JP5690828B2 - パルストレインアニール法を使用する薄膜の固相再結晶化の方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、一般に、半導体デバイスを製造する方法に関係する。より詳しくは、本発明は、基板を熱的に処理する方法に向けられている。
集積回路(IC)市場は、より大きなメモリ容量、より速いスイッチング速度、およびより小さなフィーチャサイズを絶えず要求している。産業がこれらの要求に対処するために取っている主要なステップのうちの1つが、大きな炉の中でのシリコンウエハのバッチ式処理から小さなチャンバ中での枚葉式ウエハ処理へと変更することである。かかる枚葉式ウエハ処理中には、様々な化学的反応および物理的反応がウエハ中に画定された複数のICデバイスに起き得るように、通常、ウエハを高温に加熱する。
集積回路を、シリコンウエハなどのバルク半導体基板およびシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板の一方または両方に対して製造することができる。SOI基板を形成する一方法は、絶縁体上に単結晶シリコンをエピタキシャル成長させることを含む。エピタキシャルシリコン単結晶ウエハは、その優れた特性のために、単体半導体、バイポーラIC等の製造用のウエハとして広く長い間使用されてきている。エピタキシャルシリコン単結晶ウエハは、その優れたソフトエラー特性およびラッチアップ特性のためにマイクロプロセッサユニットまたはフラッシュメモリデバイス用に、やはり広く使用されている。残念ながら、エピタキシャル成長したシリコンは、転位および積層欠陥などの結晶欠陥を形成しがちであり、結晶欠陥は、結果として得られる製造されたデバイス内部のまたはこれらの間の望ましくないリークをもたらすことがある。これに加えて、エピタキシャル成長技術は、基板〜被覆層のごく近い格子マッチングを必要とするので、非常に遅い成長速度を有し、それゆえ、スループットを著しく低下させ、高い動作コストをもたらす。
それゆえ、基板を覆うように高品質単結晶層を効率的に形成するために使用することができる改善された方法に対する必要性が存在する。
本発明の実施形態は、エネルギーの一連の連続したパルスである電磁エネルギーを使用して、薄膜の固相再結晶化の方法を提供することができる。より具体的には、本発明の実施形態は、基板を覆うように堆積した層の相変態の方法であって、基板を覆うように絶縁層を堆積させるステップと、絶縁層の所望の区域内に第1の相構造である第1の材料を有するシード領域を形成するステップと、シード領域および絶縁層の少なくとも一部を覆うように第2の相構造を有する第1の材料の層を堆積させるステップと、第1の材料の層を、シードとしてシード領域を使用して再結晶化させかつ第2の相構造から下のシード領域と同じグレイン構造および結晶配向を有する第1の相構造に変換させるのに十分な期間にわたって、第1の材料の層が堆積されているシード領域の表面の方へ、電磁エネルギーの複数のパルスを向けるステップとを含む。
本発明の実施形態は、基板を覆う結晶性層のエピタキシャル成長の方法であって、基板を覆うように第1の絶縁層を堆積させるステップと、第1の絶縁層中に結晶性の状態にある第1の材料を有する第1のシード領域を形成するステップと、第1のシード領域および第1の絶縁層の少なくとも一部を覆うようにアモルファス状態にある第1の材料の第1の層を堆積させるステップと、第1の材料の第1の層を覆うように第2の絶縁層を堆積させるステップと、第2の絶縁層中に結晶性の状態にある第1の材料を有する第2のシード領域を形成するステップと、第2のシード領域および第2の絶縁層の少なくとも一部を覆うようにアモルファス状態にある第1の材料の第2の層を堆積させるステップと、第1の材料の第1の層を、シードとして第1のシード領域を使用して再結晶化させかつアモルファス状態から、下にある第1のシード領域と同じグレイン構造および結晶配向を有する結晶性の状態に変換させるのに十分な期間にわたって、第1の材料の第1の層が堆積されている第1のシード領域の表面の方へ、第1の電磁エネルギーの複数のパルスを向けるステップと、第1の材料の第2の層を、シードとして第2のシード領域を使用して再結晶化させかつアモルファス状態から下の第2のシード領域と同じグレイン構造および結晶配向を有する結晶性の状態に変換させるのに十分な期間にわたって、第1の材料の第2の層が堆積されている第2のシード領域の表面の方へ、第1の電磁エネルギーとは異なる波長およびパルスの数を有する第2の電磁エネルギーを向けるステップとを含む方法をやはり提供する。
本発明の実施形態は、基板を覆う単結晶シリコン層のエピタキシャル成長の方法であって、基板の表面を覆うように絶縁層を堆積させるステップと、絶縁層の所望の区域内にビアを形成するステップであって、ビアが単結晶シリコン材料で埋められる、形成するステップと、ビアおよび絶縁層の少なくとも一部を覆うようにアモルファスシリコン層を堆積させるステップと、アモルファスシリコン層が下の単結晶シリコン材料と同じグレイン構造および結晶配向を有するように再結晶化させるために、シードとしてビア内の単結晶シリコン材料を使用して、アモルファスシリコン層をエピタキシャル再成長させるためにアモルファスシリコン層がその上方に位置するビアの表面の方へ電磁エネルギーの複数のパルスを向けるステップとを含む方法をさらに提供する。
したがって、本発明の上に記述した特徴を詳細に理解することが可能な方式で、上に簡潔に要約されている本発明のより詳しい説明を、その一部が添付した図面に示されている実施形態を参照することによって知ることができる。しかしながら、添付した図面が本発明の典型的な実施形態だけを示し、本発明が他の同様に有効な実施形態を許容することができるので、それゆえ、本発明の範囲を限定するようには見なされないことに留意すべきである。
本明細書における実施形態中で説明される基板の画定された領域上に大量のエネルギーを投射するように適したレーザアニール装置の模式的等角図である。 本明細書において説明する実施形態による図1Aに示したレーザアニール装置の模式図である。 A〜Cは、熱コントラストの改善およびアニール処理結果の改善を実現するために、エネルギー源からアニール領域へ供給されるエネルギーのパルスの様々な特質が時間に応じて調節される様々な実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態によるプロセスを示す流れ図である。 A〜Gは、図3に示したプロセスの様々なステージにおける基板の模式的断面図である。 アモルファス層の下方に形成された絶縁体層全面にわたって間隔を空けて配置されている1つまたは複数の結晶性のシード領域を示す基板の上面図である。 本発明の別の一実施形態によるプロセスを示す流れ図である。 図6に示したプロセスの様々なステージにおける基板の模式的断面図である。 図6に示したプロセスの様々なステージにおける基板の模式的断面図である。
理解を容易にするために、可能である場合には、複数の図に共通な同一の要素を示すために、同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素および特徴を、さらなる記述がなくとも別の実施形態において利益をもたらすように組み込むことができることが、予想される。
本発明は、一般に、電磁エネルギーの複数のパルスを使用する薄膜の固相再結晶化の方法を提供する。一実施形態では、アモルファス層を再結晶化させるために、アモルファス層がその上に堆積されている結晶性のシード領域またはシード層にエネルギーの複数のパルスを供給することによって全体の基板表面または基板の表面の選択された領域をアニールするために、本発明の方法を使用することができ、その結果、再結晶化したアモルファス層が、下の結晶性のシード領域またはシード層のものと同じグレイン構造および結晶配向を有する。後で論じるように、アニールプロセスは、一般に、シードとして実質的に純粋で規則正しい結晶である下の領域を使用してアモルファス層の制御した結晶化を誘起させるために、エネルギーの一連の連続したパルスで十分なエネルギーを供給することを含み、その結果、結晶またはグレインの新たな配列を有する単結晶層がアモルファス層全体にわたって進行的に形成される。
