JP5690493B2 - 温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置 - Google Patents

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Description

本発明は温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置に関し、より詳しくは、麹の培養床が設けられた製麹室へ送風を行う送風手段と、該送風手段による送風量、送風温度を制御する空調制御手段とを備えた温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置に関する。
麹原料に微生物を接種させて培養を行う製麹装置において、発酵中における麹の温度調節には、空調装置による空調空気の送風と、手入装置による麹堆積層の攪拌とがある。
前記空調空気の送風による麹の温度調節には、送風量の調節、送風温度の調節があり、また間接的には送風湿度の調節がある。
送風量と送風温度とにより麹の温度調節を自動的に行う技術として、当初は製麹時間の経過に対して送風量や送風温度を予め固定的に定めた固定パターンで制御するものが多かった。
一方、最近は、目標とする麹温度と測定された麹温度との差に応じて送風量や送風温度を調整する技術が、本願出願人が開示した下記特許文献1をはじめとして、あれこれ開示されている。
特開平8−317783号公報
しかしながら、上記特許文献1等に示す従来技術にあっては、空調空気の送風量や送風温度を、測定時における測定麹温度と目標麹温度との温度差のみに基づいて調整するだけであることから、麹温度の調整を速やかに、また精度よく行うことができない問題があった。
即ち、麹は自らが発酵に伴って発熱し、且つその発熱量が経時的に変化する。従って同じ測定麹温度あっても、発熱量が大きい場合はその後に急激に麹温度が上昇する傾向を保有しており、一方、発熱量が小さい場合はその後の麹温度の上昇は僅かに止まるという傾向を保有している。
上記従来技術においては、このような麹自体の発熱特性を十分考慮した空調制御が行われておらず、設定された麹温度に対して実際の麹温度を速やかに、精度よく、確実に修正することができないという問題があった。
そこで本発明は上記従来技術の問題点を解決し、麹自体の発熱量の経時的変化の傾向をも取り入れた麹温度制御ができ、よって目標とする設定麹温度に対して速やかに、精度よく、安定して測定麹温度を近似させることができる温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置の提供を課題とする。
上記課題を解決するため本発明の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置は、製麹室内に1乃至複数の培養床を設けると共に前記製麹室へ送風を行う送風手段と、該送風手段による送風量と送風温度とを少なくとも制御する空調制御手段とを備え、前記空調制御手段は、前記培養床で培養される麹の経時的な温度変化を予め実験により設定してこれを設定麹温度曲線として記憶し、また経時的に測定される測定麹温度(MeKT)と前記設定麹温度(SeKT)曲線とから、培養中の各測定時点において、両者の温度差(ΔT)を演算すると共に前記測定麹温度(MeKT)の温度勾配と前記設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配との温度勾配差(ΔG)を演算するようにした、温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置であって、
前記空調制御手段による培養中の各測定時点における送風量の調整は、
培養中の各測定時点での測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)に対応する標準送風量(SWQ)を、予め定め且つ記憶部に記憶させてある複数の標準送風量(SWQ)の中から採用し、
一方、培養中の各測定時点での測定麹温度(MeKT)の温度勾配と前記設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配との温度勾配差(ΔG)を、予め実験により知得し且つ記憶部に記憶させている実験式にあてはめて、送風量修正係数(WQF)を演算し、
更に培養中の各測定時点において、前記標準送風量(SWQ)に前記送風量修正係数(WQF)を乗じて実送風量(RWQ)を演算し、該実送風量(RWQ)で送風を行う構成とし、
前記空調制御手段による培養中の各測定時点における送風温度の調整は、
前記測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)に対応する標準修正温度値(SMT)を、予め定め且つ記憶部に記憶させている複数の標準修正温度値(SMT)の中からを採用し、
一方、培養中の各測定時点での測定麹温度(MeKT)の温度勾配と前記設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配との温度勾配差(ΔG)を、予め実験により知得し且つ記憶部に記憶させている実験式にあてはめて、送風温度修正係数(WTF)を演算し、
