JP5693123B2 - 塞止弁装置及び該装置を備えたトンネル掘削機 - Google Patents

塞止弁装置及び該装置を備えたトンネル掘削機 Download PDF

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Description

本発明は、ECL(Extruded Concrete Lining)による覆工方法に用いられる塞止弁装置及び該装置を備えたトンネル掘削機に関するものである。
前記覆工方法を採用したトンネル掘削機として、泥土圧式シールド掘削機等が良く知られている(特許文献1参照)。これは、円筒状の掘削機本体の前面部に設けたカッタヘッドで地盤を掘削しつつ、掘進されたトンネルの内壁面を所定の間隔を空けて内型枠によって覆い、この内型枠と前記内壁面との間に適宜鉄筋を配置するなどして、直打ち(場所打ち)でコンクリートを打設し、その養生・硬化を待って覆工を行うものである。このような覆工方法を一般にECLとか直打ちコンクリート工法と言う。
そして、前述したような泥土圧式シールド掘削機等では、前記トンネルの内壁面と内型枠との空間を閉塞するためのリング状の妻型枠(装置)が設けられ、該妻型枠を通して前記コンクリートが打設されると共に、妻型枠ジャッキの伸縮により当該妻型枠が前記空間内を前後方向(トンネルの長手方向)へ摺動可能になっている。
また、前記覆工方法に用いられるコンクリート打設装置として、特許文献2に開示されたものがある。これは、妻型枠に、コンクリート打設管における直管部の先端側が挿通・固定される一方、直管部の基端側からY字状に分岐管部が分岐され、この分岐管部にコンクリート供給源に通じるコンクリート打設配管が着脱可能に接続される。
そして、直管部の基端に、ジャッキと該ジャッキのピストンロッド先端に付設された棒状ピストンとを有する塞止弁装置が連設され、ジャッキの収縮時に棒状ピストンの後退により分岐管部が直管部に連通してコンクリートの打設を可能とする一方、ジャッキの伸長時には棒状ピストンの前進により分岐管部と直管部との連通が遮断されると共に直管部内の残留コンクリートが打設空間に押し出されるようになっている。このジャッキの伸長時に分岐管部が高圧洗浄水にて洗浄されるのである。
特開2001−173387号公報 特開2006−291636号公報
ところで、上述した塞止弁装置の棒状ピストンは、その先端部にウレタン等のゴム製からなるパッキン(スクレーパとも言う)を備えている。
そのために、ジャッキの伸縮で棒状ピストンがコンクリート打設管の分岐管部と直管部とのY字状の分岐部を通過するときに、棒状ピストンの先端部が分岐部側に片寄るなどしてパッキンがコンクリートの骨材等を噛み込み、特にパッキンの背面部において傷や抉り取られるような損傷を受けるという問題点があった。
これにより、パッキンの交換を余儀なくされ、その頻度の増大で工期の遅延やパッキンに掛かる経費の増大を招来するのである。
そこで、本発明は、パッキンを効果的に補強してその寿命を延ばし工期の遅延や経費の増大を回避することができる塞止弁装置及び該装置を備えたトンネル掘削機を提供することを目的とする。
斯かる目的を達成するための本発明に係る塞止弁装置は、
直打ちコンクリート工法に用いられる塞止弁装置であって、
Y字状に分岐管部を分岐した直管部の基端側に付設されたジャッキと、
前記ジャッキのピストンロッド先端に付設され、前記直管部に対する前記分岐管部の分岐部を通過すべく直管部内を摺動可能な棒状ピストンと、
前記棒状ピストンの先端部に装着され、前記分岐部を通過する際に前記分岐部側へ片寄ることを防止すると共に背面の損傷を防ぐ金属製カバーが取り付けられたパッキンと
を備え
前記パッキンは、ゴム製のリング状本体部の背面側が、その背面と該背面に連続する外周面の一部に接着されたリング状の薄板カバーで補強されてなる
