JP5692080B2 - 環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法 - Google Patents

環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面処理金属材料及びその表面処理方法に関し、より詳しくは、鋼板の下地処理に際して、クロム、フッ素、硝酸性窒素を含む処理液を用いない環境への負荷が少ない容器材料用鋼板とその製造方法に関するものである。
鋼板、亜鉛系めっき鋼板、亜鉛合金板、すず系めっき鋼板、アルミニウム合金板等の金属材料と有機膜との密着性を向上させる処理として、クロム処理、リン酸塩処理、シランカップリング剤による処理などが従来から知られている。中でも、クロム処理はその優れた耐食性と密着性から家電製品、建材、車両、金属容器などの分野で広く利用されてきたが、廃棄時に有害物質である6価クロムが土壌等に溶出して汚染する可能性が指摘されていることから、既に欧州を中心にクロム処理は撤廃される方向にある。
容器用金属材料の分野においては、すずめっき鋼板を重クロム酸ソーダの水溶液中で陰極電解する、あるいは、鋼板をフッ化物含有無水クロム酸水溶液中で陰極電解処理したりすることにより、皮膜中に6価クロムが残存しないタイプのクロム処理が利用されている。しかしながら、上記処理後の処理層中に6価クロムを含まないタイプのクロム処理でも処理液そのものには6価クロムが含まれていることから、6価クロムを無害化して排水及び排気処理する必要がある。したがって、環境への負荷の面からは、処理液中にも6価クロムを含まない表面処理の方が望ましい。
こうした観点から、処理液中にも6価クロムを含まないようにするため、皮膜やめっき自体からのクロム除去の検討、あるいはクロムの代替皮膜、代替メッキを検討するクロムフリー化が注目されるようになった。
また、フッ素、ホウ素、硝酸性窒素などに関しても、これらの物質の使用は、環境への負荷の面からは好ましくなく、将来的に排出基準が強化される方向にある。したがって、容器用金属材料の処理液中にも、上記物質が含まれないことが望ましい。
上記の観点から、環境への負荷軽減策のひとつとしてクロムフリー化がある。特許文献1には、すずめっき鋼板を加工したすずめっき面にカーボンを主成分とする有機化合物と無機リン化合物とからなる有機−無機複合皮膜を有する耐食性と塗料密着性に優れるすずめっきスチール製缶の表面処理方法の例が示されている。特許文献2には、アルミ缶、または、ぶりきDI(drawing and ironing)缶の塗装・印刷前表面処理液として、リン酸イオンとジルコニウム化合物およびチタン化合物の少なくとも1種を含み、かつ、酸化剤とフッ酸およびフッ化物の少なくとも1種を含有するDI缶表面処理液の例が示されている。
また従来、飲料缶、および、食缶用途用の金属容器は、製缶後に内外面の塗装焼付処理を行うのが一般的であったが、近年、飲料缶、あるいは、食缶用の金属材料として、フィルムを予め鋼板に熱ラミネートした鋼板や、鋼板に予め印刷焼付塗装を行ったプレコート鋼板が用いられることが多くなってきた。
上記のDI成形やDRD(drawing and redrawing)成形による製缶加工では、缶壁にしごき力が働くことから、ラミネート鋼板や塗装プレコート鋼板タイプの容器用金属材料を製缶すると、樹脂皮膜と鋼板の密着力が十分でない場合には、樹脂皮膜が剥離し易い。また、内容物を充填した後に行われる加熱殺菌処理(レトルト処理)では、高温高圧下で水が樹脂皮膜中に浸透し、密着性が低下し易いため、クロムフリー型の容器用材料用鋼板の開発においてもフィルムおよび塗料との密着性が優れていることが必須条件となる。
このような容器材料に対する要望に対して、本発明者らは特許文献3に記載の、すずめっき鋼板上にジルコニウム化合物皮膜を形成させた密着性に優れたクロムフリーの容器材料用鋼板を発明し、従来のクロメート処理と同等以上の密着性能を有する容器材料用鋼板を発明してきた。しかしながら、特許文献3に示される発明においては、その電解処理において、皮膜付着量を適正範囲に保つために、電解条件を該処理中、細かく調整しなければならないという欠点があった。
特開平11−264075号公報 特開平7−48677号公報 特開2009−68108号公報
本発明の目的は、従来のクロムメッキやクロメート皮膜処理を施した容器材料用鋼板と同等の特性(例えば、ラミネートフィルムあるいは塗料等の有機樹脂被膜との密着性、および、デント衝撃後の耐鉄溶出性)に優れたクロムフリーの容器材料用鋼板を提供するすることにある。
本発明の他の目的は、上記特性に優れたクロムフリーの容器材料用鋼板を容易、かつ、安定して製造可能な方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、メッキやその上の皮膜にクロムを用いないクロムフリーの方法について鋭意検討した結果、以下のような環境への負荷が少なく、かつ、密着性に優れた容器材料用鋼板を容易、かつ、安定して製造する方法を見出した。
すなわち、本発明は、クロム化合物、フッ素、硝酸性窒素を含まない処理液中で、すずめっき鋼板を陰極電解皮膜処理する容器材料用鋼板の製造方法において;陰極電解皮膜処理前のすずめっき鋼板上に存在する酸化すず層を、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムを含む水溶液中における陰極電解処理、または、硫酸水溶液浸漬処理によって、電解剥離法による測定で0mC/cm以上、3.5mC/cm以下まで除去し、その後;電気伝導度0.2S/m以上6.0S/m以下、pH1.5以上2.5以下のジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液中で、陰極電解皮膜処理してジルコニウム換算皮膜付着量で0.1mg/m以上20mg/m以下の皮膜を形成させることを特徴とする環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法である。
本発明によれば、更に、すずめっき鋼板上に存在する酸化すず層が0mC/cm以上、3.5mC/cm以下であり、その上にジルコニウム換算皮膜付着量で0.1mg/m以上20mg/m以下であるジルコニウム化合物皮膜が形成されていることを特徴とする環境への負荷の少ない容器材料用鋼板が提供される。

本発明者の知見によれば、特許文献3に示される発明において、皮膜付着量を適正範囲に保つために電解条件を細かく調整しなければならなかったのは、該文献の電解処理においては、電流密度に対して皮膜付着量が急激に増える傾向があったためである(後述する図2および図3を参照)。このような皮膜付着量の変化は、電解用の電極近傍において、水素ガス放出に伴うpH変化(すなわち、pHの上昇)が生じ、該pH変化に基づき、皮膜付着量の変化(すなわち、皮膜付着量の増大)が生じていたものと推定される。加えて、皮膜付着処理の進行(すなわち、ジルコニウムの消費)自体によっても、pHが上昇し、該上昇により、上記pH変化が加速されていたものと推定される。
これらの現象の結果、従来技術においては、上記「皮膜付着量の急激な増大」傾向を適正にコントロールして皮膜付着量を適正範囲に保つために、製造条件(板幅、ラインスピード、液温等)の変動に合わせて、電解条件を細かく調整することが不可欠であったものと推定される。
これに対して、本発明者らは、電解液中でNa、K等のアルカリ金属イオンが大量に存在すると陰極周辺のOHと中和するため、陰極周辺の局部的pHの変動が緩和(ないし減少)される傾向が生じ、この傾向に基づき、酸化ジルコニウムイオン(ZrO2+)が安定化することを見出し、本発明を完成するに至った。

本発明によれば、電解用の電極近傍のpH変化に対応する「ジルコニウム換算皮膜付着量の変化」のカーブを、(例えば、後述する図2および図3のグラフに示すように)滑らかにすることができる。従って、本発明によれば、安定して「ジルコニウム換算皮膜付着量」をコントロールすることができ、これにより、安定した皮膜付着処理を行うことが可能となるものと推定される。
すなわち電気分解し易い「アルカリ金属硫酸塩水溶液を主体」とし、めっき表面に付着させるZrO2+を添加(実際は、硫酸ジルコニウムで添加)することが、本発明の特徴である。

本発明は、例えば、以下の態様を含むことができる。
[1] クロム化合物、フッ素、硝酸性窒素を含まない処理液中で、すずめっき鋼板を陰極電解皮膜処理する容器材料用鋼板の製造方法において、