更に培養中の各測定時点において、前記標準修正温度値(SMT)に前記送風温度修正係数(WTF)を乗じて実修正温度値(RMT)を演算し、
更に培養中の各測定時点において、前記設定麹温度(SeKT)に前記実修正温度値(RMT)を加えて実送風温度(RWT)を演算し、該実送風温度(RWT)で送風を行う構成としたことを第1の特徴としている。
また本発明の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置は、上記第1の特徴に加えて、送風量修正係数(WQF)は、温度勾配差(ΔG)と、予め実験により定めた下記実験式2を用いて演算し、
送風温度修正係数(WTF)は、温度勾配差(ΔG)と、予め実験により定めた下記実験式5を用いて演算することを第2の特徴としている。
WQF=ΔG(℃/min)×10(min/℃)+1・・・実験式2
WTF=ΔG(℃/min)×50(min/℃)・・・・・実験式5
請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置において、空調制御手段は、麹培養中の各測定時点で、測定麹温度(MeKT)と予め記憶した設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)を演算する。また測定麹温度(MeKT)の温度勾配と設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配との勾配差(ΔG)を演算する。
前記測定麹温度(MeKT)の温度勾配は、その時点における麹の実際の発熱量の大小の程度を示すことができる値である。また設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配は、その時点における麹の発熱量の変化の程度を示す値である。この両者の温度勾配の差(ΔG)が大きいということは、その時点における麹の実際の発熱量と予想発熱量との差が大きく、その後に続く測定麹温度(MeKT)の変化に対する影響が両者において大きく異なるということである。従って測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)だけで単純に送風調整するだけでは、麹温度の調整が十分にはできないのである。
そこで請求項1に記載された温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置では、測定麹温度と設定麹温度との温度勾配差(ΔG)も演算して、送風調整をすることを前提としている。
請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置によれば、空調制御手段による培養中の各測定時点における送風量の調整は、培養中の各測定時点での測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)に対応する標準送風量(SWQ)を、予め定め且つ記憶部に記憶させている複数の標準送風量(SWQ)の中から採用する構成としている。
即ち、色々な温度差(ΔT)に対応して好ましい標準送風量(SWQ)を予め実験等により得ておき、これを記憶部に記憶させておくことになる。そして各測定時点で、測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)が演算されると、その温度差(ΔT)に対応した標準送風量(SWQ)が採用される。
このような構成により、各測定時点で得られる温度差(ΔT)に対して予め記憶されている適切な標準送風量(SWQ)を選ぶことができる。
また請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置によれば、培養中の各測定時点での測定麹温度(MeKT)の温度勾配と前記設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配との温度勾配差(ΔG)を、予め実験により知得し且つ記憶部に記憶させている実験式にあてはめて、送風量修正係数(WQF)を演算する構成としている。
即ち、色々な温度勾配差(ΔG)に対応して好ましい送風量修正係数(WQF)を得るために必要な実験式を予め実験により知得しておき、これを記憶部に記憶させておくことになる。そして各測定時点で温度勾配差(ΔG)が演算されると、それをその実験式にあてはめて演算することで、現に好ましい送風量修正係数(WQF)を得ることができる。
また請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置によれば、培養中の各測定時点において、前記標準送風量(SWQ)に前記送風量修正係数(WQF)を乗じて実送風量(RWQ)を演算し、該実送風量(RWQ)で送風を行う構成としている。
即ち、温度差(ΔT)に対応して予め実験等により得られた標準送風量(SWQ)と、温度勾配差(ΔG)を実験により知得した式である実験式にあてはめて得た送風量修正係数(WQF)とで、適切な実送風量(RWQ)を得ることができる。
