JP5689087B2 - トレーおよびトレー組立体 - Google Patents
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Description
このような従来の組立ラインの中には、ワークに組付ける部品を搬送するコンベヤ(部品用のコンベヤ)が、ワークを搬送するコンベヤに対して並列に設けられているものがあり、この部品用のコンベヤは、ワークに組付ける部品が載置されたワークベースを、コンベヤにより搬送されるワークと同期させて、作業ステーションに搬送するようになっている。
図8は、トレー組立体の分解斜視図であって、部品の保持部材が備える折り畳み式の脚部を説明する図である。
ワークベース101では、コンベヤによる搬送方向における一方側に、組立ラインにおける最初の作業ステーションA用のトレー102aが配置されており、他方側に、作業ステーションB〜F用のトレー102b〜102fを重ねたトレー組立体が配置されている。
そして、作業ステーションCでの部品の組付けが終了すると、次の作業ステーションでの組付け作業のために、トレー102cがトレー102bの上に重ねられ、以降作業ステーションを経る毎に、部品の組付けが終わったトレーが、トレー102aの上側に順番に重ねられて、最後の作業ステーションFでの部品の組付けが終了すると、新たなトレー組立体が形成されるようになっている。
そのため、従来では、保持部材103に、上方で隣接する他のトレー102側に延びる脚部104を設けて、他のトレー102との間に隙間Sを確保することで、保持部材103に載置された部品と、他のトレー102とが干渉することを防止している。
ここで、戻り用のコンベヤ100bでは、その上方にコンベヤ100aが位置しており、高さ方向に十分な空間を確保できないことが多い。そのため、部品のワークへの組付けの終了後に、重ねられたトレー102a〜102fの組立体を、そのまま戻り用のコンベヤ100bで搬送しようとすると、トレー102a〜102fがコンベヤ100aと干渉して、スタート位置に戻すことができなくなる場合がある。
そのため、特許文献1の技術を上記した部品搬送用のトレーに適用しても、上記した課題を解決することができなかった。
そして、トレー102がコンベヤ100aで搬送されるときには、脚部104を起立位置に配置して、隣接するトレー102との間に隙間Sを確保し、戻り用のコンベヤ100bで搬送されるときには、脚部104を収納位置に配置して、重ねられたトレーの高さを戻り用のコンベヤ100bで搬送可能な高さまで低くすることで、コンベヤ100aとの干渉を回避していた。
トレーの載置部では、当該トレーの向きを、高さ方向に重ねたときの向きから所定角度変えたときに脚部が来る位置に、脚部を挿通可能な貫通穴が設けられており、
側壁部は、載置部を基準として、高さ方向の一方側の上方と、他方側の下方にそれぞれ所定高さを有しており、
側壁部の上端側の外周には、リブが全周に亘って設けられて、上方から見てリブの内側に側壁部の上端が位置していると共に、リブの上端は、側壁部の上端よりも上方に位置していることを特徴とするトレー。
よって、重ねられたトレーの間の高さ方向の隙間を調整可能にするために、回動式の脚部を採用する必要がなく、脚部をトレーに固定できるので、重ねられた状態でのトレーの安定性を確保しつつ、使用後に重ねられたトレーの高さを低くできる。
図1は、実施の形態にかかるトレー10の斜視図であり、図2は、トレー10を説明する図であって、(a)は、(b)におけるA−A矢視図に相当する側面図であり、(b)は、トレー10を上方から見た平面図であり、(c)は、(b)におけるB−B断面図であり、(d)は、(b)におけるC−C断面図である。
図3は、図2の(b)におけるD−D断面図であって、トレー10の上に重ねた他のトレー10を仮想線で示した図であり、(a)は、向きを揃えてトレー10を重ねた場合を、(b)は、向きを180度変えて重ねた場合を、それぞれ示す図である。図4の(a)は、向きを揃えて複数のトレー10を重ねたトレー組立体Aの斜視図であり、(b)は、向きを交互に180度ずつ変えて複数のトレー10を重ねたトレー組立体Bの斜視図である。