ことを特徴とする。
斯かる目的を達成するための本発明に係るトンネル掘削機は、筒状の掘削機本体と、該掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、該掘削機本体の前部に回転駆動可能に支持されたカッタヘッドと、該カッタヘッドを回転させる駆動手段と、掘削された掘削機本体後方のトンネル内壁面を覆工する際に用いられるコンクリート打設装置と、を備えたトンネル掘削機において、
前記コンクリート打設装置は前記塞止弁装置を備えたことを特徴とする。
本発明に係る塞止弁装置によれば、金属製カバーによる補強で棒状ピストンにおけるパッキンの寿命が延び、工期の遅延や経費の増大が未然に回避される。
本発明に係るトンネル掘削機によれば、塞止弁装置の耐久性が高められるコンクリート打設装置を備えるので、トンネル掘削機の掘削能率を高めることができる。
本発明の一実施例を示す塞止弁装置における棒状ピストンの拡大断面図である。 泥土圧式シールド掘削機の概略構成図である。 塞止弁開時のコンクリート打設装置部の要部拡大断面図である。 図3のIV-IV線断面図である。 塞止弁閉時のコンクリート打設装置部の要部拡大断面図である。
以下、本発明に係る塞止弁装置及び該装置を備えたトンネル掘削機を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示す塞止弁装置における棒状ピストンの拡大断面図、図2は泥土圧式シールド掘削機の概略構成図、図3は塞止弁開時のコンクリート打設装置部の要部拡大断面図、図4は図3のIV-IV線断面図、図5は塞止弁閉時のコンクリート打設装置部の要部拡大断面図である。
本実施例で説明するトンネル掘削機は、掘削土砂をチャンバに充満させ、チャンバ内を所定の圧力に維持しながら排土することで、切羽の安定化を図りながらトンネルを構築する泥土圧式シールド掘削機である。
この泥土圧式シールド掘削機において、図2に示すように、掘削機本体11は、ほぼ同径の円筒形状をなす前胴12と後胴13とが連結軸14によって左右に屈曲自在に連結され、両者の間に架設された複数本の中折ジャッキ15によって屈曲可能となっている。この前胴12の前部には回転リング16が回転自在に支持され、この回転リング16には連結ビーム17を介してカッタヘッド18が連結されている。
このカッタヘッド18は、中心部から複数本のカッタスポーク19が放射状をなして配設され、各先端部が外周リング20によって連結されて構成されている。そして、カッタヘッド18の中心部にはフィッシュテールカッタ21が装着される一方、各カッタスポーク19の両側部には複数のカッタビット22がその長手方向に沿って装着され、所定のカッタスポーク19の先端部には余掘りを行うコピーカッタ23aとレスキュービット23bが出没自在に設けられている。
また、回転リング16の後部にはリングギア24が固定される一方、掘削機本体11の前胴12には複数のカッタ旋回モータ(駆動手段)25が装着されており、この各カッタ旋回モータ25の駆動ギア26がこのリングギア24にそれぞれ噛み合っている。従って、カッタ旋回モータ25を駆動して駆動ギア26を回転駆動すると、リングギア24、回転リング16、連結ビーム17を介してカッタヘッド18を回転することができる。
また、前胴12の前部には、カッタヘッド18の後方に位置してバルクヘッド27が設けられ、カッタヘッド18とこのバルクヘッド27との間に掘削土砂を充満させるチャンバ28が形成されている。バルクヘッド27の前面側には複数本の固定式攪拌棒29が突設される一方、カッタヘッド18の後面側には複数本の旋回式攪拌棒30が突設されている。固定式攪拌棒29の一部にチャンバ28内の掘削土砂に対して加泥材を注入する図示しない加泥材注入口が設けられると共に、薬液(固結材)を注入する図示しない薬液注入管が設けられている。