請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置によれば、培養中の各測定時点における送風温度の調整は、測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)に対応する標準修正温度値(SMT)を、予め定め且つ記憶部に記憶させている複数の標準修正温度値(SMT)の中から採用する構成としている。
即ち、色々な温度差(ΔT)に対応して好ましい標準修正温度値(SMT)を予め実験等により得ておき、これを記憶部に記憶させておくことになる。そして各測定時点で、測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)が演算されると、その温度差(ΔT)に対応した標準修正温度値(SMT)が採用される。
このような構成により、各測定時点で得られる温度差(ΔT)に対して予め記憶されている適切な標準修正温度値(SMT)を選ぶことができる。
また請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置によれば、培養中の各測定時点での測定麹温度(MeKT)の温度勾配と前記設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配との温度勾配差(ΔG)を、予め実験により知得し且つ記憶部に記憶させている実験式にあてはめて、送風温度修正係数(WTF)を演算する構成としている。
即ち、色々な温度勾配差(ΔG)に対応して好ましい送風温度修正係数(WTF)を得るために必要な実験式を予め実験により知得しておき、これを記憶部に記憶させておくことになる。そして各測定時点で温度勾配差(ΔG)が演算されると、それをその実験式にあてはめて演算することで、現に好ましい送風温度修正係数(WTF)を得ることができる。
また請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置によれば、培養中の各測定時点において、前記標準修正温度値(SMT)に前記送風温度修正係数(WTF)を乗じて実修正温度値(RMT)を演算する構成としている。
即ち、温度差(ΔT)に対応して予め実験等により得られた標準修正温度値(SMT)と、温度勾配差(ΔG)を実験により知得した式である実験式にあてはめて得た送風温度修正係数(WTF)とで、適切な実修正温度値(RMT)を得ることができる。
そして請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置によれば、培養中の各測定時点において、前記設定麹温度(SeKT)に前記実修正温度値(RMT)を加えて実送風温度(RWT)を演算し、該実送風温度(RWT)で送風を行うようにしている。
即ち、実際に送風を行う温度である実送風温度(RWT)は、温度勾配差(ΔG)と実験式とから得られる実修正温度値(RMT)を、設定麹温度(SeKT)に加えた温度であるから、十分に適切な温度での送風が可能となる。
以上より、請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置によれば、目標とする設定麹温度に対して速やかに、精度よく、安定して測定麹温度を近似させることができる。
請求項2に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置によれば、上記請求項1の構成による作用効果に加えて、送風量修正係数(WQF)は温度勾配差(ΔG)と予め定めた実験式2により得られる。また送風温度修正係数(WTF)は、温度勾配差(ΔG)と予め定めた実験式5により得られる。このように実験により得られた実験式を用いることで、より適切な送風を行うことができる。
本発明の実施形態に係る温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置に記憶される設定麹温度曲線の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置の空調制御手段による送風制御を説明する図である。 本発明の実施形態に係る温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置の空調制御手段による送風制御を説明するフローチャートである。
以下の図面を参照して、本発明に係る温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。
先ず図1を参照し、本発明に係る温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置は製麹室10を有する。製麹室10内には、例えば円盤形状の培養床11が設けられている。培養床11上に麹原料が積層され、微生物が接種されることで麹が培養される。本実施形態では培養床11を1段(1つ)で設けているが、複数段(複数)を設けてもよい。培養床11は製麹室10内に水平状態に設けられており、且つ水平方向に回転する構成とすることで、培養床11の均質性を確保している。前記麹原料は搬送機12によって培養床11に運ばれる。また培養床11上の麹堆積層は必要に応じて攪拌機13によって攪拌される。
