JP5688005B2 - トルクコンバータ - Google Patents

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    • F16HGEARING
    • F16H41/00Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H41/24Details
    • F16H2041/246Details relating to one way clutch of the stator

Description

本発明は、複数のステータが配置されたトルクコンバータに関する。
昨今、燃費向上を目的として、クルーズ走行時のエンジン回転数抑制と、登坂、発進性能の向上とを両立して満たすために、自動変速機の多段化によるレシオレンジの拡大が進んでいる。しかしながら、自動変速機本体のレシオレンジの拡大だけでは、コストや重量増加の観点から対応できない場合がある。
そこで、トルクコンバータの特に低速度比域のトルク比を増加させて、レシオレンジを拡大することが望まれている。また、クルーズ走行時等のトルクコンバータの滑り損失を低減するために、特に高速度比域の容量係数を増加することが望まれている。このような背景から、トルクコンバータには、高トルク比と高容量とを両立させた性能が要求されている。
このような要求を満たすために、複数のステータを配置して、速度比域に応じて、タービンランナからの作動油の流れの向きをステータで適切に変えることが可能なトルクコンバータが提案されている。例えば、特許文献1には、低速度比域の高トルク比と高速度比域の高容量とを両立させるために、2つのステータをそれぞれ別個のワンウェイクラッチを介して回転不動な固定軸に連結させたトルクコンバータが開示されている。
なお、特許文献2には、単一のステータがドグ歯式のワンウェイクラッチを介して固定シャフトに連結させたトルクコンバータが開示されている。このワンウェイクラッチは、ステータの内周側に回転不能且つ軸方向に移動可能に連結され、ドグ歯を側面に有するアウターレース(外輪)と、固定シャフトに相対回転不能に連結された円筒部のフランジに形成されたドグ歯を有するインナーレース(内輪)と、アウターレースとインナーレースを互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを備えている。
実開昭62−100365号公報 実用新案登録第2550976号公報
しかしながら、上記特許文献1のトルクコンバータでは、各ステータのワンウェイクラッチがトルクコンバータの軸方向に並べて配置されているので、トルクコンバータの軸方向長さが長くなる。そのため、トルクコンバータを含む自動変速機全体の軸方向長さが長くなり、自動変速機全体の重量が増加するという課題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、軸方向長さを抑制した、複数のステータが配置されたトルクコンバータを提供することを目的とする。
本発明は、ポンプインペラに入力された回転力を、前記ポンプインペラとタービンランナとステータとの間を循環する流体を伝達媒体として、前記タービンランナに伝達するトルクコンバータであって、前記ステータは、前記タービンランナ側に配置される第1ステータと前記ポンプインペラ側に配置される第2ステータとが前記ポンプインペラの回転軸線方向に並設することにより構成され、当該トルクコンバータは、さらに、前記第1ステータ又は前記第1ステータに相対回転不能に固定された部材の前記回転軸線と直交する面に円周方向に亘って形成された複数の第1ドグ歯と、前記第2ステータ又は前記第2ステータに相対回転不能に固定された部材の前記回転軸線と直交する面に円周方向に亘って、前記複数の第1ドグ歯と対向するように形成された複数の第2ドグ歯とを有し、前記第1ドグ歯と前記第2ドグ歯が噛合する状態において前記第1ステータを前記第2ステータに対して一方向のみの前記回転軸線回りの回転を許容する第1ワンウェイクラッチ、前記第2ステータと前記第1ワンウェイクラッチより半径方向内側に固定された固定部材との間に配置され、前記第2ステータを前記固定部材に対して一方向のみの前記回転軸線回りの回転を許容する第2ワンウェイクラッチ、及び、前記第1ステータを前記第2ドグ歯側へ押圧する押圧部材を備え、前記第1ステータともに前記第1ドグ歯は、前記第2ステータに対して前記回転軸線方向に移動可能であることを特徴とする。