そして、掘削機本体11内には、掘削土砂を外部に搬出するためのスクリューコンベヤ33が配設されており、その前部が下方に傾斜してバルクヘッド27を貫通しチャンバ28内に開口している。
掘削機本体11の後胴13には、その内周面に沿ってリングガータ34が固定されており、このリングガータ34には複数本のシールドジャッキ(推進ジャッキ)35が後胴13の周方向に沿って装着されており、このシールドジャッキ35を後方に伸長してスプレッダ36を既設の内型枠(型枠)Sに押し付けることで、その反力により掘削機本体11が前進することができる。
この内型枠Sは、複数個のものがトンネルの内壁面(地山Gの周壁)に所定の間隔を空けて周方向にリング状に組み付けられるものであり、この組付後に、地山Gの周壁とリング状に組み立てられた内型枠Sの外周面との空間(コンクリート打設空間E)に後述するコンクリート打設装置により直打ち(場所打ち)でコンクリートが打設されることで、トンネルが構築される。また、内型枠Sはトンネルの長手方向へ複数段に亙って組み付けられる。
また、リングガータ34には旋回リング38がトンネル内壁面の周方向に沿って旋回自在に支持され、図示しない駆動モータにより駆動旋回可能となっており、この旋回リング38に内型枠Sを組立てる内型枠組立装置39が設けられている。さらに、リングガータ34には左右一対の支柱40が固定され、この支柱40からは後方に向かってほぼ水平な架台41が延設されており、この架台41には内型枠Sの組み立てを補助する前後一対の形状保持装置42が前後方向に移動自在に装着されている。
また、架台41の後端には図示しない複数台の搬送台車が連結され、これら搬送台車には後段の内型枠Sを脱型する内型枠脱型装置と、この内型枠脱型装置で脱型された内型枠Sをトンネル前方へ搬送するホイストと、コンクリート打設装置のパワーユニット等が搭載されている。
更に、後胴(スキンプレート)13と内型枠Sとの間には同内型枠Sと地山Gの周壁との間にコンクリート打設空間Eを形成するリング状の妻型枠46が配設されると共に、その前方に位置して複数本の妻型枠ジャッキ47が周方向に沿って並設され、ヘッド基端部がリングガータ34を貫通して後胴13内周部に連結される一方、ロッド先端部が前記妻型枠46に連結されている。
そして、妻型枠46の外周面にはゴム製のシール部材48(図3参照)が周方向に沿って装着される一方、妻型枠46の内周面には金属製のブラシシール49が周方向に沿って装着されている。
従って、この妻型枠ジャッキ47を伸縮することで、リング状の妻型枠46を前後に移動することができ、このとき、シール部材48が後胴13の内周面に押圧すると共に、ブラシシール49がリング状に組み立てられた既設内型枠Sの外周面に押圧することで、掘削機本体11の内部への浸水を防止することができる。
また、この妻型枠46には掘進方向後方に向かってコンクリート打設管50が周方向に所定間隔離間して複数本挿通され、これらのコンクリート打設管50は、後述する塞止弁装置60の切り替えによりコンクリート打設配管(ホース:コンクリート打設ライン)51と連通可能になっている。これらのコンクリート打設配管51は前述した搬送台車上のパワーユニットを介してコンクリート供給源に連通される。
従って、塞止弁装置60によりコンクリート打設管50とコンクリート打設配管51とが連通した状態下で、コンクリート供給源から送給された生コンクリートがコンクリート打設配管51、コンクリート打設管50を通って前述したコンクリート打設空間Eに打設される。この際、コンクリート打設空間Eには、各コンクリート打設管50より周方向に順番に打設されるようになっている。
また、前記内型枠S、妻型枠46、コンクリート打設管50、コンクリート打設配管51及び塞止弁装置60等でコンクリート打設装置が構成される。