前記製麹室10への送風は、送風手段20によって、製麹室10の下部の送風口14から吹き込まれ、培養床11を下方から上方に抜け、上方の排気口15から排出されるように構成されている。
前記送風手段20は、ダクト21、ダンパー22、送風ファン23、及び温度調節部24を有する。製麹室10への送風はダクト21を介して行う。製麹室10の排気口15から排気された空気はダンパー22を介して外部へ排出され、或いは送風ファン23側へ循環される。また外部空気がダンパー22を介して取り入れられる。勿論、送風手段20はこれらダクト21、ダンパー22、送風ファン23、温度調節部24によるものに限定されるものではない。製麹室10に送風を行うことができる機構を備えたものであればよい。
送風温度の増減は、本実施形態では、ダンパー22の調節により、製麹室10から循環される空気と外部から取り入れられる空気とによって行われる。また前記温度調節部24においても送風温度の増減が行われる。また送風量の増減は送風ファン23により行われる。
前記送風手段20による送風量と送風温度の制御は、空調制御手段である空調コントローラ30により行う。
空調コントローラ30は、記憶部、演算部、比較部を備えたコンピュータを内蔵する。
空調コントローラ30による制御に必要な温度情報は、麹温度を検出する麹温度センサー16、送風温度を検出する送風温度センサー17により取得する。また必要に応じて製麹室10からの排気温度を検出する排気温度センサー25、外部空気の温度を検出する外気温度センサー26、その他の温度センサーを設けて、空調コントローラ30に温度情報を入力するようにしてもよい。
空調コントローラ30による制御に必要な送風量情報は、送風ファン23の回転数、或いは送風ファン23の出力から得ることができる。しかし風量センサーを送風口14付近に設けて、送風量情報を入力するようにしてもよい。
空調コントローラ30からの制御指令は、送風手段20の送風ファン23、ダンパー22、温度調節部24に対して行われる。送風ファン23は前記空調コントローラ30からの送風量制御指令に基づいて所定の送風量を実現する。またダンパー22と温度調節部24は前記空調コントローラ30からの送風温度制御指令に基づいて所定の送風温度を実現する。
空調コントローラ30には、培養床11で培養される麹の経時的な温度変化を予め設定して、これを設定麹温度(SeKT)曲線として記憶させておく。設定麹温度曲線は、麹培養育成において目標とする麹の経時的温度変化を表す曲線として、予め多数の実験を経て設定されるものである。図2に設定麹温度曲線の一例を示す。この例は醤油製造における製麹の設定麹温度曲線の例を示し、培養される麹の発熱量の経時的な変化特性に応じて、第1〜第5の培養ステージ(ST1〜ST5)に区分されている。
空調コントローラ30は、麹培養中の各時点において、麹温度センサー16によって得られる測定麹温度(MeKT)の温度勾配(MeKG)と、対応する各時点において設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配(SeKG)との温度勾配差(ΔG)を演算する。
前記温度勾配差(ΔG)は例えば次の式1で演算することができる。
ΔG(℃/min)={(MeKT−MeKT−10)−(SeKT−SeKT−10)}÷10・・・・式1
ここで、
ΔG(℃/min):麹培養各時点での測定麹温度と設定麹温度との温度勾配差
MeKT:現在の測定麹温度
MeKT−10:10分前の測定麹温度
SeKT:現在の設定麹温度
SeKT−10:10分前の設定麹温度
上記式1では、測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)とのそれぞれにおいて、各10分間の温度変化を温度勾配(G)としてとらえ、測定麹温度(MeKT)の温度勾配(MeKG)と設定麹温度(SeKT)の温度勾配(SeKG)差を1分あたりの温度勾配差(ΔG)として演算している。勿論、測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)との温度変化をみる時間単位は必ずしも10分間とする必要はない。5分間や1分間、その他の時間間隔を単位として採用することができる。例えば図2の第1培養ステージ(ST1)や第5培養ステージ(ST5)のように、製麹初期や製麹後半の温度変化の少ないステージでは、5分間以上の間隔をおいて温度を測定し、演算を行うようにすることができる。また第2〜第4培養ステージ(ST2〜ST4)では、麹の発熱が激しくなるため、1分間前後の間隔で温度を測定して、演算を行うようにしてもよい。なお、測定麹温度(MeKT)は連続的に測定されるが、任意の時間間隔で温度差を算出し、温度勾配差(ΔG)を演算することができる。
また上記式1では、1分当たりの温度勾配差(ΔG)を演算したが、単位は1分に限定するものではない。1秒、30秒、5分、10分、その他の時間を単位として温度勾配差(ΔG)を演算してもよい。