陰極電解皮膜処理前のすずめっき鋼板上に存在する酸化すず層を、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムを含む水溶液中における陰極電解処理、または、硫酸水溶液浸漬処理によって、電解剥離法による測定で0mC/cm以上、3.5mC/cm以下まで除去し、その後、
電気伝導度0.2S/m以上6.0S/m以下、pH1.5以上2.5以下のジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液中で、陰極電解皮膜処理してジルコニウム換算皮膜付着量で0.1mg/m以上20mg/m以下の皮膜を形成させることを特徴とする環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
[2] 前記アルカリ金属硫酸塩水溶液中に含まれるジルコニウムの濃度が10mg/L以上2000mg/L以下であることを特徴とする[1]記載の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
[3] 前記アルカリ金属硫酸塩が硫酸ナトリウムであることを特徴とする[1]または[2]記載の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
[4] 前記アルカリ金属硫酸塩が硫酸カリウムであることを特徴とする[1]または[2]記載の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
[5] 前記アルカリ金属硫酸塩水溶液中のアルカリ金属硫酸塩の濃度が0.1質量%以上8.0質量%以下であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
本発明の製造方法によって製造された環境への負荷の少ない容器材料用鋼板は、従来のクロム処理を施した容器材料用鋼板と同等のラミネートフィルムあるいは塗料等の有機樹脂被膜との密着性、および、デント衝撃後の耐鉄溶出性に優れたクロムフリーの容器材料用鋼板としての性能を有しているのに加えて、容易、かつ、安定して製造することが可能であるので、極めて工業的価値が高い。
すずめっき表面の酸化すず量(電解剥離量)とジルコニウム化合物皮膜処理したすずめっき鋼板の塗料密着性(Tピール強度)の関係を示す図である。 従来の硫酸ジルコニウム処理液と、本発明に係る、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム処理液における、電解処理時の電流密度とジルコニウム換算下地処理皮膜付着量の関係を示す図である。 従来の硫酸ジルコニウム処理液と、本発明に係る、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム処理液における、液pHと電解処理後のすずめっき鋼板上のジルコニウム換算下地処理皮膜付着量の関係を示す図である。 本発明に係る、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム処理液電解処理すずめっき鋼板のジルコニウム換算下地処理皮膜付着量と塗料密着性(Tピール強度)の関係を示すグラフである。 本発明に係る、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム水溶液のジルコニウム濃度とジルコニウム換算のジルコニウム化合物皮膜付着量の関係を示す図である。 ジルコニウム濃度と、本発明に係る処理液の保存安定性の関係を示すグラフである。 電気伝導度の異なる本発明に係る、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム処理液を電流密度を変えて電解処理した時の、液の電気伝導度と電解時の整流器電圧の関係の例を示した図である。 電気伝導度の異なる本発明に係る、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム処理液、または、ジルコニウム化合物を含む硫酸カリウム処理液をそれぞれ電解処理した時の、液の電気伝導度とジルコニウム換算下地処理皮膜付着量の関係を示す図である。 pHの異なる本発明に係る、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム処理液を電解処理した時の、液のpHとジルコニウム換算下地処理皮膜付着量の関係を示す図である。 pHの異なる本発明に係る、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム処理液を40℃で2週間静置した時の液の保存安定性を示した図であり、液のpHと液の保存安定性判定結果の関係を示す図である。 ジルコニウム濃度が10mg/Lになるように硫酸ナトリウム水溶液に硫酸ジルコニウムを添加し、液のpHを硫酸を添加してpH1.5、および、2.5に調整した薬液の液中の硫酸ナトリウム濃度(質量%)と電気伝導度の関係を示した図である。 ジルコニウム濃度が2000mg/Lになるように硫酸ナトリウム水溶液に硫酸ジルコニウムを添加し、液のpHを硫酸を添加してpH1.5、および、2.5に調整した薬液の液中の硫酸ナトリウム濃度(質量%)と電気伝導度の関係を示した図である。 従来の硫酸ジルコニウム処理液と、本発明に係る、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム処理液における、電解処理時の電流密度とジルコニウム換算下地処理皮膜付着量の関係を示す図である。ジルコニウム濃度を変化させても、ジルコニウム付着量が安定していることを示している。
本発明は、クロム化合物、フッ素、硝酸性窒素を含まない処理液中ですずめっき鋼板を陰極電解皮膜処理する容器材料用鋼板の製造方法である。本発明により得られる、環境への負荷の少ない容器材料用鋼板は、すずめっき鋼板の表面にジルコニウム化合物からなる陰極電解皮膜処理層が形成された鋼板である。
本発明は、特に、陰極電解皮膜が、クロム化合物、フッ素、硝酸性窒素を含まないジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液中で陰極電解皮膜処理して得られることを特徴とする、環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法に関する。
以下、発明を実施するための最良の形態について述べる。
<鋼板>
本発明に用いる鋼板の種類は特に限定されるものではなく、従来から容器用材料に用いられている鋼板と同じのもので構わない。
<すずめっき>
本発明の陰極電解皮膜処理に用いる鋼板の種類は限定されるものではないが、缶詰用途における使用実績が高く食品安全衛生性上問題がなく、耐食性に優れていること、成形性に優れること、他のめっきに比べて比較的安価であること、等の理由から、本発明の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の鋼板としては、すずめっき鋼板が最も適している。
本発明に用いるすずめっき鋼板は、通常の電気めっきぶりき鋼板でよく、すずめっき後に鉄−すず合金化処理(リフロー処理)を施してあってもよい。すずめっき量は、フィルムラミネートまたは塗装後のデント部の鉄溶出を抑制する観点から、0.5〜12.0g/mの範囲であることが望ましい。すずめっき量が0.5g/m未満の場合、デント後の鉄溶出量が多くなり、耐食性が低下するので、好ましくない。また、すずめっき量が12.0g/mを超えても、性能上特に支障はないが、製造工程ですずがロール等に凝着堆積しやすくなり、押疵の原因になったりすることや、必要以上にめっきコストがかさむので好ましくない。
<酸化すず除去処理>
本発明の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板は、必ずしもめっき鋼板である必要はないが、容器用材料として十分な内容物耐食性を確保するのであれば、少なくとも缶にした際、内容物側になる面は、すずめっき、または、鉄−すず合金めっきであるのが好ましい。すずめっき鋼板の表面に、酸化すず層が厚く存在していると、その上にジルコニウム化合物皮膜を形成させても、酸化すず層が脆弱なため、酸化すず層ごと塗装がはがれ、塗装密着性が悪くなる恐れがある。このため、陰極電解皮膜処理をする直前に酸化すず層を除去するのが好ましい。
図1は、硫酸浸漬処理時間を変えて酸化すず除去処理を行ったすずめっき鋼板(すず付着量片面2.8g/m)に硫酸ジルコニウム電解処理を行いジルコニウム量換算で2〜4mg/mのジルコニウム化合物皮膜を形成させたものを用いて、後述するTピール強度で塗料密着性を評価した結果を示した図である。