図1Aは、本発明を実行するために使用することができる本発明の一実施形態の等角図を示す。一実施形態では、エネルギー源20は、アニール領域12内のある所望の領域を優先的にアニールするために、基板10の定められた領域、またはアニール領域12上にある量のエネルギーを投射するように適合している。一実施形態では、図1Aに示したように、アニール領域12などの基板の1つまたは複数の定められた領域だけが、任意の所与の時間においてエネルギー源20由来の放射光に曝される。本発明の一態様では、基板10の1つの領域が、基板の所望の領域を優先的にアニールさせるために、エネルギー源20から供給される所望の量のエネルギーに連続して曝される。一例では、電磁放射線源の出力に対して基板を動かすことによって(例えば、従来型のX−Yステージ、精密ステージ)および/または基板に対して放射線源の出力を移動させることによって、基板の表面上の区域が次々に露光される。典型的には、別の精密ステージ(図示せず)の一部である場合がある1つまたは複数の従来型の電気アクチュエータ17(例えば、リニアモータ、送りねじ、およびサーボモータ)が、基板10の動きおよび位置を制御するために使用される。基板10を支持し、位置決めするために使用することができる従来型の精密ステージ、および熱交換装置15を、Rohnert Park、CaliforniaのParker Hannifin Corporationから購入することができる。別の一実施形態では、基板10の全部の表面が、まとめて連続して露光される(例えば、アニール領域12のすべてが連続して露光される)。
図1Aに示した一態様では、アニール領域12およびそこへ供給される放射光を、基板の表面上に形成されているダイ13(例えば、40個の「ダイ」が図1に示されている)、または半導体デバイス(例えば、メモリチップ)のサイズに一致する大きさにする。一態様では、アニール領域12の境界が、各ダイ13の境界を画定する「カーフ」ラインまたは「スクライブ」ライン10A内に納まるように位置合わせされ、大きさを決められる。一実施形態では、アニールプロセスを実行する前に、基板の表面上に典型的に見つけられるアライメントマーク、およびアニール領域12をダイ13に的確に位置合わせすることができるように別の従来技術を使用して、基板を、エネルギー源20の出力に位置合わせする。アニール領域がスクライブラインまたはカーフラインなどのダイ13間の自然に発生する使用しないスペース/境界内だけで重なるように、アニール領域12を連続して配置することは、デバイスが基板上に形成される区域内でエネルギーを重ねることの必要性を減少させ、したがって、重なっているアニール領域間のプロセス結果の変動を減少させる。それゆえ、連続して配置されたアニール領域12間に供給されるエネルギーの何らかの重なりを最小にすることができるので、基板の重要な領域を処理するためにエネルギー源20から供給されるエネルギーへの露出の変動量に起因するプロセス変動の量を、最小にする。一例では、連続して配置されたアニール領域12の各々は、サイズが約22mmかける約33mm(例えば、726平方ミリメートル(mm)の面積)である長方形領域である。一態様では、基板の表面上に形成された連続して配置されたアニール領域12の各々の面積は、約4mm(例えば、2mm×2mm)〜約1000mm(例えば、25mm×40mm)である。アニール領域12のサイズが、処理構成の必要性によって調節可能であることが、予想される。下記にさらに論じるように、一実施形態では、アニール領域12のサイズを、絶縁層中にまたは絶縁層の前面上に形成された結晶性のシード領域のサイズに一致するように調節することができる。一例では、アニール領域12を、約30nm〜約60nmの表面積を有するシード領域を処理するように調節する。一例では、シード領域は、絶縁層の全面にわたってまたはエッジに配列された多数のシード領域を含むことができる。
アニール領域12のエッジの形状を、本明細書において説明するように本発明の範囲から変わることなく、任意の形状とすることができるはずであることに留意すべきである。一般に、アニール領域12のすべての部分におけるアニールプロセスが一様であるように、アニール領域12全面にわたって一様な単位時間当たりのエネルギー密度(例えば、ワット/mm−秒)を有するエネルギーのパルスを供給することが望ましい。例えば、約5%よりも小さなアニール領域12全面にわたる一様性を有するエネルギーのパルスを供給することが望ましく、ここでは、一様性を、標準偏差を平均値で割り算することによって測定する。
エネルギー源20は、一般的に、基板表面のある所望の領域を優先的にアニールするために電磁エネルギーを供給するように適合している。電磁エネルギーの典型的な供給源は、光放射線源(例えば、レーザまたはフラッシュランプ)、電子ビーム源、イオンビーム源、および/またはマイクロ波エネルギー源を含むが、これらに限定されない。一態様では、基板10は、所望の期間にわたって1つまたは複数の適切な波長で放射光を放出するレーザ由来のエネルギーの複数のパルスに曝される。一態様では、アニール領域12全面にわたって供給されるエネルギーの量および/またはパルスの周期が終わるまでに供給されるエネルギーの量を、基板表面上に堆積されている領域または特定の層(例えば、本発明の一実施形態ではアモルファスシリコン層)を溶融させない、またはほとんど溶融させないが、結晶性のシード領域の表面から進行的にアモルファス層410のエピタキシャル再成長を促進させるために十分なエネルギーを供給するように最適化するように、エネルギー源20由来の複数のパルスのエネルギーが、調整される。それゆえ、アニールした領域の下部の結晶性のシード領域のかなりの部分が、活性化され、アモルファス層の全体に伝搬し、これによってシード領域の上方に堆積されたアモルファス層を再結晶化させる。このようにして、各パルスは、乱れているアニール領域の底部近くに規則正しい結晶の数格子面のエピタキシャル成長という結果をもたらすマイクロアニールサイクルを完結する。一方で、アニール領域12全面にわたって供給されるエネルギーの量が、同時に1つの格子面から、または格子面の小さなグループからアモルファス層内の損傷のうちのかなりの量を除去することが可能であるように、エネルギー源20からのエネルギーの複数のパルスを、制御できるように調節することができる。
一実施形態では、放射光のかなりの部分が、基板10上に配置された層によって吸収されるように、エネルギー源20の波長を調節する。シリコン含有層上に実行されるアニールプロセスに関して、例えば、放射光の波長を、約800nmよりも短くすることができ、遠紫外線(UV)、赤外線(IR)または別の望ましい波長で供給することができる。一実施形態では、エネルギー源20は、約500nm〜約11マイクロメートルの波長の放射光を供給するように適合している、レーザなどの強い光源である。別の一実施形態では、エネルギー源20を、タングステンハロゲンランプ、またはキセノン放電ランプ、アルゴン放電ランプ、もしくはクリプトン放電ランプなどの複数の放射光放出ランプを主とするフラッシュランプとすることができる。かかるケースでは、パルスを管理するために、シャッタを使用することができる(下記に論じられる)。すべてのケースにおいて、アニールプロセスにおいて使用されるエネルギーパルスは、一般に、約1n秒〜約10m秒のオーダーなどの比較的短時間にわたって生じる。
図1Bは、図1Aの装置の模式的側面図である。電源102は、エネルギー源20に連結される。一実施形態では、エネルギー源20は、上に説明したものなどの光源とすることができるエネルギージェネレータ104、および光アセンブリ108を備える。エネルギージェネレータ104は、エネルギーを生成し、光アセンブリ108へとエネルギーを向けるように構成され、光アセンブリは順に、基板10への供給のために望まれるようにエネルギーを整形する。光アセンブリ108は、一般的に、アニール領域12へエネルギーの一様なカラムを供給する目的で、エネルギージェネレータ104によって生成されたエネルギーを焦点に集め、偏光させ、偏光を戻し、フィルタ処理し、コヒーレンシを調節するように構成されているレンズ、フィルタ、鏡、等を含む。光アセンブリ108の一例が、2007年7月31日に出願した米国特許出願第11/888,433号(代理人整理番号第APPM/011251号、名称「APPARATUS AND METHOD OF IMPROVING BEAM SHAPING AND BEAM HOMOGENIZATION」)中に詳細にさらに開示されており、その全体が引用によって本明細書中に組み込まれている。