空調コントローラ30は、麹培養中の各時点において、麹温度センサー16によって得られる測定麹温度(MeKT)と同時刻における設定麹温度(SeKT)との差に対応して、標準送風量(SWQ)と標準送風温度(SWT)とを採用する。
空調コントローラ30は、麹培養中の各時点において、前記標準送風量(SWQ)に送風量修正係数(WQF)を乗じることで、標準送風量(SWQ)に必要な修正を加えて、培養中の各時点での実送風量(RWQ)を演算し、送風量制御を行う。
前記送風量修正係数(WQF)は、麹培養中の各時点において、前記温度勾配差(ΔG)を予め記憶している実験式(式2)にあてはめる(代入)ことで演算することができる。
一方、空調コントローラ30は、麹培養中の各時点において、前記標準送風温度(SWT)と、送風温度修正係数(WTF)を用いて、標準送風温度(SWT)に必要な修正を加えて、培養中の各時点での実送風温度(RWT)を演算し、送風温度制御を行う。
前記標準送風量(SWQ)は、測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)との温度差(ΔT)に対応して、予め定めたものを空調コントローラ30の記憶部に記憶させておく。
そして測定麹温度(MeKT)が得られた時点で、その測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)との温度差(ΔT)を演算し、その差に応じた標準送風量(SWQ)を記憶の中から採用し、決定する。
図3を参照して、予め定められて記憶部に記憶される標準送風量(SWQ)について説明する。
図3において、設定麹温度(SeKT)曲線は、図2における第2培養ステージ(ST2)の設定麹温度(SeKT)曲線を想定して描いている。測定麹温度(MeKT)曲線は培養中の各時点において麹温度が実際に測定されていくことで描かれていくことになる。図3では測定麹温度(MeKT)曲線を仮想的に表している。
前記設定麹温度(SeKT)に対して高温側に第1高温境界温度(HT1)、第2高温境界温度(HT2)を予め設定している。そして設定麹温度(SeKT)を超えて第1高温境界温度(HT1)までの温度領域を第1高温領域、第1高温境界温度(HT1)を超えて第2高温境界温度(HT2)までの温度領域を第2高温領域、第2高温境界温度(HT2)を超える温度領域を第3高温領域としている。
一方、設定麹温度(SeKT)に対して低温側に第1低温境界温度(LT1)、第2低温境界温度(LT2)を予め設定している。そして設定麹温度(SeKT)未満で第1低温境界温度(LT1)までの温度領域を第1低温領域、第1低温境界温度(LT1)未満で第2低温境界温度(LT2)までの温度領域を第2低温領域、第2低温境界温度(LT2)未満の温度領域を第3低温領域としている。
本実施形態では、標準送風量(SWQ)は、基底送風量(BWQ)と中間送風量(MdWQ)と最高送風量(MxWQ)として構成される。
測定麹温度(MeKT)が設定麹温度(SeKT)以下の領域にある場合、即ち設定麹温度(SeKT)を含み、第1低温領域、第2低温領域、第3低温領域にある場合には、予め定めた基底送風量(BWQ)を標準送風量(SWQ)とする。
また測定麹温度(MeKT)が第1高温領域にある場合には、一般的な比例制御(PID制御)による中間送風量(MdWQ)を標準送風量(SWQ)とする。
また測定麹温度(MeKT)が第2高温領域以上にある場合には、予め定めた最高送風量(MxWQ)を標準送風量(SWQ)とする。
前記送風量修正係数(WQF)は、麹培養中の各時点において、前記温度勾配差(ΔG)を予め記憶している実験式(式2)にあてはめて演算する。
WQF=ΔG(℃/min)×10(min/℃)+1・・・・式2
ここで、
WQF:送風量修正係数
ΔG(℃/min):温度勾配差
実送風量(RWQ)は、前記演算された送風量修正係数(WQF)と標準送風量(SWQ)とを乗じて次の式3のように演算される。
RWQ=WQF×SWQ・・・・式3
ここで、
RWQ:実送風量
WQF:送風量修正係数
SWQ:標準送風量(基底送風量(BWQ)、中間送風量(MdWQ)、最高送風量(MxWQ)
今、例えば培養中のある時点で、温度勾配差(ΔG)が0.05(℃/min)である場合は、送風量修正係数WQFは1.5となる。従って実送風量(RWQ)は標準送風量(SWQ)の1.5倍となる。また温度勾配差(ΔG)が−0.05(℃/min)である場合は、送風量修正係数WQFは0.5となる。従って実送風量(RWQ)は標準送風量(SWQ)の0.5倍となる。
制御コントローラ30は、培養中の各時点において、演算された実送風量(RWQ)となるように送風手段20を制御する。
前記送風量修正係数(WQF)を演算するための前記実験式(式2)は、温度勾配差(ΔG)とそれに伴う必要且つ適切な送風量修正(設定麹温度に近づけるための送風量修正)について、予め行った実験により適切なものを知得することができる。勿論、実験式(式2)は上述した式に限定されるものではなく、より適切な送風量修正係数(WQF)を得られる他の実験式が知得できれば、それに代えることができる。
