有す
るチタニルフタロシアニン10部、シリコン樹脂「KR
−5240」(信越化学社製)10部、酢酸t−ブチル
1000部をサンドグラインダーを用いて分散した塗布
液を円形スライドホッパーにて塗布して、乾燥膜厚0.
3μmの電荷発生層を形成した。
【0099】次いで電荷輸送物質として例示化合物(C
T−1)75部、下記酸化防止剤(AO−1)5部、ポ
リカーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱瓦
斯化学社製)100部をテトラヒドロフラン500部に
溶解した液を電荷発生層上に円形スライドホッパーにて
塗布して、乾燥膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
【0100】次に電荷輸送物質として例示化合物(CT
−1)65部、前記酸化防止剤(AO−1)5部、重合
体(P−1)100部をテトラヒドロフラン500部に
溶解した。この塗布液に前記縮合化合物溶液(F−1)
を重合体(P−1)の水酸基モル数に対し前記縮合化合
物(F−1)のイソシアネート基モル数が1.5倍モル
比となるように加え、触媒2%ジブチルチンジラウレー
ト/テトラヒドロフラン溶液25部を添加し、電荷発生
層上に円形スライドホッパーにて塗布して、乾燥膜厚1
0μmの電荷輸送層を形成し、120℃にて1時間加熱
架橋して感光体1を作製した。
【0101】
【化24】
【0102】実施例2 実施例1における前記縮合化合物溶液(F−1)を(F
−3)に変え重合体(P−1)の水酸基モル数に対し前
記縮合化合物(F−3)のイソシアネート基モル数が
1.0倍モル比となるように加えた他は、実施例1と同
様にして感光体2を作製した。
【0103】実施例3 実施例1における電荷輸送物質(CT−1)を例示化合
物(CT−2)に変えて、前記縮合化合物溶液(F−
1)を(F−4)に変え重合体(P−1)の水酸基モル
数に対し前記縮合化合物(F−4)のイソシアネート基
モル数が1.4倍モル比となるように加えた他は、実施
例1と同様にして感光体3を作製した。
【0104】実施例4 実施例1における重合体(P−1)を(P−2)に変
え、前記縮合化合物溶液(F−1)を(F−5)にして
重合体(P−2)の水酸基モル数に対し前記縮合化合物
(F−5)のイソシアネート基モル数が0.8倍モル比
となるように加え、電荷輸送物質を例示化合物(CT−
3)に変えた他は、実施例1と同様にして感光体4を作
製した。
【0105】実施例5 実施例1における重合体(P−1)を(P−2)に変え
て、前記縮合化合物溶液(F−1)を(F−6)に変え
重合体(P−2)の水酸基モル数に対し前記縮合化合物
(F−6)のイソシアネート基モル数が1.2倍モル比
となるように加えた他は、実施例1と同様にして感光体
5を作製した。
【0106】実施例6 実施例1における重合体(P−1)を(P−2)に変え
て、電荷輸送物質(CT−1)を例示化合物(CT−
4)に変えて、前記縮合化合物溶液(F−1)を(F−
7)に変え重合体(P−2)の水酸基モル数に対し前記
縮合化合物(F−7)のイソシアネート基モル数が1.
5倍モル比となるように加えた他は、実施例1と同様に
して感光体6を作製した。
【0107】実施例7 円筒形アルミドラム上に、ポリアミド樹脂「X1874
M」(ダイセルヒュルス社製)15部をメタノール:n
−ブタノール=9:1の混合溶媒100部に溶解した中
間層液を浸漬塗布し、厚さ0.5μmの中間層を設け
た。
【0108】その上に、電荷発生物質としてX線回折に
おける最大ピークのブラッグ角2θが27.2度を有す
るチタニルフタロシアニン10部、シリコン樹脂「KR
−5240」(信越化学社製)10部、酢酸t−ブチル
1000部をサンドグラインダーを用いて分散した塗布
液を円形スライドホッパーにて塗布して、乾燥膜厚0.
3μmの電荷発生層を形成した。
【0109】次に電荷輸送物質として例示化合物(CT
−1)75部、前記酸化防止剤(AO−1)5部、重合
体(P−1)100部をテトラヒドロフラン500部に
溶解した液にアンチモンをドープした酸化スズ微粉末酸
化スズ微粉末T−1(三菱マテリアル社製)15質量部
を加え、USホモジナイザにて40分、超音波分散し
た。この分散液に前記縮合化合物(F−2)を重合体
(P−1)の水酸基モル数に対し前記縮合化合物(F−
2)のイソシアネート基モル数が1.5倍モル比となる
ように加え、触媒2%ジブチルチンジラウレート/テト
ラヒドロフラン溶液25部を添加した塗布液を、電荷発
生層上に円形スライドホッパーにて塗布して、乾燥膜厚
25μmの電荷輸送層を形成し、110℃にて1時間加
熱架橋して感光体7を作製した。
【0110】実施例8 実施例7における重合体(P−1)を(P−2)に変え
て、前記縮合化合物溶液(F−1)を(F−8)にして
重合体(P−2)の水酸基モル数に対し前記縮合化合物
(F−8)のイソシアネート基モル数が1.0倍モル比
となるように加え、電荷輸送物質(CT−1)を例示化
合物(CT−3)に変えた他は、実施例7と同様にして
感光体8を作製した。
【0111】比較例1 実施例1における前記縮合化合物溶液(F−1)に変え
てイソシアネート架橋剤ミリオネートMTL(日本ポリ
ウレタン社製)を、重合体(P−1)の水酸基に対する
イソシアネート比率が1.5倍モル比となるよう添加し
た他は、実施例1と同様にして感光体9を作製した。
【0112】比較例2 実施例1における前記縮合化合物溶液(F−1)に変え
てキシリレンジイソシアネートを、重合体(P−1)の
水酸基に対するイソシアネート比率が1.5倍モル比と
なるよう添加した他は、実施例1と同様にして感光体1
0を作製した。
【0113】比較例3 実施例1における前記縮合化合物溶液(F−1)に変え
てキシリレンジイソシアネート(D−1)91部、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(E−
1)55部を添加した他は、実施例1と同様にして感光
体11を作製した。
【0114】比較例4 円筒形アルミドラム上に、ポリアミド樹脂「X1874
M」(ダイセルヒュルス社製)15部をメタノール:n
−ブタノール=9:1の混合溶媒100部に溶解した中
間層液を浸漬塗布し、厚さ0.5μmの中間層を設け
た。
【0115】その上に、電荷発生物質としてX線回折に
おける最大ピークのブラッグ角2θが27.2度を有す
るチタニルフタロシアニン10部、シリコン樹脂「KR
−5240」(信越化学社製)10部、酢酸t−ブチル
1000部をサンドグラインダーを用いて分散した塗布
液を円形スライドホッパーにて塗布して、乾燥膜厚0.