エネルギーのパルスを供給するために、エネルギージェネレータ104は、単一波長でまたは同時に2つの波長で光を放出するように構成することができるパルス化したレーザを含有することができる。一実施形態では、エネルギージェネレータ104は、レーザヘッドに異なるレーザ周波数で光を放出させる1つまたは複数の内部周波数変換器を具備するNd:YAGレーザを含むことができる。あるいは、エネルギージェネレータ104を、同時に3つ以上の波長を放出するように構成することができ、またはさらなる代替例または追加例では、波長可変出力を提供するように構成することができる。一例では、エネルギージェネレータ104中で使用されるレーザヘッドは、例えば、1ナノ秒〜1秒の範囲のパルス持続時間を具備する短く強いパルスを放出するようにQ−スイッチ処理される。
パルス化したレーザを実現するために、一実施形態では、装置はスイッチ106を含有することができる。スイッチ106を、1μ秒以下で開くまたは閉じることが可能な高速シャッタとすることができる。あるいは、スイッチ106を、しきい値強度の光がその上に当たったときに1μ秒未満のうちに透明になる不透明結晶などの光スイッチとすることができる。ある実施形態では、光スイッチを、1n秒未満のうちに状態を変化させるように構成することができる。光スイッチは、基板の方へ向けられた電磁エネルギーの連続ビームを遮ることによってパルスを生成する。スイッチを、コントローラ21によって動作させ、エネルギージェネレータ104の出口域に連結されるまたはしっかりと留められるように、エネルギージェネレータ104の外部に設置することができる、またはスイッチを、エネルギージェネレータ104の内部に設置することができる。一代替実施形態では、エネルギージェネレータを電気的手段によって切り替えることができる。コントローラ21を、必要に応じて電源102をオンおよびオフに切り替えるように構成することができる、またはキャパシタが電源102によって充電され、コントローラ21によってエネルギーを与えられる回路によってエネルギージェネレータ104へと放電するように、キャパシタ110を設けることができる。キャパシタによる電気的なスイッチングは、キャパシタ110によって供給される電気がある電力しきい値よりも下に低下するときに、エネルギージェネレータ104がエネルギーを発生することを停止するという理由で、自己スイッチングの一方法である。キャパシタ110が電源102によって再充電されると、キャパシタは、次に、エネルギーのもう1つのパルスを発生させるためにエネルギージェネレータ104へと放電することができる。ある実施形態では、電気スイッチを、1n秒未満のうちに電力をオンまたはオフにスイッチするように構成することができる。
一実施形態では、図1に示したように、熱交換装置15の基板支持表面16と熱コンタクトするように基板10の表面を設置することによって、熱処理中に基板の温度を制御することが望ましい場合がある。熱交換装置15は、一般に、アニールプロセスの前にまたはプロセス中に基板を加熱するおよび/または冷却するように適合している。この構成では、Santa Clara、CaliforniaのApplied Materials,Inc.から入手可能な従来型の基板ヒータなどの熱交換装置15を、基板のアニールした領域の処理後特性を改善させるために使用することができる。一般的には、基板10を、熱交換装置15を含有する処理チャンバ(図示せず)の閉じられた処理環境(図示せず)内に設置する。処理中に基板がその中に存在する処理環境を、真空にする場合がある、または所望のプロセスに適したガスを含有する場合がある。例えば、本発明の実施形態を、ある種のガスをチャンバへ供給することを必要とする堆積プロセスまたは注入プロセスにおいて使用することができる。ガスを、堆積プロセス用の前駆体などの反応性、または従来型の熱プロセスにおいて一般に使用される不活性ガスなどの非反応性とすることができる。
一実施形態では、必要とされる増加アニールエネルギーが最小になるように、アニールプロセスを実行する前に基板を前加熱することができ、これは、基板の急速加熱および急速冷却に起因して誘起される何らかの応力を低下させることができ、やはり基板のアニールした区域内の欠陥密度をおそらく最小にすることができる。図1Aに示した一態様では、熱交換装置15は、基板支持表面16上に配置された基板を加熱するように適合した抵抗加熱要素15Aおよび温度コントローラ15Cを含有する。温度コントローラ15Cは、コントローラ21と通信する。一態様では、約20℃〜約750℃の温度に基板を前加熱することが望ましい場合がある。基板がシリコン含有材料から形成される一態様では、約20℃〜約500℃の温度に基板を前加熱することが望ましい場合がある。
別の一実施形態では、アニールプロセス中に基板に加えられるエネルギーに起因する何らかの相互拡散を減少させるために、処理中に基板を冷却することが望ましい場合がある。基板を徐々に溶融させる必要があるプロセスでは、その後の冷却が、再成長速度を増加させることがあり、処理中に様々な領域のアモルファス化を増加させることができる。1つの構成では、熱交換装置15は、基板支持表面16上に配置された基板を冷却するように適合した1つまたは複数の流体チャネル15Bおよび低温冷却装置15Dを含有する。一態様では、コントローラ21と通信する従来型の低温冷却装置15Dは、1つまたは複数の流体チャネル15Bを介して冷却流体を供給するように適合している。一態様では、約−240℃〜約20℃の温度に基板を冷却することが望ましい場合がある。
コントローラ21(図1A)は、一般的に、本明細書において説明する熱処理技術の制御および自動化を容易にするように設計されており、中央処理ユニット(CPU)(図示せず)、メモリ(図示せず)、およびサポート回路(またはI/O)(図示せず)を含むことができる。CPUを、様々なプロセスおよびハードウェア(例えば、従来型の電磁放射線検出器、モータ、レーザハードウェア)を制御するための工業的設定の際に使用し、プロセス(例えば、基板温度、基板支持体温度、パルス化したレーザ由来のエネルギーの量、検出器信号)をモニタするコンピュータプロセッサのいずれかの形式のうちの1つとすることができる。メモリ(図示せず)を、CPUに接続し、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピディスク、ハードディスク、またはその場所のまたは離れた場所の任意の別の形式のディジタル記憶装置などの、容易に入手可能なメモリのうちの1つまたは複数とすることができる。ソフトウェア命令およびデータを、コード化することができ、CPUを命令するためにメモリ内に記憶することができる。サポート回路(図示せず)を、従来の方式でプロセッサをサポートするためにCPUにやはり接続する。サポート回路は、従来型のキャッシュ、電力供給装置、クロック回路、入力/出力回路、サブシステム、等を含むことができる。コントローラによって読み取り可能なプログラム(またはコンピュータ命令)は、どのタスクが基板上で実行可能であるかを決定する。好ましくは、プログラムは、コントローラによって読み取り可能なソフトウェアであり、基板位置、各電磁パルスにおいて供給されるエネルギーの量、1つまたは複数の電磁パルスのタイミング、各パルスについての時間に応じた強度および波長、基板の様々な領域の温度、およびこれらの任意の組み合わせをモニタし、制御するためのコードを含む。
上に記したように、エネルギー源20は、一般的に、基板10のある所望の領域を優先的に溶融させるために電磁エネルギーを供給するように適合している。電磁エネルギーの典型的な供給源は、光放射線源、電子ビーム源、イオンビーム源、および/またはマイクロ波エネルギー源を含むが、これらに限定されない。本発明の一実施形態では、エネルギー源20は、溶融点まで基板の所望の領域を選択的に加熱するために、レーザなどの光放射線を供給するように適合している。一態様では、基板10は、1つまたは複数の適切な波長で放射光を放出するレーザ由来のエネルギーのパルスに曝され、放出された放射光は、ある所望の領域の優先的な溶融を増進させるために所望のエネルギー密度(W/cm)および/またはパルス持続時間を有する。シリコン含有基板上に実行されるレーザアニールプロセスに関して、放射光の波長は、典型的には約800nmよりも短い。いずれのケースにおいても、アニールプロセスは、一般に、約1秒以下のオーダーなどの比較的短時間にわたり基板の所与の領域上に行われる。アニールプロセスにおいて使用される所望の波長およびパルスプロファイルを、基板の材料特性を考慮してレーザアニールプロセスの光モデリングおよび熱モデリングに基づいて決定することができる。
図2A〜図2Cは、エネルギー源20からアニール領域12(図1)へ供給されるエネルギーのパルスの様々な特質が、改善された熱コントラストおよびアニールプロセス結果を実現するために時間に応じて調節される、様々な実施形態を示す。一実施形態では、時間に応じてレーザパルスの形状を変えること、および/または溶融するように意図された基板の領域への熱入力を高め、他の領域への熱入力を最少にするために供給するエネルギーの波長を変えることが望ましい。一態様では、基板へ供給するエネルギーを変えることが、やはり望ましい場合がある。