図1からわかるように、すずめっき上の酸化すず量が、電解剥離法による測定で0mC/cmから3.5mC/cmまでは、Tピール強度が60以上で塗料密着性は安定しているが、酸化すず量が、3.5mC/cmを超えると、塗料密着性が急激に低下することがわかる。これは、酸化すず量が増えると表面の濡れ性が低下し、硫酸ジルコニウム電解処理時にジルコニウム化合物皮膜が均一に付着しないため、塗料密着強度が低下すると考えられる。また、すずめっき上の酸化すず量が3.5mC/cmを超えたあたりから、酸化すず層ですずめっきが一面覆われるため、加工や衝撃が加わった際に脆弱な酸化すず層から容易に剥離するようになることも塗料密着性を低下させる原因と考えられる。
このような理由から、すずめっき層または鉄−すず合金層上のジルコニウム化合物の付着状態を安定化させるために、ジルコニウム化合物付着処理を行う直前に、すずめっき鋼板の酸化すず層を電解剥離法による測定で3.5mC/cm以下になるレベルまで除去する処理を行うのが好ましい。
フィルムや塗料の密着性向上の観点からは、酸化すず層が全く存在しないのが好ましいが、酸化すず層を完全に除去しても、すずは酸素が多少でも存在すると直ぐに最表面が酸化するので、すずめっき表面に酸化すずが全くない状態のままフィルムラミネートや塗装を行うことは、通常の設備では困難であり、たとえ実現できても製造コストがかさむため好ましい方法とは言えない。
すずめっき上の酸化すず層の下限は、0.01mC/cm程度まで除去すれば実質的に酸化すず層がない状態と同等の密着性が得られるので、酸化すず層厚の範囲を0.01mC/cmから3.5mC/cmとしても実質的には問題ない。酸化すず層を完全に除去するための製造コストを考慮しなければ、酸化すず層厚の最も好ましい下限としては0mC/cmである。酸化すず層厚のより好ましい上限としては、3.0mC/cmである。
なお、電解剥離法は、定電流クロメトリの原理を応用して、試験片の定電流電解を行い、電解剥離に伴う 試験片の電位変化をペンレコーダーに記録し、電解時間−電位曲線により、電気量、即ち、表面すずの付着量や酸化膜を計測する方法である。
すずめっき層または鉄−すず合金層上に生成している酸化すず層を除去する方法としては、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム水溶液中で陰極電解処理を行うのが、短時間で確実に酸化すず層が除去され、かつ、すずの溶け出しも殆どないので、最も好ましい方法である。
すずめっき鋼板を炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム水溶液中で陰極電解処理する際の炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム水溶液好ましい濃度範囲は、1質量%から5質量%である。炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム水溶液の濃度が1質量%未満の場合、酸化すず層が残る場合があるので好ましくない。また、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム水溶液の濃度が5質量%を超えると処理後十分に水洗しないと、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムが残存する場合があるので好ましくない。電解処理時の液温が低いと炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムの溶解性が悪くなるので液温は5℃以上であるのが好ましい。液温の上限は特に限定されるものではなく取扱い上危険のない温度であれば良い。
陰極電解処理時の電流密度が低すぎると酸化すず層の除去にむらができる場合があるので、1A/dm以上で処理するのが望ましい。電流密度の上限については特に限定されないが、電流密度が高い場合水素発生が激しい割に酸化すずの除去効率はほとんど変わらないので、10A/dm以下程度であれば良い。
その他、硫酸水溶液中に浸漬してすずめっき層または鉄−すず合金層上に生成している酸化すず層を除去する方法も好ましい。この時、硫酸水溶液の濃度は、0.5質量%以上5質量%以下であるのが好ましい。硫酸水溶液の濃度が0.5質量%未満の場合、酸化すず層の除去が十分行われないので好ましくない。硫酸水溶液の濃度が高いほど酸化すずは除去されやすいが、肌荒れになったり、硫酸分が残留して塗膜密着性が悪くなる場合があるので、硫酸水溶液の濃度の上限は、5質量%以下であるのが好ましい。硫酸水溶液の液温については、10℃以上、80℃以下の範囲が望ましい。硫酸水溶液の液温が10℃未満では酸化すず除去速度が極端に遅くなり、酸化すずが残る場合があるので好ましくない。また、硫酸水溶液の液温が80℃を超えると、酸化すず除去速度が著しく速くなるため、すずめっき表面が過剰にエッチングされ光沢むらになりやすいので好ましくない。
<ジルコニウム化合物処理>
本発明の陰極電解皮膜処理は、陰極電解皮膜処理液中のジルコニウム濃度が10mg/L以上2000mg/L以下、処理液の電気伝導度が0.2S/m以上6.0S/m以下であり、かつ、処理液のpHが1.5以上2.5以下であることを特徴とするクロム化合物、フッ素、硝酸性窒素を含まず、ジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液中で、すずめっき鋼板または鉄−すず合金めっき鋼板を陰極電解皮膜処理するものである。
ジルコニウム化合物を下地処理剤として用いるのは、鋼板表面をジルコニウムの水和酸化物で被覆することによって、クロメート処理と同様にジルコニウムの水和酸化物と樹脂被覆層に含まれる水酸基との間での水素結合を生成させて樹脂皮膜との密着性を向上させるためである。
本発明者らは、ジルコニウム化合物と同様の効果を期待して、種々の金属系酸化物についても陰極電解皮膜処理剤としての適性を検討したが、ジルコニウム化合物による陰極電解皮膜処理が最も樹脂皮膜との密着性(特にレトルト処理後の2次密着性)に優れていることを見出したものである。ジルコニウム化合物を陰極電解皮膜処理によって付着させる方法で用いるクロム化合物、フッ素、硝酸性窒素を含まない金属塩としては、炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化塩などが考えられるが、硫酸ジルコニウムが、水溶液として安定しており、また、工業的に容易に入手可能であり最も好ましい。
ジルコニウム化合物を陰極電解皮膜処理層として形成させる方法としては、通常はフッ化ジルコニウム化合物水溶液中での陰極電解皮膜処理による方法が一般的であるが、フッ化物浴は排水処理の負荷が高いことから、フッ化ジルコニウム化合物の代わりに硫酸ジルコニウムを用いて、陰極電解皮膜処理することが提案されている(前述した特許文献3)。
しかしながら、硫酸化合物の陰極電解皮膜処理で皮膜を形成させる方法の場合、ジルコニウム水和酸化物の析出が電流密度によって大きく変動する特徴があるため、ジルコニウム水和酸化物の付着量を適正な範囲に保つのが困難である。ジルコニウム水和酸化物皮膜の付着量が変動すると、塗装密着性やフィルム密着性がばらつく原因となるので、好ましくない。
また、硫酸ジルコニウム水溶液は、貯蔵安定性に課題があり、ジルコニウム濃度が高い液を高温環境下(40℃以上)で長期保存する場合、ジルコニウム水和酸化物の沈殿が生じ易いという課題があった。
これらの課題に対して、本発明は、アルカリ金属硫酸塩水溶液にジルコニウム化合物を添加して、陰極電解皮膜処理時の電流密度に対するジルコニウム水和酸化物の析出挙動を緩和安定化すると同時に、液の保存安定性を向上させたものである。これにより、操業条件が多少変動した場合でもジルコニウム水和酸化物の付着量ばらつきを安定化させることが可能となり、かつ、長期使用時の液の安定性を飛躍的に高めることが可能となった。
まず、ジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液(以下、「硫酸ジルコニウム添加硫酸ナトリウム水溶液」を例として説明する)中ですずめっき鋼板を陰極電解皮膜処理することによってジルコニウム水和酸化物皮膜が生成する機構について述べる。
硫酸ナトリウム水溶液中ではジルコニウムは、ZrO2+として存在していると考えられ、低pH領域では安定しているが、pHが高くなるとZrO2+の安定性が低下し、水和酸化物として析出すると考えられる。