前記コンクリート打設管50は、図3及び図4に示すように、直管部50aと分岐管部50bとからなるY管状に形成され、その内の直管部50aの後半部分が妻型枠46内に固定的に挿通される。そして、分岐管部50bの前端に前記コンクリート打設配管51が着脱自在にフランジ結合される一方、直管部50aの前端に連結管61を介して塞止弁装置60が組み付けられる。
前記塞止弁装置60は、連結管61の前端に連接された開閉・掃除用のジャッキ62と該ジャッキ62のピストンロッド先端に連接されて連結管61及びコンクリート打設管50の直管部50a内を軸方向に摺動可能な棒状ピストン63とを有する。
前記ジャッキ62の縮限(収縮時)では、棒状ピストン63の後退によりコンクリート打設管50の直管部50aと分岐管部50bとが連通し(図3及び図4参照)、ジャッキ62の伸限(伸長時)では、図5に示すように、棒状ピストン63の前進によりコンクリート打設管50の直管部50aと分岐管部50bとの連通が遮断されると共に、直管部50a内の残留コンクリートがコンクリート打設空間Eに押し出されるようになっている。
前記棒状ピストン63は、図1に示すように、ジャッキ62のピストンロッド先端にねじ結合された中心ロッド64と、該中心ロッド64の先端に第1カラー65を介してボルト66及び押え板66aで結合された第1パッキン67と、同中心ロッド64上に先端側から順次嵌合された第1パイプ(スペーサ)68、第2カラー69、第2パッキン70、第2パイプ(スペーサ)71と、これら嵌合部材の抜け止めを図るべく中心ロッド64の基端部にねじ結合されたナット72とを有する。
そして、ジャッキ62の伸限では、図5に示すように、棒状ピストン63の前進により第2パッキン70でコンクリート打設管50の分岐管部50bが密封状態で閉じられると共に、第1パッキン67でコンクリート打設空間Eが密封されるようになっている。
前記第1パッキン(特許請求の範囲のパッキン)67は、ウレタンゴム等のゴム製のリング状本体部67aの背面側が、その背面67a1と該背面に連続する外周面67a2の一部に被嵌・接着されたリング状の薄板カバー67bで補強されてなる。
詳細には、薄板カバー67bは、中央透孔67b3付きの底壁67b1から周壁67b2を起立させたステンレス(SUS304)等の金属製からなり、その底壁67b1がリング状本体部67aの背面67a1に接着されると共に周壁67b2がリング状本体部67aの外周面67a2の一部に接着される。これらの接着は、接着剤によるものでも良いし、金型等を用いて加硫成形により一体成形しても良い。
尚、図4中73は連結管61内を洗浄すべく図示しない洗浄水供給用エルボと対をなす洗浄水排出用エルボ、74はコンクリート打設配管51内の圧力を検知する圧力計で、図3中75はコンクリート打設配管51を支持するサポートである。
次に、上述した本実施例の泥土圧式シールド掘削機によるトンネル掘削作業について説明する。
図2に示すように、カッタ旋回モータ25によりカッタヘッド18を回転させながら、複数のシールドジャッキ35を伸長してスプレッダ36を既設の内型枠Sへ押し付け、その反力によって掘削機本体11を前進させる。すると、カッタヘッド18の各カッタビット22が前方の地盤を掘削し、掘削土砂が各カッタスポーク19の間からチャンバ28内に取り込まれ、スクリューコンベヤ33によって外部に搬出される。
そして、内型枠組立装置39では、トンネル内に搬入された内型枠Sを把持してトンネル内壁面に沿って移動し、把持した内型枠Sを所定の位置に固定してリング状に組み立てていく。このとき、前方の形状保持装置42は内型枠組立装置39との干渉を避けながら、内型枠Sを正規の組立位置に矯正すると共に、後方の形状保持装置42はリング状に組み立てられた内型枠Sを真円となるように矯正する。