本発明によれば、第1ワンウェイクラッチより半径方向内側に第2ワンウェイクラッチが固定されている。従って、2つのワンウェイクラッチを軸方向に並べた上記特許文献1に記載されたトルクコンバータと比較して、トルクコンバータの軸方向長さを減少させることが可能となる。
さらに、上記特許文献2に記載のワンウェイクラッチのように空転時にドグ歯の傾斜した傾斜面を軸方向に付勢される力に抗しながら摺動するのとは異なり、第1ワンウェイクラッチの空転時に第1ドグ歯と第2ドグ歯とが噛合しない。よって、ステータがスムーズに空転するので、流体損失が少なく、伝達効率が良好である。さらに、最も使用頻度が多いカップリングレンジ状態において第1ステータと第2ステータとが空転しているときは、両ステータの回転差が少ないため、特許文献2に記載のワンウェイクラッチのように空転時にドグ歯に挟まれた凹凸部の容積変化が少ないので、伝達媒体の攪拌が少なく、伝達媒体の温度上昇や劣化が少ない。
なお、前記第2ワンウェイクラッチは、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられた係合体とから構成され、前記外輪に、前記複数の第2ドグ歯が形成された前記部材が固定されていることが好ましい。
また、前記第1ドグ歯及び前記第2ドグ歯は、円周方向に傾斜する傾斜面を有することが好ましい。
また、本発明において、前記押圧部材はばね、例えば皿ばねからなることが好ましい。
この場合、使用頻度が高いカップリングレンジ状態にて第1ステータと第2ステータとの回転差がなくなったとき、第1ステータ又は第1ステータに相対回転不能に固定された部材と第2ステータ又は第2ステータに相対回転不能に固定された部材とは完全に離反したまま同方向に回転し相対回転がないので、第1ワンウェイクラッチで発生する引き摺りトルクが非常に小さくなる。これにより、第1ワンウェイクラッチでの動力損失は少なくなり、伝達効率が良好となる。
本発明の実施形態に係るトルクコンバータの上半分を示す断面図。 図1の第1及び第2ワンウェイクラッチの周辺を示す拡大断面図。 速度比とトルク比及び容積係数との関係を示すグラフ。 作動油の流れとステータブレードに作用する力との関係を説明する図であり、(a)は低速度比域、(b)は中速度比域、(c)は高速度比域をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施形態に係るトルクコンバータ10について説明する。
図1に示すように、トルクコンバータ10は、3種の羽根車、すなわちポンプインペラ12、タービンランナ14及びステータ16と、フロントカバー21とを備えている。ポンプインペラ12、タービンランナ14及びステータ16によって作動油を循環させる環状経路が形成されている。
トルクコンバータ10は、さらに、2つのワンウェイクラッチ40,50と、タービンランナ14とフロントカバー21との間に配置されたロックアップクラッチ22とを備えている。
ポンプインペラ12は、図示しないエンジンの出力が伝達される図示しない駆動軸(エンジンクランクシャフト)に連結された図示しないフライホイールに取り付けられている。
タービンランナ14は、ポンプインペラ12に対向して配置されており、ポンプインペラ12の環状流体吐出口に近接して配置された環状流体流入口を有し、変速機構に結合されている。ステータ16は、タービンランナ14からポンプインペラ12に流入する作動油の流れを偏向する。
ポンプインペラ12は、椀状に形成された外側のポンプシェル12a、内側のポンプコアリング12b、及び基端部がポンプコアリング12bに取り付けられた複数のポンプブレード12cから構成されている。
ポンプシェル12aの外周端は、回転軸線Oに沿って回転する前記駆動軸に連結されたフロントカバー21に取り付けられている。そして、ポンプシェル12aの内周端は、ポンプハブ13に固定されている。これにより、ポンプインペラ12は、環状に形成され、回転軸線Oに沿って回転するように構成されている。なお、ポンプハブ13内には、出力軸30が回転軸線Oを中心として回転可能に配置されている。
タービンランナ14は、椀状に形成された外側のタービンシェル14a、内側のタービンコアリング14b、及び基端部がタービンコアリング14bに取り付けられた複数のタービンブレード14cから構成されている。
タービンシェル14aの内周端は、リベット23によってタービンハブ15に固定されている。タービンハブ15は出力軸30に結合されており、タービンランナ14は出力軸30と一体に回転する。
ステータ16は、ポンプインペラ12とタービンランナ14との間に挟まれるように配置されている。
