JP2020076508A - 空調制御装置および方法 - Google Patents
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Description
[空調制御装置]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる空調制御装置10について説明する。図1は、空調制御装置の構成を示すブロック図である。
空調システム20は、空調対象となる空間Rの空調環境を実際に調整するための既存のシステムであり、主な構成として、通信回線L2を介して相互に接続された、空調コントローラ21、1つのAHU、およびN(Nは2以上の整数)個のVAVを備えている。
AHUは、一般的な空調機からなり、空調コントローラ21から指定された給気温度の空調空気を生成し、空調コントローラ21から指定された給気風量で、各VAVへ送風する機能を有している。
VAVは、空間Rを分割して設けた複数のゾーンZごとに設置された一般的な可変風量装置からなり、AHUから送風された空調空気を、空調コントローラ21から指定された給気風量で対応するゾーンZへ給気する機能を有している。
具体的には、VAVは、対応するゾーンZのゾーン設定温度と実際に温度センサで検出したゾーン温度とに基づいて当該ゾーンZで必要とする要求風量を計算して空調コントローラ21へ通知する機能と、これらゾーン設定温度、ゾーン温度、および要求風量に基づいて当該ゾーンZにおける空調能力の不足有無を判定し、得られた判定結果を含む負荷状況(要求ステータス)を空調コントローラ21へ通知する機能とを有している。
また、AHUの個数についても、これに限定されるものではない。例えば、空間Rに複数のAHUを配置して、各AHUに複数のVAVを接続した構成である場合でも、それぞれのAHUごと(空調系統ごと)にロードリセット制御が行われるのであれば、以下と同様にして本発明を適用できる。
操作入力部12は、キーボード、タッチパネル、マウス、操作ボタン、スイッチなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して演算処理部15へ出力する機能を有している。
表示部13は、LCDやLEDなどの表示素子からなり、演算処理部15から出力されたデータを可視表示する機能を有している。
具体的には、アシストゾーンのゾーン設定温度を調整する際、給気風量調整部15Cは、AHUが冷房運転中である場合、アシストゾーンのゾーン設定温度を予め設定されている冷房調整温度だけ低い温度に調整する。また、AHUが暖房運転中である場合には、アシストゾーンのゾーン設定温度を予め設定されている暖房調整温度だけ高い温度に調整する。なお、これら冷房調整温度および暖房調整温度として、1つの同じ調整温度を兼用してもよい。
次に、図2を参照して、本実施の形態にかかる空調制御装置10が用いられる空調システム20のロードリセット制御動作について説明する。図2は、空調システムにおけるロードリセット制御動作を示すシーケンス図である。
続いて、各VAViは、これらゾーン温度とゾーン設定温度との偏差に基づいてゾーンZiで必要となる要求風量を計算し(ステップS102)、得られた要求風量を空調コントローラ21へ通知する(ステップS103)。
AHUは、空調コントローラ21から指示されたファン回転数に基づいて給気ファンの回転数を制御する(ステップS107)。これにより、各ゾーンZiで必要とされている風量分の空調空気がAHUから各VAViへ給気されることになる。
この後、各VAViは、ゾーンZiの要求風量と、ゾーン温度およびゾーン設定温度とに基づいて、ゾーンZiにおける負荷状況として、空調能力の不足有無を判定し(ステップS111)、空調能力が不足していないと判定された場合(ステップS112:NO)、次の機器制御周期の到来まで待機する。空調能力の不足有無については、例えば特許文献2−3に記載されている公知の判定手法を用いればよい。
空調コントローラ21は、各VAViから通知された負荷状況が空調能力の不足ありを示す場合、AHUの給気温度設定値を変更して再設定する(ステップS114)。この際、負荷状況が冷房能力不足を示す場合、給気温度設定値が予め設定されている温度幅だけ低く設定され、負荷状況が暖房能力不足を示す場合、給気温度設定値が予め設定されている温度幅だけ高く設定される。
熱媒バルブは、空調コントローラ21から指示された操作量に基づいて、バルブ開度を制御する(ステップS118)。これにより、AHUの給気温度が給気温度設定値と一致するよう制御され、結果として各ゾーンでの空調能力不足が解消されることになる。
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかる空調制御装置10のゾーンアシスト制御動作について説明する。図3は、空調システムにおけるゾーンアシスト制御動作を示すフローチャートである。
次に、ゾーン選択部15Bは、記憶部14に保存されている各ゾーンZiの負荷状況を取得し、これら負荷状況に基づいて、各ゾーンZiのうち給気風量が不足している給気風量不足ゾーンが存在するか確認する(ステップS122)。
ここで、すべての負荷状況が供給風量不足を示しておらず、給気風量不足ゾーンが存在しない場合(ステップS122:NO)、一連のゾーンアシスト制御動作を終了して、次のゾーンアシスト制御周期の到来まで待機する。
このような、配置例において、ゾーンZ1が供給風量不足ゾーンとして選択され、ゾーンZ1の周囲に隣接するゾーンZ2とゾーンZ3がアシストゾーンとして選択されたものとする。