3μmの電荷発生層を形成した。
【0116】次いで電荷輸送物質として例示化合物(C
T−1)75部、前記酸化防止剤(AO−1)5部、ポ
リカーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱瓦
斯化学社製)100部をテトラヒドロフラン500部に
溶解した液を電荷発生層上に円形スライドホッパーによ
り、乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、110℃
にて1時間加熱乾燥して感光体12を作製した。
【0117】得られた感光体を下記のように評価した。 評価1 各実施例、比較例で得られた感光体をコニカ(株)社製
デジタルコピー機「Konica7050」に装着し、
高温高湿(HH)環境下(33℃;80%RH)にて3
万回の実写試験及び低温低湿(LL)環境下(10℃;
11%RH)にて3万回の実写試験を行い、実写試験後
の複写画像を観察した。また実写テスト(計6万コピ
ー)の前後において、常温常湿(NN)環境下(25
℃;60%RH)にて残留電位Vrの測定を行った。
【0118】また各実施例、比較例と同一組成の感光体
をアルミ蒸着PETベース上に形成し、直径12.5c
mの円形に裁断し、常温常湿環境下(25℃;60%R
H)の環境下にて下記条件でテーバー磨耗試験を行い、
減耗量を測定した。
【0119】測定器:テーバー磨耗試験器(東洋精機社
製) 条件:加重500g;磨耗輪CS−5;回転速度70r
pmにて1500回転 結果を表2にまとめる。
【0120】
【表2】
【0121】表2に示すように、市販変性イソシアネー
ト架橋剤を用いた感光体では繰り返し残電上昇が激し
く、画像濃度の低下が1万コピーから顕著に認められ
た。また、市販モノマーイソシアネートのみの場合、ま
たは市販モノマーイソシアネートとジオール化合物を事
前に縮合体にすることなしに塗布液に加えた場合には、
樹脂層強度が低下し、コピー数を重ねるにつれてブレー
ド傷、分離爪傷などが発生した。これに対して本発明の
感光体では電位安定性に優れ、また画像欠陥のない安定
した画像を与え、繰り返し使用による減耗量も僅かであ
る。
【0122】
【発明の効果】本発明により繰り返し使用による電位安
定性の良好な、また耐傷、耐フィルミング性の良い、繰
り返し使用による減耗の少ない優れた電子写真感光体、
電子写真感光体の製造方法、及び該電子写真感光体を用
いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置
の1例を示す断面図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(又は感光体) 11 露光部 12 帯電器 13 像露光器 14 現像器 17 給紙ローラ 18 転写ローラ(転写器) 19 分離ブラシ(分離器) 20 定着装置 21 排紙ローラ 22 クリーニング器 30 プロセスカートリッジ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に1層以上の樹脂層を有
    する電子写真感光体において、該樹脂層の少なくとも一
    層が活性水素を有する樹脂と、ジオール化合物と2官能
    イソシアネート化合物の縮合化合物との架橋反応により
    生成した樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に1層以上の樹脂層を有
    する電子写真感光体において、該感光体の表面層が活性
    水素を有する樹脂と、ジオール化合物と2官能イソシア
    ネート化合物の縮合化合物との架橋反応により生成した
    樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記表面層に電荷輸送物質を含んでいる
    ことを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記表面層に導電性粒子を含んでいるこ
    とを特徴とする請求項2又は3に記載の電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 前記活性水素を持つ樹脂が下記一般式
    (A)の繰り返し単位を有することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 【化1】 (一般式(A)中、R1〜R8は各々独立に水素原子、ハ
    ロゲン原子、メチル、エチル等のアルキル基、メトキ
    シ、エトキシ等のアルコキシ基またはフェニル等のアリ
    ール基を示す。R9、R10は各々独立に水素原子、メチ
    ル、エチル等のアルキル基またはフェニル等のアリール
    基を示す。またR9、R10が互いに結合して環を形成し
    ても良い。)
  6. 【請求項6】 導電性支持体上に電荷発生物質及び電荷
    輸送物質の少なくとも一方を含有する1層以上の樹脂層
    を有する電子写真感光体の製造方法において、該樹脂層
    の少なくとも1層が活性水素を持つ樹脂と、ジオール化
    合物と2官能イソシアネート化合物の縮合化合物とを混
    合した塗布液組成物を調整し、該組成物を塗布後、加熱
    乾燥することにより形成されることを特徴とする電子写
    真感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記活性水素を持つ樹脂が前記一般式
    (A)の繰り返し単位を有することを特徴とする請求項
    6に記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項記載の電子
    写真感光体を用い、少なくとも帯電、像露光、現像、ク
    リーニングの工程を有し、反転現像法によって現像を行
    う工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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