一方、実送風温度(RWT)を演算するための標準となる前記標準送風温度(SWT)は、測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)との温度差(ΔT)に対応して、予め定めたものを空調コントローラ30の記憶部の記憶させておく。
そして測定麹温度(MeKT)が得られた時点で、その測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)との差(ΔT)が演算され、その差(ΔT)に応じた標準送風温度(SWT)が記憶された中から採用されて、決定される。
本実施形態では、標準送風温度(SWT)は、麹培養中における各時点での設定麹温度(SeKT)と標準修正温度値(SMT)により、次の式4で表される。ここで、標準修正温度値(SMT)は測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)との差に応じて予め設定されて空調コントローラ30に記憶される。
SWT=SeKT+SMT・・・・式4
ここで、
SWT:標準送風温度
SeKT:麹温度測定時点での設定麹温度
SMT:麹温度測定時点での標準修正温度値
前記標準修正温度値(SMT)は、本実施形態では、図3を参照して、設定麹温度(SeKT)及びその上下一定範囲にある第1温度領域、即ち前記第1高温領域と第1低温領域からなる第1温度領域では、値を0とする。
また標準修正温度値(SMT)は、第1温度領域の外側にある第2温度領域では、第1温度領域との境界温度から測定麹温度(MeKT)を差し引いた値とする。即ち、
第2高温領域では、
標準修正温度値(SMT)=第1高温境界温度(HT1)−測定麹温度(MeKT)
第2低温領域では、
標準修正温度値(SMT)=第1低温境界温度(LT1)−測定麹温度(MeKT)
また標準修正温度値(SMT)は、第2温度領域の外側にある第3温度領域では、第1温度領域と第2温度領域との境界温度から第2温度領域と第3温度領域との境界温度を差し引いた値とする。即ち、
第3高温領域では、
標準修正温度値(SMT)=第1高温境界温度(HT1)−第2高温境界温度(HT2)
第3低温領域では、
標準修正温度値(SMT)=第1低温境界温度(LT1)−第2高温境界温度(LT2)
以上でわかるように、第1高温領域と第1低温領域では、標準修正温度値(SMT)は0であるので、標準送風温度(SWT)は設定麹温度(SeKT)となる。第2高温領域及び第3高温領域では、標準修正温度値(SMT)は負の値となる。従って標準送風温度(SWT)は設定麹温度(SeKT)よりも低温となる。第2低温領域及び第3低温領域では、標準修正温度値(SMT)は正の値となる。従って標準送風温度(SWT)は設定麹温度(SeKT)よりも高温となる。
前記第1高温領域と第1低温領域からなる第1温度領域は、麹温度が設定麹温度(SeKT)に対して近傍にあり、送風温度による調整を行う必要のない領域として設定される。この第1温度領域の範囲、即ち第1高温境界温度(HT1)の値、第1低温境界温度(LT1)の値は予め実験等に基づいて定める。
ただし、第1高温領域は設定麹温度(SeKT)より少し高めの温度となるので、PID制御による中間送風量(MdWQ)による送風量の増加調整で穏やかに麹温度を設定麹温度(SeKT)に調整してゆく。
一方、送風量は第1低温領域では基底送風量(BWQ)としている。第2、第3低温領域を含めて、麹温度が設定麹温度(SeKT)以下の領域では、送風量を増加して麹温度を下げる必要はなく、むしろ基底の送風量として、通風による通気性、均温化は最低限として図るものの、麹の発酵による温度上昇の成り行きにまかせるのが好ましい。基底送風量(BWQ)は培養室の大きさや麹培養層の規模等に応じて予め実験等に基づいて決定する。
前記第2高温領域と第2低温領域からなる第2温度領域は、送風量の調整だけでは麹温度の調整が難しくなる温度領域として設定されている。この第2温度領域、即ち第2高温境界温度(HT2)、第2低温境界温度(LT2)も予め実験等に基づいて定める。
この第2温度領域では、測定麹温度(MeKT)と第1高温境界温度(HT1)、或いは測定麹温度(MeKT)と第1低温境界温度(LT1)との差分を標準修正温度値(SMT)として、大きな温度修正による麹培養への悪影響を防止しながら、送風温度調整による穏やかな麹温度調整を行っている。
前記第3高温領域と第3低温領域からなる第3温度領域は、麹の品質を悪化させる温度領域である。従って麹温度の調整をできるだけ速やかに修正してゆくのが好ましい。しかしながら、設定麹温度(SeKT)からのズレが大きいからといって、送風温度を急激に大きく増減することは、麹育成における悪影響が大きく、好ましくない。よって第3温度領域では、例え測定麹温度(MeKT)が第2温度領域の外側に大きく離れた値となっている場合であっても、第2温度領域の幅に相当する温度差分をもって標準修正温度値(SMT)としている。これによって送風温度の過度の変更を制限し、麹育成への悪影響を避けつつ速やかに空調調整を行うこととしているのである。第3温度領域は、第2温度領域、即ち第2高温境界温度(HT2)や第2低温境界温度(LT2)が決まると自動的に決まる。