硫酸ナトリウムを陰極電解処理すると陰極のすずめっき鋼板側で液との界面に水素ガスが発生し、その結果、界面近傍の水酸化物イオン濃度が上昇(pH上昇)する。界面のpHが高くなると、ZrO2+が水和酸化物として析出するようになり、すずめっき鋼板上にジルコニウム水和酸化物の皮膜が生成するものと考えられる。
次に硫酸ナトリウム水溶液にジルコニウム化合物を添加した時の効果について述べる。
前述したように硫酸ジルコニウム水溶液中ですずめっき鋼板を陰極電解すると界面pHの上昇によって水酸化ジルコニウム皮膜が生成する。水溶液中でのイオンの拡散速度は遅いため、界面近傍にかなり厚い高pHの層が形成されると考えられ、界面pHが水酸化ジルコニウムが析出する条件に達すると急激にジルコニウム水和酸化物皮膜が発達すると考えられる。このため、硫酸ジルコニウム単体からなる陰極電解処理液では、電流密度変動やpH変動によって、水酸化ジルコニウム皮膜の付着量が大きく変動してしまうのではないかと考えられる。
アルカリ金属硫酸塩水溶液をベース溶液とする効果としては、まず、第一にアルカリ金属硫酸塩が電解質として作用し、液の電気抵抗を下げる効果がある。これにより、整流器の負荷を低減させる効果がある。
第2の効果としては、陰極電解処理によってすずめっき鋼板と陰極電解処理液の界面に生成する水酸化物イオンをアルカリ金属イオンが中和し、適正な厚みの高pH層を界面に形成させることが可能となり、電流密度変動やpH変動による水酸化ジルコニウム皮膜の付着量変動を抑制する効果がある(特に、NaやKなどが、電極周辺に大量に存在する場合)。
次に、従来技術の硫酸ジルコニウム水溶液単体を陰極電解処理した場合と、本発明に係るジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液で陰極電解処理した場合について、陰極電解処理皮膜量と陰極電解処理時の電流密度、および、液のpHの影響について述べる。
図2は、酸化すず除去処理を行ったすずめっき鋼板(すずめっき量2.8g/m)を、4.2質量%硫酸ナトリウム水溶液に硫酸ジルコニウムをジルコニウム換算濃度が400mg/Lになるまで添加し、さらに、硫酸を添加してpHを1.9に調整した水溶液を用いて、陰極電解皮膜処理した際の電流密度と鋼板付着したジルコニウム化合物皮膜の量の関係を示した図である。
図2からわかるように、硫酸ジルコニウムのみの処理液中で陰極電解皮膜処理したものは、低電流密度域ではジルコニウム化合物皮膜の付着量の増加率は小さいが、特定の電流密度を境に急激にジルコニウム化合物皮膜の付着量増加率が増す傾向がある。これに対し、ジルコニウム化合物を添加した硫酸ナトリウム処理液では、電流密度の変動に対するジルコニウム化合物付着量の変動が小さい(電流密度の増加に対するジルコニウム化合物皮膜付着量の増加の程度が緩やか)ので、操業安定性が高く好ましいといえる。
アルカリ金属硫酸塩は、硫酸ナトリウムでも、硫酸カリウムでも同様の効果が得られるので、適宜選択すれば良い。
このことから、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなどのアルカリ金属硫酸塩水溶液にジルコニウム化合物を添加した本発明のクロムフリー処理方法では、電流密度条件が多少変化しても、ジルコニウム化合物皮膜の付着量の変動が少なく、安定した操業が可能であるといえる。
図3は、pH1.9の硫酸ジルコニウム水溶液に硫酸を添加してpHを下げた硫酸ジルコニウム水溶液と、pH1.6の硫酸ジルコニウム水溶液に硫酸ナトリウムを混合してpHを上げたジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム水溶液を用いて、電流密度5A/dmで5秒間すずめっき鋼板を陰極電解皮膜処理した際の液のpHと鋼板付着したジルコニウム化合物皮膜の量の関係を示した図である。
図3からわかるように、硫酸ジルコニウムのみの処理液中で陰極電解皮膜処理したものは、pHが変動すると極端にジルコニウム化合物皮膜の付着量が変動するのに対し、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム水溶液では、pHが変動しても、ジルコニウム化合物皮膜の付着量の変化は小さく、連続で陰極電解皮膜処理してpHが下がった場合でも、ジルコニウム化合物皮膜の付着量が急激に減少することがなく、安定しているといえる。
以上のことから、硫酸ジルコニウム水溶液に比べて、硫酸ナトリウムや硫酸カリウムなどのアルカリ金属硫酸塩水溶液にジルコニウム化合物を添加したものは、電解条件の変動に対して、ジルコニウム化合物皮膜の付着量変動幅が小さいので、ジルコニウム化合物皮膜の付着量を適正範囲に保つのは容易であり、安定して製造することが可能であることがわかる。
ジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液のアルカリ金属硫酸塩の濃度についてであるが、5℃以下になるような環境下ではアルカリ金属硫酸塩が析出してくることがあるので、アルカリ金属硫酸塩濃度の上限範囲は8.0質量%以下にするのが好ましい。
また、ジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液のアルカリ金属硫酸塩の濃度下限については、後述する液の最適電気伝導度範囲、および、最適pH範囲を満たすだけであれば、アルカリ金属硫酸塩が必要のない場合もあるが、硫酸ジルコニウム水溶液単体だけでは、上述したように電解条件の変動に対してジルコニウム化合物皮膜の付着量が不安定になるだけでなく、水溶液中にアルカリ金属イオンが存在することで液の安定性が向上するので、アルカリ金属硫酸塩は必須である。ちなみに硫酸ジルコニウム水溶液のジルコニウム濃度下限値10mg/L、pH上限値2.5のとき、アルカリ金属硫酸塩は0.1質量%必要であるので、アルカリ金属硫酸塩の濃度下限範囲は0.1質量%である。
次に、ジルコニウム化合物皮膜の付着量の適正範囲について述べる。
陰極電解皮膜処理によりジルコニウム化合物皮膜を施したすずめっき鋼板の塗料密着性はジルコニウム化合物皮膜の付着量によって変化するため、ジルコニウム化合物皮膜の適正付着量範囲を明確にしておくことは重要である。
図4は、硫酸ジルコニウム水溶液中で陰極電解皮膜処理したすずめっき鋼板のジルコニウム量換算したジルコニウム化合物皮膜量と塗装後の塗料密着性の関係を示した図である。なお、塗料密着性は、後述するTピール強度によって評価した。
図4からわかるように、ジルコニウム量換算付着量で0.1mg/mから20mg/mの範囲でTピール強度が60N/10mm以上となり安定しているが、この範囲を外れたジルコニウム化合物皮膜量では、Tピール強度が安定せず、十分な塗装後の加工密着性が得られない。
次に、本発明の陰極電解皮膜処理液に含まれるジルコニウムの濃度について述べる。
図5に示すように、本発明の陰極電解皮膜処理液に含まれるジルコニウムの濃度が10mg/L未満の場合、例えば電流密度2A/dmのような低電流密度の場合では、陰極電解皮膜処理した後のジルコニウム化合物皮膜の付着量が、上述したジルコニウム量換算付着量下限の0.1mg/mを下回るため好ましくない。
従って、ジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液のジルコニウム濃度は、10mg/L以上であることが好ましい。
一方、陰極電解皮膜処理液に含まれるジルコニウムの濃度が2000mg/Lを超えると、図6に示すように液の保存安定性が悪くなり長期保存でジルコニウム水和酸化物のスラッジが沈積することがあるので好ましくない。
また、陰極電解皮膜処理液に含まれるジルコニウムの濃度が2000mg/Lを超えると、鋼板表面にジルコニウム化合物皮膜のムラが発生しやすくなることと、電解時にスラッジが発生しやすくなることから好ましくない。また、硫酸ジルコニウム水溶液の濃度が濃いと、連続通板時の液持ち出し量が多くなり経済的でない。
以上の理由から、本発明の陰極電解皮膜処理液に含まれるジルコニウムの濃度は10mg/L以上、2000mg/L以下であるのが好ましい。
本発明の陰極電解皮膜処理液の電気伝導度は、アルカリ金属硫酸塩水溶液の濃度、ジルコニウム化合物の量、および、pHによって変わるが、適正な電気伝導度の範囲は0.2S/m以上、6.0S/m以下である。以下、図7、図8により、その理由を説明する。
図7は、硫酸ナトリウム水溶液濃度を変えて電気伝導度を変化させたジルコニウム濃度10mg/L、pH1.9の液を用いてすずめっき鋼板を電流密度を1A/dmから10A/dmまで変化させて陰極電解皮膜処理したときの液の電気伝導度と整流器電圧の関係の例を示した図である。図7からわかるように液の電気伝導度が0.2S/mを下回ると電流密度が1A/dmでも整流器の電圧が25Vを超えるようになり、整流器への負担が非常に大きくなることがわかる。