ステータ16は、トルクコンバータ10の軸方向に並んで配置される第1ステータ(1段目ステータ)17と第2ステータ(2段目ステータ)18とから構成されている。なお、トルクコンバータ10の軸方向は、回転軸線Oが延びる方向であり、以下、単に「軸方向」ともいう。
第1ステータ17は、側の第1シェル側リング17a、側の第1コア側リング17b、及び、基端部が第1シェル側リング17aに取り付けられた複数の第1ステータブレード17cから構成されている。第1ステータ17は、第2ステータ18に対して軸方向に移動可能となっている。
第2ステータ18も、第1ステータ17と同様に構成されている。第2ステータ18は、外側の第2シェル側リング18a、内側の第2コア側リング18b、及び、基端部が第2シェル側リング18aに取り付けられた複数の第2ステータブレード18cから構成されている。
各ステータブレード17c,18cは、それぞれシェル側リング17a,18aの外周面に固定され、半径方向外方に延びている。
図4(a)も参照して、第1ステータブレード17cは、肉厚の翼形状の断面を有しており、タービンランナ14側端は大きな丸みを帯びた頭部に、ポンプインペラ12側端は小さな丸みを帯びた尾部になっている。第1ステータブレード17cの表面(図4(a)における右下面)は若干湾曲凹形状に、背面(図4(a)における左上面)は若干湾曲凸形状にそれぞれ形成されている。
第2ステータブレード18cは、肉薄の翼形状の断面を有しており、タービンランナ14側端は小さな丸みを帯びた頭部に、ポンプインペラ12側端は僅かな丸みを帯びた尾部になっている。第2ステータブレード18cの表面(図4(a)における左下面)は若干湾曲凹形状に、背面(図4(a)における右上面)は若干湾曲凸形状にそれぞれ形成されている。
第1ステータ17は、第1ワンウェイクラッチ40を介して第2ステータ18に支持されている。一方、第2ステータ18は、第2ワンウェイクラッチ50を介して図示しないハウジングにより回転不能に支持された固定軸31に支持されている。第1ワンウェイクラッチ40は第2ワンウェイクラッチ50の外周側に配置されている。
図2に示すように、第2ワンウェイクラッチ50は、固定軸31にスプライン嵌合された内輪51と、内輪51の周囲に配置された外輪52と、内輪51と外輪52との間に設けられた係合体53とから構成されている。そして、外輪52は第2ステータ18に固定されている。
実施形態では、第2シェル側リング18aには、半径方向中間部に第1ステータ17側へ軸方向に突出するハブ18dが形成されている。そして、外輪52の外周側に形成されたスプラインに、ハブ18dの内周側に形成されたスプラインを嵌合させることによって、第2ステータ18に外輪52が固定されている。
第1ワンウェイクラッチ40のオン・オフに伴い、第1ステータ17は第2ステータ18に対して図4(a)乃至図4(b)における上方向に回転可能となっている。
第1ワンウェイクラッチ40は、ドグ歯式のクラッチであり、第1シェル側リング17aのタービンランナ14側に第1シェル側リング17aと相対回転不能に固定されたロックプレート41と、外輪52のタービンランナ14側に外輪52と相対回転不能に固定されたサイドプレート42とから構成されている。
第1シェル側リング17aとロックプレート41とは、図示しないが、第1シェル側リング17aに形成されたキー状突起にロックプレート41に形成されたキー溝を嵌合させることによって固定されている。
ロックプレート41のタービンランナ14側の面には複数のドグ歯41aが円周方向に連続して形成されている。各ドグ歯41aは、一辺が軸方向に垂直に、他の一辺が円周方向に傾斜して形成されており、ドグ歯41aは全体として鋸歯状となっている。
外輪52とサイドプレート42とは、図示しないが、一方に形成されたキー状突起に他方にキー溝を嵌合させることによって固定されている。なお、外輪52とサイドプレート42とは、セレーション圧入などによって固定してもよい。
サイドプレート42のポンプインペラ12側の面には、ドグ歯41aと噛合可能な複数のドグ歯42aが円周方向に連続して形成されている。各ドグ歯42aは、一辺が軸方向に垂直に、他の一辺がドグ歯41aの傾斜辺と同一角度で円周方向に傾斜して形成されており、ドグ歯42aは全体として鋸歯状となっている。
ロックプレート41とサイドプレート42とが近接すると、すなわち第1ステータ17が第2ステータ18に近接すると、ドグ歯41a,42aが噛合して第1ワンウェイクラッチ40は図4(a)に示すように噛合状態になる。噛合状態では、第1ステータ17及び第2ステータ18は反対方向にも回転し難い。