ここで、実施の形態にかかるトレー10は、向きを揃えて重ねると、隣接する他のトレー10との間に高さ方向の隙間Sが確保され、向きを交互に180度ずつ変えて重ねると、各トレー10が、隣接する他のトレー10との間に隙間を生じることなく重ねられるようになっている。なお、この点については、トレー10の構成を説明した後に、詳細に説明をする。
そして、実施の形態では、トレー10を上方から見て、底板部11の長手方向(軸線X方向)の一方側の側壁部12aと、他方側の側壁部12bのうちの何れか一方には、後記するマークMが設けられている(図2の(a)参照)。
リブ15の上端15aは、側壁部12の上端121よりも上方に位置しており、向きを交互に180度ずつ変えて複数のトレー10を重ねたときに、上方に位置する他のトレー10の側壁部12の下端122が、リブ15の内側に挿入されるようになっている。
脚部13は、底板部11の直交方向に沿って、底板部11から離れる方向に向けて突出しており、各トレー10の側壁部12aが上方から見て同じ方向に位置するように、トレー10を向きを揃えて高さ方向に重ねたときに、下方に位置する他のトレー10の底板部11に載置されるようになっている。
脚部13は、底板部11を貫通して小径部13bに螺入したボルトBにより、底板部11の下面に固定されており、この状態においてボルトBの頭部B1は、底板部11の上面から突出している。
ここで、大径部13aの内径D1は、トレー10の重ね易さを優先して、ボルトBの頭部B1の最大の外径D3よりも大きい径(D1>D3)に設定されているが、重ね合わせたトレー10の位置ずれ防止を優先して、大径部13aの内径D1と、頭部B1の外径D3を同じ(D1=D3)、または内径D1のほうが外径D3よりも僅かに大きくなるように設定しても良い。
図2に示すように、トレー10を上方から見ると、脚部13は、底板部11の長手方向(軸線X方向)の一方側(側壁部12a側)と他方側(側壁部12b)側にそれぞれ2つずつ設けられている。
そして、一方側と他方側に設けられた2つの脚部13は、それぞれ、底板部11の長手方向に直交する方向(軸線Y方向)で間隔を開けて設けられており、実施の形態では、軸線Y方向における一方側の側壁部12cと、他方側の側壁部12dの近傍に位置している。軸線Y方向における脚部13、13の離間距離L1を広く取って、トレー10を重ねた状態での部品の収容可能面積を広げるためである。
貫通穴14は、脚部13を挿通可能な大きさで形成されており、下方に位置する他のトレー10に対して向きを180度変えてトレー10を重ねたときに、脚部13が、下方に位置する他のトレー10の貫通穴14に挿入されるようになっている(図3の(b)参照)。
なお、以下の説明では、高さ方向に重ねられた各トレー10を区別する場合には、符号10a〜10eを用いて標記し、区別しない場合には、符号10を用いて標記する。
これにより、トレー10に載置された部品が、上方に位置する他のトレー10と干渉することなく、各トレー10で保持されることになる。
ワークベースが最初の作業ステーションに達すると、図4の(a)において一番上のトレー10aに載置された部品が、自動変速機の本体に組付けられることになる。
そして、トレー10aに載置された部品の組付けが完了すると、トレー10aが、トレー組立体から取り外されて、ワークベースの他の位置に載置されることになる。
そうすると、トレー10bが一番上になるので、このトレー10bに載置された組付け部品が、次の作業ステーションにおいて、自動変速機の本体に組付けられることになる。
この際、トレー10bの向きを180度変えて、トレー10bの側壁部12bがトレー10aの側壁部12a側に来るようにしてトレー10aに重ねる(図5の(b)参照)。そうすると、トレー10bの脚部13と、下方に位置する他のトレー10aの貫通穴14の位置が整合しているので、トレー10bの脚部13がトレー10aの貫通穴14に挿入されて、トレー10aとトレー10bとが高さ方向に、ほぼ隙間なく重ねられることになる。