図2Aは、台形の形状をした電磁放射光のパルス(例えば、パルス201)をグラフに示す。このケースでは、パルス201の2つの異なるセグメント(例えば、202および204)では、供給されるエネルギーが時間に応じて変化する。図2Aは、時間に対するエネルギーが直線的な様式で変化するパルス201プロファイル、または形状を示すが、パルスにおいて供給されるエネルギーの時間変化が、例えば、二次形状の曲線、三次形状の曲線、または四次形状の曲線を有することがあるので、これが本発明の範囲について限定するようには意図されていない。別の一態様では、時間に応じてパルスにおいて供給されるエネルギーのプロファイルまたは形状を、二次曲線、三次曲線、または指数関数形状曲線とすることができる。別の一実施形態では、所望のアニール結果を実現するために処理中に異なる形状を有するパルス(例えば、矩形変調パルスおよび三角形変調パルス、正弦変調パルスおよび矩形変調パルス、矩形変調パルス、三角形変調パルスおよび正弦変調パルス、等)を使用することが有利である場合がある。
図2Aに示したような一実施形態では、セグメント202の勾配、パルス201の形状、セグメント203の形状、ある電力レベルのところの時間(例えば、エネルギーレベルEのところのセグメント203)、セグメント204の勾配、および/またはセグメント204の形状を、アニールプロセスを制御するために調節する。粒子およびプロセス結果変動性の懸念のために処理中にアニールした領域内の材料を蒸発させることが、一般的には望ましくないことに留意すべきである。それゆえ、アニールする領域を過加熱せず、材料を蒸発させずに目標温度までアニールする領域の温度を急速に持ち上げるためにエネルギーのパルスの形状を調節することが望ましい。一実施形態では、図2Cに示したように、目標温度までアニール領域を急速に持ち上げ、次に、アニール領域内の材料の蒸発を防止しながら、所望の期間(例えば、t)にわたりその温度で材料を保持するために使用する複数のセグメント(すなわち、セグメント202、203A、203B、203C、および204)を有するように、パルス201の形状を調節することができる。サイズ、溶融深さ、およびアニール領域内に含有される材料が変わるので、パルスセグメントの各々の時間の長さ、セグメントの形状、および持続時間を、同様に変えることができる。
一実施形態では、基板表面上の領域の温度を容易に制御することができるように、電磁放射光の2つ以上のパルスが、時間を変えて基板のある領域へ供給される。図2Bは、基板の表面上のある領域を選択的に加熱するために、時間を離して、または期間(t)内に変わっていく距離に供給する2つのパルス201Aおよび201Bのプロットをグラフに示す。この構成では、連続したパルス間の期間(t)を調節することによって、基板表面上の領域が到達するピーク温度を、容易に制御することができる。例えば、パルス間の期間(t)、または周波数を減少させることによって、第1のパルス201Aにおいて供給される熱は、第2のパルス201Bが供給される前に消失するためにはわずかな時間しかなく、これは、基板中で実現されるピーク温度を、パルス間の期間が長くなるときよりも高くさせる。このようにして期間を調節することによって、エネルギーおよび温度を、容易に制御することができる。一態様では、各パルスがそれだけでは、基板を目標温度に到達させるために十分なエネルギーを含有しないが、パルスの組み合わせがアニール領域12を目標温度に到達させることを確実にすることが、望ましい場合がある。2つ以上のパルスなどの複数のパルスを供給するこのプロセスは、エネルギーの単一パルスを供給することに対して基板材料によって経験される熱ショックを軽減する傾向がある。熱ショックは、基板の損傷に導くことがあり、基板上に実行される後続の処理ステップ中に欠陥を作る粒子を発生させることがある。
図3は、本発明の一実施形態によるプロセス300を示す流れ図である。図4A〜図4Gは、図3に示したプロセス300の様々なステージにおける基板の模式的断面図を示す。ステップ302では、図4Aに示したように、絶縁層402を基板400の前面404上に形成する。基板は、その中に配置されたトランジスタなどの半導体デバイスを有することも、そうでないこともある。一実施形態では、絶縁層402は、酸化物または窒化物などの誘電体層である。一実施形態では、絶縁層は、シリコン含有基板の前面上に形成された酸化ケイ素層である。炉アニールプロセス、高速熱酸化プロセスなどの従来型の熱酸化プロセス、常圧CVDプロセスもしくは低圧CVDプロセス、プラズマCVDプロセス、PVDプロセス、原子層堆積(ALD)、蒸発技術、またはスプレイオン、スピンオン、ロールオンを使用した塗布、スクリーン印刷、または別の類似のタイプの堆積プロセスを使用して、絶縁層を形成することができる。一実施形態では、絶縁層は、厚さが約50Å〜約3,000Åである二酸化ケイ素層である。絶縁層の考察が、本明細書において説明する発明の範囲を限定するようには意図されていないことが、予想される。二酸化ケイ素、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlO)、窒化ケイ素(SiN)、酸素窒化ケイ素および/またはSiOxCyなどの炭素ドープした酸化ケイ素、例えば、Santa Clara、Californiaに所在するApplied Materials,Inc.から入手可能なBLACK DIAMOND(登録商標)低誘電率誘電体、等、などの任意の他の誘電体材料を、処理構成の必要性によってやはり使用することができる。
一般的に、本明細書中で使用される用語「基板」は、ある生来の電気導電性能力を有する任意の材料または電気を伝導するための能力を与えられるように変形することができる材料から形成することができる対象物を呼ぶ。典型的な基板材料は、シリコン(Si)およびゲルマニウム(Ge)などの半導体、ならびに半導電性特性を示す他の化合物を含むが、これらに限定されない。かかる半導体化合物は、一般に、III−V族化合物およびII−VI族化合物を含む。代表的なIII−V族半導体化合物は、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、および窒化ガリウム(GaN)を含むが、これらに限定されない。一般に、用語「半導体基板」は、バルク半導体基板、ならびにその上に配置された堆積された層を有する基板を含む。この目的を達成するために、本発明の方法によって処理されたある半導体基板中の堆積された層は、ホモエピタキシャル(例えば、シリコン上のシリコン)成長またはヘテロエピタキシャル(例えば、シリコン上のGaAs)成長のいずれかによって形成される。例えば、本発明の方法を、ヘテロエピタキシャル法によって形成したガリウムヒ素および窒化ガリウム基板を使用することができる。同様に、絶縁性基板上に形成した比較的薄い結晶シリコン層(例えば、シリコン・オン・インシュレータ[SOI]基板)上に、薄膜トランジスタ(TFT)などの集積デバイスを形成するために、発明した方法をやはり適用することができる。図面には示していないが、基板表面が、トランジスタ接合、ビア、コンタクト、配線、または任意の別のインターコネクトファセット、例えば、垂直または水平インターコネクトなどの機能を含有することができることが、予想される。「基板表面」は、本明細書中で使用するように、膜堆積をその上に実行する任意の基板表面を呼ぶ。例えば、基板表面は、前に論じたような絶縁層を含むことができる。
ステップ304では、ビアまたはスルーホールが、絶縁層402の所望の場所に形成される。一実施形態では、図4Bに示したように、所望の厚さdを具備する開口部406を実現し、基板400の上側表面の一部を露出させるまで、湿式エッチタイププロセスまたはドライエッチタイププロセスなどの選択的材料除去プロセスを使用して、絶縁層402を選択的にエッチする。一実施形態では、開口部406の厚さdは、約50オングストローム(Å)〜約1,000オングストローム(Å)である。一実施形態では、フォトレジストパターンを絶縁層402上に形成した後で、エッチングマスクとしてフォトレジストパターンを使用して、開口部406を形成することができる。開口部406が下の基板400中へと延びることがある、または開口部406内に埋められる結晶性のシード材料が、電磁放射光の一連の連続したパルスから十分なエネルギーを受けるときに、後続のステップにおいて上方に後で堆積されるアモルファス層の結晶化をトリガするために十分である限り、示したように基板400の上側表面の一部を露出させずに、示したような厚さdよりも薄い厚さを有する場合があることが、予想される。