また、AHUが暖房運転中である場合には、アシストゾーンZ2のゾーン設定温度Ts2が、予め設定されている暖房調整温度ΔTだけ高い温度、すなわちTs2+ΔTに調整される。同じく、アシストゾーンZ3のゾーン設定温度Ts3も、暖房調整温度ΔTだけ低い温度、すなわちTs3+ΔTに調整される。
このように、本実施の形態は、ゾーン選択部15Bが、ゾーンのうち給気風量が不足しているゾーンを給気風量不足ゾーンとして選択し、給気風量不足ゾーンの周囲に位置する1つまたは複数のゾーンを、給気風量不足ゾーンに対してアシスト給気を行うアシストゾーンとして選択し、給気風量調整部15Cが、空調システム20に指示するアシストゾーンのゾーン設定温度を調整して、アシストゾーンでの給気風量を増大させることにより、給気風量不足ゾーンで不足している給気風量を補うようにしたものである。
これにより、ロードリセット制御する空調システム20で用いられている各ゾーンの負荷状況を利用して、給気風量不足ゾーンを選択でき、簡素な構成で正確に給気風量不足ゾーンを選択することが可能となる。
これにより、AHUが冷房運転中あるいは暖房運転中であっても、アシストゾーンのゾーン設定温度を調整するという、極めて簡素な制御でアシストゾーンの給気風量を調整することができる。
これにより、直前にゾーン設定温度を調整した前回調整時から一定時間経過していない既調整ゾーンが、アシストゾーンから除外されるため、既調整ゾーンの効果が得られる期間を設けることができ、過度なゾーン設定温度の調整を抑制することができる。また、給気風量不足ゾーンが存在しているかぎり、前回調整時から一定時間経過するごとにアシストゾーンのゾーン設定温度が繰り返し調整されるため、比較的早期に給気風量不足ゾーンZ1での給気風量不足を解消することができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
Claims (5)
- 指定された給気温度の空調空気を生成して供給する空調機と、前記空調機から供給された前記空調空気を指定された給気風量で空調対象となる空間に供給する複数の空調機器とを有し、前記複数の空調機器から通知された負荷状況に応じて前記空調機の給気温度をロードリセット制御する空調システムで用いられて、前記空間を分割して設けた複数のゾーンのそれぞれに設定されているゾーン設定温度に基づいて、前記ゾーンと対応する前記空調機器から当該ゾーンに給気すべき前記空調空気の給気風量を、前記空調システムに指示する空調制御装置であって、
前記ゾーンのうち前記給気風量が不足しているゾーンを給気風量不足ゾーンとして選択し、前記給気風量不足ゾーンの周囲に位置する1つまたは複数のゾーンを、前記給気風量不足ゾーンに対してアシスト給気を行うアシストゾーンとして選択するゾーン選択部と、
前記空調システムに指示する前記アシストゾーンのゾーン設定温度を調整して、前記アシストゾーンでの給気風量を増大させることにより、前記給気風量不足ゾーンで不足している給気風量を補う給気風量調整部と
を備えることを特徴とする空調制御装置。 - 請求項1に記載の空調制御装置において、
前記ゾーン選択部は、前記複数の空調機器から通知された、それぞれのゾーンでの関する空調能力不足を示す前記負荷状況に基づいて、前記給気風量不足ゾーンを選択することを特徴とする空調制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の空調制御装置において、
前記給気風量調整部は、前記アシストゾーンのゾーン設定温度を調整する際、前記空調機が冷房運転中である場合には、前記アシストゾーンのゾーン設定温度を予め設定されている冷房調整温度だけ低い温度に調整し、前記空調機が暖房運転中である場合には、前記アシストゾーンのゾーン設定温度を予め設定されている暖房調整温度だけ高い温度に調整することを特徴とする空調制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の空調制御装置において、
前記給気風量調整部は、前記アシストゾーンのゾーン設定温度を調整する際、前記アシストゾーンのうちから、当該アシストゾーンにおける前回調整時から一定時間経過していない既調整ゾーンを除外し、残りのアシストゾーンのゾーン設定温度のみを調整することを特徴とする空調制御装置。 - 指定された給気温度の空調空気を生成して供給する空調機と、前記空調機から供給された前記空調空気を指定された給気風量で空調対象となる空間に供給する複数の空調機器とを有し、前記複数の空調機器から通知された負荷状況に応じて前記空調機の給気温度をロードリセット制御する空調システムの空調制御装置で用いられて、前記空間を分割して設けた複数のゾーンのそれぞれに設定されているゾーン設定温度に基づいて、前記ゾーンと対応する前記空調機器から当該ゾーンに給気すべき前記空調空気の給気風量を、前記空調システムに指示するための空調制御方法であって、
ゾーン選択部が、前記ゾーンのうち前記給気風量が不足しているゾーンを給気風量不足ゾーンとして選択し、前記給気風量不足ゾーンの周囲に位置する1つまたは複数のゾーンを、前記給気風量不足ゾーンに対してアシスト給気を行うアシストゾーンとして選択するゾーン選択ステップと、
給気風量調整部が、前記空調システムに指示する前記アシストゾーンのゾーン設定温度を調整して、前記アシストゾーンでの給気風量を増大させることにより、前記給気風量不足ゾーンで不足している給気風量を補う給気風量調整ステップと
を備えることを特徴とする空調制御方法。
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