一方、ロックプレート41とサイドプレート42とが離間すると、すなわち第1ステータ17が第2ステータ18から離間するとドグ歯41a,42aの噛合が解除されて図4(b)又は図4(c)に示すように第1ワンウェイクラッチ40は噛合解除状態になる。この噛合解除状態では、第1ステータ17と第2ステータ18とは相対回転自在となっている。
さらに、第1ステータ17と第2ステータ18との間には、第1シェル側リング17aをタービンランナ14側へ押圧する押圧部材43が配置されている。ここでは、押圧部材43は、ウェーブばね、皿ばね等の周知のばねからなる付勢部材である。ただし、押圧部材43は、制御装置に接続された油圧装置などから構成してもよい。
さらに、ポンプハブ13と第2シェル側リング18aとの軸方向間には第1スラストベアリング24が配置されている。タービンハブ15と第1シェル側リング17aとの軸方向間には第2スラストベアリング25が配置されている。また、第1シェル側リング17aと第2シェル側リング18aとの軸方向間には第3スラストベアリング26が配置されている。
(トルクコンバータの作動)
以上のように構成されたトルクコンバータ10において、車両速度が所定の値に達するなどの条件を満たす場合には、図示しない油圧装置を作動させてロックアップクラッチ22をオンさせることにより、ポンプインペラ12とタービンランナ14とは直結状態に保持され、前記図示しない駆動軸の動力は直接自動変速機側に伝達される。
一方、ロックアップクラッチ22がオフ(ロックアップ解除)されているときには、フロントカバー21とタービンランナ14との間のトルク伝達は、ポンプインペラ12とタービンランナ14との間の流体伝達によって行われる。
駆動軸が回転してフロントカバー21が回転すると、これに取り付けられたポンプシェル12aも同時に回転する。このポンプインペラ12の回転によって、作動油に図1に矢印で示す流れが生じ、この流れがステータ16を介して伝達されてタービンランナ14が回転する。そして、このタービンランナ14の回転と一体に出力軸30も回転し、この出力軸30に接続された図示しない変速機の入力軸が回転駆動する。
ポンプインペラ12からタービンランナ14に流れる作動油はタービンランナ14を回転させた後、ステータ16に向う。ステータ16を通過する際、作動油はステータブレード17c,18cに当接して向きが変えられ、ポンプインペラ12に戻される。
作動油の流れによってタービンランナ14はトルクを発生させ、このトルクがタービンハブ15及び出力軸30を介して図示しない変速機構の入力軸に伝達される。この動作中、ステータ16は作動油の流れの向きを変え、ポンプインペラ12からタービンランナ14に伝達されるトルクを増幅させる働きをする。なお、作動油がポンプインペラ12とタービンランナ14との間を循環するトルクの伝達媒体に該当する。
トルクコンバータ10の運転状態に応じて発生した旋回流によって、作動油はタービンランナ14からステータ16に流れ込む。そして、この作動油は、第1及び第2ステータブレード17c,18cに当接し、これらに沿って流れ、ポンプインペラ12に流れ込む。
タービンランナ14からステータ16へ流れ込む作動油の流入角度は、速度比e、すなわちタービンランナ14とポンプインペラ12との速度比に大きく依存し、速度比eが低いほど、作動油によってステータ16に発生するスラスト力は大きくなる。
ここでは、図3に示すように、速度比eの高低に応じて3つの領域R1〜R3に分けて、各領域におけるトルクコンバータ10の作動を説明する。
(低速度比域)
速度比eが例えば0〜0.5程度の低速度比域R1では、図4(a)に示すように、タービンランナ14側からの作動油は、ステータ16に図中右上に向って流れ込む。そのため、作動油が第1ステータブレード17cの表面に当り、第1ステータブレード17cには図中左向きのスラスト力S1が発生する。
このスラスト力S1と押圧部材43の押圧力Pとによって、第1ステータ17はタービンランナ14側に移動して、ロックプレート41とサイドプレート42とが近接した状態となる。
これにより、第1ワンウェイクラッチ40のロックプレート41のドグ歯41aとサイドプレート42のドグ歯42aとが噛合して、第1ステータ17の第2ステータ18に対する図中上方向への相対回転が阻止される。この時、第2ステータ18は第2ワンウェイクラッチ50の係合によって図中上方向に回転不能であり停止状態にあるので、第1ステータ17も停止状態が維持される。
そのため、第1ステータブレード17cの表面に当った作動油は、その表面に沿って流れた後、第2ステータブレード18cの表面に沿って流れ、図中右下に向ってポンプインペラ12側に流れ出る。