現行の電解クロメート設備を電極長、電解パス数を変更しないでそのまま利用する場合を考えると、実機の整流器の電圧上限は一般に25V前後なので、操業時の電圧は最大でも25V程度になるようにする必要がある。
一方、電流密度の設定値を下げれば、電圧を下げることは可能であるが、電流密度をあまり低くするのはジルコニウム化合物の析出性が不安定になるので好ましくなく、最低1A/dm程度とするのが好ましい。よって、図7から示唆されるように電解液の電気伝導の下限は0.2S/m以上とするのが好ましい。
本発明の陰極電解皮膜処理液を用いて、すずめっき鋼板または鉄−すず合金めっき鋼板を陰極電解皮膜処理する際の電流密度は、すずめっき鋼板または鉄−すず合金めっき鋼板に析出するジルコニウム化合物皮膜の付着量から、適宜最適な電流密度を選択すれば良いが、電流密度が高すぎると、陰極である鋼板側からの水素発生が激しくなり、析出したジルコニウム化合物が発生した水素ガスによって脱落し、皮膜のむらとなりやすいので、30A/dm程度以下で電解するのが望ましい。
次に本発明の陰極電解皮膜処理液の電気伝導度の上限について説明する。
本発明の陰極電解皮膜処理液においてアルカリ金属硫酸塩水溶液の濃度を上げて電導度を上げていくと、整流器の負荷が小さくなり、電流密度を上げることが可能となるが、電気伝導度が高くなり過ぎるとかえってジルコニウム化合物皮膜の付着量が下がる傾向がみられ、外観むらも発生するようになり好ましくない。
図8は、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム水溶液、または、ジルコニウム化合物を含む硫酸カリウム水溶液においてアルカリ金属硫酸塩の濃度を変えて電気伝導度を変化させたジルコニウム濃度50mg/L、pH1.7の液を用いて、すずめっき鋼板または鉄−すず合金めっき鋼板を電流密度15A/dmで陰極電解皮膜処理した時の液の電気伝導度とジルコニウム換算したジルコニウム化合物皮膜の付着量を示した図である。
図8からわかるように液の電気伝導度が6.0S/mを超えるあたりからジルコニウム化合物皮膜の付着量が減少することがわかる。
アルカリ金属イオンが存在しない場合の陰極側での反応は、まず、水素イオンが電子を受け取り水素ガスとなって放散され、界面の水酸化物イオン濃度が上昇(pH上昇)し、結果として、酸化ジルコニウムイオン(ZrO2+)が酸化ジルコニウム水和物として析出する。これに対し、アルカリ金属イオンが存在すると陰極界面でNaイオンも電子授受に関わる(析出した金属Naはすぐに溶解解離する)ので、アルカリ金属を添加しない場合に比べて、界面で生成する水酸化物イオンの濃度が低くなり、結果として酸化ジルコニウム水和物の析出が抑制されると考えられる。
このように、アルカリ金属イオンを添加により電気伝導度を過剰に高めると、陰極側の界面pHが上昇し難くなり、ジルコニウム水酸化物が析出し難くなってしまうので、液の電気伝導度は6.0S/m以下とするのが好ましい。
次に本発明の陰極電解皮膜処理液の最適pH範囲について述べる。
まず、本発明の陰極電解皮膜処理液のpHの下限についてであるが、図9に示すようにpHが低くなるとジルコニウム化合物皮膜付着量が下がる傾向であり、pHが1.5未満では、ジルコニウム換算付着量下限目標の0.1mg/mに達しなくなる場合があるので、好ましくない。
ジルコニウム化合物皮膜の析出機構は、陰極電解処理時の水素ガス発生による界面の水酸化物イオン濃度の上昇(pHの上昇)による酸化ジルコニウム水和物の析出であり、陰極電解皮膜処理液のpHが低いと陰極側の水酸化物イオン濃度が高まらないため、結果として、酸化ジルコニウム水和物の皮膜が生成し難くなると考えられる。
酸化ジルコニウム水和物の析出量が少なくなると、良好な塗料密着性を得られる下限ジルコニウム化合物皮膜量(ジルコニウム換算付着量0.1mg/m以上)が得られなくなるので、好ましくない。
よって、本発明の陰極電解処理液のpHの下限は、1.5以上であるのが好ましい。
次に本発明の陰極電解皮膜処理液のpHの上限について述べる。
図10は、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム水溶液と硫酸ジルコニウムのみの水溶液の保存安定性(40℃で2週間静置した液の沈殿発生有無から判定)を示した図であるが、図10からわかるように、硫酸ジルコニウムのみの水溶液ではpHが2.1を超えると液の保存安定性が低下することがわかる。
硫酸ジルコニウム水溶液中でジルコニウムはZrO2+として存在しているが、pHが高くなるとZrO2+が水和酸化物として析出し易くなり、高pHの硫酸ジルコニウム水溶液では長期保存や高温下で保存すると、溶解していたZrO2+が酸化ジルコニウム水和物として析出し白色沈殿物となると考えられる。
一方、図10中のジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム水溶液の場合は、液の上限の安定pH領域がpH2.5まで拡大していることがわかる。これは、アルカリ金属硫酸塩水溶液中では水酸化物イオンが解離したアルカリ金属イオンに配位し、結果としてZrO2+に配位する水酸化物イオンの数が少なくなり、ZrO2+の安定性が向上するためではないかと考えられる。
ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム水溶液の場合、pH2.5を上限として白色沈殿が生じるようになるので、pHは2.5以下であるのが好ましい。
また、pHの高い液を使用して連続で電解するとスラッジが多量に生成するので、操業性および製品の品質の点からもpHは2.5以下とすることが好ましい。
本発明の陰極電解皮膜処理液に用いるアルカリ金属硫酸塩としては、入手のし易さ、取り扱いの容易さから、硫酸ナトリウム、および、硫酸カリウムが好ましい。
図11は、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム水溶液(ジルコニウム濃度10mg/L)の硫酸ナトリウム濃度(質量%)と電気伝導度の関係を示した図である。(液pHは硫酸を添加してpH1.5、および、2.5に調整した。)
図12は、ジルコニウム化合物を含む硫酸ナトリウム水溶液(ジルコニウム濃度2000mg/L)の硫酸ナトリウム濃度(質量%)と電気伝導度の関係を示した図である。(液pHは硫酸を添加してpH1.5、および、2.5に調整した。)
図11、図12からわかるように、本発明の陰極電解皮膜処理液の電気伝導度は、ジルコニウム化合物の濃度、アルカリ金属硫酸塩濃度、および、pHによって変化するので、ジルコニウム化合物の濃度を決定した後は、pH、および、電気伝導度が適正範囲内に入るように、適宜、アルカリ金属硫酸塩、濃硫酸を適量添加して調整するのが望ましい。
本発明の陰極電解皮膜処理時の処理液の温度に関しては、5℃〜50℃の範囲であればジルコニウム化合物の析出効率が高く、かつ、蒸発による濃度変動が少なく好ましい。
液温が高くなると陰極界面への水素イオン供給速度が上がり界面pHが上昇し難くなりジルコニウム化合物が析出し難くなるので、適正なジルコニウム皮膜付着量を得るためには、電流密度を高くする必要がある。その結果、整流器負荷が過大となるので、液温は50℃以下とするのが好ましい。
また、液温が高いと液の安定性が低下し、酸化ジルコニウム水和物が沈積しやすくなるので、この点からも液温の上限は50℃以下とするのが好ましい。
陰極電解皮膜処理時の液温の下限については、アルカリ金属硫酸塩の濃度が高い場合には5℃を下回るとアルカリ金属硫酸塩が析出してくることがあるので、液温の下限は5℃以上とするのが好ましい。
本発明の陰極電解皮膜処理は、その処理後、水洗あるいは温水洗浄するのが好ましい。本発明の陰極電解皮膜処理液を電解処理すると、ジルコニウム化合物皮膜中に硫酸根(SO 2−)が残留するが、硫酸根が皮膜中に過剰に残留していると変色して表面汚れの原因となったり、塗装後の密着性が低下したりするので好ましくない。
本発明の陰極電解皮膜処理液で陰極電解処理した後の水洗あるいは温水洗浄は、洗浄の負担が大きくならない範囲で洗浄すればよく、ジルコニウム化合物皮膜中に残留する硫酸根(SO 2−)の量は、クロム処理後の残留硫酸根の範囲と同程度の範囲内(0.2mg/m以上7mg/m以下)で管理すれば良い。