ステップ306では、図4Cに示したように、構造が結晶性系の材料を有する結晶性のシード層408を、絶縁層402上および開口部406内に堆積する。一実施形態では、結晶性のシード層408は、化学気相堆積(CVD)、プラズマCVD、原子層堆積(ALD)、または別の類似のプロセスなどの従来型の堆積プロセスを使用して形成される。その後で、ステップ308では、基板400の前面404が、化学機械研磨(CMP)プロセスを使用して平坦化され、これによって、図4Dに示したように、結晶性のシード材料で埋められた開口部406を得る。あるいは、気相エピタキシプロセス、液相エピタキシプロセス、またはモレキュラビームエピタキシプロセス、等などの選択エピタキシャル成長プロセスによって、結晶性のシード層408を形成することができる。かかるケースでは、結晶性のシード層408は、実質的に単結晶の無欠陥層を実現するために、開口部406を介して露出した基板の表面から一般に成長する。一実施形態では、結晶性のシード層408は、絶縁層402の厚さ(すなわち、d)と実質的に同じ厚さを有する。いずれのケースでも、開口部406は、絶縁層402の厚さと実質的に同じ厚さである結晶性のシード材料で埋められ、結晶性のシード領域408を作り出す。電磁放射光の一連の連続したパルス(例えば、下記に論じるような、パルストレインアニーリング(Pulse Train Annealing))プロセスから十分なエネルギーを受けるときに、結晶性のシード領域408は、一般に結晶化源を提供するシードとして働き、シード領域上に堆積されるアモルファス層410のエピタキシャル再成長が、そこから始まり、アモルファス層の表面全面にわたって広がる横方向などのすべての方向にそこから遠くへ伝搬し、これによって基板表面上に結晶性の相である所望の材料層を形成する。
一実施形態では、結晶性のシード領域408は、所望の表面積を有するカラムの形態である。一実施形態では、結晶性のシード領域408の表面積は、約30nm〜約60nmである。一例では、結晶性のシード領域408の表面積は、約50nmである。別の一実施形態では、結晶性のシード領域408の表面積は、約726mm〜約1000mmである。図4Cにおいて1つだけの開口部406が絶縁層402中に存在するが、ある実施形態では、開口部中を埋める結晶性のシード材料を有する1つよりも多くの開口部406を有することが有利である場合がある。一実施形態では、1つまたは複数の結晶性のシード領域408が、絶縁層402のエッジ区域に設置される。別の一実施形態では、1つまたは複数の結晶性のシード領域408が、絶縁層402全面にわたって間隔を空けて設置される。図5は、アモルファス層410の下方に形成された絶縁層402全面にわたって間隔を空けて設置されている1つまたは複数の結晶性のシード領域408を図示する基板400の上面図である。前に述べたようなパルストレインアニールプロセスを用いて処理するときに、結晶性のシード領域408の配列が、結晶性のシード領域408および絶縁層402上に堆積されるアモルファス層の固相再結晶化の全体的な速度に利益をもたらす限り、結晶性のシード領域408の形態が、説明したように特定の形態または形状に限定するようには意図されていないことが、予想される。例えば、結晶性のシード領域408を、量子ドット、ドットの所望のパターン、または任意の事前に定めた形状の形態にすることができる。あるいは、結晶性のシード材料を、絶縁層402の上方に設置される層の形態で存在させることができる。かかるケースでは、結晶性のシード層は、約50オングストローム(Å)〜約1,000オングストローム(Å)の適切な厚さ、または処理構成の必要性によって任意の所望の厚さを有することができる。
一実施形態では、結晶性のシード領域408は、単結晶シリコンを含有する場合がある。別の一実施形態では、結晶性のシード領域408は、単結晶ゲルマニウムを含有する場合がある。あるいは、結晶性のシード領域408は、SiGe1−x合金および半導電性特性を示す他の化合物を含有する場合がある。かかる半導体化合物は、一般に、ドープされているかまたはドープされていないいずれかのIII−V族化合物またはII−VI族化合物を含む。適したIV族元素または化合物の例は、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、および炭化ケイ素を含む。適したIII−V化合物の例は、ガリウムアンチモン、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、ガリウムリン、アルミニウムアンチモン、アルミニウムヒ素、窒化アルミニウム、アルミニウムリン、インジウムアンチモン、インジウムヒ素、窒化インジウム、インジウムリン、およびこれらの三元系化合物または四元系化合物を含む。適したII−VI化合物の例は、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、およびこれらの三元系化合物または四元系化合物を含む。あるいは、一実施形態では、結晶性のシード領域408は、II−VI族もしくはIII−V族由来の二元系化合物、II−VI族もしくはIII−V族由来の三元系化合物、II−VI族もしくはIII−V族由来の四元系化合物、またはこれらの混合物もしくは組み合わせを含有することができる。応用例に応じて、下記に論じるように、絶縁層402および結晶性のシード領域408の上方に後で形成されるアモルファス層用の磁気媒体源として働くように、結晶性のシード領域408は、金属、非金属、または鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、これらの合金などの磁性材料を含有することができる。
ステップ310では、アモルファス層410を、基板400の前面404上に堆積し、結晶性のシード領域408および絶縁層402の少なくとも一部をカバーする。一態様では、アモルファス層410を、図4Eに示したように、結晶性のシード領域408の上側表面および絶縁層402全面にわたって堆積する。一実施形態では、アモルファス層410は、結晶性のシード領域408内に形成された材料と一般にうまく合うアモルファス材料を含有することができる。例えば、結晶性のシード領域408がゲルマニウム材料を含有するときには、アモルファス層410をアモルファスゲルマニウム層とすることができる。あるいは、結晶性のシード領域408がシリコン材料を含有するときには、アモルファス層410をアモルファスシリコン層とすることができる。
アモルファス層410を、化学気相堆積(CVD)、プラズマ化学気相堆積(PECVD)、またはホットワイア化学気相堆積(HWCVD)もしくは原子層堆積(ALD)などの他の同様なタイプの堆積プロセスなどの従来型の堆積プロセスを使用して形成することができる。アモルファス層410は、比較的薄い厚さ、または任意の所望の厚さを有することができる。一実施形態では、形成されるアモルファス層410の厚さは、約50オングストローム(Å)〜約1,000オングストローム(Å)である。一実施形態では、形成されるアモルファス層410の厚さは、約200オングストローム(Å)である。
ステップ312では、電磁放射光の複数のパルス412を使用するアニールプロセスまたはパルストレインアニーリングプロセスが、基板400の前面404の領域にまたは同時に基板の全体の前面404に遂行される。マイクロアニールレーザパルスのトレイン由来のエネルギーは、単結晶表面から進行的にアモルファス層410の数モノレイヤエピタキシャル再成長を進展させ、これによってアモルファス層410を再結晶化させる。パルストレインアニーリングプロセスは、ここでは図1Aおよび図1Bに関連して説明し示した装置によって一般に実行され、これは電磁放射光の複数の同一のパルスが基板に供給されることを可能にし、各パルスが数ミクロンの深さの基板または所望の深さにある基板表面の数原子層を、1ミリ秒(m秒)以下のうちに、シリコン基板に対しては約1300℃などの溶融点近くの温度まで加熱し、次に影響を受けた格子層が制御された前加熱温度近くの低い温度まで戻るように、与えられたエネルギーが結晶格子内で完全に消失することを可能にする1つのマイクロアニールプロセスを実現する。前加熱温度は、基板が第1のパルスの供給の直前に維持される温度を呼び、約400℃〜約800℃とすることができる。各マイクロアニールサイクルでは、結晶格子に結合していない原子が、原子半径の数分の1だけ動く。格子へ結合されている原子は、供給されるパルスから十分なエネルギーを受け取らないという理由で一般的には動かない。このように、各マイクロアニールサイクルは、個々の格子間原子を所望の格子位置へと動かす。格子間原子が格子位置を埋めるので、格子位置に位置していない他の格子間原子は、結晶格子内で望ましい位置を見つけるまで基板を通り拡散する。このようにして、パルストレインアニーリング(以降「PTA」)を、結晶格子内で格子間原子の原子位置を制御するために使用することができる。PTAは、したがって、原子的な長さのスケールで半導体デバイス内での原子の移動を制御するために使用することができるプロセスである。