表面に当る作動油によって、第1ステータブレード17cには図中左向きのスラスト力S1が発生し、第2ステータブレード18cには図中右向きのスラスト力S2が発生する。そして、これとともに、表面に当る作動油によって、第1及び第2ステータブレード17c,18cには図中上方向に力が発生する。しかし、第1及び第2ステータ17,18は図中上方向に回転不可能であり静止した状態が維持されるので、前記力の反力として、第1及び第2ステータブレード17c,18cには図中上方向にトルクT1,T2がそれぞれ発生する。
ステータブレード17c,18cに当接して流れの向きを変えられた作動油は、ポンプインペラ12へと流れ込み、ポンプインペラ12の回転を後押しする。このように、低速度比域R1では、トルク増大作用が行われ、トルク比Kは高くなる。
(中速度比域)
速度比eが大きくなるに従ってタービンランナ14側からステータ16に流れ込む作動油の軸方向からの傾きが小さくなる。
そして、速度比eが例えば0.5程度〜0.8程度の中速度比域R2になると、図4(b)に示すように、タービンランナ14側から流れ込む作動油は第1ステータブレード17cの背面に当り、第1ステータブレード17cには図中右向きのスラスト力S1が発生する。
このスラスト力S1が、スラスト力S1と逆向きの押圧部材43の押圧力Pよりも大きくなると、押圧力Pに勝るスラスト力S1が推力となって、第1ステータ17はポンプインペラ12側へと移動する。これにより、ロックプレート41とサイドプレート42とが離間するので、第1ワンウェイクラッチ40による第1ステータ17と第2ステータ18との係合は解除される。
なお、押圧部材43がウェーブばねや皿ばね等のばねからなる場合、第1ワンウェイクラッチ40による係合の解除はばねの付勢力である押圧力Pとスラスト力S1との大小に応じて定まるので、解除時の応答性が良好であり、固定状態にある第1ステータ17がスムーズに回転を開始する。また、回転する第1ステータ17による第1ワンウェイクラッチ40での引き摺りトルクも小さい。
タービンランナ14側からステータ16に流れ込む作動油は第1ステータブレード17cの背面に当って第1ステータ17を回転させようとする力が作用する。そして、第1ワンウェイクラッチ40による係合は解除されているので、第1ステータ17は自由に、図4(b)の白抜き矢印方向に回転する。
一方、この時点でも第2ステータ18は依然として停止状態にある。タービンランナ14側から流れ込む作動油は第2ステータブレード18cの表面に当り、第2ステータブレード18cには図中上方向に力が発生する。しかし、第2ステータ18は、第2ワンウェイクラッチ50の係合によって図中上方向に回転不可能であり、静止した状態が維持されるので、前記力の反力として、第2ステータ18には図中上方向にトルクT2が発生する。
(高速度比域)
さらに速度比eが大きくなると、タービンランナ14側からステータ16に流れ込む作動油の軸方向から傾きは大きくなる。
そして、速度比eが例えば0.8程度〜1の高速度比域R3になると、図4(c)に示すように、タービンランナ14側から流れ込む作動油は第2ステータブレード18cの背面に当って第2ステータ18を回転させる。これにより、第2ワンウェイクラッチ50の係合は解除され、第2ステータ18も図4(c)の白抜き矢印方向に回転する。
特に、速度比eが1、すなわちトルクコンバータ10がカップリング状態に近付くと、第1ステータ17と第2ステータ18との回転差はなくなり、第1ステータ17と第2ステータ18との回転差は小さくなる。よって、引き摺りトルクは非常に小さくなるので、動力損失は少なく、伝達効率は良好となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ステータ16は2つのステータ17,18から構成する場合について説明したが、ステータを3つ以上のステータから構成してもよい。また、第2ワンウェイクラッチ50の形式は限定されず、ラチェット式、スプラグ式、ローラ式等のワンウェイクラッチであってもよい。
以上説明したように、第1ワンウェイクラッチ40より半径方向内側に第2ワンウェイクラッチ50が配置されている。従って、2つのワンウェイクラッチを軸方向に並べた上記特許文献1に記載されたトルクコンバータと比較して、トルクコンバータ10の軸方向長さを減少させることが可能となる。