陰極電解皮膜処理後は、水分を蒸発させるために乾燥させるのが好ましい。乾燥方法は、自然乾燥でも、熱風乾燥でも良いが、ジルコニウム化合物の付着量が多い場合には、水分が皮膜中に多く残存する場合があるので、熱風乾燥するのがより好ましい。
<容器材料用ラミネート鋼板>
上記した本発明の容器材料用鋼板は、容器材料用ラミネート鋼板の製造にも、好適に使用可能である。このような、本発明の容器材料用鋼板を用いた容器材料用ラミネート鋼板の構成は特に制限されないが、例えば、該容器材料用鋼板と、その上に配置されたラミネートフィルムとを少なくとも含む容器材料用ラミネート鋼板とすることが好ましい。
<容器材料用塗装プレコート鋼板>
上記した本発明の容器材料用鋼板は、容器材料用塗装プレコート鋼板の製造にも、好適に使用可能である。このような、本発明の容器材料用鋼板を用いた容器材料用塗装プレコート鋼板の構成は特に制限されないが、例えば、該容器材料用鋼板と、その上に配置された有機樹脂被膜とを少なくとも含む容器材料用塗装プレコート鋼板とすることが好ましい。
実施例、比較例を通じ、各試験は下記のように行った。
1.酸化すず層厚測定
以下、実施例および比較例で示す酸化すず層厚は、すずめっき鋼板を陽極として、0.01%のHBr水溶液中で1mAで定電流電解剥離した時の酸化すず層が除去されるまでの電解剥離時間から電気量を算出し、単位面積当りの電解剥離に要した電気量(mC/cm)として表示した。
2.陰極電解皮膜処理
循環型の縦型セル(循環液量15L)に陰極電解皮膜処理液を入れ、Pt溶射Ti板を電極として酸化すず除去したすずめっき鋼板を電解処理した後、水洗、熱風乾燥して、陰極電解皮膜処理すずめっき鋼板を得た。
皮膜外観の良否については、目視で判定した。
3.下地処理剤付着量測定
下地処理後の下地剤付着量の測定は、蛍光X線吸収スペクトル測定により、ジルコニウム化合物皮膜中のジルコニウム量を測定し、単位面積当りの量として表示(mg/m)した。
4.陰極電解皮膜処理液保存安定性評価
調剤後良く攪拌した陰極電解皮膜処理液1Lをガラスビーカーに入れ、ポリラップで蓋をしてから、40℃の恒温槽内で2週間静置保管した後、室温(20〜25℃)に戻し、ビーカー内の陰極電解皮膜処理液が白濁、あるいは、沈殿が生じていないか、また、アルカリ金属硫酸塩が析出していないかどうか目視確認した。
5.プレコート鋼板作製
実施例および比較例で下地処理まで行った鋼板の表面に、バーコーターを使用して、缶用エポキシ塗料(大日本インキ化学工業(株)製のサイジングニスPG−800−88)を片面25g/m塗布した後、焼付乾燥炉で180℃、10分間焼付処理を行った。
6.塗料密着性評価用Tピール試験片作製
2枚のプレコート鋼板の塗装面どうしをエチレンアクリル酸(EAA)系接着フィルム(0.1mm厚)を介してホットプレスで熱圧着(200℃、60秒、1MPa)し、熱圧着後、試験片を冷却してから、幅10mm、長さ150mmの接着試験片を切り出し、接着試験片長の約50mm分を予め引張試験時の掴み代として剥離させ、Tピール試験片を作製した。
7.塗料密着性評価(Tピール試験)
予め剥離しておいた掴み代部を引張り試験機の掴み部に挟み込み、接着部100mm分を室温下、引張り速度200mm/分でTピール強度を測定し、塗料密着性を評価した。
すずめっき鋼板の塗装後の加工密着性は、Tピール強度で60N/10mm以上程度必要であることが当業者間で経験上わかっており、ジルコニウム化合物皮膜処理をしたすずめっき鋼板についても、60N/10mm以上の塗料密着性(Tピール)を満たす必要がある。
8.フィルムラミネート鋼板作製
実施例および比較例で調整した鋼板の表裏面をすずの融点より7℃低い225℃に加熱し、両面に20μm厚の無延伸共重合ポリエステル(融点220℃)フィルムを、ラミネートロール温度150℃、通板速度150m/分で熱ラミネートし直ちに、水冷することにより、フィルムラミネート鋼板を得た。
9.製缶
フィルムラミネート鋼板の両面にワックス系潤滑剤を塗布し、プレスにより直径155mmの円板を打抜き、浅絞りカップを得る。次いでこの浅絞りカップを、ストレッチアイアニング加工を行いカップ径52mm、カップ高さ138mm、缶側壁部の平均板厚減少率18%のカップを得た。このカップを、フィルム歪取りのために215℃にて熱処理を行った後、さらに印刷焼付相当の200℃の熱処理を行い、缶特性評価用の試料を作製した。
10.製缶品疵付けレトルト処理
製缶品の缶底から75mm高さの位置の外周にカッターナイフで全周疵を入れてから、缶をレトルト処理用の蒸気釜に入れ、125℃で90分間レトルト殺菌処理を行った。
レトルト処理後の缶のカッターナイフ疵を入れた部分のフィルムが収縮して剥離しているかどうか目視で良否判定を行った。(剥離した場合を×、剥離していない場合を○として判定した。)
表1に実施例、および、比較例で使用した鋼板の内容の詳細を示す。
Figure 0005692080
表1のaは、すずめっき鋼板を40℃の炭酸ナトリウム水溶液中で陰極電解処理することにより酸化すず除去処理を行った鋼板であり、電解剥離法で測定した残存酸化すず量が0.7(mC/cm)の鋼板である。
表1のbは、すずめっき鋼板を40℃の炭酸水素ナトリウム水溶液中で陰極電解処理することにより酸化すず除去処理を行った鋼板であり、電解剥離法で測定した残存酸化すず量が0.9(mC/cm)の鋼板である。
表1のcは、すずめっき鋼板を40℃の2%硫酸中で10秒間浸漬処理することにより酸化すず除去処理を行った鋼板であり、電解剥離法で測定した残存酸化すず量が1.0(mC/cm)の鋼板である。
表1のdは、すずめっき鋼板を40℃の1%硫酸中で5秒間浸漬処理することにより酸化すず除去処理を行った鋼板であり、電解剥離法で測定した残存酸化すず量が3.5(mC/cm)の鋼板である。
表1のeは、すずめっき鋼板を40℃の1%硫酸中で1秒間浸漬処理することにより酸化すず除去処理を行った鋼板であり、電解剥離法で測定した残存酸化すず量が3.8(mC/cm)の鋼板である。
表1のfは、酸化すず除去処理を行っていないすずめっき鋼板であり、電解剥離法で測定した残存酸化すず量が4.4(mC/cm)の鋼板である。
表2に実施例、および、比較例として表1の鋼板、ジルコニウム化合物添加アルカリ金属硫酸塩系陰極電解皮膜処理液のアルカリ金属硫酸塩の種類および濃度、ジルコニウム濃度、電気伝導度、および、pHを示す。
Figure 0005692080
実施例1は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度2.4質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度1.2S/m、pH1.9の例である。
実施例2は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度1.3質量%、ジルコニウム濃度10mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.9の例である。
実施例3は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度1.0質量%、ジルコニウム濃度2000mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.9の例である。
実施例4は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度0.1質量%、ジルコニウム濃度10mg/L、電気伝導度0.20S/m、pH2.5の例である。
実施例5は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度5.9質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度6.0S/m、pH1.9の例である。
実施例6は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度0.9質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.5の例である。
実施例7は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度1.6質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH2.5の例である。
実施例8は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度2.1質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度1.2S/m、pH1.9の例である。