一実施形態では、上に論じ図4Fに示したように、電磁放射光の複数のパルス412を使用するアニールプロセスまたはパルストレインアニーリングプロセスは、基板の少なくとも一部の上でマイクロアニールプロセスを実行するように構成された各パルスを、所望の期間にわたって形成された結晶性のシード領域408の表面(すなわち、結晶性のシード領域408とアモルファス層410との間の界面)へ供給する。電磁エネルギーの典型的な供給源は、光放射線源、電子ビーム源、および/またはマイクロ波エネルギー源を含むが、これらに限定されない。
一実施形態では、エネルギー放出は、短持続時間パルスの形態をとり、各パルスが持続時間で約1ナノ秒(n秒)〜約1秒の範囲である。一実施形態では、パルスは、約10n秒〜約20m秒の持続時間を有する場合がある。一実施形態では、各パルスは、一般に、約10ミリワット(mW)〜10Wなどの少なくとも10mWの出力レベルで約0.2J/cm〜約100J/cmのエネルギー密度を供給する。一実施形態では、例えば、各パルスによって供給されるエネルギー密度は、約0.5J/cmである。パルス用に使用する光の波長は、基板の結晶格子内で原子の最適な動きを生じさせるように選択され、アモルファス層410のエピタキシャル再成長を促進させる。本発明のある実施形態では、エネルギーのパルスが、赤外スペクトル内である波長で供給される。別の実施形態は、UVスペクトル内の光、または様々なスペクトルの波長を組み合わせた光のパルスを使用する。パルス用に使用する光のエネルギーまたは波長を、結晶性のシード領域408の深さ、およびアモルファス層410の厚さまたは材料に応じて変えることができる。一実施形態では、アモルファス層410が、アモルファスシリコンを含有するときには、例えば、光は、約1,410℃より高い温度を生成することが可能なエネルギーを有することができる、というのは、アモルファスシリコンがこの温度で溶融することがあるためである。
上に記したように、複数のパルスを、アモルファス層410のエピタキシャル再成長を促進させるために使用する。10から100,000までの番号を付けた複数のパルスを、ほぼ単一格子面またはほぼ1原子距離から、多数の格子面または多数の原子距離までの範囲の原子の動きを引き起こさせるために使用することができる。一実施形態では、約30パルス〜約100,000パルスなどの少なくとも30パルスが、アモルファス層410をアニールし、再結晶化するために使用される。別の一実施形態では、約50パルス〜約100,000パルスなどの少なくとも50パルスが、アモルファス層410をアニールし、再結晶化するために使用される。別の一実施形態では、約70パルス〜約100,000パルスなどの少なくとも70パルスが、アモルファス層410をアニールし、再結晶化するために使用される。別の一実施形態では、約100パルス〜約100,000パルスなどの少なくとも100パルスが、アモルファス層410をアニールし、再結晶化するために使用される。別の一実施形態では、約50,000パルスなどの約10,000パルス〜約70,000パルスのパルスが、アモルファス層410をアニールし、再結晶化するために使用される。上に論じたように、各パルスは、完全なマイクロアニールサイクルを実現する。パルスエネルギーが基板内で完全に消失することを可能にすることは、次のパルスを与える前に動きを凍結させる。このようにしてパルスの数を調節することは、アモルファス層の結晶格子内での原子の再配列の制御を可能にする。
理論によって束縛されないことを意図して、基板表面に当たる各パルスが、基板400を通って伝搬する振動を結晶格子内に生成するであろうと考えている。パルス間の間隔が、個々のパルスによって供給される熱が消失するために必要な時間よりも短い場合には、熱が格子内に蓄積され、格子の温度が上昇する。しかしながら、供給されるパルス間の間隔が十分に長い場合には、各パルスの加算的な効果が、基板内の温度を上昇させず、したがって、各パルスの熱効果が、結晶性のシード領域408が位置する区域に、または基板の表面の直下の区域、例えば、パルス持続時間および強度に応じて表面の下方の約100オングストローム以上までの区域に局在化するであろう。それゆえ、基板を、その融点より低い温度であるが格子原子の再配列を可能にし、アモルファス層の再結晶化を可能にするために十分に高い温度まで加熱する。一実施形態では、基板の表面へ約0.2J/cm〜約100J/cmのエネルギーを供給するパルスによって結晶格子に与えられる振動エネルギーは、熱として消失し、パルスの終端に続く約1マイクロ秒内に放射して消えることができる。本明細書において説明した半導体基板上にレーザアニールプロセスを実行するために必要なエネルギーの量が、極めて大きい場合があることが、予想される。例えば、エネルギー源から供給されるエネルギーのドーズを、8ナノ秒(ns)〜10ナノ秒のパルス持続時間にわたって約1ジュール〜約10ジュールとすることができ、これは、アニール領域へ各パルスにおいて約100MW〜約1,250MWの平均総合出力を供給することに等しい。アニール領域が約4mm〜約1000mmの面積を有する場合には、平均エネルギー密度は、約0.1MW/mm〜約313MW/mmになるであろう。各パルスについて同じエネルギーを供給することが好ましいが、ある実施形態では、例えば、所望のパターンでランピングアップするまたはランピングダウンするなどの所定の方策にしたがって変化するエネルギーでパルスを供給することが有利である場合がある。
電磁放射光の強度および波長を、結晶性のシード領域の深さおよび望まれる動きの量に応じて調整することができることが、予想される。使用するエネルギーの波長を、一般に、マイクロ波、例えば、約3cmから、可視波長を経て、遠紫外線、例えば、150ナノメートル(nm)までの範囲とすることができる。約300nm〜約1100nmの範囲の波長を、例えば、約800nmよりも短い波長などの、レーザ応用において使用することができる。レーザアニールプロセスの有効性が、アニールしようとする材料による、エネルギー源から供給されるエネルギーの透過、吸収、および反射に依存するので、供給されるエネルギーの波長(λ)または複数の波長を、基板内の所望の深さまでエネルギーの所望量を供給するように調節することができる。それゆえ、アモルファス層410が薄いほど、電磁放射光のより短い波長が、アモルファス層410へ侵入するために必要である。このようにして、深さ選択的な方法でアモルファス層をエピタキシャル再成長させることが可能である。
上に説明したパルストレインアニーリングプロセスは、電磁放射光の複数の同一のパルスを供給することによって、アモルファス層410内の原子の動きを原子レベルで制御することを可能にし、各パルスが、完全なマイクロアニールサイクルを実行する。ステップ314では、結晶性のシード領域408の表面へ供給されるまたは表面によって吸収される電磁放射光の各パルスは、結晶性のシード領域408の表面のところの原子または近くにある原子へエネルギーを与え、アモルファス層410のエピタキシャル再成長が、そこから始まり、アモルファス層の表面全面にわたって広がる横方向などのすべての方向へそこから遠くへ伝搬し、その結果、図4Gに示したように、アモルファス層410が進行的に再結晶化し、下の結晶性のシード領域408と同じグレイン構造および結晶配向を有する。
結晶性の相であるシード領域がここでは説明されているが、本発明の概念が、多結晶などの異なる相であるシード領域に対してもやはり適用可能であることが、予想される。開口部406が多結晶性のシード材料で埋められている一実施形態では、電磁放射光の一連の連続したパルス(例えば、上に説明したようなPTAプロセス)から十分なエネルギーを受けるときには、多結晶性のシード領域は、結晶化源を与え、シード多結晶成長が、そこから始まり、その上方に堆積したアモルファス層の全体にそこから遠くへ伝搬し、これによって基板表面上に多結晶性の相の所望の材料層を形成する。