この内型枠組立装置39による内型枠Sの組立に並行して、コンクリート打設装置により掘削地山Gの周壁と既設の内型枠Sの外周面との間のコンクリート打設空間Eに生コンクリートが打設される。
即ち、塞止弁装置60のジャッキ62が縮限となって、棒状ピストン63の後退によりコンクリート打設管50の直管部50aと分岐管部50bが連通して(図3及び図4の状態参照)、コンクリート打設配管51に送給された生コンクリートが当該分岐管部50bと直管部50aを通ってコンクリート打設空間Eに供給されるのである。
このとき、妻型枠ジャッキ47を伸び側に作動させることで、打設された生コンクリートに対して妻型枠46が押し付けられ、前記コンクリート打設空間Eの隅々まで生コンクリートが充填される。その後、所定時間が経過すると、このコンクリートが養生・硬化してトンネル構造体が強固に構築される。
また、掘削機本体11の推進時には、内型枠Sが組み返し組み立てられる。即ち、コンクリート打設空間Eに生コンクリートが連続して注入されてから所定時間が経過すると、このコンクリートは次第に養生・硬化する。そこで、この養生・硬化したコンクリートに対応した後段側の内型枠Sを図示しない内型枠脱型装置により取り外し(脱型し)、同じく図示しないホイストによりトンネル前方に搬送し、内型枠組立装置39による新たな組み立てに供されるのである。
一方、泥土圧式シールド掘削機が点検等で停止すると、コンクリート打設装置によるコンクリート打設空間Eへの生コンクリートの打設が停止される。この際、塞止弁装置60のジャッキ62が伸限となり、棒状ピストン63の前進によりコンクリート打設管50の直管部50aと分岐管部50bとの連通が第2パッキン70部により遮断されると共に、直管部50a内の残留コンクリートが第1パッキン67部によりコンクリート打設空間Eに押し出される(図5の状態参照)。
この後、コンクリート打設配管51及びコンクリート打設管50の分岐管部50b内の生コンクリートが硬化しない内にこれらのコンクリート打設ラインを洗浄する。つまり、コンクリート打設配管51はコンクリート打設管50から切り離して高圧の洗浄水で従前通り洗浄する一方、コンクリート打設管50の分岐管部50bは当該コンクリート打設管50を妻型枠46に取り付けた状態で高圧の洗浄水で洗浄するのである。
また、本実施例では、図示しない洗浄水供給用エルボと対をなす洗浄水排出用エルボ73を用いて第2パッキン70部から連結管61内に漏出した生コンクリートを高圧の洗浄水で洗浄することもできる。
このようにして、本実施例では、泥土圧式シールド掘削機の停止時には、コンクリート打設配管51を介して生コンクリートの供給源に通じるコンクリート打設管50の分岐管部50bが棒状ピストン63の第2パッキン70部により閉止されると共に、コンクリート打設空間Eに通じるコンクリート打設管50の直管部50a内の残留コンクリートが第1パッキン67部によりコンクリート打設空間Eに押し出される。
これにより、泥土圧式シールド掘削機の停止後の清掃時には、塞止弁装置60及びコンクリート打設管50の直管部50a内には残留コンクリートが存在しないので、従来のようにこれらをコンクリート打設空間E内の生コンクリートの硬化を待って取り外し、洗浄するという作業がない。言い換えれば、そのままの状態で再掘削を開始することができるのである。また、コンクリート打設管50の分岐管部50bは短管でもあることから、取外し不能であってもそのままの状態で容易に洗浄することができる。
これらの結果、コンクリート打設ラインの洗浄が容易で洗浄時間の短縮が図れると共に、洗浄時の取外し部品の削減により再掘削の段取りが短時間で行える。また、泥土圧式シールド掘削機の掘削下においても、図3及び図4に示す状態での打設待ちの際に、ジャッキ62を適宜伸限まで作動させることで、妻型枠46内、言い換えればコンクリート打設管50の直管部50a内に付着、堆積したデッドコンクリートをコンクリート打設空間Eに押し出して除去することもできる。
