JP5689013B2 - 複合接点 - Google Patents
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Description
特許文献1記載の方法の場合、接合後に高温での酸化工程を経るため、足材の銅合金が焼鈍されてしまい、最終製品となった際の銅合金強度が低下し、その結果、鍔部の強度が十分でなくなる、あるいは接合強度が低下し、接点材料として長期間使用すると接合部の剥離や鍔部の反り上がりが起きてしまう。
また、後酸化工程を経ない特許文献2や特許文献3記載の場合では、鍔部を形成する銅もしくはAg−4〜35mass%Cu合金の強度が十分でないことから、長期間に亘り使用していると、接合部の剥離が起き易く、また、鍔部が反り上がるように変形し、それが対向接点面と接触することで溶着不良を起こす問題が生じる。
そこで、本発明は以下の解決手段とした。
析出硬化型銅合金は、析出硬化元素を母相中に過飽和に固溶させた後、固溶度曲線より低い温度に一定時間保持すると、飽和固溶体の結晶に金属間化合物の微粒子が析出し、これにより析出硬化を図ることができる銅合金をいう。この析出硬化型銅合金は、析出硬化後は、熱処理を加えても硬度が低下しにくい。このため、長期間使用した場合、接点開閉に伴う発熱の繰り返しによる強度低下が小さく、長期間の使用に伴う熱応力による鍔部の反り上がりが抑制される。
また、前記銅合金の電気伝導度は50IACS%以上が好ましい。
足部の電気伝導度が低いと接点全体の電気抵抗が上昇し、発熱が顕著となり、ひいては接点寿命の低下に繋がるため電気伝導度はIACS50%以上が好ましい。また、これは省エネルギー化の観点からも好ましい。
本実施形態の複合接点1は、図1に示すように、小径の基部2の一端部に大径の鍔部3が形成された全体としてリベット形状をしているとともに、鍔部3の上面部を構成する銀合金からなる接点部4と、接点部4の背面に位置し、それと接合された鍔部3の下面部を構成する大径部5と基部2と一体に形成した銅合金からなる足部6とを有している。
これら接点部4と足部6とは、これら銀合金からなる線材と銅合金からなる線材とを突き合わせて冷間でヘッダ加工することにより圧接される。圧接後に300℃〜400℃の熱処理が施される。そして、鎖線で示すように、銅又は銅合金等からなる台金板7の孔8内に足部6の基部2を挿入した状態にかしめられる。
また、足部6を構成する銅合金としては、Cu−Co−P−Ni−Sn−Zn系合金、、Cu−Zr系合金、Cu−Zr−Cr系合金、Cu−Cr系合金、Cu−Fe−P系合金などの析出強化型銅合金やCu−Mg系合金などの固溶強化型銅合金を用いることができる。これら銅合金は、いずれもビッカース硬さが、125HV〜185HVで、接点部4を構成する銀合金に対して100%〜160%の硬さを有している。
一方、ビッカース硬さが185HVより大きい銅合金材料では、接点部4の銀合金に対して銅合金からなる足部6の強度が高すぎることから、図3に示したように接合時に銅合金が十分な変形ができないため接合強度が低くなってしまい、特に、鍔部3の周縁部の接合強度が弱くなり、長期間の使用においては図3に鎖線で示したように銀合金からなる接点部4の周縁部で剥離が起きてしまう。
よって、銅合金のビッカース硬さは125HV〜185HVが望ましい。より望ましくは135HV〜175HVの銅合金を用いるのが良い。
一方、銀合金に対する銅合金のビッカース硬さ比が160%より大きい場合、銅合金の変形量が相対的に小さくなりすぎ、十分に接点部4を保持可能な接合強度が得られず、結果として鍔部3の強度が低下し、耐久性が低下する。
よって、銀合金に対する銅合金のビッカース硬さ比が100〜160%、望ましくは120〜150%の銅合金を用いるのが良い。
剥離強度は、各複合接点をせん断応力試験機(APTEC製 TM2102D−IT )にセットし、接点部と足部との界面に平行に荷重を加えてせん断応力を測定し、剥離強度を測定した。
耐久性評価は、作製した複合接点を2個一組としてそれぞれ厚み1mmの銅製の台金板にかしめ固定し、これをASTM接点開閉試験機に取り付けて繰り返し開閉し、サイクル耐久性の評価を実施した。通電条件は、負荷電圧が直流12V、0.5Ωの抵抗負荷による定常電流24Aとし、接触力、開離力とも196mN(20gf)で、通電1秒+休止4秒(サイクルタイム5秒)で20万回まで繰り返し開閉した。
なお、接点開離タイミングから1秒以上、接点が開かない場合には溶着したと判断し、合計で10回溶着が起きた場合にはサイクル数が20万回に満たない場合でも試験終了とした。
その判定基準としては、銀合金と銅合金の界面に目立った剥離が起きておらず、かつ、接点の鍔部がかしめ固定された銅板に接触している、もしくはかしめ固定された初期状態から外観上ほとんど変化がない場合には○、銀合金と銅合金の界面での剥離が若干見られる、もしくは鍔部の反り上がりが観察されるものの、所定のサイクル数終了まで溶着停止しなかったものを△、銀合金と銅合金の界面での剥離が見られるか、鍔部の反り上がりが発生しており、所定のサイクル数に達する前に溶着停止を起こしてしまったものを×とした。
銀合金
純Ag系合金:89HV(表中 銀合金1)
Ag−SnO2系合金:131HV(表中 銀合金2)
Ag−SnO2−In2O3系合金:114HV(表中 銀合金3)
Ag−ZnO系合金:107HV(表中 銀合金4)
Ag−Ni系合金:96HV(表中 銀合金5)
銅合金
タフピッチ銅:109HV(表中 銅合金1)
Cu−Cr系合金:129HV(表中 銅合金2)
Cu−Cr−Zr系合金:174HV(表中 銅合金3)
Cu−P−Co−Ni−Sn−Zn系合金:158HV(表中 銅合金4)
Cu−Fe−P系合金:148HV(表中 銅合金5)
Cu−Mg系合金:183HV(表中 銅合金6)
以上の結果から、接点部及び足部の接合前の材料として、足部のビッカース硬さが125HV〜185HVで、接点部を形成する銀合金に対して100%〜160%、特に発明接点1〜3、5〜9の硬さを有する銅合金を用いることにより、長期に亘り安定した接点性能を発揮する耐久性に優れた複合接点が得られることが確認された。
例えば、上記実施形態では、一端部にのみ接点部が設けられているものとしたが、基部の端部にも銀合金を設けて、両端部に接点部を形成してもよい。
2 基部
3 鍔部
4 接点部
5 大径部
6 足部
7 台金板
8 孔
Claims (4)
- 小径の基部の一端部に大径の鍔部が形成されるとともに、該鍔部の上面部を構成する銀合金からなる接点部と、該接点部の背面と接合した状態で前記鍔部の下面部を構成する大径部と前記小径の基部とを一体に形成した銅合金からなる足部とを有し、これら接点部及び足部の接合前の材料として、前記足部のビッカース硬さが125HV〜185HVで、前記銀合金に対して120%〜150%の硬さを有していることを特徴とする複合接点。
- 前記銅合金は析出硬化型銅合金であることを特徴とする請求項1記載の複合接点。
- 前記銅合金は、Cu−Co−P−Ni−Sn−Zn系合金、Cu−Cr系合金、Cu−Zr系合金、Cu−Zr−Cr系合金、Cu−Fe−P系合金、Cu−Mg系合金のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の複合接点。
- 前記銅合金の電気伝導度は50IACS%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の複合接点。
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