図6は、本発明の別の一実施形態によるプロセス600を示す流れ図である。図7A〜図7Lは、図6に示したプロセス600の様々なステージにおける基板の模式的断面図を示す。ステップ602からステップ610に説明した処理ステップが、上に論じたステップ302からステップ310に関連して実行した(1つまたは複数の)プロセスと同様であるので、個々の処理ステップをここでは再び議論しない。
ステップ612では、第2の絶縁層702を、アモルファス層410を覆うように形成する。第2の絶縁層702は、絶縁層402と同様の誘電性材料を含有することができる。ステップ612において実行される堆積プロセスおよびステップは、一般的に、上に説明したステップ302に関連して実行した(1つまたは複数の)プロセスと同じである。第2の絶縁層702は、処理構成の必要性に応じて、絶縁層402と同じ厚さを有することもそうでないこともある。
ステップ614では、図7Gに示したように、所望の厚さdを具備する開口部706を実現し、アモルファス層410の上側表面の一部を露出させるまで、ステップ304に関連して実行した(1つまたは複数の)プロセスと一般的に同じである選択的材料除去プロセスを使用して、第2の絶縁層702を選択的にエッチする。一実施形態では、開口部706の厚さdは、約50オングストローム(Å)〜約1,000オングストローム(Å)である。開口部706が、示したようにアモルファス層410の上側表面の一部を露出させずに厚さdよりも薄い厚さを有することがあることが、予想される。
ステップ616では、図7Hに示したように、結晶性系の材料を有する構造である第2の結晶性のシード層708を、第2の絶縁層702上および開口部706内に堆積する。ステップ616において実行される第2の結晶性のシード層708の形成は、上に論じたステップ306に関連して実行した(1つまたは複数の)プロセスと一般に同じである。その後で、ステップ618では、基板400の前面404が、CMPプロセスまたは類似のプロセスを使用して平坦化され、その結果、図7Iに示したように、結晶性のシード材料で埋められた開口部706が得られる。あるいは、第2の結晶性のシード層708を、ステップ306に関連して上に論じたような選択エピタキシャル成長プロセスによって形成することができる。一実施形態では、第2の結晶性のシード層708(図7I)は、第2の絶縁層702の厚さ(すなわち、d)と実質的に同じ厚さを有することができる。いずれの方法でも、開口部706は、第2の絶縁層702の厚さと実質的に同じ厚さである結晶性のシード材料で埋められ、第2の結晶性のシード領域708を作り出す。
一実施形態では、第2の結晶性のシード領域708は、カラム、層、量子ドット、またはステップ308に関連して上に説明したような類似の条件(例えば、表面積または厚さ)を有する任意の所望のパターンのドットもしくは形状の形態である。同様に、電磁放射光の一連の連続したパルス(例えば、前に説明したような、パルストレインアニールプロセス)から十分なエネルギーを受けるときには、第2の結晶性のシード領域708上に堆積される第2のアモルファス層の固相再結晶化の速度を増加させるように、図5に示したような1つよりも多くの領域を有することが、第2の結晶性のシード領域708にとって有利である場合がある。
処理構成の必要性によって、一実施形態では、第2の結晶性のシード領域708は、結晶性のシード領域408のものと同様な材料または化合物を含有することができる。例えば、結晶性のシード領域408がシリコン材料を含有するときには、第2の結晶性のシード領域708は、ゲルマニウム材料を含有することができる、または逆も同様である。一実施形態では、第2の結晶性のシード領域708は、結晶性のシード領域408のものとは異なる材料または化合物を含有することができる。一実施形態では、第2の結晶性のシード領域708は、単結晶シリコンを含有することができる。別の一実施形態では、第2の結晶性のシード領域708は、単結晶ゲルマニウムを含有することができる。あるいは、第2の結晶性のシード領域708は、シリコン−ゲルマニウムを含有することができる。さらに別の一実施形態では、第2の結晶性のシード領域708は、例として前に説明した、基本的にドープされているかまたはドープされていないいずれかのIV族元素もしくは化合物、III−V化合物、またはII−VI化合物を含むことができるまたは構成されることがある。第2の絶縁層702および第2の結晶性のシード領域708上に形成されるアモルファス層用の磁気媒体源として機能するように、第2の結晶性のシード領域708が、金属、非金属、または鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、およびこれらの合金などの磁性材料を含有する場合がある。
ステップ620では、第2のアモルファス層710を、基板400の前面404を覆うように堆積し、第2の結晶性のシード領域708および第2の絶縁層702の少なくとも一部をカバーする。一態様では、第2のアモルファス層710を、図7Jに示したように、第2の結晶性のシード領域708の上側表面および第2の絶縁層702全面にわたって堆積する。一実施形態では、第2のアモルファス層710は、第2の結晶性のシード領域708内に形成される材料と一般にうまく合うアモルファス材料を含有することができる。例えば、第2の結晶性のシード領域708がゲルマニウム材料を含有するときには、第2のアモルファス層710をアモルファスゲルマニウム層とすることができる。あるいは、第2の結晶性のシード領域708がシリコン材料を含有するときには、第2のアモルファス層710をアモルファスシリコン層とすることができる。
図7Jに示した実施形態では、第2のアモルファス層710および第2の結晶性のシード領域708が、構造の高いレベルに形成され、一方で、アモルファス層410および結晶性のシード領域408が、構造の低いレベルに形成される。一実施形態では、第2のアモルファス層710および第2の結晶性のシード領域708は、一般的に平行であり、アモルファス層410および結晶性のシード領域408と向かい合う。第2の結晶性のシード領域708および結晶性のシード領域408が、カラム、ドット、または任意の所望の形状の形態であるケースでは、構造の上から見たときに、第2の結晶性のシード領域708が、結晶性のシード領域408と位置合わせされる場合も位置合わせされない場合もある。ここには示されていないが、応用例に応じて、基板400の下方に形成したおよび/または第2の絶縁層702とアモルファス層410との間に形成した、トランジスタなどの別の半導体デバイスがある場合があることが、予想される。
第2のアモルファス層710を、ステップ310に関連して実行した(1つまたは複数の)プロセスと一般に同じである堆積プロセスを使用して形成することができる。一実施形態では、第2のアモルファス層710は、比較的薄い厚さまたは所望の厚さを有することがある。一実施形態では、形成したアモルファス層710の厚さは、約50オングストローム(Å)〜約1,000オングストローム(Å)である。一実施形態では、第2のアモルファス層710の厚さは、約200オングストローム(Å)である。しかしながら、様々な厚さを、処理構成の必要性によって堆積することができる。
ステップ622では、電磁エネルギーの複数のパルス711を使用するアニールプロセス、またはパルストレインアニーリングを、基板400の前面404の領域に、または同時に基板の前面404全体に遂行する。ここで説明するパルストレインアニーリングプロセスを、ステップ312に関連して実行した(1つまたは複数の)プロセスと一般に同じである方式で遂行する。しかしながら、レーザアニールプロセスの有効性が、アニールしようとする材料によるエネルギー源から供給されるエネルギーの透過、吸収および反射に依存するので、供給するエネルギーの波長(λ)または複数の波長を、基板内の所望の深さまで所望の量のエネルギーを供給するように調整することが可能である。光の各フォトンによって供給されるエネルギーの量が、波長に応じて変化する(E=hc/λ)ので、したがって、波長が短いほど、光の各フォトンによって供給されるエネルギーが大きいことに留意すべきである。あるケースでは、シリコンなどのある種の材料は、厚さおよび波長により変化する吸収端を有し、これが基板材料によって吸収される波長を制限する。それゆえ、基板が作られる材料の厚さおよびタイプに応じて、放出される放射光の(1つまたは複数の)波長を変えることができ、基板の露光される領域の損傷を最少にし、一様な加熱を促進させるために基板への所望のエネルギー伝達を実現することができる。このようにして、図7Jに示した実施形態のような、結晶性のシード層およびアモルファス層の複数の層を使用するときには、目標とする層の下の(1つまたは複数の)層を溶融させずに基板内の所望の深さまで所望の量のエネルギーを供給するために、材料の厚さおよびタイプに応じて、電磁放射光の複数のパルスのエネルギーまたは波長を調節することができる。