また、本実施例では、塞止弁装置60における棒状ピストン63において、コンクリート打設管50の直管部50aに対する分岐管部50bの分岐部を通過する第1パッキン67が、ゴム製のリング状本体部67aと金属製でリング状の薄板カバー67bで補強されている。
これにより、第1パッキン67がY字状の分岐部を通過するときに、棒状ピストン63の先端部が分岐部側に片寄るなどして第1パッキン67がコンクリートの骨材等を噛み込んだとしても、リング状本体部67aの背面部に傷や抉り取られるような損傷を受けることが防止される。
この結果、棒状ピストン63における第1パッキン67の寿命が延び、工期の遅延や経費の増大が未然に回避される。
このようにして、塞止弁装置60の耐久性を高められるコンクリート打設装置を備えるで、泥土圧式シールド掘削機の掘削能率を高めることができる。
本発明に係るトンネル掘削機は、泥土圧式シールド掘削機に限らず、泥水式シールド掘削機、機械式シールド掘削機やトンネルボーリングマシーン(TBM)等にも適用することができる。
11 掘削機本体
12 前胴
13 後胴
14 連結軸
15 中折ジャッキ
16 回転リング
17 連結ビーム
18 カッタヘッド
19 カッタスポーク
20 外周リング
21 フィッシュテールカッタ
22 カッタビット
23a コピーカッタ
23b レスキュービット
24 リングギア
25 カッタ旋回モータ
26 駆動ギア
27 バルクヘッド
28 チャンバ
29 固定式攪拌棒
30 旋回式攪拌棒
33 スクリューコンベヤ
34 リングガータ
35 シールドジャッキ
36 スプレッダ
38 旋回リング
39 内型枠組立装置
40 支柱
41 架台
42 形状保持装置
46 妻型枠
47 妻型枠ジャッキ
48 シール部材
49 ブラシシール
50 コンクリート打設管
50a 直管部
50b 分岐管部
51 コンクリート打設配管
60 塞止弁装置
61 連結管
62 開閉・掃除用のジャッキ
63 棒状ピストン
64 中心ロッド
65 第1カラー
66 ボルト
66a 押え板
67 第1パッキン
67a ウレタンゴム等のゴム製のリング状本体部
67a1 背面
67a2 外周面
67b リング状の薄板カバー。
67b1 底壁
67b2 周壁
67b3 中央透孔
68 第1パイプ(スペーサ)
69 第2カラー
70 第2パッキン
71 第2パイプ(スペーサ)
72 ナット
73 洗浄水排出用エルボ
74 圧力計
75 サポート

Claims (2)

  1. 直打ちコンクリート工法に用いられる塞止弁装置であって、
    Y字状に分岐管部を分岐した直管部の基端側に付設されたジャッキと、
    前記ジャッキのピストンロッド先端に付設され、前記直管部に対する前記分岐管部の分岐部を通過すべく直管部内を摺動可能な棒状ピストンと、
    前記棒状ピストンの先端部に装着され、前記分岐部を通過する際に前記分岐部側へ片寄ることを防止すると共に背面の損傷を防ぐ金属製カバーが取り付けられたパッキンと
    を備え
    前記パッキンは、ゴム製のリング状本体部の背面側が、その背面と該背面に連続する外周面の一部に接着されたリング状の薄板カバーで補強されてなる
    ことを特徴とする塞止弁装置。
  2. 筒状の掘削機本体と、該掘削機本体を前進させる推進ジャッキと、該掘削機本体の前部に回転駆動可能に支持されたカッタヘッドと、該カッタヘッドを回転させる駆動手段と、掘削された掘削機本体後方のトンネル内壁面を覆工する際に用いられるコンクリート打設装置と、を備えたトンネル掘削機において、
    前記コンクリート打設装置は請求項に記載の塞止弁装置を備えたことを特徴とするトンネル掘削機。
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