そして、部品の組付けが終了したトレーを重ねる際に、トレーの向きを交互に180度ずつ変えて重ねて行くと、最終的に、部品の組付けが終了したトレーからなる新たなトレー組付体B(図4の(b)、図5の(b)参照)が完成することになる。
これにより、向きを交互に180度ずつ変えてトレー10を重ねたときのトレー組立体Bの高さH2(ワークベース101からの高さ)が、向きを揃えてトレー10を重ねていたときの組立体Aの高さH1(ワークベース101からの高さ)よりも、低い高さとなる。
この状態で、トレー10c〜10eの脚部13の大径部13aが、下方に位置するトレー10a〜10dのボルトB(頭部B1)をその内側に収容した状態となるので、高さ方向に重ねたトレー10の横方向の位置ずれが抑えられることになる。
そのため、図4の(b)の場合、トレー10a、10c、10eでは、側壁部12bの外側面にマークM(図2の(a)参照)が設けられ、トレー10b、10dでは、反対側の側壁部12aの外側面に、マークMが設けられている。
トレー10では、部品の保持部材1が載置される底板部11(載置部)の下面に、4つの脚部13が固定されており、
脚部13は、上面視における底板部11の幅方向(軸線X方向)における一方側と他方側に、それぞれ2つずつ設けられていると共に、一方側と他方側に設けられた2つの脚部13、13は、底板部11の幅方向の直交方向(軸線Y方向)で所定間隔を空けて配置されており、
底板部11では、トレー10の向きを、向きを揃えて高さ方向に重ねたときの向きから180度変えたときに脚部13が来る位置に、それぞれ脚部13を挿通可能な大きさの貫通穴14が形成されている構成とした。
これにより、重ねられたトレー10、10の間の高さ方向の隙間を調整可能するために、脚部13を、従来のトレーのように起立位置と収容位置との間で回動可能にして、脚部13の向きを変えられるようにする必要がなく、脚部13をトレー10に固定できるので、重ねられた状態でのトレー10の安定性を確保しつつ、回動式の脚を用いずに、使用後に重ねられたトレー10の高さを低くできる。
また、従来の回動式の脚を採用していた場合には、部品の組付けが終了したトレーを重ねるときに、脚の向きを変える操作が必要であったが、トレー10は、回動式の脚を採用していないので、従来の場合に必要とされていた脚の向きを変える操作を必要としない。よって、作業工数が従来に比して少なくなるので、作業効率の改善と作成コストの低減が可能となる。
さらに、上側に重ねたトレー10の幅方向へ移動が、側壁部12により規制されるので、コンベヤによる搬送時の振動でトレー10が幅方向に移動しても、重ねられたトレーが崩れることを好適に防止できる。
これにより、高さ方向に重ねられた複数のトレー10の横揺れが抑えられて、重ねられたトレー10が安定するので、重ねられたトレー10がワークベースに載置されてコンベヤにより搬送される際に、搬送時の振動で、重ねられたトレー10が大きく揺れることを防止して、重ねられたトレー10が崩れる虞を低減できる。
側壁部12の上端121側の外周には、リブ15が全周に亘って設けられていると共に、リブ15の上端15aは、側壁部12の上端121よりも上方に位置しており、向きを180度変えてトレー10を重ねたときに、上方に位置する他のトレー10の側壁部12の下端122が、リブ15の内側に挿入される構成とした。
部品を載置したトレー10を重ねるときに、重ねようとしているトレー10の向きを誤まると、当該トレー10が重ねられる他のトレー10に載置された部品が、トレー10の底板部11に干渉して、部品が傷ついてしまう虞がある。
部品を載置したトレー10を向きを揃えて重ねときに、揃えるべき向きが判るように目印が設けられていると、かかる問題の発生を好適に予防できる。
かかる場合、部品の組付けが終了して重ねられたトレー10では、重ねられたトレー10、10が必ずしも隙間なく重ねられた状態にはならない。
しかし、この場合であっても、向きを交互に180度ずつ変えて重ねたトレーでは、脚部13の高さの少なくとも一部が、下側に位置する他のトレーの高さの範囲内に収容されて、収容された高さの分だけ、トレー10の向きを180度変えて重ねたときの高さが低くなる。