さらに、上記特許文献2に記載のワンウェイクラッチのように空転時にドグ歯の傾斜した傾斜面を軸方向に付勢される力に抗しながら摺動するとは異なり、第1ワンウェイクラッチ40の空転時にはドグ歯41a,42aは互いに噛合しない。よって、ステータ16がスムーズに空転するので、流体損失が少なく、伝達効率が良好である。そして、高速度比域R3において第1ステータ17と第2ステータ18との回転差はなくなる場合、上記特許文献2に記載のワンウェイクラッチと比較して、ドグ歯41a,42aに挟まれた凹凸部の容積変化が少ないので、伝達媒体の攪拌が少なく、伝達媒体の温度上昇や劣化が少ない。
さらに、第1ワンウェイクラッチ40は、トルクコンバータ10の運転状態に応じた旋回流により第1ステータ17に発生するスラスト力S1に基づいて、第1ステータ17の第2ステータ18に対する係合又は解除を行う。
よって、第1ステータ17の係合又は解除を行うために、特別な油路を設ける必要がなく、上記特許文献1に図示された従来のワンウェイクラッチと比較して部品点数を削減することができる。従って、トルクコンバータ10のコストを抑制することが可能となる。
10…トルクコンバータ、 12…ポンプインペラ、 12a…ポンプシェル、 12b…ポンプコアリング、 12c…ポンプブレード、 13…ポンプハブ、 14…タービンランナ、 14a…タービンシェル、 14b…タービンコアリング、 14c…タービンブレード、 15…タービンハブ、 16…ステータ、 17…第1ステータ、 17a…第1シェル側リング、 17b…第1コア側リング、 17c…第1ステータブレード、 18…第2ステータ、 18a…第2シェル側リング、 18b…第2コア側リング、 18c…第2ステータブレード、 18d…ハブ、 21…フロントカバー、 22…ロックアップクラッチ、 24…第1スラストベアリング、 25…第2スラストベアリング、 26…第3スラストベアリング、 30…出力軸、 31…固定軸(固定部材)、 40…第1ワンウェイクラッチ、 41…ロックプレート(第1ステータに相対回転不可能に固定された部材)、 41a…ドグ歯(第1ドグ歯)、 42…サイドプレート(第2ステータに相対回転不可能に固定された部材)、 42a…ドグ歯(第2ドグ歯)、 43…押圧部材、 50…第2ワンウェイクラッチ、 51…内輪、 52…外輪、 53…係合体。

Claims (4)

  1. ポンプインペラに入力された回転力を、前記ポンプインペラとタービンランナとステータとの間を循環する流体を伝達媒体として、前記タービンランナに伝達するトルクコンバータであって、
    前記ステータは、前記タービンランナ側に配置される第1ステータと前記ポンプインペラ側に配置される第2ステータとが前記ポンプインペラの回転軸線方向に並設することにより構成され、
    当該トルクコンバータは、さらに、前記第1ステータ又は前記第1ステータに相対回転不能に固定された部材の前記回転軸線と直交する面に円周方向に亘って形成された複数の第1ドグ歯と、前記第2ステータ又は前記第2ステータに相対回転不能に固定された部材の前記回転軸線と直交する面に円周方向に亘って、前記複数の第1ドグ歯と対向するように形成された複数の第2ドグ歯とを有し、前記第1ドグ歯と前記第2ドグ歯が噛合する状態において前記第1ステータを前記第2ステータに対して一方向のみの前記回転軸線回りの回転を許容する第1ワンウェイクラッチ、
    前記第2ステータと前記第1ワンウェイクラッチより半径方向内側に固定された固定部材との間に配置され、前記第2ステータを前記固定部材に対して一方向のみの前記回転軸線回りの回転を許容する第2ワンウェイクラッチ、及び、
    前記第1ステータを前記第2ドグ歯側へ押圧する押圧部材を備え、
    前記第1ステータとともに前記第1ドグ歯は、前記第2ステータに対して前記回転軸線方向に移動可能であることを特徴とするトルクコンバータ。
  2. 前記第2ワンウェイクラッチは、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられた係合体とから構成され、前記外輪に、前記複数の第2ドグ歯が形成された前記部材が固定されていることを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータ。
  3. 前記第1ドグ歯及び前記第2ドグ歯は、円周方向に傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトルクコンバータ。
  4. 前記押圧部材はばねからなることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のトルクコンバータ。
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