なお麹温度が第2高温領域以上に上昇した場合は、送風量を最高送風量(MxWQ)とすることで、麹堆積層周りに蓄積されている熱を速やかに放散し、麹が自己発熱によって死滅したりするようなことを予防するようにしている。最高送風量(MxWQ)も培養室(製麹室10)の大きさや麹培養層の規模等に応じて予め実験等に基づいて決定することになる。
空調コントローラ30は、演算した上記温度勾配差(ΔG)を予め記憶している実験式(式5)にあてはめて、麹培養の各時点において、送風温度修正係数(WTF)を演算する。そしてこの送風温度修正係数(WTF)と標準修正温度値(SMT)とから実修正温度値(RMT)を演算する。そして更にこの実修正温度値(RMT)を前記設定麹温度(SeKT)に加えることで、麹培養の各時点での実送風温度(RWT)を演算、決定する。
前記送風温度修正係数(WTF)は、麹培養中の各時点において、前記温度勾配差(ΔG)を予め記憶している実験式(式5)にあてはめて演算する。
WTF=ΔG(℃/min)×50(min/℃)・・・・式5
ここで、
WTF:送風温度修正係数
ΔG(℃/min):温度勾配差
実修正温度値(RMT)は、前記演算された送風温度修正係数(WTF)と標準修正温度値(SMT)とを乗じて次の式6のように演算される。
RMT=WTF×SMT・・・・式6
ここで、
RMT:実修正温度値
WTF:送風温度修正係数
SMT:標準修正温度値
実送風温度(RWT)は次の式7で演算される。
RWT=SeKT+RMT・・・・式7
ここで、
RWT:実送風温度
SeKT:設定麹温度
RMT:実修正温度値
前記実験式(式5)は、温度勾配差(ΔG)とそれに伴う送風温度修正について予め実験を行うことにより適切なものを得る。勿論、実験式(式5)は上述した式に限定されるものではなく、より適切な修正が行える式が知得できれば、それを採用することができる。
以上により実送風温度(RWT)が麹培養中の各時点で得られると、制御コントローラ30は、送風温度がその実送風温度(RWT)となるように、実送風量(RWQ)の制御と共に、送風手段20を制御する。
図4のフローチャートを参照して、空調制御手段である空調コントローラ30による送風制御を説明する。
麹の培養が開始されると、空調コントローラ30は、製麹装置の各部に配置された温度センサー(16、17、25、26)から一定時間が経過する毎(ステップS1でイエス)に温度情報を入力する(ステップS2)。そして、その時点での測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)を確定する(ステップS3)。
次に空調コントローラ30は、その時点での測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)との温度差(ΔT)を演算し(ステップS4)、これによって対応する標準送風量(SWQ)と標準修正温度値(SMT)を記憶部の記憶から採用して決定する(ステップS5、S6)。
更に空調コントローラ30は、その時点における測定麹温度(MeKT)の温度勾配(MeKG)と設定麹温度(SeKT)の温度勾配(SeKG)との温度勾配差(ΔG)を算する(ステップS7)。そして温度勾配差(ΔG)と実験式(式2、式5)を用いて送風量修正係数(WQF)を演算し(ステップS8)、送風温度修正係数(WTF)を演算する(ステップS9)。
更に空調コンロトーラ30は、得られた送風量修正係数(WQF)を用いて、標準送風量(SWQ)とから実送風量(RWQ)を演算する(ステップS10)。
また空調コンロトーラ30は、得られた送風温度修正係数(WTF)を用いて、標準修正温度値(SMT)とから実修正温度値(RMT)を演算し(ステップS11)、更に実修正温度値(RMT)と設定麹温度(SeKT)とから実送風温度(RWT)を演算する(ステップS12)。
空調コンとローラ30は、以上により実送風量(RWQ)と実送風温度(RWT)が得られると、その実送風量(RWQ)と実送風温度(RWT)とになるように送風手段20に対して制御指令を出力する。
なお上記実験式2や実験式5は、図2に示す設定麹温度(SeKT)曲線の経時的な各培養ステージ(ST1〜ST5)或いは更に細分化された培養ステージ毎に定めるようにしてもよい。各培養ステージ毎にそれぞれ適切な実験式を用いることで、培養ステージ毎に適切な送風量修正係数(WQF)と送温度修正係数(WTF)を得ることができ、更にこれに基づいて実送風量と実送風温度を得て、培養ステージ毎により適切な空調制御を行うことができる。
前記培養ステージ毎の実験式は、培養ステージ毎に領域係数(STF)を得て、この領域係数(STF)を用いて実験式2や実験式5を修正することで得ることができる。
前記領域係数(STF)は実験やその他による経験値を適用することができる。
例えば、ある培養ステージの領域係数(STF)がSTFxとして得られた場合、その培養ステージにおける送風量修正係数(WQFx)は次の式2−1で得ることができる。