実施例9は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度1.1質量%、ジルコニウム濃度10mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.9の例である。
実施例10は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度0.9質量%、ジルコニウム濃度2000mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.9の例である。
実施例11は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度0.1質量%、ジルコニウム濃度10mg/L、電気伝導度0.2S/m、pH2.5の例である。
実施例12は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度5.0質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度6.0S/m、pH1.9の例である。
実施例13は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度0.8質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.5の例である。
実施例14は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度1.4質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH2.5の例である。
実施例15は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度8.0質量%、ジルコニウム濃度2000mg/L、電気伝導度6.0S/m、pH2.2の例である。
実施例16は、鋼板が表1中のbであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度2.4質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度1.2S/m、pH1.9の例である。
実施例17は、鋼板が表1中のcであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度2.4質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度1.2S/m、pH1.9の例である。
実施例18は、鋼板が表1中のdであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度2.4質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度1.2S/m、pH1.9の例である。
比較例1は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、アルカリ金属硫酸塩を含まないジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度0.4、pH1.9の硫酸ジルコニウム水溶液の例である。
比較例2は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度1.2質量%、ジルコニウム濃度8mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.9の例である。
比較例3は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度1.0質量%、ジルコニウム濃度2050mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.9の例である。
比較例4は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度0.09質量%、ジルコニウム濃度10mg/L、電気伝導度0.18S/m、pH2.5の例である。
比較例5は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度6.0質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度6.2S/m、pH1.9の例である。
比較例6は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度6.2質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度6.6S/m、pH1.9の例である。
比較例7は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度0.9質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.4の例である。
比較例8は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度1.6質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH2.6の例である。
比較例9は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度1.0質量%、ジルコニウム濃度8mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.9の例である。
比較例10は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度0.9質量%、ジルコニウム濃度2050mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.9の例である。
比較例11は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度0.09質量%、ジルコニウム濃度10mg/L、電気伝導度0.18S/m、pH2.5の例である。
比較例12は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度5.1質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度6.2S/m、pH1.9の例である。
比較例13は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度5.3質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度6.6S/m、pH1.9の例である。
比較例14は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度0.8質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH1.4の例である。
比較例15は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸カリウム濃度1.4質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度2.0S/m、pH2.6の例である。
比較例16は、鋼板が表1中のaであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度8.2質量%、ジルコニウム濃度2000mg/L、電気伝導度6.1S/m、pH2.2の例である。
比較例17は、鋼板が表1中のeであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度2.4質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度1.2S/m、pH1.9の例である。
比較例18は、鋼板が表1中のfであり、陰極電解処理液が、硫酸ナトリウム濃度2.4質量%、ジルコニウム濃度400mg/L、電気伝導度1.2S/m、pH1.9の例である。
表3に表2のすずめっき鋼板と陰極電解皮膜処理液の組合せで、すずめっき鋼板を陰極電解処理時の板、および、液の評価結果を示す。