これにより、向きを交互に180度ずつ変えて重ねたときの高さを、戻り用コンベヤに応じて決まる高さに設定することで、種々の大きさの部品を載置可能なトレー組立体であって、部品の搬送時に使用されるコンベヤの下方に、部品の搬送後のトレー組立体をスタート位置に戻すための戻り用のコンベヤが設けられた種々の組立ラインに利用可能なトレー組立体とすることができる。
図6は、トレー10における脚部と貫通穴の位置関係を説明する図であり、(a)は、前記した第1の実施の形態の場合の脚部13と貫通穴14との位置関係を模式的に示した図である。(b)〜(d)は、脚部と貫通穴の変形例を説明するための模式図である。
さらに、トレー10Aの場合、軸線X方向で一方側の脚部13と、他方側の脚部13、13を、それぞれ側壁部12a、12bの近傍に位置させて、軸線X方向における脚部13の離間距離L2を、最も広く取ることができる。これにより、トレー10における部品の載置可能な面積を広くできる。
さらに、図6の(d)に示すように、軸線Y方向の幅が広い脚部を採用する場合には、トレー10における脚部の数を2つにして、側壁部12a側と、側壁部12b側に設けるようにしても良い。
このようにすることによっても、前記した実施の形態の場合と同様の作用効果が奏されることになる。
1a 凹部
10、10A〜10C、10a〜10e トレー
11 底板部
12、12a〜12d 側壁部
13、13A、13B 脚部
13a 大径部
13b 小径部
14 貫通穴
15 リブ
15a 上端
A、B トレー組立体
B ボルト
B 頭部
B1 頭部
M マーク
Claims (4)
- ワークが載置される載置部と、前記載置部の外周縁を全周に亘って囲む側壁部と、を備えるトレーであって、前記載置部の下面には、向きを揃えて前記トレーを高さ方向に重ねたときに、下方に位置する他のトレーの載置部に載置される脚部が、前記下方に突出して設けられており、
前記トレーの載置部では、当該トレーの向きを、前記高さ方向に重ねたときの向きから所定角度変えたときに前記脚部が来る位置に、前記脚部を挿通可能な貫通穴が設けられており、
前記側壁部は、前記載置部を基準として、前記高さ方向の一方側の上方と、他方側の下方にそれぞれ所定高さを有しており、
前記側壁部の上端側の外周には、リブが全周に亘って設けられて、前記上方から見て前記リブの内側に前記側壁部の上端が位置していると共に、前記リブの上端は、前記側壁部の上端よりも上方に位置しており、
前記トレーの向きを前記高さ方向に重ねたときの向きから所定角度変えて重ねたときに、前記上方に位置するトレーの側壁部の下端が、前記下方に位置するトレーの側壁部に設けた前記リブの内側に挿入されることを特徴とするトレー。 - 前記載置部は上面視において略矩形形状を有すると共に、その下面に4つの脚部が固定されており、
前記脚部は、前記上面視における前記載置部の幅方向における一方側と他方側に、それぞれ2つずつ設けられていると共に、前記一方側と他方側に設けられた2つの脚部は、前記幅方向の直交方向で所定間隔を空けて配置されており、
前記貫通穴は、前記トレーの向きを、前記高さ方向に重ねたときの向きから180度変えたときに前記脚部が来る位置に、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトレー。 - 前記載置部の上面には、前記脚部を前記載置部に固定するボルトが突出しており、
前記脚部の下端には、ボルトを収容可能な凹部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のトレー。 - 請求項2または請求項3に記載のトレーを、前記高さ方向に少なくとも2つ以上重ねて構成されるトレー組立体であって、
上方から見た前記トレーの向きを交互に180度ずつ変えて前記トレーを重ねたときに、重ねられたトレーの各々では、前記トレーの前記上方から見て同方向に位置する側面に目印が設けられていることを特徴とするトレー組立体。
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