複数の層を利用する一実施形態、例えば図7Jに示した構造では、電磁エネルギーの一連の連続したパルス711は、約1064nmよりも短い波長でエネルギーを供給するように適合しているか、または結晶性のシード領域408の表面によって吸収されて、結晶性のシード領域408の表面にある原子または結晶性のシード領域408の表面の近くにある原子へエネルギーを与える。そこから、結晶性のシード領域の上に堆積されたアモルファス層410のエピタキシャル再成長が始まって、アモルファス層410の表面全面にわたって横方向などのすべての方向にそこから遠くへ伝搬する。アニールすることの目的は、アモルファス層410が進行的に再結晶化し、下の結晶性のシード領域408と同じグレイン構造および結晶配向を有するように、シードとして結晶性のシード領域408を使用して、結晶格子内の正常の位置にアモルファス層410の全体にわたって原子を再整列させることである。変換されたシリコン層は、ステップ622において説明され、図7Kに示された参照番号410’として符号を付けられる。その後で、電磁放射光の一連の連続したパルス711は、約800nmよりも短い波長でエネルギーを供給するように適合している、または第2の結晶性のシード領域708の表面によって吸収され、シード結晶成長が、そこから始まり、第2のアモルファス層710の表面全面にわたる横方向などのすべての方向へそこから遠くへ伝搬し、これによって第2のアモルファス層710を再結晶化させる。変換されたシリコン層は、ステップ624において説明され図7Lに示された参照番号710’として符号を付けられる。一実施形態では、エネルギー源から供給する電磁エネルギーの波長は、第2の結晶性のシード領域708に対して約532nmである。さらに別の一例では、エネルギー源から供給する電磁エネルギーの波長は、第2の結晶性のシード領域708に対して約216nmまたは約193nmである。本発明の一態様では、Q−スイッチ処理した、Nd:YAG(ネオジウムドープしたイットリウムアルミニウムガーネット)レーザは、約266nm〜約1064nmの波長でエネルギーを供給するように適合している。タイミング、持続時間、パルスのプロファイル(例えば、時間に対するエネルギー)およびパルスの数は、上に論じたステップ312に関連して実行したものと同様であるので、これらのパラメータを処理構成の必要性によって調節することができる。例えば、結晶性のシード領域の深さおよび望まれる動きの量に応じて、結晶性のシード領域408への電磁エネルギーを、約30パルス〜約10,000パルスで印加するが、一方で第2の結晶性のシード領域708への電磁エネルギーを、約10,000パルス〜約100,000パルスで印加する、または逆も同様である。
本発明が、説明したような2つの結晶性のシード領域および2つのアモルファス層に限定されないことが、予想される。エネルギーパルスのプロファイルを変えることによって深さ選択的な方法でアモルファス層を再成長させることが可能であるので、任意の数の層を採用することができる。構造が複数の層(例えば、2つ以上の結晶性のシード領域およびアモルファス層)を有するケースでは、前に再結晶化されているアモルファス層が、これに隣接するがまだ再結晶化されていないアモルファス層に対する新たな結晶性のシード源になることができ、これによって、再結晶化プロセスの総合的な速度を増加させる。
本明細書において説明した本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、1つまたは複数のステップを、追加し、削除しおよび/または配列し直すことができるので、図4および図7に示したステップの数および順序が、本明細書において説明した本発明の範囲について限定するようには意図されていないことが、やはり予想される。例えば、図7Jおよび図7Kに示した実施形態では、例えば、約266nm〜約532nmのより短い波長でエネルギーの一連の連続したパルスを、第2の結晶性のシード領域708の表面に最初に供給することができ、その後で、例えば、約800nm〜約1064nmのより長い波長でエネルギーの一連の連続したパルスを、結晶性のシード領域408の表面に次に供給する。あるいは、第1のアモルファス層410を、第2の絶縁層702の堆積の前にパルストレインアニーリングプロセスを用いて処理することができ、その結果、第2の絶縁層702および第2の結晶性のシード領域708が、再結晶化されている第1のアモルファス層410上に形成される。それに加えて、結晶性のシード領域が位置する場所に、電磁エネルギーが供給されるように図示されているが、ある実施形態では、電磁エネルギーを、基板の全体の前面を実質的にカバーするような方式で供給することができる。
上記は本発明の実施形態に向けられているが、本発明の別の実施形態およびさらなる実施形態を、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに考案することができ、本発明の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決められる。

Claims (6)

  1. 基板を覆う結晶性層のエピタキシャル成長の方法であって、
    基板を覆うように第1の絶縁層を堆積させるステップと、
    前記第1の絶縁層中に、結晶性の状態にある第1の材料を有する第1のシード領域を形成するステップと、
    前記第1のシード領域および前記第1の絶縁層の少なくとも一部の上にアモルファス状態にある第1の材料の第1の層を堆積させるステップと、
    前記第1の材料の第1の層を覆うように第2の絶縁層を堆積させるステップと、
    前記第2の絶縁層中に、結晶性の状態にある第1の材料を有する第2のシード領域を形成するステップと、
    前記第2のシード領域および前記第2の絶縁層の少なくとも一部の上にアモルファス状態にある第1の材料の第2の層を堆積させるステップと、
    シードとして前記第1のシード領域を使用して、前記第1の材料の第1の層を再結晶化させ、かつアモルファス状態から下にある前記第1のシード領域と同じグレイン構造および結晶配向を有する結晶性の状態へと変換させるのに十分な期間にわたって、前記第1の材料の第1の層が堆積されている前記第1のシード領域の表面の方へ、第1の電磁エネルギーの複数のパルスを向けるステップと、
    シードとして前記第2のシード領域を使用して、前記第1の材料の第2の層を再結晶化させ、かつアモルファス状態から前記下にある第2のシード領域と同じグレイン構造および結晶配向を有する結晶性の状態へと変換させるのに十分な期間にわたって、前記第1の材料の第2の層が堆積されている前記第2のシード領域の表面の方へ、前記第1の電磁エネルギーとは異なる波長およびパルスの数を有する第2の電磁エネルギーを向けるステップと
    を含む方法。
  2. 前記第1の材料が、シリコン、ゲルマニウム、SiGe1−x合金、III−V族もしくはII−VI族半導体化合物、II−VI族もしくはIII−V族由来の二元系化合物、II−VI族もしくはIII−V族由来の三元系化合物、II−VI族もしくはIII−V族由来の四元系化合物、またはこれらの混合物もしくは組み合わせから構成される群から選択される、ドープされたまたはドープされていない半導体材料または化合物を含む、請求項に記載の方法。
  3. 前記第1の材料が、Fe、Co、Niおよびこれらの合金から構成される群から選択される磁気媒体をさらに含む、請求項に記載の方法。
  4. 前記第2の層が、前記第1の材料の第1の層とは異なる半導体材料または化合物を含む、請求項に記載の方法。
  5. 前記シード領域が、約50Å〜約1,000Åの厚さを有する、層、カラム、ドット、または所定の形状の形態である、請求項に記載の方法。
  6. 前記第1のシード領域および前記第2のシード領域が、それぞれ、前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層の全面にわたってまたはエッジに配列された多数のシード領域を含む、請求項に記載の方法。
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