評価内容は、以下の通りである。
1)すずめっき鋼板を4A/dm、および、6A/dmで1秒間陰極電解した時の下地処理皮膜のジルコニウム換算付着量。
2)ジルコニウム化合物皮膜の外観良否。(ジルコニウム化合物皮膜外観にむらのない状態を○で合格、濃淡がみられる場合は△で不合格、明瞭なむらがある場合は×で不合格、と判定した。)
3)表2のすずめっき鋼板と陰極電解皮膜処理液の組合せで、4A/dm1秒間すずめっき鋼板を陰極電解処理した鋼板の塗装密着性。(塗装板のTピール強度で評価し、60以上を合格とした。)
4)表2のすずめっき鋼板と陰極電解皮膜処理液の組合せで、4A/dm1秒間すずめっき鋼板を陰極電解処理した鋼板を用いたラミネート鋼板のフィルム密着性をみるために製缶品の耐レトルト剥離性を評価した。(缶外周に入れたカッターナイフ疵がレトルト処理で剥離する場合を×で不合格、剥離しない場合は○で合格とした。)
5)液の保存安定性の目視判定結果。(良好なものは○で合格、やや白濁したが沈殿は生じていないものは△で合格、白色沈殿物が生じたものは×で不合格と判定した。)
6)低温液中でのアルカリ金属硫酸塩の溶解安定性。(液を5℃にした時に、溶解させていたアルカリ金属硫酸塩が析出してこない場合を○で合格、アルカリ金属硫酸塩が析出してくる場合を×で不合格とした。)
7)整流器負荷の程度。(整流器負荷の負荷の程度としては、電流密度4A/dm、および、6A/dmで電解処理した時、整流器の電圧が20V未満の場合を○として合格、20V以上25V以下の場合を△、25Vを超える場合を×として不合格、と判定した。)
Figure 0005692080
表3の実施例1、実施例8、比較例1からわかるように、ジルコニウム濃度、pHが同じでも、比較例1のようにアルカリ金属硫酸塩を含まない場合は、液の保存安定性が悪いことから、硫酸ジルコニウムのほかに硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなどのアルカリ金属硫酸塩が存在する方が、液の保存安定性が良いので好ましい。
表3の実施例2、比較例2、および、実施例9、比較例9からわかるように、ジルコニウム濃度が10mg/Lの実施例2、9場合は、ジルコニウム換算付着量が、良好な塗料密着性を得るのに必要な0.1mg/m以上得られるのに対し、比較例2、9のようにジルコニウム濃度が10mg/L未満の場合は、ジルコニウム換算付着量が0.1mg/m未満となり、十分な塗料密着性、フィルム密着性を確保することが難しくなるので好ましくない。
表3の実施例3、比較例3、および、実施例10、比較例10からわかるように、ジルコニウム濃度が2000mg/Lの実施例3、10の場合は、ジルコニウム換算付着量が、良好な塗料密着性を得るのに必要な20mg/m以下であるのに対し、比較例3、10のようにジルコニウム濃度が2000mg/Lを超える場合は、ジルコニウム換算付着量が20mg/mを超える場合があり、十分な塗料密着性、フィルム密着性を確保することが難しくなり、かつ、外観の濃淡むらも発生しやすくなるので好ましくない。
表3の実施例4、比較例4、および、実施例11、比較例11からわかるように、電気伝導度が0.2S/m以上でアルカリ金属硫酸塩の濃度が0.1質量%の実施例4,11の場合は、電気伝導度が0.2S/m未満で、アルカリ金属硫酸塩の濃度が0.1質量%未満の比較例4,11に比べて、整流器の負荷が小さいので好ましい。
表3の実施例5、比較例5、比較例6および、実施例12、比較例12、比較例13からわかるように、電気伝導度が6.0S/mを超える比較例5,6,12,13は、電気伝導度が6.0S/m以下の実施例5,12に比べて、外観にむらが発生し易くなるので好ましくない。
表3の実施例6、比較例7、および、実施例13、比較例14からわかるように、pHが1.5以上の実施例6、13の場合は、良好な塗料密着性を得るのに必要なジルコニウム換算付着量が0.1mg/m以上得られるのに対し、pHが1.5未満の比較例7、14の場合は、良好な塗料密着性を得るのに必要なジルコニウム換算付着量が0.1mg/mに満たないため、十分な塗料密着性、フィルム密着性を確保することが難しくなるので好ましくない。
表3の実施例7、比較例8、および、実施例14、比較例15からわかるように、pHが2.5以下の実施例7、14の場合は、液の保存安定性が良好なのに対し、pHが2.5を超える比較例8、15の場合は、保存中に白色沈殿が生じるため好ましくない。
表3の実施例15、比較例16からわかるように、アルカリ金属硫酸塩(硫酸ナトリウム)の濃度が8.0質量%以下の実施例15場合は、5℃におけるアルカリ金属硫酸塩溶解安定性が良好なのに対し、アルカリ金属硫酸塩(硫酸ナトリウム)の濃度が8.0質量%を超える比較例16の場合は、5℃におけるアルカリ金属硫酸塩溶解安定性が悪いので好ましくない。
表3の実施例16、実施例17、実施例18からわかるように、すずめっき鋼板上の酸化すず層の厚みが、電解剥離法による測定で0mC/cmから3.5mC/cmまでは、塗料密着性はTピール強度で60N/10m以上で安定していることがわかる。
これに対し、比較例17、比較例18からわかるように、酸化すず量が、3.5mC/cmを超える場合は、塗料密着性が悪くなることがわかる。
実施例19
前述した「図2」における電流密度−付着量のグラフと同様の条件で、Zr濃度を変化させた際のZr付着量を測定した。得られた結果を、図13および以下の表4に示す。
図13のグラフから、Zr濃度を増やすことにより、Zr付着量を増やせることが理解できよう。更に、該グラフから、本発明の系においては、高電流密度になってもZr付着量が急激に増加することが抑制されていることが理解できよう(換言すれば、本発明の系においては、Zr濃度を変えた時も、Zr付着量が安定しているという特徴がある)。
Figure 0005692080
本発明の環境への負荷が少ない容器材料用鋼板とその製造方法は、鋼板の下地処理に際して、クロム、フッ素、硝酸性窒素を含む処理液を用いないため、本発明による容器材料用鋼板は、衛生性、安全性に優れている。加えて、本発明による容器材料用鋼板は、従来のクロメート処理された容器材料用鋼板と同等の塗料密着性およびフィルム密着性を有しており非常に成形性に優れていることから、成型性の厳しい2ピース構造の飲料缶や食缶の胴材に好適であり、金属容器用材料として極めて有用であると言える。

Claims (5)

  1. クロム化合物、フッ素、硝酸性窒素を含まない処理液中で、すずめっき鋼板を陰極電解皮膜処理する容器材料用鋼板の製造方法において、
    陰極電解皮膜処理前のすずめっき鋼板上に存在する酸化すず層を、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムを含む水溶液中における陰極電解処理、または、硫酸水溶液浸漬処理によって、電解剥離法による測定で0mC/cm以上、3.5mC/cm以下まで除去し、その後、
    電気伝導度0.2S/m以上6.0S/m以下、pH1.5以上2.5以下のジルコニウム化合物を含むアルカリ金属硫酸塩水溶液中で、陰極電解皮膜処理してジルコニウム換算皮膜付着量で0.1mg/m以上20mg/m以下の皮膜を形成させることを特徴とする環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
  2. 前記アルカリ金属硫酸塩水溶液中に含まれるジルコニウムの濃度が10mg/L以上2000mg/L以下であることを特徴とする請求項1記載の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
  3. 前記アルカリ金属硫酸塩が硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1または2記載の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
  4. 前記アルカリ金属硫酸塩が硫酸カリウムであることを特徴とする請求項1または2記載の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
  5. 前記アルカリ金属硫酸塩水溶液中のアルカリ金属硫酸塩の濃度が0.1質量%以上8.0質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の環境への負荷の少ない容器材料用鋼板の製造方法。
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