WQFx=ΔG(℃/min)×10(min/℃)×STFx+1・・・・式2−1
ここで、
WQFx:ある培養ステージにおける送風量修正係数
ΔG(℃/min):温度勾配差
STFx:ある培養ステージにおける領域係数
また送風温度修正係数(WTFx)は次の式5−1で得ることができる。
WTFx=ΔG(℃/min)×50(min/℃)×STFx・・・・式5−1
ここで、
WTF:ある培養ステージにおける送風温度修正係数
ΔG(℃/min):温度勾配差
STFx:ある培養ステージにおける領域係数
前記領域係数(STF)は0.01〜2の間の値として設定する。しかし麹の種類やその他、麹培養の条件により、範囲を変動してもよい。
領域係数(STF)を予め領域毎に設定しておくことにより、共通の実験式(式2)(式5)を用いて、これに温度勾配差(ΔG)と領域係数(STF)を適用することで、容易、簡単に培養ステージ毎の送風量修正係数(WQF)と送風温度修正係数(WTF)を演算して得ることができ、容易、簡単に培養領域毎の送風制御を行うことができる。
本発明は温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置として、麹を用いた食品製造等の分野において産業上利用することができる。
10 製麹室
11 培養床
12 搬送機
13 撹拌機
14 送風口
15 排気口
16 麹温度センサー
17 送風温度センサー
20 送風手段
21 ダクト
22 ダンパー
23 送風ファン
24 温度調節部
25 排気温度センサー
26 外気温度センサー
30 空調コントローラ

Claims (2)

  1. 製麹室内に1乃至複数の培養床を設けると共に前記製麹室へ送風を行う送風手段と、該送風手段による送風量と送風温度とを少なくとも制御する空調制御手段とを備え、前記空調制御手段は、前記培養床で培養される麹の経時的な温度変化を予め実験により設定してこれを設定麹温度曲線として記憶し、また経時的に測定される測定麹温度(MeKT)と前記設定麹温度(SeKT)曲線とから、培養中の各測定時点において、両者の温度差(ΔT)を演算すると共に前記測定麹温度(MeKT)の温度勾配と前記設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配との温度勾配差(ΔG)を演算するようにした、温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置であって、
    前記空調制御手段による培養中の各測定時点における送風量の調整は、
    培養中の各測定時点での測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)に対応する標準送風量(SWQ)を、予め定め且つ記憶部に記憶させてある複数の標準送風量(SWQ)の中から採用し、
    一方、培養中の各測定時点での測定麹温度(MeKT)の温度勾配と前記設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配との温度勾配差(ΔG)を、予め実験により知得し且つ記憶部に記憶させている実験式にあてはめて、送風量修正係数(WQF)を演算し、
    更に培養中の各測定時点において、前記標準送風量(SWQ)に前記送風量修正係数(WQF)を乗じて実送風量(RWQ)を演算し、該実送風量(RWQ)で送風を行う構成とし、
    前記空調制御手段による培養中の各測定時点における送風温度の調整は、
    前記測定麹温度(MeKT)と設定麹温度(SeKT)曲線との温度差(ΔT)に対応する標準修正温度値(SMT)を、予め定め且つ記憶部に記憶させている複数の標準修正温度値(SMT)の中からを採用し、
    一方、培養中の各測定時点での測定麹温度(MeKT)の温度勾配と前記設定麹温度(SeKT)曲線の温度勾配との温度勾配差(ΔG)を、予め実験により知得し且つ記憶部に記憶させている実験式にあてはめて、送風温度修正係数(WTF)を演算し、
    更に培養中の各測定時点において、前記標準修正温度値(SMT)に前記送風温度修正係数(WTF)を乗じて実修正温度値(RMT)を演算し、
    更に培養中の各測定時点において、前記設定麹温度(SeKT)に前記実修正温度値(RMT)を加えて実送風温度(RWT)を演算し、該実送風温度(RWT)で送風を行う構成としたことを特徴とする温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置。
  2. 送風量修正係数(WQF)は、温度勾配差(ΔG)と、予め実験により定めた下記実験式2を用いて演算し、
    送風温度修正係数(WTF)は、温度勾配差(ΔG)と、予め実験により定めた下記実験式5を用いて演算することを特徴とする請求項1に記載の温度勾配差を用いて空調制御を行う製麹装置。
    WQF=ΔG(℃/min)×10(min/℃)+1・・・実験式2
    WTF=ΔG(℃/min)×50(min/℃)・・・・・実験式5
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